説明

毛髪処理剤

【課題】 毛髪への塗布時、濯ぎ時において柔軟性や平滑性等が付与でき、乾燥後には滑らかさや櫛通りの良さが付与できる毛髪処理剤の提供。
【解決手段】 (a):一般式(1)で表される有機酸、一般式(2)で表される有機酸等から選ばれる少なくとも一種。
【化1】


[式中、Rは炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基等、RはH又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基等を示す。]
(b):第4級アンモニウム塩、3級アミン等から選ばれる少なくとも一種。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント等として使用できる毛髪処理剤に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、染毛剤、ムース等の毛髪処理剤には、使用する際の毛髪保護や感触を良好にするために、毛髪に対して柔軟性や平滑性、油性感と乾燥後の滑らかさ、櫛通りの良さを付与することが求められている。このような要求から、従来は、第4級アンモニウム塩やアミン塩が配合されている。これらの対イオンとしては、ClやBr等のハロゲンイオン、またはメチル硫酸やエチル硫酸等の短鎖硫酸イオン(特許文献1)、酢酸や酒石酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸及び長鎖アルキルを有するカルボン酸やスルホン酸等の有機酸イオン(特許文献2、特許文献3)等が報告されている。しかしながら、これらは毛髪への塗布時と乾燥後の使用感を十分に満足するものではない。
【特許文献1】特開平6−9346号公報
【特許文献2】国際公開第99/11226号パンフレット
【特許文献3】特開平9−118606号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、毛髪への塗布時及び濯ぎ時において十分な柔軟性や平滑性等を付与することができ、乾燥後においても十分な滑らかさ、櫛通りの良さを付与できる毛髪処理剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、第4級アンモニウム塩やアミン塩の対イオンとして特定の有機酸を使用することで、毛髪への塗布時及び濯ぎ時において十分な柔軟性や平滑性等を付与することができ、乾燥後においても十分な滑らかさ、櫛通りの良さを付与できることを見出した。
【0005】
即ち、本発明は、下記(a)成分及び(b)成分を含有する毛髪処理剤を提供する。
(a):一般式(1)で表される有機酸(以下有機酸(1)という)、又は一般式(2)で表される有機酸(以下有機酸(2)という)及びそれらの塩から選ばれる少なくとも一種。
【0006】
【化2】

【0007】
[式中、Rは炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、RはH又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。]
(b):第4級アンモニウム塩、3級アミン及びそれらの塩から選ばれる少なくとも一種。
【発明の効果】
【0008】
本発明の毛髪処理剤は、毛髪への塗布時において十分な柔軟性、平滑性、油性感を付与することができ、濯ぎ時において柔軟性、平滑性、滑らか感を付与することができ、乾燥後において十分な滑らかさ、櫛通りの良さを付与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
[(a)成分]
本発明の(a)成分は、有機酸(1)、有機酸(2)及びそれらの塩から選ばれる少なくとも一種である。
【0010】
有機酸(1)及び有機酸(2)において、Rは、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基を示し、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基が好ましく、特にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基が好ましい。炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、1−メチル−2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基が好ましい。
【0011】
有機酸(1)及び有機酸(2)において、Rは、H、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基から選ばれる基を示し、H、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基から選ばれる基が好ましく、特にH又はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基が好ましい。炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシエチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、1−メチル−2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基が好ましい。
【0012】
有機酸(1)及び有機酸(2)の合成法は特に限定されないが、例えば対応するアルコールに、必要に応じて水や溶媒等を用いて、無水リン酸、ポリリン酸又はリン酸等を反応させ、さらに必要に応じて抽出や晶析等をする方法や、対応するアルコールに、必要に応じて水や溶媒、塩基等を用いて、オキシ塩化リン等を反応させ、さらに必要に応じて加水分解や抽出、晶析等させて有機酸(1)を得る方法等がある。また、リンハライドと有機金属の反応や水素ホスホン酸エステルとオレフィン等を、必要に応じてパラジウムやロジウム、ニッケル系等の触媒や溶媒等を用いて反応させ、さらに必要に応じて抽出や蒸留等を行い有機酸(2)を得る方法等がある。
【0013】
有機酸(1)又は有機酸(2)の塩としては、Na、K等のアルカリ金属塩、置換又は無置換のアンモニウム塩等が挙げられる。
【0014】
[(b)成分]
本発明の(b)成分は、第4級アンモニウム塩、3級アミン及びそれらの塩から選ばれる少なくとも一種である。
【0015】
(b)成分は、有機酸(1)又は有機酸(2)と塩を形成して陽イオン性界面活性剤となるものであれば特に限定されないが、好ましくは一般式(3)で表される第4級アンモニウム塩、一般式(4)で表される3級アミン又はその塩であり、特に(b)成分として少なくとも一般式(4)で表される3級アミンを含むことが好ましい。
【0016】
【化3】

【0017】
[式中、
は、エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい、炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基、
は、エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい、炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基、或いは炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基、
及びRは炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基、
Xはアニオンを示す]。
【0018】
【化4】

【0019】
[式中、
は、エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい、炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基、
は、エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい、炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数8〜30の直鎖若しくは分岐鎖のアルケニル基、或いは炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基、
は、炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基を示す]。
【0020】
一般式(3)においてRは、エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数10〜28の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基が好ましく、特に、エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数14〜24の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基が好ましい。
【0021】
一般式(3)においてRは、エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい、炭素数14〜24の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、或いは炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基がさらに好ましく、特にメチル基、エチル基が好ましい。
【0022】
一般式(3)においてR及びRは、メチル基、エチル基が好ましい。Xで示されるアニオンとしては、Cl、Br等のハロゲンイオン、メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン等の短鎖アルキル硫酸イオン、酢酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸イオン、OH、炭酸イオン等が挙げられ、ハロゲンイオン、短鎖アルキル硫酸イオン、OH、炭酸イオンが好ましい。
【0023】
一般式(4)においてRは、エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数10〜28の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基が好ましく、特に、エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい炭素数14〜24の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基が好ましい。
【0024】
一般式(4)においてRは、エステル基、アミド基又はエーテル基で分断されていてもよい、炭素数14〜24の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、或いは炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数1〜3の直鎖若しくは分岐鎖のヒドロキシアルキル基がさらに好ましい。
【0025】
一般式(4)においてRは、メチル基、エチル基、ヒドロキシアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がさらに好ましい。
【0026】
一般式(4)で表される3級アミンの塩としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸の塩、酢酸、酒石酸、乳酸、リンゴ酸、コハク酸等の有機酸の塩が挙げられる。
【0027】
[毛髪処理剤]
本発明の毛髪処理剤中の(a)成分の含有量は、毛髪に良好な感触を与え、また製品の分層、固化等を抑制し良好な安定性を得る観点から、(b)成分に対し0.05〜20モル倍が好ましく、より好ましくは0.2〜10モル倍、特に0.3〜5モル倍が好ましい。
【0028】
本発明の毛髪処理剤中の(b)成分の含有量は、0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜15重量%、特に0.5〜10重量%が好ましい。
【0029】
本発明の毛髪処理剤は、さらに油状成分を含有することが好ましい。本発明の油状成分としては、高級アルコール、エステル油、シリコーン、炭化水素類等が挙げられ、好ましくは高級アルコール、エステル油等の油剤及び/又はシリコーン、特に高級アルコール及び/又はシリコーンが好ましい。
【0030】
高級アルコールとしては、炭素数10〜30の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数10〜30の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基を有する高級アルコール類、好ましくは炭素数12〜26の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数12〜26の直鎖もしくは分岐鎖のアルケニル基を有する高級アルコール、さらに好ましくは、セタノール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、カラナービルアルコール、セリルアルコール等が挙げられる。
【0031】
エステル油としては、炭素数8〜40の脂肪酸と炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルコールとのエステル類、好ましくは炭素数10〜24の脂肪酸と炭素数1〜3の直鎖又は分岐鎖のアルコールとのエステル類であり、さらに好ましくは炭素数12〜22の脂肪酸とプロピルアルコール又はイソプロピルアルコールとのエステルが挙げられる。
【0032】
シリコーンとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、脂肪酸変性ポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン等が挙げられる。
【0033】
本発明の毛髪処理剤中の油状成分の含有量は、毛髪の良好な感触や油状成分の乳化/分散安定性の観点から0.1〜30重量%が好ましく、0.5〜25重量%がさらに好ましく、1〜20重量%が特に好ましい。
【0034】
本発明の毛髪処理剤は、さらに(a)成分の有機酸(1)、有機酸(2)及びそれらの塩以外の有機酸を配合することができる。前記他の有機酸としては、特に限定されないが、例えば、乳酸、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、グリコール酸、ヒドロキシアクリル酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ポリグルタミン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等が挙げられる。但し、pH調整剤として用いられる有機酸は、(a)成分と併用する有機酸には含まれない。
【0035】
(a)成分を除く他の有機酸の含有量は、(a)成分と同量以下であることが好ましく、(b)成分に対し0〜10モル倍が好ましく、より好ましくは0〜5モル倍、特に0〜3倍が好ましい。
【0036】
本発明の毛髪処理剤には、他の陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤、ラノリン誘導体、高級脂肪酸エステル類、高級脂肪酸類、油脂類、グリセリン、アミノ酸、保湿剤、カチオン性ポリマー、多糖類、ポリペプタイド、パール化剤、溶剤、液晶形成剤、無機酸、色素、香料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、噴射剤、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、抗フケ剤等を本発明の目的を損なわない範囲内で適宜配合することができる。
【0037】
本発明の毛髪処理剤は、水溶液、エタノール溶液、エマルション、サスペンション、ゲル、液晶、エアゾール等の所望の剤型にすることができる。
【0038】
本発明の毛髪処理剤のpHは、2〜12が好ましく、さらに3〜11がコンディショニングの効果の付与から好ましく、特に3〜6が毛髪の良好な感触や製品の安定性の観点から好ましい。
【0039】
本発明の毛髪処理剤は、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアクリーム、コンディショニングムース、ヘアムース、ヘアスプレー、リーブオントリートメント、シャンプー、ヘアローションシャンプー、染毛剤等に用いることができる。
【実施例】
【0040】
以下、例中の%は、特記しない限り重量%である。以下の実施例で用いる(a)成分をまとめて表1に、また(b)成分をまとめて表2に示す。
【0041】
【表1】

【0042】
【表2】

【0043】
実施例1〜7及び比較例1〜3
(a)成分として有機酸A〜G、又は比較の酸として乳酸、L−グルタミン酸、塩酸、(b)成分として(b−1)を用い、表3に示す組成のヘアリンス剤を常法により調製した。これらのヘアリンス剤について、下記の方法により、毛髪への塗布時、濯ぎ時及び乾燥後の性能を評価した。結果を表3に示す。
【0044】
<評価方法>
コールドパーマ等の化学処理をしたことのない日本人女性の毛髪20g(長さ20cm,平均直径60μm)を束ね、シャンプー5gを用いて洗浄した。このシャンプー組成は、ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12)エーテル硫酸ナトリウム(エチレンオキシド平均付加モル数2.5)15%、ジエタノールアミド3%、残部は水である。
【0045】
その後、ヘアリンス剤の2.0gを均一に塗布し、30秒間約40℃の流水で濯いだ。この塗布時の柔軟性、平滑性、油性感、濯ぎ時の柔軟性、平滑性、滑らか感の持続性、及び乾燥後の滑らか感、櫛通り感について、専門パネラー5人で、下記基準で官能評価した。
◎;4人以上が効果あると回答
○;3人が効果あると回答
△;2人が効果あると回答
×;1人以下が効果あると回答
【0046】
【表3】

【0047】
実施例8〜11
表4に示す酸及び(b)成分を用い、表4に示す組成のヘアリンス剤を常法により調製した。これらのヘアリンス剤について、実施例1と同様にして、毛髪への塗布時、濯ぎ時及び乾燥後の性能を評価した。結果を表4に示す。
【0048】
【表4】

【0049】
実施例12
下記組成のヘアコンディショナー剤を製造した。このヘアコンディショナーは、塗布時、濯ぎ時の柔軟性や平滑性、油性感、及び乾燥後に十分な滑らかさがあり、櫛通りも良好であった。
【0050】
有機酸A 0.6%
(対(b)成分モル比=1.3)
(b−2) 1.6%
ステアリルアルコール*1 4.0%
グリセリン 1.0%
ベンジルオキシエタノール 0.3%
シリコーン*2 2.0%
アミノ変性シリコーン-ポリオキシアルキレンブロック共重合体*3 0.5%
ジペンタエリスルトール脂肪酸エステル*4 0.2%
ヒドロキシエチルセルロース*5 0.2%
高重合ポリエチレングリコール*6 0.05%
酢酸トコフェロール 0.1%
香料、メチルパラベン 適量
精製水 残量
(pH4.5)
*1:花王(株)製 カルコール8098
*2:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 BY00−003
*3:日本ユニカー製 FZ-3789
*4:日清製油(株)製 コスモール168AR
*5:ダイセル化学工業(株)製 SE−850
*6:ユニオンカーバイド社製 ポリオックスWSRN−60K
実施例13
下記組成のヘアトリートメント剤を製造した。このヘアトリートメントは、塗布時、濯ぎ時の柔軟性や平滑性、油性感、及び乾燥後に十分な滑らかさがあり、櫛通りも良好であった。
【0051】
有機酸C 1.1%(対(b)成分モル比=1.2)
(b−3) 2.5%
ステアリルアルコール 4.5%
ベヘニルアルコール*1 1.5%
イソノナン酸イソノニル*2 0.5%
シリコーン*3 1.0%
アミノ変性シリコーン*4 0.5%
リンゴ酸 0.1%
ジプロピレングリコール 3.0%
ベンジルアルコール 0.3%
アルギニン 0.2%
パントテニルエチルエーテル 0.1%
香料、メチルパラベン 適量
精製水 残量
(pH4.0)
*1 花王(株)社製 カルコール22080
*2 日清製油(株)社製 サラコス99
*3 東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)社製 SH200C―5000cs
*4 東レ・ダウコーニング(株)社製 SM8704C







【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(a)成分及び(b)成分を含有する毛髪処理剤。
(a):一般式(1)で表される有機酸、一般式(2)で表される有機酸及びそれらの塩から選ばれる少なくとも一種。
【化1】

[式中、Rは炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、RはH又は炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を示す。]
(b):第4級アンモニウム塩、3級アミン及びそれらの塩から選ばれる少なくとも一種。
【請求項2】
(a)の有機酸の含有量が、(b)成分に対して0.05〜20モル倍であり、(b)成分の含有量が0.1〜20重量%である請求項1記載の毛髪処理剤。
【請求項3】
一般式(1)又は一般式(2)において、R及びRが炭素数1〜4の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基又は炭素数2〜3のヒドロキシアルキル基である請求項1又は2記載の毛髪処理剤。
【請求項4】
さらに、油状成分を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の毛髪処理剤。
【請求項5】
(b)成分の少なくとも一種が、3級アミン又はその塩である請求項1〜4のいずれかに記載の毛髪処理剤。

【公開番号】特開2007−210897(P2007−210897A)
【公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−29410(P2006−29410)
【出願日】平成18年2月7日(2006.2.7)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】