説明

毛髪処理剤

【課題】毛髪の初期弾性率及び破断強度の低下を抑制できる毛髪処理剤の提供。
【解決手段】アミドアミンと、シア脂、シア脂油、ババス油、及びチャボトケイソウ種子油から選択された一種又は二種以上とが配合された毛髪処理剤。そのアミドアミンとして、下記式(1)で表される脂肪酸アミドアミンを用いると良い。
−CO−NH−(CH)−NR (1)
(上記式(1)において、Rは炭素数11以上25以下の炭化水素基又はヒドロキシ炭化水素基を表し、nは1以上4以下の整数を表し、Rは炭素数3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、Rは炭素数3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪の染毛処理、トリートメント処理等を行うための毛髪処理剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
頭皮への刺激が無い毛髪コンディショニング成分といわれているアミドアミンは、各種毛髪処理剤に配合されている。例えば、特許文献1には、脂肪酸アミドアミンが配合された染毛剤が開示され、特許文献2には、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド及びオリーブ油が配合されたトリートメントが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−19185号公報
【特許文献2】特開2003−81783号公報
【0004】
ところで、従来から毛髪のハリ及び強度を良好にすることが望まれており、これに応じるためには、毛髪処理剤に配合するコンディショニング成分として毛髪の初期弾性率及び破断強度を良好にするコンディショニング成分が選定される。アミドアミンは優れた初期弾性率と破断強度を実現できる成分ではあるが、毛髪にしっとり感等を通常付与する油脂等の他成分との組合せによっては、初期弾性率又は破断強度が単なる水洗処理よりも大きく低下する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、毛髪の初期弾性率及び破断強度の低下を抑制できる毛髪処理剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等が鋭意検討を行った結果、アミドアミンと共に毛髪処理剤に配合する油脂が特定のものであれば、毛髪の初期弾性率及び破断強度の低下抑制を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明に係る毛髪処理剤は、アミドアミンと、シア脂、シア脂油、ババス油、及びチャボトケイソウ種子油から選択された一種又は二種以上とが配合されたものである。
【0008】
本発明の毛髪処理剤には、前記アミドアミンとして、下記式(1)で表される脂肪酸アミドアミンを配合すると良い。
−CO−NH−(CH)−NR (1)
(上記式(1)において、Rは炭素数11以上25以下の炭化水素基又はヒドロキシ炭化水素基を表し、nは1以上4以下の整数を表し、Rは炭素数3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、Rは炭素数3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
【0009】
本発明に係る毛髪処理剤のpHは、7.0未満が良い。このpH範囲であれば、カチオン化したアミドアミン量が多くなり、毛髪に吸着するアミドアミン量が増加する。
【0010】
本発明の毛髪処理剤は、ヘアケア剤であると良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る毛髪処理剤によれば、毛髪の初期弾性率及び破断強度の低下を抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る毛髪処理剤は、アミドアミンと、油脂が配合されたものである。また、この毛髪処理剤を実使用したときの毛髪の初期弾性率及び破断強度が許容されるのであれば、更に公知の毛髪処理剤原料が配合されていても良い。
【0013】
(アミドアミン)
本発明の毛髪処理剤には、公知のアミドアミンが配合されていると良い。公知のアミドアミン及アミドアミン塩から選択された一種又は二種以上を、本発明の毛髪処理剤に配合するアミドアミンとして用いる。この毛髪処理剤におけるアミドアミンの配合量は、特に限定されないが、より良好な毛髪の初期弾性率及び破断強度の観点、並びに毛髪処理剤のコストの観点からは、0.1質量%以上10.0質量%以下が良く、0.5質量%以上8.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以上5.0質量%以下がより好ましい。
【0014】
アミドアミンは、毛髪の初期弾性率及び破断強度を良好にできる成分である。このことは、本発明に係る発明者が行った試験において確認されている。その試験内容の詳細は、以下の通りである。
【0015】
毛髪試料:
過酸化水素3質量%、アンモニア1.5質量%の水溶液で、30分間脱色処理された毛束。
毛髪処理剤:
水に、下記表1の配合原料6mmol、セタノール5質量%、及び2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン0.001質量%を配合し、グルタミン酸及び水酸化ナトリウムでpH調整したクリーム状毛髪処理剤。基準となる毛髪処理剤は、水のみを成分とするもの。
毛髪処理方法:
毛髪処理剤1質量部が塗布された毛髪試料1質量部を、フィルムに包んだ後、40℃雰囲気に40時間放置した。次に、毛髪試料を流水で30秒間洗浄し、温風乾燥させた。
【0016】
毛髪処理後の毛髪試料について、初期弾性率及び破断強度を測定した。測定した毛髪本数は各毛髪試料につき5本とし、測定値の平均を算出した。
【0017】
表1は、上記測定結果を示すものである。表1の「基準差」において、(1)4級アンモニウムを配合したものは、「基準」に比して初期弾性率又は破断強度が劣っていた、(2)アミドアミン(ベヘン酸アミドプロピルジメチルアミン、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミン)を配合したものは、「基準」に比して初期弾性率及び破断強度が共に優れていた、ことを確認できる。このことから、初期弾性率と破断強度を良好にするには、本発明の毛髪処理剤に、4級アンモニウムを配合しないか、4級アンモニウムを配合したとしても少量(例えば、毛髪処理剤において0.5質量%以上1.5質量%以下)が好ましいといえる。
【0018】
【表1】

【0019】
本発明の毛髪処理剤に配合されるアミドアミンの例としては、脂肪酸アミドアミンが挙げられる。下記式(1)で表される脂肪酸アミドアミンは、本発明の毛髪処理剤に配合するアミドアミンとして好適なものである。
−CO−NH−(CH)−NR (1)
上記式(1)におけるR、n、R、及びRは、以下の通りである。Rは、炭素数11以上25以下(炭素数15以上21以下でも良い。)の炭化水素基又はヒドロキシ炭化水素基を表す。このRは、飽和又は不飽和のものであり、また、直鎖状又は分岐鎖状のものである。nは、1以上4以下(2以上3以下でも良い。)の整数を表す。Rは、炭素数3以下(炭素数2以下でも良い。)のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。このRは、直鎖状又は分岐鎖状のものである。Rは、炭素数3以下(炭素数2以下でも良い。)のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。このRは、直鎖状又は分岐鎖状のものである。
【0020】
脂肪酸アミドアミンとしては、例えば、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド、イソステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、リノール酸ジメチルアミノプロピルアミド、リシノレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ヒドロキシステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸N,N−ジヒドロキシメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノエチルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノエチルアミド、オレイン酸ジエチルアミノエチルアミド、リノール酸ジエチルアミノエチルアミド、リシノレイン酸ジエチルアミノエチルアミド、イソステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ヒドロキシステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸N,N−ジヒドロキシエチルアミノエチルアミド、ラウリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ベヘン酸ジエチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジエチルアミノプロピルアミド、リノール酸ジエチルアミノプロピルアミド、リシノレイン酸ジエチルアミノプロピルアミド、イソステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ヒドロキシステアリン酸ジエチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸N,N−ジヒドロキシエチルアミノプロピルアミドが挙げられる。
【0021】
(油脂)
本発明の毛髪処理剤には、シア脂、シア脂油、ババス油、及びチャボトケイソウ種子油から選択された一種又は二種以上の油脂が配合される(本明細書において、シア脂は20℃で固形状のものを意味し、シア脂油は20℃で液状のものを意味する。つまり、シア脂とシア脂油は、明確に区別される。)。これらシア脂、シア脂油、ババス油、及びチャボトケイソウ種子油のいずれも、毛髪の柔らかさを良好にする。なお、前記選定された油脂が配合され、かつ、実使用したときの毛髪の初期弾性率及び破断強度を許容できるのであば、毛髪のしっとり感付与等の目的で上記選定された油脂以外の油脂が本発明の毛髪処理剤に配合されていても良い。
【0022】
本発明の毛髪処理剤におけるシア脂、シア脂油、ババス油、及びチャボトケイソウ種子油から選択された一種又は二種以上の合計配合量は、特に限定されないが、より良好な毛髪の初期弾性率及び破断強度の観点、並びに毛髪処理剤のコストの観点からは、0.1質量%以上15.0質量%以下が良く、1.0質量%以上10.0質量%以下が好ましく、2.0質量%以上8.0質量%以下がより好ましい。また、前記選定された油脂以外の油脂を配合する場合には、その選定された油脂と当該選定された油脂以外の合計配合量は、例えば、0.1質量%以上15.0質量%以下、1.0質量%以上10.0質量%以下、2.0質量%以上8.0質量%以下である。
【0023】
(任意原料)
本発明の毛髪処理剤に配合される任意原料は、公知の毛髪処理剤原料から、この毛髪処理剤の用途、目的に応じて適宜に選定される。この毛髪処理剤原料は、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、アルコール、多価アルコール、糖類、エステル油、脂肪酸、炭化水素、ロウ、シリコーン、合成高分子化合物、半合成高分子化合物、天然高分子化合物、蛋白、アミノ酸、動植物抽出物、微生物由来物、無機化合物、香料、防腐剤、金属イオン封鎖剤、紫外線吸収剤、色素、還元剤、酸化剤、染料、顔料などである。
【0024】
酸を本発明の毛髪処理剤に配合することが好ましい。酸の配合により、アミドアミンのカチオン化が促進し、このアミドアミンの毛髪処理における毛髪への吸着量が増加することになる。
【0025】
一種又は二種以上の酸を、本発明の毛髪処理剤に配合できる。酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、アルキル硫酸等の有機酸;が挙げられる。
【0026】
本発明の毛髪処理剤に水(水の配合量は、例えば70質量%以上)が配合されている場合、この毛髪処理剤のpHが7.0未満となるように酸の配合量を設定することが好ましい。pH7.0未満にするための具体的な酸の配合量は、アミドアミンを中和するための必要量を超える量である。このような配合量であれば、カチオン化したアミドアミン量が増加する。毛髪処理による毛髪への損傷の抑制及びカチオン化したアミドアミン量をより増加させるためには、酸の配合量を、毛髪処理剤のpHが2.0以上6.5以下となる量が良く、3.0以上6.0以下となる量が好ましく、3.5以上5.0以下となる量がより好ましい。
【0027】
本発明の毛髪処理剤の高粘度化、乳化安定性向上等の目的で、炭素数6以上の一価アルコールである高級アルコールから選択された一種又は二種以上を配合しても良い。高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、イソセチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコールが挙げられる。本発明の毛髪処理剤における高級アルコールの配合量は、例えば、1質量%以上15質量%以下、1質量%以上10質量%以下、3質量%以上8質量%以下である。
【0028】
(剤型)
毛髪処理剤の使用時の剤型は、特に限定されず、例えば、液状、乳液状、ローション状、クリーム状、ワックス状、ゲル状、固形状、フォーム状(泡状)、霧状が挙げられる。
【0029】
(製造方法)
使用時の剤型に応じた公知の毛髪処理剤の製法を採用すれば、本発明の毛髪処理剤を製造できる。クリーム状O/Wエマルション型の本発明の毛髪処理剤を製造する例としては、アミドアミン及び油脂を配合した油相と、水相を混合する方法がある。
【0030】
(用途)
本発明に係る毛髪処理剤は、特に限定されず、ヘアケア剤、パーマ剤、カラーリング剤、脱色剤、スタイリング剤等である。「ヘアケア剤」とは、毛髪の手入れや手当てを行うために用いられる毛髪処理剤である。ヘアケア剤としては、例えば、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント(例えば、洗い流さないトリートメント、洗い流すトリートメント、整髪兼用トリートメント、多剤式トリートメントの一構成剤、パーマの前処理のためのトリートメント、パーマの後処理のためのトリートメント、カラーリングの前処理のためのトリートメント、カラーリングの後処理のためのトリートメント、脱色の前処理のためのトリートメント、脱色の後処理のためのトリートメント)が挙げられる。「パーマ剤」とは、還元反応、酸化反応等の化学反応を利用して毛髪形状を変化させるために用いられる毛髪処理剤である。1剤式パーマ剤、2剤式パーマ剤の還元剤が配合された第1剤及び2剤式パーマ剤の酸化剤が配合された第2剤のいずれも本発明に係る毛髪処理剤に該当する。「カラーリング剤」とは、毛髪を着色するために用いられる毛髪処理剤である。「脱色剤」とは、毛髪の色素を脱色させるために用いられる毛髪処理剤である。「スタイリング剤」とは、髪型を一時的に保持するために用いられる毛髪処理剤である。
【実施例】
【0031】
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
【0032】
(毛髪処理剤)
下記表2の配合組成のクリーム状O/W型毛髪処理剤を製造した。基準となる比較例1a及び比較例2の毛髪処理剤は、水のみを成分とするもの。
【表2】

【0033】
実施例の毛髪処理剤における油脂の詳細を以下に示す。
シア脂:Biochemica
International社製「Shea Butter Ultra Refined」
融点31〜38℃
構成脂肪酸 パルミチン酸 3〜5質量%
ステアリン酸 40〜45質量%
オレイン酸 43〜47質量%
リノール酸 5〜8質量%
ババス油:Biochemica
International社製「Babassu Oil Ultra Refined」
軟性固体化温度24℃以下
シア脂油:Biochemica
International社製「Shea Oil Ultra Refined」
融点5℃
構成脂肪酸 パルミチン酸 4.0〜7.0質量%
パルミトレイン酸 0.90質量%未満
ステアリン酸 8.0〜15.0質量%
オレイン酸 68.0〜78.0質量%
リノール酸 6.0〜10.0質量%
α−リノレイン酸 0.5質量%未満
チャボトケイソウ種子油:cognis社製「CEGESOFT PFO」
【0034】
(毛髪処理)
製造した実施例、比較例、及び参考例の毛髪処理剤で、毛髪を処理した。処理対象とした毛髪、毛髪処理方法の詳細は、以下の通りである。
【0035】
処理対象毛髪:
過酸化水素3質量%、アンモニア1.5質量%の水溶液で、10分間脱色処理された1.5g程度の毛束。なお、実施例2及び比較例2の毛髪処理剤で処理した毛束の入手日は、その他の毛髪処理剤で処理した毛束の入手日と異なる。
【0036】
毛髪処理方法:
毛髪処理剤が塗布された毛束を、フィルムに包んだ後、40℃雰囲気に24時間放置した。次に、毛束を流水で30秒間洗浄し、温風乾燥させた。
【0037】
(毛髪特性)
毛髪の初期弾性率、破断強度、ねじり剛性率、及びヒステリシスを測定し、測定数5回の平均値を算出した。
【0038】
上記初期弾性率及び破断強度については、オリエンテック社製「TENSILON UTM−II−20」を使用し、単位断面積当たりの初期弾性率と破断強度を測定した。測定条件は、測定前に毛髪試料を水に24時間浸漬、測定時に毛髪試料を水中浸漬、温度25℃、引張り速度2mm/分、毛髪試料の引張り間隔20mmとした。
【0039】
上記ねじり剛性率及びヒステリシスについては、ねじり試験機を用いて測定した。測定条件は、毛髪試料の長径と短径を測定した後、ねじり試験機にセットし、120度/secの速度で左右に3回転ねじった。
【0040】
(官能評価)
専門の評価者3名により、毛束の柔らかさを評価した。
【0041】
実施例、比較例、及び参考例の毛髪処理剤で処理した毛髪の評価結果は、下記表3〜5の通りである。
【0042】
なお、表3〜5における「基準差」は、比較例を基準とした百分率差であり、詳しくは、次の算出式に基づいた値である。
初期弾性率: (実施例−比較例)/比較例×100
破断強度: (実施例−比較例)/比較例×100
ねじり剛性率: (比較例−実施例)/比較例×100
ヒステリシス: (実施例−比較例)/比較例×100
【0043】
表3〜5における「特性評価」は、以下の基準によるものである。
◎:+5%超
○:2%超、5%未満
―:−2%以上、+2%以下
△:−5%以上、−2%未満
×:−5%未満
【0044】
また、表3〜5における「毛髪の柔らかさ」は、以下の基準によるものである。参考例1a〜参考例1fの比較対象は、比較例1aとした。
◎: 柔らかく、すべりを感じる。
○: 比較的柔らかい。
―: 基準と同等。
×: 比較的柔らかくない。
【0045】
【表3】

【0046】
【表4】

【0047】
【表5】

【0048】
上記表3及び表4の「特性評価」における実施例1a〜1cと比較例1a〜1bとの対比、及び実施例2と比較例2との対比によれば、本発明の毛髪処理剤を用いることで、毛髪の初期弾性率及び破断強度を良好にできることが分かる。また、同表の「毛髪の柔らかさ」における実施例1a〜1cと比較例1aとの対比、及び、実施例2と比較例2との対比によれば、本発明の毛髪処理剤を用いることで、毛髪の柔らかさも良好にできることが分かる。そして、実施例等での毛髪処理では毛髪処理剤の塗布条件を「40℃雰囲気」で「24時間」としていることから、本発明の毛髪処理剤は、塗布から洗い流すまでの時間が長い用途や、連日、隔日等の継続的な使用の場合に、毛髪の初期弾性率及び破断強度を良好にできるものであるといえる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の毛髪処理剤は、毛髪の初期弾性率及び破断強度の低下抑制に適していることから、シャンプー後に毛髪に塗布して洗い流すリンス、コンディショナー、トリートメント等の日常的、継続的に使用されるヘアケア剤としての用途においても好適に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミドアミンと、
シア脂、シア脂油、ババス油、及びチャボトケイソウ種子油から選択された一種又は二種以上と
が配合された毛髪処理剤。
【請求項2】
前記アミドアミンとして、下記式(1)で表される脂肪酸アミドアミンが配合された請求項1に記載の毛髪処理剤。
−CO−NH−(CH)−NR (1)
(上記式(1)において、Rは炭素数11以上25以下の炭化水素基又はヒドロキシ炭化水素基を表し、nは1以上4以下の整数を表し、Rは炭素数3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表し、Rは炭素数3以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。)
【請求項3】
pHが、7.0未満である請求項1又は請求項2に記載の毛髪処理剤。
【請求項4】
ヘアケア剤である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の毛髪処理剤。

【公開番号】特開2011−121899(P2011−121899A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−281008(P2009−281008)
【出願日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【出願人】(592255176)株式会社ミルボン (138)
【Fターム(参考)】