説明

毛髪化粧品及びそれを用いた毛髪の染毛又は脱色方法

【課題】容器内において各組成物を混合したときの混合性が良好であり、かつ混合によって生じた毛髪化粧料が適度な流動性を呈する毛髪化粧品を提供する。
【解決手段】毛髪化粧品は、アルカリ剤を含有する組成物A;酸化剤を含有する組成物B;粉末状の酸化助剤を含有する組成物C;並びに組成物A、B及びCの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部4、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部2、及び該容器部4と該塗布部2とを連通する液導出路51を有する延長部5から構成される毛髪化粧料塗布具1;を具備する。塗布部2が、吐出口21及び櫛部23を有し、櫛部23が、吐出口21の周囲を囲むように略円環状に配置された複数の櫛歯22を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪化粧品及びそれを用いた毛髪の染毛又は脱色方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、毛髪の染毛や脱色の施術においては、浅底の容器に盛られた毛髪化粧料を塗布具に移し取って毛髪に塗布する動作を繰り返し行っていた。この繰り返し操作は煩雑であるため、施術に失敗する原因となることが多い。そこで、この繰り返し操作をなくすため、毛髪化粧料の貯蔵部から連結部を介して塗布部へと該毛髪化粧料を供給する貯蔵部塗布部一体型染毛道具が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この技術とは別に、毛髪の染毛や脱色において明瞭な施術効果を得るためには高い脱色力が必要であり、その目的のために、過硫酸塩等の粉末状の酸化助剤を用いた毛髪化粧料が提案されている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、明瞭な施術効果を得るべく粉末状の酸化助剤を用い、同時に塗布動作を簡便なものにするために一体型染毛道具を用いた場合には、粉末状の酸化助剤を一体型染毛道具の貯蔵部内で他の成分と混合分散して毛髪化粧料を調製することが困難であるという新たな問題が生じる。また、毛髪化粧料の吐出性が低下するという新たな問題も生じる。これらの問題を解消するために、毛髪化粧料の粘度を低くしてその流動性を高くすると、頭髪への塗布時に毛髪化粧料が垂れ落ちやすくなる。また、塗布後に毛髪化粧料が頭髪の他の部分や、頭髪以外の部位に付着しやすくなる。
【0004】
ところで毛髪の染毛や脱色においては、頭髪の全部を一様に染毛する、いわゆる全体染めと、頭髪の一部を選択して染毛するハイライティングと呼ばれる部分染めがある。全体染めの場合は、頭髪のうち特定部位を選択する必要がないので、染毛作業は比較的容易である。これに対して部分染めは作業が比較的煩雑である。例えばヘアサロンでは、いわゆるテールコームと呼称される櫛の先細のテール部分で、部分染めする頭髪を層状に頭部から引き出し、その頭髪に刷毛で染毛剤を塗布している。しかし、このようなヘアサロンの作業を個人が自身で実施することは困難である。
【0005】
そこで、このような部分染めを個人が自身で実施するための専用の器具が提案されている。例えば特許文献3には、内部にカラー剤を流通させるための流通路が形成された中空の筒形状をなすノズル本体の先端に、一対の開口溝を配置した染毛用ノズルが提案されている。一対の開口溝の間隙には、部分染めする頭髪を挿通させることができるようになっている。部分染めを行う場合には、吐出容器に装着したノズルの開口溝に、部分染めしたい頭髪を束状に挿通させる。そして、ノズルの先端を頭髪の根本部分に位置させておき、吐出容器を押圧しながら、部分染めする頭髪の根本部分から毛先部分までノズルを移動させる。すると、開口溝に染毛剤が吐出されるので、これで頭髪の所望部分が部分染めされることになる。
【0006】
しかし、特許文献3に記載のノズルを用いた場合、部分染めする頭髪の完全に根本の部分を染毛することは困難である。この理由は、ノズルの基端(容器との接続部)の所定幅の分だけ、頭髪の根本に対して開口溝を完全に接近させることが困難なためである。また、同文献に記載のノズルを用いた場合、毛先を指で摘んで頭髪をぴんと張った状態で一対の開口溝の間に頭髪に通す必要があることから、頭髪の最も先端を染毛することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−16470号公報
【特許文献2】特開2006−169203号公報
【特許文献3】特開平10−290712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る毛髪化粧品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、アルカリ剤を含有する組成物A;
酸化剤を含有する組成物B;
粉末状の酸化助剤を含有する組成物C;並びに
組成物A、B及びCの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、
該塗布部が、吐出口及び櫛部を有し、該櫛部が、該吐出口の周囲を囲むように略円環状に配置された複数の櫛歯を有する毛髪化粧品を提供するものである。
【0010】
また本発明は、アルカリ剤を含有する組成物A;
酸化剤を含有する組成物B;
粉末状の酸化助剤を含有する組成物C;並びに
組成物A、B及びCの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、
前記毛髪化粧料の25℃におけるpHが8.0〜12.5であり、
前記液導出路における最狭部での直径をa(mm)とし、前記毛髪化粧料の30℃における粘度をb(Pa・s)としたとき、a/bの値が0.1〜5であり、
前記容器部の体積に占める、前記毛髪化粧料が収容された状態での該容器部のヘッドスペースの体積の割合をc(%)としたとき、c/bの値が0.5〜15であり、
前記毛髪化粧料塗布具はその全長が5〜40cmである、毛髪化粧品を提供するものである。
【0011】
更に本発明は、アルカリ剤を含有する組成物A;
酸化剤を含有する組成物B;
粉末状の酸化助剤を含有する組成物C;並びに
組成物A、B及びCの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、該塗布部が、吐出口及び櫛部を有し、該櫛部が、該吐出口の周囲を囲むように略円環状に配置された複数の櫛歯を有する毛髪化粧品を用いた毛髪の染毛又は脱色方法であって、
以下の工程1)ないし3)を有する毛髪の染毛又は脱色方法を提供するものである。
1)前記組成物A、B及びCを、前記容器部内において混合して、該容器部内において前記毛髪化粧料を生じさせる工程。
2)前記毛髪化粧料を収容した前記容器部と、前記塗布部と、前記延長部とを組み付けられた状態の毛髪化粧料塗布具を用い、前記延長部の前記液導出路を介して、前記容器部から前記塗布部へ前記毛髪化粧料を供給する工程。
3)前記塗布部に供給された前記毛髪化粧料を毛髪に塗布する工程。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、塗布具の容器部内において各組成物を混合したときの混合性が良好であり、かつ混合によって生じた毛髪化粧料が適度な流動性を呈する毛髪化粧品が提供される。本発明の毛髪化粧品は、特に毛髪の部分染め、とりわけ筋状塗布を行う場合にその効果が顕著なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の毛髪化粧品に用いられる毛髪化粧料塗布具の一実施形態を 示す一部破断側面図である。
【図2】図2は、図1に示す毛髪化粧料塗布具の塗布部の拡大斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す毛髪化粧料塗布具の塗布部の櫛歯台を、櫛部が突出する面側から見た平面図である。
【図4】図4は、図1に示す毛髪化粧料塗布具の塗布部と延長部との接続状態を示す部分断面図である。
【図5】図5は、図1に示す毛髪化粧料塗布具における筒状の櫛部の内側の空間内に液状又は泡状の毛髪化粧料を貯留させた状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、図1に示す毛髪化粧料塗布具を用いて頭髪に毛髪化粧料を塗布する様子を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の毛髪化粧品は、頭髪が主たる適用対象であり、頭髪の染毛、脱色及び脱染に用いられる。すなわち、本発明において、毛髪化粧品が染料を含有する場合、該毛髪化粧品は頭髪を染毛するために用いられ、染料を含有しない場合は、頭髪を脱色するために用いられる。更に、すでに染毛剤が適用された頭髪に、本発明の毛髪化粧品を用いる場合、該毛髪化粧品は頭髪を脱染するために用いられる。毛髪化粧品は、(i)アルカリ剤を含有する組成物A、(ii)酸化剤を含有する組成物B、(iii)粉末状の酸化助剤を含有する組成物C及び(iv)毛髪化粧料塗布具の少なくとも4つを要素とし、これらが1つのパッケージ内に収納されたキットの形態をなしている。あるいは、毛髪化粧品は、(i')アルカリ剤及び粉末状の酸化助剤を含有する組成物A'、(ii)酸化剤を含有する組成物B及び(iv)毛髪化粧料塗布具の少なくとも3つを要素とし、これらが1つのパッケージ内に収納されたキットの形態をなすこともある。いずれの毛髪化粧キットであっても、組成物A、組成物B、組成物C及び組成物A'は、それぞれ独立して個別の容器内に収容されている。本発明の毛髪化粧品の使用前の状態においては、各組成物は容器内に密封収容されている。
【0015】
本発明の毛髪化粧品が染毛用の化粧品である場合、組成物Aはアルカリ剤の他に染料を含有し、組成物A'はアルカリ剤及び粉末状の酸化助剤の他に染料を含有する。本発明の毛髪化粧品が脱色用の化粧品である場合、組成物Aは染料を含有することなくアルカリ剤を含有し、組成物A'は染料を含有することなくアルカリ剤及び粉末状の酸化助剤を含有する。本発明の毛髪化粧品が染毛用であるか、それとも脱色用であるかを問わず、組成物Aは、液状体であっても、クリーム状体乃至ペースト状体、又は粉状体であっても良いが、好ましくは液状体又はクリーム状体であり、より好ましくは液状体である。一方、組成物A'は、液状体であっても、クリーム状体乃至ペースト状体、又は粉状体であっても良いが、好ましくは粉状体又はペースト状体であり、より好ましくは粉状体である。
【0016】
組成物Bに関しては、本発明の毛髪化粧品が染毛用であるか、それとも脱色用であるかを問わず、液状体であっても、又はクリーム状体乃至ペースト状体であっても良いが、好ましくは液状体又はクリーム状体であり、より好ましくは液状体である。組成物Cは一般に粉状体である。
【0017】
先に述べたとおり、各組成物はそれぞれ独立して別個の容器内に密封収容されている。
組成物が液状体である場合、該組成物を収容する容器としては例えば、上方を向いて開口した口首部を有し、該口首部が閉栓部材で閉塞可能になっているボトルを用いることができる。組成物がクリーム状体である場合、該組成物を収容する容器としては例えば、チューブを用いることができる。組成物が粉状体である場合、該組成物を収容する容器としては例えば、小袋(パウチ)を用いることができる。
【0018】
図1には、本発明の毛髪化粧品の一要素である毛髪化粧料塗布具(以下、単に「塗布具」ともいう。)の一実施形態の一部破断側面図が示されている。塗布具1は、図1に示すように、剤吐出口21及び該剤吐出口21の周囲を囲むように略円環状に配置された複数の櫛歯22からなる櫛部23を有する塗布部2と、毛髪化粧料(図示せず)を収容し、該毛髪化粧料を塗布部2に供給可能な容器部4とを有する。また塗布具1は、毛髪化粧料を容器部4から塗布部2に供給するための液導出路51を持つ延長部5を有する。
【0019】
塗布部2は、頭髪に接触する部分であり、頭髪を櫛部23で梳きながら該頭髪に毛髪化粧料を塗布可能になっている。塗布部2は、図2及び図3に示すように、平面視円形状の櫛歯台20を備えており、該櫛歯台20の中央部に、延長部5を通じて供給された毛髪化粧料が吐出される剤吐出口21が開口している。櫛歯22は、櫛歯台20に、剤吐出口21の周囲を囲むように略円環状に多数立設されている。これらの櫛歯22によって、櫛歯台20上に、円筒状の櫛部23が形成されている。櫛歯22及び櫛歯台20は、合成樹脂により一体に成形されている。櫛歯22は、図3に示すように、平面視形状及び横断面形状が円形状であり、剤吐出口21を囲む円形のライン24上に等間隔に配置されている。尤も、各櫛歯22は、それを配置した軌跡が等方性のある図形を描くように配置されていれば、円形のライン24上に配置されていることを要しない。例えば、正三角形、正六角形又は正八角形等の正多角形の軌跡を描くように各櫛歯22が配置されていればよい。本発明における「略円環状」とは、このような正多角形も含む概念である。
【0020】
図4に示すように、延長部5の上端は開口しており、開口端に環状リブ52が突設されている。一方、塗布部2の櫛歯台20の下面部には、環状リブ52と相補形状をなす環状溝部26が凹設されている。そして、環状リブ52と環状溝部26とが嵌合することで、延長部5と塗布部2とが結合する。延長部5の下端については、以下に述べる接続キャップ45(図1参照)の上端と嵌合可能になっており、該嵌合によって延長部5と接続キャップ45とが結合している。
【0021】
図1に戻ると、容器部4は、スクイズ可能な有底筒状の外容器42と、外容器42内に配置され、口部が外容器42の円筒状の口部内面に気密に接合された内袋43とを有する容器本体41と、容器本体41の口首部に取り付けられる逆止弁44付きの接続キャップ45とからなる二重構造の容器からなる。接続キャップ45の内面にはネジ山が設けられており、このネジ山は、容器本体41の口首部の外面に設けられたネジ山と螺合可能になっている。容器部4は、外容器42を片手で把持し、その片手で該外容器42をスクイズすることにより、外容器42自体又は外容器42と内袋43との間の空気が、内部の内袋43を押圧し、それにより内袋43内の毛髪化粧料が押し出されて液導出路51を介して剤吐出口21に供給される。接続キャップ45の上部には、容器部4と塗布部2との間に所定の間隔を形成する延長部5が結合しており、延長部5の他端は、前記の櫛歯台20の裏面側に結合している。延長部5は、内部に液導出路51を備え、液導出路51を介して、容器部4と剤吐出口21との間を連通している。
【0022】
外容器42の円筒状の口部には、外容器42と内袋43との間の空間と、外容器42の外部とを連通する吸入孔42aが形成されている。そして、押圧されて変形した外容器42が、弾性復元力により元の状態に戻るときに、容器1の外部の空気が、接続キャップ45の下端と外容器42との間に設けた隙間42b及び前記の吸入孔42aを通って、外容器42と内袋43との間に流入する。容器部4は、このような構成を有することで、外周面を押圧して変形させる操作を繰り返すことにより、内容物である毛髪化粧料を徐々に剤吐出口21から吐出させることができる。
【0023】
容器部4に、このような二重構造の容器を用いることにより、内部の毛髪化粧料の残量が減っても、容器部4がしぼんで把持しにくくなることを防止できる。また、接続キャップ45や、容器部4内の空間と剤吐出口21とを連通する液導出路51等に逆止弁44を設けて、剤の吐出後に空気が液導出路51や容器部4に逆流することを防止することにより、次回の吐出の際に、毛髪化粧料が出にくくなったり毛髪化粧料が飛び散ったりすることを防止することができる。更に逆止弁44を設けることで、塗布部2と容器部4との空間的な位置関係がいかなる場合であっても、毛髪化粧料を塗布部2へ供給することができる。容器部4の外容器42における接続キャップ45に覆われていない部分から櫛部23までの距離L(図1参照)は、頭髪への塗布状態の目視による確認性を高める観点及び塗布作業の容易等の観点から、40〜200mmであることが好ましく、より好ましくは70〜120mmであり、更に好ましくは80〜100mmである。
【0024】
以上の構成を有する塗布具1は、本発明の毛髪化粧品の使用前においては分解された状態になっている。例えば容器本体41と、塗布部2、延長部5及び接続キャップ45の3つが結合した部材との2パーツの状態になっている。
【0025】
本発明の毛髪化粧品の使用に際しては、各組成物を混ぜ合わせることで毛髪化粧料を生じさせる。この混ぜ合わせは、例えば容器内に組成物A、B及びCを入れること、容器内に組成物A及びBを入れた後、組成物Cを入れること、容器内に組成物A及びCを入れた後、組成物Bを入れること、容器内に組成物B及びCを入れた後、組成物Aを入れることで達成される。より具体的には、組成物Bを収容している容器内に、組成物A及びCを入れること、組成物Bを収容している容器内に、組成物Aを入れ、次いで組成物Cを入れること、組成物Bを収容している容器内に、組成物Cを入れ、次いで組成物Aを入れることで達成される。これらの中でも、混合を首尾よく行う観点から、組成物Bを収容している容器内に、組成物Cを入れ、次いで組成物Aを入れることが好ましい。組成物Bと組成物Cを混合する前に、組成物Bと組成物Aとを混合すると、混合物が増粘しやすく、その後に加える組成物Cの混合が首尾良く行えない場合がある。組成物A'及びBを用いる場合には、混ぜ合わせは、例えば容器内に組成物A'及びBを入れることで達成され、より具体的には組成物Bを収容している容器内に、組成物A'を入れることが好ましい。これらの混合態様に代えて、キットのパッケージ中にブランクの容器を1つ追加しておき、該ブランクの容器に、各組成物を前記の順序で入れて混合することもできる。いずれの場合であっても、各組成物を混ぜ合わせる容器としては、上述した塗布具1の一部である容器部4を用いることが有利である。この場合、毛髪化粧品の使用前においては、容器部4を組成物Bの収納容器として用い、かつ毛髪化粧品の使用時には、容器部4を毛髪化粧料の収納容器とすれば、キットに含まれる容器の数を減らすことができるという利点がある。
【0026】
各組成物を容器部4内に入れたら、該容器部4の開口部を閉栓部材で閉塞し、その閉塞状態下に該容器を振って各組成物の混合を促進させ、毛髪化粧料を生じさせる。これに代えて、容器部4の開口部を、塗布部2が取り付けられた状態の延長部5で閉塞し、その閉塞状態下に該容器部4を振って各組成物の混合を促進させることもできる。
【0027】
具体的には、(イ)容器部4に組成物A、B及びCが入った状態で、該容器部4を振って各組成物の混合を促進しても構わない。また、(ロ)容器部4に組成物BとCとが入った状態で該容器部4を振り、その後組成物Aを該容器部4に入れて再度容器部4を振って各組成物の混合を促進しても構わない。また、(ハ)容器部4に組成物AとCとが入った状態で該容器部4を振り、その後組成物Bを該容器部4に入れて再度該容器部4を振って混合を促進しても構わない。更に、(ニ)組成物AとBが入った状態で該容器部4を振り、その後組成物Cを該容器部4に入れて再度該容器部4を振って混合を促進しても構わない。これらの中でも、(ロ)が混合を首尾よく行う観点から好ましい。
【0028】
各組成物の混合が完了して毛髪化粧料が生じたら、これを頭髪に塗布する。容器部4の開口部を閉栓部材で閉塞している場合には、該閉栓部材を開口部から取り外し、次いで塗布部2が取り付けられた状態の延長部5を容器部4に取り付ければよい。これによって、毛髪化粧料を収容した容器部4と、塗布部2と、延長部5とが組み付けられた状態の毛髪化粧料塗布具1が完成する。各組成物の混合時に、容器部4の開口部に、塗布部2が取り付けられた状態の延長部5を取り付けて閉塞した場合には、混合が完了した時点で、毛髪化粧料を収容した容器部4と、塗布部2と、延長部5とが組み付けられた状態の毛髪化粧料塗布具1が完成する。そして、この毛髪塗布具1を用いて毛髪化粧料を頭髪に塗布する。具体的には以下の操作を行う。
【0029】
まず外容器42を片手で把持して繰り返しスクイズすることにより、容器部4内の毛髪化粧料を塗布部2に送り、剤吐出口21から毛髪化粧料を吐出させる。そして、図5に示すように、筒状の櫛部23の内側に所望の量の毛髪化粧料3を溜める。次いで、毛髪化粧料3を保持した塗布部2を、図6に示すように頭部に移動し、櫛部23を頭髪側に向けて押し当てる。引き続き、塗布部2を、頭髪の毛先方向に向けて移動させ、櫛部23で頭髪を梳きながら、隣接した櫛歯22間に挿入された頭髪に対して頭髪処理剤3を塗布する。先に述べたとおり、剤吐出口21の櫛歯22は、各櫛歯22によって描かれる軌跡が等方性の図形である略円環となるように配置されているので、塗布部2の移動中に、該塗布部2の向きが意図せず変わったとしても、毛髪化粧料の塗布幅は実質的に変わらないので、毛髪化粧料を略一定の幅で容易に塗布することができる。
【0030】
塗布部2を、頭部の頭頂部側から頭髪の毛先方向に向かって一回移動させる一度の塗布操作で、頭髪に、ある程度の塗布幅で、ある程度の長さにわたって剤を塗布できるようにする観点、及び櫛歯22間からの化粧料の漏れ防止の観点等から、頭髪長さが約20〜25cmのミディアムヘアの女性の場合には、櫛歯22の高さは、5〜30mmであることが好ましく、更に好ましくは5〜20mmであり、一層好ましくは7〜17mmである。
同様の観点等から、櫛歯22の基端部の断面中心が外接して通る円状ライン24の内径L4(図3参照)は、5〜30mmであることが好ましく、より好ましくは5〜20mm、更に好ましくは5〜15mmであり、一層好ましくは8〜13mmである。かかる内径L4の範囲は、ハイライティングを行う場合に好ましい筋幅となる範囲でもある。内径L4を前記の範囲内にすることで、ハイライティングの筋幅を適切にでき自然な仕上がりを達成することができる。本発明において、ハイライティングとは、頭髪の一部を、その根本から毛先にわたって筋状に脱色又は染毛することである。なお、本発明において、櫛部の内径とは、櫛歯22の基端部の断面中心が外接して通る円状ラインの内径をいう。また、櫛歯22の幅Wは、櫛歯の機械的強度を上げると共に、櫛歯を毛髪に挿入させ易くさせる観点から、0.1〜5mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3mmであり、更に好ましくは0.5〜2.5mmである。幅Wとは、剤吐出口中央部側から櫛歯をみたときの投影幅である(図3)。
【0031】
上述した各組成物及び塗布具1を構成要素として備えるキットからなる本発明の毛髪化粧品においては、明瞭な施術効果を容易に達成するために、互いに影響しあう以下の三つ要因(a)、(b)及び(c)のバランスを図ることが有利であることが本発明者らの検討の結果判明した。
(a)毛髪化粧料の粘度。
(b)延長部5における液導出路51の直径と長さ。
(c)容器部4の体積に占める、毛髪化粧料3が収容された状態での該容器部4のヘッドスペースの体積の割合。
【0032】
前記の(a)については、各組成物の混合によって生じる毛髪化粧料3の粘度が低い場合にはその流動性が高くなり、粉末状の酸化助剤を含む組成物C又は組成物A'を均一に混合及び分散させやすくなるという利点がある。また毛髪化粧料3の塗布性や吐出性が優れるという利点もある。反面、塗布時に毛髪化粧料3が垂れ落ち易くなり、使用性に劣るという欠点がある。逆に、毛髪化粧料3の粘度が高い場合には、塗布時に毛髪化粧料3が垂れ落ち難くなり、使用性に優れるという利点がある。その反面、粉末状の酸化助剤を含む組成物C又は組成物A'を均一に混合及び分散させることが容易でないという欠点や、毛髪化粧料の塗布性及び吐出性が劣るという欠点がある。このように、粉末状の酸化助剤の均一分散性や混合性を高め、かつ毛髪化粧料の塗布性及び使用性を高めることは、二律背反の関係にある。
【0033】
前記の(b)については、延長部5における液導出路51の直径が大きい場合には、毛髪化粧料3が容器部4から塗布部2へ円滑に移動するための空間が十分確保されるので、毛髪化粧料3の吐出性が良好になるという利点がある。しかし、液導出路51の直径が大きい場合、延長部5が長すぎると、十分な量の毛髪化粧料3を押し出すには容器部4のスクイズ操作を複数回繰り返さなければならないという欠点がある。また、延長部5は長すぎても短すぎても、塗布具1の操作性が低下する。
【0034】
前記の(c)については、本発明においては、容器部4にヘッドスペースを設けることが好ましい。本発明において用いる組成物C又は組成物A'は、粉末状の成分を含有しており、該成分は他の成分と混合し難いので、各成分の混合時には振盪を行い、混合を促進させる必要がある。そこで、振盪を効果的に行うために、各組成物を混合するための容器である容器部4に各組成物が入れられた状態で十分なヘッドスペースを確保している。したがって、容器部4の体積に占めるヘッドスペースの体積の割合が大きい場合には、各組成物を混合して毛髪化粧料を生じさせるときに、各組成物が移動する空間が十分に確保されて混合性が高まるという利点がある。その反面、容器部4の体積が大きくなって、該容器部4を把持し難くなり、ひいてはスクイズし難くなるという欠点、キットのパッケージが嵩高くなり、商品の陳列スペースを多くとってしまうという欠点等がある。逆に、容器部4の体積に占めるヘッドスペースの体積の割合が小さい場合には、容器部4の体積を小さくできるので、キットのパッケージを小さくできるという利点がある。その反面、各組成物を十分に混合させづらくなるという欠点がある。また、ヘッドスペースの体積は毛髪化粧料3の粘度と関連しており、毛髪化粧料3の粘度が低い場合には、比較的小体積のヘッドスペースでも混合を十分に行うことができる。逆に、毛髪化粧料3の粘度が高い場合には、十分な体積のヘッドスペースを確保する必要がある。
【0035】
このように、前記の(a)、(b)及び(c)の要因は相互に影響しあうので、例えば毛髪化粧料3の粘度が高く、その吐出性や混合性の低下が予測されるときには、液導出路51の直径を大きくしたり、容器部4の体積に占めるヘッドスペースの体積の割合を大きくしたりするといった高度な調整が必要となる。また、容器部4の体積に占めるヘッドスペースの体積の割合が大きくなる結果、塗布具1の全長が大きくなることが予想されるときには、延長部5を短くするといった高度な調整が必要となる。
【0036】
以上の状況を踏まえ、本発明者らは種々検討した結果、液導出路51における最狭部での直径をa(mm)とし、毛髪化粧料3の30℃における粘度をb(Pa・s)としたとき、a/bの値を好ましくは0.1〜5、より好ましくは0.2〜4、更に好ましくは0.3〜2、一層好ましくは0.4〜1とすることで、毛髪化粧料3の吐出性を良好にし得ること、及び吐出量を容易に制御し得ることを知見した。液導出路51の横断面が円形である場合、その円の直径が前記の最狭部での直径aに相当する。液導出路51の横断面が円形以外の形状である場合には、該横断面の面積に基づく円相当直径をもって直径aとする。毛髪化粧料3の30℃における粘度bは、B型粘度計(株式会社トキメック製B型回転粘度計(モデルTV-10))を用い、スピンドルNo.4、回転数30rpmの条件下に30℃で1分間測定された値である。ただし、粘度が2Pa・sを超える場合は、B型粘度計(株式会社トキメック製B8R型回転粘度計(モデルTVB-10))を用い、スピンドルNo.T−C、回転数10rpmの条件下に30℃で1分間回転させた後の値とする。なお、組成物A、B及びCを混合後ただちに測定するものとし、反応熱による温度変化は無視するものとする。
【0037】
本発明の毛髪化粧品が、前記の関係を満たす場合、液導出路51の直径aの値そのものは、好ましくは2〜50mm、更に好ましくは3〜30mm、一層好ましくは3〜15mm、更に一層好ましくは5〜10mmとする。液導出路51の直径aをこの範囲内に設定することで、毛髪化粧料3の吐出性、及び吐出量の制御が良好になるばかりでなく、塗布具1を手で把持したときの保持性も良好になり、また塗布具1のデザイン性も高くなる。一方、毛髪化粧料3の粘度そのものは、30℃において3〜30Pa・sであり、5〜15Pa・sであることが好ましく、7〜13Pa・sであることが更に好ましく、8.5〜13Pa・sであることが一層好ましい。毛髪化粧料3の粘度をこの範囲に設定することで、該毛髪化粧料3の吐出性が良好になるばかりでなく、塗布時に毛髪化粧料3が垂れ落ちることが効果的に防止され、かつ毛髪上での毛髪化粧料3の延び性も良好になる。特に、本発明で用いる毛髪化粧料3は、粉末成分を含む液状体のものであるという特殊な状態の流動体であるところ、前記のa/bの関係は、かかる特殊な状態の流動体に特有のものである。
【0038】
本発明の毛髪化粧品は、前記の関係を有することに加えて、又はそれに代えて、以下の関係を満たすことが好ましい。すなわち、容器部4の体積に占める、毛髪化粧料3が収容された状態での該容器部4のヘッドスペースの体積の割合をc(%)としたとき、c/bの値が0.5〜15であることが好ましく、0.6〜13であることがより好ましく、0.8〜10であることが更に好ましく、1〜7であることが一層好ましい。c/bの値は、容器部4内における毛髪化粧料3の振盪のさせやすさの尺度である。そしてc/bの値が前記の範囲内であれば、各組成物(特に、粉末状の酸化助剤を含有する組成物C)の混合を確実に行うことができるので、目的とする粘度の毛髪化粧料3が得られると共に、毛髪の染毛又は脱色にムラが生じることを防止することができる。c/bの関係も、先に述べたa/bの関係と同様に、毛髪化粧料3が粉末成分を含む液状体のものであるという特殊な状態の流動体に特有のものである。
【0039】
c/bの値との関連で、ヘッドスペースの体積の割合cは、好ましくは5〜90%、更に好ましくは10〜80%、一層好ましくは15〜70%である。なお、ヘッドスペースの体積とは、組成物A、B及びCを含有する毛髪化粧料を用いる場合、組成物Bが入っている容器部4内に組成物Cを入れて閉栓し、該容器部4を振盪して混合を促進させ、引き続き容器部4に組成物Aを入れて閉栓し、該容器部4を再び振盪して混合を促進させた直後の状態での容器部4における空間の体積と定義する。また、組成物A'及びBを含有する毛髪化粧料を用いる場合、このヘッドスペースの体積とは、組成物Bが入っている容器部4内に組成物A'を入れて閉栓し、該容器部4を振盪して混合を促進させた直後の状態での容器部4における空間の体積と定義する。ヘッドスペースの体積の割合は、以下の手順で測定される。(1)前記のように組成物A、B及びC、又は組成物A'及びBの混合を促進させた後での容器部4における毛髪化粧料の上面の高さに印をつける。(2)この容器部4を空にした後、印を付けた高さまで水を入れてその質量を測定し、その質量を体積に換算する。その体積をE(cm3)とする。(3)空の容器部4に水をいっぱいに入れてその質量を測定し、その質量を体積に換算する。その体積をF(cm3)とする。(4)(1−E/F)×100から算出された値をヘッドスペースの体積の割合とする。このとき、水の密度を1g/cm3とする。ヘッドスペースの体積に関連して、容器部4それ自体の体積は、好ましくは3〜300cm3、より好ましくは20〜200cm3、更に好ましくは50〜160cm3とする。容器部4の体積をこの範囲内に設定することで、施術に必要十分な量の毛髪化粧料3を収容することができる。容器部4の体積との関係で、該容器部4の横断面積は、0.7〜80cm2とすることが好ましく、2〜60cm2とすることがより好ましく、3〜40cm2とすることが更に好ましく、10〜20cm2とすることが一層好ましい。容器部4の横断面積をこの範囲に設定することで、該容器部4を把持しやすくなり、ひいてはスクイズしやすくなる。容器部4内に生じた毛髪化粧料3の体積は、ヘッドスペースの体積の割合cが前記の範囲内であることを条件として、2〜200cm3であることが好ましく、20〜150cm3であることがより好ましく、50〜135cm3であることが更に好ましい。
【0040】
本発明の毛髪化粧品においては、塗布具1の全長も、該塗布具1の操作性や、毛髪化粧料3の吐出性に影響を及ぼす要因の一つである。この観点から、塗布具1の全長、すなわち図1に示す正立状態における最低部から最高部までの長さは、好ましくは5〜40cm、より好ましくは10〜40cm、更に好ましくは15〜30cm、一層好ましくは20〜25cmに設定する。
【0041】
先に述べたとおり、本発明の毛髪化粧品において用いられる毛髪化粧料3は、粉末成分を含む液状体のものであるという特殊な性状のものである。この粉末成分は、組成物C又は組成物A'に由来する。毛髪化粧料3中での粉末成分の分散性は、該毛髪化粧料3の染毛又は脱色の性能に影響を及ぼす一因である。したがって、粉末成分の混合及び均一分散は非常に重要である。ところで、粉末状の酸化助剤を含有する組成物C又は組成物A'における粉末成分の表面は疎水的である場合が多い。したがって粉末成分の混合及び均一分散性を高めるためには、組成物A及びB、あるいは毛髪化粧料3は疎水的であること(即ち、水分量が低いこと)が有利である。特に、粉末状の酸化助剤を含有する組成物Cを用いる場合、該組成物Cは、組成物A及びBのうちより疎水的である方(水分量が少ない方)と予め混合することが前記の観点から有利である。具体的には、組成物A及びBの何れか一方(組成物A'の場合は、組成物B)中に含まれる水は、5〜95質量%であることが好ましく、10〜75質量%であることがより好ましく、15〜55質量%であることが更に好ましく、20〜35質量%であることが一層好ましい。更に同様の観点から、毛髪化粧料3中に含まれる水は5〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることが更に好ましく、20〜45質量%であることが一層好ましい。
【0042】
また、毛髪化粧料3は、そのpHを高めに設定すると、明瞭な施術効果が得られるので好ましい。しかし、その反面毛髪がダメージを受けやすくなる。したがって、毛髪へのダメージを小さくしつつ、明瞭な施術効果を得る観点から、毛髪化粧料3のpHは、25℃において8.0〜12.5とすることが好ましく、8.0〜11.0とすることが更に好ましく、8.0〜10.5とすることが一層好ましい。pHは例えば株式会社堀場製作所製のpHメータ F−51によって測定される。
【0043】
毛髪化粧料3のpHは主としてアルカリ剤を含有する組成物である組成物Aが支配的であるところ、毛髪化粧料3のpHを前記の範囲内に設定するためには、組成物Aに含まれるアルカリ剤として炭酸塩又は重炭酸塩を用いることが好ましい。特に、炭酸アンモニウム又は重炭酸アンモニウムを用いることが好ましい。アルカリ剤として炭酸塩又は重炭酸塩を用いる場合、組成物A、B及びCの合計量、又は組成物A'及びCの合計量に占める炭酸塩又は重炭酸塩の割合は、毛髪の損傷を抑えると共に、アンモニアの使用量を低減し、不快な臭いの発生を抑える観点から、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜8質量%であることがより好ましく、1〜7質量%であることが更に好ましく、2〜6質量%であることが一層好ましい。
【0044】
組成物Aにおいて、炭酸塩又は重炭酸塩以外に用いることのできるアルカリ剤としては、例えばアンモニア、イソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アルギニン等が挙げられる。アルカリ剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
組成物Aにおけるアルカリ剤の割合は、1〜50質量%とすることが好ましく、1〜45質量%とすることがより好ましく、5〜40質量%とすることが更に好ましく、10〜30質量%とすることが一層好ましい。アルカリ剤の割合をこの範囲に設定することで、毛髪に過度のダメージを与えることなく、十分な脱色効果が得られる。アルカリ剤以外に組成物Aに含まれる成分としては、例えば染料、油性成分、界面活性剤、シリコーン類、多価アルコール、水等の当該技術分野において従来用いられる成分が挙げられる。
毛髪化粧料3は、組成物Aに染料を含有させる場合には毛髪の染毛に用いることができ、染料を含有させない場合には毛髪の脱色に用いることができる。染料には、酸化染料中間体、直接染料等を用いることができる。酸化染料中間体としては、通常染毛剤に使われる公知のプレカーサー及びカップラーが挙げられ、直接染料としては、公知の酸性染料、塩基性染料、分散染料、反応性染料等が挙げられる。
【0046】
組成物Bに関しては、それに含まれる酸化剤として例えば過酸化水素を用いることができる。組成物Bにおける酸化剤の割合は、0.1〜15質量%とすることが好ましく、0.5〜12質量%とすることがより好ましく、1〜10質量%とすることが更に好ましく、5〜10質量%とすることが一層好ましい。酸化剤の割合をこの範囲に設定することで、毛髪に過度のダメージを与えることなく、十分な脱色効果が得られる。酸化剤以外に組成物Bに含まれる成分としては、多価アルコール、シリコーン類、界面活性剤、過酸化水素の安定剤、有機酸又は無機酸、pH調整剤、水等の当該技術分野において従来用いられる成分が挙げられる。
【0047】
組成物Cに関しては、それに含まれる粉末状の酸化助剤として例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩を用いることができる。組成物Cにおける酸化助剤の割合は、10〜99質量%とすることが好ましく、20〜80質量%とすることがより好ましく、30〜75質量%とすることが更に好ましく、40〜60質量%とすることが一層好ましい。酸化助剤の割合をこの範囲に設定することで、十分な脱色効果が得られる。酸化助剤以外に組成物Cに含まれる成分としては、油性成分、炭酸塩や重炭酸塩などのアルカリ剤、pH調整剤等の水以外の当該技術分野において従来用いられる成分が挙げられる。
【0048】
組成物A'に関しては、先に述べた組成物Aに含まれるアルカリ剤と、組成物Cに含まれる酸化助剤とを含むものが用いられる。特に粉末状のアルカリ剤と粉末状の酸化助剤とを含み、安定性の観点から全体として粉状態であるものを用いることが好ましい。
【0049】
以上の各成分以外に、種々の配合目的で、当該技術分野において従来用いられている成分をいずれかの組成物中に配合してもよい。このような種々の成分の配合目的としては、浸透促進、パール化、防腐、金属封鎖、安定化、酸化防止、紫外線吸収、保湿、製品着色、コンディショニング、増粘、賦形、溶解、付香等を挙げることができる。より具体的には、動植物油脂、湿潤剤、安定剤、溶剤、増粘剤、賦形剤、コンディショニング剤、高級脂肪酸、防腐剤、キレート剤、タンパク質、タンパク質加水分解物、アミノ酸、植物抽出物、紫外線吸収剤、ビタミン、着色剤、香料等が挙げられる。更に具体的には、8−キノリノール硫酸塩、EDTA−2Na、EDTA−4Na、アーモンドタンパク、アラニン、アルギニン、イソステアリルグリセリル、イソステアリルグリセリルペンタエリスリチル、イソプロパノール、エタノール、エチドロン酸、エチルパラベン、オレイン酸、カーボンブラック、カミツレエキス、キサンタンガム、グリセリン、グンジョウ、ケイソウ土、コーンスターチ、酸化チタン、シリカ、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、セルロースガム、ソルビン酸K、炭酸マグネシウム、ツバキ油、ナイアシンアミド、パンテノール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシステアリン酸グリセリル、ヒバマタエキス、プロパノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、ポリクオタニウム−22、ポリクオタモウム−6、ポリクオタニウム−10、ミネラルオイル、ミリスチン酸、メチルパラベン、ラウリン酸、ローズマリー油、黄鉛、加水分解アーモンドタンパク、加水分解コムギタンパク、小麦胚芽タンパク等が挙げられる。
【0050】
前記の組成物A、B及びC、又は組成物A'及びCは、それらの組成物の合計量に占めるアルカリ剤の割合が、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜25質量%となり、更に好ましくは5〜15質量%となり、一層好ましくは7〜9質量%となり、酸化剤の割合が、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜7質量%となり、更に好ましくは3〜6質量%となり、酸化助剤の割合が、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは1〜20質量%、一層好ましくは2〜10質量%となるように混合される。
【0051】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記の実施形態に制限されない。例えば前記の実施形態で用いた塗布具1における塗布部2の櫛歯22は略円環状に配置されていたが、これに代えて、各櫛歯22が剤吐出口21を囲繞するように配置されている限り、各櫛歯22は略円環状以外の配置状態になっていてもよい。例えば各櫛歯22の描く軌跡が長円形や楕円形等の異方性を有する形状となるような配置状態になっていてもよい。
【0052】
また前記の実施形態の毛髪化粧品は、組成物A、B及びCを有するいわゆる三剤式のものであるか、又は組成物A'及びBを有するいわゆる二剤式のものであったが、これに加えて組成物Dとして動植物抽出物等の感触向上剤を含む組成物を用いてもよい。
【0053】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の毛髪化粧品及び毛髪の染毛又は脱色方法を開示する。
【0054】
<1>
アルカリ剤を含有する組成物A;
酸化剤を含有する組成物B;
粉末状の酸化助剤を含有する組成物C;並びに
組成物A、B及びCの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・s、好ましくは5〜15Pa・s、更に好ましくは7〜13Pa・s、一層好ましくは8.5〜13Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、
該塗布部が、吐出口及び櫛部を有し、該櫛部が、該吐出口の周囲を囲むように略円環状に配置された複数の櫛歯を有する毛髪化粧品。
【0055】
<2>
アルカリ剤及び粉末状の酸化助剤を含有する組成物A';
酸化剤を含有する組成物B;並びに
組成物A'及びBの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・s、好ましくは5〜15Pa・s、更に好ましくは7〜13Pa・s、一層好ましくは8.5〜13Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、
該塗布部が、吐出口及び櫛部を有し、該櫛部が、該吐出口の周囲を囲むように略円環状に配置された複数の櫛歯を有する毛髪化粧品。
【0056】
<3>
前記液導出路における最狭部での直径をa(mm)とし、前記毛髪化粧料の30℃における粘度をb(Pa・s)としたとき、a/bの値が0.1〜5、好ましくは0.2〜4、更に好ましくは0.3〜2、一層好ましくは0.4〜1である<1>又は<2>に記載の毛髪化粧品。
【0057】
<4>
前記容器部の体積に占める、前記毛髪化粧料が収容された状態での該容器部のヘッドスペースの体積の割合をc(%)とし、該毛髪化粧料の30℃における粘度をb(Pa・s)としたとき、c/bの値が0.5〜15、好ましくは0.6〜13、更に好ましくは0.8〜10、一層好ましくは1〜7である<1>ないし<3>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0058】
<5>
前記毛髪化粧料が、粉末成分を含む液状体である<1>ないし<4>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0059】
<6>
前記毛髪化粧料の25℃におけるpHが8〜12.5、好ましくは8.0〜11.0、更に好ましくは8.0〜10.5である<1>ないし<5>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0060】
<7>
前記毛髪化粧料塗布具はその全長が5〜40cm、好ましくは10〜40cm、更に好ましくは15〜30cm、一層好ましくは20〜25cmである<1>ないし<6>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0061】
<8>
組成物Aは、液状体であっても、クリーム状体乃至ペースト状体、又は粉状体であっても良く、好ましくは液状体又はクリーム状体であり、より好ましくは液状体であり、
組成物Aは、更に染料を含有する<1>に記載の毛髪化粧品。
【0062】
<9>
組成物Aはアルカリ剤として炭酸塩又は重炭酸塩を含有する<1>又は<8>に記載の毛髪化粧品。
【0063】
<10>
組成物Aにおけるアルカリ剤の割合は、1〜50質量%とすることが好ましく、1〜45質量%とすることがより好ましく、5〜40質量%とすることが更に好ましく、10〜30質量%とすることが一層好ましい<9>に記載の毛髪化粧品。
【0064】
<11>
組成物A'は、液状体であっても、クリーム状体乃至ペースト状体、又は粉状体であっても良く、好ましくは粉状体又はペースト状体であり、より好ましくは粉状体であり、
組成物A’は、更に染料を含有する<2>に記載の毛髪化粧品。
【0065】
<12>
組成物Bは液状体であっても、又はクリーム状体乃至ペースト状体であっても良いが、好ましくは液状体又はクリーム状体であり、より好ましくは液状体である<1>ないし<11>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0066】
<13>
組成物Bにおける酸化剤の割合は、0.1〜15質量%とすることが好ましく、0.5〜12質量%とすることがより好ましく、1〜10質量%とすることが更に好ましく、5〜10とすることが一層好ましい<12>に記載の毛髪化粧品。
【0067】
<14>
組成物Cは酸化助剤として過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩を含有する<1>に記載の毛髪化粧品。
【0068】
<15>
組成物Cにおける酸化助剤の割合は、10〜99質量%とすることが好ましく、20〜80質量%とすることがより好ましく、30〜75質量%とすることが更に好ましく、40〜60質量%とすることが一層好ましい<14>に記載の毛髪化粧品。
【0069】
<16>
毛髪化粧料中の炭酸塩又は重炭酸塩が0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜8質量%であることがより好ましく、1〜7質量%であることが更に好ましく、2〜6質量%であることが一層好ましい<1>ないし<15>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0070】
<17>
毛髪化粧料中のアルカリ剤の割合が、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜25質量%となり、更に好ましくは5〜15質量%となり、一層好ましくは7〜9質量%となるように混合される<1>ないし<16>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0071】
<18>
毛髪化粧料中の酸化剤の割合が、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜7質量%となり、更に好ましくは3〜6質量%となり、酸化助剤の割合が、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは1〜20質量%、一層好ましくは2〜10質量%となるように混合される<1>ないし<17>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0072】
<19>
毛髪化粧料中に含まれる水が5〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることが更に好ましく、20〜45質量%であることが一層好ましい<1>ないし<18>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0073】
<20>
容器部が、スクイズ可能な有底筒状の外容器と、外容器内に配置され、口部が外容器の円筒状の口部内面に気密に接合された内袋とを有する容器本体と、容器本体の口首部に取り付けられる逆止弁付きの接続キャップとからなる二重構造の容器である<1>ないし<19>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0074】
<21>
液導出路の直径aの値そのものが、好ましくは2〜50mm、更に好ましくは3〜30mm、一層好ましくは3〜15mm、更に一層好ましくは5〜10mmである<1>ないし<20>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0075】
<22>
ヘッドスペースの体積の割合cが、好ましくは5〜90%、更に好ましくは10〜80%、一層好ましくは15〜70%である<4>に記載の毛髪化粧品。
【0076】
<23>
櫛歯の高さが5〜30mmであることが好ましく、更に好ましくは5〜20mmであり、一層好ましくは7〜17mmであり、
櫛歯の基端部の断面中心が外接して通る円状ラインの内径L4が、5〜30mmであることが好ましく、より好ましくは5〜20mm、更に好ましくは5〜15mmであり、一層好ましくは8〜13mmであり、
櫛歯の幅Wが、0.1〜5mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3mmであり、更に好ましくは0.5〜2.5mmである<1>ないし<22>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0077】
<24>
アルカリ剤を含有する組成物A;
酸化剤を含有する組成物B;
粉末状の酸化助剤を含有する組成物C;並びに
組成物A、B及びCの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・s、好ましくは5〜15Pa・s、更に好ましくは7〜13Pa・s、一層好ましくは8.5〜13Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、該塗布部が、吐出口及び櫛部を有し、該櫛部が、該吐出口の周囲を囲むように略円環状に配置された複数の櫛歯を有する毛髪化粧品を用いた毛髪の染毛又は脱色方法であって、
以下の工程1)ないし3)を有する毛髪の染毛又は脱色方法。
1)前記組成物A、B及びCを、前記容器部内において混合して、該容器部内において前記毛髪化粧料を生じさせる工程。
2)前記毛髪化粧料を収容した前記容器部と、前記塗布部と、前記延長部とを組み付けられた状態の毛髪化粧料塗布具を用い、前記延長部の前記液導出路を介して、前記容器部から前記塗布部へ前記毛髪化粧料を供給する工程。
3)前記塗布部に供給された前記毛髪化粧料を毛髪に塗布する工程。
【0078】
<25>
アルカリ剤及び粉末状の酸化助剤を含有する組成物A';
酸化剤を含有する組成物B;並びに
組成物A'及びBの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・s、好ましくは5〜15Pa・s、更に好ましくは7〜13Pa・s、一層好ましくは8.5〜13Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、該塗布部が、吐出口及び櫛部を有し、該櫛部が、該吐出口の周囲を囲むように略円環状に配置された複数の櫛歯を有する毛髪化粧品を用いた毛髪の染毛又は脱色方法であって、
以下の工程1)ないし3)を有する毛髪の染毛又は脱色方法。
1)前記組成物A’及びBを、前記容器部内において混合して、該容器部内において前記毛髪化粧料を生じさせる工程。
2)前記毛髪化粧料を収容した前記容器部と、前記塗布部と、前記延長部とを組み付けられた状態の毛髪化粧料塗布具を用い、前記延長部の前記液導出路を介して、前記容器部から前記塗布部へ前記毛髪化粧料を供給する工程。
3)前記塗布部に供給された前記毛髪化粧料を毛髪に塗布する工程。
【0079】
<26>
前記組成物A、B及びCを前記容器部内に入れた後、該容器部の開口部を、閉栓部材で閉塞するか又は前記延長部で閉塞し、その閉塞状態下に該組成物A、B及びCを該容器部内で混合する<24>に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0080】
<27>
組成物Aは、液状体であっても、クリーム状体乃至ペースト状体、又は粉状体であっても良く、好ましくは液状体又はクリーム状体であり、より好ましくは液状体であり、
組成物Aは、更に染料を含有する<24>に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0081】
<28>
組成物Aはアルカリ剤として炭酸塩又は重炭酸塩を含有する<24>又は<27>に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0082】
<29>
組成物Aにおけるアルカリ剤の割合は、1〜50質量%とすることが好ましく、1〜45質量%とすることがより好ましく、5〜40質量%とすることが更に好ましく、10〜30質量%とすることが一層好ましい<28>に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0083】
<30>
組成物A'は、液状体であっても、クリーム状体乃至ペースト状体、又は粉状体であっても良く、好ましくは粉状体又はペースト状体であり、より好ましくは粉状体であり、
組成物A’は、更に染料を含有する<25>に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0084】
<31>
組成物Bは液状体であっても、又はクリーム状体乃至ペースト状体であっても良いが、好ましくは液状体又はクリーム状体であり、より好ましくは液状体である<24>ないし<30>のいずれか一項に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0085】
<32>
組成物Bにおける酸化剤の割合は、0.1〜15質量%とすることが好ましく、0.5〜12質量%とすることがより好ましく、1〜10質量%とすることが更に好ましく、5〜10とすることが一層好ましい<31>に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0086】
<33>
組成物Cは酸化助剤として過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩を含有する<24>ないし<32>のいずれか一項に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0087】
<34>
組成物Cにおける酸化助剤の割合は、10〜99質量%とすることが好ましく、20〜80質量%とすることがより好ましく、30〜75質量%とすることが更に好ましく、40〜60質量%とすることが一層好ましい<33>に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0088】
<35>
毛髪化粧料中の炭酸塩又は重炭酸塩が0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜8質量%であることがより好ましく、1〜7質量%であることが更に好ましく、2〜6質量%であることが一層好ましい<24>ないし<34>のいずれか一項に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0089】
<36>
毛髪化粧料中のアルカリ剤の割合が、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜25質量%となり、更に好ましくは5〜15質量%となり、一層好ましくは7〜9質量%となるように混合される<24>ないし<35>のいずれか一項に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0090】
<37>
毛髪化粧料中の酸化剤の割合が、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜7質量%となり、更に好ましくは3〜6質量%となり、酸化助剤の割合が、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは1〜20質量%、一層好ましくは2〜10質量%となるように混合される<24>ないし<36>のいずれか一項に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0091】
<38>
毛髪化粧料中に含まれる水が5〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることが更に好ましく、20〜45質量%であることが一層好ましい<24>ないし<37>のいずれか一項に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0092】
<39>
容器部が、スクイズ可能な有底筒状の外容器と、外容器内に配置され、口部が外容器の円筒状の口部内面に気密に接合された内袋とを有する容器本体と、容器本体の口首部に取り付けられる逆止弁付きの接続キャップとからなる二重構造の容器である<24>ないし<38>のいずれか一項に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0093】
<40>
液導出路の直径aの値そのものが、好ましくは2〜50mm、更に好ましくは3〜30mm、一層好ましくは3〜15mm、更に一層好ましくは5〜10mmである<24>ないし<39>のいずれか一項に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0094】
<41>
櫛歯の高さが5〜30mmであることが好ましく、更に好ましくは5〜20mmであり、一層好ましくは7〜17mmであり、
櫛歯の基端部の断面中心が外接して通る円状ラインの内径L4が、5〜30mmであることが好ましく、より好ましくは5〜20mm、更に好ましくは5〜15mmであり、一層好ましくは8〜13mmであり、
櫛歯の幅Wが、0.1〜5mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3mmであり、更に好ましくは0.5〜2.5mmである<24>ないし<40>のいずれか一項に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【0095】
<42>
アルカリ剤を含有する組成物A;
酸化剤を含有する組成物B;
粉末状の酸化助剤を含有する組成物C;並びに
組成物A、B及びCの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・s、好ましくは5〜15Pa・s、更に好ましくは7〜13Pa・s、一層好ましくは8.5〜13Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、
前記毛髪化粧料の25℃におけるpHが8.0〜12.5、好ましくは8.0〜11.0、更に好ましくは8.0〜10.5であり、
前記液導出路における最狭部での直径をa(mm)とし、前記毛髪化粧料の30℃における粘度をb(Pa・s)としたとき、a/bの値が0.1〜5、好ましくは0.2〜4、更に好ましくは0.3〜2、一層好ましくは0.4〜1であり、
前記容器部の体積に占める、前記毛髪化粧料が収容された状態での該容器部のヘッドスペースの体積の割合をc(%)としたとき、c/bの値が0.5〜15、好ましくは0.6〜13、更に好ましくは0.8〜10、一層好ましくは1〜7であり、
前記毛髪化粧料塗布具はその全長が5〜40cm、好ましくは10〜40cm、更に好ましくは15〜30cm、一層好ましくは20〜25cmである、毛髪化粧品。
【0096】
<43>
アルカリ剤及び粉末状の酸化助剤を含有する組成物A';
酸化剤を含有する組成物B;並びに
組成物A'及びBの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・s、好ましくは5〜15Pa・s、更に好ましくは7〜13Pa・s、一層好ましくは8.5〜13Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、
前記毛髪化粧料の25℃におけるpHが8.0〜12.5、好ましくは8.0〜11.0、更に好ましくは8.0〜10.5であり、
前記液導出路における最狭部での直径をa(mm)とし、前記毛髪化粧料の30℃における粘度をb(Pa・s)としたとき、a/bの値が0.1〜5、好ましくは0.2〜4、更に好ましくは0.3〜2、一層好ましくは0.4〜1であり、
前記容器部の体積に占める、前記毛髪化粧料が収容された状態での該容器部のヘッドスペースの体積の割合をc(%)としたとき、c/bの値が0.5〜15、好ましくは0.6〜13、更に好ましくは0.8〜10、一層好ましくは1〜7であり、
前記毛髪化粧料塗布具はその全長が5〜40cm、好ましくは10〜40cm、更に好ましくは15〜30cm、一層好ましくは20〜25cmである、毛髪化粧品。
【0097】
<44>
前記塗布部が、吐出口及び櫛部を有し、該櫛部が、該吐出口の周囲を囲むように配置された複数の櫛歯を有する<42>又は<43>に記載の毛髪化粧品。
【0098】
<45>
前記櫛歯が略円環状に配置されている<44>に記載の毛髪化粧品。
【0099】
<46>
組成物Aは、液状体であっても、クリーム状体乃至ペースト状体、又は粉状体であっても良く、好ましくは液状体又はクリーム状体であり、より好ましくは液状体であり、
組成物Aは、更に染料を含有する<42>に記載の毛髪化粧品。
【0100】
<47>
組成物Aはアルカリ剤として炭酸塩又は重炭酸塩を含有する<42>又は<46>に記載の毛髪化粧品。
<48>
組成物Aにおけるアルカリ剤の割合は、1〜50質量%とすることが好ましく、1〜45質量%とすることがより好ましく、5〜40質量%とすることが更に好ましく、10〜30質量%とすることが一層好ましい<47>に記載の毛髪化粧品。
【0101】
<49>
組成物A'は、液状体であっても、クリーム状体乃至ペースト状体、又は粉状体であっても良く、好ましくは粉状体又はペースト状体であり、より好ましくは粉状体であり、
組成物A’は、更に染料を含有する<43>に記載の毛髪化粧品。
【0102】
<50>
組成物Bは液状体であっても、又はクリーム状体乃至ペースト状体であっても良いが、好ましくは液状体又はクリーム状体であり、より好ましくは液状体である<42>ないし<49>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0103】
<51>
組成物Bにおける酸化剤の割合は、0.1〜15質量%とすることが好ましく、0.5〜12質量%とすることがより好ましく、1〜10質量%とすることが更に好ましく、5〜10とすることが一層好ましい<50>に記載の毛髪化粧品。
【0104】
<52>
組成物Cは酸化助剤として過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩を含有する<42>に記載の毛髪化粧品。
【0105】
<53>
組成物Cにおける酸化助剤の割合は、10〜99質量%とすることが好ましく、20〜80質量%とすることがより好ましく、30〜75質量%とすることが更に好ましく、40〜60質量%とすることが一層好ましい<52>に記載の毛髪化粧品。
【0106】
<54>
毛髪化粧料中の炭酸塩又は重炭酸塩が0.1〜10質量%であることが好ましく、0.1〜8質量%であることがより好ましく、1〜7質量%であることが更に好ましく、2〜6質量%であることが一層好ましい<42>ないし<53>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0107】
<55>
毛髪化粧料中のアルカリ剤の割合が、好ましくは0.5〜30質量%、より好ましくは1〜25質量%となり、更に好ましくは5〜15質量%となり、一層好ましくは7〜9質量%となるように混合される<42>ないし<54>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0108】
<56>
毛髪化粧料中の酸化剤の割合が、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜7質量%となり、更に好ましくは3〜6質量%となり、酸化助剤の割合が、好ましくは1〜40質量%、より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは1〜20質量%、一層好ましくは2〜10質量%となるように混合される<42>ないし<55>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0109】
<57>
毛髪化粧料中に含まれる水が5〜70質量%であることが好ましく、10〜60質量%であることが更に好ましく、20〜45質量%であることが一層好ましい<42>ないし<56>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0110】
<58>
容器部が、スクイズ可能な有底筒状の外容器と、外容器内に配置され、口部が外容器の円筒状の口部内面に気密に接合された内袋とを有する容器本体と、容器本体の口首部に取り付けられる逆止弁付きの接続キャップとからなる二重構造の容器である<42>ないし<57>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0111】
<59>
液導出路の直径aの値そのものが、好ましくは2〜50mm、更に好ましくは3〜30mm、一層好ましくは3〜15mm、更に一層好ましくは5〜10mmである<42>ないし<58>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0112】
<60>
ヘッドスペースの体積の割合cが、好ましくは5〜90%、更に好ましくは10〜80%、一層好ましくは15〜70%である<42>ないし<59>のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【0113】
<61>
櫛歯の高さが5〜30mmであることが好ましく、更に好ましくは5〜20mmであり、一層好ましくは7〜17mmであり、
櫛歯の基端部の断面中心が外接して通る円状ラインの内径L4が、5〜30mmであることが好ましく、より好ましくは5〜20mm、更に好ましくは5〜15mmであり、一層好ましくは8〜13mmであり、
櫛歯の幅Wが、0.1〜5mmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜3mmであり、更に好ましくは0.5〜2.5mmである<44>又は<45>に記載の毛髪化粧品。
【実施例】
【0114】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
【0115】
〔実施例1〕
以下の表1ないし3に示す組成を有する組成物A、B及びCを調製した。各組成物はそれぞれ独立に別個の容器に収納した。組成物Aを収納する容器は体積が37cm3のボトルであり、そこに35gの組成物Aを収納した。組成物Bを収納する容器は体積が149cm3のボトルであり、そこに50gの組成物Bを収納した。この組成物Bを収納したボトルは、図1における符号4で示される容器部と同様の形状及び構造を有しており、スクイズ可能な有底筒状の外容器と、外容器内に配置され、口部が外容器の円筒状の口部内面に気密に接合された内袋とを有する二重構造の樹脂製のものであった。組成物Cは、遮光性でかつガスバリア性のパウチに15g収納した。
【0116】
組成物Cを収納するパウチを開封し、該組成物Cを、組成物Bを収納するボトル内に入れた。そして該ボトルを閉栓した状態で該ボトルを振盪して混合を促進させた。次いで組成物Aを収納するボトルを開栓し、該組成物Aを、組成物B及びCが混合されているボトル内に入れた。該ボトルを再び閉栓し、この状態で該ボトルを再び振盪して組成物A、B及びCの混合を促進させた。このようにして組成物A、B及びCが十分に混合させて毛髪化粧料を生じさせた。この時点でのボトルの容積に対するヘッドスペースの割合は表1に示すとおりであった。得られた毛髪化粧料3は粉末成分を含む液状体であった。毛髪化粧料3の30℃における粘度及びpHは表1に示すとおりであった。
【0117】
次いで、毛髪化粧料3が収容されているボトルを開栓し、その開口部に、図1における接続キャップ45、延長部5及び塗布部2が結合した状態の部材を組み付けて、同図に示す塗布具1を完成させた。延長部5、塗布部2及び容器部4の寸法は表1に示すとおりである。
【0118】
容器部4を把持してスクイズし、毛髪化粧料3を、延長部5を介して容器部4から塗布部2へ供給し、塗布部2の複数の櫛歯22で囲まれた領域に保持させた。塗布部2をマネキンヘッドの毛髪の根元部に当て、毛先方向へ移動させて毛髪化粧料3を塗布した。このとき、塗布部2に保持した毛髪化粧料3を塗布の途中で使い切ってしまい毛先まで塗布できない場合には、塗布の途中で容器部4を軽くスクイズして毛髪化粧料3を塗布部に供給しながら塗布を行った。
【0119】
以上の操作を、染毛及び脱色等の施術経験の豊富な10人のパネラーに行わせ、各組成物の混合のしやすさ、並びに毛髪化粧料3の吐出のしやすさ、塗布のしやすさ、延ばしやすさ及び垂れ落ちのしにくさの各項目に関して、一般消費者向け製品として合格、不合格のいずれと思うかの評価を行わせた。そして、10人のパネラーのうち、8人以上が合格と評価したものを合格とした。その結果を以下の表4に示す。
【0120】
〔実施例2ないし5〕
表1ないし4に示す条件を用いる以外は実施例1と同様にして毛髪化粧品を得た。得られた毛髪化粧品について実施例1と同様の評価を行った。その結果を以下の表4に示す。
【0121】
【表1】

【0122】
【表2】

【0123】
【表3】

【0124】
【表4】

【0125】
表4に示す結果から明らかなとおり、各実施例の毛髪化粧品は、各組成物の混合を行いやすいものであることが判る。また毛髪化粧料3の吐出及び塗布が行いやすいものであることも判る。更に、毛髪化粧料3の塗布操作において該毛髪化粧料3を塗り延ばしやすく、しかも垂れ落ちがしづらいことも判る。
【0126】
〔実施例6〕
以下の表5ないし8に示す組成物A、B及びCを調製した。これらの組成物を用いる以外は実施例1と同様にして毛髪化粧料の塗布を行った。塗布は、染毛及び脱色等の施術経験の豊富な10人のパネラーに行わせ、これらのパネラーに、容器からの毛髪化粧料の出しやすさ、塗布部での毛髪化粧料の保持しやすさ、及び毛髪化粧料の塗布しやすさの観点から評価させた。評価方法は以下のとおりである。その結果を以下の表8に示す。なお、毛髪化粧料の粘度の測定は、その粘度の値に応じ、上述した方法で行った。
【0127】
〔容器からの毛髪化粧料の出しやすさ〕
容器部4を手で把持することで、剤吐出口21から毛髪化粧料を吐出させるときの吐出のさせやすさを以下の基準で評価した。
A:容器部4を片手で把持するだけで毛髪化粧料を容易に吐出させることができる。
B:容器部4を片手で強く把持すると、毛髪化粧料を吐出させることができる。
C:容器部4を両手で把持すると、毛髪化粧料を吐出させることができる。
【0128】
〔塗布部での毛髪化粧料の保持しやすさ〕
容器部4を手で把持することで、剤吐出口21から毛髪化粧料を吐出させるときの塗布部2での毛髪化粧料の保持しやすさを以下の基準で評価した。
A:毛髪化粧料が塗布部2から垂れることなく、毛髪化粧料を櫛歯22の先端部まで充たすことができる。
B:毛髪化粧料が櫛歯22の隙間から漏れ出す。
C: 毛髪化粧料を塗布部2に収容させることができないため、評価できない。
【0129】
〔毛髪化粧料の塗布しやすさ〕
株式会社ビューラックス社製のウィッグ(平均毛髪径約50μm、毛髪密度150本/cm2)を、髪の長さが30cmになるようにカットした。容器部4を手で把持することで、剤吐出口21から毛髪化粧料を吐出させ、このウィッグの根元から先端にかけて毛髪化粧料を塗布したときの塗布のしやすさを以下の基準で評価した。
A:毛髪化粧料を根元から髪の先端(30cm)まで、均一に塗布することができる。
B:毛髪化粧料を根元から髪の途中(30cm未満)まで、均一に塗布することができる。
C:毛髪化粧料を根元から髪を塗布できるが、均一には塗布できない。
D:毛髪化粧料を塗布部に収容させることができないため、塗布できない。
【0130】
〔実施例7及び8並びに比較例1ないし3〕
毛髪化粧料における組成物Cの比率を実施例6と同様にし、かつ組成物Aと組成物Bとの比率を表8に示す値とする以外は、実施例6と同様にして毛髪化粧料の塗布を行い、実施例6と同様の評価を行った。その結果を表8に示す。
【0131】
〔実施例9〕
毛髪化粧料における組成物A,B及びCの比率を表9に示す値とする以外は、実施例6と同様にして毛髪化粧料の塗布を行い、実施例6と同様の評価を行った。その結果を表9に示す。
【0132】
〔実施例10ないし12及び比較例4〕
毛髪化粧料における組成物Aと組成物Bとの比率を実施例9と同様にし、かつ組成物Cの比率を表9に示す値とする以外は、実施例6と同様にして毛髪化粧料の塗布を行い、実施例6と同様の評価を行った。その結果を表9に示す。
【0133】
【表5】

【0134】
【表6】

【0135】
【表7】

【0136】
【表8】

【0137】
【表9】

【0138】
表8及び表9に示す結果から明らかなとおり、実施例6ないし12によれば、毛髪化粧料を首尾よく塗布できることが判る。これに対して、毛髪化粧料の粘度が過度に低い比較例1ないし4では、塗布に不都合が生じることが判る。
【符号の説明】
【0139】
1 毛髪化粧料塗布具
2 塗布部
21 剤吐出口
22 櫛歯
3 毛髪化粧料
4 容器部
41 容器本体
45 接続キャップ
5 延長部
51 液流出路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ剤を含有する組成物A;
酸化剤を含有する組成物B;
粉末状の酸化助剤を含有する組成物C;並びに
組成物A、B及びCの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、
該塗布部が、吐出口及び櫛部を有し、該櫛部が、該吐出口の周囲を囲むように略円環状に配置された複数の櫛歯を有する毛髪化粧品。
【請求項2】
アルカリ剤及び粉末状の酸化助剤を含有する組成物A';
酸化剤を含有する組成物B;並びに
組成物A'及びBの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、
該塗布部が、吐出口及び櫛部を有し、該櫛部が、該吐出口の周囲を囲むように略円環状に配置された複数の櫛歯を有する毛髪化粧品。
【請求項3】
前記液導出路における最狭部での直径をa(mm)とし、前記毛髪化粧料の30℃における粘度をb(Pa・s)としたとき、a/bの値が0.1〜5である請求項1又は2に記載の毛髪化粧品。
【請求項4】
前記容器部の体積に占める、前記毛髪化粧料が収容された状態での該容器部のヘッドスペースの体積の割合をc(%)とし、該毛髪化粧料の30℃における粘度をb(Pa・s)としたとき、c/bの値が0.5〜15である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【請求項5】
前記毛髪化粧料が、粉末成分を含む液状体である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【請求項6】
前記毛髪化粧料の25℃におけるpHが8〜12.5である請求項1ないし5のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【請求項7】
前記毛髪化粧料塗布具はその全長が5〜40cmである請求項1ないし6のいずれか一項に記載の毛髪化粧品。
【請求項8】
アルカリ剤を含有する組成物A;
酸化剤を含有する組成物B;
粉末状の酸化助剤を含有する組成物C;並びに
組成物A、B及びCの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、該塗布部が、吐出口及び櫛部を有し、該櫛部が、該吐出口の周囲を囲むように略円環状に配置された複数の櫛歯を有する毛髪化粧品を用いた毛髪の染毛又は脱色方法であって、
以下の工程1)ないし3)を有する毛髪の染毛又は脱色方法。
1)前記組成物A、B及びCを、前記容器部内において混合して、該容器部内において前記毛髪化粧料を生じさせる工程。
2)前記毛髪化粧料を収容した前記容器部と、前記塗布部と、前記延長部とを組み付けられた状態の毛髪化粧料塗布具を用い、前記延長部の前記液導出路を介して、前記容器部から前記塗布部へ前記毛髪化粧料を供給する工程。
3)前記塗布部に供給された前記毛髪化粧料を毛髪に塗布する工程。
【請求項9】
アルカリ剤及び粉末状の酸化助剤を含有する組成物A';
酸化剤を含有する組成物B;並びに
組成物A'及びBの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、該塗布部が、吐出口及び櫛部を有し、該櫛部が、該吐出口の周囲を囲むように略円環状に配置された複数の櫛歯を有する毛髪化粧品を用いた毛髪の染毛又は脱色方法であって、
以下の工程1)ないし3)を有する毛髪の染毛又は脱色方法。
1)前記組成物A’及びBを、前記容器部内において混合して、該容器部内において前記毛髪化粧料を生じさせる工程。
2)前記毛髪化粧料を収容した前記容器部と、前記塗布部と、前記延長部とを組み付けられた状態の毛髪化粧料塗布具を用い、前記延長部の前記液導出路を介して、前記容器部から前記塗布部へ前記毛髪化粧料を供給する工程。
3)前記塗布部に供給された前記毛髪化粧料を毛髪に塗布する工程。
【請求項10】
前記組成物A、B及びCを前記容器部内に入れた後、該容器部の開口部を、閉栓部材で閉塞するか又は前記延長部で閉塞し、その閉塞状態下に該組成物A、B及びCを該容器部内で混合する請求項8に記載の毛髪の染毛又は脱色方法。
【請求項11】
アルカリ剤を含有する組成物A;
酸化剤を含有する組成物B;
粉末状の酸化助剤を含有する組成物C;並びに
組成物A、B及びCの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、
前記毛髪化粧料の25℃におけるpHが8.0〜12.5であり、
前記液導出路における最狭部での直径をa(mm)とし、前記毛髪化粧料の30℃における粘度をb(Pa・s)としたとき、a/bの値が0.1〜5であり、
前記容器部の体積に占める、前記毛髪化粧料が収容された状態での該容器部のヘッドスペースの体積の割合をc(%)としたとき、c/bの値が0.5〜15であり、
前記毛髪化粧料塗布具はその全長が5〜40cmである、毛髪化粧品。
【請求項12】
アルカリ剤及び粉末状の酸化助剤を含有する組成物A';
酸化剤を含有する組成物B;並びに
組成物A'及びBの混合によって生じる、30℃における粘度が3〜30Pa・sである毛髪化粧料を収容する容器部、該毛髪化粧料を毛髪の束に塗布する塗布部、及び該容器部と該塗布部とを連通する液導出路を有する延長部から構成される毛髪化粧料塗布具;を具備する毛髪化粧品であって、
前記毛髪化粧料の25℃におけるpHが8.0〜12.5であり、
前記液導出路における最狭部での直径をa(mm)とし、前記毛髪化粧料の30℃における粘度をb(Pa・s)としたとき、a/bの値が0.1〜5であり、
前記容器部の体積に占める、前記毛髪化粧料が収容された状態での該容器部のヘッドスペースの体積の割合をc(%)としたとき、c/bの値が0.5〜15であり、
前記毛髪化粧料塗布具はその全長が5〜40cmである、毛髪化粧品。
【請求項13】
前記塗布部が、吐出口及び櫛部を有し、該櫛部が、該吐出口の周囲を囲むように配置された複数の櫛歯を有する請求項11又は12に記載の毛髪化粧品。
【請求項14】
前記櫛歯が略円環状に配置されている請求項13に記載の毛髪化粧品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−236016(P2012−236016A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−97960(P2012−97960)
【出願日】平成24年4月23日(2012.4.23)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】