説明

毛髪又は頭皮化粧料組成物

【課題】本発明は、毛髪又は頭皮状態改善用の組成物に関する。
【解決手段】本発明は、i)亜鉛ピリチオンと、ii)パンテノールと、iii)サリチル酸、ニコチンアマイド、及び柏子仁(Thujae Semen)抽出物からなる群から選ばれた1種以上とを有効性分として含有し、脱毛防止及び毛髪成長の促進効果を有する毛髪又は頭皮化粧料組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脱毛防止及び毛髪成長促進効果のための毛髪又は頭皮状態改善用の組成物に関し、より詳細には、i)亜鉛ピリチオンと、ii)パンテノールと、iii)サリチル酸、ニコチンアマイド、及び柏子仁抽出物からなる群から選ばれた1種以上とを有効性分として含有し、脱毛防止及び毛髪成長促進効果を有する毛髪又は頭皮化粧料組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
美を重視する現代社会において、脱毛現象は美容の側面で大きな問題になっている。脱毛を誘発する要因は、遺伝、男性ホルモン、老化、ストレス、栄養不足、及びその他の病理的要因等様々である。そのうち、男性ホルモンによる脱毛現象や遺伝的要因による脱毛現象は医学的に多くの研究が進められており、その治療法においても、男性ホルモンであるジハイドロテストステロンの形成に関与する5-α還元酵素を抑制する薬物が開発されているが、その代表的なものとして米国のFDAが承認したフィナステライド(Finasteride,Prppecia;MSD)が知られている。
【0003】
一方、ストレスや栄養不足等は、末梢血流障害を起こし、毛髪を合成する毛嚢の機能低下を招くため、脱毛を進行させることが知られている。その解決策として、末梢血液循環を促進し、毛嚢の機能を強化するための脱毛防止薬品が開発されているが、米国のFDAで承認した外用ミノキシジルは、カリウム通路の開放による血管拡張効果によって脱毛防止効果を有すると分析されている。ミノキシジルは、休止期の毛嚢を成長期へ誘導して成長期を維持させる活性が報告されている(非特許文献1)。ミノキシジルのように、多くの脱毛防止薬物の場合、臨床的には明らかな効果をみせるが、そのメカニズムが明確に特定できない場合が多い。特許文献1には、シャクヤク(peony root)、柏子仁、ツルドクダミ(Polygonum multiflorum)及び緑茶等の植物抽出物を含有する脱毛防止及び毛髪成長促進用の組成物が開示されており、特許文献2には、水溶性ビタミンB群及びピリミジンオキサイドを含有し、毛嚢血流拡大による毛髪成長促進用の組成物が開示されている。
【0004】
一方、最近では、発毛促進の次元より日常的な管理次元で脱毛防止を要望する女性や若い層の需要が急増しており、このような流れに合わせて、毎日使う洗浄目的のシャンプー組成物に脱毛防止有効性分を含有させて脱毛防止の効果を与えるという傾向が現れている。特許文献3には、益母草(Leonurus sibiricus)の種子、甘松香、ハマカンギク(Chrysanthemum indicum)、桃仁(persicae semen)、山茱萸、兎糸子(lodder fruit)、五味子、オケラの根、松葉、及びトウキ等の数種の漢方材料の混合抽出液を含有する脱毛防止及び発毛促進組成物が開示されており、特許文献4には、トウキの根とゴボウの根のエタノール抽出物を含有することによって、トウキの根のβ-シトステロール成分による5-α還元酵素の抑制効果と、ゴボウの根のイヌリン成分による血流改善効果と、で脱毛防止効果を有する脱毛防止シャンプー組成物が開示されており、特許文献5には、イチョウの葉から抽出したギンコライドA(ginkgolide A)、ギンコライドB、及びビロバライド(bilobalide)を含有し、ふけ防止効果とともに脱毛防止効果を有するシャンプー組成物が開示されており、特許文献6には、紅参の粗サポニン、甘草、ビオチン、コッパーペプチド(Copper Peptide)、及びサイトカイン(cytokine)を含むナノリポソーム粒子を含有する脱毛防止及び発毛促進効果の頭皮化粧料組成物が開示されており、特許文献7には、金と銀を溶かした金銀物に各種の天然漢方素材を入れて沸かして抽出した抽出液をシャンプー組成物に混合した、脱毛防止及び養毛効果を有するシャンプーの製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国特許第10-0,839,588号公報
【特許文献2】韓国特開第2007-0,065,950号公報
【特許文献3】韓国特許第10-0,581,316号公報
【特許文献4】韓国特許第10-0,609,210号公報
【特許文献5】韓国特許第10-0,579,710号公報
【特許文献6】韓国特許第10-0,763,437号公報
【特許文献7】韓国特許第10-0,806,125号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】British Journal of Dermatology.2004;150:186-194
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、シャンプー使用のように日常的な管理次元で、便利に脱毛防止及び毛髪成長促進効果を提供する組成物を開発しようと工夫した結果、i)亜鉛ピリチオンと、ii)パンテノールと、iii)サリチル酸、ニコチンアマイド、及び柏子仁抽出物からなる群から選ばれた1種以上とを有効性分として含有することによって、成長期の毛髪周期を長く維持させ、脱毛防止や毛髪成長促進効果を与えられることを発見し、本発明を完成した。
【0008】
従って、本発明の目的は、休止期から成長期の毛髪周期への誘導を促進し、成長期の毛髪周期を長く維持させることによって、脱毛防止及び毛髪成長促進効果を有する毛髪又は頭皮化粧料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明では、i)亜鉛ピリチオンと、ii)パンテノールと、iii)サリチル酸、ニコチンアマイド、及び柏子仁抽出物からなる群から選ばれた1種以上とを有効性分として含有する脱毛防止及び毛髪成長促進効果を有する毛髪又は頭皮化粧料組成物を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明による毛髪又は頭皮化粧料組成物は、i)亜鉛ピリチオンと、ii)パンテノールと、iii)サリチル酸、ニコチンアマイド、及び柏子仁抽出物からなる群から選ばれた1種以上とを有効性分として含有することによって、休止期から成長期の毛髪周期への誘導を促進し、成長期の毛髪周期を長く維持させることで、頭皮の脱毛現象を減少させ、毛髪成長を促進する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明による組成物の脱毛防止効果を表すグラフ図である。
【図2】図2は、本発明による組成物のマウスの毛髪成長促進効果を表すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、i)亜鉛ピリチオンと、ii)パンテノールと、iii)サリチル酸、ニコチンアマイド、及び柏子仁抽出物からなる群から選ばれた1種以上と、を有効性分として含有する脱毛防止及び毛髪成長促進効果を有する毛髪又は頭皮化粧料組成物に関する。
【0013】
本発明で使用する亜鉛ピリチオン(Zinc pyrithione)は、抗菌剤の一種であって、ふけ菌の生長を抑制する抗真菌効果を有する成分であり、下記化学式1で表される。
【0014】
【化1】

現在市販されているふけと頭皮のかゆみを解消するシャンプー、リンス、コンディショナー、クリーム、及びゲル等のほとんどの製品にこの成分が添加されている。
【0015】
本発明では、脱毛防止及び毛髪成長促進効果を目的に、亜鉛ピリチオンを組成物の総重量に対して0.01〜2.0重量%含有することが好ましく、亜鉛ピリチオンの含量が0.01重量%未満の場合には効能・効果が微弱であり、2.0重量%を超過する場合には剤形安定化に問題が生じる。
【0016】
本発明で用いるパンテノールは、d-パンテノールと、dl-パンテノール両方とも使用可能であり、下記化学式2で表される。
【0017】
【化2】

【0018】
パンテノールは、パントテン酸(pantothenic acid)の別称であって、体内に吸収された後ビタミンに転換されるプロビタミンB5を指す。化粧品では、主に湿潤剤、軟化剤、及び保湿剤の用途で使用され、炎症及びかゆみを防止し、毛髪をやわらかくし、毛髪の強度を増進させるために使用する。
【0019】
本発明では、脱毛防止及び毛髪成長促進効果を目的に、パンテノールを組成物の総重量に対して0.01〜2.0重量%含有することが好ましい。パンテノールの含量が0.01重量%未満の場合には効能・効果が微弱であり、2.0重量%を超過する場合には剤形安定化に問題が生じる。
【0020】
本発明で用いるサリチル酸は下記化学式3で表される。
【0021】
【化3】

【0022】
サリチル酸は、以前から皮膚に関わる様々な疾患に、広範囲に用いられている薬品であって、にきび、ふけ、白斑症、角質、いぼ、及び魚の目等の治療に用いられる。また、サリチル酸は、抗炎作用を有しており、解熱・鎮痛剤であるアスピリン(アセチルサリチル酸)の原料としても用いられている。
【0023】
本発明では、脱毛防止及び毛髪成長促進効果を目的に、サリチル酸を組成物の総重量に対して0.01〜2.0重量%含有することが好ましい。サリチル酸の含量が0.01重量%未満の場合には効能・効果が微弱であり、2.0重量%を超過する場合には剤形安定化に問題が生じる。
【0024】
本発明で使用するニコチンアマイドは下記化学式4で表される。
【0025】
【化4】

【0026】
ニコチンアマイドは、ナイアシンアマイドとも呼ばれ、ビタミンB3をいう。ニコチンアマイドは、水溶性ビタミンであって、生体内で蛋白質代謝に関わる酵素反応の補助酵素として作用する。また、血管を拡張させる能力があり、末梢血流の拡大を目的に使用されることもある。
【0027】
本発明では、脱毛防止及び毛髪成長促進効果を目的に、ニコチンアマイドを組成物の総重量に対して0.01〜2.0重量%含有することが好ましい。ニコチンアマイドの含量が0.01重量%未満の場合には効能・効果が微弱であり、2.0重量%を超過する場合には剤形安定化に問題が生じる。
【0028】
柏子仁は、コノテカシワ〔Thuja orientalis (occidentalis)(ヒノキ科) Curpressaceae〕の種子であって、卵円形、長い楕円形、又は長い円柱型であり、長さ3〜5mm、直径2〜3mmである。柏子仁は、養心安神、潤腸通便の効能がある(『東洋学概論』)。多量の油脂(fatty oil)が含まれていると知られている。『東医宝鑑』の毛髪編の三聖膏処方には、附子(aconite tuber)、蔓荊子、及び柏子仁から構成され、その効能は、抜けた口ひげや髪の毛等が再び生えてくるようにすると知られているが、その処方は、附子、蔓荊子、及び柏子仁を各20gずつ粉にして、骨の黒い鶏の油(鶏脂)に入れて、よく混ぜて乾燥させた後、器に入れて蓋を閉め、百日間放置した後、髪の毛の抜けた部分に3〜5日間ぬると新しい髪の毛が生えてくる(『東医宝鑑』-毛髪編、「三聖膏」(南山堂))。また、柏子仁は、5α-還元酵素(5α-reductase)阻害活性も表し、2種類の動物モデルでその育毛活性が高く現れたため、アンドロジェン変換を調節して脱毛に有用な物質として使用することができる〔Journal of Dermatological Science(2003)31, 91-98〕。
【0029】
本発明で使用する柏子仁抽出物は、コノテカシワの種子から、当業界でよく知られている通常の方法で抽出したものであって、後述の方法で抽出することができるが、これに限定されない。柏子仁を2倍容量の95%エタノールで抽出し、ろ過、濃縮した後、5倍容量の水と5倍容量のエチルアセテートを入れて振とうし、層を分離する。エチルアセテート層の水分を硫酸マグネシウムを用いて除去し、ろ過、濃縮することによって柏子仁抽出物を得る。
【0030】
本発明では、脱毛防止及び毛髪成長促進効果を目的に、柏子仁抽出物を組成物の総重量に対して0.01〜2.0重量%含有することが好ましい。柏子仁抽出物の含量が、0.01重量%未満の場合には効能・効果が微弱であり、2.0重量%を超過する場合には剤形安定化に問題が生じる。
【0031】
本発明による毛髪又は頭皮化粧料組成物は、前記有効性分を単独又は2種以上混合して使用することができ、特に、有効性分を3種以上混合して使用する場合、脱毛防止及び毛髪成長促進効果がより向上した。
【0032】
本発明の一実施例によると、本発明による毛髪又は頭皮化粧料組成物は、有効性分として亜鉛ピリチオン液、パンテノール、及びサリチル酸を含有するか、又は亜鉛ピリチオン液、パンテノール、ニコチンアマイド、及び柏子仁抽出物を含有することができる。
【0033】
本発明の一実施例によると、本発明による毛髪又は頭皮化粧料組成物は、当業界で通常使用するアニオン界面活性剤、カチオンポリマー、及びコンディショナー成分をさらに含むことができる。
【0034】
本発明で使用するアニオン界面活性剤には、アルキルサルフェート、エトキシル化アルキルサルフェート、アルキルエトキシカルボキシレート、アルキルグリセリルエーテルスルホネート、エトキシエーテルスルホネート、メチルアシルタウレート、アルキルスルホサクシネート、アルキルエトキシスルホサクシネート、アルファ-スルホネート化脂肪酸、これらの塩及び/又はこれらのエステル、アルキルホスフェートエステル、エトキシル化アルキルホスフェートエステル、直鎖アルキルベンゼンスルホネート、パラフィンスルホネート、アルファオレフィンスルホネート、アルキルアルコキシサルフェート、及びこれらの混合物を挙げられるが、これに限定されない。前記界面活性剤のアルキル及び/又はアシル鎖の長さはC12-18、好ましくはC12-14である。C12未満であれば界面活性力が落ちて使用できなくなり、C18超過であれば起泡力が低くなり使用しにくいためである。前記アニオン界面活性剤の含量は、組成物の総重量に対して1〜50重量%、好ましくは5〜20重量%である。アニオン界面活性剤の含量が、1重量%未満の場合には、期待される洗浄力を発揮することができず、50重量%を超過する場合には、過度な洗浄力とともに人体に刺激を与えるため好ましくない。
【0035】
本発明で使用するカチオンポリマーには、ヒドロキシエチルセルロースのポリマリッククォータナリーアンモニウム塩類、及びグアーヒドロキシプロピルトリアンモニウムクロライド類等を挙げられるが、これに限定されない。カチオンポリマーは、ヘアーコンディショナーの効果、髪の毛の表面をやわらかくする効果、起泡力を高めて泡に弾力を与える効果を有する。前記アニオンポリマーの含量は、組成物の総重量に対して0.1〜1.0重量%、好ましくは0.1〜0.5重量%である。カチオンポリマーの含量が、0.1重量%未満の場合には前記効果が期待できず、1.0重量%を超過する場合には粘度をコントロールしにくくなり、毛髪に過度に付着するため、使用感が顕著に減少する。
【0036】
本発明で使用するコンディショナー成分としては、シクロメチコン、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、ジメチコンコポリオール、アルキルジメチコンコポリオール、シリコーンエステル、フルオロジメチコン、アルキルジメチコン、ジメチコンコポリオールアミン、カルボキシシリコーン、シリコーンホスフェートエステル、シリコーンレジン、シリコーンホスホリピッド、アモジメチコン、アミノプロピルジメチコン、及びシリコーンクァッツ(silicone quats)を含むシリコーンを挙げられるが、これに限定されない。前記コンディショナー成分の含量は、組成物の総重量に対して0.01〜5.0重量%、好ましくは1.3〜3.0重量%である。前記コンディショナー成分の含量が、0.01重量%未満の場合にはコンディショナーの効果が期待できず、5.0重量%を超過する場合には剤形の不安定化による品質低下のおそれがあるためである。
【0037】
また、本発明の一実施例によると、本発明による毛髪又は頭皮化粧料組成物は、安定度を維持する範囲内で、当業界で通常使用する色素、防腐剤、金属イオン封鎖剤、及び香料等をさらに含むことができる。
【0038】
本発明の一実施例による毛髪又は頭皮化粧料組成物は、毛髪洗浄剤組成物であり、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアーコンディショナー、ヘアートリートメント、ヘアトニック、スカルプトリートメント、ヘアーローション、ヘアークリーム、毛髪栄養化粧水、又は一般軟膏剤等に剤形化することができる。
以下、毛髪又は頭皮化粧料組成物に関する本発明の好ましい実施例及び比較例に関し、より具体的に説明する。後述する実施例は、本発明の好ましい一実施例であり、本発明を限定するものではない。
【0039】
[参考例1] 柏子仁抽出物の製造
乾燥させたコノテカシワの種子1kgに95%エタノール水溶液2リットルを入れ、3回還流抽出してろ過、濃縮した後、水とエチルアセテートを各々5リットルずつ入れ、振とうして層を分離した後、エチルアセテート層の水分を硫酸マグネシウムを用いて除去し、ろ過、濃縮して柏子仁抽出物を得た。
【0040】
[実施例1〜2及び比較例1]
下記の表1に記載の組成により各成分を混合し、実施例1〜2及び比較例1の組成物を製造した(単位:重量%)。亜鉛ピリチオン液は、韓国食品医薬品安定庁の告示規格の48%亜鉛ピリチオン分散液〔API CORPORATION (2-3-4, NIHONBASHI, CHUO-KU, TOKYO, 103-0027, JAPAN)〕を実施例1〜2及び比較例1の剤形に直接分散して使用し、パンテノールは、米国薬典規格〔DSM Nutritional Products LTD. (Darly Ayrshire Scotland UK KA25JJ)〕を常温で水と界面活性剤の混合液に可溶化して使用した。一方、サリチル酸は、大韓薬典規格〔Rhodia Organique (Rue Gaston Monmousseau 38556 Roussillon, France)〕野原料を65℃の加温工程で水と界面活性剤の混合液に可溶化して使用した。ニコチンアマイドは、英国薬典規格〔Amsal Chem. Pvt. Ltd. (A-1/401/402/403, G.I.D.C., Ankleshwar, Gujarat State, India.)〕のものを常温で水と界面活性剤の混合液に可溶化して使用し、参考例1で製造した柏子仁抽出物は公定書以外の別途規格〔株式会社韓仏化農(京畿道 龍仁市 駒城邑上下里505-1)〕のものを剤形に直接添加する方式を使用した。
【0041】
【表1】

【0042】
[試験例1] 脱毛防止効果試験
初期脱毛現象のある被検者30名を対象に、脱毛防止効果に関する実験を16週間行った。前記実施例1〜2及び比較例1の組成物を1日1回ずつ16週間使用した後、髪を洗った後、脱落毛を収集して個数を数え、その結果を下記の表2及び図1に表した。
【0043】
【表2】

【0044】
前記表2と図1から分かるように、本発明による実施例1〜2の組成物で処理する場合、比較例1に比べて脱落毛の個数が顕著に減少した。
【0045】
[試験例2] 毛髪成長効果試験
毛髪成長効果をテストするために、生後7週のマウス(C57BL/6)の背中部位の毛を除去し、背中部位の皮膚が清潔なマウスを選択して、物質群ごとに10匹ずつを選定し、毎日前記実施例1〜2及び比較例1の組成物をそれぞれのマウスグループ個体に150μlずつ21日間塗布した後、洗浄した。23日後に、新しく生えてきた毛の重量を測って比較し、その結果を下記の表3及び図2に表した。
【0046】
【表3】

【0047】
前記表3及び図2から分かるように、本発明による実施例1〜2の組成物が休止期の毛髪周期のマウスに作用し、成長期の毛髪周期への履行を促進させることによって、比較例1の組成物より優れた毛髪成長促進効果を有することが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜鉛ピリチオンと、パンテノールと、サリチル酸、ニコチンアマイド、及び柏子仁(Thujae Semen)抽出物からなる群から選ばれた1種以上とを有効性分として含有することを特徴とする毛髪又は頭皮化粧料組成物。
【請求項2】
前記亜鉛ピリチオンの含量は、組成物の総重量に対して0.01〜2.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪又は頭皮化粧料組成物。
【請求項3】
前記パンテノールの含量は、組成物の総重量に対して0.01〜2.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪又は頭皮化粧料組成物。
【請求項4】
前記サリチル酸の含量は、組成物の総重量に対して0.01〜2.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪又は頭皮化粧料組成物。
【請求項5】
前記ニコチンアマイドの含量は、組成物の総重量に対して0.01〜2.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪又は頭皮化粧料組成物。
【請求項6】
前記柏子仁抽出物の含量は、組成物の総重量に対して0.01〜2.0重量%であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪又は頭皮化粧料組成物。
【請求項7】
前記毛髪又は頭皮化粧料組成物は、脱毛防止又は毛髪成長促進用であることを特徴とする請求項1に記載の毛髪又は頭皮化粧料組成物。
【請求項8】
前記組成物は、ヘアーシャンプー、ヘアーリンス、ヘアーコンディショナー、ヘアートリートメント、ヘアートニック、スカルプトリートメント、ヘアーローション、ヘアークリーム、毛髪栄養化粧水、又は一般軟こう剤に剤形化されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の毛髪又は頭皮化粧料組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−178737(P2011−178737A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46157(P2010−46157)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(503327691)株式會社アモーレパシフィック (73)
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【Fターム(参考)】