説明

毛髪育成用組成物

【課題】 脱毛、薄毛、白髪などに効果があり、甲状腺機能の回復にも好適な毛髪育成用組成物を提供すること。
【解決手段】 キクイモと、三七人参と、メカブと、ジャガイモとを、有効成分として少なくとも含むことを特徴とする毛髪育成用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、薄毛、抜け毛、白髪の改善に効果を有する毛髪育成用組成物に係り、特に、内服薬又は外用薬として用いるのに好適な毛髪育成用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪は頭部より生えているために目立つものであり、そのため古くより毛髪に関しては様々な悩みを持つ人が多い。中でも、薄毛、抜け毛、白髪に関する悩みを持つ人は特に多く、最近では男性だけではなく女性でも頭髪に関する悩みを持つ人が増加している。ある化粧品会社が20代の女性を対象として実施した調査によると、「髪の傷みが気になるか」との問いに「非常に気になる」と答えた人が2000年では16%だったのに対して、2006年には26%と増加しており、また、調査対象の年齢が上がるにつれてその割合も増加するという傾向がある。
【0003】
このように、毛髪に関する悩みを持つ人が増加している原因としては、食生活や生活習慣の乱れによる毛母細胞へのダメージ、ストレスによるホルモンバランスの悪化、カラーリングや整髪料などによる毛髪へのダメージ、加齢、遺伝的要因、食品に含まれる微量抗生剤や有害物質の影響などが考えられる。これらの要因により甲状腺ホルモンの分泌が低下し、毛母細胞の機能や活動が低下することにより、脱毛、白髪、毛髪が細るなどの現象が生じるものと推測される。
【0004】
また、これらの外的要因以外にも、抗癌剤治療により甲状腺機能に影響が生じて毛髪を失う場合などもある。更に、抗癌剤の原料である抗生物質は家畜飼料や養殖魚の餌などにも含まれるため、抗癌剤などの抗生物質を直接摂取していない場合でも、抗生物質を投与された家畜の肉や養殖魚を食べることで間接的に抗生物質を摂取する可能性がある。抗生物質が含まれた肉や魚を食べ続けることで長期に亘り微量ずつ抗生物質が蓄積され、結果として抗癌剤の投与と同じように甲状腺機能に影響が生じて、毛髪に悪影響を与える虞がある。
【0005】
甲状腺機能の低下は、外的要因や抗生物質だけでなく老化によっても起こる。アメリカの自然医学会誌が60〜97歳の370人を対象として行った調査によると、過去又は現在に機能低下症を発生した人が23.4%に上り、不顕性の機能低下症を発生している人も15.0%いたとの結果が出ている。
【0006】
甲状腺機能の低下により現れる症状としては、毛髪に関する影響が特に知られているが、髪の毛に関する問題の他にも、体温の低下など全身の代謝機能の低下、息切れ、動脈硬化、高血圧、便秘、肌荒れ、腎機能の低下、浮腫、集中力の欠乏や物忘れ、などが起こることもある。また、毛髪と同じくケラチンを主成分とする爪が薄くなったり割れやすくなったりすることも知られている。
【0007】
毛髪に関する悩みを解決する提案としては、特許文献1には、活性成分として5’−デオキシ−5’−メチルチオアデノシン、S−アデノシルメチオニン、またはそれらの塩を含む毛髪成長促進剤に関する発明が開示されている。
【特許文献1】特公平7−78012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、このような従前の毛髪成長促進剤では、甲状腺機能の回復という点に着目されておらず、脱毛や白髪についての根本的な改善には至っていなかった。
【0009】
本発明はこのような問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、脱毛、薄毛、白髪などに効果のある毛髪育成用組成物を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的とするところは、甲状腺機能を回復する効果を有する毛髪組成物を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的とするところは、内服薬及び外用薬として用いるのに好適な毛髪育成用組成物を提供をすることにある。
【0012】
この発明のさらに他の目的並びに作用効果は、明細書の以下の記述を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するために、本願の毛髪育成用組成物は、キクイモと、三七人参と、メカブと、ジャガイモとを、有効成分として少なくとも含むものである。
【0014】
このような構成によれば、薄毛、抜け毛、白髪の改善に効果があり、甲状腺機能の回復にも効果を有する毛髪育成用組成物が得られる。
【0015】
本願の毛髪育成用組成物においては、ビール酵母を更に有効成分として含むようにしてもよい。ビール酵母を加えることで、より栄養が豊富となり効果が期待される。
【0016】
また、本願の毛髪育成用組成物においては、1日分の摂取量中にイヌリンが0.3mg以上含まれるように構成してもよい。このような構成によれば、適量のイヌリンを摂取可能であるため、薄毛、抜け毛、白髪への効果がより期待できる。
【0017】
本願の毛髪育成用組成物は、内服薬として使用されてもよい。内服薬の形状としては、錠剤、カプセル、粉末、液状など、いずれの形状でもよい。
【0018】
また、本願の毛髪育成用組成物は、外用薬として使用されてもよい、外用薬として用いる場合は、軟膏、クリーム、ヘアスプレー、ヘアトニックなど、いずれの形状でもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明の毛髪育成用組成物によれば、薄毛、抜け毛、白髪の改善など、毛髪の問題に効果のある毛髪育成用経口薬が得られる。また、キクイモの作用により、甲状腺機能の回復にも効果があるものと推測される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下において、この発明の好適な実施の一形態を添附図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
先にも述べたように、本発明の毛髪育成用組成物は、有効成分としてキクイモと、三七人参と、メカブと、ジャガイモとを含むものであり、薄毛、抜け毛、白髪などの改善に効果が期待できるものである。本発明の毛髪育成用組成物に含まれる有効成分は、それぞれ以下のような作用機序で効果を発揮しているものだと推測される。
【0022】
キクイモ(菊芋)は、学名は Helianthus tuberosus、英名は Jerusalem artichoke であり、キク科ヒマワリ属の多年草である。主成分は「天然インスリン」とも呼ばれる多糖類イヌリンと食物繊維であり、βカロテン、ビタミンC、セレン、サポニン、フラボノイドも含まれている。生のキクイモには13〜20%程度のイヌリンが含まれており、イヌリンは消化によってキクイモオリゴ糖(イヌロオリゴ糖)となる。キクイモには整腸効果や血糖値の低下効果などがあるとされている。またキクイモにはデトックス効果があることが知られているが、これはキクイモ中のイヌリンが体内の有害物質を絡め取り、そのまま排泄されるからではないかと考えられる。本願の毛髪育成用組成物に用いるキクイモは、使用形状は特に限定せず、生又は乾燥したキクイモを粉砕して用いる、成分を抽出して用いるなど公知の方法で処理を行い用いることができる。また、市販のキクイモ抽出物等を用いても良い。
【0023】
キクイモ中のアミノ酸含有比率が図1に示されている。先にも述べたようにキクイモには多くのアミノ酸が含まれており、特に必須アミノ酸の含有比率が高く、必須アミノ酸であるロイシン、リジン、バリン、イソロイシン、スレオニン、フェニルアラニン、ヒスチジン、メチオニンの含有率を合わせると、実に88.2%が必須アミノ酸であることがわかる。髪の毛の主成分は18種類のアミノ酸が結合したケラチンと呼ばれるたんぱく質であり、髪の毛を健康に保つ上でアミノ酸の摂取は重要なことである。
【0024】
またキクイモについては、抗生物質の影響による生体機能の回復などに効果があるとされている。これを検証するために、牛と鶏にキクイモを混入した飼料を与えて、経過を観察した。
【0025】
乳牛用にキクイモ混入飼料を投与した後の牛乳の品質試験結果が図8に示されている。同図に示されているのは2003年7月から2004年1月にかけて試験を行った結果であるが、飼料にキクイモを混入し始めた2003年7月と比べて、11月、12月、1月と経過するにつれて、脂肪率、無脂固形分の値が上昇して牛乳の品質が向上していることがわかる。
【0026】
ここで体細胞数とは、壊れて牛の体から出て牛乳中に入ってしまう細胞のことで、体細胞数が多いと牛の免疫力が低いということになり、牛乳の味にも影響する。牛乳の品質は牛乳1リットル中に含まれる体細胞の数で決まり、牛乳1ml中に含まれる体細胞数が、30万個以下でAクラス、60万個以下でBクラス、60万個以上でCクラスとされている。6ヶ月下旬の時点では体細胞数65万個でCクラスであったのに対して、飼料へのキクイモ混入が開始された7月以降は19万〜41万個程度の値に抑えられ、A〜Bクラスを維持している。
【0027】
次に、鶏にキクイモ混入飼料を投与した後の産卵率の推移が図9に示されている。キクイモ投与群とキクイモ非投与群とで産卵率の推移を比較したところ、キクイモ非投与群は産卵開始から2ヶ月程度経過した時点で1日当たりの廃鶏数が10〜15羽程度となり、約4ヶ月で全体の産卵率が廃鶏の判断基準となる産卵率60%のラインを割り込み廃鶏となった。これに対して、キクイモ投与群は産卵開始から2ヶ月程度経過した時点で1日当たりの廃鶏数は4〜5羽程度であり、全体の産卵率が廃鶏の判断基準となる産卵率60%のラインを割り込んだのは非投与群よりも約3ヶ月遅い7ヶ月後であった。これに加えて、キクイモ投与群の鶏が産んだ鶏卵は、鶏卵自体の品質も良く白身が崩れにくく黄身の色も濃厚なものであった。
【0028】
以上のようにキクイモは抗生物質の摂取に起因する生体機能の低下に効果を示すものであると認められるが、キクイモの摂取のみでは薄毛、抜け毛白髪の改善には不十分である。そこで本願毛髪育成用組成物においては、キクイモ以外にも以下の有効成分を用いることとした。
【0029】
三七人参は、学名は Panax notoginseng Berk であり、別名を田七人参とも言うセリ目ウコギ科トチバニンジン属の多年草植物である。薬用人参として漢方薬としても使用され、滋養強壮や疲労回復に優れて血液循環の改善作用もあるとされている。また、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、鉄分、カリウム、亜鉛、マグネシウムなどの微量栄養素も含まれている。本願の毛髪育成用組成物に用いる三七人参は、使用形状は特に限定せず、生又は乾燥した三七人参を粉砕して用いる、成分を抽出して用いるなど公知の方法で処理を行い用いることができる。また、市販の三七人参抽出物等を用いても良い。
【0030】
メカブはワカメ(褐藻類コンブ目チガイソ科、学名 Undaria pinnatifida)の葉の基部の、葉状部がひだ状に縮まり折れ重なった部分である。ムコ多糖であるフコイダンをはじめ、アルギン酸を豊富に含んでおり、ヨウ素も含まれている。本願の毛髪育成用組成物に用いるメカブは、使用形状は特に限定せず、生又は乾燥したメカブを粉砕して用いる、成分を抽出して用いるなど公知の方法で処理を行い用いることができる。また、市販のメカブ抽出物等を用いても良い。
【0031】
ジャガイモは学名を Solanum tuberosum と言い、ナス科ナス属の植物である。ビタミンCやカリウムの含有量が多く、ビタミンC以外のビタミンもバランス良く含まれている。本願の毛髪育成用組成物に用いるジャガイモは、使用形状は特に限定せず、生又は乾燥したジャガイモを粉砕して用いる、成分を抽出して用いるなど公知の方法で処理を行い用いることができる。また、市販のジャガイモ抽出物等を用いても良い。
【0032】
ビール酵母はビールを製造するときに用いられる酵母であり、必須アミノ酸をはじめとする各種アミノ酸がバランス良く含まれており、また、ビタミンB群、ミネラル、食物繊維なども豊富に含まれている。本願の毛髪育成用組成物に用いるビール酵母としては特に種類は限定せず、市販のビール酵母等任意のものを用いて良い。
【0033】
キクイモ、三七人参、メカブ、ジャガイモの各有効成分はそれぞれ単独でも上記のような効果を有するものだが、これらを同時に摂取することにより次のようにより顕著な相乗効果が生じるものと推測される。
【0034】
本願の毛髪組成物を内服乃至外用で用いると、以下のような作用機序で薄毛、抜け毛、白髪の改善などが起こるものと推測される。本願毛髪育成用組成物を錠剤、カプセル、粉末、液状などの形状にて継続して経口摂取すると、腸内活動が改善され、各種アミノ酸や微量栄養素などが吸収されやすくなる。栄養が補充されることにより、頭皮血液循環も改善され、結果として頭皮細胞が活性化する。また、脳神経が活性化することによりホルモンバランスが整い甲状腺ホルモンが健全化する。このような理由により、髪を作ったり黒髪の色素を作ったりする毛母細胞が活性化し、発毛、髪が太くなる、黒髪が増える、枝毛が減少する、などの効果が得られるものと推測される。
【0035】
また、本願毛髪育成用組成物を外用薬として軟膏、クリーム、ヘアスプレー、ヘアトニックなどの形状で継続して頭皮に塗布乃至散布すると、頭皮に栄養補充がなされることにより経口摂取したときと同様に毛母細胞が活性化し、発毛、髪が太くなる、黒髪が増える、枝毛が減少する、などの効果が得られるものと推測される。
【0036】
また、本願の毛髪育成用組成物においては、ビール酵母、クエン酸などを加えても良い。これらを加えることによってより栄養が豊富になり、更に高い効果が期待される。
【0037】
本発明の毛髪育成用組成物において有効成分をどの程度配合するかについては現在検討されている。毛髪育成用組成物を内服薬として提供する場合には、1日に0.3mg以上のイヌリンを摂取できるように有効成分を配合することが望ましい。また、錠剤、粉末、液状にて提供する場合には、錠剤を成形しやすくするための賦形剤など、形状を整える為の薬剤を添加してもよい。
【0038】
毛髪育成用組成物を外用薬として提供する場合には、内服薬として用いる場合と同程度の有効成分を摂取できるように有効成分が配合されることが望ましい。軟膏、クリーム、ヘアスプレー、ヘアトニックなどの形状としにくい場合には、有効成分を溶かしやすくする為の薬剤などを添加してもよい。
【0039】
また、本発明の毛髪育成用組成物は、経口摂取と外用とを併用してもよい。併用する場合の使用量は、それぞれを単独で用いるときの使用量をそのまま適用してもよく、いずれか一方もしくは両方の量を減らしてもよい。それぞれの利用者の状況に応じて適宜判断するとよい。
【実施例1】
【0040】
以下において、本願にかかる毛髪育成用組成物についての実施例を説明するが、本願はこれにより特定されるものではない。
【0041】
キクイモ(乾燥粉末)、ジャガイモ(乾燥粉末)、三七人参(乾燥粉末)、メカブ(乾燥粉末)、マルチトール(製品名:アマルティ、東和化成工業(株))、ショ糖エステル(菜種硬化油由来)を混合して打錠成形することで、1錠250mgの錠剤状の毛髪育成用組成物を得た。
【0042】
実施例にて得られた毛髪育成用組成物の栄養成分が、図2に示されている。実施例にて得られた毛髪育成用組成物について、1日分の摂取目安15錠分(3.75g)の栄養成分を分析したところ、図2の結果が得られた。実施例で得られた毛髪育成用組成物には、たんぱく質、食物繊維、イヌリン、ミネラル、ビタミンなど豊富な栄養素が含まれていることがわかる。
【0043】
また、実施例にて得られた毛髪育成用組成物中のアミノ酸含有比率が図3に示されている。同図に示されているのは、実施例にて得られた毛髪育成用組成物について(社)埼玉県食品衛生協会検査センターにて分析を行った結果である。この毛髪育成用組成物には多種のアミノ酸が含まれており、ロイシン、バリン、リジンなどの必須アミノ酸も豊富に含まれていることがわかる。
【0044】
次に、実施例にて得られた毛髪育成用組成物を経口摂取した際の効果について説明する。実施例にて得られた毛髪育成用組成物15錠(3.75g)を経口にて平均6ヶ月程度服用した後の、被験者の毛髪に関する変化が図4に示されている。同図に示されている結果は、被験者自身が感じた毛髪に関する変化について、被験者39名に複数回答で答えて貰ったものである。
抜け毛が減った・・・・・・・・31
髪の毛が増えた・・・・・・・・19
白髪が減った・・・・・・・・・14
髪が太くなった・・・・・・・・13
髪のツヤが増した・・・・・・・11
切れ毛が少なくなった・・・・・・8
39人中31名と被験者の約8割が抜け毛の減少を実感しており、髪の毛が増えたと実感した人も約5割いた。他にも、白髪が減った、髪が太くなった、髪のツヤが増した、切れ毛が少なくなったなどの様々な効果が出ており、本組成物の摂取により毛母細胞が活性化した結果であると考えられる。
【0045】
次に、実施例にて得られた毛髪育成用組成物15錠を経口にて平均6ヶ月程度服用した後の、被験者の毛髪以外に関する変化が図5に示されている。同図に示されている結果は、被験者自身が感じた毛髪以外に関する変化について、被験者42名に複数回答で答えて貰ったものである。
眉毛が豊かになった・・・・・・・3
爪に関する問題が改善された・・12
(爪の成長が早くなった、爪が割れにくくなった、爪が綺麗になった、爪の表面のスジが減った、など)
便に関する問題が改善された・・・8
(便通が良くなった、ガスが出るようになった、便の臭いが緩和された、など)
歯茎に関する問題が改善された・・4
(歯茎からの出血が減少した、黒ずんでいた歯茎が赤みを帯びた色合いになった、口臭が減少した)
頭皮に関する変化・・・・・・・・2
(頭皮がむずむずするようになり、活性化された感じがある)
尿に関する問題が改善された・・・7
(頻尿が改善された、一度当たりの排出量が増えた、泡立ちが少なくなった)
目に関する問題が改善された・・・3
(目が疲れにくくなった、目が霞みにくくなった、はっきりと見えるようになった)
疲れにくくなった・・・・・・・・1
食欲が減少した・・・・・・・・・3
血圧が安定した・・・・・・・・・2
肌に関する問題が改善された・・・5
(肌が綺麗になった、肌が白くなった、シミが少なくなった)
眉毛や爪は髪の毛と同様にケラチンを主成分とするため、本願の毛髪育成用組成物を摂取してケラチンが生成されたことによって、眉毛や爪にもケラチンが供給されて眉毛が豊かになったり爪が丈夫になったりしたものと推測される。また、便秘や高血圧、肌荒れなどの症状が改善されたのは、本願毛髪育成用組成物を摂取したことにより甲状腺機能が回復した結果もたらされたものであると推測される。
【0046】
本願の毛髪育成用組成物を経口摂取した後の被験者1(57歳、男性)の毛髪の拡大図が図6に示されている。同図に示されているのは、本願の毛髪育成用組成物15錠を約6ヶ月摂取した後の被験者1の毛髪である。図6(a)は毛根部の拡大図、(b)は表皮部の拡大図であり、以下(c)、(d)、・・・・と順に先端側にずれていき、(o)が散髪の跡のある最先端部である。最も古い(o)最先端部は完全に白髪であるのに対して、(h)、(i)、(j)のあたりでは黒色が混じり始め、(a)毛根部では完全に黒髪となっていることがわかる。
【0047】
次に、被験者2(56歳、女性)の本願毛髪育成用組成物を経口摂取した前後の毛髪の変化を示す拡大図が図7に示されている。同図(a)〜(d)は摂取開始前に撮影したもの、(e)〜(f)は約3ヶ月経口摂取した後に撮影したものである。摂取前に撮影した(a)〜(d)では、毛根部が貧弱で毛髪の表面も荒れていることがわかる。これに対して、本願の毛髪育成用経口薬を3ヶ月摂取した後の(e)〜(f)では、毛根部が丈夫になり毛髪の表面も滑らかになっていることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上より明らかなように、本願の毛髪育成用組成物は、抜け毛や白髪を減らし、発毛を促進し、髪を太くする効果があり、また、甲状腺機能の低下に起因する様々な症状にも効果がみられるものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】キクイモ中のアミノ酸含有比率を示す図表である。
【図2】実施例で得られた毛髪育成用組成物の栄養成分を示す図表である。
【図3】実施例で得られた毛髪育成用組成物のアミノ酸含有比率を示す図表である。
【図4】本願毛髪育成用組成物摂取後の毛髪の変化を示すグラフである。
【図5】本願毛髪育成用組成物摂取後の毛髪以外の変化を示すグラフである。
【図6】被験者1の本願毛髪育成用組成物摂取後の毛髪拡大図である。
【図7】被験者2の本願毛髪育成用組成物摂取後の毛髪の変化を示す拡大図である。
【図8】キクイモ混入飼料投与後の牛乳の品質試験結果を表すグラフである。
【図9】キクイモ混入飼料投与後の鶏の産卵率の推移を表すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キクイモと、三七人参と、メカブと、ジャガイモとを、有効成分として少なくとも含むことを特徴とする毛髪育成用組成物。
【請求項2】
ビール酵母を更に有効成分として含むことを特徴とする請求項1に記載の毛髪育成用組成物。
【請求項3】
内服薬として使用されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の毛髪育成用組成物。
【請求項4】
外用薬として使用されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の毛髪育成用組成物。
【請求項5】
1日分の摂取量中にイヌリンが0.3mg以上含まれたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の毛髪育成用組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−167121(P2009−167121A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−6067(P2008−6067)
【出願日】平成20年1月15日(2008.1.15)
【出願人】(505031107)日本健康食材株式会社 (1)
【Fターム(参考)】