説明

気体の膨張プロセスに基づく冷却システムの冷却能力の調整のための方法およびシステム

冷却システムの冷却能力を制御するための方法および関連するシステムは、気体の膨張冷却回路を用いる。ここで、冷却原理は、1つまたはそれよりも多いガス冷却媒体流を、高い圧力から低い圧力へ膨張させることによる。冷却システムの冷却能力を制御するための方法および関連するシステムは、冷却回路(100)において循環している冷却媒体の量を一時的に低減する工程であって、冷却媒体の部分が、高い圧力で予冷されるとともに、冷却回路(100)から引き出される工程と、冷却された冷却媒体の部分を、膨張デバイス(102)を横切って低い圧力へ膨張させ、これによって、冷却媒体の少なくとも一部が分離する工程と、貯蔵ユニット(104)における一時的な貯蔵のため、凝縮されていない気体から液体を分離し、これによって、貯蔵ユニット(104)において液体として存在する冷却媒体の量が、一時的に、その他の場合なら閉じられている冷却回路(100)において循環されなくなる工程と、その後、必要に応じて、一時的に貯蔵された液相の冷却媒体を貯蔵ユニット(104)から冷却回路(100)に戻す工程と、凝縮されていない気体および蒸発した冷却媒体を、貯蔵ユニット(104)から、冷却回路(100)における適切な場所に戻す工程と、により特徴付けられる。気体の膨張冷却に基づいて、冷却装置の冷却能力を低減するためのシステムもまた示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許の請求項1および25の各プリアンブルにおいて見られるように、気体の膨張プロセスに基づく冷却システムの冷却能力の調整のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
冷却原理として気体の膨張に基づく冷却プロセスは、天然ガスのLNGへの液化、または、空気の深冷分離など、気体または液体を非常に低い温度まで冷却するための、単純かつ強固な冷却装置が求められる場合にしばしば利用される。気体の膨張プロセスは、一般に、古典的なBrayton/Claude冷却プロセスに基づいており、この場合、ガス冷却媒体が、圧縮、冷却膨張およびその後の、冷却されるべき流体に対する熱交換に基づく仕事サイクルを経る。例えば、天然ガスの液化のため、予冷され、圧縮された気相の冷却媒体、一般には窒素または窒化炭素ガス、または混合物であって、タービン(例えば、放射状のタービン/ターボエキスパンダー)または膨張弁を横切って、予冷されるとともに膨張した冷却媒体を利用することができる。気体の膨張は、非常に冷たい気体、または気体および液体の混合物を導き、それは、その後、天然ガスを液化し、そして、圧縮された冷却ガスを予冷するのに利用される。気体の膨張プロセスは、比較的に単純であり、従って、沖合いの装置に適している。プロセスは、単一の膨張ループ、または、2つまたはそれよりも多い膨張段階であって、並列または直列に連結された段階に基づくことができる。この場合、異なる膨張プロセスは、プロセスの効率を増大させるため、異なるプロセス状態(圧力、温度、流量)で作動する。しかしながら、大抵のプロセスにおいて一般的なのは、冷却媒体が、全体のプロセスを通して支配的に気相で存在している、ということである。
【0003】
気体の膨張プロセスにおいて冷却媒体が支配的に気相で存在しているので、これらのプロセスの能力の調整は、しばしば、骨の折れることとなる。能力の調整は、所望の冷却および/または液化を実施するために要求される冷却仕事がほとんどない場合に、適切なものとなっている。例えば、冷却または凝縮されるべき流体がシステムをほとんど流れない場合、または、冷却または液化されるべき流体が、特定の冷却仕事が低減されるよう構成を変える場合である。低減された能力は、限られた程度で、例えば、可変の入口ガイドベーン、または速度制御、または排出から圧縮機の吸引に戻る気体のリサイクルによって、冷却媒体の圧縮機の能率を低減することにより実現され得る。しかしながら、冷却媒体の容積流量を低減することにより、膨張タービンもまた、低減された効率および低いパワー出力を提供し、また、さらに重大なことには、膨張タービンの制御に関する問題が生じ、または、膨張タービンが、そのような動作範囲においては、時間が経過したときに動作され得ない。その場合、プロセスのために必要な、所望の低い温度が達成され得ないという状況が生じ得る。
【0004】
プロセスにおける冷却能力の低減のための設備に関連する制限の結果として、その他の原理が一般に使用される。この場合、閉じた冷却回路における冷却媒体の容量が低減される(閉ループから恒久的または一時的に取り除かれる)。このようにして、冷却回路全体における動作圧力が、高圧力側および低圧力側の両方において低減される。一般に、放射状の圧縮機および放射状のタービンが、そのような冷却プロセスにおいて用いられる。また、これらの機械における圧縮または膨張は、容積に基づいているので、設備は、単位時間あたり、比較的に一定の現実の容積を扱い続ける。動作圧力を低減することにより、同一の現実の容積流が循環されるが、重量流は低くなる。このようにして、低い冷却能率が、所要の圧縮仕事における対応する低減とともに実現される。一方、システムは、その設計ポイントの近くで動作する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
能力調整のための後者の方法に関する課題は、冷却能力の一時的な低減の場合における冷却ガスの損失である。大きな装置において、能力低減の期間の後、適切な品質の冷却ガス、例えば浄化された窒素を大量に供給するため、非常に長い時間を使う必要がある。従って、能力を回復させるのに長い時間がかかる。プロセスが作動する2つの圧力レベルの間でのガスの貯蔵所またはトラッピングによる代案が用いられ、また当該代案は、小さな装置のための合理的な代案を構成する。その他の解決法は、圧力容器における冷却媒体ガスの貯蔵器を有しており、これによって、さらなる量が必要とされる時、大量のガスが、冷却回路の中に注入され得る。
【0006】
本発明は、気体の膨脹回路、とりわけ、大きい装置、例えばLNGの生成のための冷却装置のための能力調整における著しい最適化を表している。ここで、冷却プロセスが、以下のように修正される。すなわち、冷却媒体ガスが、液体形態での中間の貯蔵のため単純に冷却されるとともに、比較的に短い時間の中で液化される。そして、このようにして、冷却媒体ガスが、冷却回路から一時的に取り除かれる。その後、冷却回路は、その後のより低い動作圧力および低減された冷却能率において、より低い充填速度で動作する。液化されたガスは、冷却装置の能率を迅速に増大させるため、いつでも、冷却回路の中へ再び蒸発させられ得る。液体形態での、低い温度における冷却媒体ガスの貯蔵は、圧縮された形態のガスの貯蔵よりも著しく小さな貯蔵体積を必要するであろう。装置の能率が低減されており、また、装置における冷却能力の余剰がある場合、液化が、短い期間で実施されるので、冷却媒体ガスの液化は、冷却装置における大きな冷却能力を要求しない。
【0007】
本発明は、冷却媒体が全体の冷却回路を通じて気相で支配的になっている場合の、窒素膨張サイクルの全てのタイプ、または、純メタン、天然ガスまたは炭化水素の混合を使用するガス膨張サイクルなど、全てのタイプの気体の膨張回路における使用を意図している。ここで、冷却は、ガス冷却媒体を膨張させることにより得られる。
【発明を解決するための手段】
【0008】
上述の課題は、独立請求項1に記載されているように、気体の膨張冷却のための冷却回路を使用する冷却システムの冷却能力を制御するための方法であって、
冷却回路において循環される冷却媒体の量を一時的に低減する工程であって、冷却媒体の部分が、より高い圧力で予冷されるとともに、冷却回路から取り除かれる工程と、
気相または液相にある、冷却された前記冷却媒体の部分を、膨張デバイスを横切ってより低い圧力へ膨張させ、これによって、冷却媒体の少なくとも一部分が低温液体(cold liquid)として分離する工程と、
貯蔵ユニットにおける一時的な貯蔵のため、凝縮されていない気体から凝縮された液体を分離し、これによって当該液体が一時的に、その他の場合なら閉じられている冷却回路において循環されなくなる工程と、
その後、必要な時に、一時的に貯蔵された液相の冷却媒体を貯蔵ユニットから冷却回路に戻す工程と、
凝縮されていない気体および蒸発した冷却媒体を、貯蔵ユニットから、冷却回路における適切な場所に戻す工程と、
からなる方法により実現される。
【0009】
当該方法の好ましい形態は、従属請求項2−23に記載されている。
【0010】
上述の課題は、独立請求項24に記載されているように、気体の膨張冷却に基づく冷却システムにおける能力低減のためのシステムであって、
熱交換器、または、冷却プロセスの支援を伴う熱交換器システムにおいて、より高い圧力でガス冷却媒体を冷却するためのデバイスと、
気相または液相で冷却された冷却媒体の支流のための排出口と、
支流をより低い圧力での流れに膨張させるための膨張デバイスと、
凝縮されていない冷却媒体の分離、および、凝縮された冷却媒体の一時的な貯蔵のための貯蔵器と、
凝縮されていない冷却媒体ガスおよび蒸発した冷却媒体を、貯蔵ユニットから、冷却システムにおける適切な場所に戻すためのリターンデバイスと、
必要とされる時、冷却媒体を貯蔵ユニットから冷却回路へ戻すリターンデバイスと、を備え、
冷却媒体を、閉じられた1つの冷却回路または複数の冷却回路から一時的に取り除くよう設けられているシステム、によって実現される。
【0011】
当該方法の好ましい形態は、従属請求項26および27において明らかになっている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の主要な動作原理を示している。
【図2】図2は、本発明の主要な動作原理をその他の形態により示している。
【図3】図3は、本発明の主要な動作原理をその他の形態により示している。
【図4】図4は、本発明の主要な動作原理をその他の形態により示している。
【図5】図5は、本発明の主要な動作原理をその他の形態により示している。
【図6】図6は、単純な気体の膨張回路のための本発明を示している。
【図7】図7は、単純な気体の膨張回路のための本発明をその他の形態により示している。
【図8】図8は、単純な気体の膨張回路のための本発明をその他の形態により示している。
【図9】図9は、単純な気体の膨張回路のための本発明をその他の形態により示している。
【図10】図10は、単純な気体の膨張回路のための本発明をその他の形態により示している。
【図11】図11は、単純な気体の膨張回路のための本発明をその他の形態により示している。
【図12】図12は、二段階の気体の膨張回路のための好ましい形態における本発明を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1および図2の参照において、気体の膨張回路の能力制御のためのシステムは、以下の主要な構成要素を含んでいる。
1.冷却プロセス100による、より高い圧力における、冷却媒体の部分の冷却
2.圧力低減デバイス102を横切ってのより低い圧力への膨張のための、冷却された前記冷却媒体の部分の除去。これによって、冷却媒体流13における冷却媒体の少なくとも小さな一部が、低い圧力において液化される。
3.液相の冷却媒体のための貯蔵器/タンク104
4.冷却媒体流13の、凝縮されていない冷却媒体ガス14および液相の冷却媒体からなる流れへの分離。好ましくは、この分離は、冷却媒体タンク104の中で起こる。
5.凝縮されていない冷却媒体および蒸発させられた冷却媒体の、タンク104から、冷却システム100の適切な場所へのリターン。
6.負荷の増加による必要に応じて、冷却媒体を貯蔵タンク104から冷却回路100に戻すためのデバイス106。
【0014】
より高い圧力での冷却媒体の冷却は、一般に、メインの冷却回路における冷却媒体の最も低い予冷温度よりも低い温度への冷却となっている。すなわち、圧力低減デバイス102を横切ってのより低い圧力への膨張のために引き出されるべき冷却媒体流は、一般に、冷却回路のための通常の動作モードの間におけるその他の冷却媒体流の予冷よりもさらに冷却される必要がある。しかしながら、圧力低減デバイス102を横切ってのより低い圧力への膨張のために引き出される前記冷却媒体流のための予冷温度は、冷却温度における最も低い動作温度よりも低い温度までは冷却され得ず、当該冷却媒体は、例えば図1における流れ32として示されているように、一般に、より高い圧力からより低い圧力へ膨張させられた戻り冷却媒体流となっている。この場合、冷却システムは、1つまたはそれよりも多いマルチストリームの熱交換器、例えば、マルチストリームプレートフィン熱交換器(multistream plate-fin heat exchanger)を用いており、冷却は、部分的に、メインの冷却回路の予冷パス190の1つの一部として部分的に発生する。すなわち、この予冷パスにおける専用の拡張部191aとして部分的に発生する。図1は、この形態を、冷却回路の予冷パス190が熱交換機パス191aの形態で直接的に延ばされたものとして示している。一方、メインの冷却回路の冷却媒体流31は、熱交換器110aから、熱交換器における中間の排出口において抽出されている。図2は、その他の形態であって、冷却媒体がはじめに冷却回路の予冷パス190において冷却され、また、熱交換器110aから流れ31として取り出され、熱交換器パス191bにおけるさらなる冷却のためにマルチストリーム熱交換器110aに戻される形態を示している。
【0015】
図3は、個々に、または同時に用いられ得る、いくつかのさらなる原理のその他の形態を示している。図3は、その他の形態であって、熱交換器システムにおける前記マルチストリーム熱交換器の1つまたはそれよりも多数において、前記ガス冷却媒体の一部の冷却が、個別の予冷パス191cにて完全に実施される形態を示している。また、冷却は、冷却システム100の支援により、個別の熱交換器において生じてもよい。さらに、図3は、冷却媒体の貯蔵器104が、冷却媒体のリターンのための受け入れ圧力よりも高い圧力で作動される形態を示している。ここで、ガス流の冷却回路への戻りを制限することにより、圧力制御バルブが104における圧力を制御している。図3はまた、熱交換器110aの個別のパス192における加熱により、冷却媒体12のリターンがなされるのを示している。冷却回路において、多数の熱交換器からなるシステム110b(図5)が用いられる場合、対応する形態もまた使用され得る。
【0016】
図4は、2つのその他の形態であって、共に、または個々に、または上述および図1乃至3における形態のいずれかと共に使用され得る形態を示している。図4において、凝縮されていない冷却媒体の部分14は、冷却システムには戻されず、その他の場合なら閉じられている冷却システムから、流れ14bとして、例えば、大気へ、または、プロセスプラントにおけるその他の場所での使用のために導かれる。図4はまた、1つの形態であって、システムが、プロセッシング装置のその他の部分に、窒素を、液体または気体の形態における流れ145として供給することができる形態を示している。
【0017】
図5は、1つのその他の形態であって、冷却プロセスが、多数のマルチストリーム熱交換器を熱交換器のシステム110bとして使用し、また、冷却媒体が、はじめに、冷却回路の予冷パス190において冷却され、またシステム110bにおける熱交換器の1つから流れ31として取り出される形態を示している。支流11aが、流れ31から引き出されるとともに、その後の熱交換器における熱交換器パス191aでの更なる冷却のためにシステム110bへ戻される。
【0018】
図6は、単純な気体の膨張回路、例えば、単純な窒素膨張器の冷却回路において用いられる本発明を詳細に示している。本発明が、様々なタイプの冷却媒体および1つまたはそれよりも多い膨張段階を用いたその他のタイプの気体の膨張回路に関しても使用され得る、ということが示されている。冷却プロセスは、マルチストリーム熱交換器110におけるパス190で予冷された冷却媒体21のガス流において、より高い圧力で始まる。これによって、予冷された冷却媒体31が、より低い圧力で低温冷却媒体流32を生成するよう、ガス膨張器121を横切って膨張させられ得る。冷却媒体32の流れは、支配的には気相にあるが、いくつかの設計においては、膨張器/タービンの排出口におけるガスと平衡している、液体の小さな一部が許され得る。低温冷却媒体32は、熱交換器110に戻される。また低温冷却媒体32は、プロセスの冷却された生成物7を提供するため、冷却媒体パス190の高温冷却媒体流21の冷却、および、1つまたはそれよりも多い冷却媒体パス193におけるプロセス流体1の冷却および/または液化を提供する。110における加熱の後、冷却媒体流は、流れ51の低圧でのガスとして流出する。この冷却媒体流は、1つまたはそれよりも多い圧縮段階111において、中間冷却有りで、または中間冷却無しで再び圧縮される。圧縮された冷却媒体20は、その後、外部の冷却媒体または外部の冷却回路130を用いて最終冷却される。この状況において、本発明は、さらに191aにおいて予冷するため、低温冷却媒体流12aがより高い圧力で形成されるまで、熱交換器190における予冷の後、より高い圧力で冷却媒体流191aを引き出すことにより始まる。予冷された冷却媒体12aは、気体または液体状態にあることができるとともに、その後、バルブ102を横切って、より低い圧力、または、より高い圧力とより低い圧力との間の圧力まで膨張させられるが、しかし、これによって、温度が低減され、また、ガス13と、液体の少なくとも一部との混合物が生成される。バルブ102は、この状況においてまた、冷却回路から引き出される冷却媒体の量を低減させるであろう。流れ13における気体および液体は、貯蔵タンク/圧力タンク/セパレータ104に適切な圧力で貯蔵され得る液体部分と、冷却回路における適切な場所、例えば図5に示されているような流れ32へ低い圧力で戻されるガス流14と、に分離される。上述のシステムが、パス191aおよびバルブ102を介して冷却媒体を引き出し、また、液体が104において生成されるとき、冷却回路における冷却媒体の容量が、対応するよう低減され、また、冷却装置の能力が低減される。能力が再び増大されるべきとき、適切な装置106が、冷却媒体をタンク104から冷却回路へ、好ましくは、より低い圧力を有する冷却回路の部分へ、例えば、より低い圧力での低温側32への流れ17aとして、または、より低い圧力での高温側51への流れ17bとして、連結部16を介して戻すよう使用され得る。
【0019】
増大された能力が必要とされるときの冷却媒体の冷却回路へのリターンおよび制御のための装置106は、最も単純な形態においては、流体を冷却回路の中へ注入するためのバルブまたはポンプであってもよい。バルブの使用に関して、冷却回路の部分の1つに戻る流体の流れであって、より低い圧力で作動する流れが、高さの違いの結果としての重力流によって、または、図3および関連する説明に記載されているような、より高い圧力で作動する貯蔵器104によって、発生し得る。
【0020】
装置106におけるポンプの使用に関して、冷却媒体を、より高い圧力で作動する冷却回路の部分、または、中間の圧力で作動する部分へ戻すこともまた可能となっている。
【0021】
図7は、冷却媒体を貯蔵器104から冷却回路へ戻すためのその他の形態を有する単純なガス膨張回路において適用される本発明であって、104における低温液体冷却媒体へ熱を供給するために用いられる装置107を備えた本発明を示している。このようにして、104における液体の冷却媒体が、ガスライン14を介して冷却回路へ戻る制御された経路において蒸発させられる。
【0022】
図8は、冷却媒体を貯蔵器104から冷却回路へ戻すためのその他の形態を有する単純なガス膨張回路において用いられる本発明を示している。ここで、タンク104の外部にある装置143が、低温液体の冷却媒体へ熱を供給するために用いられる。また、このようにして、104からの液体の冷却媒体が、ガスライン17a,17bまたは対応する連結部を介して冷却回路へ戻る制御された経路において蒸発させられる。装置143は、例えば、周囲からの空気を熱源として用いる熱交換器であってもよく、または、エネルギー源として利用可能な高温媒体を有するその他のタイプの熱交換器であってもよい。
【0023】
図9は、冷却媒体を貯蔵器104から冷却回路へ戻すためのその他の形態を有する単純なガス膨張回路において用いられる本発明を示している。ここで、排出器/放出器108が、冷却回路における適切な場所へ戻る冷却媒体の制御された流れを得るために使用されている。排出器108は、冷却回路の高圧側からの、例えば、圧縮機の排出口20からの、または、クーラー130の下流側の冷却媒体流21からの誘因ガス18の制限された量を使用する。冷却媒体は、例えば、より低い圧力での低温側32への流れ17aとして、または、より低い圧力での高温側51への流れ17bとして、より低い圧力を有する冷却回路の部分に戻され得る。排出器は、低温液体16の完全な、または部分的な蒸発を与え、これによって、戻り冷却媒体17a/17bがもはや純粋ではなくなり、冷却媒体が戻る期間において、冷却回路における、その後の危険を伴う好ましくない液体/気体流の低温液体が運び出される。
【0024】
図10は、冷却媒体を貯蔵器104から冷却回路へ戻すためのその他の形態を有する単純なガス膨張回路において適用される本発明であって、外部の容積部143、例えば、容器またはパイプが、好ましくは鉛直方向で用いられている本発明を示している。ここで、液体の冷却媒体16の流れは、制御された経路において、前記容積部へ導かれる。また液体の冷却媒体16の流れは、冷却回路の高圧側からの所定量の高温ガス18、例えば、圧縮機の排出口20からの、または、クーラー130の下流にある冷却媒体流21からの高温ガス18と混合される。高温ガス18は、その後、所望の量の冷却媒体が気体へと蒸発させられ、そして、例えば、より低い圧力での低温側32への流れ17aとして、または、より低い圧力での高温側51への流れ17bとして、最も低い圧力を有する冷却回路の部分へと戻され得るよう、熱を供給する。この構成は、低温液体16の完全な蒸発を導き、これによって、戻り冷却媒体17a/17bはもはや、冷却媒体の戻りが運び出される間の冷却回路における好ましくない液体/気体のその後の危険を伴う低温液体ではなくなる。
【0025】
図11は、冷却媒体を貯蔵器104から冷却回路へ戻すためのその他の形態を有する単純なガス膨張回路において適用される本発明であって、適切な装置、例えばノズルを介して104に導入される高温冷却媒体流18が、圧力が貯蔵器104内よりもいくらか高い冷却回路の場所から供給される場合に使用される装置を備えた本発明を示している。これによって、高温ガスにおける熱が、104における低温液体の制御された蒸発に寄与する。このようにして、104における液体冷却媒体が、制御された経路で、ガスライン14を介して冷却回路の中へ蒸発させられて戻る。
【0026】
例えばLNGの液化のための冷却システムは、しばしば、より包括的なものである/上述の説明によって扱われているものよりも細かいものを含む。しかしながら、本発明の形態のための原理は同一である。このことを示すため、冷却媒体として純粋な窒素を用いる二様の気体の膨張回路の利用による、天然ガスのLNGへの液化のための冷却システムが、図12に示されている。液化されるべき天然ガスを含むガス流1は、1つよりも多い段階において、熱交換器110によって冷却される。ここで、ガスは、所定の中間温度4へ予冷され、この場合、より重い炭化水素が、セパレータすなわち分離管(column)160において液体として分離され得る。予冷されたガス6が、その後、液体が生成流7においてLNGとして存在するまで、さらなる冷却、凝縮および過冷却のために熱交換器110へ戻される。冷却回路は、このとき、熱交換器110において異なる温度へ予冷された2つの部分30および40に分割された、より高い圧力でのガス冷却媒体流21を含んでいる。流れ30は、30における温度よりも低い温度まで予冷され、また、より低い圧力での低温冷却媒体流32を生成するようガス膨張器121を横切って膨張させられる。冷却媒体流32は、支配的には気相になっており、しかし、いくつかの設計においては、膨張器/タービンの排出口において気体と平衡している小さな液体部分が許され得る。低温冷却媒体32は、冷却に寄与するよう、熱交換器110に戻される。流れ40は、32における温度よりも低い温度まで予冷され、また、より低い圧力での低温冷却媒体流42を生成するようガス膨張器122を横切って膨張させられる。冷却媒体流42は、支配的には気相になっており、しかし、いくつかの設計においては、膨張器/タービンの排出口において気体と平衡している小さな液体部分が許され得る。低温冷却媒体42は、最も低い温度範囲での冷却を確実にするため、熱交換器110へ戻される。110におけるウォーミングアップの後、冷却媒体流は、このとき、より低い圧力でガス流33および43として存在している。これらのガス流は、その後、2つまたはそれよりも多い圧縮段階において、中間冷却有りで、または中間冷却無しで、再び圧縮され得る。冷却媒体流の分離は、熱交換器110の前には必ずしも生じる必要はないが、しかし、熱交換器110の集約された部分として生じてもよい、ということが指摘されるべきである。この場合、パスは、中間の排出口における流れ31の排出のため、および、残留しているガス41のさらなる冷却のため、ガス流を分割する。同様にして、低温ガス32および42の加熱は、流れが交換器の集約された部分として混合されるような方法で生じ得る。単純なガス膨張回路の場合と同様に、本発明の形態は、この状況において、191aにおける更なる予冷のため、より高い圧力で低温冷却媒体流12aが存在するようになるまで、熱交換器パス190における予冷の後により高い圧力で冷却媒体流191aを引き出すことにより始まる。上述および図1乃至3のさらなる冷却のための冷却媒体の支流の分離のための方法の全てが、この構成においても使用され得る、ということが指摘されるべきである。予冷された冷却媒体12は、バルブ102を横切ってより低い圧力へ、または、より高い圧力とより低い圧力との間の圧力へ、膨張させられが、これによって、温度が低減され、そして、ガスおよび液体の少なくとも一部の混合物が生成される。この関係において、バルブ102は、冷却回路から引き出される冷却媒体の量を制御する。流れ13における気体および液体は、適切な圧力で貯蔵タンク/圧力タンク/セパレータ104に貯蔵され得る液体の一部分と、冷却回路における適切な場所に戻される、より低い圧力のガス流14と、に分離される。例えば、14bおよび14aを介しての流れ32または42にそれぞれ分離される。上述のシステムが、パス191aおよびバルブ102を介して冷却媒体を引き出し、また、104において液体が生成されるとき、冷却回路における冷却媒体の容量が、対応して低減され、また、冷却装置の能力が低減される。能力が再び増大されるべきとき、冷却媒体16を104から冷却回路へ、好ましくは、より低い圧力を有する冷却回路の部分へ、例えば、より低い圧力での低温側32への流れ17a、または、より低い圧力での低温側42への流れ17c、または、より低い圧力での高温側51への流れ17bとして戻すための適切な装置106が用いられる。冷却媒体を冷却回路へ戻すための上述のすべての代替の方法がまた用いられ得る。
【0027】
本発明の全ての構成において、ガス流14が、圧力が十分に低い限りにおいて、上述の図および例によって説明される冷却回路の場所以外の場所に戻され得る、ということ、および本発明が、ここに記載されている例に限定されない、ということが指摘されるべきである。
【0028】
本発明の全ての形態において、リターンのために使用される方法に関して、冷却媒体17が、圧力が十分に低い限りにおいて、上述の図および例によって説明される冷却回路の場所以外の場所に戻され得る、ということ、および本発明が、ここに記載されている例に限定されない、ということが指摘されるべきである。
【0029】
上記の記述および図で説明された本発明の全ての形態において、冷却媒体タンクは、水平方向のタンクまたは鉛直方向のタンクとして構成され得る。さらに、冷却媒体タンク104は、従来のタンクであってもよく、または、二重の壁にされ、真空で絶縁された、一般に冷凍剤/低温液体および液体ガスを貯蔵するために用いられるタンクであってもよい。
【0030】
さらに、冷却媒体タンク104は、冷却システム100および熱交換器システム110の近傍に配置されてもよく、また冷却媒体タンク104は、周囲からの熱伝達の結果としての蒸発を最小化するため絶縁されていてもよい。その他の形態において、冷却媒体タンク104は、周囲からの熱伝達を制限するための絶縁材料で満たされ、閉じられ、または制限された容積部の内側に、熱交換器110とともに配置されてもよい。絶縁された容積部は、しばしば、ボックスとして形状付けられ、また、一般に、“コールドボックス”として表される。絶縁材料は、従来の絶縁体であってもよく、または、ボックスの中へ充填される粒状の絶縁材料であってもよい。
【0031】
その他の形態において、冷却媒体タンク104は、例えば、冷却媒体が窒素である場合、冷却媒体貯蔵器としても用いられ得る。これによって、必要とされるとき、冷却媒体タンクが、液体または気体の窒素を有するプロセッシング装置のその他の部分を供給することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体の膨張冷却のための冷却回路(100)を使用する冷却システムの冷却能力を制御するための方法において、
冷却回路(100)において循環している冷却媒体の量を一時的に低減する工程であって、冷却媒体の部分が、高い圧力で予冷されるとともに、冷却回路(100)から取り除かれる工程と、
冷却された前記冷却媒体の部分を、膨張デバイス(102)を横切って低い圧力へ膨張させ、これによって、冷却媒体の少なくとも一部が低温液体として分離する工程と、
貯蔵ユニット(104)における一時的な貯蔵のため、凝縮されていない気体から液体を分離し、これによって、貯蔵ユニット(104)において液体として存在する冷却媒体の量が、一時的に、その他の場合なら閉じられている冷却回路(100)において循環されなくなる工程と、
その後、必要な時に、一時的に貯蔵された液相の冷却媒体を貯蔵ユニット(104)から冷却回路(100)に戻す工程と、
凝縮されていない気体および蒸発した冷却媒体を、貯蔵ユニット(104)から、冷却回路(100)における適切な場所に戻す工程と、を備えたことを特徴とする方法。
【請求項2】
高い圧力にある前記冷却媒体の部分は、メインの冷却回路における冷却媒体の流れが高い圧力で予冷される際の最も低い温度よりも低い温度まで予冷され、これによって、前記冷却媒体流が、メインの冷却回路の予冷に対してさらに予冷されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
高い圧力にある前記冷却媒体の部分は、予冷の後に前記冷却媒体の部分の少なくとも一部が液体として存在するよう、または、予冷の後に前記冷却媒体の全部が液体として存在するよう、所定の温度まで予冷されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
高い圧力にある前記冷却媒体の部分は、予冷の後に前記冷却媒体の部分がまだガス冷却媒体として存在するよう、所定の温度まで予冷されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
予冷された冷却媒体を高い圧力から低い圧力へ膨張させるための前記膨張デバイス(102)は、そのような膨張に適したバルブからなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
冷却回路(100)は、マルチストリームの熱交換器(110a)、または、熱交換器のシステム(110b)の中へ配置された多数のマルチストリームの熱交換器を使用するとともに、冷却システムにおける様々な流れ、および、冷却または液化されるべき流体の冷却および加熱を実行し、
これによって、前記冷却媒体の部分の冷却が、ベースとなる冷却回路の予冷パス(190a)の1つの一部として部分的に発生し、および、この予冷パスの拡張部(191a)において部分的に発生し、または、熱交換器からの流れ(21)の除去によって発生し、および、同一の熱交換器における更なる冷却のための、個別の拡張部パス(191b)への支流(11a)のリターンによって発生することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
冷却回路(100)は、マルチストリームの熱交換器(110a)、または、熱交換器のシステム(110b)の中へ配置された多数のマルチストリームの熱交換器を使用するとともに、冷却システム(100)における様々な流れ、および、冷却または液化されるべき流体の冷却および加熱を実行し、
これによって、前記ガス冷却媒体の部分の冷却が、熱交換器システムにおける、1つまたはそれよりも多い前記マルチストリームの熱交換器の個別の予冷パス(192)において完全に発生することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記冷却回路(100)は、90%よりも多い窒素から構成される冷却媒体を使用する気体の膨張冷却回路からなり、
冷却回路(100)は、少なくとも1つの膨張段階であって、予冷されたガス冷却媒体が、高い圧力から低い圧力へ膨張させられて低温ガス冷却媒体を生成する段階を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
冷却システムは、液体天然ガス(LNG)の生成のために使用され、
気体の膨張冷却回路(100)は、天然ガスの冷却および液化を確実にするため、気体の膨張冷却のために使用され、
冷却回路(100)においては、能力が制御されており、
冷却回路内を循環させられる冷却媒体の量は、一時的に低減され、
ガス冷却媒体の部分は、高い圧力で予冷されるとともに適切な膨張デバイス(102)を横切って低い圧力へ膨張させられ、これによって、冷却媒体の少なくとも一部が、低温液体として分離し、
当該液は、後に冷却回路へ戻されるよう、適切な貯蔵ユニット(104)に一時的に貯蔵するため、凝縮されていない気体から分離されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
冷却媒体を一時的に貯蔵するための貯蔵ユニット(104)は、冷却システムから引き出され、冷却され膨張された冷却媒体流(13)における液相の冷却媒体から、凝縮されていない冷却媒体を分離するための分離ユニットとしても機能することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
貯蔵ユニット(104)は、冷却回路における低い圧力と略同一の圧力で作動され、
貯蔵ユニット(104)は、低い圧力で作動される冷却回路の部分に対する制限部の無い、オープン接続部(14)を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
貯蔵ユニット(104)は、冷却回路における高い圧力と低い圧力との間の圧力で作動され、
貯蔵ユニット(104)は、貯蔵ユニットにおける作動圧力の制御のため、バルブなどの制限部が設けられた接続部(14)を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
貯蔵ユニット(104)は、絶縁部の有るまたは絶縁部の無い鉛直または水平の圧力タンクからなり、または、鉛直または水平の、二重の壁にされ、真空で絶縁された圧力タンクからなることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
貯蔵タンク(104)に貯蔵される冷却媒体は、適切な戻り装置(106)によって、低い圧力で作動されている冷却回路(100)の部分に戻されることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
冷却媒体を戻すための装置(106)は、1つまたはそれよりも多いバルブによって冷却回路(100)へ戻る液相の冷却媒体を導くこと備えたことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
冷却媒体を戻すための装置(106)は、貯蔵ユニット(104)において貯蔵された液体に熱を供給すること、または、貯蔵ユニット(104)の外部に適切に接続された熱伝達設備に熱を供給することを備え、
これによって、冷却媒体の気相における戻りに関して、貯蔵された液体の制御された蒸発が実現されることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
冷却媒体を戻すための装置(106)は、適切な場所で冷却回路(100)へ冷却媒体を戻すため、ポンプを用いることを備えたことを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
冷却媒体を戻すための装置(106)は、制御された経路によって冷却回路(100)の適切な場所へ冷却媒体を戻すための排出器/放出器を用いることを備え、
排出器/放出器は、冷却回路の高い圧力側からの誘引ガスを用いることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
冷却媒体を戻すための装置(106)は、パイプまたは圧力容器などの容積部を用いることを備え、
貯蔵タンク(104)から冷却回路(100)へ戻されるべき冷却媒体は、制御された経路によって前記容積部へ導かれ、
さらに、冷却回路からの高温ガス流が、同一の前記容積部へ供給され、
これによって、高温ガスが、十分な量の冷却媒体を前記容積部から蒸発させるとともに蒸発した冷却媒体を前記容積部から冷却回路の適切な場所へ戻すために必要なエネルギーを供給することを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
気体の膨張冷却回路は、1つまたはそれよりも多いガスの膨張段階を、並列又は直列に有することを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
システムの全部または一部は、膨張デバイス102、貯蔵タンク104および冷却媒体の戻りのためのシステム106を備え、これらは、しばしば“コールドボックス”として表される絶縁材料により満たされるとともに、閉じられ、または制限された容積部において、熱交換器システム110とともに配置されることを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
貯蔵ユニット(104)からの、凝縮されていない気体および蒸発した冷却媒体が、冷却回路(100)に戻されず、代わりに、所定のシステム、または、閉じられた冷却回路の外部のシステムで用いられ、または、大気/周囲へ放出されることを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
冷却媒体を戻すための装置(106)はまた、気相または液相の冷却媒体を、所定のシステム、または、閉じられた冷却回路の外部のシステムに運ぶことができるという可能性を備えていることを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
気体の膨張冷却に基づく冷却装置の冷却能力を制御するためのシステムにおいて、
熱交換器(110a)、または、熱交換器(110b)からなるシステムにおける冷却プロセスの支援によって、ガス冷却媒体を高い圧力で冷却するための冷却デバイスと、
冷却されたガス冷却媒体の支流(12)のための排出口と、
支流(12)を低い圧力で流れ(13)の中へ膨張させるための膨張デバイス(102)と、
凝縮されていない冷却媒体の分離、および、凝縮された冷却媒体の一時的な貯蔵のための貯蔵ユニット(104)と、
凝縮されていない冷却媒体ガス(14)および蒸発した冷却媒体を、貯蔵ユニット(104)から、冷却システム(100)の適切な場所に戻すためのリターンデバイスと、
必要に応じて、冷却媒体を貯蔵ユニット(104)から冷却回路(100)へ戻すリターンデバイス(106)と、を備え、
冷却媒体を、閉じられた冷却回路または複数の回路から一時的に取り除くよう設けられていることを特徴とするシステム。
【請求項25】
冷却システムは、1つまたはそれよりも多いマルチストリームプレートフィン熱交換器を備え、
膨張デバイス(102)を横切っての膨張のために引き出されるべきガス冷却媒体の冷却は、ベースとなる冷却回路の予冷パス(190a)の1つの一部として部分的に発生し、および、この予冷パス(190a)の拡張部(191a)において部分的に発生し、または、熱交換器からの排出(31)によって発生し、および、熱交換器から個別の拡張部パス(191b)への支流(11a)のリターンによって、同一の熱交換器における更なる冷却のために発生することを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
閉じられた気体の膨張回路は、純粋な窒素を冷却媒体として用いる二重の気体の膨張回路からなり、高い圧力のガス冷却媒体流は、熱交換器または熱交換器(110)のシステムにおいて異なる温度へ予冷される2つの部分に分割され、さらに、前記2つの冷却媒体流は、低い、異なる温度の2つの冷却媒体流を形成するため、異なる温度へ冷却されるとともに異なる膨張デバイスを横切って1つまたはそれよりも多い低い圧力へ膨張され、
膨張デバイス(102)を横切っての膨張のためにさらに冷却されるべき、冷却されたガス冷却媒体の支流(12)は、2つの上述の部分的な流れのうち最も低い温度へ予冷されている冷却媒体の予冷された部分的な流れから引き出され、そして、排出は、前記予冷された部分的な流れが低い圧力および温度へ膨張される前に高い圧力で発生し、
支流(12)を流れ(13)へ低い圧力で膨張させるための膨張デバイス(102)は、バルブからなり、
凝縮されていない冷却媒体ガス(14)、および貯蔵タンク(104)から蒸発した冷却媒体は、冷却回路(100)の適切な場所へ導かれ、
冷却媒体を貯蔵ユニット(104)から冷却回路(100)へ戻すためのリターンデバイス(106)は、パイプまたは圧力容器などの容積部を備え、貯蔵タンク(104)から冷却回路(100)へ戻されるべき冷却媒体は、制御された経路によって、前記容積部へバルブを介して導かれ、さらに、高温ガス流が、貯蔵ユニットよりも圧力が高い冷却回路の適切な場所から供給され、さらに、前記容積部から蒸発した冷却媒体が、適切な装置によって、冷却回路の適切な場所に戻されることを特徴とする請求項25に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2011−506894(P2011−506894A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536872(P2010−536872)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【国際出願番号】PCT/NO2008/000434
【国際公開番号】WO2009/072900
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(510158439)カンファ、アラゴン、アクティーゼルスカブ (1)
【氏名又は名称原語表記】KANFA ARAGON AS
【Fターム(参考)】