説明

気体吸着用組成物及び装置並びにそれらの製造方法

使用直前に活性化できる吸着用組成物及び装置が記載され、そのためそれは貯蔵及び輸送の間不活性雰囲気下で保存する必要がない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は気体吸着用組成物、及びその組成物を使用して製造した装置に関し;本発明は又その組成物の製造方法に関する。
特に、本発明は、吸着装置用に必要な空間が減少するように適用できる、脱気された室内の残存気体及び不活性気体中の不純物の両方を吸着するための組成物及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内部の気体のコントロールを必要とするが気体吸着装置用空間が限られているシステムの例として、電解放出ディスプレイ(一般的に内部真空雰囲気を要求されるFEDとして知られる)及びプラズマディスプレイ(その内部が所定組成の雰囲気であるPDPとして知られる)の両方のフラットパネルディスプレイが挙げられる。別の特に重要な応用は、OLEDスクリーン(用語「有機的発光ディスプレイ」の略である。)で表され、その内部はスクリーン内側空間からの湿気の吸着が必須であるが、同様に酸素又は二酸化炭素等の他の気体も吸着することが必要である。本発明が適合する限り、下記記載中の資料がこれらスクリーンのために使用できるが、本発明の組成物及び吸着装置は、気体吸着を必要とする広範囲の応用、特に吸着装置設置用の厚みを少なくする場合に使用できることをも意図している。
【0003】
OLEDスクリーンは、携帯電話用、Hi−Fi装置用、車のダッシュボード用等のディスプレイとして使用され;このようなスクリーンの種類と、その中への水の侵入の問題は、例えば米国特許第5882761号に記載されている。
本出願人による研究報告RD430061号及び国際公開WO−A02/27812号は、OLED専用の湿気吸着システムを開示する。これらシステムは、乾燥材料で充填した中央孔で一部が構成され、末端では水透過可能な膜へ接着されている。
【0004】
米国特許第4985296及び5078909号及び国際公開WO−A01/88041号は、この問題への二者選択的アプローチに基づく吸着システムを示した。この場合、気体吸着に活性な材料粉を、気体を吸着材料粒子へ到達させるために充分な気体透過性を有する、樹脂中又はポリマー性材料中に組み合わせている。
【特許文献1】米国特許第5882761号明細書
【特許文献2】国際公開WO−A02/27812号
【特許文献3】米国特許第4985296号明細書
【特許文献4】米国特許第5078909号明細書
【特許文献5】国際公開WO−A01/88041号
【非特許文献1】研究報告RD430061号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
全ての公知の吸着システムに一般的な問題はやはり、一度製造されるとそれらは貯蔵時間中及び輸送時間中不活性雰囲気下に保持して、これらステップ中で反応性気体との接触及びその結果のそれらの機能喪失を回避する必要があることである。
本発明の目的は、上記問題を回避する組成物及びこの組成物を使用して得られた吸着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は本発明により達成され、それは成分B中に分散された気体吸着成分Aを含有する組成物であり、上記成分Bは架橋した多孔質マトリックスの形であり、上記組成物は下記プロセスにより得ることが出来る組成物である:
−熱処理により上記吸着成分Aへ転換できる、少なくとも1の材料A’を、上記成分B又はその前駆体B’と混合するステップ、
但し、A’をAへ転換する熱処理においてBが本質的に変化しないでいられる場合はBがA’との混合用に選択され、B’が上記熱処理後にBへ転換される場合はB’がA’との混合用に選択される;並びに
−上記得られた混合物を、真空下又は成分Aに関して不活性なガス雰囲気下で、材料A’から吸着成分Aへの転換を生じるような条件で熱処理にかけるステップ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
成分Bに関してここで使用される「本質的に変化しない」とは、この成分が熱処理による変化への耐性を有するか、それが処理中に変質する場合にはそれらはBとして示される性質、即ち多孔性及び架橋性が保持されるかのいずれかを意味する。
本発明は下記に、本発明の組成物から製造された装置から得られた湿気吸着試験結果を図示的に示す図面のみを参考にして示される。
【0008】
本発明は公知の全てのシステムとは、活性成分Aは、製造方法の第一ステップ中にマトリックス(例えばポリマー)へ添加されるのではなく、その前駆体A’の形でマトリックス(又はその前駆体)へ混合される点で異なり、上記前駆体は、例えば最終目的装置中で使用する直前時のように、その(添加)直後に活性成分Aへ転換される。この方法で、本発明の組成物は、貯蔵ステップ及び輸送ステップ中では気体吸着に対する活性として働かず、そのためこれらステップ中で真空下又は不活性雰囲気下で密閉された容器中での保存等の特別な注意は必要としない。
【0009】
本発明の組成物の吸着成分前駆体である材料A’は、余り高くない温度で、又はあまり面倒な条件でない処理により気体吸着可能な成分Aへ転換される材料中から選ぶことができる。上記処理条件は、成分B(又は材料B’)により限定され、その上に組成物が担持されるサポートによっても限定される。一般的にこれらの条件は、Bの架橋構造を破壊せずその孔を塞がず、サポートを破壊しないものでなければならない。
【0010】
成分Aが吸湿剤の場合、それはアルカリ土類金属酸化物でもよく、特に酸化カルシウムCaO、酸化ストロンチウムSrO、及び酸化バリウムBaOから選ばれる。この場合、好ましい前駆体材料A’は、それぞれの対応する水酸化物であるCa(OH)2、Sr(OH)2及びBa(OH)2であり、温度約300〜650℃で数時間、真空下又は不活性雰囲気下(Ca(OH)2の脱水は気体下で行われる一方、Sr(OH)2及びBa(OH)2は真空が必要である)の処理により脱水されて酸化物を生成することができる。脱水が不活性気体下で行われる場合、好ましくはフロー中である。これら酸化物中、BaOは湿気吸着に最も良い能力を示すが、CaOの使用が、その前駆体の低価格及び、それはBaOと異なり毒性問題を生じないことにより好ましい。Ca(OH)2のCaOへの転換は約2時間で、温度約300℃の真空下で十分行われる。処理時間の減少は又、例えば約500℃までの温度の上昇により可能である。酸化カルシウムは、湿気吸着により、それは二酸化炭素CO2を吸着できる水酸化物(反応「A→A’」)へ転換するという追加的利点を有する。幾人かのOLEDの製造者は又、これら装置の適切な機能としてこの気体吸着が必要であることを示している。別の可能な吸湿剤は、ホウ酸、米国特許第6304367号に記載された手順に従い(温度200℃未満、好ましくは低圧での処理)、H3BO3から好ましい活性形で得られる酸化ホウ素B23である。
【0011】
吸着される気体が酸素の場合、成分Aは例えばその中で金属が低酸化状態であり、容易に更に酸化される遷移金属酸化物でもよい。この種の酸化物は、例えば酸化マンガン(II)MnOであり、それは容易に酸素を吸着しMn23へ変化する。MnOを得るために適切な前駆体A’は、約300℃真空下での熱処理で直ちに酸化物へ転換される炭酸マンガンMnCO3である。酸素の吸着に使用できる他の成分Aは、微分散体のFeO及びNiであり、それは対応するシュウ酸塩、それぞれFeC24及びNiC24を真空下で温度350〜400℃の範囲で熱分解して得ることが出来る。AがNi等の金属である場合は分散体が好ましく、その理由は分解がマトリックスB中で起こるか、それが形成される間に起こり、金属がマトリックス内側表面に配置される「島」又は同じマトリックスにより捕捉された小さな「金属性集合体」を形成する事実のためである。
【0012】
上記成分Aは全て、Aを別の化合物へ転換する化学的反応により湿気を吸着する化学的吸着剤である。しかし、本発明は化学的気体吸着剤に限定されず、Aは又、気体分子をその表面に吸着により固定する材料である物理的吸着剤でもよい。この場合も又、マトリックス中のAのA’への熱的転換の実施は微細に分割された形の材料Aを得ることを助け、優れた吸着性能を確保できる。可能な物理的吸着剤(成分A)の例は、γ−アルミナであり、300℃近辺の真空下でノルストランダイト(アルミニウム水酸化物Al(OH)3の一形態)の熱分解により得ることができ、又250℃近辺の真空下でベーマイト(アルミニウムオキソ−水酸化物AlOOHの一形態)の熱分解により得ることができる。
【0013】
明らかに、本発明の組成物は、数種のA型成分を含有してもよく、従って数種のA’型材料を含有する混合物から得ることができる。例えばOLEDへの適用では、湿気以外に酸素による破壊効果が存在するらしく、この場合Ca(OH)2及びMnCO3の混合物から得られた組成物が使用できる。これらの場合、混合物に与えられる熱処理条件は、全ての材料A’が対応する吸着成分Aへ効果的に転換するために選ばれる必要がある。
【0014】
出発混合物中で、材料A’は一般的に粉形状で使用される。それらは好ましくは粒子径が約100μm未満、更に好ましくは50μm未満、特に好ましくは30μm未満である。A’をAへ転換するための熱処理中、粉も又明らかにアモルファス性転換を受け、粒経の大きさは僅かに減少するが、本質的には同じオーダーの大きさに保たれることが観察される:従って、材料A’は微細粉として使用して、第一に最終組成物中のそれらの均一な分散、及び成分Aの高い表面積(優れた気体吸着性能を得るために重要である)を容易に確保し、更に薄い厚みを有する装置をこれら組成物から製造することを可能とする必要がある。
【0015】
成分B及び材料B’は、A’のAへの転換用の熱処理中、それぞれ架橋構造及び多孔性を保持するものであるか、B型成分へ転換するもののいずれかである。B成分は内部結合力を有し、Aの粒子を保持できる。好ましい成分B又は材料B’は、例えばマフラー、ボイラー又は類似の応用のための熱耐性塗料のキャリアとして使用されるような、高温処理に耐性のある所定のシリコン樹脂である。フェニルメチルポリシロキサン樹脂(Tego Chemie Service社製、イタリア国、Pandino(CR)、「Silikophen」(Goldschmidt社、AG、ドイツ国の登録商標)が例として挙げられる。これら樹脂は、それら自身は350℃までの温度で、無機的材料が充填された場合は約650℃までの温度で持続的(in continuous)耐性を有する。化学的組成物又はこれら樹脂の構造の決定は、特に熱処理後は非常に複雑である。しかしIR分析により、A’のAへの転換に必要な熱的処理後、これら樹脂はそれらの有機的成分を部分的にのみ失い、部分的ガラス(アモルファス)化を受けることが示された。これら処理中、本発明の組成物中に使用される樹脂は、処理後でも粒子を保持することにより示される架橋を維持し、直径約1cmの円弧状部を有する対象物の周囲を包む場合でも基体への接着を保持する。
【0016】
本発明の組成物の製造に使用される混合物中、Aの重量%はA’の所定の重量に応じて広い範囲で変化できる。Silikophen(商標)中のCa(OH)2の混合物の場合、約50%までの初期充填が達成でき、熱処理後に均一な吸着組成物が得られることが実験的に証明された。
【0017】
他の成分を、A’及びB(又はB’)を含有する混合物へ添加することも又可能である。例えば、アルコール、グリコール、ポリエーテル及びエステル等の溶媒を添加することが可能であり、混合物粘度及びその結果である均一な付着を得る能力を制御するために使用できる。一方、分散性表面活性添加剤も、混合物中のA’粒子の均一な分散を可能とするために使用できる。
【0018】
本発明の組成物は、一般的にサポート上へフィルムの形で使用される。サポートは、真空が維持されなければならない(又はその中で内部気体組成物が制御されなければならない)装置の壁でもよい。例えば、OLEDの場合、サポートは後側の内側表面(当分野では後板という)でもよく、ガラス又は金属からなるものでもよい。同様に、FED又はPDPの場合、A’及びB(又はB’)の混合物をディスプレイを構成する2枚のガラス板の一方、好ましくは後側、の表面上に付着させ、転換「A’→A」に必要な温度でアセンブリを処理することが可能である。B又はB’がシリコン樹脂の場合、これはガラス表面への優れた付着を保つ。或いは、吸着装置の分割的な製造が可能であり、前駆体混合物を追加的サポート上へ付着させ、次にこれを最終目的装置の利用可能な壁(例えば、OLEDの後板の内側表面)上へ付着させる。追加的サポートを使用する場合、これも又ガラスからなるものでもよく、例えば約50μm以下の厚みを有するスチール又は商標「Nichrofer」(ニッケル、クロム及び鉄の合金)等の金属性シートでもよい。追加的サポートの場合、一個一個吸着装置を製造しても、前駆体混合物で被覆された大型サポート(箔、シート、板、又はテープ)を製造し、次にそれらを目的の大きさに切断してもよい。
【0019】
本発明の前駆体混合物は、例えば刷毛塗り又はスプレー等による数種の方法で目的のサポート上に付着させる。好ましくはスクリーン印刷の使用であり、それは印刷分野で公知であり、(それを通過して混合物がサポートへ到達するスクリーン厚みの制御により)付着厚みをより良く制御できる。
【0020】
いずれの場合でも、A’のAへの転換用の熱処理は、例えば最終システム中へ吸着装置を組み込む直前等の最も適切な場面で行われることが出来る。特にCaOでは、貯蔵、輸送及び取り扱いの間に酸化物が水酸化物へ部分的又は全体的に転換される場合(プロセスのコントロール不良のせいであるか、空気への曝露のせいであり、これらは不可避の場合や、プロセスの複雑性を下げ、費用を下げるために好ましく行われる)、組成物の「再活性化」が可能である。この場合、水酸化物の酸化物への再転換の容易性は、この変化が本発明の組成物の最終目的装置の密封前に1回以上行われることを可能とする。
【0021】
本発明の組成物は、広い範囲の厚みを有する付着物を製造するために使用できる。この範囲の下限は技術的必要性のみ、特に適用に充分な量の成分Aを有する必要性により決定される。本発明者により行われた種々の試験中、達成された最終組成物の厚みの下限は約20μmである。従って本発明の組成物及び装置は又、好ましくは0.1mm未満の厚みの薄膜の容易な製造の追加的利点を提供し、それはマトリックス中に分散された粒子で構成される現在公知のシステムでは得ることは出来ない。厚い付着も本質的に目的の厚みを有して得ることが出来るが、試験中に発明者らは、約150μmを超える厚みは、内部凝集問題を起こし付着物中に欠陥を形成することを認めた。結果的に、付着物のクラッキングが上記適用中で問題にならない場合に、厚い付着を形成して使用できる。
【実施例】
【0022】
本発明は更に下記実施例に従い示される。これら本発明を限定するものではない実施例は、当業者へ本発明の製造方法を示し、本発明を実施するための最も良い手段を示すための幾つかの態様を表す。
【0023】
実施例1;
43.3gのCa(OH)2、粘度調整剤としての10.3gのジプロピレングリコメチルエーテル、1gの「Dispers 630」(商標;分散表面活性剤)、混合物脱気剤として1gの「Airex 935」(商標)及び44.4gのSilikophen(商標)P80/MPA樹脂(Dispers、Airex、及びSilikophenは全て、Tego Chemie Service社製造販売、イタリア国)を攪拌しながら混合した。このように得られた混合物を厚み50μmのNichrofer(商標)シート上にスクリーン印刷して付着させる。このシートから、3×6cmの数枚のストリップを切断した。これらストリップの3枚を気密バルブを備えたチャンバー中に配置した。バルブ開にしたこのチャンバーをオーブン中に導入し、真空下でストリップの下記熱処理を行った:室温から420℃まで1時間で加熱し;420℃で1時間保持し;真空下で250℃まで冷却し、次にアルゴンフロー下で室温まで冷却した。
ストリップを内蔵するチャンバーのバルブを閉め、チャンバーをオーブンから取り出し、グローブボックス中に入れ、次に開いてストリップを引き出した。グローブボックス中で、付着厚みをコンパレーターを使用して測定すると、結果は60±10μmであった。
又グローブボックス中で、ストリップはパンチされ、10×18mmの四角形状の試験片を得る。これら試験片の2枚を、閉鎖バルブを備えたガラスバルブ中に挿入し、試験片を湿気吸着性能測定用システムで使用する。
【0024】
実施例2;
実施例1と同様に製造した試験片を備えた球状容器を吸着試験用作業台上に組み込み、所定量の水蒸気を適用する。球状容器バルブを開き、システムを空にしてアルゴンを除去し、試料片を水分投与システムへ接続して1Paの一定の水蒸気圧が試料片にかかるようにし、一定時間内の試料片重量増加Δpを測定した(付着物表面に関して基準化した)。試験結果を図1に示し、本発明のサンプルが急速に湿気を周囲環境から吸着することを示す。
【0025】
本発明の組成物が、優れた吸着能力を保持したまま厚みを非常に薄く製造できる事実のおかげで、それらはその中で気体吸着剤用に適用可能な厚みが常に限定されているOLEDスクリーン中に適切に使用できる。特に、本発明の組成物は、特に日本国特許第3293527号(特許権者:富士電機株式会社)に記載されているようなOLEDスクリーンの製造用に使用できる。上記スクリーンでは、従来のOLEDスクリーンとは異なり、例えばスクリーンの後部サポートの凹部又は空間の形の吸着装置専用ハウジングを有さず、そのため吸着材料用に適用できる厚みは更に減少している。これら条件で、本発明により提供される、数μmの十分の一の厚みを有する吸着層でさえ形成できる可能性は、好ましく有用であり長所となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の試料片の、一定時間内の試料片重量増加Δpを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分B中に分散された気体吸着成分Aを含有する気体吸着用組成物であり、上記成分Bは架橋した多孔質マトリックスの形であり、上記組成物は下記プロセスにより得ることが出来る組成物:
−熱処理により上記吸着成分Aへ転換できる、少なくとも1の材料A’を、上記成分B又はその前駆体B’と混合するステップ、
但し、A’をAへ転換する熱処理においてBが本質的に変化しないでいられる場合はBがA’との混合用に選択され、B’が上記熱処理後にBへ転換される場合はB’がA’との混合用に選択される;並びに
−上記得られた混合物を、真空下又は成分Aに関して不活性なガス雰囲気下で、材料A’から吸着成分Aへの転換を生じるような条件で熱処理にかけるステップ。
【請求項2】
上記成分Aは吸湿剤である請求項1の組成物。
【請求項3】
上記成分Aは酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム及び酸化マグネシウムから選ばれる酸化物であり、上記材料A’はそれぞれの水酸化物である請求項2の組成物。
【請求項4】
上記成分Aは酸化ホウ素であり、上記材料A’はホウ酸である請求項2の組成物。
【請求項5】
上記成分Aは酸素ゲッターである請求項1の組成物。
【請求項6】
上記成分Aは酸化マンガン(II)、MnOであり、上記材料A’は炭酸マンガン(II)、MnCO3である請求項5の組成物。
【請求項7】
上記成分Aは酸化鉄(II)、FeOであり、上記材料A’はシュウ酸鉄(II)、FeC24である請求項5の組成物。
【請求項8】
上記成分Aは金属性ニッケルであり、上記材料A’はシュウ酸ニッケル(II)、NiC24である請求項5の組成物。
【請求項9】
上記成分Aは物理的気体吸着剤である請求項1の組成物。
【請求項10】
上記物理的気体吸着剤は吸湿剤である請求項9の組成物。
【請求項11】
上記吸湿剤は、γ−アルミナであり、A’材料はアルミニウム水酸化物ノルストランダイト(norstrandite)又はアルミニウムオキソ−水酸化物ベーマイトのいずれかである請求項10の組成物。
【請求項12】
上記材料B’又は成分Bはフェニルメチルポリシロキサン樹脂である請求項1の組成物。
【請求項13】
下記ステップを有する請求項1〜12いずれか1項記載の組成物の製造方法:
−成分Aの材料A’前駆体及び、成分B又は成分Bの材料B’前駆体を少なくとも混合するステップ;
−上記得られた混合物を、真空下又は成分Aに関して不活性なガス雰囲気下で、材料A’から吸着成分Aへの転換を生じるような条件で熱処理にかけるステップ。
【請求項14】
上記熱処理ステップは上記組成物を最終目的の装置中へ導入する直前に行われる請求項13の方法。
【請求項15】
上記材料A’はアルカリ土類金属水酸化物であり、上記熱処理は約300〜600℃の温度で行われる請求項13の方法。
【請求項16】
上記材料A’はホウ酸であり、上記熱処理は200℃未満の温度で行われる請求項13の方法。
【請求項17】
上記材料A’は炭酸マンガンであり、上記熱処理は約300℃の温度で行われる請求項13の方法。
【請求項18】
上記材料A’は鉄又はニッケルのシュウ酸塩であり、上記熱処理は約300〜400℃の温度範囲で行われる請求項13の方法。
【請求項19】
上記材料A’はアルミニウム水酸化物ノルストランダイト又はアルミニウムオキソ−水酸化物ベーマイトであり、上記熱処理はそれぞれ約300℃及び250℃の温度で行われる請求項13の方法。
【請求項20】
上記混合物は数種の材料A’を含有し、熱処理は全ての材料A’から対応する吸着成分Aへの充分な転換を確保できる温度で行われる請求項13の方法。
【請求項21】
上記材料A’は、約100μm未満の粒子径を有する粉の形で使用される請求項13の方法。
【請求項22】
上記成分Aは酸化カルシウムであり、上記混合物は50重量%までのカルシウム水酸化物を含有する請求項13の方法。
【請求項23】
前駆体A’及びB’の混合物を刷毛塗り、スプレー、又はスクリーン印刷でサポート上に付着させるステップ;及びその付着物を熱処理にかけるステップ;により得られた請求項1〜12の組成物を含有する気体吸着装置。
【請求項24】
上記サポートは最終目的装置の壁である請求項23の気体吸着装置。
【請求項25】
上記サポート追加的サポートである請求項23の気体吸着装置。
【請求項26】
上記サポートは金属性又はガラス製である請求項23の気体吸着装置。
【請求項27】
上記組成物の厚みは約20〜150μmである請求項23〜26いずれか1項記載の気体吸着装置。
【請求項28】
請求項23〜27いずれか1項記載の気体吸着装置を備えたOLEDスクリーン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分B中に分散された気体吸着成分Aを含有する気体吸着用組成物であり、上記成分Bは架橋した多孔質マトリックスの形であり、上記組成物は下記プロセスにより得ることが出来る組成物:
−熱処理により上記吸着成分Aへ転換できる、少なくとも1の材料A’を、上記成分B又はその前駆体B’と混合するステップ、
但し、A’をAへ転換する熱処理においてBが本質的に変化しないでいられる場合はBがA’との混合用に選択され、B’が上記熱処理後にBへ転換される場合はB’がA’との混合用に選択される;並びに
−上記得られた混合物を、真空下又は成分Aに関して不活性なガス雰囲気下で、材料A’から吸着成分Aへの転換を生じるような条件で熱処理にかけるステップ。
【請求項2】
上記成分Aは吸湿剤である請求項1の組成物。
【請求項3】
上記成分Aは酸素ゲッターである請求項1の組成物。
【請求項4】
上記材料B’又は成分Bはフェニルメチルポリシロキサン樹脂である請求項1の組成物。
【請求項5】
下記ステップを有する請求項1〜4いずれか1項記載の組成物の製造方法:
−少なくとも成分Aの材料A’前駆体及び、成分B又は成分Bの材料B’前駆体を混合するステップ;
−上記得られた混合物を、真空下又は成分Aに関して不活性なガス雰囲気下で、材料A’から吸着成分Aへの転換を生じるような条件で熱処理にかけるステップ。
【請求項6】
前駆体A’及びB’の混合物を刷毛塗り、スプレー、又はスクリーン印刷でサポート上に付着させるステップ;及びその付着物を熱処理にかけるステップ;により得られた請求項1〜4の組成物を含有する気体吸着装置。

【図1】
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【公表番号】特表2006−519098(P2006−519098A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502652(P2006−502652)
【出願日】平成16年2月11日(2004.2.11)
【国際出願番号】PCT/IT2004/000053
【国際公開番号】WO2004/072604
【国際公開日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【出願人】(505307839)サエス ゲッターズ ソチエタ ペル アツィオニ (1)
【Fターム(参考)】