説明

気水分離器

【課題】気水分離器において、蒸気と水を適正に分離してこの分離した蒸気を確実にオリフィスから上方に排出する一方、分離した水をダウンカマー空間を通して確実に降下可能とすることで、気水分離性能の向上を図る。
【解決手段】ライザ51の内部にスワールベーン52を配設し、このライザ51の外側にダウンカマバレル53を設けることで環状のダウンカマー空間54を画成し、ライザ51及びダウンカマバレル53の上方に所定の空間をもってデッキプレート55を配設してオリフィス56とベント57を形成し、ライザ51に設けられた複数のスリット58a,58b,58c,58dの開口率を30〜70%に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体と液体の2相流を気液に分離する気水分離器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電するものである。そして、この加圧水型原子炉は、高温高圧の一次冷却水の熱を蒸気発生器を介して二次冷却水に伝え、二次冷却水で水蒸気を発生させるものである。この蒸気発生器は、多数の細い伝熱管の内側を一次冷却水が流れ、外側を流れる二次冷却水に熱を伝えて水蒸気を生成し、この水蒸気によりタービンを回して発電している。
【0003】
この蒸気発生器は、中空密閉形状をなす胴部内に、その内壁面と所定間隔をもって管群外筒を配設すると共に、この管群外筒内に逆U字形状をなす複数の伝熱管を配設し、各伝熱管の端部を管板に支持すると共に、中間部を管板から延びるステーロッドにより支持された複数の管支持板により支持して構成され、上部に気水分離器と湿分分離器が配設されている。
【0004】
従って、胴部の下部に形成された水室を通して複数の伝熱管に一次冷却水が供給される一方、胴部の上部に形成された給水管からこの胴部内に二次冷却水が供給されると、複数の伝熱管内を流れる一次冷却水(熱水)と胴部内を循環する二次冷却水(冷水)との間で熱交換を行われることで、二次冷却水が熱を吸収して水蒸気が生成され、この水蒸気が上昇するときに、気水分離器及び湿分分離器により水と蒸気に分離され、蒸気が胴部の上端部から排出される一方、水は下方に落下する。
【0005】
従来の気水分離器は、水蒸気が上昇する複数のライザと、このライザの内部に設けられたスワールベーンと、ライザの外側に位置してダウンカマー空間を画成するダウンカマバレルと、ライザ及びダウンカマバレルの上端に所定の空間をもって対向して配設されてオリフィスやベントを有するデッキプレートとから構成されている。
【0006】
従って、蒸気発生器で生成された蒸気と水の2相流は、各ライザの下端部から導入されて上方に移動し、スワールベーンにより旋回上昇させられ、水はライザの内壁面に付着して液膜流となりながら上昇し、蒸気はライザの上方で旋回しながら上昇する。そして、この蒸気は、主としてオリフィスとベントを通ってデッキプレートの上方へ移送される一方、水はライザの上端部とデッキプレートとの隙間からこのライザの外方に抜け、ダウンカマバレルに流入して流下することとなり、デッキプレートの上へは蒸気のみが流出することとなる。
【0007】
なお、このような気水分離器としては、下記特許文献1、2に記載されたものがある。
【0008】
ところが、このような従来の気水分離器では、ライザの上端部よりダウンカマバレルへ流出した水の大部分は、このダウンカマバレル内を下降するが、一部の水はダウンカマバレルの上部からその外側に抜け出してしまい、ダウンカマバレルの外側を上昇している蒸気に同伴されて、ベントからデッキプレートの上に流出することとなり、気水分離性能が低下してしまうという問題がある。
【0009】
そこで、下記特許文献3に記載された気水分離器では、ライザの内部に水と蒸気の混合体を旋回上昇させる旋回羽根を設けると共に、ライザの上部開口部より下側で旋回羽根より上側にスリットを設けることで、旋回羽根により混合体をライザの内部を旋回上昇させながら、水を主成分とする第2混合体と、蒸気を主成分とする第3混合体とに分離し、第2混合体を旋回上昇させてスリット高さにまで達した場合に、このスリットを介してダウンカマバレルへ排出するようにしている。
【0010】
【特許文献1】特開昭49−064972号公報
【特許文献2】特開平05−346483号公報
【特許文献3】特開2001−079323号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、上述した特許文献3に記載された気水分離器にあっては、ライザの上端部にスリットを設け、水を主成分とする第2混合体をスリットを通してダウンカマバレルへ排出することで、水がダウンカマバレルの上部からその外側に流れ出すキャリーアンダー現象をあの程度抑制することができるものの、確実に防止することは困難である。
【0012】
本発明は上述した課題を解決するものであり、蒸気と水を適正に分離してこの分離した蒸気を確実にオリフィスから上方に排出する一方、分離した水をダウンカマー空間を通して確実に降下可能とすることで、気水分離性能の向上を図った気水分離器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するための請求項1の発明の気水分離器は、上端壁面部に複数の開口部を有して水と蒸気の2相流が上昇する気水上昇管と、該気水上昇管の内部に設けられた旋回羽根と、前記気水上昇管を囲んで設けられて環状のダウンカマー空間を画成する降水胴と、前記気水上昇管及び前記降水胴の上端に所定の空間をもって対向して配設されると共に前記気水上昇管の上方にオリフィスを有するデッキプレートとを具えた気水分離器において、前記気水上昇管に設けられた前記複数の開口部の開口率が30〜70%に設定されたことを特徴とするものである。
【0014】
請求項2の発明の気水分離器では、前記気水上昇管に設けられた開口部は、上下方向に沿って並設された複数の水平なスリットであり、該スリットの高さが前記気水上昇管の厚さの0.5〜2倍に設定されたことを特徴としている。
【0015】
請求項3の発明の気水分離器では、前記気水上昇管に設けられた前記開口部と前記旋回羽根との距離が該気水上昇管の内径の1〜2.5倍に設定されたことを特徴としている。
【0016】
請求項4の発明の気水分離器では、前記降水胴の上端壁面部に蒸気の旋回流を排出するガイド部が周方向均等間隔で2個設けられ、前記開口部は前記気水上昇管の周方向に均等間隔で4個設けられ、該4個の開口部のうちの2個の開口部が前記ガイド部に対向して設けられたことを特徴としている。
【0017】
請求項5の発明の気水分離器では、前記デッキプレートに前記ガイド部から排出される蒸気の旋回流の下流側に位置してベントが設けられたことを特徴としている。
【0018】
請求項6の発明の気水分離器では、前記旋回羽根のねじれ角度が15〜30度に設定されたことを特徴としている。
【0019】
請求項7の発明の気水分離器では、前記気水上昇管の内径に対する前記オリフィスの内径の比率が0.7〜0.9に設定されたことを特徴としている。
【0020】
請求項8の発明の気水分離器では、前記気水上昇管の内径に対する前記気水上昇管と前記デッキプレートとの空間高さの比率が0.05〜0.3に設定されたことを特徴としている。
【0021】
請求項9の発明の気水分離器では、前記オリフィスにおける前記デッキプレートからの上突出高さと下突出高さとの比率が2:1〜4:1に設定されると共に、前記上突出高さと前記オリフィスの内径の比率が1:2〜1:3に設定されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明の気水分離器によれば、上端壁面部に複数の開口部を有して水と蒸気の2相流が上昇する気水上昇管を設け、この気水上昇管の内部に旋回羽根を設け、気水上昇管を囲んで環状のダウンカマー空間を画成する降水胴を設けると共に、気水上昇管及び降水胴の上端に所定の空間をもって対向して気水上昇管の上方にオリフィスを有するデッキプレートを設け、気水上昇管に設けられた複数の開口部の開口率を30〜70%に設定したので、水と蒸気の2相流は、気水上昇管の下端部から導入されて上方に移動し、旋回羽根により旋回上昇させられ、水は気水上昇管の内面に付着して液膜流となりながら上昇するが、気水上昇管の上端壁面部に設けられた複数の開口部の開口率が30〜70%に設定されているため、水がオリフィスからキャリーオーバーすることなく、また、降水胴の外側へキャリーアンダーすることなく、降水胴のダウンカマー空間に適正に流入して流下する一方、蒸気は気水上昇管の上方で旋回しながら上昇するが、水分を巻き込むことなくオリフィスを通って適正にデッキプレートの上方へ排出されることとなり、その結果、気水分離性能を向上することができる。
【0023】
請求項2の発明の気水分離器によれば、気水上昇管に設けられた開口部を上下方向に沿って並設された複数の水平なスリットとし、このスリットの高さを気水上昇管の厚さの0.5〜2倍に設定したので、スリットへの蒸気の流入を防止することができると共に、水だけをこのスリットから適正にダウンカマー空間に流入することができる。
【0024】
請求項3の発明の気水分離器によれば、気水上昇管に設けられた開口部と旋回羽根との距離を気水上昇管の内径の1〜2.5倍に設定したので、水と蒸気の2相流は、旋回羽根により旋回上昇させられることで、適正に水と蒸気に分離されてから、水はダウンカマー空間に適正に流入し、蒸気はオリフィスを通って適正に排出されることとなり、気水分離性能を向上することができる。
【0025】
請求項4の発明の気水分離器によれば、降水胴の上端壁面部に蒸気の旋回流を排出するガイド部を周方向均等間隔で2個設け、開口部を気水上昇管の周方向に均等間隔で4個設け、この4個の開口部のうちの2個の開口部をガイド部に対向して設けたので、旋回羽根により旋回上昇させられることで分離された水はスリットを通り、蒸気と共にガイド部により降水胴の外側へ流れることとなり、水と蒸気を適正に分離したままで処理することができる。
【0026】
請求項5の発明の気水分離器によれば、デッキプレートにガイド部から排出される蒸気の旋回流の下流側に位置してベントを設けたので、ガイド部を通って降水胴の外側へ排出された蒸気は、ベントから適正にデッキプレートの上方に排出することができる。
【0027】
請求項6の発明の気水分離器によれば、旋回羽根のねじれ角度を15〜30度に設定したので、旋回羽根により2相流に対して適正な旋回力を付与することで、水と蒸気とに確実に分離することができる。
【0028】
請求項7の発明の気水分離器によれば、気水上昇管の内径に対するオリフィスの内径の比率を0.7〜0.9に設定したので、分離した水がオリフィスからキャリーオーバーすることなく、蒸気だけを適正にオリフィスを通してデッキプレートの上方へ排出することができる。
【0029】
請求項8の発明の気水分離器によれば、気水上昇管の内径に対する気水上昇管とデッキプレートとの空間高さの比率を0.05〜0.3に設定したので、分離した水がオリフィスからキャリーオーバーすることなく、また、空間からの蒸気の排出を抑制し、水を適正にダウンカマー空間に流入させることができる。
【0030】
請求項9の発明の気水分離器によれば、オリフィスにおけるデッキプレートからの上突出高さと下突出高さとの比率を2:1〜4:1に設定すると共に、上突出高さとオリフィスの内径の比率を1:2〜1:3に設定したので、分離した水のオリフィスからのキャリーオーバーを防止することができると共に、降水胴の外側へのキャリーアンダーを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る気水分離器の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0032】
図1は、本発明の一実施例に係る気水分離器を表す要部概略図、図2は、本実施例の気水分離器を表す一部切欠斜視図、図3は、本実施例の気水分離器の平面図、図4は、ライザに設けられたスリットの概略図、図5は、ライザの設けられたガイド部の概略図、図6は、ガイド部の平面図、図7は、本実施例の気水分離器の上部断面図、図8−1及び図8−2は、スワールベーンの概略図、図9は、スリット開口率に対するキャリーアンダー流量を表すグラフ、図10は、スリット高さと厚さの比率に対する湿り度及びキャリーアンダー流量を表すグラフ、図11は、スリットとスワールベーンとの距離に対する湿り度を表すグラフ、図12は、スワールベーン角度に対する湿り度及び抵抗を表すグラフ、図13は、本実施例の気水分離器を有する蒸気発生器が適用された加圧水型原子炉を有する発電設備の概略構成図、図14は、本実施例の気水分離器を有する蒸気発生器を表す概略構成図である。
【0033】
本実施例の原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、炉心全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。
【0034】
即ち、この加圧水型原子炉を有する発電設備において、図9に示すように、原子炉格納容器11内には、加圧水型原子炉12及び蒸気発生器13が格納されており、この加圧水型原子炉12と蒸気発生器13とは冷却水配管14,15を介して連結されており、冷却水配管14に加圧器16が設けられ、冷却水配管15に冷却水ポンプ17が設けられている。この場合、減速材及び一次冷却水としてとして軽水を用い、炉心部における一次冷却水の沸騰を抑制するために、一次冷却系統は加圧器16により150〜160気圧程度の高い圧力をかけている。従って、加圧水型原子炉12にて、燃料として低濃縮ウランまたはMOXにより一次冷却水として軽水が加熱され、高温の軽水が加圧器16により所定の高圧に維持した状態で冷却水配管14を通して蒸気発生器13に送られる。この蒸気発生器13では、高圧高温の軽水と二次冷却水としての水との間で熱交換が行われ、冷やされた軽水は冷却水配管15を通して加圧水型原子炉12に戻される。
【0035】
蒸気発生器13は、原子炉格納容器11の外部に設けられたタービン18及び復水器19と冷却水配管20,21を介して連結されており、冷却水配管21に給水ポンプ22が設けられている。また、タービン18には発電機23が接続され、復水器19には冷却水(例えば、海水)を給排する供給管24及び配水管25が連結されている。従って、蒸気発生器13にて、高圧高温の軽水と熱交換を行って生成された蒸気は、冷却水配管20を通してタービン18に送られ、この蒸気によりタービン18を駆動して発電機23により発電を行う。タービン18を駆動した蒸気は、復水器19で冷却された後、冷却水配管21を通して蒸気発生器13に戻される。
【0036】
加圧水型原子炉を有する発電設備における蒸気発生器13おいて、図10に示すように、胴部31は、密閉された中空円筒形状をなし、上部に対して下部が若干小径となっている。この胴部31内には、この胴部31の内壁面と所定間隔をもって円筒形状をなす管群外筒32が配設され、下端部が管板33の近傍まで延設されている。そして、この管群外筒32は、長手方向における所定間隔離間した位置で、且つ、周方向における所定間隔離間した位置で、複数の支持部材34により胴部31に位置決め支持されている。
【0037】
また、管群外筒32内には、支持部材34に対応した高さ位置に複数の管支持板35が配設されており、管板33から上方に延設された複数のステーロッド36によりにより支持されている。そして、この管群外筒32内には、逆U字形状をなす複数の伝熱管37からなる伝熱管群38が配設されており、各伝熱管37の端部は管板33に拡管して支持されると共に、中間部が複数の管支持板35により支持されている。この場合、管支持板35には多数の貫通孔(図示略)が形成されており、各伝熱管37がこの貫通孔内に非接触状態で貫通している。
【0038】
胴部31の下端部には、水室39が固定されており、内部が隔壁40により入室41及び出室42により区画されると共に、入口ノズル43及び出口ノズル44が形成され、各伝熱管37の一端部が入室41に連通し、他端部が出室42に連通している。なお、この入口ノズル43には上述した冷却水配管14が連結される一方、出口ノズル44には冷却水配管15が連結されている。
【0039】
胴部31の上部には、給水を蒸気と熱水とに分離する気水分離器45と、この分離された蒸気の湿分を除去して乾き蒸気に近い状態とする湿分分離器46が設けられている。また、胴部31にて、伝熱管群38と気水分離器45との間には、胴部31内に二次冷却水の給水を行う給水管47が挿入される一方、天井部には蒸気排出口48が形成されている。そして、胴部31内には、給水管47からこの胴部31内に給水された二次冷却水を、胴部31と管群外筒32との間を流下して管板33にて上方に循環し、伝熱管群38内を上昇するときに各伝熱管37内を流れる熱水(一次冷却水)との間で熱交換を行う給水路49が設けられている。なお、給水管47には上述した冷却水配管21が連結される一方、蒸気排出口48には冷却水配管20が連結されている。
【0040】
従って、加圧水型原子炉12で加熱された一次冷却水が冷却水配管14を通して蒸気発生器13の入室41に送られ、多数の伝熱管47内を通って循環して出室42に至る。一方、復水器19で冷却された二次冷却水が冷却水配管21を通して蒸気発生器13の給水管47に送られ、胴部31内の給水路49を通って伝熱管47内を流れる熱水(一次冷却水)と熱交換を行う。即ち、胴部31内で、高圧高温の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた一次冷却水は出室42から冷却水配管15を通して加圧水型原子炉12に戻される。一方、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行った二次冷却水は、胴部31内を上昇し、気水分離器45で蒸気と熱水とに分離され、湿分分離器46でこの蒸気の湿分を除去してから、冷却水配管20を通してタービン18に送られる。
【0041】
このように構成された蒸気発生器13の気水分離器45にて、図1乃至図3に示すように、気水上昇管としてのライザ51は円筒形状をなし、下方から蒸気と熱水の2相流が導入可能となっている。このライザ51内には、旋回羽根としてのスワールベーン52が設けられており、2相流に対して旋回力を付与することができる。そして、ライザ51における外側には、このライザ51を取り囲むように降水胴としてのダウンカマバレル53が設けられることで、ライザ51とダウンカマバレル53との間に環状のダウンカマー空間54が画成されている。
【0042】
また、ライザ51及びダウンカマバレル53の上方には、所定の空間をもってデッキプレート55が配設されており、このデッキプレート55には、ライザ51の上方に対向してオリフィス56が形成されると共に、このオリフィス56に外周側に隣接して2つのベント57が形成されている。
【0043】
そして、図1乃至図4に示すように、ライザ51の上端壁面部には、スワールベーン52の上方に位置して複数の開口部としての複数のスリット58a,58b,58c,58dが設けられている。この各スリット58a,58b,58c,58dは、周方向に均等間隔で所定の角度αの範囲にわたって形成されており、それぞれライザ51の上下方向に沿って複数並設されている。従って、2相流から分離された水の液膜がライザ51の上端部まで上昇したとき、水はこのスリット58a,58b,58c,58dを通してライザ51とダウンカマバレル53とで画成されたダウンカマー空間54に流入することとなる。
【0044】
また、ダウンカマバレル53の上端壁面部には、蒸気の旋回流を排出するガイド部59が周方向に均等間隔で2個設けられている。このガイド部59は、図3、図5乃至図7に示すように、ダウンカマバレル53の上端壁面部の一部に切欠部59aが形成されると共に、この切欠部59aにダウンカマバレル53の接線方向に沿った壁面部59b及び底面部59cが固定されて構成されている。そして、4箇所のスリット58a,58b,58c,58dのうちの2箇所のスリット58a,58cに対向してガイド部59が設けられている。更に、2つのガイド部59から排出される蒸気の旋回流の下流側に位置して上述したベント57の導入部57aが設けられている。
【0045】
従って、2相流から分離された蒸気の一部は、ライザ51の上端とデッキプレート55との空間を通り、2つのガイド部59にガイドされながらダウンカマバレル53の外側に移動し、各ベント57を通ってデッキプレート55の上方へ排出されることとなり、この蒸気による水の巻き上げが防止される。また、2相流から分離された水の一部は、このガイド部59にガイドされながらダウンカマバレル53の外側に移動して降下することとなり、蒸気との分離が促進される。
【0046】
更に、スワールベーン52は、図8−1に示すように、複数枚(本実施例では、8枚)の羽根52aがリング状に配設されて構成され、各羽根52aの外周部がライザ51の内周面に固定されており、ハブを省略した構成となっている。従って、ライザ51内を下方から上昇する2相流に対して旋回力を付与することができる。なお、図8−2に示すように、ハブ60aの周囲に複数枚の羽根60bをリング状に配設してスワールベーン60を構成してもよい。
【0047】
また、図1に示すように、ライザ51の下部には、ダウンカマバレル53側に水平に突出してキャリーアンダーを抑制するドーナッツ形状をなす抑制板61が固定されている。従って、2相流から分離された水がライザ51の上端部まで上昇したとき、この水はライザ51からダウンカマー空間54に流入することとなり、このとき、抑制板61によりウンカマバレル53の外側へキャリーアンダーが抑制される。
【0048】
そして、本実施例の気水分離器では、2相流を水と蒸気に適正に分離できるように、形状の最適化を図っている。
【0049】
まず、図1に示すように、ライザ51に設けられたスリット58a,58b,58c,58dの開口率が30〜70%に設定されており、約50%に設定することが望ましい。即ち、ライザ51におけるスリット58a,58b,58c,58dが形成された領域h1の面積に対するスリット58a,58b,58c,58dの開口率が30〜70%となっている。この場合、スリット58a,58b,58c,58dの開口率が30%より低いと、ライザ51の内周面に沿って上昇した液膜をスリット58a,58b,58c,58dを通して適正にダウンカマー空間54に流し込むことができず、スリット58a,58b,58c,58dの開口率が70%を超えると、分離した蒸気がスリット58a,58b,58c,58dからダウンカマー空間54に排出されてしまう。即ち、図9に示すように、スリット58a,58b,58c,58dの開口率を30〜70%に設定することで、キャリーアンダー流量(ここでは、ダウンカマー空間54への降下流量)を適正量Q1〜Q2に維持することができ、オリフィス56の上方へのキャリーオーバーと、カウンカマバレル53の外側へのキャリーアンダーを抑制することができる。
【0050】
次に、ライザ51に設けられたスリット58a,58b,58c,58dにて、その高さhgがライザ51の板厚δの0.5〜2倍に設定されており、約1倍に設定することが望ましい。この場合、スリット58a,58b,58c,58dの高さhgがライザ51の板厚δの0.5倍より低いと、ライザ51の内周面に沿って上昇した液膜がスリット58a,58b,58c,58dから排出されにくくなり、スリット58a,58b,58c,58dの高さhgがライザ51の板厚δの2倍より高いと、分離した蒸気がスリット58a,58b,58c,58dからダウンカマー空間54に排出されてしまう。即ち、図10に示すように、スリット58a,58b,58c,58dの高さhgをライザ51の板厚δの0.5〜2倍に設定することで、オリフィス56から排出される蒸気の湿り度を適正値d1〜d2に維持することができると共に、キャリーアンダー流量を適正量Q1〜Q2に維持することができる。
【0051】
また、ライザ51に設けられたスリット58a,58b,58c,58dとスワールベーン52との距離h2がライザ51の内径Driの1〜2.5倍に設定されており、約1.6倍に設定することが望ましい。この場合、スリット58a,58b,58c,58dとスワールベーン52との距離h2がライザ51の内径Driの1倍より短いと、スリット58a,58b,58c,58dの位置で2相流から蒸気を十分に分離することができず、スリット58a,58b,58c,58dとスワールベーン52との距離h2がライザ51の内径Driの2.5倍より長いと、分離した蒸気がスリット58a,58b,58c,58dからダウンカマー空間54に排出されてしまう。即ち、図11に示すように、スリット58a,58b,58c,58dとスワールベーン52との距離h2をライザ51の内径Driの1〜2.5倍に設定することで、オリフィス56から排出される蒸気の湿り度を適正値d以下に維持することができる。
【0052】
更に、スワールベーン52のねじれ角度θが15〜30度に設定されており、約20度に設定することが望ましい。この場合、スワールベーン52のねじれ角度θが15度より小さいと、スワールが生成されずに2相流を蒸気と水に確実に分離することができず、スワールベーン52のねじれ角度θが30度より大きいと、このスワールベーン52が2相流の抵抗となって圧力損失が発生してしまう。なお、ハブを有するスワールベーン60の場合には、ねじれ角度θが20〜30度に設定されており、約25度に設定することが望ましい。即ち、図12に示すように、スワールベーン52のねじれ角度θを15〜30度に設定することで、オリフィス56から排出される蒸気の湿り度を適正値d1〜d2に維持することができると共に、ライザ51内を上昇する2相流の抵抗を適正値R1〜R2に維持することができる。
【0053】
また、ライザ51の内径Driに対するオリフィス56の内径Doiの比率が0.7〜0.9に設定されている。この場合、ライザ51の内径Driに対するオリフィス56の内径Doiの比率が0.7より小さいと、オリフィス56における抵抗が大きくなって蒸気をオリフィス56から適正に排出することができずに分離性能が低下してしまい、ライザ51の内径Driに対するオリフィス56の内径Doiの比率が0.9より大きいと、オリフィス56における抵抗がなくなって液膜がオリフィス56から排出される、所謂、キャリーオーバー現象が発生してしまう。
【0054】
また、ライザ51の内径Driに対するこのライザ51とデッキプレート55との空間高さhrgの比率が0.05〜0.3に設定されている。この場合、ライザ51の内径Driに対するこのライザ51とデッキプレート55との空間高さhrgの比率が0.05より小さいと、ライザ51とデッキプレート55との空間における抵抗が大きくなって水をダウンカマー空間54に適正に排出することができずにダウンカマバレル53の外側に流出する、所謂、キャリーアンダー現象が発生してしまい、ライザ51の内径Driに対するこのライザ51とデッキプレート55との空間高さhrgの比率が0.3より大きいと、このライザ51とデッキプレート55との空間から多くの蒸気が排出されてしまい、分離性能が低下してしまう。
【0055】
また、オリフィス56におけるデッキプレート55からの上突出高さHor1と下突出高さHor2との比率が2:1〜4:1に設定されると共に、上突出高さ上突出高さHor1とオリフィス56の内径Driの比率が1:2〜1:3に設定されている。この場合、オリフィス56における上突出高さHor1が低かったり、オリフィス56の内径Driが小さいと、キャリーオーバー現象が発生しやすくなる。
【0056】
ここで、上述のように構成された本実施例の気水分離器45の作用について説明する。
【0057】
蒸気と熱水との2相流は、ライザ51の下部から導入されて上昇し、スワールベーン52によって旋回力を受けて上昇し、質量差に応じた旋回半径の違いにより熱水を主成分とする流体と、蒸気を主成分とする流体とに分離される。そして、質量の軽い蒸気を主成分とする流体は、ライザ51の中心軸付近を中心とした小さな旋回半径でライザ51内を旋回上昇し、オリフィス56やベント57を通してデッキプレート55の上方へと排出される。一方、質量の重い熱水を主成分とする流体は、蒸気を主成分とする流体よりも大きな旋回半径でライザ51内を旋回しながら上昇し、ライザ51とデッキプレート60との間の空間からダウンカマバレル53のダウンカマー空間54に導入され、このダウンカマー空間54を降下する。
【0058】
このとき、蒸気と熱水の2相流は、スワールベーン52によって旋回力を受けることで蒸気と水が分離され、水が液膜としてライザ51の内面に沿って上昇するが、ライザ51の上端部にスリット58a,58b,58c,58dが形成されているため,一部の液膜流がこのスリット58a,58b,58c,58dから外部に排出されることとなり、オリフィス56から熱水がキャリーオーバーすることなく、ダウンカマバレル53のダウンカマー空間54に適正に流入して流下させることができる一方、蒸気はライザ51の上方で旋回しながら上昇するが、熱水のキャリーオーバーがないため、水分を巻き込むことなくオリフィス56を通って適正にデッキプレート55の上方へ排出させることができる。
【0059】
また、ライザ51の上方では、2相流から分離された蒸気の一部がこのライザ51の上端とデッキプレート55との空間を通り、ガイド部59にガイドされながらダウンカマバレル53の外側に移動し、ベント57を通ってデッキプレート55の上方へ排出される。そのため、蒸気を効率良くベント57に導くこととなり、また、ガイド部59により水面と隔離されるために蒸気による水の巻き上げが防止され、気水分離性能が促進される。また、2相流から分離された水の一部は、このガイド部59にガイドされながらダウンカマバレル53の外側に移動して降下することとなり、蒸気との分離が促進される。
【0060】
このように本実施例の気水分離器にあっては、ライザ51の内部にスワールベーン52を配設し、このライザ51の外側にダウンカマバレル53を設けることで環状のダウンカマー空間54を画成し、ライザ51及びダウンカマバレル53の上方に所定の空間をもってデッキプレート55を配設してオリフィス56とベント57を形成し、ライザ51に設けられた複数のスリット58a,58b,58c,58dの開口率を30〜70%に設定している。
【0061】
従って、水と蒸気の2相流は、ライザ51の下端部から導入されて上方に移動し、スワールベーン52により旋回上昇させられ、水はライザ51の内面に付着して液膜流となりながら上昇するが、スリット58a,58b,58c,58dの開口率が30〜70%に設定されているため、水がオリフィス56からキャリーオーバーすることなく、また、ダウンカマバレル53の外側へキャリーアンダーすることなく、ダウンカマー空間54に適正に流入して流下する一方、蒸気はライザ51の上方で旋回しながら上昇するが、水分を巻き込むことなくオリフィス56を通って適正にデッキプレート55の上方へ排出されることとなり、その結果、気水分離性能を向上することができる。
【0062】
また、本実施例では、ライザ51に設けられた複数のスリット58a,58b,58c,58dを上下方向に沿って並設された複数の水平なスリットとし、このスリット高さくきをライザ51の厚さδの0.5〜2倍に設定しており、スリット58a,58b,58c,58dへの蒸気の流入を防止することができると共に、水だけをこのスリット58a,58b,58c,58dから適正にダウンカマー空間54に流入することができる。
【0063】
更に、ライザ51に設けられた複数のスリット58a,58b,58c,58dとスワールベーン52との距離H2をライザ51の内径の1〜2.5倍に設定しており、水と蒸気の2相流がスワールベーン52により旋回上昇させられることで、適正に水と蒸気に分離されてから、水はダウンカマー空間54に適正に流入し、蒸気はオリフィス56を通って適正に排出されることとなり、気水分離性能を向上することができる。
【0064】
また、ダウンカマバレル53の上端壁面部に蒸気の旋回流を排出するガイド部59を周方向均等間隔で2箇所に設け、ライザ51に設けられた4箇所のスリット58a,58b,58c,58dのうちの2箇所のスリット58a,58cをガイド部59に対向して設けると共に、このガイド部59から排出される蒸気の旋回流の下流側に位置してベント57を設けている。
【0065】
従って、スワールベーン52により旋回上昇させられることで分離された水はスリット58a,58b,58c,58dを通り、蒸気と共にガイド部59によりダウンカマバレル53の外側へ流れることとなり、ガイド部59を通ってダウンカマバレル53の外側へ排出された蒸気は、ベント59から適正にデッキプレート55の上方に排出されることとなり、水と蒸気を適正に分離したままで排出処理することができる。
【0066】
また、スワールベーン52のねじれ角度θを15〜30度に設定しており、スワールベーン52により2相流に対して適正な旋回力を付与することで、水と蒸気とに確実に分離することができる。
【0067】
そして、ライザ51の内径Driに対するオリフィス56の内径Doiの比率を0.7〜0.9に設定しており、分離した水がオリフィス56からキャリーオーバーすることなく、蒸気だけを適正にオリフィス56を通してデッキプレート55の上方へ排出することができる。
【0068】
また、ライザ51の内径Driに対するこのライザ51とデッキプレート55との空間高さhrgの比率を0.05〜0.3に設定しており、分離した水がオリフィス56からキャリーオーバーすることなく、また、空間からの蒸気の排出を抑制し、水を適正にダウンカマー空間54に流入させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明に係る気水分離器は、蒸気と水を適正に分離してこの分離した蒸気を確実にオリフィスから上方に排出する一方、分離した水をダウンカマー空間から確実に降下可能とすることで、気水分離性能の向上を図ったものであり、いずれの種類の気水分離器にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施例に係る気水分離器を表す要部概略図である。
【図2】本実施例の気水分離器を表す一部切欠斜視図である。
【図3】本実施例の気水分離器の平面図である。
【図4】ライザに設けられたスリットの概略図である。
【図5】ライザの設けられたガイド部の概略図である。
【図6】ガイド部の平面図である。
【図7】本実施例の気水分離器の上部断面図である。
【図8−1】スワールベーンの概略図である。
【図8−2】スワールベーンの概略図である。
【図9】スリット開口率に対するキャリーアンダー流量を表すグラフである。
【図10】スリット高さと厚さの比率に対する湿り度及びキャリーアンダー流量を表すグラフである。
【図11】スリットとスワールベーンとの距離に対する湿り度を表すグラフである。
【図12】スワールベーン角度に対する湿り度及び抵抗を表すグラフである。
【図13】本実施例の気水分離器を有する蒸気発生器が適用された加圧水型原子炉を有する発電設備の概略構成図である。
【図14】本実施例の気水分離器を有する蒸気発生器を表す概略構成図である。
【符号の説明】
【0071】
13 蒸気発生器
31 胴部
32 管群外筒
37 伝熱管
38 伝熱管群
45 気水分離器
46 湿分分離器
47 給水管
51 ライザ(気水上昇管)
52,60 スワールベーン(旋回羽根)
53 ダウンカマバレル(降水胴)
54 ダウンカマー空間
55 デッキプレート
56 オリフィス
57 ベント
58a,58b,58c,58d スリット(開口部)
59 ガイド部
61 抑制板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端壁面部に複数の開口部を有して水と蒸気の2相流が上昇する気水上昇管と、該気水上昇管の内部に設けられた旋回羽根と、前記気水上昇管を囲んで設けられて環状のダウンカマー空間を画成する降水胴と、前記気水上昇管及び前記降水胴の上端に所定の空間をもって対向して配設されると共に前記気水上昇管の上方にオリフィスを有するデッキプレートとを具えた気水分離器において、前記気水上昇管に設けられた前記複数の開口部の開口率が30〜70%に設定されたことを特徴とする気水分離器。
【請求項2】
請求項1に記載の気水分離器において、前記気水上昇管に設けられた開口部は、上下方向に沿って並設された複数の水平なスリットであり、該スリットの高さが前記気水上昇管の厚さの0.5〜2倍に設定されたことを特徴とする気水分離器。
【請求項3】
請求項1または2に記載の気水分離器において、前記気水上昇管に設けられた前記開口部と前記旋回羽根との距離が該気水上昇管の内径の1〜2.5倍に設定されたことを特徴とする気水分離器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の気水分離器において、前記降水胴の上端壁面部に蒸気の旋回流を排出するガイド部が周方向均等間隔で2個設けられ、前記開口部は前記気水上昇管の周方向に均等間隔で4個設けられ、該4個の開口部のうちの2個の開口部が前記ガイド部に対向して設けられたことを特徴とする気水分離器。
【請求項5】
請求項4に記載の気水分離器において、前記デッキプレートに前記ガイド部から排出される蒸気の旋回流の下流側に位置してベントが設けられたことを特徴とする気水分離器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載の気水分離器において、前記旋回羽根のねじれ角度が15〜30度に設定されたことを特徴とする気水分離器。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一つに記載の気水分離器において、前記気水上昇管の内径に対する前記オリフィスの内径の比率が0.7〜0.9に設定されたことを特徴とする気水分離器。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一つに記載の気水分離器において、前記気水上昇管の内径に対する前記気水上昇管と前記デッキプレートとの空間高さの比率が0.05〜0.3に設定されたことを特徴とする気水分離器。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一つに記載の気水分離器において、前記オリフィスにおける前記デッキプレートからの上突出高さと下突出高さとの比率が2:1〜4:1に設定されると共に、前記上突出高さと前記オリフィスの内径の比率が1:2〜1:3に設定されたことを特徴とする気水分離器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−229661(P2007−229661A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56576(P2006−56576)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】