説明

気象レーダシステムとその降水強度算出方法及びプログラム

【課題】高分解能かつ高精度な降水強度の算出を可能とする。
【解決手段】水平偏波と垂直偏波のレーダ波を同時に送信し、その反射波を受信する送受信装置(11〜16)と、前記送受信装置の受信信号から二重偏波観測を行って偏波毎の受信電力を算出する信号処理装置(17)とを備える気象レーダシステムにおいて、データ変換装置(19)は、前記受信電力をもとに前記レーダ波のビーム幅及びパルス幅に基づく第1空間分解能でレーダ反射因子(Z)を算出し、前記受信電力の偏波間位相差(φDP)をもとに前記第1空間分解能より低い第2空間分解能で比偏波間位相差(KDP)を算出し、前記比偏波間位相差(KDP)を前記レーダ反射因子(Z)に基づいて前記第1空間分解能に変換し、前記変換手段で変換された比偏波間位相差(KDP)から前記第1空間分解能の降水強度(R(KDP)[mm/h])を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチパラメータレーダ(別名、二重偏波ドップラーレーダ)を用いて、ダム・河川・道路・下水道管理等における雨量算出などの気象防災に資する気象レーダシステムに係り、特に降水強度算出の分解能及び精度を向上させるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の気象レーダシステムでは、比偏波間位相差(KDP)、レーダ反射因子(Z)、差分レーダ反射因子(ZDR)のうちいずれかの1つ観測パラメータに基づく方式によって降水強度算出が行われていた。また、予想される降水強度の強弱、あるいはクラッターレベルなどにより、3つの方式を切り替えることにより降水強度算出が行われていた(非特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、比偏波間位相差(KDP)は得られる距離分解能が粗いこと、レーダ反射因子(Z)は降水強度の強弱の相対関係は維持するものの絶対的な精度が低いこと、レーダ反射因子(Z)と差分レーダ反射因子(ZDR)は降雨等による電波減衰時の精度が悪いことなどの問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】V.N.Bringi and V.Chandrasekar, POLARIMETRIC DOPPLER WEATHER RADAR, CAMBRIDGE UNIVERSITY PRESS, p.517, 2001.
【非特許文献2】「気象と大気のレーダーリモートセンシング」深尾、浜津著、京都大学学術出版会、2005年3月発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の如く、従来の気象レーダシステムでは、比偏波間位相差(KDP)、レーダ反射因子(Z)、差分レーダ反射因子(ZDR)のうちいずれか1つの観測パラメータに基づく方式によって降水強度算出が行われ、また、予想される降水強度の強弱、あるいはクラッターレベルなどにより、3つの方式を切り替えることにより降水強度算出が行われていたが、各観測パラメータには一長一短があり、精度のよい結果が安定して得られるものではないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、高分解能かつ高精度な降水強度の算出を可能とする気象レーダシステムとその降水強度算出方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る気象レーダシステムとその降水強度算出方法及びプログラムは、上記目的を達成するために、以下のような手段を講じている。
【0008】
第1の態様は、水平偏波と垂直偏波のレーダ波を同時に送信し、その反射波を受信する送受信装置と、前記送受信装置の受信信号から二重偏波観測を行って偏波毎の受信電力を算出する信号処理装置と、前記受信電力をもとに前記レーダ波のビーム幅及びパルス幅に基づく第1空間分解能でレーダ反射因子(Z)を算出する手段と、前記受信電力の偏波間位相差(φDP)をもとに前記第1空間分解能より低い第2空間分解能で比偏波間位相差(KDP)を算出する手段と、前記比偏波間位相差(KDP)を前記レーダ反射因子(Z)に基づいて前記第1空間分解能に変換する変換手段と、前記変換手段で変換された比偏波間位相差(KDP)から前記第1空間分解能の降水強度(R(KDP)[mm/h])を算出する手段とを具備するものである。
【0009】
第2の態様は、上記第1の態様において、前記変換手段は、前記比偏波間位相差(KDP)を、前記レーダ反射因子(Z)から求めた暫定の降水強度(R(Z)[mm/h])に基づいて前記第1空間分解能に変換するものである。
【0010】
第3の態様は、上記第1又は2の態様において、前記偏波間位相差(φDP)の高周波成分を除去する手段をさらに具備するものである。
【0011】
第4の態様は、上記第1乃至3のいずれかの態様において、前記レーダ反射因子(Z)の距離に対する減衰量を、前記偏波間位相差(φDP)を用いて補正する手段をさらに具備するものである。
【0012】
第5の態様は、上記第1乃至4のいずれかの態様において、前記降水強度(R(KDP)[mm/h])を方位方向及び距離方向に平滑化する手段をさらに具備するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高分解能かつ高精度な降水強度の算出を可能とする気象レーダシステムとその降水強度算出方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る気象レーダシステムの一実施形態を示すブロック構成図。
【図2】本発明に係る気象レーダシステムの他の構成例を示すブロック構成図。
【図3】図1に示した気象レーダシステムのデータ変換装置の処理の流れを示す処理系統図。
【図4】図3に示したローパスフィルタ処理を説明するための波形図。
【図5】図3に示した降水強度算出処理の詳細を示す図。
【図6】図3に示したスムージング処理の詳細を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の図において、同符号は同一部分または対応部分を示す。
【0016】
図1は本発明の一実施形態として、マルチパラメータレーダを用いた気象レーダシステムの構成を示すブロック図である。このシステムは、空中線装置(アンテナ)11、送信装置(水平偏波)12、受信装置(水平偏波)13、送信装置(垂直偏波)14、受信装置(垂直偏波)15、周波数変換装置(垂直偏波)16、信号処理装置17、監視制御装置18、データ変換装置19、データ表示装置20、データ蓄積装置21、データ通信装置22、遠隔監視制御装置23、及び遠隔表示装置24を備える。
【0017】
ここで、図2に示すように、送信装置12を水平偏波、垂直偏波共通とする構成にしてもよい。図1、図2ともに、例えば周波数変換装置16を分離できるなどの構成もさらに考えられる。
【0018】
上記構成において、遠隔監視制御装置23からの監視制御信号が監視制御装置18を通して信号処理装置17に送られると、信号処理装置17内では、内部に格納されている種信号のデジタルデータが発生され、D/A変換された後、水平偏波、垂直偏波の送信IF信号として周波数変換装置16に送られ、それぞれRF信号にアップコンバートされる。
【0019】
周波数変換装置16で得られた水平偏波、垂直偏波の送信RF信号は、送信装置12、14により遠距離の観測可能な送信電力に増幅される。増幅された水平偏波、垂直偏波の2波は、空中線装置11より空間に同時に送出される。
【0020】
空間上の降水からの水平偏波、垂直偏波による反射波はいずれも上記空中線装置11にて水平偏波/垂直偏波別に捕捉され、それぞれ受信装置13,15にて受信され、周波数変換装置16でIF信号に変換された後、共に信号処理装置17に送られる。
【0021】
信号処理装置17は、水平偏波/垂直偏波に送られた水平偏波/垂直偏波の受信IF信号をそれぞれA/D変換し、I/Q検波した後、受信電力(水平偏波、垂直偏波)、水平偏波と垂直偏波との間の偏波間位相差、偏波間相互相関、及びドップラ速度を算出する機能を持つ。
【0022】
データ変換装置19は、信号処理装置17で得られる受信電力から比偏波間位相差(KDP)やレーダ反射因子(Z)などの複数の観測パラメータを算出し、これら複数の観測パラメータを用いて降水強度(R)を算出する。具体的な処理の内容は後述する。
【0023】
データ表示装置20はデータ変換装置19で解析されたデータを表示する。データ蓄積装置21はデータ変換装置19で解析されたデータを蓄積する。データ通信装置22はレーダサイト外に通信手段を講じてデータ変換装置19で解析されたデータを転送する。遠隔表示装置24はレーダサイトから転送されてきたデータを表示、または解析等を実施する。また、遠隔監視制御装置23は監視制御装置18と同様にレーダシステムの監視が可能である。
【0024】
上記構成による気象レーダシステムにおいて、図3を参照して本発明に係る降水強度算出方法を説明する。
図3は上記気象レーダシステムのデータ変換装置19に用いられる降水強度算出方法の処理の流れを示す処理系統図である。この方法は、比偏波間位相差(KDP)から降水強度(R)を算出する過程において、低分解能(第2空間分解能)で算出される比偏波間位相差(KDP)を、高分解能(第1空間分解能)で算出されるレーダ反射因子(Z)に基づいて高分解能に変換することを特徴とする。なお、図3において、通常の算出方式は、非特許文献2の「気象と大気のレーダーリモートセンシング(深尾ほか)」に準ずる。
【0025】
レーダ反射因子算出処理101では、レーダ方程式に基づいて水平偏波の受信電力(PrH)からレーダ反射因子(ZH)を算出する。(ZH)の分解能は、方位方向は水平ビーム幅、距離方向はパルス幅に相当する。この(ZH)の分解能を高分解能と呼ぶものとする。
【0026】
ローパスフィルタ処理102では、偏波間位相差(φDP)を距離方向にIIRやFIR等のローパスフィルタを用いてフィルタリングする。偏波間位相差(φDP)は、可能な限り高周波成分を取り除くため、方位方向のヒット平均数を多く取ることとなる。この影響で、方位方向にもレーダの一定のヒット数を取ることで、水平ビーム幅以上のビーム幅にてデータが生成される。さらに、距離方向に高周波成分が存在するため、このまま偏波間位相差(φDP)の距離微分である比偏波間位相差(KDP)を算出すると、ノイズ成分の多く含むデータとなる。このため、ローパスフィルタ処理102にて、偏波間位相差(φDP)の距離方向の高周波成分を取り除く。この様子を図4に示す。図4において、(a)がフィルタ処理前、(b)がフィルタ処理後を示したもので、横軸に距離(r)をとり、縦軸に偏波間位相差(φDP)を示している。
【0027】
減衰補正処理103では、レーダ反射因子(ZH)について、当該領域までの水平偏波、垂直偏波それぞれの電波減衰量を偏波間位相差(φDP)から推定し、これを補正する。具体的には、下記式により補正後のレーダ反射因子(ZH)を求める。なお、αは定数とする。補正前の地点rにおけるレーダ反射因子をZH(r)´とすると、
10log10ZH(r)=10log10ZH(r)´−α(φDP(r)−φDP(0))
と算出できる。また、偏波間位相差(φDP)には、上記ローパスフィルタ処理102でのフィルタ処理後の値を用いるとよい。
【0028】
比偏波間位相差算出処理104では、偏波間位相差(φDP)を距離微分することにより比偏波間位相差(KDP)を求める。2点間の総雨量に相当する比偏波間位相差(KDP)は、距離方向の2地点r1,r2のフィルタ通過後の偏波間位相差をφDP(r1),φDP(r2)とすると、次式により算出できる。
KDP={φDP(r2)-φDP(r1)}/{2(r2−r1)}
ここで、上記図4(b)に示したように、偏波間位相差(φDP)の高周波成分を取り除く際には距離方向の分解能が低下するので、2地点r1,r2間の距離(L=r2−r1)をローパスフィルタ通過後の距離方向の分解能に設定する。Lの大きさはローパスフィルタの分解能による。また、上記偏波間位相差(φDP)を算出する際に水平ビーム幅以上のビーム幅にてデータが生成されるため、方位方向にも分解能が低下する。ゆえに、ここで求められる比偏波間位相差(KDP)は、距離方向及び方位方向において分解能が低下したものとなる。ここでの比偏波間位相差(KDP)の分解能を低分解能と呼ぶものとする。
【0029】
分解能変換処理105では、低分解能の比偏波間位相差(KDP)をレーダ反射因子(Z)に基づいて高分解能に変換する。図5に示すように、比偏波間位相差(KDP)は低空間分解能であるが、降水強度との相関が高い。一方、レーダ反射因子(Z)は、空間分解能が高いが、降水強度の絶対値との相関は低く、その地点付近の相対的な値となる。そこで、低分解能の比偏波間位相差(KDP)を高分解能のレーダ反射因子(Z)に基づいて高分解能に変換する。ここでは、以下の2通りの変換手法を用いる。
【0030】
(第1の変換手法)
具体的に図5の例を用いて説明する。上記比偏波間位相差算出処理104において、KDP法により距離1.5km、方位2度当たりの低分解能での総雨量(KDP)が求められ、これを下記式より、高分解能のレーダ反射因子(ZH)に基づいて、距離150m、方位1度単位の雨量に振り分ける。なお、高分解能の方位方向のメッシュ番号i=1〜m、距離方向のメッシュ番号j=1〜nとする。
【数1】

【0031】
【数2】

【0032】
つまり、上記求められた比偏波間位相差(KDP)に各地点(i,j)のレーダ反射因子(ZH(i,j))の比率を掛け合わせたものをその地点の比偏波間位相差(KDP(i,j))とする。
【0033】
(第2の変換手法)
第2の変換手法は、先ず、レーダ反射因子(ZH)からZH元(i,j)の距離150m、方位1度単位の高分解能で暫定の降水強度(RZ)を求める。ここで、レーダ反射因子Zを用いた降水量算出においては下記式が知られている。なお、B及びβは、定数であり、例えば、Bは200、βは1.6とする。
Z=B×Rβ
上記式より、
R(Z)=(Z/B)
そして、KDP法により求められた距離1.5km、方位2度当たりの低分解能での総雨量を、下記式に示すように、暫定の降水強度(R(Z))に基づいて、ZH元(i,j)の距離150m、方位1度単位の雨量に振り分ける。
【数3】

【0034】
【数4】

【0035】
つまり、上記求めらた比偏波間位相差(KDP)に各地点(i,j)の暫定の降水強度(R(Z)(i,j))の比率を掛け合わせたものをその地点の比偏波間位相差(KDP(i,j))とする。
【0036】
降水強度算出処理106では、上記分解能変換処理105で変換された高分解能の比偏波間位相差(KDP)から高分解能の降水強度(R(KDP))を算出する。具体的には次式で計算される。なお、fは送信周波数[GHz]、b2は定数(たとえば0.85)とする。
R(KDP(i,j)=129×(KDP(i,j)/f)b2
スムージング処理107では、方位方向及び距離方向でデータのスムージング処理を行ってつなぎ目の段差のないデータとする。スムージング手法は、例えば、下記の2つの手法を用いる。
【0037】
(第1のスムージング手法)
第1のスムージング手法は、図6に示すように、高分解能メッシュに対して、距離方向及び方位方向にずらした互い異なる4パターンの低分解能メッシュを配置するものである。比偏波間位相差算出処理104では、この4パターンの低分解能メッシュについて、それぞれ比偏波間位相差(KDP)を求めることにより、4パターンの比偏波間位相差(KDP)についての高分解能の降水強度(R(KDP))を算出することができる。そして、スムージング処理107において、4パターンの高分解能の降水強度(R(KDP))から図6に示すように、各低分解能メッシュの中央付近の値を採用することにより、平滑化された降水強度(R(KDP))を求めることができる。または、4パターンで重複するメッシュについて加重平均をとるようにしてもよい。
【0038】
(第2のスムージング手法)
第2のスムージング手法は、比偏波間位相差算出処理104において、低分解能の比偏波間位相差(KDP)を算出する際に、隣接する低分解能メッシュの比偏波間位相差(KDP)と比して一定以上の差を持たないように拘束条件を設ける方法である。例えば、他の周辺メッシュ領域の比偏波間位相差(KDP)の値±10%以内で決定する。
【0039】
以上述べたように、本実施形態では、低空間分解能であるが降水強度との相関が高い性質を持つ比偏波間位相差(KDP)を、空間分解能が高いが降水強度の絶対値との相関は低く、その地点付近の相対的な値となるレーダ反射因子(Z)に基づいて高分解能に変換し、高分解能に変換された比偏波間位相差(KDP)から降水強度(R(KDP))を算出するようにしている。したがって、上記の降水強度算出方法によれば、高空間分解能でかつ高精度な降水強度(R)を算出することができる。
【0040】
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、本発明によれば、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0041】
11…空中線装置(アンテナ)、12…送信装置(水平偏波)、13…受信装置(水平偏波)、14…送信装置(垂直偏波)、15…受信装置(垂直偏波)、16…周波数変換装置(水平偏波)、17…信号処理装置、18…監視制御装置、19…データ変換装置、20…データ表示装置、21…データ蓄積装置、22…データ通信装置、23…遠隔監視制御装置、24…遠隔表示装置、101…レーダ反射因子算出処理、102…ローパスフィルタ、103…減衰補正処理、104…比偏波間位相差算出処理、105…分解能変換処理、106…降水強度算出処理、107…スムージング処理。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平偏波と垂直偏波のレーダ波を同時に送信し、その反射波を受信する送受信装置と、
前記送受信装置の受信信号から二重偏波観測を行って偏波毎の受信電力を算出する信号処理装置と、
前記受信電力をもとに前記レーダ波のビーム幅及びパルス幅に基づく第1空間分解能でレーダ反射因子(Z)を算出する手段と、
前記受信電力の偏波間位相差(φDP)をもとに前記第1空間分解能より低い第2空間分解能で比偏波間位相差(KDP)を算出する手段と、
前記比偏波間位相差(KDP)を前記レーダ反射因子(Z)に基づいて前記第1空間分解能に変換する変換手段と、
前記変換手段で変換された比偏波間位相差(KDP)から前記第1空間分解能の降水強度(R(KDP)[mm/h])を算出する手段と
を具備することを特徴とする気象レーダシステム。
【請求項2】
前記変換手段は、前記比偏波間位相差(KDP)を、前記レーダ反射因子(Z)から求めた暫定の降水強度(R(Z)[mm/h])に基づいて前記第1空間分解能に変換することを特徴とする請求項1記載の気象レーダシステム。
【請求項3】
前記偏波間位相差(φDP)の高周波成分を除去する手段をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の気象レーダシステム。
【請求項4】
前記レーダ反射因子(Z)の距離に対する減衰量を、前記偏波間位相差(φDP)を用いて補正する手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の気象レーダシステム。
【請求項5】
前記降水強度(R(KDP)[mm/h])を方位方向及び距離方向に平滑化する手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の気象レーダシステム。
【請求項6】
水平偏波と垂直偏波のレーダ波を同時に送信し、その反射波を受信する送受信装置と、前記送受信装置の受信信号から二重偏波観測を行って偏波毎の受信電力を算出する信号処理装置とを備える気象レーダシステムに用いられる方法であって、
前記受信電力をもとに前記レーダ波のビーム幅及びパルス幅に基づく第1空間分解能でレーダ反射因子(Z)を算出する過程と、
前記受信電力の偏波間位相差(φDP)をもとに前記第1空間分解能より低い第2空間分解能で比偏波間位相差(KDP)を算出する過程と、
前記比偏波間位相差(KDP)を前記レーダ反射因子(Z)に基づいて前記第1空間分解能に変換する変換過程と、
前記変換過程で変換された比偏波間位相差(KDP)から前記第1空間分解能の降水強度(R(KDP)[mm/h])を算出する過程と
を具備することを特徴とする降水強度算出方法。
【請求項7】
前記変換過程は、前記比偏波間位相差(KDP)を、前記レーダ反射因子(Z)から求めた暫定の降水強度(R[mm/h])に基づいて前記第1空間分解能に変換することを特徴とする請求項6記載の降水強度算出方法。
【請求項8】
前記偏波間位相差(φDP)の高周波成分を除去する過程をさらに具備することを特徴とする請求項6又は7記載の降水強度算出方法。
【請求項9】
前記レーダ反射因子(Z)の距離に対する減衰量を、前記偏波間位相差(φDP)を用いて補正する過程をさらに具備することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の降水強度算出方法。
【請求項10】
前記降水強度(R[mm/h])を方位方向及び距離方向に平滑化する過程をさらに具備することを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の降水強度算出方法。
【請求項11】
水平偏波と垂直偏波のレーダ波を同時に送信し、その反射波を受信する送受信装置と、前記送受信装置の受信信号から二重偏波観測を行って偏波毎の受信電力を算出する信号処理装置とを備える気象レーダシステムを制御するコンピュータに、
前記受信電力をもとに前記レーダ波のビーム幅及びパルス幅に基づく第1空間分解能でレーダ反射因子(Z)を算出する処理と、
前記受信電力の偏波間位相差(φDP)をもとに前記第1空間分解能より低い第2空間分解能で比偏波間位相差(KDP)を算出する処理と、
前記比偏波間位相差(KDP)を前記レーダ反射因子(Z)に基づいて前記第1空間分解能に変換する変換過程と、
前記変換処理で変換された比偏波間位相差(KDP)から前記第1空間分解能の降水強度(R(KDP)[mm/h])を算出する処理と
を実行させることを特徴とする降水強度算出プログラム。
【請求項12】
前記変換処理は、前記比偏波間位相差(KDP)を、前記レーダ反射因子(Z)から求めた暫定の降水強度(R(Z)[mm/h])に基づいて前記第1空間分解能に変換することを特徴とする請求項11記載の降水強度算出プログラム。
【請求項13】
前記偏波間位相差(φDP)の高周波成分を除去する処理をさらに具備することを特徴とする請求項11又は12記載の降水強度算出プログラム。
【請求項14】
前記レーダ反射因子(Z)の距離に対する減衰量を、前記偏波間位相差(φDP)を用いて補正する処理をさらに具備することを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の降水強度算出プログラム。
【請求項15】
前記降水強度(R(KDP)[mm/h])を方位方向及び距離方向に平滑化する処理をさらに具備することを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の降水強度算出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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