説明

水中油型エマルション組成物およびエアゾール組成物

【課題】油性成分が高い割合で含有される場合においても、乳化状態を容易に形成することができると共に、その乳化状態を安定に保持することのできる水中油型エマルション組成物、および原液中に水と共に、油性成分が高い割合で含有される場合においても、安定した乳化状態の原液を容易に得ることができるエアゾール組成物を提供すること。
【解決手段】水中油型エマルション組成物は、油性成分40.0〜70.0質量%と、水20.0〜56.5質量%と、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルよりなる界面活性剤1.3〜8.0質量%と、前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル以外の界面活性剤0.5〜4.0質量%を含有してなることを特徴とする。エアゾール組成物は、前記の水中油型エマルションよりなる原液と、噴射剤とよりなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体用として好適に用いられる水中油型エマルション組成物およびエアゾール組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人体用として用いられるエアゾール組成物の或る種のものは、有効成分として、エモリエント剤、具体的には例えば植物油、炭化水素油などの油性成分が用いられているが(例えば、特許文献1参照)、例えば泡沫状の吐出物を得るためなどに用いられている、水中油型エマルション組成物を原液とするエアゾール組成物(例えば、特許文献2参照。)においては、油性成分を高い含有割合で含有させることによっては、原液において安定した乳化状態を得ることができない、という問題がある。
【0003】
近年、水中油型エマルション組成物を原液とするエアゾール組成物としては、原液に油性成分が高い含有割合で含有されてなるものが提案されているが(例えば、特許文献3参照。)、この特許文献3のエアゾール組成物においては、原液の調製にホモミキサーなどの特定の撹拌機を用いることが必要とされ、また界面活性剤として用いられているカルバミン酸イヌリンとの関係から使用用途が制限されてしまう、という問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3161869号公報
【特許文献2】特開2001−26526号公報
【特許文献3】特開2009−286769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その第1の目的は、油性成分が高い割合で含有される場合においても、乳化状態を容易に形成することができると共に、その乳化状態を安定に保持することのできる水中油型エマルション組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、原液中に水と共に、油性成分が高い割合で含有される場合においても、安定した乳化状態の原液を容易に得ることができるエアゾール組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の水中油型エマルション組成物は、油性成分40.0〜70.0質量%と、水20.0〜56.5質量%と、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルよりなる界面活性剤1.3〜8.0質量%と、前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル以外の界面活性剤0.5〜4.0質量%を含有してなることを特徴とする。
【0007】
本発明の水中油型エマルション組成物においては、油性成分の含有割合が50.0〜70.0質量%、水の含有割合が20.0〜46.0質量%であることが好ましい。
【0008】
本発明の水中油型エマルション組成物においては、前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルは、そのエチレンオキシドの付加モル数が5〜30のものであることが好ましい。
【0009】
本発明の水中油型エマルション組成物においては、前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルであることが好ましい。
【0010】
本発明の水中油型エマルション組成物においては、前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル以外の界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩から選ばれる少なくとも1種のエチレンオキサイド付加物よりなることが好ましい。
【0011】
本発明の水中油型エマルション組成物においては、前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルのHLB値と、前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル以外の界面活性剤のHLB値との加重平均値が6〜15であることが好ましい。
【0012】
本発明の水中油型エマルション組成物は、人体用であることが好ましい。
また、このような本発明の水中油型エマルション組成物においては、前記油性成分が、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、ミリスチン酸イソプロピルおよびエチルヘキサン酸セチルから選ばれる少なくとも1種の液状油脂よりなることが好ましい。
【0013】
本発明のエアゾール組成物は、前記の水中油型エマルションよりなる原液と、噴射剤とよりなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の水中油型エマルション組成物によれば、界面活性剤としてポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが用いられており、このポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルがポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル以外のその他の界面活性剤と共に特定の割合で含有されることにより、油性成分が高い割合で含有された場合においても、乳化状態を容易に形成することができることができると共に、その乳化状態を安定に保持することができる。
【0015】
本発明のエアゾール組成物によれば、原液において、界面活性剤としてポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが用いられており、このポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルがポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル以外のその他の界面活性剤と共に特定の割合で含有されることにより、原液中に油性成分が高い割合で含有された場合においても、安定した乳化状態の原液を容易に得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<水中油型エマルション組成物>
本発明の水中油型エマルション組成物は、油性成分、水および界面活性剤が必須成分として含有されており、界面活性剤として、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルよりなる界面活性剤(以下、「第1の界面活性剤」ともいう。)と、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル以外の界面活性剤(以下、「第2の界面活性剤」ともいう。)とが用いられてなるものである。
そして、本発明の水中油型エマルション組成物は、油性成分よりなる分散粒子が、水よりなる分散媒中に界面活性剤の作用によって均一に分散状態とされてなるものである。
以下において、本発明の水中油型エマルション組成物を構成する成分について説明する。
【0017】
(1)水
本発明の水中油型エマルション組成物の必須成分である水としては、精製水あるいはイオン交換水が用いられる。
【0018】
水の含有割合は、水中油型エマルション組成物において、20.0〜56.5質量%とされ、好ましくは20.0〜47.0質量%であり、特に好ましくは32.0〜47.0質量%である。
水の含有割合が過小である場合には、安定な乳化状態が得られなくなる。
一方、水の含有割合が過大である場合には、組成物を構成すべき他の成分を所期の割合で含有させることができなくなる。
【0019】
(2)油性成分
本発明の水中油型エマルション組成物の必須成分である油性成分は、水に不溶性の物質であって常温において液状の成分であり、主として有効成分を構成し、適用が目的とされるものである。
ここに、油性成分は、必ずしも水中油型エマルション組成物の用途との関係における有効成分でなくてもよく、例えば主たる有効成分に対する助剤、副次的な有効成分であってもよい。
【0020】
油性成分としては、常温において液状の液状油脂が用いられ、液状油脂の具体例としては、例えばケロシン、軽油、ミネラルオイル、スクワラン、流動パラフィン、軽質イソパラフィン等の炭化水素油;シリコーンオイル;白樺油、ローズヒップオイル、ホホバ油、大風子油、ひまわり油、グレープシードオイル、アボカドオイル、ヘーゼルナッツオイル、山茶花油、ブロッコリーシードオイル、ババスオイル、バオバブオイル、巴豆油、オリーブ油、コーヒー豆油、ひまし油、糠油、パーム油、パーム核油、桐油、モモ核油、チェリー油、グランベリーシードオイル、ナンヨウアブラギリ油、ショートニング、サラダ油、白絞油、紫蘇油、ペカンナッツオイル、ピスタチオオイル、荏油、榧油、杏仁油、アケビ油、コーン油、烏臼油、マカダミアナッツオイル、亜麻仁油、ヤシ油、シーバクソン、綿実油、麻実油、葡萄油、けし油、からし油、椿油、小麦胚芽油、月見草油、ピーナッツオイル、パンプキンシードオイル、ローレルオイル、紅花油、アルガンオイル、メドウフォーム油、マルーラナッツオイル、ざくろ種油、ココナッツオイル、ニーム油、大豆油、キウイフルーツシードオイル、モンゴンゴオイル、胡桃油等の植物油脂;ラノリン、馬油、ミンクオイル、スクワレン等の動物性油脂;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、リノール酸エチル、サリチル酸ブチルオクチル、エチルヘキサン酸セチル、オリーブ脂肪酸エチル(オレイン酸エチル)等の脂肪酸エステル;トリエチルヘキサノイン、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、トリエチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル等の多価アルコール脂肪酸エステル;アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル等の多塩基酸エステル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、メトキシケイ皮酸−2エチルエキシル等の芳香族エステルなどが挙げられる。
これらは、単独でもしくは2種以上を組み合わせて用いることができ、また人体用として用いることができる。
【0021】
また、本発明の水中油型エマルション組成物を人体用として用いる場合において、油性成分の好ましい具体例としては、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、ミリスチン酸イソプロピルおよびエチルヘキサン酸セチルなどの液状油脂が挙げられる。
これらのうちでは、流動パラフィンが好ましい。
ここに、流動パラフィンとしては、「CARNATION」(島貿易社製)などとして市販されているものを好適に用いることができ、また、軽質イソパラフィンとしては、「パールリーム4」(日油社製)などとして市販されているものを好適に用いることができ、ミリスチン酸イソプロピルとしては、「NIKKOL IMP−EX」(日光ケミカルズ社製)などとして市販されているものを好適に用いることができ、エチルヘキサン酸セチルとしては、「NIKKOL CIO」(日光ケミカルズ社製)などとして市販されているものを好適に用いることができる。
【0022】
油性成分の含有割合は、水中油型エマルション組成物において、40.0〜70.0質量%とされ、好ましくは50.0〜70.0質量%、特に好ましくは50.0〜66.0質量%である。
【0023】
油性成分の含有割合が上記の範囲を満たすことにより、油性成分による有効な効果を十分に得ることができると共に、乳化状態が安定に保持されるものとすることができる。また、特に人体用として適用する場合においては、油性成分に由来の効果、具体的には例えばエモリエント剤としての効果を得ることができると共に、ベタツキ感のない良好な使用感を得ることができる。
油性成分の含有割合が過大である場合には、安定な乳化状態が得られなくなり、しかも人体用として適用する場合においては、吐出物がベタツキ感を有するものとなって良好な使用感を得られなくなる。
一方、油性成分の含有割合が過小である場合には、油性成分に由来の効果を十分に得ることができない。
【0024】
(3)第1の界面活性剤
原液の必須成分である界面活性剤は、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルよりなる第1の界面活性剤を含有することが必要とされる。
【0025】
第1の界面活性剤を構成するポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルは、エチレンオキシドの付加モル数が5〜30のものであることが好ましい。
ここに、本明細書中において、「付加モル数」とは、平均付加モル数を示す。
【0026】
また、第1の界面活性剤を構成するポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルは、その構造中における脂肪酸部位がイソステアリン酸である、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルであることが好ましい。
【0027】
第1の界面活性剤を構成するポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルの好ましい具体例としては、エチレンオキシドの付加モル数が5〜30のトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、エチレンオキシドの付加モル数が5〜30のモノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルおよびエチレンオキシドの付加モル数が5〜30のジイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルが挙げられ、これらのうちでは、エチレンオキシドの付加モル数が20のトリイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリル)が特に好ましい。
これらのエチレンオキシドの付加モル数が5〜30のイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルは、その性状が液状のものであるため、水よりなる分散媒中に油性成分よりなる分散粒子が均一に分散されてなる乳化状態を極めて容易に形成することができることから、水中油型エマルション組成物に製造容易性が得られることとなる。
ここに、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)グリセリルとしては、「NIKKOL TGI−20」(日光ケミカルズ社製)などとして市販されているものを好適に用いることができる。
【0028】
また、第1の界面活性剤を構成するポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとしては、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの他、例えば構造中における脂肪酸部位がオレイン酸である、オレイン酸ポリオキシエチレングリセリル、構造中における脂肪酸部位がステアリン酸である、ステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルなどを用いることができる。
オレイン酸ポリオキシエチレングリセリルの具体例としては、エチレンオキシドの付加モル数が5の(オレイン酸ポリオキシエチレン(5)グリセリル)が挙げられ、また、ステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルの具体例としては、エチレンオキシドの付加モル数が5のモノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル(モノステアリン酸ポリオキシエチレン(5)グリセリル)が挙げられる。これらのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(具体的には、オレイン酸ポリオキシエチレン(5)グリセリルおよびモノステアリン酸ポリオキシエチレン(5)グリセリル)は、その性状が半固体状のものであるため、水よりなる分散媒中に油性成分よりなる分散粒子が均一に分散されてなる乳化状態を容易に形成することができることから、水中油型エマルション組成物に製造容易性が得られることとなる。
【0029】
第1の界面活性剤を構成するポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルの含有割合は、水中油型エマルション組成物において、1.3〜8.0質量%とされ、好ましくは1.9〜5.0質量%であり、特に好ましくは3.0〜5.0質量%である。
ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルの含有割合が過小である場合には、安定な乳化状態が得られなくなる。
一方、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルの含有割合が過大である場合には、人体用としての適用において、吐出物がベタツキ感を有するものとなって良好な使用感を得ることができなくなる。
【0030】
(4)第2の界面活性剤
原液の必須成分である第2の界面活性剤としては、油性成分を構成する液状油脂の種類、第1の界面活性剤を構成するポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルの種類、および水中油型エマルション組成物の使用用途などに応じ、非イオン性界面活性剤(但し、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル以外のもの)、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤から選ばれる適宜のもの、例えばHLB値が10〜19であるものを好適に用いることができるが、使用用途が制限されることがなく、医薬部外品などにも適用することができて人体用として好適に用いることができることから、非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。
【0031】
非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えばレシチン誘導体、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラノリン、ポリオキシエチレンラノリンアルコール、ミツロウ誘導体(例えばポリオキシエチレンソルビットミツロウ等)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステロール、水素添加ステロール(例えばポリオキシエチレンフィトスタノール等)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
アニオン性界面活性剤の具体例としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、N−アシルタウリン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホン酸塩などが挙げられる。
カチオン性界面活性剤の具体例としては、例えばアルキルアンモニウム塩などが挙げられる
両性界面活性剤の具体例としては、例えば酢酸ベタイン型両性界面活性剤、イミダゾリン型両性界面活性剤等の両面性界面活性剤などが挙げられる。
【0032】
第2の界面活性剤としては、エチレンオキシド付加物が好ましく、エチレンオキシドの付加モル数が8〜60のものが更に好ましい。
第2の界面活性剤を構成するエチレンオキシド付加物の好ましい具体例としては、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩が挙げられる。
これらのうちでは、使用用途および製造容易性の観点から、非イオン性界面活性剤であってその性状が液状であるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好ましい。
【0033】
第2の界面活性剤の含有割合は、水中油型エマルション組成物において、0.5〜4.0質量%とされ、好ましくは1.0〜3.5質量%、特に好ましくは1.5〜3.0質量%である。
第2の界面活性剤の含有割合が過小である場合には、安定な乳化状態が得られなくなる。
一方、第2の界面活性剤の含有割合が過大である場合には、安定な乳化状態が得られなくなり、人体用としての適用において、吐出物がベタツキ感を有するものとなって良好な使用感を得ることができなくなり、また、製造容易性が得られなくなるおそれがある。
【0034】
本発明の水中油型エマルション組成物においては、界面活性剤として、第1の界面活性剤と、第2の界面活性剤とが組み合わされて用いられているが、当該第1の界面活性剤を構成するポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルのHLB値と、当該第2の界面活性剤を構成するポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル以外の界面活性剤のHLB値との加重平均値(以下、「原液HLB値」ともいう。)が6〜15であることが好ましく、7〜12であることが更に好ましい。
なお、この原液HLB値は、組成物の組成(例えば、構成成分の種類やその組合せなど)などによって異なるが、一般的に、油性成分を構成する液状油脂の種類に応じ、例えば、油脂成分として炭化水素油が用いられる場合においては10〜14であることが好ましく、油脂成分として植物油脂または動物性油脂が用いられる場合においては7〜9であることが好ましく、また、油脂成分として脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステルまたは多塩基酸エステルなどのエステル類が用いられる場合においては11〜13であることが好ましい。
【0035】
原液HLB値が上記の範囲を満たすことにより、より確実に安定した乳化状態を得ることができる。
原液HLB値が過大である場合である場合には、安定な乳化状態が得られなくなるおそれがあり、また親水性が過大となることにより、例えば人体用として適用する場合において、適用箇所から汗によって油性成分が流されてしまうなどの問題が生じるおそれがある。一方、原液HLB値が過小である場合には、安定な乳化状態が得られなくなるおそれがあり、また親油性が過大となることにより、例えば人体用として適用する場合において、洗い流すことが困難となる等の問題が生じるおそれがある。
【0036】
また、本発明の水中油型エマルション組成物においては、当該水中油型エマルション組成物を構成する界面活性剤の合計の含有割合、具体的には第1の界面活性剤と、第2の界面活性剤の含有割合の合計(水中油型エマルション組成物における界面活性剤の含有割合)が3質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であって15質量%以下であることが更に好ましい。
水中油型エマルション組成物における界面活性剤の含有割合が過小である場合には、乳化状態が十分に安定したものとならなくなるおそれがある。また、界面活性剤の含有割合が15質量%を超える場合には、製造コストが高くなり、また人体用としての適用において、吐出物がベタツキ感を有するものとなって良好な使用感を得ることができなくなるおそれがある。
【0037】
本発明の水中油型エマルション組成物には、当該組成物の使用目的や用途に応じて、種々の添加成分が含有されていてもよい。その具体例としては、例えば保湿剤、紫外線吸収剤、薬剤などの組成物の用途との関係における各種の有効成分、粘度調整剤、その他を挙げることができる。
【0038】
以上の本発明の水中油型エマルション組成物を構成する各必須成分は、必要に応じて加えられる添加成分と共に適宜の条件下において適宜の割合で混合されることにより、水よりなる分散媒中に油性成分よりなる分散粒子が均一に分散されてなる乳化状態が形成されて水中油型エマルション組成物が調製される。
ここに、本発明の水中油型エマルション組成物の調製は、例えばプロペラ撹拌機(例えば、ディスパー撹拌機、タービンミキサー、パドルミキサーなど)およびマグネチックスターラーなどを混合手段として用い、その混合系の温度を常温(25℃)とする混合条件によって行うことができる。
また、混合手段にとしては、調製すべき原液量(以下、「原液調製量」ともいう。)に応じて適宜のものが用いられ、具体的には、原液調製量が少量(10kg以下)である場合には、プロペラ撹拌機(卓上プロペラ撹拌機)およびマグネチックスターラーを好適に用いることができ、また、原液調製量が過大(100kg以上)である場合には、プロペラ撹拌機(ディスパー撹拌機、タービンミキサー、パドルミキサー)を好適に用いることができる。
【0039】
以上のような本発明の水中油型エマルション組成物によれば、水と油性成分と共に、界面活性剤として、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルよりなる第1の界面活性剤および第2の界面活性剤が特定の割合で含有されることにより、加温すること、あるいは混合手段としてホモミキサーなどの特定の撹拌機を用いることが必要とされることがなく、乳化状態を得ることができ、しかもその乳化状態が長時間にわたって安定に保持される、乳化状態安定性の高いものとなる。
【0040】
また、本発明の水中油型エマルション組成物は、油性成分が40質量%以上の高い割合で含有されてなるものであるが、更に油性成分が50質量%以上の一層高い割合で含有された場合においても、例えばアルコール類などの他の成分を添加すること、あるいは界面活性剤の含有割合を大きくすることなどの必要がなく、容易に乳化状態を得ることができる。
更に、本発明の水中油型エマルション組成物においては、必須成分が水と油性成分と界面活性剤(第1の界面活性剤および第2の界面活性剤)のみであることから、その調製が容易であり、必要に応じて添加される添加成分として用いることのできる物質およびその添加量の選択性が大きくなるという利点があり、また、特に人体用として適用する場合においては、アルコール類を添加することなく高い割合で油性成分を含有させることができるため、例えばアルコール感受性の強い肌に対しても好適に使用することができる、あるいは多価アルコール類が含有されることに起因して生じるベタツキ感のない良好な使用感を得ることができる。
【0041】
以上のような本発明の水中油型エマルション組成物は、界面活性剤としてのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとの関係において使用用途が制限されることがなく、第2の界面活性剤を選択的に用いることによって医薬部外品などにも適用することができて人体用として好適に用いることができ、人体用に適用した場合には、油性成分に由来の効果、具体的には例えばエモリエント剤としての効果を得ることができると共に、ベタツキ感ない良好な使用感を得ることができることから、例えば主として保湿剤、その他マッサージング剤、クレンジング剤、日焼け用オイル、日焼け止めオイル、ヘアトリートメント剤、ボディー用オイル、ベビーオイル、入浴剤、シェービング剤、パック剤、ヘアパック剤、ハンドローションなどとして用いることができる。
ここに、本発明の水中油型エマルション組成物においては、その用途に応じて適宜の油性成分が用いられるが、例えば、クレンジング剤として用いる場合においては、油性成分として流動パラフィンを用いることが好ましく、またヘアトリートメント剤として用いる場合においては、油性成分として軽質イソパラフィを用いることが好ましい。
【0042】
このような本発明の水中油型エマルション組成物は、原液と噴射剤とよりなるエアゾール組成物の原液として好適に用いることができる。
【0043】
<エアゾール組成物>
本発明のエアゾール組成物は、前述の本発明の水中油型エマルションよりなる原液と、噴射剤とよりなるものである。
【0044】
本発明のエアゾール組成物において、噴射剤としては、液化石油ガスおよびジメチルエーテルなどの液化ガス、窒素ガス、炭酸ガスなどの圧縮ガスなどが挙げられ、これらは単独で若しくは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの噴射剤をその用途によって選択することにより、適用する際の噴射形態を、霧状、泡沫状、ストリーム状(棒状)などの適宜なものとすることができる。
【0045】
噴射剤の含有割合は、ガスの種類によっても異なるが、原液を構成する水中油型エマルション組成物100質量部に対して、通常、0.1〜60質量部とされる。
例えば、例えば、噴射剤として液化ガスを用いる場合には、水中油型エマルション組成物全体に対する噴射剤の含有割合が5〜40質量部とされ、この場合の原液の含有割合は60〜95質量部とされる。これにより、良好な噴射状態を得ることができる。一方、噴射剤として圧縮ガスを用いる場合には、水中油型エマルション組成物全体に対する噴射剤の含有割合が0.1〜3.0質量部とされ、この場合の原液の含有割合は99.9〜97.0質量部とされる。これにより、良好な噴射状態を得ることができる。
【0046】
本発明のエアゾール組成物は、原液が本発明の水中油型エマルション組成物よりなるため、油性成分が高い割合で含有される場合においても、安定した乳化状態の原液を容易に得ることができる。
そして、本発明のエアゾール組成物においては、原液の乳化状態が安定したものであるため、原液を調製した直後に耐圧容器(エアゾール容器)への充填をする必要なくなることから、エアゾール製品の製造上、有利である。
【実施例】
【0047】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
【0048】
〔実施例1〜9および比較例1〜7〕
混合手段として、プロペラ撹拌機を用い、表1に示す配合成分および配合比率に従って各成分を、常温(25℃)の温度条件で混合することによって水中油型エマルション組成物を調製した。
ここに、比較例1は、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルよりなる第1の界面活性剤および第2の界面活性剤の含有割合が過小である場合の例であり、比較例2は、油性成分の含有割合が過大であって水の含有割合が過小である場合の例であり、比較例3は、第2の界面活性剤の含有割合が過小である場合の例であり、比較例4、比較例6および比較例7は、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルよりなる第1の界面活性剤が用いられていない場合の例であり、比較例5は、第2の界面活性剤が用いられていない場合の例である。
【0049】
〔実施例10〜25〕
プロペラ撹拌機を用い、表2に示す配合成分および配合比率に従って各成分を、常温(25℃)の温度条件で混合することによって水中油型エマルション組成物を調製した。
【0050】
<水中油型エマルション組成物の評価試験>
上記の実施例1〜25および比較例1〜7により調製された水中油型エマルション組成物の各々について、下記の評価方法により乳化状態安定性の評価を行った。結果を表1および表2に示す。
【0051】
〔乳化状態安定性評価〕
容量50mlのメスシリンダーに、調製直後の水中油型エマルション組成物を50ml入れて温度45℃の環境下に静置し、目視にて観察することにより、水相と油相に分離する相分離現象の有無を確認した。そして、24時間以内に原液に相分離現象が生じたことが確認された場合には、乳化状態が安定していないとして「×」と評価し、更に、24時間経過後において相分離現象が生じていないことが確認された場合においては、24時間経過後であって36時間以内に相分離現象が生じたことが確認された場合には「A」、36時間経過後であって48時間以内に相分離現象が生じたことが確認された場合には「B」、48時間経過後であって60時間以内に相分離現象が生じたことが確認された場合には「C」、60時間経過後であって72時間以内に相分離現象が生じたことが確認された場合には「D」、72時間経過後において相分離現象が生じていないことが確認された場合には「E」と評価した。
【0052】
【表1】

【0053】
表1並びに後述の表2および表3中において、流動パラフィンとは「CARNATION」(島貿易社製)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(1)とは「NIKKOL TGI−20」(日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとは「NIKKOL TO−10V」(日光ケミカルズ社製)、ポリグリセリン脂肪酸エステルとは「NIKKOL Decaglyn 3−OV」(日光ケミカルズ社製)およびグリセリン脂肪酸エステルとしては「NIKKOL MGS−BSEV」(日光ケミカルズ社製)を示す。
なお、表1並びに後述の表2および表3中において、「HLB値」とは、原液中に含有されている界面活性剤のHLB値であり、複数種類の界面活性剤が含有されてなる場合においては、それらの加重平均値であって実施例1〜25に係るエアゾール組成物においては、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルよりなる第1の界面活性剤のHLB値と、第2の界面活性剤のHLB値との加重平均値を示す。
【0054】
【表2】

【0055】
表2および後述の表3中において、水添ポリイソブテン(軽質イソパラフィン)とは「パールリーム4」(日油社製)、エチルヘキサン酸セチルとは「NIKKOL CIO」(日光ケミカルズ社製)、ミリスチン酸イソプロピルとは「NIKKOL IPM−EX」(日光ケミカルズ社製)、オリーブ油としては「NIKKOL オリーブ油」(日光ケミカルズ社製)、ホホバ油としては「NIKKOL ホホバ油」(日光ケミカルズ社製)、ジカプリル酸プロピレングリコールとしては「NIKKOL Sefsol−228」(日光ケミカルズ社製)、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリルとしては「NIKKOL トリエスター F−810」(日光ケミカルズ社製)、アジピン酸ジイソプロピルとしては「NIKKOL DID」(日光ケミカルズ社製)、シリコーンオイルとは「SH200C−5cs」(東レ・ダウコーニング社製)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(2)とは「NIKKOL TMGS−5V」(日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル(3)とは「NIKKOL TMGO−5」(日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとは「NIKKOL BC−20」(日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とは「NIKKOL HCO−60」(日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルとは「NIKKOL GO−460V」(日光ケミカルズ社製)、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルとは「NIKKOL MYS−25V」(日光ケミカルズ社製)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩とは「NIKKOL DOP−8NV」(日光ケミカルズ社製)を示す。
【0056】
表1および表2の結果から明らかなように、実施例1〜25に係る水中油型エマルション組成物は、長時間にわたって安定した乳化状態を有するものであることが確認された。そして、実施例1〜7、9および12〜25に係る水中油型エマルション組成物においては、第1の界面活性剤を構成するポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルとしてイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルが用いられており、かつ組成物中における界面活性剤の含有割合が3質量%以上であることから、72時間以上の長時間にわたって安定した乳化状態が得られることが確認された。
更に、実施例1〜25に係る水中油型エマルション組成物は、加温すること、およびホモミキサーなどの特定の撹拌機を用いることなく容易に調製することができることが確認された。
【0057】
一方、比較例1〜7に係る水中油型エマルション組成物においては、特に比較例6および比較例7に係るエアゾール組成物は2種類の界面活性剤が含有されてなるものであるが、いずれも安定な乳化状態が得られなかった。
【0058】
〔実施例26〜28〕
混合手段として、プロペラ撹拌機を用い、表3に示す配合成分および配合比率に従って各成分を、常温(25℃)の温度条件で混合することによって水中油型エマルション組成物を調製し、得られた水中油型エマルション組成物の各々について、上記の評価方法により乳化状態安定性の評価を行った。結果を表3に示す。
得られた水中油型エマルション組成物は、各々、実施例26に係る水中油型エマルション組成物はクレンジング剤、実施例27に係る水中油型エマルション組成物はヘアートリートメント剤、実施例28に係る水中油型エマルション組成物は日焼け止め剤として用いられるものである。
【0059】
【表3】

【0060】
表3中において、ジメコンとは「KF−96A−5cs」(信越シリコーン社製)、芳香族エステル(紫外線吸収剤)とは「Uvinul Aplus B」(BASF社製)、フェノキシエタノール(防腐剤)とは「フェノキシエタノール」(四日市合成社製)、エタノールとは「95%合成無変性エタノール」(日本アルコール販売社製)を示す。なお、紫外線吸収剤「Uvinul Aplus B」はジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルおよびメトキシケイ皮酸−2エチルエキシルよりなり、油性成分を構成するものである。
【0061】
表3の結果から明らかなように、実施例26〜28に係る水中油型エマルション組成物は、72時間以上の長時間にわたって安定した乳化状態の原液を得ることができるものであることが確認された。
更に、実施例26〜28に係る水中油型エマルション組成物は、加温すること、およびホモミキサーなどの特定の撹拌機を用いることなく容易に調製することができることが確認された。
【0062】
また、実施例26〜28において得られた水中油型エマルション組成物を原液として噴射剤と共に耐圧容器(エアゾール容器)内に充填することによってエアゾール組成物を調製してエアゾール製品とすることのできるものであることが確認され、しかも噴射剤を選択することにより、適用する際の噴射形態を、霧状、泡沫状などの適宜なものとすることができることが確認された。
実施例26に係る水中油型エマルション組成物においては、当該水中油型エマルション組成物よりなる原液94質量部と、液化石油ガスよりなる噴射剤6質量部とを耐圧容器(エアゾール容器)内に充填することによってエアゾール製品(クレンジングフォーム)を作製したところ、得られたエアゾール製品は泡沫状の吐出物を形成し、良好な噴射状態を得ることのできるものであった。
実施例27に係る水中油型エマルション組成物においては、当該水中油型エマルション組成物よりなる原液60質量部と、液化石油ガスよりなる噴射剤40質量部とを耐圧容器(エアゾール容器)内に充填することによってエアゾール製品(ヘアートリートメントスプレー)を作製したところ、得られたエアゾール製品は霧状の吐出物を形成し、良好な噴射状態を得ることのできるものであった。
実施例28に係る水中油型エマルション組成物においては、当該水中油型エマルション組成物よりなる原液99.2質量部と、窒素ガスよりなる噴射剤0.8質量部とを耐圧容器(エアゾール容器)内に充填することによってエアゾール製品(日焼け止めスプレー)を作製したところ、得られたエアゾール製品は霧状の吐出物を形成し、良好な噴射状態を得ることのできるものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油性成分40.0〜70.0質量%と、水20.0〜56.5質量%と、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルよりなる界面活性剤1.3〜8.0質量%と、前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル以外の界面活性剤0.5〜4.0質量%を含有してなることを特徴とする水中油型エマルション組成物。
【請求項2】
油性成分の含有割合が50.0〜70.0質量%、水の含有割合が20.0〜47.0質量%であることを特徴とする請求項1に記載の水中油型エマルション組成物。
【請求項3】
前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルは、そのエチレンオキシドの付加モル数が5〜30のものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水中油型エマルション組成物。
【請求項4】
前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルが、イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリルであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の水中油型エマルション組成物。
【請求項5】
前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル以外の界面活性剤が、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩から選ばれる少なくとも1種のエチレンオキサイド付加物よりなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の水中油型エマルション組成物。
【請求項6】
前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステルのHLB値と、前記ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル以外の界面活性剤のHLB値との加重平均値が6〜15であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の水中油型エマルション組成物。
【請求項7】
人体用であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の水中油型エマルション組成物。
【請求項8】
前記油性成分が、流動パラフィン、軽質イソパラフィン、ミリスチン酸イソプロピルおよびエチルヘキサン酸セチルから選ばれる少なくとも1種の液状油脂よりなることを特徴とする請求項7に記載の水中油型エマルション組成物。
【請求項9】
請求項1〜請求項8のいずれかに記載の水中油型エマルションよりなる原液と、噴射剤とよりなることを特徴とするエアゾール組成物。

【公開番号】特開2012−36102(P2012−36102A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175159(P2010−175159)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000222129)東洋エアゾール工業株式会社 (77)
【Fターム(参考)】