説明

水中油型皮膚化粧料

【課題】入浴やシャワー後の濡れた肌に適用するための水中油型皮膚化粧料であって、肌への伸びが良好で塗布し易く、且つ、塗布後の肌に極めて良好なさらさら感を付与する濡れ肌用水中油型皮膚化粧料を提供する。
【解決手段】
(A)油性成分を化粧料中に10〜80質量%、
(B)水溶性高分子、及び、
(C)低分子界面活性剤を(A)油性成分の1質量%以下含有する又は(C)低分子界面活性剤を含有しない濡れ肌用水中油型皮膚化粧料であって、
(A)油性成分の60〜99質量%が(a1)分子量150〜10,000のシリコーン油であり、且つ、
(A)油性成分の1〜33質量%が(a2)分子量50,000〜1,000,000のシリコーン油である濡れ肌用水中油型皮膚化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濡れた肌に塗布するための水中油型皮膚化粧料及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、入浴やシャワー後の濡れた肌に塗布し、軽くすすぎ流して使用するボディリンス組成物(特許文献1、2)、リンス可能な皮膚コンディショニング組成物(特許文献3)等が開発されている。これらは、手(腕)や足等の身体部分に広く発生する肌のかさつきや肌荒れを防止することを目的としており、一般的に浴室内等で使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平02−202809号公報
【特許文献2】特開2000−128768号公報
【特許文献3】特表2005−526118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらボディリンスやコンディショニング組成物は、塗布後に水で流して使用する場合、有効成分が肌へ残存し難く十分なコンディショニング効果が得られ難い傾向にある。また、有効成分の残存率を高めようとすると、べたつき感が生じ肌上での伸びが悪化してしまうため塗布し難い傾向にある。一方、濡れた肌に塗布後水で流さない使用の場合、タオルドライするときにタオルに油性成分が移行してしまう等使用感が好ましくないという問題が生じることもある。
従って、本発明の課題は、入浴やシャワー後等の濡れた肌に適用したときに極めて良好な使用感を達成する濡れ肌用水中油型皮膚化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明者らは水溶性高分子によって油性成分を乳化・分散させた水中油型エマルションに着目し鋭意検討を行った結果、油性成分として分子量の大きく異なるシリコーン油を水中油型エマルション中に特定量含有させることにより、濡れた肌に塗布した際にべたつかず良好に伸び広がり、十分なコンディショニング効果が得られるのみならず、従来にない極めてさらさらとした良好な感触が得られることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、
(A)油性成分を化粧料中に10〜80質量%、
(B)水溶性高分子、及び、
(C)低分子界面活性剤を(A)油性成分の1質量%以下含有する又は(C)低分子界面活性剤を含有しない濡れ肌用水中油型皮膚化粧料であって、
(A)油性成分の60〜99質量%が(a1)分子量150〜10,000のシリコーン油であり、且つ、
(A)油性成分の1〜33質量%が(a2)分子量50,000〜1,000,000のシリコーン油である濡れ肌用水中油型皮膚化粧料を提供するものである。
また本発明は、上記の濡れ肌用水中油型皮膚化粧料を、水で濡れた肌に塗布した後、タオルドライすることを特徴とする濡れ肌用水中油型皮膚化粧料の使用方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の濡れ肌用水中油型皮膚化粧料を濡れた肌に塗布すると通常の液状化粧料では従来達成し得ないような極めてさらさらとした良好なパウダリー感が奏される。このような極めてさらさらとした良好なパウダリー感に加え、本発明の化粧料を濡れた肌に塗布すると優れたうるおい感や保湿効果を奏しながらべたつき感がなく良好に伸び広がり非常に好ましい。
また、本発明の化粧料は濡れた肌に塗布したときなじみやすく伸びが良好である。その上、本発明の化粧料が濡れた肌の水分で希釈されると水中油型エマルションから油性成分が肌表面へ良好に移行し広がり付着するため、タオルを油性成分で汚すことなくタオルドライすることが可能である。
また更に、本発明の化粧料は、水で濡れた肌に塗布した後タオルドライする使用により上記の優れた効果が得られる。このため、入浴後の簡便な操作で上述の著しく優れた効果が得られることから非常に使用性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】入浴後の肌に塗布した際の角質水分量の経時変化を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の濡れ肌用水中油型皮膚化粧料は、低分子界面活性剤による乳化・分散力に依らず水中油型が達成されている。すなわち、本発明の化粧料は、(B)水溶性高分子により適切な粘度になるよう調製された水相中に(A)油性成分が乳化・分散され安定化された水中油型エマルションの形態を取っている。本発明の特徴は、このような水中油型エマルションの(A)油性成分中に分子量の大きく異なるシリコーン油(a1)及び(a2)を特定量で含有することである。かかる特徴のため、本発明の化粧料を濡れた肌へ塗布した時に、従来の液状化粧料では達成し得ないような極めてさらさら且つしっとりとしたパウダリー感が奏されるのである。すなわち、本発明の化粧料によれば、一般的な高分子量シリコーン油含有化粧料のべたついた感触や、一般的な低分子量シリコーン油含有化粧料の単にしっとりした感触とは全く異なる本発明特有の感触、すなわち極めてさらさら且つしっとりとしたパウダリー感が奏される。
【0010】
本発明の濡れ肌用水中油型皮膚化粧料において、(A)油性成分の化粧料中の含有量は10〜80質量%である。なお、肌感触や保湿効果の点から、(A)油性成分は好ましくは化粧料中に20〜75質量%、特に30〜70質量%、中でも40〜60質量%含有すると良い。
【0011】
本発明の濡れ肌用水中油型皮膚化粧料において、(A)油性成分中の60〜99質量%が(a1)分子量150〜10,000のシリコーン油である。(a1)分子量150〜10,000のシリコーン油を含有するものとしては、重量平均分子量150〜10,000のジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、及び、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられ、これらから単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に重量平均分子量150〜10,000、好ましくは200〜7,000、特に好ましくは300〜2,000のジメチルポリシロキサン、及び、デカメチルシクロペンタシロキサン等が肌感触の点で好ましい。なお、これらは信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング株式会社、及び、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社等から入手可能である。
【0012】
なお、(A)油性成分中には不揮発性シリコーン油も(a1’)揮発性シリコーン油も含まれていて良い。本発明においては不揮発性又は揮発性シリコーン油を(a1)分子量150〜10,000のシリコーン油として単独で使用しても良いが、(a1’)揮発性シリコーン油と不揮発性シリコーン油のいずれをも含有する方がタオルドライ後のべたつき感が低下するにもかかわらずうるおい感が発揮されるため好ましい。ここで、好ましい(a1’)揮発性シリコーン油としては、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン及び重量平均分子量150以上700未満のジメチルポリシロキサンが挙げられ、中でもデカメチルシクロペンタシロキサンが好ましい。特に、タオルドライ後にべたつきが少なくパウダリー感が際立つという点からデカメチルシクロペンタシロキサンを不揮発性シリコーン油である重量平均分子量700〜10,000のジメチルポリシロキサンと併用するのが好ましい。
当該揮発性シリコーン油は、タオルドライ後にべたつきが少ないという点から、(A)油性成分中に20〜80質量%、さらに25〜75質量%、特に30〜60質量%含有するのが好ましい。
【0013】
本発明の濡れ肌用水中油型皮膚化粧料において、(A)油性成分中の1〜33質量%が(a2)分子量50,000〜1,000,000のシリコーン油である。(a2)分子量50,000〜1,000,000のシリコーン油を含有するものとしては、例えば、重量平均分子量50,000〜1,000,000の高重合ジメチルポリシロキサンが挙げられ、これらから単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。特に、重量平均分子量60,000〜1,000,000、好ましくは100,000〜900,000、更に好ましくは110,000〜800,000のジメチルポリシロキサンを含有させると、顕著なさらさら感が奏され好ましい。これらは、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング株式会社、及び、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社から入手可能である。
【0014】
本発明の濡れ肌用水中油型化粧料には、上記(a1)分子量150〜10,000のシリコーン油及び(a2)分子量50,000〜1,000,000のシリコーン油以外のシリコーン油、中でも(a3)分子量10,000より大きく且つ50,000未満のシリコーン油の含有量をなるべく少なくすることが、上記高分子量のシリコーン油(a2)と低分子量のシリコーン油(a1)の共存で奏される効果が顕著に発揮される点で好ましい。すなわち、(a3)分子量10,000より大きく且つ50,000未満のシリコーン油の含有量は、好ましくは(A)油性成分中の25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下、また更に好ましくは15質量%以下、特に10質量%以下又は(a3)を含有しないことが好ましい。
当該(a1)分子量150〜10,000のシリコーン油は、(a2)分子量50,000〜1,000,000のシリコーン油を(A)油性成分中に良好に分散させ、本発明特有のさらさら且つしっとりとしたパウダリー感を発揮させる点と、更に、うるおい感等の保湿効果も両立させる点から、本発明の(A)油性成分中の60〜99質量%、さらに65〜98質量%、特に70〜97質量%であることが好ましい。
なお、(a2)分子量50,000〜1,000,000のシリコーン油は、上述の極めて顕著なさらさら感を発揮させる点から、本発明の(A)油性成分中の1〜33質量%、さらに1.5〜25質量%、特に2〜20質量%であることが好ましい。
特に、(a3)分子量10,000より大きく且つ50,000未満のシリコーン油と(a2)分子量50,000〜1,000,000のシリコーン油との含有質量比(a3/a2)は、通常の液状化粧料では従来達成し得ないような極めてしっとり且つさらさらとした感触と共にうるおい感等の保湿効果が両立して顕著に奏される点から10以下が好ましく、更に好ましくは7以下である。
【0015】
本発明の濡れ肌用水中油型皮膚化粧料中には(A)油性成分の一成分として、更に(a4)25℃で液状の極性油を含有させるとうるおい感が向上するため好ましい。(a4)25℃で液状の極性油としては、エステル類、高級脂肪酸類及び高級アルコール類が挙げられ、これらから単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。エステル類としては、炭素数8〜28の高級脂肪酸とアルコールのエステルであるオレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ミリスチル、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸ヘキシル、2−エチルヘキサン酸セチル等が挙げられる。高級脂肪酸類としては、炭素数12〜28の高級脂肪酸類、例えばイソステアリン酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸等が挙げられる。高級アルコール類としては、炭素数12〜28の高級アルコール類、例えばオレイルアルコール等が挙げられる。これらの25℃で液状の極性油の中で、特にミリスチン酸イソプロピル、オレイルアルコール等、炭素数14〜18のエステル類、高級脂肪酸類及び高級アルコール類がうるおい感向上の点で好ましい。
【0016】
これらの(a4)25℃で液状の極性油は、濡れた肌上での伸展効果や、濡れた肌に塗布した時のうるおい感向上の点から(A)油性成分の1.5質量%以下、さらに0.01〜1.5質量%、またさらに0.05〜1.5質量%、特に0.1〜1.0質量%であることが好ましい。
【0017】
また、本発明の濡れ肌用水中油型皮膚化粧料の油性成分中には、本発明の効果を害さない範囲で、前記(a1)〜(a4)以外の油性成分、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン等の鉱物油;ケイヒ油、ベルガモ油、菖蒲油、ラベンダー油、オリーブ油、大豆油、パイン油、ヌカ油、米糠エキス、ホホバ油等の植物性油等を、肌感触や保湿効果向上の点から適宜含有させても良い。
【0018】
本発明の水中油型皮膚化粧料中の(B)水溶性高分子としては、植物多糖類系、微生物多糖類系、動物蛋白質系等の天然高分子;セルロース系、デンプン系、アルギン酸系、多糖類系誘導体等の半合成高分子;ビニル系等の合成高分子が挙げられ、これらから単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。植物多糖類系としては、グアーガム、ローストビーンガム、クインスシードガム、アラビアガム、トラガカントガム、カラギーナン、ガラクタン、ペクチン、マンナン、デンプン等が挙げられる。微生物多糖類系としては、キサンタンガム、デキストラン、プルラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸等が挙げられる。動物蛋白質系としては、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン、ケラチン等が挙げられる。セルロース系としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等が挙げられる。デンプン系としては、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、メチルデンプン等が挙げられる。アルギン酸系としては、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。多糖類系誘導体としては、セルロース系、デンプン系、アルギン酸系以外の多糖類骨格を有する誘導体であるデキストラン硫酸、カルボキシメチルキチン等が挙げられる。合成高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー(アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体等)、ポリアクリル酸ナトリウム等のビニル系の他に、ポリエチレングリコール、酸化エチレン・酸化プロピレンブロック共重合体等が挙げられる。
【0019】
これらの水溶性高分子の中で、アニオン性水溶性高分子であるトラガカントガム、ペクチン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム等が好ましい。特にアルキル変性カルボキシビニルポリマー、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム等が、水中油型エマルションの安定性と希釈時の分散性の点で好ましい。中でもアルキル変性カルボキシビニルポリマーは濡れ肌での塗布性の点で特に好ましい。
アルキル変性カルボキシビニルポリマーについては、例えば、アクリル酸アルキル共重合体としては、アキュリン33等(ローム・アンド・ハース・ジャパン社);アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体としては、ペムレンTR−1、ペムレンTR−2、カーボポール1382、カーボポールETD2020等(以上、Noveon INC.)、アクペックHV−501ER(住友精化(株));(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸アルキル共重合体の誘導体又はその塩としては、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル共重合体(アキュリン22;ローム・アンド・ハース・ジャパン社)等の市販品を使用することができる。
【0020】
本発明の水中油型皮膚化粧料中の(B)水溶性高分子の含有量は、水中油型エマルションが安定する適切な粘度、塗布性、油性成分の吸着性、保湿効果の点から、0.01〜10質量%が好ましく、特に0.05〜5質量%が好ましい。
【0021】
なお、本発明の化粧料の粘度は、水中油型エマルションの安定性や皮膚への塗布性やエマルション中の油性成分の皮膚への伸展性及び付着性の点で1,000〜100,000mPa・sが好ましく、特に3,000〜30,000mPa・sであることが好ましい。なお、測定条件は、使用機器:BM型粘度計((株)東京什器製)、ローター:No.4、回転数:12r/min、測定時間:60秒、測定温度:25℃である。
【0022】
本発明の水中油型皮膚化粧料は、上記水溶性高分子を含む水相中に油性成分が分散状態で安定化されている水中油型エマルションの形態を有するものである。従って、本発明化粧料の水中油型エマルション形成には、通常は乳化化粧料に必要な重量平均分子量10,000未満の低分子界面活性剤を必要としない。しかしながら、(C)低分子界面活性剤は本発明の効果を害さない範囲、すなわち(A)油性成分の1.0質量%以下であれば含有されていても良い。
さらに、(C)低分子界面活性剤の含有量が(A)油性成分の0.05〜0.8質量%、特に0.1〜0.5質量%であると、濡れた肌に塗布した時に化粧料中の油性成分が皮膚へ良好に分散付着するのみならず、エマルションの粒径を細かくし、化粧料の白さや光沢等の外観を向上させるため好ましい。
【0023】
このような目的から(C)低分子界面活性剤としては、通常に乳化化粧料に用いられる重量平均分子量10,000未満の低分子界面活性剤であれば特に限定されず、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられ、これらから単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、アルキルグリセリンエーテル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル類、アルキルポリグルコシド類、ショ糖脂肪酸エステル類、アミンオキシド類、等が挙げられる。アニオン性界面活性剤の例としては、アルキルサルフェート類、アルキルアミドエーテルサルフェート類、アルキルスルホナート類、α−オレフィンスルホン酸類、アルキルアミドスルホナート類、アルキルアリールスルホナート類、アルキルホスフェート類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート類、アシルサルコシナート類、及びアシルタウリン塩類、等が挙げられる。両性界面活性剤の例としては、アルキル酢酸ベタイン類、アルキルイミダゾリニウムベタイン類、アルキルアミドベタイン類、アルキルスルホベタイン類、等が挙げられる。カチオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシアルキレン化されていてもよい、第1級、第2級又は第3級脂肪族アミンの塩類、及び、第4級アンモニウム塩類、等が挙げられる。
【0024】
これらの界面活性剤の中でも、非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤、中でも非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、及びポリエーテル変性シリコーン;アニオン性界面活性剤として、アルキルホスフェート類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルホスフェート類、及びアシルタウリン塩類が好ましく、特に、ポリエーテル変性シリコーンが好ましい。
【0025】
本発明の濡れ肌用水中油型皮膚化粧料にはまた更に、保湿剤、溶剤又は不凍液、水中油型エマルションの安定性の目的で低級アルコール類を含有させることができる。低級アルコール類としては、炭素数1〜5の一価アルコールや炭素数2〜6の多価アルコールが挙げられ、エチルアルコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール等が好ましく、特に、保湿効果の点でグリセリンが好ましい。低級アルコール類の好ましい含有量は化粧料中の1質量%〜20質量%であり、特に好ましくは5質量%〜15質量%である。
【0026】
さらに本発明の化粧料には、上記以外にも本発明の効果を害さない範囲で、各種薬効成分、抗炎症剤、美白剤、UVケア剤、殺菌剤、制汗剤、防腐剤、酸化防止剤、顔料、香料、冷感剤、温感剤等を含有することもできる。
【0027】
本発明の化粧料は、水溶性高分子を含有する水相中に油性成分が安定に乳化・分散された水中油型エマルションの形態とすることにより、前記の如く本発明の効果が得られる。かかる安定なエマルションを得るために、本発明の水中油型皮膚化粧料においては、水を化粧料中に5〜80質量%、好ましくは20〜60質量%、さらに25〜55質量%含有するのが好ましい。
【0028】
本発明の化粧料は、入浴後、シャワー後等の濡れた肌に塗布して使用することで、通常の液状化粧料では従来達成し得ないような極めてしっとり且つさらさらとした感触と共にうるおい感等の保湿効果が両立して奏される。濡れた肌に塗布することにより、肌への伸びがよく、かつ水中油型エマルションの乳化・分散系が崩れ油性成分が皮膚へ良好に付着するよう設計されているからである。このとき、(a1)低分子量のシリコーン油が(a2)高分子量のシリコーン油を肌の上に均一に分散させ付着させるため顕著にさらさら感が奏され、タオルドライ可能である。本発明の化粧料塗布後は、シャワーで流してもよいが、そのままタオルドライするのが、特に好ましい。
本発明の水中油型皮膚化粧料は、水で濡れた肌に塗布した後、シャワー等で洗い流してもタオルドライ後に上記の優れた効果が得られるため、入浴後の簡便な操作で効果が得られることから非常に使用性に優れている
【実施例】
【0029】
実施例1〜16及び比較例1〜10の水中油型皮膚化粧料を次のようにして製造した。
【0030】
実施例1
重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン40質量%、重量平均分子量6.34×104(粘度1万cs)のジメチルポリシロキサン5質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0031】
実施例2
重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン40質量%、重量平均分子量6.34×104(粘度1万cs)のジメチルポリシロキサン5質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%、ミリスチン酸イソプロピル0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0032】
実施例3
重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン40質量%、重量平均分子量1.01×105(粘度5万cs)のジメチルポリシロキサン2質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体0.1質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0033】
実施例4
重量平均分子量6.15×103(粘度50cs)のジメチルポリシロキサン40質量%、重量平均分子量1.19×105(粘度10万cs)のジメチルポリシロキサン1質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0034】
実施例5
重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン15質量%、重量平均分子量9.53×103(粘度100cs)のジメチルポリシロキサン25質量%、重量平均分子量1.19×105(粘度10万cs)のジメチルポリシロキサン1質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0035】
実施例6
重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン40質量%、重量平均分子量5.31×105(粘度500万cs)のジメチルポリシロキサン20質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0036】
実施例7
重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン40質量%、重量平均分子量5.31×105(粘度500万cs)のジメチルポリシロキサン2質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0037】
実施例8
重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン39質量%、重量平均分子量2.38×104(粘度500cs)のジメチルポリシロキサン1質量%、重量平均分子量1.01×105(粘度5万cs)のジメチルポリシロキサン2質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0038】
実施例9
重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン39質量%、重量平均分子量3.14×104(粘度1000cs)のジメチルポリシロキサン1質量%、重量平均分子量1.01×105(粘度5万cs)のジメチルポリシロキサン2質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0039】
実施例10
重量平均分子量6.80×102(粘度2cs)の揮発性ジメチルポリシロキサン20質量%、重量平均分子量6.15×103(粘度50cs)のジメチルポリシロキサン20質量%、重量平均分子量1.19×105(粘度10万cs)のジメチルポリシロキサン2質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0040】
実施例11
デカメチルペンタシロキサン20質量%、重量平均分子量6.15×103(粘度50cs)のジメチルポリシロキサン20質量%、重量平均分子量1.19×105(粘度10万cs)のジメチルポリシロキサン5質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0041】
実施例12
デカメチルペンタシロキサン20質量%、重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン20質量%、重量平均分子量1.19×105(粘度10万cs)のジメチルポリシロキサン10質量%及びカルボキシビニルポリマー0.2質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0042】
実施例13
デカメチルペンタシロキサン20質量%、重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン20質量%、重量平均分子量1.19×105(粘度10万cs)のジメチルポリシロキサン10質量%及びキサンタンガム1.5質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0043】
実施例14
デカメチルペンタシロキサン20質量%、重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン20質量%、重量平均分子量1.19×105(粘度10万cs)のジメチルポリシロキサン10質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0044】
実施例15
デカメチルペンタシロキサン18質量%、重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン17質量%、重量平均分子量1.19×105(粘度10万cs)のジメチルポリシロキサン15質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0045】
実施例16
デカメチルペンタシロキサン15質量%、重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン15質量%、重量平均分子量1.19×105(粘度10万cs)のジメチルポリシロキサン20質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0046】
比較例1
重量平均分子量2.38×104(粘度500cs)のジメチルポリシロキサン40質量%、重量平均分子量3.14×104(粘度1000cs)のジメチルポリシロキサン40質量%、重量平均分子量1.19×105(粘度10万cs)のジメチルポリシロキサン2質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0047】
比較例2
重量平均分子量6.34×104(粘度1万cs)のジメチルポリシロキサン40質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0048】
比較例3
重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン1質量%、重量平均分子量5.31×105(粘度500万cs)のジメチルポリシロキサン60質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0049】
比較例4
重量平均分子量6.80×102(粘度2cs)のジメチルポリシロキサン40質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0050】
比較例5
重量平均分子量6.15×103(粘度50cs)のジメチルポリシロキサン40質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0051】
比較例6
重量平均分子量9.53×103(粘度100cs)のジメチルポリシロキサン40質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0052】
比較例7
デカメチルペンタシロキサン20質量%、重量平均分子量1.87×103(粘度10cs)のジメチルポリシロキサン20質量%、重量平均分子量1.19×105(粘度10万cs)のジメチルポリシロキサン2質量%、ポリオキシエチレンラウリルエーテル7質量%及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム塩0.5質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0053】
比較例8
デカメチルペンタシロキサン2質量%、重量平均分子量6.15×103(粘度50cs)のジメチルポリシロキサン4質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及びタルク20質量%及びエタノール10質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0054】
比較例9
デカメチルペンタシロキサン20質量%、重量平均分子量6.15×103(粘度50cs)のジメチルポリシロキサン20質量%、重量平均分子量1.19×105(粘度10万cs)のジメチルポリシロキサン2質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体1質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0055】
比較例10
デカメチルペンタシロキサン20質量%、重量平均分子量6.15×103(粘度50cs)のジメチルポリシロキサン20質量%、重量平均分子量1.19×105(粘度10万cs)のジメチルポリシロキサン2質量%、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体0.2質量%及び48%液体苛性ソーダ0.1質量%を精製水で100質量%とし、均一に混合しエマルションを調製した。
【0056】
これらエマルションの粘度は3,000〜30,000mPa・sであった。また、これら実施例・比較例で用いたシリコーン油の粘度、重量平均分子量及びa1〜a3の分子量分布を表1にまとめる。
【0057】
【表1】

【0058】
[使用試験]
石鹸で洗浄した前腕を40℃の湯に10分間浸した後に、濡れた状態の前腕全体に試料組成物0.4gを手で塗り伸ばし、タオルでふいた。タオルでふいた後の前腕のうるおい感、べたつきの無さ(さらさら感)、及びパウダリー感を評価した。なお、比較例10はタオルでふいた後の前腕に試料組成物を塗って使用した。
【0059】
[うるおい感の評価基準]
タオルでふいた後の前腕のうるおい感を、5:非常にうるおう、4:うるおう、3:ややうるおう、2:あまりうるおわない、1:うるおわない、という基準で評価し、専門パネラー3人の平均値を四捨五入して整数で表した。
[べたつきの無さの評価基準]
タオルでふいた後の前腕のべたつきの無さを、5:べたつかない、4:あまりべたつかない、3:ややべたつく、2:べたつく、1:非常にべたつく、という基準で評価し、専門パネラー3人の平均値を四捨五入して整数で表した。
[パウダリー感の評価基準]
タオルでふいた後の前腕のパウダリー感を、5:非常にパウダリー、4:パウダリー、3:ややパウダリー、2:あまりパウダリーでない、1:パウダリーでない、という基準で評価し、専門パネラー3人の平均値を四捨五入して整数で表した。
結果を表2〜表5に示す。
【0060】
【表2】

【0061】
【表3】

【0062】
【表4】

【0063】
【表5】

【0064】
なお、本発明の水中油型皮膚化粧料中のシリコーン油の分子量は、以下の方法にて測定することができる。
[シリコーン油の分子量の測定方法]
下記の装置及び検出器を用いてゲル浸透クロマトグラフ法にてシリコーン油の分子量を測定した。
装置:ゲル浸透クロマトグラフ
検出器:示差屈折率検出器RI(東ソー製 8020型,感度32)
カラム:TSKgel GMHXL(2本)+TSKgel G2500HXL(1本)の合計3本
溶媒:トルエン(ナカライテスク製)
流速:1.0mL/min
カラム温度:23℃
試料溶液調製方法:試料約10mgにトルエン5〜10mLを添加した。
注入量:0.200mL
標準試料:単分散ポリスチレン(東ソー製;分子量104、500、1010、2630、5970、10200、18100、37900、96400、190000、427000、706000、1090000、3840000、8420000)
【0065】
表2〜表5より、本発明の水中油型皮膚化粧料であれば、パウダリー感、うるおい感、べたつき感が同時に得られ、通常の液状化粧料では従来達成し得ないような極めてしっとり且つさらさらとした感触と共にうるおい感等の保湿効果が両立して奏されている。
【0066】
さらに、実施例10の組成物を用い、下記の方法で入浴後の角層水分量の変化を測定した。その結果を図1に示す。図1より、本発明の組成物を濡れ肌に塗布した後タオルドライすれば、タオルドライ後に塗布した場合と比較し、角層水分量が非常に高く長時間保持されることがわかる。なお、図1の角層水分量は、入浴前の角層水分量(入浴前値)との差分値である。
【0067】
<試験方法>
前腕を石鹸で洗浄・タオルドライ(図1中、TDと略)し、試験環境(室温20℃、湿度40%RH)で30分馴化した後に、角層水分量(入浴前値)を測定した。その後、前腕を40℃の浴槽に10分間浸して入浴させた。入浴終了後、肌が濡れている状態で組成物を塗布適用(前腕内側に0.2g)し、タオルドライした後に、経時での角層水分量を測定した。また、入浴終了後タオルドライして肌が乾いている状態で組成物を同様に適用し、経時での角層水分量を測定した。
角層水分量の測定は、皮膚水分量コルネオメータ(株式会社インテグラル製)を用いた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)油性成分を化粧料中に10〜80質量%、
(B)水溶性高分子、及び、
(C)低分子界面活性剤を(A)油性成分の1質量%以下含有する又は(C)低分子界面活性剤を含有しない濡れ肌用水中油型皮膚化粧料であって、
(A)油性成分の60〜99質量%が(a1)分子量150〜10,000のシリコーン油であり、且つ、
(A)油性成分の1〜33質量%が(a2)分子量50,000〜1,000,000のシリコーン油である濡れ肌用水中油型皮膚化粧料。
【請求項2】
(A)油性成分の25質量%以下が(a3)分子量10,000より高く分子量50,000未満のシリコーン油である又は(a3)のシリコーン油を含有しない請求項1記載の化粧料。
【請求項3】
(A)油性成分の20〜80質量%が(a1’)揮発性シリコーンである請求項1又は2記載の化粧料。
【請求項4】
(A)油性成分の1.5質量%以下が(a4)25℃で液状の極性油である請求項1〜3の何れか一項に記載の化粧料。
【請求項5】
(a2)と(a3)の質量比(a3/a2)が10以下である請求項1〜4の何れか一項に記載の化粧料。
【請求項6】
前記化粧料を、水で濡れた肌に塗布した後タオルドライする濡れ肌用水中油型皮膚化粧料の使用方法。
【請求項7】
前記化粧料を、水で濡れた肌に塗布した後水で流さずにタオルドライする請求項6記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−235460(P2010−235460A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82632(P2009−82632)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】