水処理システム及び方法
本発明の水処理システムは、都市用水、井戸水、汽水及び汚れを含む水のような水源から来る入口点からの水に含まれる何らかの硬度誘発種の一部を除去することによって、処理水又は軟水を使用地点に提供する。水処理システムは、通常、処理水を使用地点に送り出す前に、少なくとも数種の望ましくない種を含む水を処理する。水処理システムは、システム又はシステムの部品の操作及び性能を最適化するために、水処理システムの処理システム又は部品の少なくとも1つの操作パラメータを調整又は規制する制御装置を有する。流量レギュレータは、ドレンへの廃棄水流を規制し、かつ電気化学装置の電極又は濃縮区画を通して流体を再循環させるために、操作でき、かつ所定のスケジュールに従って、又は水処理システムの操作パラメータに基づき、断続的に開閉できる。流量レギュレータは、イオン種が周囲の流体中で発生でき、それが次に周囲の流体のpHを低減できるように帯電できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、流体を処理するシステム及び方法、特には電気化学装置と、貯蔵システムと、排出流量レギュレータとを組み込む水処理システム、及び処理水を使用地点に送り出す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カルシウム及びマグネシウムのような硬度種を含む水は、産業、商業及び家庭用途でのある種の使用に望ましくないことがある。水の硬度分類の典型的な指針は、炭酸カルシウムとして1リットル当たりゼロ〜60ミリグラム(mg/l)が軟らかい、61〜120mg/lが中程度に硬い、121〜180mg/lが硬い、かつ180mg/l超が非常に硬いと分類される。
【0003】
硬水は軟水化、すなわち硬度イオン種を除去することによって処理できる。かかる種を除去するシステムの例は、イオン交換床を使用するものを含む。かかるシステムにおいて、硬度イオンは、イオン交換樹脂の表面で混合されている逆帯電したイオン種にイオン結合されるようになる。イオン交換樹脂は、最終的にイオン結合した硬度イオン種で飽和するようになるので、再生されねばならない。再生は、通常、結合した硬度種を、塩化ナトリウムのような可溶性が高いイオン種と置換することを伴う。イオン交換樹脂に結合した硬度種は、ナトリウムイオンによって置換され、かつイオン交換樹脂は、再度その後の軟水ステップに使用できる状態になる。
【0004】
これらと異なるシステムが、既に開示されている。例えばDoschは、米国特許第3148687号明細書でイオン交換樹脂を使用する軟水装置を含む洗浄機を教示している。同様に、Gadini他は、国際特許出願公開第WO00/64325号で、水の硬度を減少させる改良された装置を有する水を使用する家庭用器具を開示している。Gadini他は、制御システム、外部源からの給水システム、及び電気化学電池による軟化システムを有する家庭用器具を教示している。
【0005】
電気再生式脱イオン方式(EDI)は、水を軟水にするために使用できる1つの工程である。EDIは、電気活性媒体及びイオン輸送に影響を与えるための電位を使用して液体からイオン性種を除去する工程である。電気活性媒体は、イオン性種の収集と放出を交互に行うか、又はイオン若しくは電子置換メカニズムによって連続的にイオンの輸送を容易にするために機能し得る。EDI装置は、永久又は一時的電荷を有する媒体を含むことができる。かかる装置は、性能を達成又は強化することを目的とする電気化学反応を引き起こせる。これらの装置は、半透性イオン交換又は両極性膜のような電気活性膜も含む。
【0006】
連続的電気再生式脱イオン方式(CEDI)は、一次サイジングパラメータが、媒体を通る輸送であって、媒体のイオン容量でない工程である。典型的なCEDI装置は、半透性アニオン及びカチオン交換膜を含む。膜間の空間は、入口及び出口を有する液体流れ区画を作るように構成される。横方向直流電界が、膜及び区画の境界で電極を使用して外部電源によって与えられる。多くの場合、電極区画は、電極からの反応生成物が、他の流れ区画から分離できるように提供される。電界を与えると、液体中のイオンは、そのそれぞれの対向電極に引き付けられる。電気活性アニオン浸透膜及びカチオン膜に接するイオン減耗(以下単に減耗という)区画は、通常、イオン減耗されるようになり、かつ電気活性カチオン浸透膜及び電気活性アニオン膜に接する隣接するイオン濃縮(以下単に濃縮という)区画は、通常、イオン濃縮されるようになる。減耗区画内、及び場合により濃縮区画内の容量は、電気活性媒体も含む。CEDI装置において、媒体は、密接に混合したアニオン及びカチオン交換樹脂を含み得る。イオン交換媒体は、通常、区画内のイオンの輸送を強化し、制御された電気化学反応の基質として関与し得る。電気再生式脱イオン方式は、例えば米国特許第4632745号、第4925541号、及び第5211823号明細書でGiuffrida et al.によって、米国特許第5259936号及び第5316637号明細書でGanziによって、米国特許第5154809号明細書でOren等によって、かつ米国特許第5240579号明細書でKedemによって開示されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は水処理方法を提供する。この処理方法は、処理水及び濃縮水流を生成するために水を電気化学装置に導入することと、電気化学装置の濃縮区画内で濃縮水流の少なくとも一部を再循環させることと、所定の放出スケジュールに従って、濃縮水流の所定の部分を放出することとを含むことができる。
【0008】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、濃縮区画と、濃縮区画の下流に位置決めされた、正に帯電した流量レギュレータとを含む電気化学装置を提供する。
【0009】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、水処理を推進する方法を提供する。この方法は、濃縮区画と、濃縮区画の下流に位置決めされた流量レギュレータとを含む電気化学装置を提供することを含むことができる。流量レギュレータは、電気化学装置の操作中、正電荷を有するように構成され、かつ配列される。
【0010】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、水処理方法を提供する。この方法は、処理水を生成するために電気化学装置に水を導入することと、処理水の少なくとも一部を貯蔵することと、処理水の生成を中止することと、電気化学装置内の何らかの流体を処理水と置換することとを含むことができる。
【0011】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、入口点と、入口点に流体的に接続された濃縮区画及び減耗区画を含む電気化学装置と、濃縮区画の下流に流体的に接続された正に帯電した流量レギュレータと、減耗区画に流体的に接続された貯蔵システムと、貯蔵システムに流体的に接続された使用地点とを含むシステムを提供する。
【0012】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、濃縮区画と、所定の放出スケジュールに従って制御装置によって制御され、かつドレンへの廃棄水流の流れを制御するために、濃縮区画の下流に流体的に接続された流量レギュレータとを含む電気化学装置を提供する。
【0013】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、水を軟水にする方法を提供する。この方法は、軟水を生成するために電気化学装置の減耗区画に水を導入することと、電気化学装置の濃縮区画内で濃縮水流を再循環させることと、流量レギュレータに近接した濃縮水流のpHを変更することとを含むことができる。
【0014】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、流体廃棄水流を有する濃縮区画と、濃縮区画からドレンへの流体廃棄水流の一部を制御するダイヤフラム弁とを含む電気再生式脱イオン装置を提供する。
【0015】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、流体廃棄水流を有する濃縮区画と、所定のスケジュールに従って濃縮区画からドレンへ廃棄水流の一部を放出する手段とを含む電気再生式脱イオン装置を提供する。
【0016】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、廃棄システムを有する濃縮区画と、廃棄水流をドレンに放出する手段と、廃棄水流放出手段に正電荷を印加する手段とを含む電気化学装置を提供する。
【0017】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、流体処理を促進する方法を提供する。この方法は、減耗区画と、所定の放出スケジュールに従って制御装置によって制御され、かつドレンへの廃棄水流の流れを制御するために濃縮区画の下流に流体的に接続された流量レギュレータとを含む電気化学装置を有する流体処理システムを提供する。
【0018】
本発明の他の利点、新しい特徴及び目的は、概略的であり、かつ一定の比率で書かれることを意図しない添付図面と併せて考慮されたとき、以下の本発明の詳細な説明から明らかになるであろう。図では、種々の図中で例示される同一又は実質的に類似する各部品は、単一の数字又は表記によって表される。明瞭にするため、全ての図の全ての部品に標識が付けられているわけでなく、当業者が本発明を理解することを可能にするために、例示が必要でないときには本発明の各実施態様の全ての部品が示されているとは限らない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の好ましい、但し必ずしもそれに限定されるとは限らない実施態様は、例として、かつ添付図面を参照して記載される。
【0020】
本発明は、産業、商業及び住宅用途における水処理システム及び処理水を提供する方法を対象にする。本発明による処理システムは、都市用水、井戸水、汽水及び汚れを含む水のような、水源からの水に含まれる何らかの硬度誘発種の少なくとも一部を除去することによって、処理水、又は軟水を使用地点に提供する。システムの他の用途は、飲食料品、糖類の処理及び加工、化学、製薬、飲食料品、廃水処理、及び発電産業のような種々の産業にある。
【0021】
水処理システムは、通常、水源又は入口点から水を受け、かつ処理水を使用地点に送り出す前に少なくとも数種の望ましくない種を含む水を処理する。処理システムは、通常、電気再生式脱イオン装置と直列に貯蔵システムを有する。実施態様によっては処理システムは、水の少なくとも1つの特性、又は処理システムの操作条件を測定するセンサを更に含む。他の実施態様では、処理システムは、処理システムの少なくとも1つの操作パラメータ、又は処理システムの部品を調整又は規制するための制御装置も含む。
【0022】
図1は、水処理システムの1つの実施態様による概略フローチャートを示す。水処理システム10は、通常、上流端で水源又は入口点14に、及び通常、下流端で電気再生式脱イオン装置16に流体的に接続された貯蔵システム12を含むことができる。水処理システム10は、通常、貯蔵システム12の下流に流体的に接続された使用地点18を含む。本発明の幾つかの実施態様では、水処理システム10は、センサ20と、電気再生式脱イオン装置16に電力を提供する電源24を制御又は規制する制御装置22とを同様に含む。電気再生式脱イオン装置16は、通常、貯蔵システム12内へ貯蔵し、かつ使用地点18へ最終的に送り出すための処理水を生成するために、入口点14から流れる被処理水から望ましくない種を除去する。電気再生式脱イオン装置16によって除去される望ましくない種は、通常、補助使用又はドレン26に移行される。
【0023】
本発明の幾つかの実施態様において、水処理システム10は、通常、貯蔵システム12又は電気再生式脱イオン装置16の上流に流体的に接続された、前処理システム28を更に含む。更に、水処理システム10は、通常、ポンプ30及び弁32のような流体制御部品も含む。
【0024】
本発明は、次の定義に照らして、更に理解されるであろう。すなわち、「加圧された」は、大気圧を超える、内圧又は加えられた圧力を有するシステム又は部品を指す。例えば、加圧貯蔵システムは、大気圧よりも大きい内圧を有する。例示するために、本発明は、電気再生式脱イオン装置に関して記載された。しかしながら、本発明のシステム及び技術は、被処理流体水流からの望ましくない種の除去又は減少を達成する他の電気化学装置を利用しても良い。例えば、電気化学装置は、電気透析装置、又は本発明の実施態様によっては、容量式脱イオン化装置を含むことができる。
【0025】
図2は、本発明の電気再生式脱イオン装置の1つの実施態様を通過する流体及びイオン流路の断面図を概略的に示す。電気再生式脱イオン装置16は、イオン減耗又は減耗区画34と、減耗区画34の間に位置決めされたイオン濃縮又は濃縮区画36とを含む。減耗区画34は、通常、陽極液区画38及び陰極液区画40に接する。通常、エンドブロック(図示せず)は、陽極42及び陰極44を、それぞれの区画に収容するためにエンドプレート(図示せず)に隣接して位置決めされる。本発明の幾つかの実施態様において、区画は、通常、区画の両側の周辺部に周辺密封された、カチオン選択膜46と、アニオン選択膜48とを含む。
【0026】
カチオン選択膜及びアニオン選択膜は、通常、イオン交換粉末と、ポリエチレン粉末結合剤と、グリセリン潤滑剤とからなる。本発明の実施態様によっては、カチオン及びアニオン選択膜は、通常、複合シートを作るために、熱及び圧力を使用する熱可塑性工程によって押し出し成形された、不均質ポリオレフィンをベースとする膜である。しかしながら、均質膜の単独の、又は不均質膜と組み合わせた使用が、本発明によって想定されている。代表的な、適切なイオン選択膜は、例えばスルホン酸又は4級アンモニウム官能基を有するスチレン−ジビニルベンゼンを使用して支持されるウェブ、ポリフッ化ビニリデン結合剤中でスチレン−ジビニルベンゼンを使用して支持されるウェブ、及びポリエチレンシート上の独立スルホン化スチレン及び4級化ビニルベンジルアミングラフト体を含む。
【0027】
濃縮区画36は、通常、カチオン交換樹脂50で満たされ、かつ減耗区画34は、通常、カチオン交換樹脂50及びアニオン交換樹脂52で満たされる。本発明の実施態様によっては、カチオン交換及びアニオン交換樹脂は、種々の配列中の多数の層が組み立てられるように、減耗、濃縮及び電極区画のいずれかの中の層内に配列できる。例えば減耗、濃縮及び電極区画のいずれかの中での混合床イオン交換樹脂の使用、アニオン及びカチオン交換樹脂の層状床間の不活性樹脂の使用、米国特許第5858191号明細書でDiMascio等によって教示されたものを含むが、それらに限定されない種々のタイプ及び配列のアニオン及びカチオン樹脂の使用を含む他の実施態様は、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0028】
操作中、硬度イオン種を含み、溶解カチオン及びアニオン成分を有する、通常は入口点14で処理システムに入る上流水源からの被処理液体54は、マニホルド60を通って減耗区画34に導入され、ここでカチオン成分は、カチオン交換樹脂50に引き付けられ、かつアニオン成分は、アニオン交換樹脂52に引き付けられる。通常、電気再生式脱イオン装置16の反対端に位置決めされる陽極42及び陰極44を通り、電気再生式脱イオン装置16を横切って印加される電界は、通常、液体中のカチオン及びアニオン成分が、その求引電極に対応する方向に移動する傾向を有するように流体の流れの方向に対して垂直に通過する。
【0029】
カチオン成分は、カチオン選択膜46を通って隣接濃縮区画36へ移動できる。濃縮区画36の反対側に位置決めされるアニオン選択膜48は、隣接区画への移動を妨げることができ、それにより濃縮区画内のカチオン成分を捕捉する。同様に、アニオン成分は、イオン選択膜を通って移動できるが、通常、カチオン成分の移動方向に対して反対の方向である。アニオン成分は、アニオン選択膜48を通って、減耗区画34から隣接濃縮区画36へ移動できる。濃縮区画36の反対側に位置決めされるカチオン選択膜46は、更なる移動を妨げることができ、それ故に濃縮区画内のアニオン成分を捕捉する。イオン成分は、網効果により減耗区画34内で液体54から除去又は減耗され、かつ濃縮区画36内で収集され、処理水生成水流56及び濃縮又は廃棄水流58をもたらす。
【0030】
本発明の実施態様によっては、電気再生式脱イオン装置16を横切る印加電界は、水の水素及びヒドロキシルイオンへの分解に至らせる分極現象を作ることができる。水素及びヒドロキシルイオンは、溶解したイオン成分の除去が、連続的に、かつイオン種の移動によって消耗したイオン交換樹脂を再生する別個のステップなしに起きることができるように、減耗区画34内でイオン交換樹脂50及び52を再生できる。電気再生式脱イオン装置16を横切る印加電界は、通常、直流である。しかしながら、一方及び他方の電極間でバイアス又は電位差を作るいかなる印加電界も、イオン種の移動を促進するために使用できる。従って、カチオン及びアニオン種をそれぞれの求引電極に引き付けるために十分な電極間の電位差があるという条件で、交流を使用できる。本発明の更にもう1つの実施態様において、交流は、電流が電気再生式脱イオン装置を横切って印加される時、それぞれのイオン種を引き付ける電位勾配が作られるように交流を脈動直流に変換するために、例えばダイオード又はブリッジ整流器を使用することによって整流できる。
【0031】
通常、減耗区画34内で利用される電気活性媒体、例えばイオン交換樹脂ビード50及び52は、3級アルキルアミノ基及びジメチルエタノールアミンのような、種々の官能基をその表面領域に有しても良い。これらの物質は、4級アンモニウム基のような、種々の官能基をその表面領域に有するイオン交換樹脂材料と組み合わせても、使用できる。
【0032】
貯蔵システム12は、入口点14又は水源からの水を貯蔵又は蓄積でき、かつ電気再生式脱イオン装置16からの生成物水流56からの軟水又は処理水を貯蔵することにも役立つことができ、かつ通常は処理水である水、又は分配システムを通る入口点14から使用地点18の水と混合された処理水を提供することもできる。本発明の1つの実施態様において、貯蔵システム12は、加圧貯蔵システムである。加圧貯蔵システム内の圧力は、種々の方法及び技術、例えば水をポンプで加圧して、又は水源を高くし、このようにして水頭圧力を作ることによって、作ることができる。
【0033】
本発明の実施態様によっては、貯蔵システム12は、加圧容器、又は入口62及び出口64のような、流体の流れの入口及び出口を有する容器を含む。入口62は、通常、入口点14に流体的に接続され、かつ出口64は、通常、配水システム又は使用地点18に流体的に接続される。貯蔵システム12は、数個の容器、即ち各容器の種々の位置に位置決めされた数個の入口を有する数個の容器を有することができる。同様に、出口64は、とりわけ使用地点18への需要又は流量、電気再生式脱イオン装置16の容量又は効率、及び貯蔵システム12の容量又は滞留量に応じて、種々の位置で、各容器に位置決めされても良い。貯蔵システム12は、望ましい機能を実行するか、又は望ましくない結果を回避する、種々の部品又は要素を更に含むことができる。例えば、貯蔵システム12は、貯蔵システム12の容器内のいかなる内部流れ電流も中断させるために位置決めされるバッフルのような、内部部品を有する容器を有することができる。本発明の実施態様によっては、貯蔵システム12は、流体を加熱又は冷却する熱交換器を有する。例えば、貯蔵システム12は、高温で加熱流体を有することができる加熱コイルを有する容器を含むことができる。加熱流体は、加熱流体温度を炉内で上昇させる時、容器内の水の温度が熱伝達を介して増加するように、炉のような、加熱単位操作による閉ループの流れにおける熱水であっても良い。補助的又は追加部品の他の例には、何らかの容器の内圧を軽減し、かつ容器破裂の可能性を回避又は少なくとも減少させることを目的とする圧力逃がし弁、及び所望の操作圧力を維持するのに適した熱膨張タンクを含むが、それらに限定されない。熱膨張タンクの寸法及び容量は、貯蔵システムの水の総量、操作温度及び圧力を含むが、それらに限定されない要因によって決まる。
【0034】
操作中、貯蔵システム12は、通常、入口点14の下流に接続され、かつ電気再生式脱イオン装置16と、再循環ループのように、直列に流体的にインライン接続される。例えば、入口点14からの水は、入口62に流れることができ、かつ貯蔵システム12内に含まれるバルク水と混合できる。水は、通常、出口64を通って貯蔵システム12から出て、かつ何らかの望ましくない種を処理又は除去するために、使用地点18へ、又はポンプ30を通って電気再生式脱イオン装置16に向かう。電気再生式脱イオン装置16を脱した処理水は、入口点14からの水と混合でき、かつ入口62を通って貯蔵システム12に入ることができる。このようにして、一つのループが、貯蔵システム12及び電気再生式脱イオン装置16の間に画定又は形成でき、かつ入口点14からの給水は、使用地点18において形成されかつ使用地点18に流れる水の需要を満たせる。
【0035】
入口点14は、水源から水を提供できるか、又は水源を水処理システムへ接続できる。水源は、都市用水若しくは井戸水のような飲用水源であっても良く、又は汽水若しくは塩水源のような非飲用水源であっても良い。通常、中間処理又は処理システムは、入口点14に到着する前に人間の消費に適するように、水を処理する。水は、通常、ナトリウム、塩化物、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、炭酸塩、硫酸塩、又はシリカ及び二酸化炭素のような、他の不溶性若しくは半可溶性種又は溶解ガスを含むイオン若しくはイオン性種又は溶解塩を含む。その上、水は、フッ化物、塩素酸塩及び臭素酸塩のような、但しそれらに限定されない添加剤を含むことができる。
【0036】
本発明のもう1つの実施態様において、水処理システム10は、配水システムを含み、この配水システムは、次いで使用地点に接続される。配水システムは、貯蔵システム12から使用地点18に加圧水、通常、処理水を提供するために、流体的に接続される部品を含むことができる。配水システムは、貯蔵システム12から1つ又は幾つかの使用地点18に、又は水処理システム10のいずれかの部品に水を提供するために、パイプ、弁、T字管、ポンプ及びマニホルドの配列を含むことができる。
【0037】
使用地点18は、通常、水を必要とするか又は要求する何らかの装置又は器具である。例えば、使用地点18は、洗濯機又は皿洗い機のような器具であるか、又は水を台所流し又はシャワーヘッドに提供することに役立つ水栓であっても良い。本発明のもう1つの実施態様において、使用地点18は、家庭又は住宅用途に適した水を提供するシステムを含む。本発明の更にもう1つの実施態様において、水処理システム10は、水処理システム10内の水の少なくとも1つの物理的特性を測定するセンサ、通常、水特性センサも含む。例えば、センサ20は、濁度、アルカリ度、水導電率、pH、温度、圧力、又は流量を測定できる装置であって良い。センサ20は、特に好ましい水特性を測定するために、水処理システム10内に設置又は位置決めできる。例えば、センサ20は、水の導電率を測定し、水の導電率によって、使用地点18で供給のために利用可能な水質を間接的に測定するように貯蔵システム12内に設置された水導電率センサであっても良い。本発明のもう1つの実施態様において、センサ20は、貯蔵システム12内に一連の又は一組のセンサを含むことができる。一組のセンサは、貯蔵システム12内の水質が制御装置22を介して断続的又は連続的に監視され、かつ水質又は電気再生式脱イオン装置16の操作が以下に記載したように最適化できるように、配列でき、かつ制御装置22に接続できる。他の実施態様は、水処理システム10中の種々の位置で、センサの組の組み合わせを含むことができる。例えば、センサ20は、使用地点18への流量を測定する流量センサであっても良く、かつ水処理システム10の操作条件を監視する比濁計、pH、温度及び圧力センサのいずれかを更に含むことができる。
【0038】
本発明のもう1つの実施態様によれば、水処理システム10は、水が、例えば貯蔵システム12又は電気再生式脱イオン装置16に導入される前に、水から何らかの望ましくない種の一部を除去することを目的とする前処理システム28を更に含む。前処理システムの例には、通常汽水又は塩水を脱イオンするために使用される逆浸透装置を含むが、それらに限定されない。前処理システムの部品として、炭素又は木炭フィルタは、電気再生式脱イオン装置16を汚染するか又はその操作を妨げ得る何らかの種又は活性塩素を含む何らかの塩素の少なくとも一部を除去するために必要であり得る。
【0039】
前処理システム28は、水処理システム10内のどこにでも位置決めできる。例えば、少なくともいくらかの塩素種は貯蔵システム12内に保持されるが、水が電気再生式脱イオン装置16に入る前には除去されるように、前処理システム28を、貯蔵システム12の上流、又は加圧システム12の下流ではあるが電気再生式脱イオン装置16の上流側に設置することができる。
【0040】
本発明の1つ以上の実施態様によれば、水処理システム10は、水処理システム10及びその部品の操作条件を監視及び制御することが可能な制御装置22を更に含む。制御装置22は、通常、水処理システム10の構成要素へ入力及び出力信号を受信又は送信する、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)又は分散制御システムのような、マイクロプロセッサベースの装置を含む。例えば、制御装置22は、電気再生式脱イオン装置16に電力を供給できる電源24に信号を送信できるか、又はポンプ30に電力を提供するモータ制御センタに信号を提供できるPLCであっても良い。幾つかの実施態様において、制御装置22は、開ループ又は閉ループ制御方式で、水処理システム10の操作条件を規制できる。例えば、開ループ制御中の制御装置22は、水が、いかなる操作条件も測定することなく処理されるように、水処理システムに信号を提供できる。対照的に、制御装置22は、操作パラメータが測定された操作条件に応じて調整できるように、閉ループ制御中の操作条件を制御できる。本発明の更にもう1つの実施態様において、制御装置22は、遠隔ステーションに測定操作条件又は操作パラメータのいずれかを転送又は送信する遠隔通信装置のような、通信システムを更に含むことができる。
【0041】
本発明のもう1つの実施態様によれば、制御装置22は、水処理システム10内の流体の流れパラメータが、入口点14からの水質、使用地点18への水質、使用地点18への水の需要又は水質、電気再生式脱イオン装置16の操作効率又は容量を含むが、それらに限定されない種々の操作パラメータ、又は水導電率、pH、温度、圧力、組成及び流量のような種々の操作条件のいずれかに基づき調整できるか、調整可能であるように、水処理システム10のいずれかの弁32を作動させる信号を提供できる。本発明の1つの実施態様によれば、制御装置22は、制御装置22が水処理システム10の操作パラメータを監視可能であっても良いように、センサ20から信号を受信できる。例えば、センサ20は、貯蔵システム12内の水導電率が制御装置22によって監視されるように、貯蔵システム12内に位置決めされた水導電率センサであっても良い。制御装置22は、センサ20によって測定された水質に基づき、電気再生式脱イオン装置16に電界を提供する電源24を制御する。操作中、制御装置22は、電気再生式脱イオン装置16に供給される電圧、電流、又は両方を増加、減少又は別の方法で調整できる。
【0042】
本発明のもう1つの実施態様によれば、制御装置22は、所定のスケジュールに従って、又は水質のような操作条件又は他のいずれかの操作パラメータに従って、電源24から電気再生式脱イオン装置16への印加電界の方向を逆にできる。例えば米国特許第4956071号明細書でGiuffrida等によって記載された極性反転は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0043】
制御装置22は、プログラミングによって設定されるか又は設定可能であって良く、あるいは処理システム10の耐用年数及び効率のいずれかを最大にするか、又は操作コストを減少させることが可能であるように自己調整できる。例えば、制御装置22は、電気再生式脱イオン装置16への印加電圧及び電流、電気再生式脱イオン装置の濃縮及び減耗区画を通る流量、又は電気再生式脱イオン装置若しくは前処理システム、又は両方から、ドレン26へ放出するための流量を調整する、使用者が選択可能な設定点又は自己調整設定点を有するマイクロプロセッサを含むことができる。本発明のもう1つの実施態様において、制御装置22は、電気再生式脱イオン装置のサイクル変更を調整可能であるように、プログラムできる。例えば、制御装置22は、使用地点に送り出される水の導電率のような、但しそれに限定されない測定水特性に基づき、電気再生式脱イオン装置を横切る印加電界の複数の反転間の期間を制御できる。本発明のもう1つの実施態様において、制御装置22は、貯蔵システム12内の水のランゲリア飽和指数(LSI)を算出でき、かつ算出LSI及び設定点の間の差に基づき、システム10の操作パラメータを調整できる。LSIは、例えば米国材料試験協会規格ASTM D 3739に記載された手順により算出できる。本発明の実施態様によっては、軟水のような処理流体は、スケールが付着する低い傾向を有するように、低いLSIを有する。ここで使用されるように、低LSI水は、約2未満、好ましくは約1未満、かつ更に好ましくは約ゼロ未満のLSIを有する。実施態様によっては、本発明は、低い導電率を有する水のような処理液体を提供する。ここで使用されるように、低導電率液体は、約300μS/cm未満、好ましくは約220μS/cm未満、かつ更に好ましくは約200μS/cm未満の導電率を有する。
【0044】
制御装置22は、不安定なオンオフ制御又はチャッタリングの可能性を減少させるために、不感帯制御部を組み込むことができる。不感帯は、制御信号の不必要な応答を引き起こさないようなセンサが提供する信号出力の範囲を指す。不感帯は、実施態様によっては、センサのような処理システムの1つ以上の部品内に本質的に存在し得るか、又は制御システムの一部としてプログラムされ得るか、又は両方である。不感帯制御部は、測定運動を平滑にすることによって不必要な断続的操作を回避できる。かかる制御技術は、処理システム10の部品の寿命又は故障する前の平均時間を長引かせることができる。使用できる他の技術は、多数決方式、時間平滑化若しくは時間平均化測定又はその組み合わせの使用を含む。
【0045】
従って、本発明の1つ以上の実施態様によれば、処理システムは、通常、貯蔵システム12の第1領域内で大気圧を超える圧力で、水源に接続される入口点14からの水を貯蔵する。貯蔵システム12は、処理水を使用地点18へ移行する配水システムに流体的に接続されても良い。処理システム18は、貯蔵システム12の第2領域内の貯蔵システム12に導入される処理水を生成するために、何らかの望ましくない種の少なくとも一部を除去することによって、入口点14からの水を処理する電気再生式脱イオン装置16も有することができる。貯蔵システム12の第1及び第2領域は、少なくとも1つの水質センサ、更に好ましくは、同様に電気再生式脱イオン装置16の操作パラメータを調整できる、制御装置22に接続された一組の水質センサによって監視できる。このように、制御装置22は、貯蔵システム12の第1及び第2領域を監視でき、かつ第1及び第2領域内の水の特性を測定するセンサ又は一組のセンサ20によって測定された特性のいずれかに応じて電気再生式脱イオン装置16の操作を規制できる。
【0046】
本発明の更にもう1つの実施態様において、制御システム22は、センサ又は一組のセンサ20を介して、貯蔵システム12の第1及び第2領域内の水の特性を測定でき、かつ少なくとも1つの使用地点18へ流れる流量も測定でき、かつ測定特性に基づき、電気再生式脱イオン装置16の操作パラメータを調整できる。例えば、増加した流量が、使用地点18において測定される時、制御装置22は、使用地点18に流れる追加の需要を補うために、水を処理する電気再生式脱イオン装置16の操作パラメータを調整する。もう1つの実施例において、制御装置22は、貯蔵システム12の第1及び第2領域内の容量、及び使用地点18によって要求される過去の需要に応じて、電気再生式脱イオン装置16の操作パラメータを調整できる。
【0047】
本発明のもう1つの実施態様によれば、制御装置22は、需要及び水質を監視し、かつ印加電圧の増加若しくは減少、又は電気再生式脱イオン装置16の電界反転間の期間のような電気再生式脱イオン装置の操作を調整することが可能な、適応又は予測アルゴリズムを組み込むことによって処理システムの操作を制御する。例えば、制御装置22は、シャワーヘッドとなる使用地点18に供給するための、住居用途における早朝時間中の処理水の高い需要を予想する際に予測技術を利用できる。
【0048】
本発明のもう1つの実施態様において、処理システム10は、ドレン26への放出又は廃棄水流の流れを制御する流量レギュレータ32aを含む。流量レギュレータ32aは、ドレン26に流れる廃棄水流の総計又は量を調整できる。実施態様のもう1つの形態において、流量レギュレータ32aは、ドレン26への脈動流を作ることが可能であり、かつ弁若しくはオリフィスプレート又はその組み合わせのいずれかを含むことができる。本発明のもう1つの実施態様において、流量レギュレータ32aは、通常、処理システム内で下流に流体的に配置されるために、脈動流は、処理システム10全体にわたるか又はその一部において伝搬できる圧力波又は圧力面を作ることができる。1つの実施態様のもう1つの形態において、圧力波は、処理システム10内で捕捉又は蓄積されるいかなる固体、沈殿物質又はガスも、種又はガスがドレン26を通って運搬され、かつドレン26に放出できるか、又は処理システム10の通気孔(図示せず)を通って解放できるよう、取り除くために十分である。
【0049】
本発明のもう1つの実施態様によれば、流量レギュレータは、所定の流量を可能にするために、所定の期間、所定のスケジュールに従って断続的に開閉できる弁である。ドレンに流れる流体の総計又は量は、例えば流量レギュレータが開閉する頻度を変更することによって、又は流量レギュレータが開放又は閉鎖する間の時間を変更することによって調整又は変更できる。1つの実施態様において、流量レギュレータは、例えば作動信号を介して、制御装置22によって制御又は規制できる。それ故に、本発明の1つの実施態様において、制御装置22は、流量レギュレータを開閉する例えばモータ又はダイアフラムでもって、無線、電流又は空気圧信号のような作動信号をアクチュエータに提供する。
【0050】
弁又は流量レギュレータ32aによって制御される流体は、前処理装置からの廃棄水流、又は廃棄水流58のような廃棄物に放出される何らかの水流中のいかなる流体であっても良い。それ故に、1つの実施態様において、処理システムが逆浸透装置を有する前処理システムを含むならば、その場合廃棄水流は、電気再生式脱イオン装置からの放出流体及び逆浸透装置からの放出流体を含むことができる。本発明の更にもう1つの形態において、図2を参照すると、廃棄水流58は、電気再生式脱イオン装置の電極区画38及び40又は濃縮区画36からの流体のいずれかを含むことができる。電極区画又は濃縮区画からの流体は、電極区画、濃縮区画、又は両方への放出前に、ドレン26に直接送るか、又は再循環させても良いことがわかる。このようにして、全体の放出量が低くなるために操作コストが減少しながら、処理システムの全体的効率は、増加できる。更にもう1つの実施態様において、本発明は、システム操作圧力のような少なくとも1つの測定パラメータに応じて、操作パラメータ、例えばドレンへの放出量、又は放出期間の調整を行う。例えば図3の弁32lが、放出するために開放して作動される期間は、使用地点18に供給される液体の測定圧力に基づき、調整できる。場合により、流量レギュレータは、測定圧力を減少させるために開放して作動され得るか、又は測定圧力が所定値未満である時、弁のタイプに応じて、最小限に作動され得る。かかる二次的制御方式は、流量レギュレータを作動させる既存の制御ループのいずれかの中に組み込めるか、又はネットワーク化できる。
【0051】
本発明の1つ以上の実施態様によれば、流量レギュレータは、それを通して最小の圧力降下を有するか、圧力降下のない高速開放弁である弁を含む。適切な弁の例には、例えばBurkert USA(Irvine、California)及びSouth Bend Controls,Inc.(South Bend、Indiana)から入手可能である、ダイヤフラム弁、並びにボール弁、仕切り弁、蝶形弁を含むが、それらに限定されない。使用できる他の弁には、ピンチ弁若しくはフレックス弁、又は駆動中、いかなる沈殿したスケールも落とすか、取り除くことができるいかなる弁も含む。
【0052】
本発明のもう1つの実施態様おいて、流量レギュレータは、圧力制御ループの一部、並びに濃縮放出制御ループの一部となることができる。例えば、濃縮水流の測定導電率が設定点に達する時、流量レギュレータは、制御装置22によって作動できる。別個の圧力制御ループは、システム10内の圧力を軽減するために、並置できる。上述の制御方式のいずれにおいても、制御ループは、フィードバック、並びに比例、微分、積分のいずれか又は好ましくはその組み合わせの制御系を組み込める。
【0053】
もう1つの実施態様において、流量レギュレータは、それを通って流れる印加電荷を有することができる。印加電荷は、1つの実施態様において、流量レギュレータの周りにイオン種を発生させるために十分な電圧又は電流である。また、好ましい実施態様において、印加電荷は、正に帯電したイオン種を発生させるために十分である。更にもう1つの実施態様において、印加電荷は、流量レギュレータを取り囲む流体のpHを減らすイオン種を作る。それ故に、1つの実施態様の1つの形態において、印加電荷は、正に帯電した水素イオンを発生させるために十分である。好ましくは、印加電荷は、実際にpHを約7未満、好ましくは約6未満、かつ更に好ましくは約5未満に変更する十分な水素イオンを発生させる。それ故に、本発明の1つの実施態様のもう1つの形態によれば、流量レギュレータは、周囲の流体のpHを減少させるために十分なイオン種を発生させる印加電荷を有することができる、流れオリフィスを有するプレート若しくは弁、又はその組み合わせのいずれかである。流量レギュレータは、長期の浸水に耐えられるいかなる適切な材料で作られても良い。かかる材料の例には、ステンレス鋼、プラスチック、黒鉛のような導電複合材料を含むが、それらに限定されない。
【0054】
本発明の1つの実施態様の更にもう1つの形態において、電荷は、定期的に印加されるか、又は処理システムの操作条件に応じて印加される。例えば、電荷は、所定の定期スケジュールに従って印加される印加電荷であっても良く、又は印加電荷は、水導電率、電気再生式脱イオン装置を横切る圧力降下、水pH、電気再生式脱イオン装置上の変更電圧若しくは電流のいずれか、又はそのいずれかの組み合わせのような操作パラメータの変更時に印加できる。
【0055】
本発明のもう1つの実施態様において、補助的用途への水、典型的には廃棄水流58からの水は、追加の又は二次的利益に役立つことができるか、又は追加の又は二次的利益を提供できる。例えば、廃棄水流58は、ドレン26に行くよりもむしろ、灌漑用、収集若しくは濃縮塩の再利用又は回収用のような、何らかの住宅、商業又は産業用途に灌漑用水を提供するために使用できる。
【0056】
本発明は、例示的でありかつ本発明の範囲を限定することが意図されない次の実施例を介して更に説明される。
【実施例1】
【0057】
図3に概略的に示す処理システムが、設計され、かつ性能に関して評価された。処理システム10は、前処理システム(図示せず)及び加圧容器12を有する電気再生式脱イオン装置16を有した。入口点14からの水は、加圧容器12に導入され、かつ電気再生式脱イオン装置16を通して再循環された。水処理システムは、加圧容器12の入口62の上流で、かつ出口64の下流で、センサ20b及び20cによって測定された、測定水導電率に基づき、プログラマブルコントローラ(図示せず)によって制御された。
【0058】
電気再生式脱イオン装置16は、13インチ(約33センチ)の流路を有する、10セル対スタックからなっていた。各セルは、AMBERLITE(登録商標)SF120樹脂及びAMBERLITE(登録商標)IRA458樹脂で満たされ、両方ともRohm & Haas Company、Philadelphia、Pennsylvaniaから入手可能である。電気再生式脱イオン装置は、酸化ルテニウムで被覆された膨張チタン電極を利用した。
【0059】
加圧容器12は、約17ガロン(約64リットル)の容量を有する直径10インチ(25.4センチ)のガラス繊維容器であった。電気再生式脱イオン装置から離れる濃縮水流は、弁32b、32c、32e、32f、32g、32h、32j及び32lを規制することによって部分的に再循環し、かつ部分的にドレン26に排出された。入口点14からの補給水が、適切な配列内で弁32b、32c、及び32dを規制することによってドレン26に排出された水を補うために、再循環水流に供給された。
【0060】
電気再生式脱イオン装置16から出る処理水は、弁32i及び32kを作動させることによって容器12に移行された。加圧容器12の出口64からの使用地点18への処理水の流量は、弁32aを調整することによって規制された。操作条件及び水特性を測定する数個のセンサが、圧力指示器20d、20f、20g、20h及び20i、流量指示器20a、20e、20j及び20k、並びに導電率センサ20b、20c及び20lを含み、水処理システム10中にわたって設置された。
【0061】
制御装置は、Allen−Bradley Company,Inc.、Milwaukee、Wisconsinから入手可能な、MicroLogix(商標)1000プログラマブルコントローラを含んだ。電気再生式脱イオン装置は、流れスイッチ信号によって、又は加圧容器から離れる出口水流の水導電率が、設定点よりも高いことが検出された時に、起動するように設定された。電気再生式脱イオン装置への供給は、第2供給ポンプを介して加圧容器から循環された。電気再生式脱イオン装置に印加された電界の極性は、必要に応じて逆にされた。
【0062】
弁32j及び32lは、ドレン26への完全に開放した又は完全に閉鎖された流路を提供する「開閉」タイプ弁であった。弁32j及び32lは、ニードル弁又はボール弁からなっていた。弁32j及び32lは、制御装置(図示せず)によって作動され、かつ所定のスケジュールに従って開閉した。その上、弁32j及び32lは、周囲の流体のpHを下げるため、水素イオンを生成するために十分な、印加された正電荷を有した。
【実施例2】
【0063】
図4に概略的に示す直列の水処理システムは、設計され、操作され、かつ性能に関して評価された。水処理システム10は、電気再生式脱イオン装置16及び加圧貯蔵容器12を有した。入口点14からの水は、加圧貯蔵容器12に入口62を通って導入され、かつポンプ30a及び30bを使用して循環させ、かつ前処理ユニット28a及び28b、並びに電気再生式脱イオン装置16を通って処理された。水処理システムは、センサ20a、20b及び20cのいずれかによって測定された、測定水導電率に基づき、プログラマブルコントローラ(図示せず)によって制御された。
【0064】
電気再生式脱イオン装置16は、長さ約7.5インチ(約19センチ)及び幅約2.5インチ(約6.4センチ)の流路を有する、10セル対スタックからなっていた。各セルは、約40%のAMBERLITE(登録商標)SF120樹脂及び約60%のAMBERLITE(登録商標)IRA458樹脂で満たされ、両方ともRohm & Haas Company、Philadelphia、Pennsylvaniaから入手可能である。電気再生式脱イオン装置は、酸化ルテニウムで被覆された膨張チタン電極を有した。
【0065】
制御装置は、Allen−Bradley Company,Inc.、Milwaukee、Wisconsinから入手可能な、MICROLOGIX(商標)1000プログラマブルコントローラであった。電気再生式脱イオン装置は、流れスイッチ信号によって、又は加圧容器から離れる出口水流の水導電率が設定点よりも高い時に、起動するように設定された。電気再生式脱イオン装置は、導電率が設定点に到達するまで稼働した。電気再生式脱イオン装置からの供給は、第2供給ポンプを経由して加圧容器から循環された。電気再生式脱イオン装置に印加された電界の極性は、約15分毎に逆にされた。電気再生式脱イオン装置16の部品を制御することに加えて、PLCは、センサ20a、20b、20c及び20dからの測定データを収集し、貯蔵し、かつ転送した。
【0066】
加圧容器12は、約30ガロンの容量を有する直径10インチのガラス繊維容器であった。加圧容器12は、弁頭と中心マニホルドパイプが取り付けられた。電気再生式脱イオン装置から離れる濃縮水流は、弁32c、32d、32e、32f及び32gを規制することによって部分的に循環し、かつ部分的にドレン26に排出された。入口点14からの補給水が、ドレン26に排出されたいかなる水も補うために、循環水流に供給された。
【0067】
前処理システムは、25マイクロメートルの等級を有するエアレーション鉄フィルタ、20インチ×4インチ沈殿物フィルタ、及び20インチ×4インチ炭素ブロックフィルタからなっていた。
【0068】
流れの一方向において、圧力容器12からの水は、電気再生式脱イオン装置16の減耗区画(図示せず)へ導入される前に、ポンプ30aによって、加圧容器12から弁32cを通って前処理ユニット28aへ汲み上げられた。電気再生式脱イオン装置16からの処理水は、弁32fによって圧力容器12内の貯蔵へ向かわされた。イオン種を除去した流体収集は、前処理ユニット28b、電気再生式脱イオン装置16の濃縮及び電極区画(図示せず)、並びに弁32eを通ってポンプ30bによって循環した。印加電界の方向が逆にされた時、流れの方向は、ポンプ30a、前処理ユニット28a、並びに弁32c及び32fが、電気再生式脱イオン装置16の濃縮及び電極区画を通って流れながら、イオン種を蓄積している流体を循環させるように、対応して調整された。同様に、被処理水は、電気再生式脱イオン装置16の減耗区画内に導入され、かつ処理される前に、ポンプ30bを使用して、圧力容器12から弁32dを通り、前処理ユニット28bへ汲み上げられた。処理水は、弁32eによって圧力容器12に向かわされた。
【0069】
使用地点18へ、加圧容器12の出口64からの流量計20dによって測定された、処理水の流量は、弁32a及び32bを調整することによって規制された。濃縮又は廃棄水流を放出するために、弁32gは、必要に応じて操作された。入口点14からの水は、ドレン26に放出された流体を回復し、かつ置き換えるために使用された。弁32gは、ダイヤフラム弁であった。
【0070】
水処理システムは、約220μS/cmの標的設定点に到達し、かつ約1分間安定であるまで、操作された。電気再生式脱イオン装置への印加電圧は、約46ボルトであった。減耗及び濃縮区画への流量は、1分当たり約4.4リットルに維持された。排出流量は、約30秒毎に約270mlを放出するように制御された。容器内の圧力は、約15psig〜約20psigであった。放出弁32gは、運転後に分解され、かつ僅かなスケール付着を有することが認められた。
【実施例3】
【0071】
図5に概略的に示す直列の水処理システムは、設計され、操作され、かつ性能に関して評価された。水処理システム10は、電気再生式脱イオン装置16及び容器12を有した。入口点14からの水は、圧力容器12に入口62を通って導入された。被処理水は、加圧貯蔵容器12から引き出され、かつ電気再生式脱イオン装置16へ弁32a又は32bのいずれかを通って導入された。水処理システムも、電気再生式脱イオン装置16の上流に前処理システム28a及び28bを有した。電気再生式脱イオン装置16から出る水流は、弁32c及び32dの働きに応じて、ポンプ30a及び30bを通って加圧貯蔵容器12のいずれかへ移行されたか、又は電気再生式脱イオン装置16に循環して戻った。濃縮水流のドレン26への放出は、弁32eを作動させることにより制御された。処理水は、加圧貯蔵容器12から出口64を通って引き出され、かつ生成物として使用地点18に導入された。水処理システムは、測定水導電率に基づき、プログラマブルコントローラ(図示せず)によって制御された。水処理システムは、約220μS/cmの導電率が達成されるまで操作された。水処理システムからの処理水は、加圧貯蔵容器12から引き出され、かつ約3時間毎に約11〜約14ガロンの速度で使用地点18に送り出された。ポンプ30a及び30bを通る流量は、それぞれ流量計20a及び20bを介して監視された。
【0072】
電気再生式脱イオン装置16は、膨張メッシュ酸化ルテニウム電極の間の、25セル対スタックからなっていた。電気再生式脱イオン装置16は、処理水又は生成物が、減耗区画から陰極区画へ流れ、かつ濃縮区画からの濃縮水流が陽極区画を通って循環するように構成された。電気再生式脱イオン装置の各セルは、約40%のAMBERLITE(登録商標)SF120樹脂及び約60%のAMBERLITE(登録商標)IRA458樹脂で満たされ、両方ともRohm & Haas Company、Philadelphia、Pennsylvaniaから入手可能である。
【0073】
プログラマブルコントローラは、Allen−Bradley Company,Inc.、Milwaukee、Wisconsinから入手可能な、MICROLOGIX(商標)及び1000プログラマブルコントローラであった。
【0074】
電界は、電気再生式脱イオン装置を横切って印加され、かつ約15分毎に逆にされた。電気再生式脱イオン装置16を横切る印加電界は、最初に約40Vで操作され、かつ約52Vに変更された。
【0075】
容器12は、約17ガロンを含む直径約10インチのガラス繊維タンクであった。入口点14からの供給圧力は、約30psigであった。希釈及び濃縮水流中の流量は、1分当たり約1.3〜約1.4リットルで維持された。
【0076】
前処理システム28a及び28bは、約0.5マイクロメートルの等級を有する5インチ炭素ブロックフィルタからなっていた。その上に、1つのデプスフィルタ及び1つの1インチ沈殿物フィルタからなる前処理システムが、被処理水を容器12内に導入する前に、重粒子を除去するために使用された。
【0077】
1つの液体回路において、容器12からの水は、それが処理される電気再生式脱イオン装置16へ弁32aを通して導入された。処理水は、ポンプ30a及び弁32cを通って容器12に戻された。もう1つの液体回路において、電気再生式脱イオン装置16の濃縮区画内を流れる濃縮水流は、ポンプ30bを通って循環し、かつ弁32d及び32bによって方向付けられた。もう1つの液体回路において、被処理水は、容器12の出口64から引き出され、かつ弁32bを通って電気再生式脱イオン装置16の第2減耗区画に導入された。電気再生式脱イオン装置16から出る処理水は、次にポンプ30b及び弁32cによって容器12に戻された。電気再生式脱イオン装置16の第2濃縮区画からの濃縮水流を含む第4液体回路は、ポンプ30aを操作し、かつ流れを弁32c、32d及び32aを通って方向付けすることによって循環した。
【0078】
水処理システムは、種々の条件で操作され、かつ操作パラメータは、測定され、かつ図6A、6B、7A、7B、8A及び8Bに示された。各図において、操作パラメータは、水処理システムの効率及び性能を評価するために変動させた。
【0079】
水処理システムは、断続的水洗又はドレン26への濃縮水流の放出が、24秒毎に、約6秒起きるように操作された。ドレンに放出された量は、1分当たり約300ミリリットルであった。生成水は、3時間毎に約12.5ガロンの速度で容器12から引き出された。約40Vの印加電位で、電気再生式脱イオン装置は、設定点に到達した後、自動的に停止し、かつ使用地点18への次の生成物引き出し前に、25分間停止したままでいた。停止時間の継続期間は、操作中のシステムの効率を表す。図6A及び6Bは、約40Vの印加電位で、水処理システムが、約220μS/cmの導電率を有する軟水、及び断続的に流出するドレンサイクルへの排出物を生成するために操作できることを示す。
【0080】
図7A及び7Bは、約52Vの高い電位で、かつ約26秒毎に約4秒の減少した水洗サイクルで操作される水処理システムの操作データを示す。操作中に、電気再生式脱イオン装置は、約57分の停止期間を有した。生成水は、容器12から約3時間毎に約11.7ガロンの速度で引き出された。図7A及び7Bは、水処理システムが、性能及び水質を低減させることなく、水洗時間の総計を減少させて、処理水を生成するために操作できることを示す。また、図7Bに示すように、かつ図6Bと比較して、排出水流の導電率は、停止期間が増加するのと同時に増加した。それ故に、図7A及び7Bは、水処理システムが、図6A及び6Bに関連した操作条件と比較して高い効率で処理水を生成するために操作できることを示す。
【0081】
図8A及び8Bは、水処理システムへの増加した荷重の影響を示す。使用地点18への生成物の量は、3時間毎に約14ガロンに増加した。これらの操作条件で、電気再生式脱イオン装置の停止時間の継続期間は、増加した荷重のために、予期されたように、約30分に減少した。図8A及び8Bは、システムが、増加した荷重でなおも操作できることを示す。
【0082】
当業者は、ここに記載された全てのパラメータ及び構成が、例示的なものであることが意図され、かつ実際のパラメータ及び構成は、本発明のシステム及び方法が使用される具体的な用途によって決まることを容易に認めるであろう。当業者は、定常の実験法の域を出ないでよいものを使用すれば、ここに記載された本発明の具体的な実施態様の多くの等価物を認識又は確認できるであろう。例えば、設置スペース又は体積が既存の設備又は構造によって限定される時のように、電気再生式脱イオン装置が貯蔵システム内に設置されることが望ましい時には、そのようにできるように本発明を構成できること、又は電気再生式脱イオン装置が停止後所定の期間水洗されるように時間遅延を使えることを、当業者は認識できるであろう。従って、前述の実施態様は、専ら例として提示されること、並びに添付の請求項及びその均等の範囲内で、本発明が具体的に記載された以外の方法で実施できることが理解されるべきである。本発明は、ここに記載された各個別の特徴、システム、又は方法を対象とする。その上、2つ以上のかかる特徴、システム、又は方法のいかなる組み合わせも、かかる特徴、システム、又は方法が互いに矛盾していないならば、本発明の範囲内に含まれる。本発明は、流体として水を使用して記載されたが、そのように限定されるべきでない。例えば、処理水に言及する場合、他の流体が、本発明によって処理できると考えられる。更に、水又は水の特性に関して調整、修正、測定又は稼働する本発明のシステムの部品又は方法のステップに言及する場合、本発明は、同様に適用できると考えられる。それ故に、被処理流体は、水を含む混合物である流体であり得る。従って流体は、水を含む液体であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の1つ以上の実施態様による、1組のセンサを有する貯蔵システム及び電気再生式脱イオン装置を示す水処理システムの工程流れ図である。
【図2】本発明の1つ以上の実施態様による、減耗及び濃縮区画を通る流体及びイオンの流れの方向を例示する典型的な電気再生式脱イオン装置を通る概略断面図である。
【図3】実施例1で論じるような本発明の1つの実施態様による水処理システムの概略流れ図である。
【図4】実施例2で論じるような本発明の1つの実施態様による水処理システムの概略流れ図である。
【図5】実施例3で論じるような本発明の1つの実施態様による水処理システムの概略流れ図である。
【図6A】生成物及びタンク出口水流の導電率を示す、約40ボルトの印加電位での図5に概略的に示す水処理システム内で測定された水特性を示すグラフである。
【図6B】排出水流の導電率を示す、約40ボルトの印加電位での図5に概略的に示す水処理システム内で測定された水特性を示すグラフである。
【図7A】生成物及びタンク出口水流の導電率を示す、約52ボルトの印加電位での図5に概略的に示す水処理システム内で測定された水特性を示すグラフである。
【図7B】排出水流の導電率を示す、約52ボルトの印加電位での図5に概略的に示す水処理システム内で測定された水特性を示すグラフである。
【図8A】生成物及びタンク出口水流の導電率を示す、図5に概略的に示す水処理システムの測定された水特性を示すグラフである。
【図8B】排出水流の導電率を示す、図5に概略的に示す水処理システムの測定された水特性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0084】
10 水処理システム
12 貯蔵システム
14 入口点
16 電気化学装置、電気再生式脱イオン装置
18 使用地点
22 制御装置
24 電源
26 ドレン
32、32a、32b、32c、32d、32e、32f、32g、32h、32i、32j、32k、32l 弁
32a 流量レギュレータ
34 減耗区画
36 濃縮区画
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、流体を処理するシステム及び方法、特には電気化学装置と、貯蔵システムと、排出流量レギュレータとを組み込む水処理システム、及び処理水を使用地点に送り出す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カルシウム及びマグネシウムのような硬度種を含む水は、産業、商業及び家庭用途でのある種の使用に望ましくないことがある。水の硬度分類の典型的な指針は、炭酸カルシウムとして1リットル当たりゼロ〜60ミリグラム(mg/l)が軟らかい、61〜120mg/lが中程度に硬い、121〜180mg/lが硬い、かつ180mg/l超が非常に硬いと分類される。
【0003】
硬水は軟水化、すなわち硬度イオン種を除去することによって処理できる。かかる種を除去するシステムの例は、イオン交換床を使用するものを含む。かかるシステムにおいて、硬度イオンは、イオン交換樹脂の表面で混合されている逆帯電したイオン種にイオン結合されるようになる。イオン交換樹脂は、最終的にイオン結合した硬度イオン種で飽和するようになるので、再生されねばならない。再生は、通常、結合した硬度種を、塩化ナトリウムのような可溶性が高いイオン種と置換することを伴う。イオン交換樹脂に結合した硬度種は、ナトリウムイオンによって置換され、かつイオン交換樹脂は、再度その後の軟水ステップに使用できる状態になる。
【0004】
これらと異なるシステムが、既に開示されている。例えばDoschは、米国特許第3148687号明細書でイオン交換樹脂を使用する軟水装置を含む洗浄機を教示している。同様に、Gadini他は、国際特許出願公開第WO00/64325号で、水の硬度を減少させる改良された装置を有する水を使用する家庭用器具を開示している。Gadini他は、制御システム、外部源からの給水システム、及び電気化学電池による軟化システムを有する家庭用器具を教示している。
【0005】
電気再生式脱イオン方式(EDI)は、水を軟水にするために使用できる1つの工程である。EDIは、電気活性媒体及びイオン輸送に影響を与えるための電位を使用して液体からイオン性種を除去する工程である。電気活性媒体は、イオン性種の収集と放出を交互に行うか、又はイオン若しくは電子置換メカニズムによって連続的にイオンの輸送を容易にするために機能し得る。EDI装置は、永久又は一時的電荷を有する媒体を含むことができる。かかる装置は、性能を達成又は強化することを目的とする電気化学反応を引き起こせる。これらの装置は、半透性イオン交換又は両極性膜のような電気活性膜も含む。
【0006】
連続的電気再生式脱イオン方式(CEDI)は、一次サイジングパラメータが、媒体を通る輸送であって、媒体のイオン容量でない工程である。典型的なCEDI装置は、半透性アニオン及びカチオン交換膜を含む。膜間の空間は、入口及び出口を有する液体流れ区画を作るように構成される。横方向直流電界が、膜及び区画の境界で電極を使用して外部電源によって与えられる。多くの場合、電極区画は、電極からの反応生成物が、他の流れ区画から分離できるように提供される。電界を与えると、液体中のイオンは、そのそれぞれの対向電極に引き付けられる。電気活性アニオン浸透膜及びカチオン膜に接するイオン減耗(以下単に減耗という)区画は、通常、イオン減耗されるようになり、かつ電気活性カチオン浸透膜及び電気活性アニオン膜に接する隣接するイオン濃縮(以下単に濃縮という)区画は、通常、イオン濃縮されるようになる。減耗区画内、及び場合により濃縮区画内の容量は、電気活性媒体も含む。CEDI装置において、媒体は、密接に混合したアニオン及びカチオン交換樹脂を含み得る。イオン交換媒体は、通常、区画内のイオンの輸送を強化し、制御された電気化学反応の基質として関与し得る。電気再生式脱イオン方式は、例えば米国特許第4632745号、第4925541号、及び第5211823号明細書でGiuffrida et al.によって、米国特許第5259936号及び第5316637号明細書でGanziによって、米国特許第5154809号明細書でOren等によって、かつ米国特許第5240579号明細書でKedemによって開示されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は水処理方法を提供する。この処理方法は、処理水及び濃縮水流を生成するために水を電気化学装置に導入することと、電気化学装置の濃縮区画内で濃縮水流の少なくとも一部を再循環させることと、所定の放出スケジュールに従って、濃縮水流の所定の部分を放出することとを含むことができる。
【0008】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、濃縮区画と、濃縮区画の下流に位置決めされた、正に帯電した流量レギュレータとを含む電気化学装置を提供する。
【0009】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、水処理を推進する方法を提供する。この方法は、濃縮区画と、濃縮区画の下流に位置決めされた流量レギュレータとを含む電気化学装置を提供することを含むことができる。流量レギュレータは、電気化学装置の操作中、正電荷を有するように構成され、かつ配列される。
【0010】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、水処理方法を提供する。この方法は、処理水を生成するために電気化学装置に水を導入することと、処理水の少なくとも一部を貯蔵することと、処理水の生成を中止することと、電気化学装置内の何らかの流体を処理水と置換することとを含むことができる。
【0011】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、入口点と、入口点に流体的に接続された濃縮区画及び減耗区画を含む電気化学装置と、濃縮区画の下流に流体的に接続された正に帯電した流量レギュレータと、減耗区画に流体的に接続された貯蔵システムと、貯蔵システムに流体的に接続された使用地点とを含むシステムを提供する。
【0012】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、濃縮区画と、所定の放出スケジュールに従って制御装置によって制御され、かつドレンへの廃棄水流の流れを制御するために、濃縮区画の下流に流体的に接続された流量レギュレータとを含む電気化学装置を提供する。
【0013】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、水を軟水にする方法を提供する。この方法は、軟水を生成するために電気化学装置の減耗区画に水を導入することと、電気化学装置の濃縮区画内で濃縮水流を再循環させることと、流量レギュレータに近接した濃縮水流のpHを変更することとを含むことができる。
【0014】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、流体廃棄水流を有する濃縮区画と、濃縮区画からドレンへの流体廃棄水流の一部を制御するダイヤフラム弁とを含む電気再生式脱イオン装置を提供する。
【0015】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、流体廃棄水流を有する濃縮区画と、所定のスケジュールに従って濃縮区画からドレンへ廃棄水流の一部を放出する手段とを含む電気再生式脱イオン装置を提供する。
【0016】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、廃棄システムを有する濃縮区画と、廃棄水流をドレンに放出する手段と、廃棄水流放出手段に正電荷を印加する手段とを含む電気化学装置を提供する。
【0017】
1つ以上の実施態様によれば、本発明は、流体処理を促進する方法を提供する。この方法は、減耗区画と、所定の放出スケジュールに従って制御装置によって制御され、かつドレンへの廃棄水流の流れを制御するために濃縮区画の下流に流体的に接続された流量レギュレータとを含む電気化学装置を有する流体処理システムを提供する。
【0018】
本発明の他の利点、新しい特徴及び目的は、概略的であり、かつ一定の比率で書かれることを意図しない添付図面と併せて考慮されたとき、以下の本発明の詳細な説明から明らかになるであろう。図では、種々の図中で例示される同一又は実質的に類似する各部品は、単一の数字又は表記によって表される。明瞭にするため、全ての図の全ての部品に標識が付けられているわけでなく、当業者が本発明を理解することを可能にするために、例示が必要でないときには本発明の各実施態様の全ての部品が示されているとは限らない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の好ましい、但し必ずしもそれに限定されるとは限らない実施態様は、例として、かつ添付図面を参照して記載される。
【0020】
本発明は、産業、商業及び住宅用途における水処理システム及び処理水を提供する方法を対象にする。本発明による処理システムは、都市用水、井戸水、汽水及び汚れを含む水のような、水源からの水に含まれる何らかの硬度誘発種の少なくとも一部を除去することによって、処理水、又は軟水を使用地点に提供する。システムの他の用途は、飲食料品、糖類の処理及び加工、化学、製薬、飲食料品、廃水処理、及び発電産業のような種々の産業にある。
【0021】
水処理システムは、通常、水源又は入口点から水を受け、かつ処理水を使用地点に送り出す前に少なくとも数種の望ましくない種を含む水を処理する。処理システムは、通常、電気再生式脱イオン装置と直列に貯蔵システムを有する。実施態様によっては処理システムは、水の少なくとも1つの特性、又は処理システムの操作条件を測定するセンサを更に含む。他の実施態様では、処理システムは、処理システムの少なくとも1つの操作パラメータ、又は処理システムの部品を調整又は規制するための制御装置も含む。
【0022】
図1は、水処理システムの1つの実施態様による概略フローチャートを示す。水処理システム10は、通常、上流端で水源又は入口点14に、及び通常、下流端で電気再生式脱イオン装置16に流体的に接続された貯蔵システム12を含むことができる。水処理システム10は、通常、貯蔵システム12の下流に流体的に接続された使用地点18を含む。本発明の幾つかの実施態様では、水処理システム10は、センサ20と、電気再生式脱イオン装置16に電力を提供する電源24を制御又は規制する制御装置22とを同様に含む。電気再生式脱イオン装置16は、通常、貯蔵システム12内へ貯蔵し、かつ使用地点18へ最終的に送り出すための処理水を生成するために、入口点14から流れる被処理水から望ましくない種を除去する。電気再生式脱イオン装置16によって除去される望ましくない種は、通常、補助使用又はドレン26に移行される。
【0023】
本発明の幾つかの実施態様において、水処理システム10は、通常、貯蔵システム12又は電気再生式脱イオン装置16の上流に流体的に接続された、前処理システム28を更に含む。更に、水処理システム10は、通常、ポンプ30及び弁32のような流体制御部品も含む。
【0024】
本発明は、次の定義に照らして、更に理解されるであろう。すなわち、「加圧された」は、大気圧を超える、内圧又は加えられた圧力を有するシステム又は部品を指す。例えば、加圧貯蔵システムは、大気圧よりも大きい内圧を有する。例示するために、本発明は、電気再生式脱イオン装置に関して記載された。しかしながら、本発明のシステム及び技術は、被処理流体水流からの望ましくない種の除去又は減少を達成する他の電気化学装置を利用しても良い。例えば、電気化学装置は、電気透析装置、又は本発明の実施態様によっては、容量式脱イオン化装置を含むことができる。
【0025】
図2は、本発明の電気再生式脱イオン装置の1つの実施態様を通過する流体及びイオン流路の断面図を概略的に示す。電気再生式脱イオン装置16は、イオン減耗又は減耗区画34と、減耗区画34の間に位置決めされたイオン濃縮又は濃縮区画36とを含む。減耗区画34は、通常、陽極液区画38及び陰極液区画40に接する。通常、エンドブロック(図示せず)は、陽極42及び陰極44を、それぞれの区画に収容するためにエンドプレート(図示せず)に隣接して位置決めされる。本発明の幾つかの実施態様において、区画は、通常、区画の両側の周辺部に周辺密封された、カチオン選択膜46と、アニオン選択膜48とを含む。
【0026】
カチオン選択膜及びアニオン選択膜は、通常、イオン交換粉末と、ポリエチレン粉末結合剤と、グリセリン潤滑剤とからなる。本発明の実施態様によっては、カチオン及びアニオン選択膜は、通常、複合シートを作るために、熱及び圧力を使用する熱可塑性工程によって押し出し成形された、不均質ポリオレフィンをベースとする膜である。しかしながら、均質膜の単独の、又は不均質膜と組み合わせた使用が、本発明によって想定されている。代表的な、適切なイオン選択膜は、例えばスルホン酸又は4級アンモニウム官能基を有するスチレン−ジビニルベンゼンを使用して支持されるウェブ、ポリフッ化ビニリデン結合剤中でスチレン−ジビニルベンゼンを使用して支持されるウェブ、及びポリエチレンシート上の独立スルホン化スチレン及び4級化ビニルベンジルアミングラフト体を含む。
【0027】
濃縮区画36は、通常、カチオン交換樹脂50で満たされ、かつ減耗区画34は、通常、カチオン交換樹脂50及びアニオン交換樹脂52で満たされる。本発明の実施態様によっては、カチオン交換及びアニオン交換樹脂は、種々の配列中の多数の層が組み立てられるように、減耗、濃縮及び電極区画のいずれかの中の層内に配列できる。例えば減耗、濃縮及び電極区画のいずれかの中での混合床イオン交換樹脂の使用、アニオン及びカチオン交換樹脂の層状床間の不活性樹脂の使用、米国特許第5858191号明細書でDiMascio等によって教示されたものを含むが、それらに限定されない種々のタイプ及び配列のアニオン及びカチオン樹脂の使用を含む他の実施態様は、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0028】
操作中、硬度イオン種を含み、溶解カチオン及びアニオン成分を有する、通常は入口点14で処理システムに入る上流水源からの被処理液体54は、マニホルド60を通って減耗区画34に導入され、ここでカチオン成分は、カチオン交換樹脂50に引き付けられ、かつアニオン成分は、アニオン交換樹脂52に引き付けられる。通常、電気再生式脱イオン装置16の反対端に位置決めされる陽極42及び陰極44を通り、電気再生式脱イオン装置16を横切って印加される電界は、通常、液体中のカチオン及びアニオン成分が、その求引電極に対応する方向に移動する傾向を有するように流体の流れの方向に対して垂直に通過する。
【0029】
カチオン成分は、カチオン選択膜46を通って隣接濃縮区画36へ移動できる。濃縮区画36の反対側に位置決めされるアニオン選択膜48は、隣接区画への移動を妨げることができ、それにより濃縮区画内のカチオン成分を捕捉する。同様に、アニオン成分は、イオン選択膜を通って移動できるが、通常、カチオン成分の移動方向に対して反対の方向である。アニオン成分は、アニオン選択膜48を通って、減耗区画34から隣接濃縮区画36へ移動できる。濃縮区画36の反対側に位置決めされるカチオン選択膜46は、更なる移動を妨げることができ、それ故に濃縮区画内のアニオン成分を捕捉する。イオン成分は、網効果により減耗区画34内で液体54から除去又は減耗され、かつ濃縮区画36内で収集され、処理水生成水流56及び濃縮又は廃棄水流58をもたらす。
【0030】
本発明の実施態様によっては、電気再生式脱イオン装置16を横切る印加電界は、水の水素及びヒドロキシルイオンへの分解に至らせる分極現象を作ることができる。水素及びヒドロキシルイオンは、溶解したイオン成分の除去が、連続的に、かつイオン種の移動によって消耗したイオン交換樹脂を再生する別個のステップなしに起きることができるように、減耗区画34内でイオン交換樹脂50及び52を再生できる。電気再生式脱イオン装置16を横切る印加電界は、通常、直流である。しかしながら、一方及び他方の電極間でバイアス又は電位差を作るいかなる印加電界も、イオン種の移動を促進するために使用できる。従って、カチオン及びアニオン種をそれぞれの求引電極に引き付けるために十分な電極間の電位差があるという条件で、交流を使用できる。本発明の更にもう1つの実施態様において、交流は、電流が電気再生式脱イオン装置を横切って印加される時、それぞれのイオン種を引き付ける電位勾配が作られるように交流を脈動直流に変換するために、例えばダイオード又はブリッジ整流器を使用することによって整流できる。
【0031】
通常、減耗区画34内で利用される電気活性媒体、例えばイオン交換樹脂ビード50及び52は、3級アルキルアミノ基及びジメチルエタノールアミンのような、種々の官能基をその表面領域に有しても良い。これらの物質は、4級アンモニウム基のような、種々の官能基をその表面領域に有するイオン交換樹脂材料と組み合わせても、使用できる。
【0032】
貯蔵システム12は、入口点14又は水源からの水を貯蔵又は蓄積でき、かつ電気再生式脱イオン装置16からの生成物水流56からの軟水又は処理水を貯蔵することにも役立つことができ、かつ通常は処理水である水、又は分配システムを通る入口点14から使用地点18の水と混合された処理水を提供することもできる。本発明の1つの実施態様において、貯蔵システム12は、加圧貯蔵システムである。加圧貯蔵システム内の圧力は、種々の方法及び技術、例えば水をポンプで加圧して、又は水源を高くし、このようにして水頭圧力を作ることによって、作ることができる。
【0033】
本発明の実施態様によっては、貯蔵システム12は、加圧容器、又は入口62及び出口64のような、流体の流れの入口及び出口を有する容器を含む。入口62は、通常、入口点14に流体的に接続され、かつ出口64は、通常、配水システム又は使用地点18に流体的に接続される。貯蔵システム12は、数個の容器、即ち各容器の種々の位置に位置決めされた数個の入口を有する数個の容器を有することができる。同様に、出口64は、とりわけ使用地点18への需要又は流量、電気再生式脱イオン装置16の容量又は効率、及び貯蔵システム12の容量又は滞留量に応じて、種々の位置で、各容器に位置決めされても良い。貯蔵システム12は、望ましい機能を実行するか、又は望ましくない結果を回避する、種々の部品又は要素を更に含むことができる。例えば、貯蔵システム12は、貯蔵システム12の容器内のいかなる内部流れ電流も中断させるために位置決めされるバッフルのような、内部部品を有する容器を有することができる。本発明の実施態様によっては、貯蔵システム12は、流体を加熱又は冷却する熱交換器を有する。例えば、貯蔵システム12は、高温で加熱流体を有することができる加熱コイルを有する容器を含むことができる。加熱流体は、加熱流体温度を炉内で上昇させる時、容器内の水の温度が熱伝達を介して増加するように、炉のような、加熱単位操作による閉ループの流れにおける熱水であっても良い。補助的又は追加部品の他の例には、何らかの容器の内圧を軽減し、かつ容器破裂の可能性を回避又は少なくとも減少させることを目的とする圧力逃がし弁、及び所望の操作圧力を維持するのに適した熱膨張タンクを含むが、それらに限定されない。熱膨張タンクの寸法及び容量は、貯蔵システムの水の総量、操作温度及び圧力を含むが、それらに限定されない要因によって決まる。
【0034】
操作中、貯蔵システム12は、通常、入口点14の下流に接続され、かつ電気再生式脱イオン装置16と、再循環ループのように、直列に流体的にインライン接続される。例えば、入口点14からの水は、入口62に流れることができ、かつ貯蔵システム12内に含まれるバルク水と混合できる。水は、通常、出口64を通って貯蔵システム12から出て、かつ何らかの望ましくない種を処理又は除去するために、使用地点18へ、又はポンプ30を通って電気再生式脱イオン装置16に向かう。電気再生式脱イオン装置16を脱した処理水は、入口点14からの水と混合でき、かつ入口62を通って貯蔵システム12に入ることができる。このようにして、一つのループが、貯蔵システム12及び電気再生式脱イオン装置16の間に画定又は形成でき、かつ入口点14からの給水は、使用地点18において形成されかつ使用地点18に流れる水の需要を満たせる。
【0035】
入口点14は、水源から水を提供できるか、又は水源を水処理システムへ接続できる。水源は、都市用水若しくは井戸水のような飲用水源であっても良く、又は汽水若しくは塩水源のような非飲用水源であっても良い。通常、中間処理又は処理システムは、入口点14に到着する前に人間の消費に適するように、水を処理する。水は、通常、ナトリウム、塩化物、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、炭酸塩、硫酸塩、又はシリカ及び二酸化炭素のような、他の不溶性若しくは半可溶性種又は溶解ガスを含むイオン若しくはイオン性種又は溶解塩を含む。その上、水は、フッ化物、塩素酸塩及び臭素酸塩のような、但しそれらに限定されない添加剤を含むことができる。
【0036】
本発明のもう1つの実施態様において、水処理システム10は、配水システムを含み、この配水システムは、次いで使用地点に接続される。配水システムは、貯蔵システム12から使用地点18に加圧水、通常、処理水を提供するために、流体的に接続される部品を含むことができる。配水システムは、貯蔵システム12から1つ又は幾つかの使用地点18に、又は水処理システム10のいずれかの部品に水を提供するために、パイプ、弁、T字管、ポンプ及びマニホルドの配列を含むことができる。
【0037】
使用地点18は、通常、水を必要とするか又は要求する何らかの装置又は器具である。例えば、使用地点18は、洗濯機又は皿洗い機のような器具であるか、又は水を台所流し又はシャワーヘッドに提供することに役立つ水栓であっても良い。本発明のもう1つの実施態様において、使用地点18は、家庭又は住宅用途に適した水を提供するシステムを含む。本発明の更にもう1つの実施態様において、水処理システム10は、水処理システム10内の水の少なくとも1つの物理的特性を測定するセンサ、通常、水特性センサも含む。例えば、センサ20は、濁度、アルカリ度、水導電率、pH、温度、圧力、又は流量を測定できる装置であって良い。センサ20は、特に好ましい水特性を測定するために、水処理システム10内に設置又は位置決めできる。例えば、センサ20は、水の導電率を測定し、水の導電率によって、使用地点18で供給のために利用可能な水質を間接的に測定するように貯蔵システム12内に設置された水導電率センサであっても良い。本発明のもう1つの実施態様において、センサ20は、貯蔵システム12内に一連の又は一組のセンサを含むことができる。一組のセンサは、貯蔵システム12内の水質が制御装置22を介して断続的又は連続的に監視され、かつ水質又は電気再生式脱イオン装置16の操作が以下に記載したように最適化できるように、配列でき、かつ制御装置22に接続できる。他の実施態様は、水処理システム10中の種々の位置で、センサの組の組み合わせを含むことができる。例えば、センサ20は、使用地点18への流量を測定する流量センサであっても良く、かつ水処理システム10の操作条件を監視する比濁計、pH、温度及び圧力センサのいずれかを更に含むことができる。
【0038】
本発明のもう1つの実施態様によれば、水処理システム10は、水が、例えば貯蔵システム12又は電気再生式脱イオン装置16に導入される前に、水から何らかの望ましくない種の一部を除去することを目的とする前処理システム28を更に含む。前処理システムの例には、通常汽水又は塩水を脱イオンするために使用される逆浸透装置を含むが、それらに限定されない。前処理システムの部品として、炭素又は木炭フィルタは、電気再生式脱イオン装置16を汚染するか又はその操作を妨げ得る何らかの種又は活性塩素を含む何らかの塩素の少なくとも一部を除去するために必要であり得る。
【0039】
前処理システム28は、水処理システム10内のどこにでも位置決めできる。例えば、少なくともいくらかの塩素種は貯蔵システム12内に保持されるが、水が電気再生式脱イオン装置16に入る前には除去されるように、前処理システム28を、貯蔵システム12の上流、又は加圧システム12の下流ではあるが電気再生式脱イオン装置16の上流側に設置することができる。
【0040】
本発明の1つ以上の実施態様によれば、水処理システム10は、水処理システム10及びその部品の操作条件を監視及び制御することが可能な制御装置22を更に含む。制御装置22は、通常、水処理システム10の構成要素へ入力及び出力信号を受信又は送信する、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)又は分散制御システムのような、マイクロプロセッサベースの装置を含む。例えば、制御装置22は、電気再生式脱イオン装置16に電力を供給できる電源24に信号を送信できるか、又はポンプ30に電力を提供するモータ制御センタに信号を提供できるPLCであっても良い。幾つかの実施態様において、制御装置22は、開ループ又は閉ループ制御方式で、水処理システム10の操作条件を規制できる。例えば、開ループ制御中の制御装置22は、水が、いかなる操作条件も測定することなく処理されるように、水処理システムに信号を提供できる。対照的に、制御装置22は、操作パラメータが測定された操作条件に応じて調整できるように、閉ループ制御中の操作条件を制御できる。本発明の更にもう1つの実施態様において、制御装置22は、遠隔ステーションに測定操作条件又は操作パラメータのいずれかを転送又は送信する遠隔通信装置のような、通信システムを更に含むことができる。
【0041】
本発明のもう1つの実施態様によれば、制御装置22は、水処理システム10内の流体の流れパラメータが、入口点14からの水質、使用地点18への水質、使用地点18への水の需要又は水質、電気再生式脱イオン装置16の操作効率又は容量を含むが、それらに限定されない種々の操作パラメータ、又は水導電率、pH、温度、圧力、組成及び流量のような種々の操作条件のいずれかに基づき調整できるか、調整可能であるように、水処理システム10のいずれかの弁32を作動させる信号を提供できる。本発明の1つの実施態様によれば、制御装置22は、制御装置22が水処理システム10の操作パラメータを監視可能であっても良いように、センサ20から信号を受信できる。例えば、センサ20は、貯蔵システム12内の水導電率が制御装置22によって監視されるように、貯蔵システム12内に位置決めされた水導電率センサであっても良い。制御装置22は、センサ20によって測定された水質に基づき、電気再生式脱イオン装置16に電界を提供する電源24を制御する。操作中、制御装置22は、電気再生式脱イオン装置16に供給される電圧、電流、又は両方を増加、減少又は別の方法で調整できる。
【0042】
本発明のもう1つの実施態様によれば、制御装置22は、所定のスケジュールに従って、又は水質のような操作条件又は他のいずれかの操作パラメータに従って、電源24から電気再生式脱イオン装置16への印加電界の方向を逆にできる。例えば米国特許第4956071号明細書でGiuffrida等によって記載された極性反転は、本発明の範囲内であると考えられる。
【0043】
制御装置22は、プログラミングによって設定されるか又は設定可能であって良く、あるいは処理システム10の耐用年数及び効率のいずれかを最大にするか、又は操作コストを減少させることが可能であるように自己調整できる。例えば、制御装置22は、電気再生式脱イオン装置16への印加電圧及び電流、電気再生式脱イオン装置の濃縮及び減耗区画を通る流量、又は電気再生式脱イオン装置若しくは前処理システム、又は両方から、ドレン26へ放出するための流量を調整する、使用者が選択可能な設定点又は自己調整設定点を有するマイクロプロセッサを含むことができる。本発明のもう1つの実施態様において、制御装置22は、電気再生式脱イオン装置のサイクル変更を調整可能であるように、プログラムできる。例えば、制御装置22は、使用地点に送り出される水の導電率のような、但しそれに限定されない測定水特性に基づき、電気再生式脱イオン装置を横切る印加電界の複数の反転間の期間を制御できる。本発明のもう1つの実施態様において、制御装置22は、貯蔵システム12内の水のランゲリア飽和指数(LSI)を算出でき、かつ算出LSI及び設定点の間の差に基づき、システム10の操作パラメータを調整できる。LSIは、例えば米国材料試験協会規格ASTM D 3739に記載された手順により算出できる。本発明の実施態様によっては、軟水のような処理流体は、スケールが付着する低い傾向を有するように、低いLSIを有する。ここで使用されるように、低LSI水は、約2未満、好ましくは約1未満、かつ更に好ましくは約ゼロ未満のLSIを有する。実施態様によっては、本発明は、低い導電率を有する水のような処理液体を提供する。ここで使用されるように、低導電率液体は、約300μS/cm未満、好ましくは約220μS/cm未満、かつ更に好ましくは約200μS/cm未満の導電率を有する。
【0044】
制御装置22は、不安定なオンオフ制御又はチャッタリングの可能性を減少させるために、不感帯制御部を組み込むことができる。不感帯は、制御信号の不必要な応答を引き起こさないようなセンサが提供する信号出力の範囲を指す。不感帯は、実施態様によっては、センサのような処理システムの1つ以上の部品内に本質的に存在し得るか、又は制御システムの一部としてプログラムされ得るか、又は両方である。不感帯制御部は、測定運動を平滑にすることによって不必要な断続的操作を回避できる。かかる制御技術は、処理システム10の部品の寿命又は故障する前の平均時間を長引かせることができる。使用できる他の技術は、多数決方式、時間平滑化若しくは時間平均化測定又はその組み合わせの使用を含む。
【0045】
従って、本発明の1つ以上の実施態様によれば、処理システムは、通常、貯蔵システム12の第1領域内で大気圧を超える圧力で、水源に接続される入口点14からの水を貯蔵する。貯蔵システム12は、処理水を使用地点18へ移行する配水システムに流体的に接続されても良い。処理システム18は、貯蔵システム12の第2領域内の貯蔵システム12に導入される処理水を生成するために、何らかの望ましくない種の少なくとも一部を除去することによって、入口点14からの水を処理する電気再生式脱イオン装置16も有することができる。貯蔵システム12の第1及び第2領域は、少なくとも1つの水質センサ、更に好ましくは、同様に電気再生式脱イオン装置16の操作パラメータを調整できる、制御装置22に接続された一組の水質センサによって監視できる。このように、制御装置22は、貯蔵システム12の第1及び第2領域を監視でき、かつ第1及び第2領域内の水の特性を測定するセンサ又は一組のセンサ20によって測定された特性のいずれかに応じて電気再生式脱イオン装置16の操作を規制できる。
【0046】
本発明の更にもう1つの実施態様において、制御システム22は、センサ又は一組のセンサ20を介して、貯蔵システム12の第1及び第2領域内の水の特性を測定でき、かつ少なくとも1つの使用地点18へ流れる流量も測定でき、かつ測定特性に基づき、電気再生式脱イオン装置16の操作パラメータを調整できる。例えば、増加した流量が、使用地点18において測定される時、制御装置22は、使用地点18に流れる追加の需要を補うために、水を処理する電気再生式脱イオン装置16の操作パラメータを調整する。もう1つの実施例において、制御装置22は、貯蔵システム12の第1及び第2領域内の容量、及び使用地点18によって要求される過去の需要に応じて、電気再生式脱イオン装置16の操作パラメータを調整できる。
【0047】
本発明のもう1つの実施態様によれば、制御装置22は、需要及び水質を監視し、かつ印加電圧の増加若しくは減少、又は電気再生式脱イオン装置16の電界反転間の期間のような電気再生式脱イオン装置の操作を調整することが可能な、適応又は予測アルゴリズムを組み込むことによって処理システムの操作を制御する。例えば、制御装置22は、シャワーヘッドとなる使用地点18に供給するための、住居用途における早朝時間中の処理水の高い需要を予想する際に予測技術を利用できる。
【0048】
本発明のもう1つの実施態様において、処理システム10は、ドレン26への放出又は廃棄水流の流れを制御する流量レギュレータ32aを含む。流量レギュレータ32aは、ドレン26に流れる廃棄水流の総計又は量を調整できる。実施態様のもう1つの形態において、流量レギュレータ32aは、ドレン26への脈動流を作ることが可能であり、かつ弁若しくはオリフィスプレート又はその組み合わせのいずれかを含むことができる。本発明のもう1つの実施態様において、流量レギュレータ32aは、通常、処理システム内で下流に流体的に配置されるために、脈動流は、処理システム10全体にわたるか又はその一部において伝搬できる圧力波又は圧力面を作ることができる。1つの実施態様のもう1つの形態において、圧力波は、処理システム10内で捕捉又は蓄積されるいかなる固体、沈殿物質又はガスも、種又はガスがドレン26を通って運搬され、かつドレン26に放出できるか、又は処理システム10の通気孔(図示せず)を通って解放できるよう、取り除くために十分である。
【0049】
本発明のもう1つの実施態様によれば、流量レギュレータは、所定の流量を可能にするために、所定の期間、所定のスケジュールに従って断続的に開閉できる弁である。ドレンに流れる流体の総計又は量は、例えば流量レギュレータが開閉する頻度を変更することによって、又は流量レギュレータが開放又は閉鎖する間の時間を変更することによって調整又は変更できる。1つの実施態様において、流量レギュレータは、例えば作動信号を介して、制御装置22によって制御又は規制できる。それ故に、本発明の1つの実施態様において、制御装置22は、流量レギュレータを開閉する例えばモータ又はダイアフラムでもって、無線、電流又は空気圧信号のような作動信号をアクチュエータに提供する。
【0050】
弁又は流量レギュレータ32aによって制御される流体は、前処理装置からの廃棄水流、又は廃棄水流58のような廃棄物に放出される何らかの水流中のいかなる流体であっても良い。それ故に、1つの実施態様において、処理システムが逆浸透装置を有する前処理システムを含むならば、その場合廃棄水流は、電気再生式脱イオン装置からの放出流体及び逆浸透装置からの放出流体を含むことができる。本発明の更にもう1つの形態において、図2を参照すると、廃棄水流58は、電気再生式脱イオン装置の電極区画38及び40又は濃縮区画36からの流体のいずれかを含むことができる。電極区画又は濃縮区画からの流体は、電極区画、濃縮区画、又は両方への放出前に、ドレン26に直接送るか、又は再循環させても良いことがわかる。このようにして、全体の放出量が低くなるために操作コストが減少しながら、処理システムの全体的効率は、増加できる。更にもう1つの実施態様において、本発明は、システム操作圧力のような少なくとも1つの測定パラメータに応じて、操作パラメータ、例えばドレンへの放出量、又は放出期間の調整を行う。例えば図3の弁32lが、放出するために開放して作動される期間は、使用地点18に供給される液体の測定圧力に基づき、調整できる。場合により、流量レギュレータは、測定圧力を減少させるために開放して作動され得るか、又は測定圧力が所定値未満である時、弁のタイプに応じて、最小限に作動され得る。かかる二次的制御方式は、流量レギュレータを作動させる既存の制御ループのいずれかの中に組み込めるか、又はネットワーク化できる。
【0051】
本発明の1つ以上の実施態様によれば、流量レギュレータは、それを通して最小の圧力降下を有するか、圧力降下のない高速開放弁である弁を含む。適切な弁の例には、例えばBurkert USA(Irvine、California)及びSouth Bend Controls,Inc.(South Bend、Indiana)から入手可能である、ダイヤフラム弁、並びにボール弁、仕切り弁、蝶形弁を含むが、それらに限定されない。使用できる他の弁には、ピンチ弁若しくはフレックス弁、又は駆動中、いかなる沈殿したスケールも落とすか、取り除くことができるいかなる弁も含む。
【0052】
本発明のもう1つの実施態様おいて、流量レギュレータは、圧力制御ループの一部、並びに濃縮放出制御ループの一部となることができる。例えば、濃縮水流の測定導電率が設定点に達する時、流量レギュレータは、制御装置22によって作動できる。別個の圧力制御ループは、システム10内の圧力を軽減するために、並置できる。上述の制御方式のいずれにおいても、制御ループは、フィードバック、並びに比例、微分、積分のいずれか又は好ましくはその組み合わせの制御系を組み込める。
【0053】
もう1つの実施態様において、流量レギュレータは、それを通って流れる印加電荷を有することができる。印加電荷は、1つの実施態様において、流量レギュレータの周りにイオン種を発生させるために十分な電圧又は電流である。また、好ましい実施態様において、印加電荷は、正に帯電したイオン種を発生させるために十分である。更にもう1つの実施態様において、印加電荷は、流量レギュレータを取り囲む流体のpHを減らすイオン種を作る。それ故に、1つの実施態様の1つの形態において、印加電荷は、正に帯電した水素イオンを発生させるために十分である。好ましくは、印加電荷は、実際にpHを約7未満、好ましくは約6未満、かつ更に好ましくは約5未満に変更する十分な水素イオンを発生させる。それ故に、本発明の1つの実施態様のもう1つの形態によれば、流量レギュレータは、周囲の流体のpHを減少させるために十分なイオン種を発生させる印加電荷を有することができる、流れオリフィスを有するプレート若しくは弁、又はその組み合わせのいずれかである。流量レギュレータは、長期の浸水に耐えられるいかなる適切な材料で作られても良い。かかる材料の例には、ステンレス鋼、プラスチック、黒鉛のような導電複合材料を含むが、それらに限定されない。
【0054】
本発明の1つの実施態様の更にもう1つの形態において、電荷は、定期的に印加されるか、又は処理システムの操作条件に応じて印加される。例えば、電荷は、所定の定期スケジュールに従って印加される印加電荷であっても良く、又は印加電荷は、水導電率、電気再生式脱イオン装置を横切る圧力降下、水pH、電気再生式脱イオン装置上の変更電圧若しくは電流のいずれか、又はそのいずれかの組み合わせのような操作パラメータの変更時に印加できる。
【0055】
本発明のもう1つの実施態様において、補助的用途への水、典型的には廃棄水流58からの水は、追加の又は二次的利益に役立つことができるか、又は追加の又は二次的利益を提供できる。例えば、廃棄水流58は、ドレン26に行くよりもむしろ、灌漑用、収集若しくは濃縮塩の再利用又は回収用のような、何らかの住宅、商業又は産業用途に灌漑用水を提供するために使用できる。
【0056】
本発明は、例示的でありかつ本発明の範囲を限定することが意図されない次の実施例を介して更に説明される。
【実施例1】
【0057】
図3に概略的に示す処理システムが、設計され、かつ性能に関して評価された。処理システム10は、前処理システム(図示せず)及び加圧容器12を有する電気再生式脱イオン装置16を有した。入口点14からの水は、加圧容器12に導入され、かつ電気再生式脱イオン装置16を通して再循環された。水処理システムは、加圧容器12の入口62の上流で、かつ出口64の下流で、センサ20b及び20cによって測定された、測定水導電率に基づき、プログラマブルコントローラ(図示せず)によって制御された。
【0058】
電気再生式脱イオン装置16は、13インチ(約33センチ)の流路を有する、10セル対スタックからなっていた。各セルは、AMBERLITE(登録商標)SF120樹脂及びAMBERLITE(登録商標)IRA458樹脂で満たされ、両方ともRohm & Haas Company、Philadelphia、Pennsylvaniaから入手可能である。電気再生式脱イオン装置は、酸化ルテニウムで被覆された膨張チタン電極を利用した。
【0059】
加圧容器12は、約17ガロン(約64リットル)の容量を有する直径10インチ(25.4センチ)のガラス繊維容器であった。電気再生式脱イオン装置から離れる濃縮水流は、弁32b、32c、32e、32f、32g、32h、32j及び32lを規制することによって部分的に再循環し、かつ部分的にドレン26に排出された。入口点14からの補給水が、適切な配列内で弁32b、32c、及び32dを規制することによってドレン26に排出された水を補うために、再循環水流に供給された。
【0060】
電気再生式脱イオン装置16から出る処理水は、弁32i及び32kを作動させることによって容器12に移行された。加圧容器12の出口64からの使用地点18への処理水の流量は、弁32aを調整することによって規制された。操作条件及び水特性を測定する数個のセンサが、圧力指示器20d、20f、20g、20h及び20i、流量指示器20a、20e、20j及び20k、並びに導電率センサ20b、20c及び20lを含み、水処理システム10中にわたって設置された。
【0061】
制御装置は、Allen−Bradley Company,Inc.、Milwaukee、Wisconsinから入手可能な、MicroLogix(商標)1000プログラマブルコントローラを含んだ。電気再生式脱イオン装置は、流れスイッチ信号によって、又は加圧容器から離れる出口水流の水導電率が、設定点よりも高いことが検出された時に、起動するように設定された。電気再生式脱イオン装置への供給は、第2供給ポンプを介して加圧容器から循環された。電気再生式脱イオン装置に印加された電界の極性は、必要に応じて逆にされた。
【0062】
弁32j及び32lは、ドレン26への完全に開放した又は完全に閉鎖された流路を提供する「開閉」タイプ弁であった。弁32j及び32lは、ニードル弁又はボール弁からなっていた。弁32j及び32lは、制御装置(図示せず)によって作動され、かつ所定のスケジュールに従って開閉した。その上、弁32j及び32lは、周囲の流体のpHを下げるため、水素イオンを生成するために十分な、印加された正電荷を有した。
【実施例2】
【0063】
図4に概略的に示す直列の水処理システムは、設計され、操作され、かつ性能に関して評価された。水処理システム10は、電気再生式脱イオン装置16及び加圧貯蔵容器12を有した。入口点14からの水は、加圧貯蔵容器12に入口62を通って導入され、かつポンプ30a及び30bを使用して循環させ、かつ前処理ユニット28a及び28b、並びに電気再生式脱イオン装置16を通って処理された。水処理システムは、センサ20a、20b及び20cのいずれかによって測定された、測定水導電率に基づき、プログラマブルコントローラ(図示せず)によって制御された。
【0064】
電気再生式脱イオン装置16は、長さ約7.5インチ(約19センチ)及び幅約2.5インチ(約6.4センチ)の流路を有する、10セル対スタックからなっていた。各セルは、約40%のAMBERLITE(登録商標)SF120樹脂及び約60%のAMBERLITE(登録商標)IRA458樹脂で満たされ、両方ともRohm & Haas Company、Philadelphia、Pennsylvaniaから入手可能である。電気再生式脱イオン装置は、酸化ルテニウムで被覆された膨張チタン電極を有した。
【0065】
制御装置は、Allen−Bradley Company,Inc.、Milwaukee、Wisconsinから入手可能な、MICROLOGIX(商標)1000プログラマブルコントローラであった。電気再生式脱イオン装置は、流れスイッチ信号によって、又は加圧容器から離れる出口水流の水導電率が設定点よりも高い時に、起動するように設定された。電気再生式脱イオン装置は、導電率が設定点に到達するまで稼働した。電気再生式脱イオン装置からの供給は、第2供給ポンプを経由して加圧容器から循環された。電気再生式脱イオン装置に印加された電界の極性は、約15分毎に逆にされた。電気再生式脱イオン装置16の部品を制御することに加えて、PLCは、センサ20a、20b、20c及び20dからの測定データを収集し、貯蔵し、かつ転送した。
【0066】
加圧容器12は、約30ガロンの容量を有する直径10インチのガラス繊維容器であった。加圧容器12は、弁頭と中心マニホルドパイプが取り付けられた。電気再生式脱イオン装置から離れる濃縮水流は、弁32c、32d、32e、32f及び32gを規制することによって部分的に循環し、かつ部分的にドレン26に排出された。入口点14からの補給水が、ドレン26に排出されたいかなる水も補うために、循環水流に供給された。
【0067】
前処理システムは、25マイクロメートルの等級を有するエアレーション鉄フィルタ、20インチ×4インチ沈殿物フィルタ、及び20インチ×4インチ炭素ブロックフィルタからなっていた。
【0068】
流れの一方向において、圧力容器12からの水は、電気再生式脱イオン装置16の減耗区画(図示せず)へ導入される前に、ポンプ30aによって、加圧容器12から弁32cを通って前処理ユニット28aへ汲み上げられた。電気再生式脱イオン装置16からの処理水は、弁32fによって圧力容器12内の貯蔵へ向かわされた。イオン種を除去した流体収集は、前処理ユニット28b、電気再生式脱イオン装置16の濃縮及び電極区画(図示せず)、並びに弁32eを通ってポンプ30bによって循環した。印加電界の方向が逆にされた時、流れの方向は、ポンプ30a、前処理ユニット28a、並びに弁32c及び32fが、電気再生式脱イオン装置16の濃縮及び電極区画を通って流れながら、イオン種を蓄積している流体を循環させるように、対応して調整された。同様に、被処理水は、電気再生式脱イオン装置16の減耗区画内に導入され、かつ処理される前に、ポンプ30bを使用して、圧力容器12から弁32dを通り、前処理ユニット28bへ汲み上げられた。処理水は、弁32eによって圧力容器12に向かわされた。
【0069】
使用地点18へ、加圧容器12の出口64からの流量計20dによって測定された、処理水の流量は、弁32a及び32bを調整することによって規制された。濃縮又は廃棄水流を放出するために、弁32gは、必要に応じて操作された。入口点14からの水は、ドレン26に放出された流体を回復し、かつ置き換えるために使用された。弁32gは、ダイヤフラム弁であった。
【0070】
水処理システムは、約220μS/cmの標的設定点に到達し、かつ約1分間安定であるまで、操作された。電気再生式脱イオン装置への印加電圧は、約46ボルトであった。減耗及び濃縮区画への流量は、1分当たり約4.4リットルに維持された。排出流量は、約30秒毎に約270mlを放出するように制御された。容器内の圧力は、約15psig〜約20psigであった。放出弁32gは、運転後に分解され、かつ僅かなスケール付着を有することが認められた。
【実施例3】
【0071】
図5に概略的に示す直列の水処理システムは、設計され、操作され、かつ性能に関して評価された。水処理システム10は、電気再生式脱イオン装置16及び容器12を有した。入口点14からの水は、圧力容器12に入口62を通って導入された。被処理水は、加圧貯蔵容器12から引き出され、かつ電気再生式脱イオン装置16へ弁32a又は32bのいずれかを通って導入された。水処理システムも、電気再生式脱イオン装置16の上流に前処理システム28a及び28bを有した。電気再生式脱イオン装置16から出る水流は、弁32c及び32dの働きに応じて、ポンプ30a及び30bを通って加圧貯蔵容器12のいずれかへ移行されたか、又は電気再生式脱イオン装置16に循環して戻った。濃縮水流のドレン26への放出は、弁32eを作動させることにより制御された。処理水は、加圧貯蔵容器12から出口64を通って引き出され、かつ生成物として使用地点18に導入された。水処理システムは、測定水導電率に基づき、プログラマブルコントローラ(図示せず)によって制御された。水処理システムは、約220μS/cmの導電率が達成されるまで操作された。水処理システムからの処理水は、加圧貯蔵容器12から引き出され、かつ約3時間毎に約11〜約14ガロンの速度で使用地点18に送り出された。ポンプ30a及び30bを通る流量は、それぞれ流量計20a及び20bを介して監視された。
【0072】
電気再生式脱イオン装置16は、膨張メッシュ酸化ルテニウム電極の間の、25セル対スタックからなっていた。電気再生式脱イオン装置16は、処理水又は生成物が、減耗区画から陰極区画へ流れ、かつ濃縮区画からの濃縮水流が陽極区画を通って循環するように構成された。電気再生式脱イオン装置の各セルは、約40%のAMBERLITE(登録商標)SF120樹脂及び約60%のAMBERLITE(登録商標)IRA458樹脂で満たされ、両方ともRohm & Haas Company、Philadelphia、Pennsylvaniaから入手可能である。
【0073】
プログラマブルコントローラは、Allen−Bradley Company,Inc.、Milwaukee、Wisconsinから入手可能な、MICROLOGIX(商標)及び1000プログラマブルコントローラであった。
【0074】
電界は、電気再生式脱イオン装置を横切って印加され、かつ約15分毎に逆にされた。電気再生式脱イオン装置16を横切る印加電界は、最初に約40Vで操作され、かつ約52Vに変更された。
【0075】
容器12は、約17ガロンを含む直径約10インチのガラス繊維タンクであった。入口点14からの供給圧力は、約30psigであった。希釈及び濃縮水流中の流量は、1分当たり約1.3〜約1.4リットルで維持された。
【0076】
前処理システム28a及び28bは、約0.5マイクロメートルの等級を有する5インチ炭素ブロックフィルタからなっていた。その上に、1つのデプスフィルタ及び1つの1インチ沈殿物フィルタからなる前処理システムが、被処理水を容器12内に導入する前に、重粒子を除去するために使用された。
【0077】
1つの液体回路において、容器12からの水は、それが処理される電気再生式脱イオン装置16へ弁32aを通して導入された。処理水は、ポンプ30a及び弁32cを通って容器12に戻された。もう1つの液体回路において、電気再生式脱イオン装置16の濃縮区画内を流れる濃縮水流は、ポンプ30bを通って循環し、かつ弁32d及び32bによって方向付けられた。もう1つの液体回路において、被処理水は、容器12の出口64から引き出され、かつ弁32bを通って電気再生式脱イオン装置16の第2減耗区画に導入された。電気再生式脱イオン装置16から出る処理水は、次にポンプ30b及び弁32cによって容器12に戻された。電気再生式脱イオン装置16の第2濃縮区画からの濃縮水流を含む第4液体回路は、ポンプ30aを操作し、かつ流れを弁32c、32d及び32aを通って方向付けすることによって循環した。
【0078】
水処理システムは、種々の条件で操作され、かつ操作パラメータは、測定され、かつ図6A、6B、7A、7B、8A及び8Bに示された。各図において、操作パラメータは、水処理システムの効率及び性能を評価するために変動させた。
【0079】
水処理システムは、断続的水洗又はドレン26への濃縮水流の放出が、24秒毎に、約6秒起きるように操作された。ドレンに放出された量は、1分当たり約300ミリリットルであった。生成水は、3時間毎に約12.5ガロンの速度で容器12から引き出された。約40Vの印加電位で、電気再生式脱イオン装置は、設定点に到達した後、自動的に停止し、かつ使用地点18への次の生成物引き出し前に、25分間停止したままでいた。停止時間の継続期間は、操作中のシステムの効率を表す。図6A及び6Bは、約40Vの印加電位で、水処理システムが、約220μS/cmの導電率を有する軟水、及び断続的に流出するドレンサイクルへの排出物を生成するために操作できることを示す。
【0080】
図7A及び7Bは、約52Vの高い電位で、かつ約26秒毎に約4秒の減少した水洗サイクルで操作される水処理システムの操作データを示す。操作中に、電気再生式脱イオン装置は、約57分の停止期間を有した。生成水は、容器12から約3時間毎に約11.7ガロンの速度で引き出された。図7A及び7Bは、水処理システムが、性能及び水質を低減させることなく、水洗時間の総計を減少させて、処理水を生成するために操作できることを示す。また、図7Bに示すように、かつ図6Bと比較して、排出水流の導電率は、停止期間が増加するのと同時に増加した。それ故に、図7A及び7Bは、水処理システムが、図6A及び6Bに関連した操作条件と比較して高い効率で処理水を生成するために操作できることを示す。
【0081】
図8A及び8Bは、水処理システムへの増加した荷重の影響を示す。使用地点18への生成物の量は、3時間毎に約14ガロンに増加した。これらの操作条件で、電気再生式脱イオン装置の停止時間の継続期間は、増加した荷重のために、予期されたように、約30分に減少した。図8A及び8Bは、システムが、増加した荷重でなおも操作できることを示す。
【0082】
当業者は、ここに記載された全てのパラメータ及び構成が、例示的なものであることが意図され、かつ実際のパラメータ及び構成は、本発明のシステム及び方法が使用される具体的な用途によって決まることを容易に認めるであろう。当業者は、定常の実験法の域を出ないでよいものを使用すれば、ここに記載された本発明の具体的な実施態様の多くの等価物を認識又は確認できるであろう。例えば、設置スペース又は体積が既存の設備又は構造によって限定される時のように、電気再生式脱イオン装置が貯蔵システム内に設置されることが望ましい時には、そのようにできるように本発明を構成できること、又は電気再生式脱イオン装置が停止後所定の期間水洗されるように時間遅延を使えることを、当業者は認識できるであろう。従って、前述の実施態様は、専ら例として提示されること、並びに添付の請求項及びその均等の範囲内で、本発明が具体的に記載された以外の方法で実施できることが理解されるべきである。本発明は、ここに記載された各個別の特徴、システム、又は方法を対象とする。その上、2つ以上のかかる特徴、システム、又は方法のいかなる組み合わせも、かかる特徴、システム、又は方法が互いに矛盾していないならば、本発明の範囲内に含まれる。本発明は、流体として水を使用して記載されたが、そのように限定されるべきでない。例えば、処理水に言及する場合、他の流体が、本発明によって処理できると考えられる。更に、水又は水の特性に関して調整、修正、測定又は稼働する本発明のシステムの部品又は方法のステップに言及する場合、本発明は、同様に適用できると考えられる。それ故に、被処理流体は、水を含む混合物である流体であり得る。従って流体は、水を含む液体であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の1つ以上の実施態様による、1組のセンサを有する貯蔵システム及び電気再生式脱イオン装置を示す水処理システムの工程流れ図である。
【図2】本発明の1つ以上の実施態様による、減耗及び濃縮区画を通る流体及びイオンの流れの方向を例示する典型的な電気再生式脱イオン装置を通る概略断面図である。
【図3】実施例1で論じるような本発明の1つの実施態様による水処理システムの概略流れ図である。
【図4】実施例2で論じるような本発明の1つの実施態様による水処理システムの概略流れ図である。
【図5】実施例3で論じるような本発明の1つの実施態様による水処理システムの概略流れ図である。
【図6A】生成物及びタンク出口水流の導電率を示す、約40ボルトの印加電位での図5に概略的に示す水処理システム内で測定された水特性を示すグラフである。
【図6B】排出水流の導電率を示す、約40ボルトの印加電位での図5に概略的に示す水処理システム内で測定された水特性を示すグラフである。
【図7A】生成物及びタンク出口水流の導電率を示す、約52ボルトの印加電位での図5に概略的に示す水処理システム内で測定された水特性を示すグラフである。
【図7B】排出水流の導電率を示す、約52ボルトの印加電位での図5に概略的に示す水処理システム内で測定された水特性を示すグラフである。
【図8A】生成物及びタンク出口水流の導電率を示す、図5に概略的に示す水処理システムの測定された水特性を示すグラフである。
【図8B】排出水流の導電率を示す、図5に概略的に示す水処理システムの測定された水特性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0084】
10 水処理システム
12 貯蔵システム
14 入口点
16 電気化学装置、電気再生式脱イオン装置
18 使用地点
22 制御装置
24 電源
26 ドレン
32、32a、32b、32c、32d、32e、32f、32g、32h、32i、32j、32k、32l 弁
32a 流量レギュレータ
34 減耗区画
36 濃縮区画
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理水及び濃縮水流を生成するために水を電気化学装置に導入することと、
電気化学装置の濃縮区画内で濃縮水流の少なくとも一部を再循環させることと、
所定の放出スケジュールに従って、濃縮水流の所定の部分を放出することとを含む水処理方法。
【請求項2】
濃縮水流の所定の部分を放出することを繰り返すことを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所定の充填スケジュールに従って、電気化学装置を横切って印加される電界を逆にすることを更に含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
処理水の特性を測定することを更に含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
処理水の特性に基づき、所定の放出スケジュールを調整することを更に含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
濃縮水流の所定の部分を放出するに当たり、流量レギュレータを作動させることを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
流量レギュレータに正電荷を印加することを更に含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
正電荷を印加するに当たり、所定の充填スケジュールに従う請求項7に記載の方法。
【請求項9】
流量レギュレータは弁を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
処理水の特性に基づき濃縮水流の所定の部分を調整することを更に含む請求項4に記載の方法。
【請求項11】
処理水のLSIを算出することを更に含む請求項4に記載の方法。
【請求項12】
算出LSIに基づき所定の放出スケジュールを最適化することを更に含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
濃縮水流の所定の部分を放出するに当たり、濃縮水流の所定の部分を灌漑システムに導入することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
生成された処理水が家庭用途に適している請求項1に記載の方法。
【請求項15】
濃縮区画と、
濃縮区画の下流に位置決めされた、正に帯電した流量レギュレータとを含む電気化学装置。
【請求項16】
所定の充填スケジュールに従って、正電荷を正に帯電した流量レギュレータに印加する電源を更に含む請求項15に記載の装置。
【請求項17】
正に帯電した流量レギュレータは弁を含む請求項15に記載の装置。
【請求項18】
正に帯電した流量レギュレータは、流れオリフィスを有するプレートを含む請求項15に記載の装置。
【請求項19】
正に帯電した流量レギュレータは黒鉛材料を含む請求項15に記載の装置。
【請求項20】
正に帯電した流量レギュレータはダイヤフラム弁を含む請求項15に記載の装置。
【請求項21】
濃縮区画と、濃縮区画の下流に位置決めされた流量レギュレータとを含む電気化学装置を提供することを含み、流量レギュレータが、電気化学装置の操作中、正電荷を有するように構成され、かつ配列される、水処理を促進する方法。
【請求項22】
処理水を生成するために電気化学装置に水を導入することと、
処理水の少なくとも一部を貯蔵することと、
処理水の生成を中止することと、
電気化学装置内の流体を処理水で置換することとを含む水処理方法。
【請求項23】
処理水生成を中止した後、電気化学装置からの流体をフラッシュ洗浄することを更に含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
電気化学装置は、処理水によって洗浄される請求項23に記載の方法。
【請求項25】
入口点と、
入口点に流体的に接続された濃縮区画及び減耗区画を含む電気化学装置と、
濃縮区画の下流に流体的に接続された正に帯電した流量レギュレータと、
減耗区画に流体的に接続された貯蔵システムと、
貯蔵システムに流体的に接続された使用地点とを含むシステム。
【請求項26】
所定の充填スケジュールに従って、正電荷を流量レギュレータに印加する電源を更に含む請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
電界を電気化学装置に印加する電源を更に含む請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
流量レギュレータは弁を含む請求項25に記載のシステム。
【請求項29】
流量レギュレータは所定の放出スケジュールに従って所定量の流体を放出するために配置される請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
流量レギュレータは流れオリフィスを有するプレートを含む請求項25に記載のシステム。
【請求項31】
貯蔵システムは大気圧を超える圧力を有する請求項25に記載のシステム。
【請求項32】
使用地点は家庭用器具を含む請求項25に記載のシステム。
【請求項33】
濃縮区画と、
所定の放出スケジュール従って制御装置によって制御され、かつドレンへの廃棄水流の流れを制御するために、濃縮区画の下流に流体的に接続された流量レギュレータを含む電気再生式脱イオン装置。
【請求項34】
流量レギュレータは弁を含む請求項33に記載の装置。
【請求項35】
正電荷を流量レギュレータに印加する電源を更に含む請求項33に記載の装置。
【請求項36】
制御装置は、所定の充填スケジュールに従って正電荷を印加する電源を規制する請求項35に記載の装置。
【請求項37】
軟水を生成するために電気化学装置の減耗区画に水を導入することと、
電気化学装置の濃縮区画内で濃縮水流を再循環させることと、
流量レギュレータに近接した濃縮水流のpHを変更することとを含む水を軟水にする方法。
【請求項38】
濃縮水流のpHを変更するに当たり、pHを約7未満に変更する請求項37に記載の方法。
【請求項39】
pHを変更するに当たり、水素イオンを発生させることを含む請求項37に記載の方法。
【請求項40】
水素イオンを発生させるに当たり、電荷を流量レギュレータに印加することを含む請求項39に記載の方法。
【請求項41】
電荷は、所定の充填スケジュールに従って印加される請求項40に記載の方法。
【請求項42】
軟水の特性を測定することを更に含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
pHを調整するに当たり、水素イオンを発生させることを含む請求項42に記載の方法。
【請求項44】
pHを調整するに当たり、充填スケジュールに従って電荷を流量レギュレータに印加する請求項42に記載の方法。
【請求項45】
軟水の特性に基づき、充填スケジュールを調整することを更に含む請求項44に記載の方法。
【請求項46】
流体廃棄水流を有する濃縮区画と、
濃縮区画からドレンへの流体廃棄水流の一部を制御するダイヤフラム弁とを含む電気再生式脱イオン装置。
【請求項47】
ダイヤフラム弁は所定のスケジュールに従って作動する請求項46に記載の電気再生式脱イオン装置。
【請求項48】
流体廃棄水流を有する濃縮区画と、
所定のスケジュールに従って濃縮区画からドレンへの廃棄水流の一部を放出する手段とを含む電気再生式脱イオン装置。
【請求項49】
正電荷を、廃棄水流の一部を放出する手段に印加する手段を更に含む請求項48に記載の電気再生式脱イオン装置。
【請求項50】
所定のスケジュールを調整する手段を更に含む請求項48に記載の電気再生式脱イオン装置。
【請求項51】
水素イオン種を、放出手段を取り囲む流体中に発生させる手段を更に含む請求項48に記載の電気再生式脱イオン装置。
【請求項52】
廃棄水流を有する濃縮区画と、
廃棄水流をドレンに放出する手段と、
正電荷を、廃棄水流放出手段に印加する手段とを含む電気化学装置。
【請求項53】
減耗区画と、所定の放出スケジュールに従って制御装置によって制御され、かつドレンへの廃棄水流の流れを制御するために濃縮区画の下流に流体的に接続された流量レギュレータとを含む電気化学装置を有する流体処理システムにより流体処理を促進する方法。
【請求項54】
水処理システムを家庭用入口点に接続することを更に含む請求項53に記載の方法。
【請求項55】
水処理システムを家庭用使用地点に接続することを更に含む請求項53に記載の方法。
【請求項1】
処理水及び濃縮水流を生成するために水を電気化学装置に導入することと、
電気化学装置の濃縮区画内で濃縮水流の少なくとも一部を再循環させることと、
所定の放出スケジュールに従って、濃縮水流の所定の部分を放出することとを含む水処理方法。
【請求項2】
濃縮水流の所定の部分を放出することを繰り返すことを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
所定の充填スケジュールに従って、電気化学装置を横切って印加される電界を逆にすることを更に含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
処理水の特性を測定することを更に含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
処理水の特性に基づき、所定の放出スケジュールを調整することを更に含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
濃縮水流の所定の部分を放出するに当たり、流量レギュレータを作動させることを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
流量レギュレータに正電荷を印加することを更に含む請求項6に記載の方法。
【請求項8】
正電荷を印加するに当たり、所定の充填スケジュールに従う請求項7に記載の方法。
【請求項9】
流量レギュレータは弁を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
処理水の特性に基づき濃縮水流の所定の部分を調整することを更に含む請求項4に記載の方法。
【請求項11】
処理水のLSIを算出することを更に含む請求項4に記載の方法。
【請求項12】
算出LSIに基づき所定の放出スケジュールを最適化することを更に含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
濃縮水流の所定の部分を放出するに当たり、濃縮水流の所定の部分を灌漑システムに導入することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
生成された処理水が家庭用途に適している請求項1に記載の方法。
【請求項15】
濃縮区画と、
濃縮区画の下流に位置決めされた、正に帯電した流量レギュレータとを含む電気化学装置。
【請求項16】
所定の充填スケジュールに従って、正電荷を正に帯電した流量レギュレータに印加する電源を更に含む請求項15に記載の装置。
【請求項17】
正に帯電した流量レギュレータは弁を含む請求項15に記載の装置。
【請求項18】
正に帯電した流量レギュレータは、流れオリフィスを有するプレートを含む請求項15に記載の装置。
【請求項19】
正に帯電した流量レギュレータは黒鉛材料を含む請求項15に記載の装置。
【請求項20】
正に帯電した流量レギュレータはダイヤフラム弁を含む請求項15に記載の装置。
【請求項21】
濃縮区画と、濃縮区画の下流に位置決めされた流量レギュレータとを含む電気化学装置を提供することを含み、流量レギュレータが、電気化学装置の操作中、正電荷を有するように構成され、かつ配列される、水処理を促進する方法。
【請求項22】
処理水を生成するために電気化学装置に水を導入することと、
処理水の少なくとも一部を貯蔵することと、
処理水の生成を中止することと、
電気化学装置内の流体を処理水で置換することとを含む水処理方法。
【請求項23】
処理水生成を中止した後、電気化学装置からの流体をフラッシュ洗浄することを更に含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
電気化学装置は、処理水によって洗浄される請求項23に記載の方法。
【請求項25】
入口点と、
入口点に流体的に接続された濃縮区画及び減耗区画を含む電気化学装置と、
濃縮区画の下流に流体的に接続された正に帯電した流量レギュレータと、
減耗区画に流体的に接続された貯蔵システムと、
貯蔵システムに流体的に接続された使用地点とを含むシステム。
【請求項26】
所定の充填スケジュールに従って、正電荷を流量レギュレータに印加する電源を更に含む請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
電界を電気化学装置に印加する電源を更に含む請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
流量レギュレータは弁を含む請求項25に記載のシステム。
【請求項29】
流量レギュレータは所定の放出スケジュールに従って所定量の流体を放出するために配置される請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
流量レギュレータは流れオリフィスを有するプレートを含む請求項25に記載のシステム。
【請求項31】
貯蔵システムは大気圧を超える圧力を有する請求項25に記載のシステム。
【請求項32】
使用地点は家庭用器具を含む請求項25に記載のシステム。
【請求項33】
濃縮区画と、
所定の放出スケジュール従って制御装置によって制御され、かつドレンへの廃棄水流の流れを制御するために、濃縮区画の下流に流体的に接続された流量レギュレータを含む電気再生式脱イオン装置。
【請求項34】
流量レギュレータは弁を含む請求項33に記載の装置。
【請求項35】
正電荷を流量レギュレータに印加する電源を更に含む請求項33に記載の装置。
【請求項36】
制御装置は、所定の充填スケジュールに従って正電荷を印加する電源を規制する請求項35に記載の装置。
【請求項37】
軟水を生成するために電気化学装置の減耗区画に水を導入することと、
電気化学装置の濃縮区画内で濃縮水流を再循環させることと、
流量レギュレータに近接した濃縮水流のpHを変更することとを含む水を軟水にする方法。
【請求項38】
濃縮水流のpHを変更するに当たり、pHを約7未満に変更する請求項37に記載の方法。
【請求項39】
pHを変更するに当たり、水素イオンを発生させることを含む請求項37に記載の方法。
【請求項40】
水素イオンを発生させるに当たり、電荷を流量レギュレータに印加することを含む請求項39に記載の方法。
【請求項41】
電荷は、所定の充填スケジュールに従って印加される請求項40に記載の方法。
【請求項42】
軟水の特性を測定することを更に含む請求項41に記載の方法。
【請求項43】
pHを調整するに当たり、水素イオンを発生させることを含む請求項42に記載の方法。
【請求項44】
pHを調整するに当たり、充填スケジュールに従って電荷を流量レギュレータに印加する請求項42に記載の方法。
【請求項45】
軟水の特性に基づき、充填スケジュールを調整することを更に含む請求項44に記載の方法。
【請求項46】
流体廃棄水流を有する濃縮区画と、
濃縮区画からドレンへの流体廃棄水流の一部を制御するダイヤフラム弁とを含む電気再生式脱イオン装置。
【請求項47】
ダイヤフラム弁は所定のスケジュールに従って作動する請求項46に記載の電気再生式脱イオン装置。
【請求項48】
流体廃棄水流を有する濃縮区画と、
所定のスケジュールに従って濃縮区画からドレンへの廃棄水流の一部を放出する手段とを含む電気再生式脱イオン装置。
【請求項49】
正電荷を、廃棄水流の一部を放出する手段に印加する手段を更に含む請求項48に記載の電気再生式脱イオン装置。
【請求項50】
所定のスケジュールを調整する手段を更に含む請求項48に記載の電気再生式脱イオン装置。
【請求項51】
水素イオン種を、放出手段を取り囲む流体中に発生させる手段を更に含む請求項48に記載の電気再生式脱イオン装置。
【請求項52】
廃棄水流を有する濃縮区画と、
廃棄水流をドレンに放出する手段と、
正電荷を、廃棄水流放出手段に印加する手段とを含む電気化学装置。
【請求項53】
減耗区画と、所定の放出スケジュールに従って制御装置によって制御され、かつドレンへの廃棄水流の流れを制御するために濃縮区画の下流に流体的に接続された流量レギュレータとを含む電気化学装置を有する流体処理システムにより流体処理を促進する方法。
【請求項54】
水処理システムを家庭用入口点に接続することを更に含む請求項53に記載の方法。
【請求項55】
水処理システムを家庭用使用地点に接続することを更に含む請求項53に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【公表番号】特表2007−511351(P2007−511351A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539941(P2006−539941)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/037941
【国際公開番号】WO2005/049506
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(505146180)ユーエスフィルター・コーポレイション (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【国際出願番号】PCT/US2004/037941
【国際公開番号】WO2005/049506
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(505146180)ユーエスフィルター・コーポレイション (11)
【Fターム(参考)】
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