説明

水切りパック

【課題】切断作業の回数を減じ、内容物の大きさに依存しない水切りパックを得る。
【解決手段】固体と液体の内容物を収容してなる水切りパック1において、イージーピールからなるシール部105’に、前記固体を通さず前記液体のみ通液する非シール部106を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浅漬け、各種こんにゃく類、寒天その他水と一緒に包装する必要がある食料品を密封包装し、使用時に簡単な操作で水切り後、内容物のみを取り出すことのできる水切り機能を有する水切りパックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浅漬け、各種こんにゃく類、寒天を含むみつ豆等のデザート類等、水を含んだ食料品を密封包装した袋は、内容物を使用する場合、例えば袋を開封して内容物を一旦小鉢等に取り出し、過剰な水を切るような作業を行っていた。しかし、このような作業は、小鉢その他、水切り用として別途小道具等を必要とし、結構面倒なものであった。
【0003】
このような面倒な作業を回避し、製袋及び水を含む内容物の充填シールを容易に行うことができると共に、かつ、内容物の使用時には、袋自体が水切り機能を備えていて、水切り用の小道具等を必要とせず、内容物の水切りと、取り出しとを逐次容易に行うことができる水切りパックとして、図4に示すような水切り機能付袋が提案されている。図4は、従来の水切り機能付袋の構成を説明する正面図である。
【0004】
図4において、水切り機能付袋400は、四方シール形式に製袋されており、前後2面の壁面フィルム401の底部402と胴部両側の三方の外縁が、それぞれ所定幅の底部ヒートシール部403と胴部ヒートシール部404とでヒートシールにより封止され、袋の上部を封止するヒートシール部405は、所定幅のヒートシール部405aと、その内側に連設され、袋内部に連通する1個以上の非シール部405cによる通液路を備えたヒートシール部405bとで形成されている。
【0005】
そして、密封包装された内容物を使用する際には、袋上部の開封を2段階に分けて行い、第1段階の開封で上部ヒートシール部405の中、所定幅のヒートシール部405aの部分を容易に切り取れるように、ヒートシール部405bの略中心部を横切る位置に易開封性手段としてノッチ406とハーフカット線407とを設け、さらに、第2段階の開封で、袋上部に残されているヒートシール部405bの部分を容易に切り取れるように、ヒートシール部405bの内側の位置に易開封性手段としてノッチ406´とハーフカット線407´とを設けて構成したものである。
【0006】
このような構成を採ることにより、水切り機能付袋400に密封包装された内容物を使用する際には、第1段階の開封で、ノッチ406とハーフカット線407とを利用して、容易に外側の所定幅のヒートシール部405aの部分を切り取って除くことができる。これにより、袋400の開口部には、ヒートシール部405bの中、ハーフカット線407より内側の部分が残り、この部分が水切り機能を有するため、袋400を傾け、あるいは逆さまにすることにより、非シール部(通液路)405cから余分な水分が排出され、内容物の水切りを行うことができる。
【0007】
次いで、第2段階の開封を、ヒートシール部405bの内側の位置に設けたノッチ406´とハーフカット線407´とを利用して、開口部に残っているヒートシール部405bの部分を切り取って除くことにより、水切り機能付袋400の上部が開口し、内容物を容易に取り出すことができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−147542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記特許文献1に記載の水切り機能付袋400では、内容物を取り出すために、第1段階の開封と第2段階の開封といった2度の開封作業を必要とし、内容物を取り出す作業が依然として面倒であるといった問題がある。また、内容物を取り出すために、第2段階の開封のために用いられるノッチ406´とハーフカット線407´とを、第1段階の開封のためのノッチ406とハーフカット線407とは別に設ける必要があり、水切り機能付袋400の成形工程が複雑になるという問題もあった。
【0010】
さらに、水切り機能付袋400の非シール部(通液路)の内径が一定であるため、水切り機能付袋400に密封包装される水分以外の内容物において、その外径が非シール部(通液路)の内径より小さい物質が混在している場合、第1段階の開封において、水分と共にそのような物質も一緒に排出されてしまうという問題もあった。
【0011】
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、一度の開封作業のみで内容物の水切りを行い内容物を容易に取り出すことができる水切りパックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の本発明における水切りパックは、固体と液体の内容物を収容してなる水切りパックにおいて、イージーピールからなるシール部に、前記固体を通さず前記液体のみ通液する非シール部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、水切りパック自体が水切り機能を備えており、ただ一度の開封作業により、内容物の水切りと内容物の取り出しとを容易に行うことができる水切りパックを効率的に生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施例に係る水切りパックの構成を説明する正面図である。
【図2】本発明の第2の実施例に係る水切りパックの構成を説明する正面図である。
【図3】本発明の第3の実施例に係る水切りパックの構成を説明する正面図である。
【図4】従来の水切り機能付袋の構成を説明する正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化乃至省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0016】
以下に本発明の実施の形態に係る水切りパックの製造に用いるフィルム、及びその製袋方法等について説明する。先ず、本発明の水切りパックの製造に用いるフィルムは、主にプラスチックを主体とする積層フィルムが用いられるが、特に限定はされず、例えば、水分が共存するような内容物の包装用に用いられている公知の積層フィルムは、いずれも好ましく使用することができ、これらの中から包装する内容物の種類や、内容物充填後の処理の有無等使用条件に応じて、適するものを自由に選択して使用することができる。例えば、好ましく使用できる積層フィルムの構成の具体例として、以下のようなものが挙げられる。
【0017】
本発明の実施形態に係る水切りパックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等、目的に応じて種々の樹脂を用いることができる。これらは単独で用いても、複数を用いて共重合体としても良い。なお、フィルムには、難燃剤、防腐剤、着色剤、滑材等の添加剤を含んでも良い。また、水切りパックは、プラズマ処理、コロナ処理等が施されていてもよい。内容物としては、浅漬け、各種こんにゃく類、寒天を含むみつ豆等のデザート類等、固形物と水等の液体とを含んだものを用いることができる。
【0018】
なお、これらの樹脂は、接着剤を用いて貼り合わせが行われ、例えば、ドライラミネーション法を利用する場合、ポリウレタン系等の2液硬化型接着剤が用いられる。また、アンカーコートは、押し出しコーティングで樹脂を積層する際、接着性を向上させるために基材フィルム側に予めコーティングするものでプライマーコートの一種である。
【0019】
これらの積層フィルムの構成において、ナイロンフィルム、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムは、基材フィルムとして袋に機械的強度や印刷適性を付与し、延伸したフィルムは、その延伸方向を袋を開口させる際の引き裂き方向と一致するように用いることにより、引き裂きの方向性を一層安定化させることができる。そして、アルミニウム箔、シリカ蒸着層、EVOHフィルム等は、ガスバリヤー性を付与するために積層することができる。
【0020】
次に、以上のような積層フィルムを用いて製造する本発明の水切りパックの製造方法について説明する。本発明の水切りパックは、先に説明したように、袋の開口部のヒートシール部のシール強度に特徴を持たせると共に、その開封方法を規定して構成したものである。
【0021】
したがって、袋の形態そのものは、特に限定はされず各種の形態を利用できる。ただ、開封の便利性の点では、開口部に折り込み等によるフィルムの重なりの差のない形態がより好ましく、開口部がフィルムの二枚重ね部のみで形成される三方シール形式、四方シール形式、及びその変形タイプ等の平パウチ等が特に適している。
【0022】
ここでは代表例として、四方シール形式の水切りパックについて、その製造方法を説明する。袋の形態が四方シール形式の場合は、製造方法の自由度が高く、例えば、下述するような二通りの製造方法を採ることができる。
【0023】
第1の方法は、底部と両側端縁部の三方が所定の幅でヒートシールされ、一端(上部)が開口する所定の寸法の袋を作製する。この場合も、開口部に易開封性手段として、ノッチ設ける場合は、四方シール形式の袋用の製袋機にレーザー光照射装置とノッチ部の切断装置とを組み込むことにより、製袋とインラインで、袋の開口部の所定の位置にノッチを設けることができる。
【0024】
そして、開口部をヒートシールする上部ヒートシール部は、充填シール機において、袋に内容物を充填した後で、開口部の外縁を封止する所定幅のヒートシール部と、その内側にあって袋内部に連通する1個以上の非シール部による通液路を備えたヒートシール部とで形成される形状の上部ヒートシール部用の加熱板を用いて、開口部をヒートシールすることにより、四方シール形式の水切りパックを完成させることができる。
【0025】
第2の方法は、袋の底部を内容物の充填口として利用する方法であり、製袋時、上記のような袋上部のヒートシール部、ノッチ、及び両側端縁部の胴部ヒートシール部等の加工を先に行い、底部が開口する水切りパックを所定の寸法で作製する。そして、充填シール機では、開口する底部を上にして、底部から内容物の充填を行い、その後、底部を通常の袋と同様に所定のシール幅でヒートシールして密封するものである。
【0026】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの図面に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない限りにおいて種々の変化を加えることが可能である。また、図面に付した符号は、異なる図面においても同じ名称の部分には同じ符号を用いている。
【0027】
図1は、本発明の第1実施形態、図2は、本発明の第2実施形態に係る水切りパックの構成を説明する正面図である。図1において、水切りパック100は、四方シール形式に製袋されており、前後2面の壁面フィルム104の底部102と横部両側の三方の外縁が、それぞれ所定幅の底部ヒートシール部103と横部ヒートシール部101とによりヒートシールで封止され、水切りパック100の上部を封止する上部ヒートシール部105は、所定幅を有する強シールで形成されている。
【0028】
また、上部ヒートシール部105の内側には、易開封性であるイージーピールで構成されるイージーピール部105´と少なくとも内容物より幅の狭い非シールからなる非シール部106とを有する。なお、内容物それぞれの大きさにバラツキがある場合には、最も小さい幅を基準として非シール部106が構成される。
【0029】
また、上部ヒートシール部105を同様にイージーピールで構成しても良いし、横部ヒートシール部101のイージーピール部105´に対応する部分の所定幅をイージーピールで構成しても良い。また、イージーピール部105´は、輸送時等の内容物による応力集中により剥離が生じないようにある程度の厚みや幅を持たせることが好ましい。
【0030】
なお、イージーピールとは、JIS K6854によるヒートシール強度が10N/15mm幅未満で構成され、道具等を用いずにある程度の応力をかけることにより容易に剥離させることができるようヒートシールしたものである。
【0031】
この場合、製袋段階では、上部ヒートシール部105、又は底部ヒートシール部103のいずれか一方は、未シールの開口部とし、この部分から充填シール機により水等の液体を含む内容物を充填した後、所定のシールパターンで開口部をヒートシールして密封包装するものである。
【0032】
そして、密封包装された内容物を使用する際に、袋上部の開封を行い、ただ一度の開封で所定幅の上部ヒートシール部105及びイージーピール部105´の部分を容易に切り取れるように、イージーピール部105´を少なくとも横切るように、好ましくは略中心部を横切る位置に易開封性手段として第1ノッチ107を設けて構成したものである。
【0033】
このような構成を採ることにより、水切りパック100は、製袋が容易で生産性がよく、コスト面で安価となる利点があり、内容物の充填適性についても、通常の四方シール形式の袋と同様に、充填シール機により上下いずれかの開口部から容易に水等の液体を含む内容物を充填し、所定のシールパターンでヒートシールすることができる。
【0034】
そして、水切りパック100に密封包装された固体の内容物のみを取り出す際には、まず、第1ノッチ107を利用して横方向に引き裂くことで、上部ヒートシール部105及び上部より所定幅のイージーピール部105´の部分を切り取ることができる。これにより、水切りパック100の開口部には、易開封性イージーピール部105´のうち、点線108より内側の部分であるイージーピール部105´及び非シール部(通液路)106が残り、この非シール部106が水切り機能を有するため、水切りパック100を傾け、あるいは逆さまにすることにより、非シール部106から余分な水分が排出され、内容物の水切りを行うことができる。
【0035】
内容物の水切りが終了した後、イージーピール部105´に応力をかけるように内容物を押し出すことでイージーピール部105´が剥離し、水切りパック100の上部が固体の内容物よりも大きく開口することにより、固体の内容物のみを容易に取り出すことができる。
【0036】
以上、図1に示した実施例の水切りパック100では、水切りパック100上部の開封位置に、易開封性手段として第1ノッチ107を設けたが、この方法は、鋏等の道具を用いることなく手で簡便に所定の位置で切り取れるようにしたものである。なお、例えば、壁面フィルム104に用いる積層フィルムの延伸フィルムを積層し、その延伸方向を開封の際の引き裂き方向と合わせて製袋することで、ノッチ107を基点として横方向に一直線に開封可能である。その際には、ノッチ単独、又はノッチと印刷による切り取り線の表示108とを組み合わせでも良い。また、開封の起点となる開封性手段としては、ノッチに限らず、マジックカット(登録商標)を用いたり、ミシン目を入れたり、印刷等により切り取り線を表示し、鋏等の切断具を使用して切り取るように表示したりして、易開封性手段の付設を省略することもできる。
【0037】
また、水切り機能を付与する非シール部106の内径は、内容物の外径より小さい寸法とすることにより、様々な形状の内容物が混在していたとしても、水分のみを容易に排出することができ、水切りと同時に内容物が排出されることを防止することができる。なお、本実施形態においては、複数のイージーピール部105´及び非シール部106を図示しているが、これに限定されることなく、少なくとも固体の内容物より最小幅の狭い非シール部が1つ以上設けられるよう構成されていれば問題ない。また、イージーピール部105´の縦方向の長さを端に向かって、あるいは中央に向かって短くなるようにすることで、液体の排液性を高めることができる。
【0038】
図2は、本発明の第2の実施形態であり、非シール部の幅を固体の内容物の大きさに依存することなく、液体のみを取り出し可能にしたものである。水切りパック200は、四方シール形式に製袋されており、前後2面の壁面フィルム204の底部202と横部両側の三方の外縁が、それぞれ所定幅の底部ヒートシール部203と横部ヒートシール部201とでヒートシールにより封止され、水切りパック200の上部を封止する上部ヒートシール部205は、所定幅を有する強シール部で形成されている。
【0039】
この場合、製袋段階では、上部ヒートシール部205、又は底部ヒートシール部203のいずれか一方は、未シールの開口部とし、この部分から充填シール機により水を含む内容物を充填した後、所定のシールパターンで開口部をヒートシールして密封包装するものである。
【0040】
そして、密封包装された内容物を使用する際に、袋上部の開封を2段階に分けて行い、第1段階の開封で上部ヒートシール部205及び強シール205´の部分を容易に切り取れるように、強シール部205´の略中心部を横切る位置に易開封性手段として第1ノッチ207を設け、更に、第2段階の開封で、袋上部に残されている強シール部205´の部分を容易に切り取れるように、強シール部205´より内側の位置に易開封性手段として第2ノッチ208を設けて構成したものである。
【0041】
また、強シール部205´又は水切り機能を付与する非シール部206の形状については、本実施形態では、図2に示すように屈曲形状である。ここで、屈曲形状とは、直線形状であるか非直線形状であるかを問わず、例えば、直線形状であれば、屈曲(折れ曲がり)点の数はできるだけ多いほうが好ましい。また、非直線形状であれば、緩やかにカーブした形状であっても良く、屈曲形状のなす角度(θ)については、内容物の大きさにより適宜に調整可能である。すなわち、少なくとも固体の内容物が容易に通過しないような屈曲した形状であれば、任意の形状を採用することが可能である。本形態により様々な形状の内容物が混在しており、内容物の大きさが一定でない場合等においても、液体のみを排出することができ、水切りと同時に内容物が排出されることを防止することができる。
【0042】
また、例えば本発明の第3の実施例に係る水切りパックの構成を説明する図3のように独立したシール部305cを設け、非シール部307を縦(廃液方向)に交互に配置するよう構成しても良い。なお、このとき少なくとも上下に配置されたシール部305b、305cで構成される非シール部の幅307´は、固体の内容物より小さくする必要がある。本構成により、固体の内容物の目詰まりによる排液性低下を抑制することができる。
【0043】
このような構成を採ることにより、水切りパック200は、製袋が容易で生産性がよく、コスト面で安価となる利点があり、内容物の充填適性についても、通常の四方シール形式の袋と同様に、充填シール機により上下いずれかの開口部から容易に水を含む内容物を充填し、所定のシールパターンでヒートシールすることができる。
【0044】
そして、水切りパック200に密封包装された内容物を使用する際には、第1段階の開封で、第1ノッチ207を利用して、容易に外側の所定幅の上部ヒートシール部205の部分を切り取って除くことができる。これにより、水切りパック200の開口部には、強シール部205´のうち、点線209より内側の部分が残り、この部分が水切り機能を有するため、水切りパック200を傾け、あるいは逆さまにすることにより、非シール部(通液路)206から余分な水分が排出され、内容物の水切りを行うことができる。
【0045】
次いで、第2段階の開封を、強シール部205´の内側の位置に設けた第2ノッチ208を利用して、開口部に残っている強シール部205´の部分を切り取って除くことにより、水切りパック200の上部が開口し、内容物を容易に取り出すことができる。
【0046】
以上、図2に示した実施例の水切りパック200では、水切りパック上部の第1段階及び第2段階の開封位置に、易開封性手段として第1ノッチ207、第2ノッチ208を設けたが、この方法は、鋏等の道具を用いずに手で簡便に所定の位置で切り取れるようにしたものであり、他の方法として、例えば、壁面フィルム204に用いる積層フィルムの中間層に一軸延伸フィルムを積層し、その延伸方向を開封の際の引き裂き方向と合わせて製袋する場合には、ノッチ単独、またはノッチと印刷による切り取り線の表示の組み合わせでもよい。また、マジックカット(登録商標)を用いたり、印刷等により切り取り線を表示し、鋏等の切断具を使用して切り取るように表示したりした場合には、易開封性手段の付設を省略することもできる。
【0047】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記説明した2つの実施例を併合した水切りパックを形成しても良い。すなわち、水切りパック上部が所定幅の上部ヒートシール部で形成され、その内部がジグザグ形状に形成された非シール部(通液路)と易開封性イージーピール部とで構成され、ただ一度の開封により、上部ヒートシール部全体と、非シール部(通液路)と、易開封性イージーピールの略半分とが切り取られることにより、非シール部(通液路)から水分が排出される。
【0048】
このとき、非シール部(通液路)と易開封性イージーピール部とは、ジグザグ形状に形成されているので、様々な形状の内容物が混在しており、内容物の大きさが一定でない場合等においても、水分のみを容易に排出することができ、水切りと同時に内容物が排出されることを防止することができる。
【0049】
内容物の水切りが終了した後、略半分残された易開封性イージーピール部を開封することにより、水切りパックの上部全てが開口し、内容物を容易に取り出すことができる。この場合には、開封は一度で済むので、易開封性手段として第2ノッチ208を設ける必要はなくなる。これは、図3の場合も同様であり、独立して設けられたシール部305b、305cが易開封性イージーピールであり、非シール部307が縦(廃液方向)に交互に配置するよう構成された場合においても、開封は一度で済むので、易開封性手段としてのノッチ306´を設ける必要はなくなる。
【0050】
このように、本発明によれば、水切りパック自体が水切り機能を備えており、ただ一度の開封作業により、内容物の水切りと内容物の取り出しとを容易に行うことができると共に、様々な大きさの内容物が混在していたとしても、水分のみを容易に排出することができる水切りパックを効率的に生産することができる。
【0051】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範囲な趣旨及び範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正及び変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る水切りパックは、浅漬け、各種こんにゃく類、寒天を含むみつ豆等のデザート類等、水を含んだ食料品を密封包装した袋の内容物を使用する場合、内容物の水切りと、取り出しとを逐次行う場合に好適に用いられる。本発明に係る水切りパックによれば、開封作業を容易にすることができると共に、成形工程の簡略化にも優れる。
【符号の説明】
【0053】
100、200、300 水切りパック
101、201、304 横部ヒートシール部
102、202、302 底部
103、203、303 底部ヒートシール部
104、204、301 壁面フィルム
105、205、305a 上部ヒートシール部
105´ イージーピール部
106、206、307 非シール部
107、207、306 第1ノッチ
307´ 非シール部の幅
108、209、309 点線
205´ 強シール部
208 第2ノッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体と液体の内容物を収容してなる水切りパックにおいて、
イージーピールからなるシール部に、前記固体を通さず前記液体のみ通液する非シール部を備えることを特徴とする水切りパック。
【請求項2】
前記シール部及び前記非シール部を横切るように開封可能な開封性手段を有することを特徴とする請求項1に記載の水切りパック。
【請求項3】
前記非シール部の幅は、前記固体の内容物の最小幅よりも小なることを特徴とする請求項1又は2に記載の水切りパック。
【請求項4】
前記非シール部は、屈曲形状であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の水切りパック。
【請求項5】
独立したシール部を有し、廃液方向に交互に非シール部が配置されたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の水切りパック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−23237(P2013−23237A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157680(P2011−157680)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000104674)キョーラク株式会社 (292)
【Fターム(参考)】