説明

水平反応容器

下部部分3と2つの対向端部9、10とを有する水平反応容器1であって、この水平反応容器は、一端部9に液体入口13と、対向端部10に流体出口14と、下部部分3に配置された気体入口装置17とを備え、この水平反応容器は、通常の運転中に反応容器1を通る液体の流れ方向に配置された少なくとも1個の実質上垂直のじゃま板23を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平反応容器に関し、詳細にはエチルベンゼンまたはクメンなどの液体反応物を酸素などの気体反応物に接触させて、有機ヒドロペルオキシドを得る水平反応容器に関する。
【背景技術】
【0002】
水平反応容器は、従来技術において既に知られており、例えば、米国特許第4,269,805号明細書に記載されている。
【0003】
気体反応物と液体反応物を接触させる水平反応容器には、まだ改良の余地がある。気体反応物と液体反応物との間の接触がさらに良好になることは、一般に気体反応物と液体反応物の間の反応を、より効率的にする傾向があるので望ましい。より高い効率は、工程をより高い処理量で運転することを可能にすることができる。気体反応物と液体反応物との間の接触がさらに良好であることのさらに他の利点は、生成される副生成物の量を低減できることである。副生成物の生成は、十分な気体反応物がない中で液体反応物を加熱することによって起きることがある。副生成物が少ないと、一般に所望の生成物の量が増加する。
【0004】
液体反応物が気体反応物と接触する工程は、エチルベンゼンまたはクメンなどの液体有機化合物と酸素が反応して、対応するヒドロペルオキシドを得る。エチルベンゼンヒドロペルオキシドは、プロペンをプロピレンオキシドに変換するために商業的に用いられる。それによって形成される1−フェニルエタノールは、続いて脱水されてスチレンを得ることができる。クメンヒドロペルオキシドは、フェノールとアセトンを調製するために商業的に用いられる。代わりに、クメンヒドロペルオキシドは、エチルベンゼンが用いられる工程に類似した工程で、プロペンと反応させてプロピレンオキシドを得ることができる。クメンベースの工程とエチルベンゼンベースの工程との主な違いは、クメンヒドロペルオキシドとプロペンの反応の際に形成されるクメンヒドロペルオキシドから誘導されたアルコールが、一般に水素化されてクメンに戻されることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、液体反応物を気体反応物に接触させる水平反応容器の性能は、容易かつ単純な方法で大きく改善できることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下部部分と2つの対向端部とを有する水平反応容器に関し、この水平反応容器は、一端部に液体入口と、対向端部に流体出口と、下部部分に配置された気体入口装置とを備え、この水平反応容器は、通常の運転中に反応容器を通る液体の流れ方向に配置された少なくとも1個の実質上垂直のじゃま板(baffle−plate)を含む。
【0007】
さらに本発明は、液体反応物を気体反応物に接触させる工程に関し、この工程は、下部部分と2つの対向端部とを有する水平反応容器中で行われ、この工程は、液体反応物を反応容器の一端部の液体入口を介して反応容器に加えることと、気体反応物を同じ端部の下部部分に配置された気体入口装置を介して加えることと、反応生成物を対向端部の流体出口を介して取り除くこととを含み、この工程は、通常の運転中に反応容器を通る液体の流れ方向に配置された少なくとも1個の実質上垂直なじゃま板をさらに含む反応容器中で行われる。
【0008】
本工程は、液体有機化合物を酸素含有気体に接触させることによる、ヒドロペルオキシドの製造に特に適している。
【0009】
本発明は、商業的運転用途の大きな反応容器に使用するのに特に適していることが見出された。それらの大容積の運転で反応物を効率的に接触させることは、小容積の運転または研究所装備における運転よりも難しくなる。
【0010】
添付図面を参照して、本発明を例示としてさらに詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の反応容器は、実質上水平の反応器である。実質上水平であることは、水平面に実質上平行であると理解される。本発明に用いられる反応容器は、管状であることが好ましい。それらの管状反応容器は、広範囲に様々な形状を有することができる。例えば、それらの管状反応容器は、正方形、長方形、または楕円断面を有することができる。実際的な目的のために、円形断面を有する反応容器が好ましい。
【0012】
水平反応器において、通常の運転中、流体の大部分は水平方向に流れる。水平反応容器は、長い滞留時間を用いて、液体を比較的大量の気体と接触させることを可能にする。これは、比較的低い反応速度の観点から、有機ヒドロペルオキシドの製造に有利である。
【0013】
反応容器は、下部部分と2つの対向端部とを有し、一端部に液体入口と、対向端部に流体出口とを備える。反応容器は、通常の運転中に反応容器を通る液体の流れ方向に配置された少なくとも1個の実質上垂直のじゃま板を含む。実質上垂直のじゃま板は、水平面に対して実質上垂直に配置されたじゃま板であると理解される。通常の運転中の反応容器を通る液体の流れ方向は、反応容器の一端部から対向端部であるので、じゃま板は、反応容器の一端部から対向端部の方向に配置されると理解される。本発明に用いられるじゃま板は、それらじゃま板が、通常の運転中に液体が流れる方向に平行となるように配置されることが好ましい。水平管状反応容器において、じゃま板は、実質上長手方向に配置されることが好ましい。
【0014】
じゃま板は、水平反応容器の中心長手軸に平行なまたは中心長手軸に一致する垂直面に配置されることが好ましい。液体混合の目的のために、じゃま板は、部分的に穿孔されることができる。
【0015】
じゃま板の高さは、広範囲に変化することができる。一般に、じゃま板は、反応容器の高さの5%〜60%、さらに詳細には5%〜50%である。単一じゃま板が存在するならば、これは、反応容器の高さの60%を超えることもできる。水平反応容器の高さは、広範囲に変化することができ、実際の目的のためには、しばしば約0.5メートル〜約15メートルの範囲とすることができ、好ましくは約2メートル〜約8メートルである。実際の目的のためのじゃま板の好ましい高さは、約0.025メートル〜約9メートルの範囲とすることができ、さらに好ましくは約0.1メートル〜約5メートルである。比較的低いじゃま板(例えば、反応容器の高さの5%〜20%の範囲)および比較的高いじゃま板(例えば、反応容器の高さの20%〜50%の範囲)の両方とも、気体反応物と液体反応物との間に望ましい改善された接触を与えることが見出された。また、十分均一な反応器温度をまだ維持することができるならば、非常に高いじゃま板(例えば、反応容器の高さの60%〜100%、好ましくは60%〜80%の範囲)も有利になり得る。十分均一な反応器温度を維持するためには、少なくとも部分的に穿孔されたじゃま板を用いることが有利であろう。当業者であれば、じゃま板の好ましい高さおよび所与の容器中の好ましい穿孔の程度は、熱交換手段の位置およびさらに内部の位置などさらに他の状況に応じることを理解するであろう。
【0016】
2個以上のじゃま板の存在は、特に有利であることが見出された。したがって、2個以上の平行なじゃま板を用いることが好ましい。垂直じゃま板の数は、2個から10個であることが好ましく、さらに好ましくは2個から5個、さらに好ましくは2個から4個、さらに好ましくは2個または3個、最も好ましくは3個である。
【0017】
奇数のじゃま板が存在すれば、中心のじゃま板は、一般に反応容器の中間にあるであろう。その場合、じゃま板は、容器中のスロッシングの危険性を低減するためのスロッシングじゃま板として機能することもできる。
【0018】
じゃま板は、当業者によって適切であると知られる任意の方法で、直接または間接に反応容器の壁に接続されることができる。じゃま板は、直接または間接に容器の底に接続されることが好ましい。じゃま板の下部部分には通路を設けることが好ましい。反応器の十分な排出を可能にするために、反応器の壁とじゃま板との間の距離は、少なくとも5mmであることが好ましい。
【0019】
本発明において、じゃま板は実質上垂直である。正確なじゃま板の位置は、さらに他の状況に応じる。じゃま板は、反応容器の壁に垂直に配置されることが好ましいことがある。
【0020】
反応容器中のじゃま板の好ましい位置は、反応容器の形状、入口と出口の位置、および用いられる流体の空間速度など他の特徴に応じる。1個を超えるじゃま板が存在するならば、これらのじゃま板は、容器の中心の周りに均等に配分されることが好ましい。
【0021】
特に良好な結果を与えることが見出されたじゃま板の装備は、均等な間隔で配置された少なくとも3個の平行なじゃま板が存在するものである。均等な間隔とは、じゃま板が、反応器の下部部分で、隣接じゃま板間の距離が等しくなるように間隔を置くことを意味する。
【0022】
反応容器は、液体入口と、1個または複数の気体入口と、流体出口とを備える。液体入口および流体出口は、容器を最大に使用するために、反応容器の対向端部に配置される。
【0023】
反応容器は、反応容器の下部部分に配置された気体入口装置をさらに備える。反応容器の下部部分は、水平反応容器の中心長手軸を通る水平面以下にある反応容器の部分であると理解される。
【0024】
気体入口装置は、当業者によって適切であると知られる任意の気体入口とすることができる。本発明による反応容器は、各反応容器に少なくとも1個の気体入口、好ましくは少なくとも5個の気体入口を含む。気体入口は、気体供給と反応容器との間の開口部であると考えられる。好ましい気体入口装置は、反応容器の下部部分中に延びる水平の穿孔されたパイプである。穿孔されたパイプの穿孔は、反応容器中に開口する。本発明において最も好ましく用いられる気体入口は、いわゆるスパージャー管である。
【0025】
気体入口装置は、反応容器の下部部分に配置される。気体入口装置は、容器の底近くにあることが好ましい。
【0026】
本発明に用いられる好ましい気体入口装置は、各じゃま板の両側に、少なくとも1個の穿孔されたパイプを備える。2個のじゃま板を含む反応容器は、少なくとも3個の穿孔されたパイプを備えることが好ましい。3個のじゃま板を含む反応容器は、少なくとも4個の穿孔されたパイプを備えるのが好ましい。
【0027】
本明細書においてさらに説明するように、単一反応容器は、いくつかの反応ゾーンを備えることができる。この場合、各反応ゾーンは、気体入口装置を含むことが好ましい。各気体入口装置は、そのような場合、無関係に運転できることが好ましい。
【0028】
本発明による反応容器は、液体反応物と気体反応物との接触に特に適している。したがって、さらに本発明は、液体反応物を気体反応物に接触させる工程に関し、この工程は、下部部分と2つの対向端部とを有する水平反応容器中で行われ、この工程は、液体反応物を反応容器の一端部で液体入口を介して反応容器に加えること、気体反応物を下部部分に配置された気体入口装置を介して加えること、反応生成物を対向端部の流体出口を介して取り除くこととを含み、この工程は、通常の運転中に反応容器を通る液体の流れ方向に配置された少なくとも1個の実質上垂直なじゃま板をさらに含む反応容器中で行われる。
【0029】
反応生成物は、液体入口に対向して位置する流体出口を介して取り除かれる。さらに、1個または複数の気体出口が、存在することができる。気体出口は、液体入口近くまたは流体出口近くなど、反応容器の長手方向の任意の位置に存在することができる。
【0030】
本発明による反応容器は、しばしば反応混合物の温度を制御するための熱交換手段を含むであろう。それらの熱交換手段は、気体入口よりも高い位置に配置されることが好ましい。
【0031】
本発明による反応容器は、液体有機化合物と酸素含有気体との接触によるヒドロペルオキシドの製造に特に適している。さらに、その工程中に溶媒が存在することができる。
【0032】
酸素含有気体は、酸素単独、またはかなりの量の酸素が存在する任意の気体とすることができる。本発明に用いられる酸素含有気体は、空気であることが好ましい。その場合、任意選択的な気体出口20を介して取り除かれることのできる過剰の気体は、不活性気体と限られた量の未変換酸素を含むであろう。
【0033】
本発明に用いるための有機化合物は、適切であることが知られている任意の化合物とすることができる。使用するのが好ましい有機化合物は、エチルベンゼンまたはクメンである。エチルベンゼンを用いるのが最も好ましい。
【0034】
本発明に用いられる工程条件は、良く知られている。温度は、50℃〜250℃であるのが好ましく、さらに好ましくは100℃〜200℃、さらに詳細には120℃〜180℃である。反応器が、ヒドロペルオキシドの製造工程に用いられるならば、容器は、一般に反応容器中に配置された熱交換手段を含み、熱交換手段は、運転の開始時に反応混合物を加熱し、かつ反応が十分進んだときに冷却する。
【0035】
加えるべき酸素含有気体の量および加えるべき有機化合物の量は、反応容器の容積と形状、および得られる生成物中のヒドロペルオキシドの望ましい濃度など、工程の特定の状況に応じる。
【0036】
本工程の圧力は、重要ではなく、特定の状況に最善に適応するように選択されることができる。一般に、容器の頂部近くの圧力は、大気圧から10×10N/m、さらに詳細には1×10N/mから5×10N/mであろう。
【0037】
気体出口20を介して取り除かれる気体は、かなりの量の未変換有機化合物を含むことができる。未変換有機化合物の正確な量は、使用した化合物および用いた工程条件に応じる。望むならば、気体の温度を下げて、液体の未変換有機化合物を得ることができる。それらの未変換液体は、循環されて本発明の工程中でさらに使用することができる。
【0038】
本発明による反応容器は、さらに他の反応容器と直列に配置されることができる。この特定の装備において、全反応器は、少なくとも2個の反応容器を含み、その1個または複数の反応容器は、本発明によるものであり、1個の容器の流体出口は、後続の容器の液体入口に接続される。本発明による反応容器の利点から考えて、そのような反応器は、直列に配列された本発明による少なくとも2個の反応容器を含むことが好ましい。
【0039】
各反応容器は、1つまたは複数の分離した反応ゾーン(場合によって分離区画とも呼ばれる)を含むことができる。反応ゾーンは、行われた変換程度などの様々な態様において互いに異なることができる。分離反応ゾーンは、当業者に知られた手段によって、単一反応容器中に形成されることができる。非常に良く知られている手段は、反応ゾーン間の流れの方向に垂直の垂直プレートであり、この手段は、流体が1つの反応ゾーンから後続の反応ゾーンに流れることのできる開口部を有する。複数の反応ゾーンを含む単一反応容器の装備の詳細は、米国特許第4,269,805号明細書に記載されている。そのような反応容器は、本発明に用いることができる。
【0040】
ここで水平反応容器1を示す図1および図2を参照すれば、この反応容器1は、下部部分3と2個の対向する端部9および10とを有する。
【0041】
反応容器1には、端部9に液体入口13、および対向端部10に流体出口14が設けられる。反応容器1の下部部分3は、気体入口装置17を含む。気体入口装置17は、図1に示すように、穿孔されたパイプ18を含み、その穿孔19は、反応容器1中に開口する。明瞭さのために、必ずしも全ての穿孔は、参照符号によって示されない。正確な状況に応じて、通常の運転中に別個の気体出口20を介して、過剰の気体を取り除くことが有利になり得る。この気体出口は、反応容器のさらに他の特徴、およびその反応容器が用いられる工程に応じて存在しなくてもよい。1個または複数の気体出口が、存在することができる。
【0042】
流体出口は、容器の底に示され、任意選択的な気体出口は容器の頂部に示される。しかし、これは必ずしも必要ではない。各出口が配置される好ましい高さは、当業者であれば理解するであろうように、さらに他の状況に応じる。これらの状況の1つは、液体が一般に到達するレベルである。
【0043】
反応容器1は、さらに少なくとも1個の実質上垂直のじゃま板23を含む。図2および図3は、それぞれ追加の垂直じゃま板24と25、およびじゃま板26と27を示す。じゃま板23、24、および25、およびじゃま板23、26、および27は、反応容器1の下部部分3に配置され、互いに平行である。じゃま板23、24、および25、およびじゃま板23、26、および27は、通常運転中の反応容器1を通る液体の流れ方向に向けられる。
【0044】
反応容器1は、その中に配置された熱交換手段30をさらに含み、熱交換手段30は、通常運転中に反応容器1中の流体を加熱または冷却する。熱交換手段30は、供給導管33が接続された入口(図示せず)と、放出導管35に接続された出口(図示せず)を有する。供給導管33および放出導管35の両方とも、コイル34に接続される。コイル34は、主として図に示された面の上方および下方にある。これは点線で示されている。
【0045】
通常、反応容器1は、通常運転中、流体で実質上充填される。通常運転中に遭遇されることがある液体レベルは、点線21で示されている。液体レベルは、液体だけが到達するレベル、または液体と気体の混合物が到達するレベルのいずれにも解釈される。
【0046】
運転中に、供給導管33を介して、冷却媒体または加熱媒体を熱交換手段30に加えることができる。使用された冷却または加熱媒体は、放出導管35を介して取り除かれることができる。単一コイル34だけを示したが、加熱交換手段は、通常いくつかのコイルを含むであろう。
【0047】
単一反応容器中にいくつかの熱交換手段が存在することができる。上述のように、反応容器がいくつかの反応ゾーンを備えるならば、各反応ゾーンは、無関係に運転されることのできる熱交換手段を含むことが好ましい。
【0048】
本発明を、以下の例においてさらに説明する。
【0049】
(例1)
図1および図2に示した反応容器を用いた。容器は、直径約5メートルおよび長さ約20メートルであった。8重量%のエチルベンゼンヒドロペルオキシドを含むエチルベンゼンを、660トン/時間の流量で入口13を介してこの反応容器に加え、気体入口装置17および穿孔パイプ18を介して、20トン/時間の流量で空気を加えた。反応混合物は、熱交換手段30を用いて152℃の温度まで加熱された。この温度に達した後、続いて熱交換手段を用いて冷却して、発熱反応によって生成された熱を取り除いた。容器の頂部の圧力は、約4×10N/mであった。
【0050】
気体は、気体出口20から取り除かれ室温に冷却された。冷却は、エチルベンゼン、エチルベンゼンヒドロペルオキシド、および水などの化合物を液体にした。残留気体中の酸素の量は、約5モル%であると計算された。
【0051】
(例2)
例1による工程を、図3に示した反応容器中で繰り返した。さらに他の工程の特徴は、同じに保った。
【0052】
残留気体中の酸素の量は、約6モル%であると計算された。
【0053】
(例3)(比較)
例1による工程を、図4に示した反応容器中で繰り返した。さらに他の工程の特徴は、同じに保った。
【0054】
残留気体中の酸素の量は、約8モル%であると計算された。
【0055】
工程から取り除かれた気体中の酸素量が少ないことは、反応混合物に加えた酸素がより良好に使用されたことを示唆する。
【0056】
したがって、例1および2に用いられた反応容器は、例3の従来の装備に比べて工程性能を大きく改善した。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】水平反応容器の長手方向断面を示す概略図である。
【図2】図1の線II−IIに沿って示す断面の概略図である。
【図3】図2に示した実施形態の代替を示す図である。
【図4】従来の反応容器装備の断面を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部部分と2つの対向端部とを有する実質上水平の反応容器であって、該反応容器が、一端部に液体入口と、対向端部に流体出口と、下部部分に配置された気体入口装置とを備え、前記反応容器が、通常の運転中に反応容器を通る液体の流れ方向に配置された少なくとも1個の実質上垂直のじゃま板を含む、実質上水平の反応容器。
【請求項2】
少なくとも1個の実質上垂直のじゃま板が、水平反応容器の中心長手軸に平行なまたは中心長手軸に一致する垂直面に配置される、請求項1に記載の実質上水平の反応容器。
【請求項3】
反応容器が、少なくとも2個の平行なじゃま板を含む、請求項1または2に記載の実質上水平の反応容器。
【請求項4】
反応容器が、3個のじゃま板を含む、請求項3に記載の反応容器。
【請求項5】
反応容器が、等間隔に配置された少なくとも3個の平行なじゃま板を含む、請求項4に記載の反応容器。
【請求項6】
気体入口装置が、反応容器の下部部分中に延びる水平の穿孔されたパイプを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の反応容器。
【請求項7】
気体入口装置が、各じゃま板の両側に少なくとも1本の穿孔されたパイプを含む、請求項6に記載の反応容器。
【請求項8】
じゃま板の下部部分に通路が設けられる、請求項1から7のいずれか一項に記載の反応容器。
【請求項9】
反応容器が、反応容器中に配置された熱交換手段をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の反応容器。
【請求項10】
直列に配置された少なくとも2個の反応容器を含む反応器であって、反応容器の少なくとも1つが、請求項1から9のいずれか一項に記載の反応容器である反応器。
【請求項11】
下部部分と2つの対向端部とを有する水平反応容器中で行われる、液体反応物を気体反応物に接触させる工程であって、該工程が、液体反応物を反応容器の一端部の液体入口を介して反応容器に加えることと、気体反応物を下部部分に配置された気体入口装置を介して加えることと、反応生成物を対向端部の流体出口を介して取り除くこととを含み、該工程が、通常の運転中に反応容器を通る液体の流れ方向に配置された少なくとも1個の実質上垂直のじゃま板をさらに含む反応容器中で行われる、工程。
【請求項12】
有機ヒドロペルオキシドの製造工程であって、該製造工程が、請求項11に記載の工程において、液体有機化合物を酸素含有気体と接触させることを含む、製造工程。
【請求項13】
製造工程において、有機化合物が、クメンおよび/またはエチルベンゼンである、請求項12に記載の製造工程。
【請求項14】
製造工程が、100℃〜200℃の温度および20×10N/mまでの圧力で行われる、請求項12または13に記載の製造工程。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−511587(P2008−511587A)
【公表日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528879(P2007−528879)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054305
【国際公開番号】WO2006/024655
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(590002105)シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー (301)
【Fターム(参考)】