説明

水滴検査装置

【課題】封入封緘機において封筒フラップの表面に塗布された口糊を活性化させるための水の補給が絶えず行われているか否かを直接的に検査する。
【解決手段】封入封緘機において封筒フラップの表面に塗布された口糊を活性化させるための水の補給径路において前記水を水滴にする水滴化手段と、前記水滴を検出し水滴検出信号を出力する水滴検出手段と、所定期間に前記水滴検出信号が入力されなかったときにエラー信号を出力するエラー判定手段とを備える水滴検出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液滴等の供給状態を検査する技術分野に属する。特に、封入封緘機において封筒フラップの表面に塗布された口糊を活性化させるための水の補給が絶えず行われているか否かを直接的に検査するための水滴検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ダイレクトメール等の封筒に中身を封入し封入口を糊付けして封緘する工程において、封入封緘機における封緘が不適正となる封筒(未封緘の封筒)が発生し適正に封緘された封筒と混在することがある。混在する中から未封緘の封筒を探し出して見逃しなく封緘し直し、適正に封緘された封筒とする必要性がある。これは多くの人手を必要とし確認作業を含めると極めて負荷の高い作業である。また、その未封緘の封筒がそのまま製品として社会に流出してしまうことは単なる不良製品の流出に止まらず、個人情報の流出を意味する。個人情報の流出は取り返しのつかない事態であり、関係者に対して計り知れない不利益を与えることがある。このことから未封緘の封筒の流出を確実に防止することが求められる。そのために、従来より様々な方法の提案がある。
たとえば、波長帯域が可視光とは異なる光を受光することにより可視光を発光する発光物質を含有する糊を封緘のための糊付に用いる封書に対し、発光物質を発光させる可視光とは異なる波長帯域の光を照射する光照射手段と、封書の糊付部位から放射される可視光を検出し検出信号を出力する光検出手段と、検出信号に基づいて封書における状態が未封緘であるか否かの判定を行う封緘判定手段とを有するようにした発明がある(特許文献1)。
また、所定速度で走行する封筒本体が封入封緘機の水塗布位置に到達する時刻と通過した時刻を検出する封筒本体通過時刻検出手段と、走行する封筒フラップが封入封緘機の水塗布位置に到達する時刻と通過した時刻を検出する封筒フラップ通過時刻検出手段と、走行する封筒フラップの走行方向に対して直角方向の位置である封筒フラップ位置を検出する封筒フラップ位置検出手段と、封筒本体と封筒フラップの通過時間と封筒フラップ位置とから封緘の正常異常を判定する封緘判定手段とを具備するようにした発明がある(特許文献2)。
また、封筒を走行させながら封筒フラップに加温した水を塗布することにより封筒フラップの温度を上昇させ、封筒本体が水塗布位置を通過した後の所定の時間帯において封筒フラップの温度が所定閾値Tc以上の温度であるときには封緘が正常であると判定し、それ以外のときには封緘が異常であると判定する発明がある(特許文献3)。
【0003】
これらの発明は、未封緘の疑いがある封筒を封緘工程において検出することができ、未封緘の封筒の発生被害を最小とすることにおいて大変意味のあるものである。しかしながら、未封緘の封筒が発生する主要な原因は口糊を活性化する部分での不具合、中でも水の補給が途絶える不具合であるから、それを無くす必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−138639
【特許文献2】特開2007−168880
【特許文献3】特開2007−191179
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の問題を解決するために成されたものである。その目的は、封入封緘機において封筒フラップの表面に塗布された口糊を活性化させるための水の補給が絶えず行われているか否かを直接的に検査するための水滴検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る水滴検出装置は、封入封緘機において封筒フラップの表面に塗布された口糊を活性化させるための水の補給径路において前記水を水滴にする水滴化手段と、前記水滴を検出し水滴検出信号を出力する水滴検出手段と、所定期間に前記水滴検出信号が入力されなかったときにエラー信号を出力するエラー判定手段とを備えるようにしたものである。
また、本発明の請求項2に係る水滴検出装置は、請求項1に係る水滴検出装置において、所定封緘数を設定する封緘数量設定手段と、前記封入封緘機における封筒の封緘を検出して封緘信号を出力する封緘検出手段と、前記封緘信号を入力して計数値をインクリメントし前記水滴検出信号を入力して計数値をゼロリセットすることによって得た封緘数の計数値を出力するする封緘計数手段とを備え、前記所定期間は前記計数値が前記所定封緘数に達する期間であるようにしたものである。
また、本発明の請求項3に係る水滴検出装置は、請求項1または2に係る水滴検出装置において、前記水滴化手段は所定の圧力で補給される前記水の水量を調節する絞り弁と、開口先端を下方に向けたノズルを有するようにしたものである。
また、本発明の請求項4に係る水滴検出装置は、請求項1〜3のいずれかに係る水滴検出装置において、前記水滴検出手段は、前記水滴の落下径路を中心とし前記水滴の直径に対して10倍以上の検出幅を有するエリア検出型センサであるようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1に係る水滴検出装置によれば、水滴化手段により封入封緘機において封筒フラップの表面に塗布された口糊を活性化させるための水の補給径路において前記水が水滴にされ、水滴検出手段により前記水滴が検出され水滴検出信号が出力され、エラー判定手段により所定期間に前記水滴検出信号が入力されなかったときにエラー信号が出力される。したがって、封入封緘機において封筒フラップの表面に塗布された口糊を活性化させるための水の補給が絶えず行われているか否かを直接的に検査するための水滴検査装置が提供される。
また、本発明の請求項2に係る水滴検出装置によれば、請求項1に係る水滴検出装置において、封緘数設定手段により所定封緘数が設定され、封緘検出手段により前記封入封緘機における封筒の封緘が検出されて封緘信号が出力され、封緘計数手段により前記封緘信号が入力されて計数値がインクリメントされ前記水滴検出信号が入力されて計数値がゼロリセットされることによって得られた封緘数の計数値が出力され、前記所定期間は前記計数値が前記所定封緘数に達する期間である。したがって、封緘数が監視されその封緘数に適合する充分な水量の補給が行われないときにはエラー信号が出力される。
また、本発明の請求項3に係る水滴検出装置によれば、請求項1または2に係る水滴検出装置において、前記水滴化手段は所定の圧力で補給される前記水の水量を調節する絞り弁と、開口先端を下方に向けたノズルを有する。したがって、補給する水の水量を調節することができ、またその水の補給が絶えず行われているか否かを直接的に監視することができる。
また、本発明の請求項4に係る水滴検出装置によれば、請求項1〜3のいずれかに係る水滴検出装置において、前記水滴検出手段は、前記水滴の落下径路を中心とし前記水滴の直径に対して10倍以上の検出幅を有するエリア検出型センサである。すなわち、水滴の落下径路からセンサを十分に離すことができる。したがって、センサに水が付着することに起因する誤動作および故障を回避することができ高い信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の水滴検出装置における構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の水滴検出装置の水滴化手段と水滴検出手段における構成の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の水滴検出装置の計数手段における動作の一例を示すフロー図である。
【図4】本発明の水滴検出装置における動作の一例を示すフロー図である。
【図5】本発明の水滴検出装置におけるエラー判定後の動作の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明の実施の形態について図を参照しながら説明する。本発明の水滴検出装置における構成の一例をブロック図として図1に示す。また、本発明の水滴検出装置の水滴化手段と水滴検出手段における構成の一例を説明図として図2に示す。図1、図2において、1はデータ処理部、11は所定封緘数、12は計数値、13は封緘数設定手段、14は計数手段、15はエラー判定手段、2は封緘検出手段、3は水滴化手段、31はニードルバルブ、32はノズル、4は水滴検出手段、41は投光部、42は受光部、5は警報手段、6は貯水槽、9a,9bは水滴である。
【0010】
データ処理部1は、本発明の水滴検出装置において、水の補給が絶えず行われているか否かを検査するためのデータ処理を行う部分である。データ処理部1は、論理演算回路、ボードコンピュータ、PLC(Plogramable Logic Controller)、パーソナルコンピュータ、等のデータ処理装置のハードウェアとソフトウェアによって構成することができる。
データ処理部1は、図1に一例を示すように、記憶部と演算部を有し、記憶部には所定封緘数11と計数値12が存在し、演算部には封緘数設定手段13、計数手段14、エラー判定手段15が存在する。
【0011】
所定封緘数11は封緘数設定手段13によってデータ処理部1の記憶部に記憶が行われた、すなわち設定が行われた所定封緘数である。
封緘数設定手段13はオペレータとのインタフェースを有し、オペレータがそのインタフェースを通じて設定した封緘数を所定封緘数11としてデータ処理部1の記憶部に記憶する処理を行う。インタフェースとしては、たとえば、パーソナルコンピュータ等におけるGUI(Graphical User Interface)であってもよく、またオンオフ切替が可能な複数配列のスイッチ(ディップスイッチ)や所定の(たとえば0〜9の)数値を示す方向に指示軸を回転し数値設定の切替が可能なスイッチ(ロータリーコードスイッチ)であってもよい。本発明はインタフェースによって限定されない。
【0012】
計数値12は計数手段14が計数を行うたびにデータ処理部1の記憶部に記憶した計数値である。すなわち、計数手段14が計数した計数値である。
計数手段14は封入封緘機(図示せず)による封緘数を所定の条件において計数しデータ処理部1の記憶部に記憶する処理を行う。所定の条件とは、計数値をインクリメント(整数値である計数値に対して1を加算)する処理条件と、計数値をゼロリセットする(計数値を0(ゼロ)に再設定)する処理条件の2つの条件である。インクリメントする条件は、封緘が実行される度に封緘検出手段2が出力する封緘信号を入力するという条件である。すなわち、計数手段14は封緘信号を入力する度に計数値をインクリメントする。ゼロリセットする条件は、水滴検出手段3が出力する水滴検出信号を入力するという条件である。すなわち、計数手段14は水滴検出信号を入力する度に計数値をゼロリセットする。
【0013】
エラー判定手段15は所定期間に水滴検出信号が入力されなかったときにエラー信号を出力する。その所定期間は、封筒フラップの表面に塗布された口糊を活性化させるための水の消費に対して、その水の補給が上まわるように設定される必要性がある。言い換えると、水滴1滴を消費する期間よりは水滴1滴を補給する期間が短くなるように所定期間が設定される必要性がある。そのような所定期間は、たとえば一定の時間として設定することができる。また、封入封緘機の運転速度に連動する(たとえば反比例する)時間として設定することができる。また、水の消費のより具体的な指標である封緘数に連動する時間として設定することができる。ここでは好適な実施形態として、計数値12が所定封緘数11に達する期間として所定期間を設定することとする(詳細を後述する)。
【0014】
封緘検出手段2は封入封緘機における封緘が行われたことを検出し封緘信号を出力する。封緘信号はたとえばパルス信号であって、1回の封緘の実行に対して1つのパルス信号が出力される。したがって、封緘信号の数を計数することができ、その計数値は封緘数との対応関係を有している。
封入封緘機には封緘検出手段2そのものまたは封緘検出手段2と同様の機構が通常は備わっている。たとえば、封入封緘機は1つの封筒の封緘を1サイクルとして動作するから、そのサイクルと同調する機構から封緘が行われたことを検出することができる。ただし、封入封緘機がそのサイクルを実行したとしても封筒が実際に投入されていないときには封緘を検出しないようにする必要性がある。たとえば、封入封緘機の封緘部に封筒が存在することを示す信号と封入封緘機がそのサイクルを実行したことを示す信号の論理積を演算して封緘信号を生成するようにする。
この方法ではなく、封入封緘機の封緘部に封筒の通過を検出するセンサを設置し、そのセンサを封緘検出手段2とし、その出力信号を封緘信号とする構成としてもよい。
【0015】
水滴化手段3は封入封緘機において封筒フラップの表面に塗布された口糊を活性化させるための水の補給径路においてその水を水滴にする。水滴化手段3は所定の圧力で補給される水の水量を調節する絞り弁と、開口先端を下方に向けたノズルによって構成することができる。水滴化手段3の一例を図2に示す。図2において、31はニードルバルブ、32はノズル、41a,41bは投光部と受光部、6は貯水槽、9a,9bは水滴である。
ニードルバルブ31は、図2に一例を示すように、その頂部に調節ダイアルを有し、その胴部に水の入口である流入口を有する。調節ダイアルは流入口に流入する水(すなわちノズル32へと流出する水)の流量を調節する弁(バルブ)の働きをする針(ニードル)を操作するためのダイアルである。流入口に流入する水は所定の圧力を有する水であり、流入口から流入した水はニードルバルブ31とノズル32に形成された水路を流れてノズル32の先端の開口部から流出する。調節ダイアルを操作することにより針はその軸方向の位置を変化させ、その位置の変化によって針は水路の断面積を変化させ、水の流量を調節する。
ノズル32はその先端部分が開口部となっている。水路を流れて開口部に達した水には表面張力と重力とが作用する。表面張力の効果が重力の効果よりも大きいときには水は開口部に留まり、表面張力の効果よりも重力の効果が大きくなると水は開口部から水滴9a,9bとなって落下する。落下により開口部から失われた水は水路から補給されるから開口部に留まる水の量は時間経過とともに増大する。すなわち、重力の効果は時間経過とともに増大し、所定時間が経過すると表面張力の効果よりも大きくなる。この繰り返しでノズル32から水滴9a,9bが落下する。水滴9a,9bの落下の周期は水の流量に反比例する。
【0016】
水滴化手段3の上流側には、水を流すか止めるかのいずれかを選択するための電磁開閉弁を設けることができる。この電磁開閉弁は封入封緘機における封緘を停止したときに水流を連動して停止し、封緘を開始したときに水流を連動して回復する、等のために使用することができる。電磁開閉弁を設けることにより、そのためにニードルバルブ31を操作する必要がなくなり流量の調節を保持することができる。
また、水滴化手段3の上流側には、水圧を調整するための機構、たとえば圧力調節弁を設けることができる。水圧の変動が水滴9a,9bの落下の周期に大きな影響を及ぼすような場合には水圧を調節する必要性が生じる。この圧力調節弁はその水圧を調節するための構成の一例である。
【0017】
水滴検出手段4は水滴を検出し水滴検出信号を出力する。水滴検出手段4の方式としては、水滴の付着による誤検出等のトラブルを避ける必要性があるから、水滴に対して非接触で水滴から十分に離れた位置から検出する方式が好適である。たとえば、水滴検出手段として水滴の落下径路を中心とし水滴の直径に対して10倍以上の検出幅を有するエリア検出型センサを使用すると好適である。エリア検出型センサは所定の検出領域(検出エリア)に物体(水滴)が存在するときにその存在を検出するセンサである。たとえば、投光部41と受光部42と増幅部(図示せず)を有する。投光部41は帯状の光を放出し、受光部42はその帯状の光を受光する。受光部42が受光する帯状の光は、その範囲が検出領域であり、その幅が検出幅である。受光部42が受光する帯状の光を物体(水滴)が遮ると受光部42における受光量が変化する。増幅部はその受光量の変化に基づいて検出領域(帯状の光の中)に物体(水滴)が存在するか否かを判定する。そして、存在すると判定したときには物体(水滴)の検出を示す検出信号を出力する。エリア検出型センサにおける投光部41と受光部42には、たとえば、株式会社キーエンスのファイバーユニットFU‐E40(登録商標)、増幅部には株式会社キーエンスのファイバーセンサアンプFS‐V31(登録商標)を使用することができる。
【0018】
警報手段5は、エラー判定手段15が所定期間に水滴検出信号を入力しなかったときに出力されるエラー信号に基づいて警報を行う。この警報は、必要とする水の補給が行われていないことをオペレータに知らせるための方法の1つである。その他として、ランプを点灯する等の方法であってもよい。また、警報と同時に、エラー信号に基づいて封入封緘機の動作を停止してもよい。
貯水槽6は水滴化手段3から落下する水滴9a,9bを受け止めるとともに貯水する容器である。貯水槽6に貯められた水は配管等により封緘機の封緘部に導かれ、封筒フラップの表面に塗布する水として使用される。塗布には、たとえば、ブラシ(刷毛、等)、塗布ローラ、等が使用される。
【0019】
以上、構成について説明した。次に、本発明の水滴検査装置における動作について説明する。最初に、本発明の水滴検査装置における動作の1つで計数手段14が主となって行う計数動作について説明する。本発明の水滴検出装置の計数手段における動作の一例をフロー図として図3に示す。図3に一例を示すように、封緘検出に係わる動作と、水滴検出に係わる動作は同時進行(タイムシェアリングで行われてもよいが、実質的には同時進行となる必要性がある)する。
封緘検出に係わる動作としては、まず、図3のステップS11(封緘検出?)において、計数手段14は封緘検出手段2が出力する封緘信号を入力し、その封緘信号に基づいて封緘が行われたか否かを判定する。その判定が封緘検出であればステップS12に進み、そうでなければステップS13に進む。
次に、ステップS12(インクリメント)において、計数手段14は計数値をインクリメントする処理を行う。
次に、ステップS13(終了)において、計数手段14は水滴検査の処理過程が終了となっているか否かを判定する。終了となっていれば計数手段14は計数の処理過程を終了とする。そうでなければステップS11に戻って、計数手段14は上述した以降のステップを繰り返す。
【0020】
水滴検出に係わる動作としては、まず、図3のステップS21(水滴検出?)において、計数手段14は水滴検出手段4が出力する水滴検出信号を入力し、その水滴検出信号に基づいてノズル32から落下した水滴を検出したか否かを判定する。その判定が水滴検出であればステップS22に進み、水滴検出でなければステップS23に進む。
次に、ステップS22(ゼロリセット)において、計数手段14は計数値をゼロリセットする処理を行う。
次に、ステップS23(終了)において、計数手段14は水滴検査の処理過程が終了となっているか否かを判定する。終了となっていれば計数手段14は計数の処理過程を終了とする。終了となっていなければステップS21に戻って、上述した以降のステップを繰り返す。
上述のように封緘検出に係わる動作と水滴検出に係わる計数手段14による動作が同時進行することにより、計数値12の最大値は水滴が検出されてから次に水滴が検出されるまでの水滴の落下の周期の間に行われた封緘の回数を示すことになる。
【0021】
次に、本発明の水滴検査装置における動作の1つでエラー判定手段15が主となって行うエラー判定の動作について説明する。本発明の水滴検出装置のエラー判定手段15における動作の一例をフロー図として図4に示す。
まず、図4のステップS1(運転中?)において、エラー判定手段15は封入封緘機において封緘が行われているか否かを判定する。このステップS1における判定は、エラー判定手段15によるエラー判定、すなわち水滴検査装置による水滴検査を開始して良いか否かを判断するための判定である。エラー判定手段15は封緘検出手段2が出力する封緘検出信号を入力し、その封緘検出信号に基づいて封入封緘機が運転中であるか否かを判定する。運転中であればステップS2に進み、そうでなければステップS1に戻って前述した以降のステップを繰り返す。すなわち、運転が開始されるまでエラー判定手段15はエラー判定の処理を行わずに待機する。
【0022】
次に、ステップS2(実行条件OK?)において、エラー判定手段15は実行条件が整っているか否かを判定する。このステップS2における判定は、エラー判定手段15によるエラー判定、すなわち水滴検査装置による水滴検査を開始して良いか否かを判断するための判定である。実行条件としては、水滴が適正に滴下されていること、所定封緘数が適正に設定されていること、オペレータによる実行条件OK?の確認入力の有無、等である。エラー判定手段15が実行条件OKと判定したときにはステップS3に進み、そうでないときにはステップS1に戻って前述した以降のステップを繰り返す。すなわち、実行条件OKとなるまでエラー判定手段15はエラー判定の処理を行わずに待機する。
【0023】
エラー判定手段15は水滴が適正に滴下されていることを、水滴検出手段4が出力する水滴検出信号を入力して判定する。たとえば、水滴検出信号に基づいて水滴が滴下される周期を演算する。そして、その周期が、オペレータにより前もって設定され、記憶部に記憶されている周期許容範囲(図示せず)に収まっているか否かによって水滴が適正に滴下されているか否かを判定する。
また、エラー判定手段15は所定封緘数11が適正に設定されていることを所定封緘数11の値を参照して判定する。すなわち、所定封緘数11が、オペレータにより前もって設定され、記憶部に記憶されている所定封緘数許容範囲(図示せず)に収まっているか否かによって所定封緘数11が適正に設定されているか否かを判定する。
また、エラー判定手段15はオペレータによる実行条件OK?の確認入力の有無を、記憶部に記憶されている確認入力フラグ(図示せず)の値から判定する。たとえば、エラー判定手段15は水滴が適正に滴下されており、所定封緘数が適正に設定されていることが確認された後であって、エラー判定の処理を開始する前において、オペレータに確認ボタンを押すことをLED(Light emitting diode)の点滅等により要求する。オペレータが確認ボタンを押すことにより、エラー判定手段15は確認入力フラグの値を確認入力があったことを示す値にする。
【0024】
次に、ステップS3(所定封緘数>計数値?)において、エラー判定手段15は所定封緘数11と計数値12を比較する。そして、所定封緘数よりも計数値が小さいときにはステップS5に進み、そうでないときにはステップS4に進む。エラー判定手段15は所定期間に水滴検出信号が入力されたか否かを判定するのであるが、ここでは所定期間は計数値が所定封緘数に達する期間である。
なお、ステップS3を(所定封緘数≧計数値?)とし、所定封緘数と計数値が同じか小さいときにはステップS5に進み、そうでないときにはステップS4に進むようにすることもできる。
次に、ステップS4(エラー判定出力)において、エラー判定手段15は、所定期間に水滴検出信号が入力されなかったというエラー判定したのであるから、エラー信号を出力する。
次に、ステップS5(終了?)において、エラー判定手段15は封入封緘機において封緘が継続して行われているか否かを判定する。封緘が終了となっていれば計数手段14は水滴検査の処理過程を終了とする。終了となっていなければステップS3に戻って、エラー判定手段15は上述した以降のステップを繰り返す。
【0025】
次に、本発明の水滴検査装置における動作の1つでエラー判定後の処理について説明する。本発明の水滴検出装置におけるエラー判定後の動作の一例をフロー図として図5に示す。
まず、図5のステップS31(警報出力)において、警報手段5は、エラー判定手段15が所定期間に水滴検出信号を入力しなかったときに出力されるエラー信号に基づいて警報を行う。
次に、ステップS32(機械停止)において、エラー信号に基づいて封入封緘機の動作を停止する。
次に、ステップS33(注水)において、オペレータは手動で注水を行う。たとえば、貯水槽6に注水することにより、貯水槽6に貯められた水が配管等により封緘機の封緘部に導かれ、封筒フラップの表面に塗布する水として使用される。
次に、ステップS34(リセット)において、オペレータはエラー信号が出力された原因を確認し、その原因を取り除く処理を行った後に封入封緘機の動作を再開し、続いて水滴検査装置の動作を再開する。
【産業上の利用可能性】
【0026】
上述のように、本発明の水滴検査装置は封入封緘機において封筒フラップの表面に塗布された口糊を活性化させるための水の補給が絶えず行われているか否かを直接的に検査するために利用することができる。また、水滴に限らず、その他の液体の液滴、粒状物質、等の補給検査へ利用することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 データ処理部
11 所定封緘数
12 計数値
13 封緘数設定手段
14 計数手段
15 エラー判定手段
2 封緘検出手段
3 水滴化手段
31 ニードルバルブ
32 ノズル
4 水滴検出手段
41 投光部
42 受光部
5警報手段
6 貯水槽
9a,9b 水滴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
封入封緘機において封筒フラップの表面に塗布された口糊を活性化させるための水の補給径路において前記水を水滴にする水滴化手段と、
前記水滴を検出し水滴検出信号を出力する水滴検出手段と、
所定期間に前記水滴検出信号が入力されなかったときにエラー信号を出力するエラー判定手段と、
を備えることを特徴とする水滴検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の水滴検出装置において、所定封緘数を設定する封緘数量設定手段と、前記封入封緘機における封筒の封緘を検出して封緘信号を出力する封緘検出手段と、前記封緘信号を入力して計数値をインクリメントし前記水滴検出信号を入力して計数値をゼロリセットすることによって得た封緘数の計数値を出力するする封緘計数手段とを備え、前記所定期間は前記計数値が前記所定封緘数に達する期間であることを特徴とする水滴検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の水滴検出装置において、前記水滴化手段は所定の圧力で補給される前記水の水量を調節する絞り弁と、開口先端を下方に向けたノズルを有することを特徴とする水滴検出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の水滴検出装置において、前記水滴検出手段は、前記水滴の落下径路を中心とし前記水滴の直径に対して10倍以上の検出幅を有するエリア検出型センサであることを特徴とする水滴検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−175406(P2010−175406A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−18752(P2009−18752)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】