説明

水素化触媒、その製造方法およびその使用

本発明は、触媒およびその製造方法に関し、この触媒は、モノリス触媒担体を、コバルト、ニッケルおよび銅からなる元素群から選択された元素の1種またはそれ以上の不溶性または難溶性化合物を含む懸濁液と接触させることによって得られる。さらに本発明は、有機物質の水素化、特にニトリルの水素化のための方法における本発明による触媒の使用および本発明による触媒を方法において使用することを特徴とする有機化合物の水素化方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒およびその製造方法に関し、この際、この触媒は、モノリス触媒担体を、コバルト、ニッケルおよび銅の元素群から選択された元素の1種またはそれ以上の不溶性または難溶性化合物を含む懸濁液と接触させることにより得られる。
【0002】
さらに本発明は、有機物質の水素化、特にニトリルの水素化のための方法における本発明による触媒の使用、ならびに本発明による触媒を方法において使用することを特徴とする有機化合物を水素化する方法に関する。
【0003】
ニトリルの水素化によるアミンの製造は、一般に、元素Cu、NiおよびCoを含む触媒の存在下において実施する。ニトリルの水素化の際に、頻繁な副反応として、第2級アミンの形成が生じる。
【0004】
この副反応の発生は、水素化をアンモニアの存在下で実施する場合に減少させることができる(Ullman's Encyclopedia of Industrial Chemistry、第6版、第2巻、第385頁参照)。しかしながら、第2級アミンの形成を効果的に減少させるために、多量のアンモニアが不可欠である。これに関してアンモニアの取り扱いはコストがかかり、それというのも、貯蔵、取り扱い及び反応を高圧下で実施しなければならないためである。
【0005】
US 2,449,036において、強塩基、たとえばアルカリ金属水酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物の存在下で水素化を実施する場合には、活性化ニッケルまたはコバルト−スポンジ触媒を使用し、さらにアンモニア不含であっても、第2級アミンの形成が効果的に抑制できることが開示されている。
【0006】
WO 92/21650において、さらなる塩基、例えばアルカリ金属アルコレートおよびアルカリ金属炭酸塩の使用が、ラネー触媒での水素化において記載されている。
【0007】
EP-A1-913388は、水及び触媒量のLiOHで処理された、懸濁されたラネー−コバルト触媒の存在下で運転する場合には、ニトリル水素化の際に第1級アミンの良好な選択率および収率が達成されることが教示されている。
【0008】
触媒からの金属、骨核触媒(Skelettkatalysatoren)の場合にはたとえばアルミニウム、またはアルカリ促進剤、たとえばリチウムの溶出を最小限にするために、WO 2007/104663では混合酸化物−触媒、特にLi−CoOが記載されており、この際、アルカリ金属原子は、結晶格子中に組み込まれている。
【0009】
前記方法の際に、触媒は一般に完全触媒として、すなわち、触媒がほぼ完全に触媒活性材料からなる触媒として使用される。前記従来技術における水素化の実施は、一般に懸濁液の形で実施される。これは、触媒が反応終了後に反応混合物から濾過によって分離除去されなければならないことを意味する。
【0010】
WO 2007/028411には、ラネー型担持触媒の製造に関する概要が示されている。これに関して、この触媒は多くの欠点、特にそのわずかな機械的耐久性、その比較的少ない活性及びそのコストのかかる製造を示すことが記載されている。改善された性質を有する担持ラネー触媒は、WO 2007/028411の開示によれば、担持材料をニッケル/アルミニウム合金、コバルト/アルミニウム合金または銅/アルミニウム合金で被覆することによって達成しなければならない。このようにして製造された触媒は、アルミニウム全体またはアルミニウムの一部分を塩基で溶出することによって活性化される。
【0011】
ニトリル水素化に適した担持触媒を製造するためのさらなる手段は、WO 2006/079850に記載されている。この触媒は、構造化モノリス上に金属を塗布することによって得られ、その際、この塗布は、モノリスを金属がアミン錯体として存在する溶液で含浸することによって実施される。このようにして製造された触媒は、一連の化学的反応に適していることが開示されており、特にニトリル水素化が挙げられている。しかしながらニトリル水素化に関しては、WO 2006/079850には開示されておらず、それというのも、この反応型に対する詳細、取り扱い説明または試験のいずれも挙げられていないためである。
【0012】
本発明により、水素化方法を通常の方法に比べて有利に実施可能な、改善された触媒を提供することができる。したがって、金属、骨核触媒の場合にはたとえばアルミニウム、またはアルカリ促進剤、たとえばリチウムの可能な限りわずかな量で、触媒から溶出すべきであり、それというのも、これは、触媒の安定性の低下および不活性化を招くためである。塩基性条件下で溶出されたアルミニウムから形成されるアルミン酸塩は、すなわち、固体の残留物として閉塞及び堆積を招き、かつ重要な生成物の分解に作用しうる。
【0013】
本発明のさらなる目的は、水素化、特にニトリルの水素化を単純な反応条件下で可能にする触媒を見出すことである。したがって、アンモニアの不含下で水素化反応を実施可能な触媒を見出されなければならない。アンモニアの取り扱いは技術的にコストがかかり、それというのも高圧下での貯蔵、取り扱い及び反応を行わなければならないためである。
【0014】
さらに、水素化反応中で固定的に配置することができ、かつこれによって懸濁液中での水素化の際に不可欠な技術的にコストのかかる分離を回避することができる触媒を見出すことができる。したがって、触媒は、高い機械的耐性を有し、かつ低い摩耗性を示すものでなければならない。さらにこの触媒の製造は実施が技術的に簡単であり、触媒を簡単に取り扱うことができるものでなければならない。さらなる課題は、触媒担体上に触媒活性材料が塗布された触媒を提供することからなる。ほぼ触媒活性材料からなる触媒、いわゆる完全触媒とは対照的に、担持触媒のための材料コストは一般に完全触媒よりも少ない。これによって方法の経済性を増加させることができる。さらに、望ましくない副生成物の形成、特にニトリルからの第2級アミンの形成を減少させることができ、これによって目的生成物が高い収率および選択率で得られる。
【0015】
したがって、コバルト、ニッケル及び銅からなる群から選択された1種またはそれ以上の元素を含有する触媒が見出され、これは、モノリス触媒担体を、コバルト、ニッケルおよび銅から成る群から選択された1種またはそれ以上の元素の不溶性または難溶性の化合物を含む、懸濁液と接触させることによって得られる。
【0016】
本発明による触媒は、コバルト、ニッケルおよび銅からなる群から選択された1種またはそれ以上の元素を含有する。好ましくは、触媒はコバルトまたはニッケルを含有し、かつ好ましい実施形態において触媒はコバルトを含有する。
【0017】
触媒は、場合によっては1種またはそれ以上のドープ元素を含有することができる。ドープ元素は、好ましくは元素周期律表の第3副族〜第8副族ならびに第3主族、第4主族および第5主族から選択される。好ましいドープ成分はFe、Ni、Cr、Mo、Mn、P、Ti、Nb、V、Cu、Ag、Pd、Pt、Rh、Ir、RuおよびAuである。
【0018】
Co原子、Cu原子およびNi原子対ドープ元素の原子のモル比は、特に10:1〜100000:1、特に20:1〜10000:1および特に好ましくは50:1〜1000:1である。
【0019】
以下、用語「触媒活性成分」は、Cu、Co、Ni元素および前記ドープ元素、すなわち元素周期律表の第3副族〜第8副族の元素ならびに第3主族、第4主族および第5主族の元素に関して使用される。
【0020】
活性材料の成分の原子の互いのモル比は、元素分析の公知方法、たとえば原子吸収分光分析(AAS)、原子放出分光分析(AES)、蛍光X線分析(RFA)またはICP−OES(誘導結合プラズマ発光分光)を用いて測定することができる。しかしながら活性材料の成分の原子の互いのモル比は、たとえば活性材料の成分を含有する使用された化合物の定量を測定することによって算定することができ、かつ、活性材料の成分の原子の量は、使用された化合物の公知化学量論比に基づいて定められ、その結果、原子比は、使用された化合物の定量及び化学量論式から算出することができる。当然のことながら、使用された化合物の化学量論式はさらに試験により測定することができ、たとえばこれは1種またはそれ以上の前記方法による。
【0021】
本発明による触媒は、モノリス触媒担体と、コバルト、ニッケルおよび銅の元素群から選択された元素の1種またはそれ以上の不溶性または難溶性の化合物を含有する懸濁液と接触させることによって製造する。
【0022】
以下、用語「モノリス触媒担体」とは、反応体および生成物を流/対流によって運搬する数多くの貫通した(または互いに連結した)管路を含む物体に成形された、成形体を意味する。
【0023】
それに応じて本発明の範囲内において、用語「モノリス触媒担体」は、平行であって、かつ互いに放射状の結合しない管路を有する「古典的な」成形体であると理解されるのみならず、さらに成形体の範囲内で、3次元の結合を有するフォーム、スポンジ等の形の成形体であると理解される。さらに用語「モノリス触媒担体」は、十字流管路を有する成形体であってもよい。
【0024】
平方あたりのモノリス触媒担体中の管路の数は、さらに「セル密度」または「一平方インチ(cspi)あたりのセル数」と呼称され、特に5〜2000cpsi、特に好ましくは25〜1000cpsi、殊に好ましくは250〜900cspiおよびとりわけ好ましくは400〜900cspiである。
【0025】
モノリス触媒担体は、一般にセラミック、金属または炭素を触媒ベース材料として含有し、この際、ほぼモノリス担体から構成される材料を触媒ベース材料と呼称する。
【0026】
好ましい触媒ベース材料はセラミック材料、たとえば酸化アルミニウム、特にγ−またはδ−酸化アルミニウム、α−酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、ケイソウ土、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、二酸化セリウム、酸化マグネシウムならびにこれらの混合物である。
【0027】
特に好ましい触媒ベース材料はセラミック材料であり、たとえばカオリナイトおよびムライト(これは、約2:3の割合でSiOとAbOとの混合酸化物である)ならびに、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、窒化ホウ素または炭化ホウ素である。特に好ましい実施形態において、触媒ベース材料は、コージライトである。
【0028】
コージライト原料およびこれをベースとする変種は、ケイ酸アルミニウムマグネシウムであり、これは、凍石または滑石を、粘土、カオリン、耐火粘土、コランダムおよびムライトを添加して一緒に焼結する際に、直接生じるものである。純粋なセラミックコージライトの簡単な近似値及び組成は、約14%のMgO、35%のAlおよび51%のSiOである(出典:www.keramikverband.de)。
【0029】
前記触媒ベース材料からのモノリス触媒担体を製造するための方法は公知であり、かつNiijhuisらの開示において詳細に記載されており(Catalysis Reviews 43 (4) (2001), 第345頁〜第380頁)、これは、その内容の範囲内で本願明細書中に含まれる。
【0030】
モノリス触媒担体は、それぞれ任意の大きさを示すものであってもよい。好ましくは、モノリス触媒担体の寸法は1cm〜10m、好ましくは10cm〜5mおよび特に好ましくは20cm〜100cmである。このモノリス触媒担体は、さらに個々のモノリス触媒担体から一部変更して構成されていてもよく、この際、小さいモノリス触媒担体を一緒にまとめて大きい単位にする(たとえば、貼着による)。
【0031】
モノリス触媒担体は、たとえばCorning Celcor(登録商標)(Corning社)およびHoneyCeram(登録商標)(NGK Insulators Ltd)の名称でさらに商業的に入手可能である。
【0032】
本発明によればモノリス触媒は、コバルト、ニッケルおよび銅の元素群から選択された元素の1種またはそれ以上の不溶性または難溶性化合物を含有する懸濁液と接触させる。モノリス触媒担体と、触媒活性成分の1種またはそれ以上の不溶性または難溶性の化合物を含有する懸濁液との接触は、以下、「被覆」と呼称する。本発明による被覆方法によって得られた触媒は、Co、Cuおよび/またはNiを溶解性の化合物の形で浸漬または含浸によって塗布する技術水準から公知の触媒と比較して改善された性質を示す。本発明の範囲内において、触媒活性成分を含有するゲルもまたさらに難溶性または不溶性の化合物とみなす。しかしながらさらに懸濁液は、さらに触媒活性成分の1種またはそれ以上の溶解性化合物を含有していてもよい。
【0033】
触媒活性成分またはそのゲルの不溶性化合物または難溶性化合物がその中で、モノリス触媒担体と一緒に懸濁される液体としては、特に水、ニトリル、アミン、エーテル、たとえばテトラヒドロフランまたはジオキサン、アミド、たとえばN,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドを使用する。特に好ましくは、液体として水を使用する。
【0034】
液体としてニトリルを使用する場合には、好ましくは、本発明による触媒と一緒に後に水素化すべきニトリルを使用する。アミンとしては、特に後続の水素化中で生成物として生じるアミンを液体として使用する。
【0035】
触媒活性成分の不溶性または難溶性化合物は、特に触媒活性成分の酸素含有化合物であり、たとえばその酸化物、混合酸化物または水酸化物またはその混合物である。
【0036】
元素Cuおよび/またはNiおよび/またはCoを好ましくは、その不溶性酸化物または水酸化物または混合酸化物の形で使用する。特に好ましくは酸化銅、たとえばCuO、酸化コバルト、たとえばCoO、酸化ニッケル、たとえばNiO、一般式M(M)(式中、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属または希土類金属であり、かつ、Mはコバルト、ニッケルまたは銅である)の混合酸化物を使用する。これに関して、z=y−xである。さらにその混合物を使用することができる。好ましくは、それぞれの熱力学的に安定な改質化物である。
【0037】
特に好ましい実施態様において、Cuおよび/またはCoおよび/またはNiおよび場合によっては1種またはそれ以上のドープ元素を含有する難溶性化合物または不溶性化合物または酸化物混合物、混合酸化物または酸化物または混合酸化物の混合物を使用する。
【0038】
特に好ましくは混合酸化物、たとえばPCT/EP2007/052013で開示された酸化物混合物であって、これは、水素での還元前に、a)コバルトおよびb)アルカリ金属群、アルカリ土類金属群、希土類金属群または亜鉛の1種またはそれ以上の元素またはこれらの混合物を含み、その際、元素a)およびb)は少なくとも部分的にその混合酸化物の形で存在し、たとえばLiCoOであるか、あるいは
酸化物混合物、たとえばEP-A-0636409中で開示された酸化物混合物であって、これは、水素での還元前に、55〜98質量%のCo(CoOとして換算)、0.2〜15質量%のリン(HPOとして換算)、0.2〜15質量%のマンガン(MnOとして換算)および0.2〜5.0質量%のアルカリ金属(MOとして換算し、その際、Mはアルカリである)を含むか、あるいは
EP-A-0742045で開示された酸化物混合物であって、これは、水素での還元前に、55〜98質量%のCo(CoOとして換算)、0.2〜15質量%のリン(HPOとして換算)、0.2〜15質量%のマンガン(MnOとして換算)および0.05〜5質量%のアルカリ金属(MOとして換算、式中、Mはアルカリ金属)を含有するか、あるいは
EP-A-696572中で開示された酸化物混合物であって、これは、水素での還元前に、20〜85質量%のZrO、1〜30質量%の酸素含有銅化合物(CuOとして換算)、30〜70質量%の酸素含有ニッケル化合物(NiOとして換算)、0.1〜5質量%の酸素含有モリブデン化合物(MoOとして換算)および0〜10質量%の酸素含有アルミニウムおよび/またはマンガン化合物(AlまたはMnOとして換算)を含有し、たとえば、上記文献中第8頁に開示された31.5質量%のZrO、50質量%のNiO、17質量%のCuOおよび1.5質量%のMoOの組成を含む触媒を含有するか、あるいは
EP-A-963975に開示された酸化物混合物であって、これは、水素での還元前に、22〜40質量%のZrO、1〜30質量%の酸素含有銅化合物(CuOとして換算)、15〜50質量%の酸素含有ニッケル化合物(NiOとして換算)、この際、Ni:Cuのモル比は1より大きく、酸素含有コバルト化合物15〜50質量%(CoOとして換算)、0〜10質量%の酸素含有アルミニウムおよび/またはマンガン化合物(AlまたはMnOとして換算)を含有し、かつ、酸素含有モリブデン化合物を含有しないものであり、例えば、この上記文献中で開示された、33質量%のZr(ZrOとして換算)、28%のNi(NiOとして換算)、11質量%のCu(CuOとして換算)および28%のCo(CoOとして換算)の組成を含む触媒Aを含有するか、あるいは
DE-A-2445303で開示された銅含有酸化物混合物、たとえば上記文献中例1で開示された銅含有沈降触媒であって、これは、炭酸水素ナトリウムを含有する、硝酸銅および硝酸アルミニウムの溶液の処理によって、かつ引き続いての沈殿物の洗浄、乾燥および温度処理することによって製造され、かつ、約53質量%のCuOおよび約47質量%のAlの組成を示すか、あるいは
WO 2004085356、WO 2006005505およびWO 2006005506で開示された酸化物混合物であって、これは、酸化銅(50≦x≦80、特に55≦x≦75質量%の範囲の割合を有する)、酸化アルミニウム(15≦y≦35、特に20≦y≦30質量%の範囲の割合を有する)および酸化ランタン(1≦z≦30、好ましくは2〜25質量%の範囲の割合を有する)を含有し、それぞれか焼後の酸化材料の全量に対するものであり、その際:80≦x+y+z≦100、特に95≦x+y+z≦100であり、ならびに金属銅粉末、銅板またはセメント粉末またはこれらの混合物は、酸化材料の全質量に対して1〜40質量%の範囲であり、かつ酸化材料の全質量に対して0.5〜5質量%の割合を有するグラファイトを含み、その際、酸化材料、金属銅粉末、銅板またはセメント粉末またはこれらの混合物およびグラファイトから成る割合の合計は、この材料から製造された成形体の少なくとも95質量%になる。
【0039】
特に好ましい実施態様において、触媒活性成分の不溶性または難溶性化合物はLiCoOである。
【0040】
LiCoOを製造するための方法は、たとえばAntolini (E. Antolini, Solid State lonics, 159-171 (2004))およびFentonら(W. M. Fenton, P. A. Huppert, Sheet Metal Industries, 25 (1948), 2255 2259)に記載されている。
【0041】
したがって、LiCoOは、相当するリチウム化合物およびコバルト化合物、たとえば硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、酸化物、酢酸塩、クエン酸塩またはシュウ酸塩の熱処理によって製造することができる。
【0042】
さらに、LiCoOは、水溶性リチウム塩およびコバルト塩を、アルカリ性溶液の添加により沈澱させることによって析出させ、かつ引き続いてか焼することによって得ることができる。
【0043】
その他LiCoOは、ゾルゲル法によって得ることができる。
【0044】
LiCoOは、さらにSongら(S.W. Song, K.S. Man, M. Yoshimura, Y. Sata, A. Tatsuhiro, Mat. Res. Soc. Symp. Proc, 606, 205-210 (2000)によって記載されており、これは、コバルト金属を水性LiOH溶液で熱水処理によって得ることができる。
【0045】
好ましい実施形態において、触媒活性成分の不溶性または難溶性の化合物の懸濁液は、「沈澱」によって得られ、その際、前記液体中に溶解可能な触媒活性成分の化合物を、沈澱剤の添加によって沈澱する。触媒活性成分の溶解性化合物として、一般に触媒活性成分の溶解性金属塩、たとえば水酸化物、硫酸塩、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、酢酸塩または塩化物を考慮する。沈澱はさらに、相当する元素の他の適した溶解性化合物を用いて実施することができる。
【0046】
元素Cuおよび/またはCoおよび/またはNiは、好ましくはその溶解性炭酸塩、塩化物または硝酸塩の形で使用する。
【0047】
通常、溶解性化合物の沈澱の際に、難溶性または不溶性の塩基性塩として沈澱剤を添加することによって沈降させる。沈澱剤としては、好ましくはアルカリ液、特に無機塩基、たとえばアルカリ金属塩基を使用する。沈澱剤のための例は、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウムまたは水酸化カリウムである。
【0048】
沈澱剤として、さらにアンモニウム塩、たとえばアンモニウムハロゲン化物、炭酸アンモニウム、水酸化アンモニウムまたはアンモニウムカルボキシレートを使用することができる。
【0049】
沈澱は、たとえば20〜100℃、好ましくは30〜90℃、特に50〜70℃の温度で実施することができる。
【0050】
沈澱の際に得られた沈殿物は、一般に化学的に単一ではなく、かつ一般に使用された金属酸化物、酸化物水和物、水酸化物、炭酸塩および/または炭酸水素塩の混合物を含む。
【0051】
好ましい実施形態において懸濁液は、触媒活性成分を、粒子の形状で、たとえば粉末として、液体に添加することによって製造される。この実施形態は、懸濁液の製造が良好に再現可能であるといった利点を有する。特に、粒子の形状の触媒活性成分として、前記の、好ましいおよび特に好ましい難溶性または不溶性の酸化物または酸化物混合物、混合酸化物または酸化物または混合酸化物の混合物を使用し、この場合、これはさらにCuおよび/またはCoおよび/またはNiおよび場合によっては1種またはそれ以上のドープ元素を含有する。粒子の形状の触媒活性成分は、好ましくは噴霧乾燥によって得られ、たとえば沈澱によって得られた懸濁液を噴霧乾燥する。
【0052】
触媒活性成分の不溶性または難溶性の化合物の懸濁液中に存在する粒子は、好ましくは0.001〜1000μm、特に好ましくは1〜500μm、特に好ましくは10〜100μmおよびとりわけ好ましくは20〜80μmの平均粒子径を示す。この大きさの粒子は、均一な被覆を可能にし、かつ高い活性および機械的耐性を示す触媒に導く。
【0053】
懸濁液中で、触媒活性成分の不溶性または難溶性化合物の沈澱を回避するために、懸濁液は一般に激しく分散され、その際、分散は、好ましくは強力攪拌機または超音波によって実施する。分散は、好ましくはさらに、懸濁液を連続的にポンプで汲み上げることによって実施することができる。
【0054】
Cu、NiおよびCoの不溶性または難溶性化合物の濃度は、使用された液体の質量に対してそれぞれ1〜50質量%、好ましくは5〜25質量%及び特に好ましくは10〜20質量%である。
【0055】
モノリス触媒担体の被覆は、モノリス触媒担体を懸濁液中に存在する触媒活性成分の不溶性化合物または難溶性化合物と接触させることによって実施する。
【0056】
特に、接触前にモノリス触媒担体を乾燥させる。乾燥は、一般に100〜200℃で、1〜48時間に亘って実施する。
【0057】
モノリス触媒担体の被覆は、特に、モノリス触媒担体との接触前に懸濁液を製造し、かつモノリス触媒担体を予め製造された懸濁液と接触させることによって実施する。
【0058】
特に、モノリス触媒担体は懸濁液と接触させ、その際、モノリス触媒担体を懸濁液中に浸漬するか、あるいは、その際、懸濁液をモノリス触媒担体上にポンプで汲み上げる。
【0059】
特に好ましい実施形態において、モノリス触媒を懸濁液中に浸漬する。
【0060】
特に好ましい実施形態において、浸漬中に懸濁液がモノリス触媒担体の管路に吸い上げられ、その結果、懸濁液がほぼ完全にモノリスの管路に浸透する。懸濁液の吸い上げは、たとえば、モノリス触媒担体の末端に減圧を生じさせ、かつモノリス触媒担体のもう一方の末端を懸濁液中に浸漬させて、懸濁液を吸い上げることによって実施することができる。
【0061】
しかしながらモノリス触媒担体の被覆はさらに、モノリス触媒担体がすでに液体中で懸濁されており、かつ懸濁液が「その場で」液体中に沈澱によって製造されるようにして実施することができる。この方法の場合には、触媒活性成分の不溶性または難溶性化合物は、直接、モノリス触媒担体上に沈澱する。
【0062】
モノリスは、一般に懸濁液と、たとえば浸漬によって、触媒担体の完全かつ均一な被覆が保証されるまで接触させる。
【0063】
特に、懸濁液はモノリス触媒担体との接触中に分散され、それによって粒子をほぼ完全にモノリスの管路中に浸透することができ、かつ均一な被覆が達成される。
【0064】
接触の後に、通常は、過剰量の懸濁液を除去する。懸濁液の除去は、たとえばデカント、水切り、濾過または濾別によって実施することができる。懸濁液は、好ましくはモノリス触媒担体の末端に過圧を生じさせ、かつ過剰量の懸濁液を管路から押し出すことによって除去する。過圧は、たとえば管路中に圧力空気を吹き込むことによって実施することができる。
【0065】
引き続いて、被覆されたモノリス触媒担体を一般に乾燥させ、かつか焼する。乾燥は、通常80〜200℃、好ましくは100〜150℃の温度で実施する。か焼は、一般に300〜800℃で、特に400〜600℃で、特に好ましくは450〜550℃で実施する。
【0066】
モノリス触媒担体の懸濁液での接触は、1回または複数回に亘って繰り返すことができる。
【0067】
特に好ましい実施形態において、モノリス触媒担体を触媒活性成分で被覆する前および/または被覆中に、結合剤をモノリス触媒担体上に塗布する。モノリス触媒担体上への結合剤の塗布によって、固有の表面は大きくなり、これによってより多くの活性材料を塗布することができ、触媒の触媒活性を増加させることができる。結合剤として、好ましくは酸化アルミニウム、特にγ−またはδ−酸化アルミニウム、α−酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、ケイソウ土、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、二酸化セリウム、酸化マグネシウムならびにこれらの混合物を使用する。特に好ましい結合剤は酸化アルミニウム、特にγ−またはδ−酸化アルミニウム、α−酸化アルミニウム、二酸化ケイ素または酸化マグネシウムならびにこれらの混合物である。
【0068】
結合剤の塗布は、好ましくはモノリス触媒担体の被覆によって実施する。被覆の際に、一般にはモノリス触媒担体は、結合剤を含む懸濁液(結合剤を含有する液体)と一緒に接触させる。
【0069】
懸濁液中の結合剤の濃度は、使用された液体に対して特に0.5〜2.5質量%、特に好ましくは1〜15質量%およびとりわけ好ましくは1〜5質量%である。
【0070】
液体として、一般に前記液体を使用する。
【0071】
好ましい実施形態において懸濁液は、結合剤を粒子の形で、たとえば粉末として液体に添加することによって製造される。
【0072】
結合剤の懸濁液中に存在する粒子は、0.001〜1000μm、特に好ましくは1〜500μm、殊に好ましくは10〜100μm、とりわけ好ましくは20〜80μmである。
【0073】
懸濁液中での触媒活性成分の不溶性または難溶性化合物の沈澱を回避するために、懸濁液は一般に激しく分散され、その際、分散は、好ましくは強力攪拌機または超音波によって実施する。分散は、好ましくはさらに、懸濁液を連続的にポンプで汲み上げることによって実施することができる。
【0074】
モノリス触媒担体の被覆は、モノリス触媒担体を、懸濁液中に存在する結合剤と接触させることによって実施する。
【0075】
モノリス触媒担体の結合剤での被覆は、特に、モノリス触媒担体の接触前に懸濁液を製造し、かつモノリス触媒担体をすでに製造された懸濁液と接触させることによって実施する。モノリス触媒担体は、特に懸濁液と接触させ、その際、モノリス触媒担体は懸濁液中に浸漬されるか、あるいは、その際、懸濁液をモノリス触媒担体上にポンプで汲み上げる。
【0076】
特に好ましい実施形態において、モノリス触媒を懸濁液中に浸漬する。
【0077】
特に好ましい実施形態において、浸漬中において懸濁液はモノリス触媒担体の管路に吸い上げられ、その結果、懸濁液がほぼ完全にモノリスの管路中に浸透する。懸濁液の吸い上げは、たとえば、モノリス触媒担体の末端で減圧を生じさせ、かつモノリス触媒担体を、もう一方の末端で懸濁液中に浸漬させ、それにより懸濁液を吸い上げる。
【0078】
接触の後に、通常は、過剰量の懸濁液が除去される。懸濁液の除去は、たとえばデカント、水切り、濾過または濾別によって実施することができる。懸濁液は、好ましくはモノリス触媒担体の末端に過圧を生じさせ、かつ過剰量の懸濁液を管路から押し出すことによって除去する。過圧は、たとえば管路中に圧力空気を吹き込むことによって実施することができる。
【0079】
引き続いて、被覆されたモノリス触媒担体を一般に乾燥させ、かつか焼する。乾燥は、通常80〜200℃、好ましくは100〜150℃の温度で実施する。か焼は、一般に300〜800℃で、特に400〜600℃で、特に好ましくは450〜550℃で実施する。
【0080】
モノリス触媒担体の結合剤を含む懸濁液での接触は、1回または複数回に亘って繰り返すことができる。触媒活性成分の塗布を被覆によって実施する場合には、触媒活性成分の被覆前に、モノリス触媒の結合剤での被覆を実施することができる。
【0081】
好ましい実施形態において、モノリス触媒担体の結合剤での被覆は、もっとも触媒活性成分での被覆と同時に実施されるが、その際、触媒活性成分の不溶性成分または難溶性成分の他にさらなる結合剤を粒子の形で含有する懸濁液を被覆のために使用する。
【0082】
特に好ましい実施形態おいて、モノリス触媒担体および/または結合剤は、結合剤の塗布前および/または塗布中に酸と接触させる。モノリス触媒担体および/または結合剤を、酸で処理することによって、モノリスの比表面積はさらに増加し、かつモノリス触媒担体と結合剤との間の接着が改善され、これによって機械的耐性のみならず本発明による触媒の触媒活性も増加する。酸として、好ましくは有機酸、たとえばギ酸または酢酸を使用する。
【0083】
酸は、好ましくは結合剤および液体からなる懸濁液に直接添加する。
【0084】
液体中の酸の濃度は、それぞれ使用された液体の質量に対して好ましくは0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜3質量%、特に好ましくは1〜2質量%である。
【0085】
さらなる特に好ましい実施形態において、本発明による触媒は、アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の群から選択された1種またはそれ以上の元素を含有する。アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の1種またはそれ以上の元素の存在は、触媒的性質ならびに機械的性質をさらなる改善に導く。
【0086】
アルカリ金属の群の好ましい元素はLi、Na、K、RbおよびCs、特に好ましくはLi、Na、KおよびCs、とりわけLi、NaおよびKである。
【0087】
アルカリ土類金属の群の好ましい元素はBe、Mg、Ca、Srおよびバリウムであり、特に好ましくはMgおよびCaである。
【0088】
希土類金属の群の好ましい元素はSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuであり、特に好ましくはSc、Y、LaおよびCeである。
【0089】
触媒がNiを含有する場合には、触媒は特に好ましい実施形態において、アルカリ金属としてNaを含有する。さらに好ましい組合せはNiおよびLi、NiおよびK、ならびにNiおよびCsである。
【0090】
触媒がCoを含有する場合には、触媒は特に好ましい実施形態においてアルカリ金属としてLiを含有する。さらに好ましい組合せはCoおよびNa、CoおよびK、ならびにCoおよびCsである。触媒中のCu、CoおよびNi−原子とアルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の元素の原子とのモル比は、特に0.1:1〜10000:1、好ましくは0.5:1〜1000:1であり、かつ特に好ましくは0.5:1〜500:1である。特に好ましい実施形態において、触媒中のCu、CoおよびNi−原子と、アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の元素の原子とのモル比は、300:1を下回り、好ましくは100:1を下回り、特に好ましくは50:1を下回り、かつとりわけ好ましくは25:1を下回る。アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の元素の塗布は、1種またはそれ以上のこれらの元素であるか、あるいはこれらの元素の可溶性または不溶性化合物の存在下で被覆を実施することによって行うことができる。
【0091】
特に好ましい実施形態において、触媒上のアルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の元素の塗布は、被覆されたモノリス触媒担体を、アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の1種またはそれ以上の元素の溶解性化合物で含浸することによって行う。
【0092】
被覆されたモノリス触媒担体の含浸(浸漬とも呼称する)は、通常の方法によって、たとえばアルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の1種またはそれ以上の元素の溶解性化合物を、1種またはそれ以上の浸漬段階で塗布することによって行う。
【0093】
アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の元素は、特に溶解性水酸化物の形で、特にLiOH、KOH、NaOH、CsOH、Ca(OH)またはMg(OH)の形で使用する。
【0094】
浸漬は、典型的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の元素の可溶性化合物が溶解された液体中で実施する。液体は、特に水、ニトリル、アミン、エーテル、たとえばテトラヒドロフランまたはジオキサン、アミド、たとえばN,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミドを使用する。特に好ましくは、液体として水を使用する。
【0095】
液体としてニトリルを使用する場合には、好ましくは、本発明による触媒と一緒に後に水素化すべきニトリルを使用する。アミンとしては、好ましくは後続の水素化中で生成物として生じるアミンを液体として使用する。
【0096】
アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の溶解性化合物の濃度は、使用された液体の材料に対してそれぞれ一般には0.1〜25質量%、特に0.5〜20質量%、特に好ましくは1〜15質量%およびとりわけ好ましくは5〜10質量%である。
【0097】
浸漬は、特に、アルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の元素の溶解した化合物を含有する液体(浸漬溶液)中にモノリス触媒担体を浸漬することによって実施する。
【0098】
特に好ましい実施形態において、浸漬中において浸漬液はモノリス触媒担体の管路に吸い上げられ、その結果、浸漬液はほぼ完全にモノリスの管路中に浸透することができる。浸漬液の吸い上げは、たとえば、モノリス触媒担体の末端で減圧を生じさせ、かつモノリス触媒担体は、もう一方の末端で浸漬中に浸漬され、その際、懸濁液を吸い上げる。
【0099】
この浸漬は、さらにいわゆるインシピエント・ウェットネス(incipient wetness)法により実施することができ、その際、モノリス触媒担体はその吸収能力に相応して、最大で浸漬溶液での飽和まで湿らせられる。しかしながらさらにこの浸漬は、上清溶液中でも実施することができる。
【0100】
引き続いて、浸漬されたモノリス触媒担体から一般には浸漬溶液を除去する。
【0101】
浸漬溶液の除去は、たとえばデカント、水切り、濾過または濾別によって実施することができる。浸漬溶液は、好ましくはモノリス触媒担体の末端に過圧を生じさせ、かつ過剰量の懸濁液を管路から押し出すことによって除去する。この過圧は、たとえば管路中に圧力空気を吹き込むことによって生じさせることができる。
【0102】
浸漬溶液の除去に引き続いて、特に浸漬されたモノリス触媒担体を乾燥させ、かつか焼させる。
【0103】
乾燥は、通常80〜200℃、好ましくは100〜150℃の温度で実施する。か焼は、一般に300〜800℃で、特に400〜600℃で、特に好ましくは450〜550℃で実施する。
【0104】
好ましい実施形態において、浸漬は一段階または多段階で実施する。多段階の浸漬法の場合には、個々の浸漬段階の間に乾燥させ、かつ場合によりか焼させることが目的に適う。多段階浸漬は、モノリス触媒担体を、多量のアルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の元素と衝突させなければならない場合において、有利に使用される。
【0105】
本発明によって得られるモノリス触媒は、一般にはか焼後に、触媒活性成分をその酸素含有化合物との混合物の形で、すなわち、特に酸化物、混合酸化物および/または水酸化物として含む。このようにして製造された触媒は、そのまま貯蔵することができる。
【0106】
水素化触媒としてのその使用前に、本発明による触媒は、一般にか焼または濃縮後に水素での処理によって予備還元される。しかしながらこれはさらに、この方法において予備還元なしで使用することができ、その際、水素化条件下で、反応器中に存在する水素によって還元し、その際、触媒は、一般にその場でその触媒活性の形を導く。
【0107】
予備還元のために、前記触媒は一般に先ず150〜200℃で、例えば12〜20時間の期間にわたり、窒素−水素−雰囲気に暴露され、かつ、引き続きさらに約24時間まで、200〜400℃で水素雰囲気中で処理される。この予備還元の際には、触媒中に存在する酸素を含有する金属化合物の一部を、相応する金属へと還元し、この結果、この触媒は、異なる種類の酸素化合物と一緒になって触媒の活性形で存在する。
【0108】
特に好ましい実施形態において、触媒の予備還元は、引き続いての本発明による水素化方法が実施されるのと同一の反応器中で行う。
【0109】
このようにして形成された触媒は、予備還元後に、不活性ガス、たとえば窒素下であるいは不活性液体、たとえばアルコール、水または触媒を使用する各反応の生成物下で、処理され、かつ貯蔵される。しかしながらさらに触媒は、予備還元後に酸素含有ガス流、たとえば空気であるか、あるいは、空気と窒素との混合物を用いて不動態化され、すなわち、保護酸化物層を備えさせる。
【0110】
不活性物質下での触媒の貯蔵または触媒の不動態化は、触媒の複雑でなく、かつ危険を伴わない取り扱いおよび貯蔵を可能にする。場合によっては、本来の反応開始前に、この触媒から不活性液体を除去しなければならないか、あるいは、不動態化層を、たとえば水素または水素含有ガスでの処理によって排除しなければならない。
【0111】
触媒から、水素化開始前に、不活性液体または不動態化層を除去することができる。これは、たとえば水素または水素含有ガスでの処理によって実施する。
【0112】
しかしながらさらに、前記に示したように、方法において予備還元なしで使用することができ、この際、水素化条件下で、反応器中に存在する水素によって還元し、この際、触媒は、一般にその場で、その触媒活性の形で形成される。
【0113】
本発明による触媒は、少なくとも1種の不飽和炭素−炭素結合、炭素−窒素結合または炭素−酸素結合を含む化合物(出発物質)を水素化するための方法において使用することができる。
【0114】
適した化合物は、一般に、少なくとも1個または複数個のカルボン酸アミド基、ニトリル基、イミン基、エナミン基、アジン基またはオキシム基を含有する化合物であり、これがアミンに水素化される。
【0115】
さらに本発明による方法において、少なくとも1個または複数個のカルボン酸エステル基、カルボン酸基、アルデヒド基またはケト基を含有する化合物をアルコールに水素化することができる。
【0116】
適した化合物はさらに、不飽和または飽和の炭素環または複素環に変換することができる芳香族である。
【0117】
本発明による方法において使用することができる特に適した化合物は、有機ニトリル化合物、イミンおよび有機オキシムである。これは第1級アミンに水素化することができる。
【0118】
特に好ましい実施態様において、ニトリルは本発明による方法において使用される。
【0119】
これに関して、たとえば1〜30個の炭素原子を有する脂肪族モノ−およびジニトリル、6〜20個の炭素原子を有する脂環式モノ−およびジニトリルの水素化であってもよい。さらにα−およびβ−アミノニトリルまたはアルコキシニトリルである。
【0120】
適したニトリルは、たとえばエチルアミンを製造するためのアセトニトリル、プロピルアミンを製造するためのプロピオニトリル、ブチルアミンを製造するためのブチロニトリル、ラウリルアミンを製造するためのラウロニトリル、ステアリルアミンを製造するためのステアリルニトリル、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)を製造するためのジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)およびベンジルアミンを製造するためのベンゾニトリルである。適したジニトリルは、ヘキサメチレンジアミン(HMD)またはHMDを製造するためのアジポジニトリル(ADN)および6−アミノカプロニトリル(ACN)、2−メチルグルタロジアミンを製造するための2−メチルグルタロジニトリル、1,4−ブタンジアミンを製造するためのスクシノニトリルおよびオクタメチレンジアミンを製造するためのコルク酸ジニトリルである。さらに環式ニトリル、たとえばイソホロンジアミンを製造するためのイソホロンニトリルイミン(イソホロンニトリル)およびメタキシリレンジアミンを製造するためのイソフタロジニトリルが適している。同様に、α−アミノニトリルおよびβ−アミノニトリル、たとえば1,3−ジアミノプロパンを製造するためのアミノプロピオニトリル、あるいはω−アミノニトリル、たとえばヘキサメチレンジアミンを製造するためのアミノカプロニトリルが適している。他の適した化合物は、いわゆる「ストレッカーニトリル」、たとえばジエチレントリアミンを製造するためのイミノジアセトニトリルである。さらなる適したニトリルはβ−アミノニトリル、たとえばアルキルアミン、アルキルジアミンまたはアルカノールアミンのアクリルニトリルへの付加生成物である。したがって、エチレンジアミンおよびアクリルニトリルの付加生成物は、相当するジアミンに変換することができる。たとえば、3−[2−アミノエチル]アミノ]プロピオニトリルを、3−(3−アミノエチル)アミノプロピルアミンおよび3,3’−(エチレンジアミノ)ビスプロピオニトリルまたは3−[2−(アミノ−プロピルアミノ)−エチルアミノ]−プロピオニトリルをN,N’−ビス−(3−アミノプロピル)−エチレンジアミンに変換することができる。
【0121】
特に好ましくは、本発明による方法において、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)を製造するためにN,N−ジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)、ヘキサメチレンジアミン(HMD)または6−アミノカプロニトリル(6−ACN)を製造するためにアジポジニトリル(ADN)、およびイソホロンジアミンを製造するためにHMDおよびイソホロンニトリルイミンを使用する。
【0122】
還元剤として、水素または水素含有ガスを使用することができる。水素は一般に技術的に純粋なものを使用することができる。水素は、水素含有ガス、すなわち、他の不活性ガス、たとえば窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴンまたは二酸化炭素との混合物中で、使用することができる。水素含有ガスとして、たとえばリフォーマーガス、リファイナーガス等、このガスが、使用された水素化触媒のための触媒毒なしで、たとえばCOを含有しない限りにおいて使用することができる。しかしながら、好ましくは方法において純粋な水素または本質的に純粋な水素が使用され、たとえば、99質量%を上回る、好ましくは99.9質量%を上回る水素、特に好ましくは99.99質量%を上回る水素、とりわけ99.999質量%を上回る水素含量を有する水素を使用する。
【0123】
水素と出発物質として使用された化合物とのモル比は、一般には1:1〜25:1、特に2:1〜10:1である。水素は循環ガスとして反応中に返送することができる。
【0124】
ニトリルの還元によってアミンを製造する方法の場合には、水素化はアンモニアの添加下で実施することができる。これに関してアンモニアは、一般にニトリル基に対するモル比において、0.5:1〜100:1、特に2:1〜20:1の比で使用する。しかしながら好ましい実施態様は、アンモニアを添加しない方法である。
【0125】
この反応は塊状で又は溶液中で実施できる。水素化は、好ましくは液体の存在下で実施する。適した液体は、たとえばC〜Cアルコール、たとえばメタノールまたはエタノール、C〜C12−ジアルキルエーテル、たとえばジエチルエーテルまたはtert.−ブチルメチルエーテルまたは環状C〜C12エーテル、たとえばテトラヒドロフランまたはジオキサンである。適した液体は、さらに前記液体の混合物であってもよい。液体はさらに水素化生成物であってもよい。
【0126】
反応は触媒の存在下に行うこともできる。水素含量は、使用された液体の量に対して10質量%を上回ることなく、特に5質量%未満、特に好ましくは3質量%未満でなければならず、これによってアルカリ土類金属および希土類金属の化合物の浸出および/または洗浄除去をほぼ減少させるためである。
【0127】
一般に水素化は、1〜150bar、特に5〜120bar、とりわけ8〜85bar、および特に好ましくは10〜65barの圧力下で実施する。好ましくは、水素化は、65bar未満の減圧で実施する。温度は、一般に25〜300℃、好ましくは50〜200℃、特に70〜150℃、とりわけ好ましくは80〜130℃である。
【0128】
本発明による水素化方法は、連続的に、非連続的に、あるいは半連続的に実施することができる。好ましくは、半連続的に、または連続的に水素化する。
【0129】
これに関連して適した反応器は、攪拌槽反応器ならびに管状反応器である。典型的な反応器は、たとえば高圧−攪拌槽反応器、オートクレーブ、固定床反応器、流動床反応器、移動床、還流式流動床、連続式攪拌容器、気泡式反応器(Blasenreaktoren)、還流式反応器、たとえばジェットループ式反応器(Strahlschlaufenreaktoren)等であり、その際、その都度、望ましい反応条件(たとえば温度、圧力および滞留時間)に適した反応器を使用する。
【0130】
反応器はそれぞれ単一の反応器(シングル反応器)として、単一の反応器からなる群として、および/または2個または複数個の並列の反応器の形で使用することができる。
【0131】
反応器は、AB操作において運転することができる(二者択一的な操作)。本発明による方法は、バッチ反応、半連続的反応または連続的反応として実施することができる。
【0132】
特別な反応器構造および反応の実施は、実施される水素化方法によって、水素化されるべき出発生成物の凝集状態によって、要求される反応時間によって、および使用される触媒の性質に依存して可変であってもよい。
【0133】
特に好ましい実施態様において、本発明による水素化のための方法は、連続的に高圧−攪拌槽反応器中で、泡鐘塔中で、還流式反応器中で、たとえばジェットループ式反応器中で、あるいは触媒が固定的に配置され、すなわち、触媒固定床の形で配置された固定床反応器中で実施する。これに関して、アップフロー式運転またはダウンフロー式運転で、好ましくはアップフロー式運転で水素化することができる。アップフローで運転することは、技術的により簡単である。
【0134】
これらの好ましい実施態様において、本発明による触媒の利点は、特に良好な効果であり、それというのも本発明による触媒は、より高い機械的安定性およびそれに伴う増加した運転寿命を示し、それによって連続的運転方法に適している。
【0135】
特に好ましい実施態様において、ニトリルの水素化は連続的に、攪拌式オートクレーブ、泡鐘塔、還流式反応器、たとえばジェットループ式反応器または固定床反応器中で、固定的に配置された触媒を含む液相中で連続的に実施する。
【0136】
典型的には、連続的な運転方式の場合の触媒空間速度は、触媒1L及び1時間当たり0.01〜10kg、特に0.2〜7kg、特に有利には0.5〜5kgの出発物質である。
【0137】
非連続的な水素化の場合には、反応器中に出発物質および触媒の懸濁液を装入する。高い反応率と高い選択性を保証するために、たとえば、オートクレーブ中のタービン式攪拌装置によって、出発物質および触媒の懸濁液と水素をよく混合しなければならない。懸濁した触媒材料は、慣用の技術を用いて導入し、そして再度分離することができる(沈降分離、遠心分離、フィルターケーク濾過、クロスフロー濾過)。触媒は一回、又は複数回使用することができる。触媒濃度は、出発物質及び触媒から成る懸濁液の全質量に対して有利には0.1〜50質量%、好ましくは0.5〜40質量%、特に好ましくは1〜30質量%、とりわけ5〜20質量%である。場合によっては、適した、不活性溶剤での出発物質の希釈を実施することができる。
【0138】
滞留時間は、本発明による方法において、非連続的方法における実施の場合には一般に15分〜72時間、好ましくは60分〜24時間、特に好ましくは2時間〜10時間である。
【0139】
同様に、水素化は気相中で、固定床反応器または流動床反応器中で実施することができる。水素化反応を実施するための適した反応器は、たとえばUllmann's Encyclopadieで記載されている(Ullmann's Encyclopedia Electronic Release 2000、Kapitel Hydrogenation and Dehydrogenation、第2頁〜第3頁)。
【0140】
本発明による触媒の活性および/または選択率は、運転寿命が増加するに伴い減少する。これにしたがって、触媒を液体で処理することによる本発明による触媒を再生するための方法が見出された。これに関して触媒の液体での処理は、触媒の活性部位をブロックする場合により付着する化合物の溶解を導く。触媒の液体での処理は、液体中での触媒の攪拌によってか、あるいは液体中の触媒の洗浄によって実施し、その際、実施される処理後に、液体を濾過またはデカントによって、溶解した不純物と一緒に触媒から取り除くことができる。
【0141】
適した液体は、一般には水素化生成物、水または有機溶剤、好ましくはエーテル、アルコールまたはアミドである。
【0142】
さらなる実施態様において、触媒の液体での処理は、水素または水素含有ガスの存在下で実施することができる。
【0143】
これらの再生は、高められた温度、一般には20〜250℃で実施することができる。さらに、使用済みの触媒を乾燥させ、かつ付着した有機化合物を空気と一緒に揮発性化合物、たとえばCOに酸化することも可能である。水素化における触媒のさらなる使用の前に、これらは実施される酸化後に、一般には前記に示すようにして活性化される。
【0144】
再生の際に、触媒は、触媒活性成分の溶解性可能物と接触させる。接触は、触媒が、触媒活性成分の水溶性化合物と一緒に浸漬されるか、あるいは湿潤させるようにして実施することができる。特に、触媒活性成分の化合物は、ドープ元素の化合物またはアルカリ金属、アルカリ土類金属または希土類金属の化合物である。
【0145】
本発明による触媒の使用によって、装置および投資に関する要求ならびに水素化方法の際のプラントに関する操作コストが減少するといった利点を有する。特に、増加した運転圧、ならびに溶剤および添加剤の使用に伴って投資コストが増加する。本発明による水素化方法は、水素およびアンモニアの不含下で運転することができ、水およびアンモニアを反応生成物から分離するためのプロセス工程(蒸留)を省略するか、あるいは簡素化することができるためである。水およびアンモニアが存在しないことによって、さらに存在する反応器容量を良好に利用することができ、それというのも、自由になる容量を追加の反応容量として使用することができるためである。本発明による触媒は、さらに水素化、特にニトリルの水素化を、簡略化された反応条件下で実施することを可能にし、それというのも、ニトリルの水素化はアンモニアの不含下で実施することができるためである。
【0146】
本発明によって提供される触媒は、技術水準の通常の触媒に対して多くの利点を示す。したがって、金属、たとえば骨核触媒の場合にはアルミニウム、あるいはアルカリ促進剤、たとえばリチウムの溶出は、触媒の安定性の低下および触媒の不活性化を招くことから、十分に回避する必要がある。特に、商業的ラネー触媒の場合に塩基性条件下でアルミニウムの溶出によって生じるアルミネートの形成が回避され、それによって、遮蔽および堆積を招き、かつ重要な生成物の分解に作用する、固体残留物を形成する源を有しない。
【0147】
本発明による触媒は、さらに水素化反応中で固定的に配置することができるため、その結果、たとえば、懸濁液中における製造に必要不可欠な、反応終了時の触媒の技術的にコストのかかる分離を実施する必要がない。触媒は、高い機械的耐性を示し、かつ低い摩耗性を示すものでなければならない。さらに、望ましくない副生成物の形成、特にニトリルからの第2級アミンの形成を減少することができ、これによって目的生成物が高い収率および選択率で得られる。これら触媒の製造は、さらに技術的に簡単に実現される。さらに本発明による触媒は取り扱いが簡単である。本発明による触媒のさらなる利点は、触媒担体上の触媒活性材料を塗布することからなる。ほぼ触媒活性材料から成る触媒、いわゆる完全触媒とは対照的に、担持触媒のための材料コストは一般に完全触媒よりも少ない。これによって、方法の経済性はさらに増加する。
【0148】
本発明は、以下の実施例に基づいて説明される:
定義
触媒空間速度は、供給装置における出発物質量を、触媒体積と時間との積で割った商として示す。
触媒空間速度=出発物質量/(触媒体積・反応時間)
触媒体積は、触媒(モノリス)と同一の外観形状寸法を示す、中実円柱により占められる体積に相当する。
【0149】
反応器は、一般に、モノリス触媒で完全に装填される。触媒空間速度の単位は、kg出発物質/(l・h)で表す。
【0150】
示された選択率は、ガスクロマトグラフ分析によって測定され、かつ面積%に相当する。出発物質の変換率U(E)は、以下の式にしたがって算定する:
【数1】

【0151】
生成物A(P)の収率は、生成物シグナルの面積%から得られる。
【数2】

この際、出発物質(F%(E))、生成物(F%(P))、副生成物(F%(N))またはまとめて一般には物質i(F(i))の面積%を、物質iのシグナル下の面積F(i)を、全面積F合計、すなわち物質iのシグナル下の全面積で割った商に100を掛けてもとめる。
【数3】

【0152】
出発物質S(E)の選択率は、生成物収率A(P)と出発物質変換率U(E)の商として算定する:
【数4】

【0153】
実施例で示された金属含量は、完成した触媒前駆体の元素分析によって得られ、かつ完成した被覆されたモノリス(=触媒前駆体)の全量に対する金属質量%として理解される。
【0154】
ここで挙げられた実施例は、コージライトモノリス(Celcor(登録商標)、(Corning社)を用いて実施することができるが、しかしながら同様にこれに匹敵するモノリス(たとえばHoney-Ceram(登録商標)、NGK Insulators社)を用いても達成することができる。
【0155】
例1:
モノリス触媒担体は、EP-B1-636409による酸化混合物で被覆された。酸化混合物は、ここで示された規定にしたがって55〜98質量%のコバルト、0.2〜15質量%のリン、0.2〜15質量%のマンガンおよび0.2〜5質量%のアルカリ金属(酸化物として換算)を含有することができる。使用した酸化物混合物の正確な組成は、その都度実施例に示す。
【0156】
例1a
モノリス触媒担体として、コージライトモノリス(Celcor(登録商標)、Corning社)を、構造化成形体(丸形、20×50mm)の形で、かつ400cpsiで使用した。
【0157】
モノリス触媒担体を、10時間に亘って120℃で乾燥させた。
【0158】
装入物中で、9gのγ−酸化アルミニウム(Pural SB、Sasol社)を3gのギ酸で表面腐蝕させた。
【0159】
その後に、この混合物に、噴霧乾燥によって得られた、92質量%のCo、さらに5質量%のMnおよび3質量%のNa−ホスフェートを含有する酸化物混合物300gを、粒子径フラクション20〜50μmで添加した。この混合物に、VE−水300gを添加し、かつ得られた懸濁液を、高性能分散装置(Ultra-Turrax、IKA社)でホモジナイズした。乾燥したモノリスを懸濁液中で浸漬し、圧力空気を吹き込み、かつ加熱空気送風機上で約140℃で乾燥させた。この工程を全部で6回の浸漬に亘って繰り返した。引き続いて、モノリスを3時間に亘って500℃でか焼した。触媒前駆体は、26.1質量%の平均コバルト含量を有していた(金属コバルトとして示す)。
【0160】
触媒中のCo−原子とNa−原子とのモル比は、125:1であった。
【0161】
例1b
モノリス触媒担体として、コージライトモノリス(Celcor(登録商標)、Corning社)を、構造化成形体(丸形、18×50mm)の形で、かつ900cpsiで使用した。
【0162】
モノリス触媒担体を、10時間に亘って120℃で乾燥させた。
【0163】
装入物中で、7gのγ−酸化アルミニウム(Pural SB、Sasol社)を2gのギ酸で表面腐蝕させた。
【0164】
その後に、この混合物に、噴霧乾燥によって得られた92質量%のCo、さらに5質量%のMnおよび3質量%のNa−ホスフェートを含有する酸化物混合物225gを、粒子径フラクション20〜50μmで添加した。この混合物に、VE−水400gを添加し、かつ得られた懸濁液を、高性能分散装置(Ultra-Turrax、IKA社)でホモジナイズした。乾燥したモノリスを、懸濁液中に浸漬し、圧力空気を吹き込み、かつ加熱空気送風機上で約140℃(±10℃)で乾燥させた。この工程を全部で6回の浸漬に亘って繰り返した。引き続いて、モノリスを3時間に亘って500℃でか焼した。得られた触媒前駆体は、14.5質量%の平均コバルト含量を有していた(金属コバルトとして示す)。
【0165】
触媒中のCo−原子とNa−原子とのモル比は、125:1であった。
【0166】
例2:
モノリス触媒担体として、コージライト−モノリス(Celcor(登録商標)、Corning社)を、構造化成形体(丸形、18×50mm)の形で、かつ900cpsiで使用した。
【0167】
モノリス触媒担体を、10時間に亘って120℃で乾燥させた。
【0168】
装入物中で、9gのγ−酸化アルミニウム(Pural SB、Sasol社)を3gのギ酸で表面腐蝕させた。その後に、この混合物に、LiCoO(Alfa Aesar:97%)310gを添加し、約200gのVE−水で装填し、かつ、得られた懸濁液を、高性能分散装置(Ultra-Turrax、IKA社)でホモジナイズした。
【0169】
乾燥したモノリスを、懸濁液中に浸漬し、圧力空気を吹き込み、かつ加熱空気送風機上で約140℃(±10℃)で乾燥させた。この工程を全部で6回の浸漬に亘って繰り返した。引き続いて、モノリスを3時間に亘って500℃でか焼した。触媒前駆体は、30.5質量%の平均コバルト含量(金属コバルトとして示す)および3.7質量%のリチウム(金属リチウムとして示す)を有していた。
【0170】
触媒中のCo−原子とLi−原子とのモル比は、1:1であった。
【0171】
例3:
コバルトヘキサアミン溶液を、1709mlのアンモニア溶液(33%NH)中にアンモニウムコバルト634gを溶解することによって製造した。引き続いて、少量ずつ、コバルト(II)−炭酸水素塩528gを添加した。溶液を濾過して、不溶性成分を分離した。得られた溶液は、レドックスポテンシャル−248mVを有し、そのコバルト含量は4質量%であった。
【0172】
モノリス触媒担体として、コージライトモノリス(Celcor(登録商標)、Corning社)を、構造化成形体(丸形、9.5×20mm)の形で、かつ、400cpsiで使用した。
【0173】
モノリス触媒担体を、10時間に亘って120℃で乾燥させた。
【0174】
装入物中で、γ−酸化アルミニウム(Pural SB、Sasol社)7.9gを、ギ酸2.4gで表面腐蝕させた。γ−酸化アンモニウム256g(D10-10、BASF SE社)を、表面腐蝕させたγ−酸化アンモニウムと一緒に混合して、コバルトヘキサンアミン溶液に添加した。
【0175】
乾燥したモノリスを、このようにして製造した懸濁液中に浸漬し、圧力空気を吹き込み、かつ加熱空気送風機上で、約140℃(±10℃)で加熱した。この工程を、全部で4回の浸漬に亘って繰り返した。引き続いて、モノリスを2時間に亘って105℃で、乾燥容器中で乾燥させ、かつ、4時間に亘って280℃でか焼した。触媒前駆体は、1.0質量%の平均コバルト含量を有していた(金属コバルトとして示す)。
【0176】
例4:
モノリス触媒担体として、コージライトモノリス(Celcor(登録商標)、Corning社)を、構造化成形体(丸形、9.5×20mm)の形で、かつ、400cpsiで使用した。
【0177】
モノリス触媒担体は、10時間に亘って120℃で乾燥させた。
【0178】
装入物中で、酸化アルミニウム(Disperal、SOL 73、粉砕物)2.1gを酢酸(100%)0.6gで表面腐蝕させた。
【0179】
その後に、この混合物に、噴霧乾燥によって得られた71質量%のNiO、さらに20.4質量%のAl、8.5質量%のZrOおよび0.04%のNaOを含む酸化物混合物65.5gを、20〜50μmの粒子径フラクションで添加した。
【0180】
この混合物に、約160gのVE−水を添加し、かつ得られた懸濁液を、高性能分散装置(Ultra-Turrax、IKA社)でホモジナイズした。
【0181】
乾燥したモノリスを、懸濁液中に浸漬し、圧力空気を吹き込み、かつ加熱空気送風機上で約140℃(±10℃)で乾燥させた。この工程を、全部で5回の浸漬に亘って繰り返した。引き続いて、モノリスを10時間に亘って120℃で乾燥させ、かつ2時間に亘って350℃でか焼した。得られた触媒前駆体は、8.6質量%の平均ニッケル含量を有していた(金属ニッケルとして示す)。
【0182】
触媒中のCo−原子とNa−原子とのモル比は、730:1であった。
【0183】
例5:
例1aによって製造された触媒前駆体を、10時間に亘って300℃で、90%の水素および10%の窒素からなる混合物で還元し、引き続いて空気を用いて室温で不動態化した。不動態化したモノリス押出物を、引き続いてホルダーの11個の予定された孔中に挿入して、孔は完全にモノリス押出物で充填した。
【0184】
不動態化した触媒を活性化するために、モノリスを含むホルダーを、磁性結合ディスク型撹拌機(攪拌速度、1000回転/分)、電気加熱器、内部温度調節装置、および反復差圧計量供給機を介しての水素供給口を備えた、160mlのParr−オートクレーブ(hte社)中に取り付けた。
【0185】
不動態化された触媒の活性化は、ニトリル水素化前に、50℃/100barで12時間に亘って水素を用いて、THF中でモノリス触媒を攪拌しながら実施した。
【0186】
活性化されたコバルトモノリス触媒(13質量%のコバルト)を含むホルダーを、オートクレーブから取りはずし、かつTHFですすぎ洗いをした。例5aでは、ホルダーをさらなる処理なしで、反応器中に取り付けた。代替的に、ホルダーを30分に亘って室温で、アルカリ金属水酸化物、LiOH、NaOH、KOHまたはCsOHの0.85モル水溶液中に置き(例5b〜5e)、その際、モノリス触媒は溶液を用いて完全に湿潤させた(含浸)。
【0187】
3−ジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)の3−ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)への半回分水素化を実施するために、オートクレーブ中に18.0gの3−ジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)、18.0gのTHFおよび25.1gの3−ジメチルアミノプロピルアミンを装填した。装填されたオートクレーブ中に、活性化され、場合によっては塩基浸漬した触媒を含むホルダーを取り付けた。水素化は、不活性ガス(窒素)下で100℃および100barで、1.5時間に亘って実施した。この時間後に、反応混合物の組成をガスクロマトグラフにより分析した。予め装入された3−ジメチルアミノプロピルアミンの量を、変換率および選択率を算定する際に考慮した(第1表)。
【0188】
【表1】

【0189】
例6:
水素化を、例1a、1bまたは例2によって製造された触媒を積層物の形で含む泡鐘塔中で、アップフロー方式で実施した。水素化排出物を、相分離容器中で、気相と液相とに分離した。液相を排出し、かつGC分析によって定量的に分析した。99.2〜99.9%の液相を、新鮮なDMAPNおよび新鮮な水素と一緒に、泡鐘塔中に返送した。
【0190】
例6a:
例1によって製造された触媒(11個のモノリス20.4×50mm、1個のモノリス20.4×18.5mm)を18時間に亘って120℃および60barで、THF中で水素を用いて還元した。THFを除去し、かつその後に装置(泡鐘塔+触媒)を60分に亘って室温で、800mlの2質量%濃度の水性LiOH溶液で洗浄した。引き続いて、水性溶液を除去し、かつ2回に亘ってそれぞれ10分、800mlのテトラヒドロフランですすぎ洗いをした。その後に、DMAPNを連続的に、THFを装填した反応器中に連行した。
【0191】
3−ジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)の3−ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)への水素化は、500時間に亘って、アップフロー方式で、アンモニアの不含下で120℃で、30〜50barの圧力範囲および0.26kg/L・hのDMAPN〜0.4kg/L・hのDMAPNのWHSVで運転した。DMAPN−変換率は完全であり、DMAPA収率は99.0〜99.7%であった。したがって、bis−DMAPAの割合は1%未満であった。
【0192】
例6b:
例1bによって製造された触媒前駆体は、例6aのようにして還元し、水酸化リチウム溶液で処理し、かつ引き続いてテトラヒドロフランですすぎ洗いをした。DMAPNの水素化は、例6aで記載された装置中で実施した。300時間に亘って、アンモニアの不含下で、120℃でアップフロー方式で、30〜50barの圧力および0.26kg/L・hのDMAPNのWHSVで運転した。DMAPN−変換率は完全であり、DMAPA収率は>99.8%であった。
【0193】
例6c
例2にしたがって、コージライト、γ−酸化アルミニウムおよびLiCoOに基づいて製造された、不動態化された触媒前駆体を、泡鐘塔中で、130℃および50barで、18時間に亘って水素で活性化した。その後に、モノリスDMAPNの洗浄またはさらなる後処理をすることなしに、連続的に120℃および50barで、アップフロー方式で、アンモニアの不含下で、反応器中にDMAPNをポンプ導入した。WHSVは0.26kg/L・hのDMAPNであった。この条件を、75時間に亘って維持した。この時間で、変換率は完全であり、収率は99.9%であった。この値は、さらに30barへの圧力減少後も引き続いて50時間維持された。引き続いての200時間において、他の点では一定の条件下で、WHSVが0.26kg/L・hから1.04kg/L・hのDMAPNに段階的に増加した。唯一の変更点は、変換率は99.7%に低下し、選択率は99.9%であったことである。引き続いての115時間で、温度は1.1kg/L・hのDMAPNのWHSVで、130℃に増加した。したがって、変換率は選択率と同様に99.8%であった。
【0194】
例7:
コルク酸ジニトリルのオクタメチレンジアミンへの水素化に関しては、例2と同様に製造された、LiCoOで被覆されたモノリス触媒を使用した。モノリス触媒担体として、コージライト(Celcor(登録商標)、Corning社)を、構造化成形体(丸形、18×50mm)の形で、かつ400cpsiで使用した。
【0195】
モノリス−押出物のコバルト含量は24〜29質量%、リチウム含量は2〜4質量%であった。
【0196】
触媒前駆体を、130℃で10時間に亘って、90%の水素および10%の窒素からなる混合物で還元し、引き続いて空気を用いて室温で不動態化した。引き続いて不動態化したモノリス押出物をホルダーの11個の予定された孔中に導入することで、孔は完全にモノリス−押出物によって充填された。
【0197】
不動態化した触媒を活性化するために、モノリスを含むホルダーを、磁性結合ディスク型撹拌機(攪拌速度、1000回転/分)、電気加熱器、内部温度調節装置、および反復差圧計量供給機を介しての水素供給口を備えた、160mlのParr−オートクレーブ(hte社)中に取り付けた。
【0198】
不動態化された触媒の活性化は、ニトリル水素化前に、150℃/100barで、12時間に亘って水素で、モノリス触媒の攪拌下で、THF中で実施した。
【0199】
オートクレーブ中に、11個のモノリス触媒押出物を置き、43gのコルク酸ジニトリルおよび43gのメタノールを導入した。水素化は3時間に亘って100℃および65barで実施した。水素化排出物のガスクロマトグラフ分析は、コルク酸ジニトリル変換率が99.4%の場合に、オクタメチレンジアミン選択率95.9%を生じた。
【0200】
例8:
例3によって製造された触媒前駆体を、10時間に亘って300℃で、90%の水素および10%の窒素からなる混合物で還元し、引き続いて空気を用いて室温で不動態化した。不動態化したモノリス−押出物を、引き続いてホルダーの11個の予定された孔中に挿入することで、孔を完全にモノリス−押出物で充填した。
【0201】
不動態化した触媒を活性化するために、モノリスを含むホルダーを、磁性結合ディスク型撹拌機(攪拌速度、1000回転/分)、電気加熱器、内部温度調節装置、および反復差圧計量供給機を介しての水素供給口を備えた、160mlのParr−オートクレーブ(hte社)中に取り付けた。
【0202】
不動態化された触媒の活性化を、ニトリル水素化前に、150℃/100barで、12時間に亘って、水素を用いて、モノリス触媒の攪拌下で、THF中で実施した。
【0203】
活性化されたコバルトモノリス触媒(1質量%のコバルト)を含むホルダーを、オートクレーブから取り出し、かつTHFですすぎ洗いをした。引き続いてホルダーをさらなる処理なしに(例8a)反応器中に取り付けるか、あるいは室温で30分に亘って0.065モルまたは0.85モルのアルカリ金属水酸化物LiOH水溶液中に置き(例8bまたは8c)、この際、モノリス触媒を、溶液を用いて完全に湿潤させた(含浸)。
【0204】
3−ジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)の3−ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)への半回分水素化を実施するために、オートクレーブ中で、18.0gの3−ジメチルアミノプロピオニトリル(DMAPN)、18.0gのTHFおよび25.1gの3−ジメチルアミノプロピルアミンを装入した。このようにして装入されたオートクレーブ中に、活性化され、場合によっては塩基浸漬された触媒を含むホルダーを取り付けた。水素化は、不活性ガス(窒素)下で、100℃および100barで、6時間に亘って実施した。この時間後に、反応混合物の組成をガスクロマトグラフにより分析した。装入された3−ジメチルアミノプロピルアミンの量を、変換率および選択率を算定する際に考慮した(第2表)。
【0205】
【表2】

【0206】
例9:
例5と同様に、例4にしたがって製造された、NiOで被覆されたモノリス触媒を、DMAPNのDMAPAへの変換のために、その他の点では変更のない反応条件下で使用した。例5とは異なり、反応は6時間に亘って実施した。
【0207】
活性化されたニッケルモノリス触媒(8.6質量%のニッケル)を含むホルダーを、オートクレーブから取り出し、かつTHFですすぎ洗いをした。引き続いてホルダーをさらなる処理なしに反応器中に取り付ける(例9a)か、あるいは室温で30分に亘って0.085モルのアルカリ金属水酸化物LiOH水溶液中に置き(例9b)、この際、モノリス触媒は溶液を用いて完全に湿潤させた(含浸)。
【0208】
この結果を表3に示した。
【0209】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コバルト、ニッケルおよび銅からなる群から選択された1種またはそれ以上の元素を含有する触媒の製造方法において、モノリス触媒担体を、コバルト、ニッケルおよび銅からなる群から選択された元素の1種またはそれ以上の不溶性または難溶性化合物を含む懸濁液と接触させることを特徴とする、前記製造方法。
【請求項2】
不溶性または難溶性化合物が、酸化物、水酸化物および/または混合酸化物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
不溶性または難溶性化合物がLiCoOである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
不溶性または難溶性化合物が粒子の形で存在し、かつ平均粒子径0.01〜1000μmを示す、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
不溶性または難溶性化合物が粒子の形で、噴霧乾燥によって製造される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
懸濁液との接触前または接触中に、モノリス触媒担体上に結合剤を塗布する、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
結合剤を塗布する前に酸で処理する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
モノリス触媒担体がコージライトを含有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
触媒がCoを含有する、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
モノリス触媒担体を、コバルト、ニッケルおよび銅からなる元素群から選択された元素の1種またはそれ以上の不溶性または難溶性化合物を含む懸濁液と接触させ、かつ引き続いてアルカリ金属、アルカリ土類金属および希土類金属の群から選択された1種またはそれ以上の元素で含浸する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法によって得られる触媒。
【請求項12】
少なくとも1個の不飽和の炭素−炭素−結合、炭素−窒素−結合または炭素−酸素−結合を含有する化合物の水素化方法において、請求項11に記載の触媒を使用することを特徴とする、前記方法。
【請求項13】
少なくとも1個のニトリル基を含有する化合物から第1級アミンを製造するための、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ヘキサメチレンジアミン、アミノカプロニトリル、N,N−ジメチルアミノプロピルアミンまたはイソホロンジアミンを製造するための、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
触媒を、たとえば触媒固定床の形で、反応器中に固定的に配置する、請求項12から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1個のニトリル基を含有する化合物から第1級アミンを製造するための、請求項11に記載の触媒の使用。

【公表番号】特表2012−517331(P2012−517331A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548654(P2011−548654)
【出願日】平成22年2月1日(2010.2.1)
【国際出願番号】PCT/EP2010/051142
【国際公開番号】WO2010/089265
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】