説明

水素吸蔵合金及び二次電池

【課題】水素の吸蔵・放出特性を改善した水素吸蔵合金を提供する。
【解決手段】鋳造法または焼結法により作製され、かつ下記一般式(2)で表される組成を有する合金インゴットか、あるいは前記合金インゴットの粉砕物を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
Mg1-a R1a(Ni1-x M2x z …(2)
ただし、R1は、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1つの元素、M2はCr、Mn、Fe、Co、Cu及びZnから選ばれる少なくとも1つの元素、a、x及びzはそれぞれ0.1≦a≦0.8、0<x≦0.9、3≦z≦3.8として規定される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造法または焼結法により作製され、かつ下記一般式(2)で表される組成を有する合金インゴットか、あるいは前記合金インゴットの粉砕物を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
Mg1-a R1a(Ni1-x M2x z …(2)
ただし、R1は、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1つの元素、M2はCr、Mn、Fe、Co、Cu及びZnから選ばれる少なくとも1つの元素、a、x及びzはそれぞれ0.1≦a≦0.8、0<x≦0.9、3≦z≦3.8として規定される。
【請求項2】
鋳造法または焼結法により作製され、かつ下記一般式(4)で表される組成を有する合金インゴットか、あるいは前記合金インゴットの粉砕物を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
Mg1-a R1a (Ni1-x M3x z (4)
ただし、R1は、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、M3はCo、Mn、Fe、Al、Ga、Zn、Sn、Cu、Si及びBから選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、x及びzはそれぞれ0.65≦a≦0.8、0<x≦0.6、3≦z≦3.8として規定される。
【請求項3】
鋳造法または焼結法により作製され、かつ下記一般式(5)で表される組成を有する合金インゴットか、あるいは前記合金インゴットの粉砕物を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
Mg1-a-b R1a T1b (Ni1-x M3x z (5)
ただし、R1は、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、T1はCa、Ti、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種の元素、M3はCo、Mn、Fe、Al、Ga、Zn、Sn、Cu、Si及びBから選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、b、x及びzはそれぞれ0.65≦a<0.8、0<b≦0.3、0.65<(a+b)≦0.8、0<x≦0.6、3≦z≦3.8として規定される。
【請求項4】
鋳造法または焼結法により作製され、かつ下記一般式(6)で表される組成を有する合金インゴットか、あるいは前記合金インゴットの粉砕物を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
Mga R11-a (Ni1-x-y Cox M4y z (6)
ただし、R1は、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、M4はMn、Fe、V、Cr、Nb、Al、Ga、Zn、Sn、Cu、Si、P及びBから選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、x、y及びzはそれぞれ0.2≦a≦0.35、0<x≦0.5、0≦y≦0.2、3≦z≦3.8として規定される。
【請求項5】
鋳造法または焼結法により作製され、かつ下記一般式(7)で表される組成を有する合金インゴットか、あるいは前記合金インゴットの粉砕物を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
Mga R11-a-b T2b (Ni1-x-y Cox M4y z (7)
ただし、R1はYを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、T2はCa、Ti及びZrから選ばれる少なくとも1種の元素、M4はMn、Fe、V、Cr、Nb、Al、Ga、Zn、Sn、Cu、Si、P及びBから選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、b、x、y及びzはそれぞれ0.2≦a≦0.35、0<b≦0.3、0<x≦0.5、0≦y≦0.2、3≦z≦3.8として規定される。
【請求項6】
鋳造法または焼結法により作製され、かつ下記一般式(8)で表される組成を有する合金インゴットか、あるいは前記合金インゴットの粉砕物を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
Mga (La1-b R1b 1-a Niz (8)
ただし、R1は、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつLaではなく、a、b及びzはそれぞれ0.2≦a≦0.35、0.01≦b<0.5、3≦z≦3.8として規定される。
【請求項7】
鋳造法または焼結法により作製され、かつ下記一般式(9)で表される組成を有する合金インゴットか、あるいは前記合金インゴットの粉砕物を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
Mga (La1-b R1b 1-a (Ni1-x M3x z (9)
ただし、R1は、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素であり、かつLaではなく、M3はCo、Mn、Fe、Al、Ga、Zn、Sn、Cu、Si及びBから選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、b、x及びzはそれぞれ0.2≦a≦0.35、0.01≦b<0.5、0.1≦x≦0.6、3≦z≦3.8として規定される。
【請求項8】
前記合金インゴットのヴィッカース硬度は700Hv(kgf/mm2 )未満であることを特徴とする請求項6ないし7いずれか1項記載の水素吸蔵合金。
【請求項9】
下記一般式(10)で表される組成を有する合金を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
MgaR21-a-bT1b(Ni1-xM3xz (10)
ただし、R2は、Yを含む希土類元素から選ばれる2種以上の元素であり、前記R2のCe含有量は20重量%未満で、T1はCa,Ti,Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種の元素であり、M3はMn,Fe,Co,Al,Ga,Zn,Sn,Cu,Si及びBから選ばれる少なくとも1種の元素であり、a,b,x及びzはそれぞれ、0<a≦0.5、0≦b≦0.3、0≦x≦0.9、3≦z<4を示す。
【請求項10】
前記R2を構成する希土類元素のうちひとつはLaであり、前記R2のLa含有量は70重量%を越えることを特徴とする請求項9記載の水素吸蔵合金。
【請求項11】
下記一般式(11)で表される組成を有する合金を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
MgaR31-a-bT1b(Ni1-x-yM5xCoyz (11)
ただし、R3は、Yを含む希土類元素から選ばれる2種以上の元素であり、前記R3のCe含有量はm重量%未満で、mは、m=125y+20(yは前記(11)式のCo量である)で表され、T1はCa,Ti,Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種の元素であり、M5はMn,Fe,Al,Ga,Zn,Sn,Cu,Si及びBから選ばれる少なくとも1種の元素であり、a,b,x,y及びzはそれぞれ、0<a≦0.5、0≦b≦0.3、0≦x≦0.9、0<y≦0.4、x+y≦0.9、3≦z<4を示す。
【請求項12】
下記一般式(12)で表される組成を有し、前記一般式(12)におけるa及びzがz=−6×a+δ(δは、5−0.2≦δ≦5+0.2である)を満足する相を主相とし、かつ前記主相中の面欠陥が100nm当たり20本以下である合金を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
Mga R11-a-b T1b (Ni1-x M6x z (12)
ただし、R1は、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、T1はCa、Ti、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種の元素、M6はCo、Mn、Fe、Al、Ga、Zn、Sn、Cu、Si、B、Nb、W、Mo,V,Cr,Ta,P及びSから選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、b、x及びzはそれぞれ0.2≦a≦0.35、0≦b≦0.3、0<x≦0.6、3≦z≦3.8として規定される。
【請求項13】
前記主相中の面欠陥は、100nm当たり10本以下であることを特徴とする請求項12記載の水素吸蔵合金。
【請求項14】
下記一般式(13)で表される組成を有し、前記一般式(13)におけるa及びzがz=−6×a+δ(δは、5−0.2≦δ≦5+0.2である)を満足する相を主相とし、かつ面欠陥が100nm当たり20本以下である結晶粒を70容積%を越えて含有する合金を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
Mga R11-a-b T1b (Ni1-x M6x z (13)
ただし、R1は、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、T1はCa、Ti、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種の元素、M6はCo、Mn、Fe、Al、Ga、Zn、Sn、Cu、Si、B、Nb、W、Mo,V,Cr,Ta,P及びSから選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、b、x及びzはそれぞれ0.2≦a≦0.35、0≦b≦0.3、0<x≦0.6、3≦z≦3.8として規定される。
【請求項15】
前記結晶粒中の面欠陥は、100nm当たり10本以下であることを特徴とする請求項14記載の水素吸蔵合金。
【請求項16】
下記一般式(14)で表される組成を有し、前記一般式(14)におけるa及びzがz=−6×a+δ(δは、5−0.2≦δ≦5+0.2である)を満足する相を主相とし、かつCaCu5 型結晶構造を有する結晶相が20容積%以下で、MgCu2 型結晶構造を有する結晶相が10容積%以下である合金を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
Mga R11-a-b T1b (Ni1-x M6x z (14)
ただし、R1は、Yを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、T1はCa、Ti、Zr及びHfから選ばれる少なくとも1種の元素、M6はCo、Mn、Fe、Al、Ga、Zn、Sn、Cu、Si、B、Nb、W、Mo,V,Cr,Ta,P及びSから選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、b、x及びzはそれぞれ0.2≦a≦0.35、0≦b≦0.3、0<x≦0.6、3≦z≦3.8として規定される。
【請求項17】
前記R1はCeを含む2種以上の希土類元素からなり、前記R1中のCe含有量は20重量%未満であることを特徴とする請求項12,14または16いずれか1項記載の水素吸蔵合金。
【請求項18】
下記一般式(15)で表され、かつ主相がCe2 Ni7 型、CeNi3 型、Gd2 Co7 型、PuNi3 型のいずれかの結晶構造もしくは類似の結晶構造を有する相から選ばれる少なくとも1つの相である合金を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
R11-a-b Mga T2b (Ni1-x M7x z …(15)
ただし、R1はイットリウムを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1種の元素、T2はCa,Ti,Zrから選ばれた少なくとも1つの元素、M7はCo,Mn,Fe,V,Cr,Nb,Al,Ga,Zn,Sn,Cu,Si,P,Bから選ばれる少なくとも1つの元素であり、a,b,x,zはそれぞれ0<a≦0.6,0≦b≦0.5,0≦x≦0.9,2.5≦z<4.5として規定される。
【請求項19】
下記一般式(16)で表され、かつCuKα線を用いたX線回折パターンにおける2θ=8〜13゜の範囲に現れる最強ピークの強度(I1 )と、全ピークの最強線ピークの強度(I2 )との強度比(I1 /I2 )が0.15未満である合金を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
R41-a-b Mga M8b (Ni1-x M9x z …(16)
ただし、R4はイットリウムを含む希土類元素およびCaから選ばれる少なくとも1つの元素、M8はMgより電気陰性度の大きな元素(ただし、R4、Ni、M9を除く)、M9はCo,Mn,Fe,V,Cr,Nb,Al,Ga,Zn,Sn,Cu,Si,P,Bから選ばれる少なくとも1つの元素であり、a、b、x、zはそれぞれ0<a≦0.6、0≦b≦0.5,0≦x≦0.9,2.5≦z<4.5を示す。
【請求項20】
24サブセルとAB5サブセルとの積層構造からなり(但し、Aは25℃における水素1モルに対する水素化物の生成熱ΔH(kJ/mol)が20kJ/molより小さい1種類以上の元素、Bは前記生成熱ΔH(kJ/mol)が20kJ/mol以上の1種類以上の元素を示す)、かつ前記AB5サブセル数に対する前記A24サブセル数の比Xが0.5<X<1であるユニットセルからなる結晶相を含むことを特徴とする水素吸蔵合金。
【請求項21】
前記A24サブセルはLaves構造を有し、前記AB5サブセルはCaCu5型であることを特徴とする請求項20記載の水素吸蔵合金。
【請求項22】
前記ユニットセルは、n[LCLCC](但し、LはA24サブセル、CはAB5サブセル、nは整数を示す)で表される積層構造を有することを特徴とする請求項20ないし21いずれか1項記載の水素吸蔵合金。
【請求項23】
前記AはYを含む希土類元素から選ばれる少なくとも1つの元素及びMgを含み、前記BはNiを含むことを特徴とする請求項20〜22いずれか1項記載の水素吸蔵合金。
【請求項24】
請求項1〜23のうちのいずれか1項記載の水素吸蔵合金を含有する負極を備えたことを特徴とする二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−68116(P2009−68116A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293520(P2008−293520)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【分割の表示】特願平10−170326の分割
【原出願日】平成10年6月17日(1998.6.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】