説明

水素生成装置および動力装置

【課題】生成された酸化物の反応容器内での蓄積を防止すると共に、発生した水素を使用して駆動力を生成する、環境負荷の少ない水素生成装置および動力装置を提供すること。
【解決手段】本発明の水素生成装置10は、中心軸を中心として回動自在に保持された反応容器14と、反応容器14を、中心軸を中心として回動自在に保持するシールド容器12と、反応容器14の内部に水を供給する水ノズル26と、反応容器14の内部で軽金属または軽金属合金から水素ガスを発生させるための電極装置24と、反応容器14に取り付けられ、反応容器14の内部と外部とを連通して反応容器14に回転力を付与する噴射ノズル30とを備えていて、生成された水素を使用して反応容器14を回動させ、環境負荷の少ない動力装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素生成および生成した水素の燃焼を動力として用いる動力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の軽金属による水の還元を利用する動力の発生法では、まず、水素を発生した後、水素を燃焼させ、タービンあるいは内燃機関を駆動して動力を得るか、あるいは水素を燃料電池として用い、発電して電動機を駆動して動力化していた。
【0003】
図7は、軽金属としてマグネシウムを用いた、例えば、特開平07−109102号公報(特許文献1)などにおいて知られていた従来の水還元装置を示す。図7に示す水還元装置100は、反応容器102と、反応容器102の上部に配置された水タンク104とを備えている。反応容器102の内部には、プレート状、フレーク状、粒状または粉体状のマグネシウム110が収容されている。また、反応容器102の側壁には、生成した水素を外部に排出する排気管112と、還元反応を発生させる熱を与える放電電極108とを備えており、放電電極108は、碍子114を介して絶縁されて配置されている。
【0004】
水タンク104の底部には、注水用の開口116が形成されている。開口116は、ロッド106の上下動に応答して、ロッド106の先端に形成されたバルブ118により開閉される。図8では、開口116は、バルブ118が開位置とされていて、水タンク104からの水を反応容器102内に注入することができる位置とされている。
【0005】
還元反応始動時には、電源(図示せず)から高圧電流が放電電極108へと印加され、放電電極108とマグネシウム110との間にアーク電流120が流れる。アーク放電により加熱されたマグネシウム110は、アーク電流120の根元から、反応容器102内の酸素によって燃焼を開始する。この時点でロッド106を押し下げバルブ118を解放すると、開口116から水が供給される。供給された水は、マグネシウム110で還元されながら、反応熱により自らも高温を保つようになる。この時点で、アーク電流120を停止する。排気管112からは、未反応のマグネシウムがある限り定常的に水素が排出される。
【特許文献1】特開平07-109102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来の方法では比較的大きな塊の軽金属を、ゆっくり反応させて水素を取り出していたため、水素発生時の還元反応熱エネルギーの有効利用に難があると同時に、反応容器が固形の反応生成物で埋め尽くされると、その取り出しのために運転を停止しなければならないなどの欠点があった。また、これとは対照的に、軽金属および水素を急激に燃焼させることで生成する反応生成物は膨大なエネルギーを有しているため、単に金属酸化物を系外に排出させるだけではなく、直接動力を発生させる作動流体としても使用することができ、反応生成物の有するエネルギーを効率的に利用することが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、マグネシウムなどを含む軽金属による水の還元反応の反応熱を利用して動力を発生させ、固形の反応生成物と共に反応容器の外部へと排出する。このとき、反応容器を回動自在に保持し、軽金属と水との反応により生じる非平衡状態での反応生成物の高速並進運動を回転運動に変換する。反応により生成した水素のうち、余剰の水素は、反応容器から排出された後に、燃焼または熱交換器を通過させた後、回収される。
【0008】
本発明によれば、軽金属との反応により生成された酸化物の反応容器内での蓄積を防止すると共に、発生した水素を使用して駆動力を生成する、環境負荷の少ない水素生成装置および動力装置を提供することができる。
【0009】
本発明によれば、
シールド容器と、
前記シールド容器に回動自在に保持された反応容器と、
前記反応容器の内部に水を供給する水ノズルと、
前記反応容器の内部で軽金属または軽金属合金から水素ガスを発生させるための電極構造体と、
前記反応容器に取り付けられ、前記反応容器の内部と外部とを連通し、前記水素ガスを利用して前記反応容器に回転力を付与する噴射ノズルと
を備える、水素生成装置が提供できる。
【0010】
本発明では、前記水素生成装置は、前記反応容器の内部での水素ガスの発生を間歇的に制御する制御手段を備えることができる。本発明では、前記シールド容器の外部で、生成した前記水素ガスと、前記水素ガス以外の反応生成物とを分離する、質量分離装置を備えることができる。本発明では、前記電極構造体は、前記反応容器内で生成した水素ガスを含む混合気に点火することができる。
【0011】
本発明によれば、
シールド容器と、
前記シールド容器に回動自在に保持された反応容器と、
前記反応容器の内部に水を供給する水ノズルと、
前記反応容器の内部で軽金属または軽金属合金から水素ガスを発生させるための電極構造体と、
前記反応容器に取り付けられ、前記反応容器の内部と外部とを連通し、前記水素ガスを利用して前記反応容器に回転力を付与する噴射ノズルと
を備え、前記反応容器内で生成した反応生成物の運動エネルギーと水素ガスの燃焼による噴射の反動および圧力差を活用する動力装置が提供できる。
【0012】
本発明では、前記水素生成装置は、前記反応容器の内部での水素ガスの発生を間歇的に制御する制御手段を備えることができる。本発明では、前記シールド容器の外部で、生成した前記水素ガスと、前記水素ガス以外の反応生成物とを分離する、質量分離装置を備えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を図面に示した実施の形態をもって説明するが、本発明は、図面に示した特定の実施の形態に限定されるものではない。図1は、本発明の水素生成装置10の概略的な断面図を示す。図1に示した水素生成装置10は、シールド容器12と、シールド容器12内に回動自在に保持された反応容器14とを備えている。反応容器14は、スラスト軸受け、スラスト玉軸受け、ラジアル軸受けなどの適切な軸受けにより保持されており、図1に示した実施の形態では、軸受け16は、ラジアル軸受けとされ、軸受け18はスラスト軸受けとすることができる。
【0014】
反応容器14は、さらに、水タンク32と、シャフト20とを備えており、水タンク32およびシャフト20は、反応容器14と一体とされて、軸受け16、18に保持されてシールド容器12内で反応容器14と共に回動自在に保持されている。反応容器14は、反応容器14の上部から絶縁部材34を通して反応容器14の内部にまで延びた電極部材22を備えている。電極部材22の先端部には、スパーク・ギャップ24が取り付けられていて、反応容器14内に蓄積されたマグネシウムなどの軽金属を加熱し、また、酸化反応をトリガさせている。また、本発明の反応容器14には、図1に示したスパーク・ギャップ24に代えて、またはスパーク・ギャップ24と共に、電熱線またはアーク放電を発生させる電極構造(図示せず)を備えることもできる。
【0015】
本発明では、上述したスパーク・ギャップ、電熱線、またはアーク放電電極を、共に電極構造体として参照し、これらはそれぞれ単独でまたは適宜組み合わせて使用することができる。
【0016】
反応容器14の内部には、軽金属と反応させるための水を供給するための水ノズル26が設けられている。水ノズル26は、水タンク32と反応容器14とを連通する連通路38と、連通路38に連続する逆止弁28とを備えている。水ノズル26は、反応により加熱された水タンク32内の水を反応容器14の内部へと間歇的に供給する。反応容器14内に供給された水は、軽金属と水との反応により水素ガスを発生させる。なお、本発明では逆止弁28の代わりに電気的に駆動される電磁バルブを使用して、反応容器14の外部から強制的に水を供給し、安定動作を行うこともできる。発生した水素は、生成した酸化物と共に反応容器14に連結された噴射ノズル30からシールド容器12内に噴射され、反応容器14を回動させる。噴射ノズル30は、反応容器14を中心として対称に配置されており、噴射した反応ガスの噴射の反作用で反応容器14を回動させる方向に向けられた開口を備えている。なお、噴射ノズル30の構造については、詳細に後述する。
【0017】
本発明の特定の実施の形態では、軽金属としては、Na、Mg、Ca、K、Al、Stなどを挙げることができ、これらは、それぞれ単独でまたは適宜、MgAl(xおよびyは、正の自然数)などの合金として使用することができ、また、反応熱の制御のためにZnなどの金属を合金または混合して使用することができ、その反応性に応じて、軽金属またはその合金の形状を、粉末状、粒状、フィルム状、フレーク状、プレート状として使用することができる。なお、水素を必要としないときは、軽金属と水との反応以外に、軽金属と酸素との反応を用いることができる。
【0018】
シールド容器12には、複数の開口36が形成されている。開口36は、噴射された反応ガスを、シールド容器12の外部へと排出すると共に、シールド容器12内に外部から空気を導入するために形成される。排出用の開口36は、空気取り入れ用の開口36よりも高い位置に形成されていて、排出用の開口36から、生成した水素ガスが排出される。
【0019】
本発明では、図1に示した水素発生装置10から排出された水素ガスをそのままシールド容器12の外部へと導出して、専ら水素ガスを回収するための装置として機能させることができる。この場合でも生成した金属酸化物は、反応容器14の回動による遠心力および放出される水素ガスのストリームにより、反応容器14の外部へと放出されるので、反応容器14内における金属酸化物の蓄積が防止できる。
【0020】
また、本発明では、反応容器14内で解放された反応エネルギーと、発生した水素ガスを噴射ノズル30の直下流側で燃焼させることにより、発生した水素ガスと酸素との酸化反応により解放されたエネルギーを反応容器14の回転エネルギーに変換する。
【0021】
本発明で噴射ノズル30の直下流側で爆轟状態を生成させるためにシールド容器12の適切な位置に点火プラグまたはパイロット・バーナ(図示せず)を配置して、噴射ノズル30の下流側の混合気に着火することもできる。発生した回転エネルギーは、シャフト20に連結されたエネルギー変換手段、例えば、発電装置、動翼、ファンなどに伝達され、発電用途および推進用途に使用することができる。
【0022】
なお、本発明における用語「爆轟:detonation」とは、可燃性混合気を超高速で爆発的に燃焼させるモードであり、容易に高圧・高温の高エネルギーを発生させる現象をいう。爆轟における燃焼モードは爆薬の爆発と同じであるが、固体爆薬のように残さが発生することなく、かつ高速で繰り返し発生させることが容易という特徴を有している。特に、本発明により生成した水素ガスを燃焼として使用し、酸素などの適切な酸化剤を含む酸化性気体を使用して爆轟を生成することにより、クリーンな燃焼を生じさせることができる。
【0023】
なお、爆轟のさらなる別の説明としては、燃焼により生じた衝撃波面と、燃焼状態のフロント面とがほぼ一致する燃焼状態であると、定義することもできる。図1に示した本発明の水素発生装置10では、マグネシウムなどの軽金属は、粉末状、プレート状、またはフレーク状の形状として反応容器14の内部に蓄積されており、スパーク・ギャップ24、電熱線、アーク放電などの電極構造体により加熱・着火され、水ノズル26から供給される水との反応を生じさせる。なお、反応容器14内で燃焼を生成させるために、反応容器14内に空気などの適切な酸化性気体を導入するための酸化剤供給ノズル、または酸化剤供給口を設けることができる。
【0024】
図2は、本発明の水素発生装置10の他の実施の形態を示した図である。図2に示した水素発生装置10は、図1に説明したと同様の構成を備えている。また、上側に形成された開口36には、質量分離装置40が連結されている。質量分離装置40は、生成した水素ガスを回収している。図2に示した質量分離装置40は、概ね、水を貯留する貯留槽42を備えており、質量分離装置40の一方に形成された取り込み口は、開口36に連結されて、排出された水素ガスを貯留槽42内に導入している。貯留槽42には、生成した酸化物粉末も導入されるが、導入された酸化物粉末は、貯留槽40内の水により冷却されて、質量分離装置40の下部にスラッジ44として蓄積される。生成した水素ガス46は、貯留槽40内の水により、冷却された後、貯留槽40の内部に形成されたじゃま板構造を通して、質量分離装置40の外部に排出され、回収される。
【0025】
図3は、本発明の水素発生装置10のさらに他の実施の形態を示した図である。図3に示した水素発生装置10は、反応容器14にマグネシウムなどの軽金属を間歇的に導入するための供給機構を備える実施の形態である。図3に示すように、反応容器14には、反応容器14の内部と外部とを連通する連通口52が設けられており、連通口52には、逆止弁54が配置されている。一方、シールド容器12の対応する位置には、軽金属、本発明の特定の実施の形態では、マグネシウム(Mg)などの軽金属または軽金属合金を供給するための供給管50が配置される。供給管50は、反応容器14の上側面に隣接するまでシールド容器12内へと延ばされていて、連通口52へとMgを矢線Aに示されるように間歇的に供給する、制御手段を形成する。なお、反応容器14の上側面には、供給管50を保持し、適切にマグネシウムなどの軽金属および軽金属合金を供給することができるように、供給管50を収容し、ガイドする軸受け構造を設けることができる。
【0026】
供給管50内部には、軽金属または軽金属合金の粉末、粒子、フレーク、フィルムなどが蓄積されている、反応容器14の回動に伴い連通口52が供給管50の位置に重合すると、加圧された気体により逆止弁52が解放され、反応容器14の内部に軽金属および軽金属合金を供給する。なお、本発明では、逆止弁54の代わりに、電磁的に開閉する電磁バルブを使用し、反応容器の回転速度に応答して供給管50に重合する位置となる時に電磁バルブを解放して、動作の安定化を行うこともできる。
【0027】
供給されたMgは、スパーク・ギャップ24からの火花放電により着火され、同時に反応容器14内の水蒸気と反応して水素を発生させる。
【0028】
生成した爆轟は、反応装置14の中心部から、連鎖反応により速度を高めながら、噴射ノズル30の方に伝搬してゆく。生成した爆轟は、噴射ノズル30から、高速・高圧力で噴射され、反応容器14を回転させる。このとき、同時に生成するMgOなどの金属酸化物についても噴射ノズル30を通して放出され、一部が噴射ノズル30の内壁に溶射され、内壁の保護コーティングを生成する。また、保護コーティングとして使用されなかった金属酸化物は、シールド容器12内部に蓄積されるか、または開口36に接続された質量分離装置により回収される。生成した反応容器14の回転力は、シャフト20を介して発電装置、または推進装置へと伝達され、他の仕事を生成するために使用される。
【0029】
図4は、図3に示した本発明の水素生成装置10が反応容器14内で爆轟を生成させるときの配置を示した図である、供給管50は、反応容器14の上側面に隣接した位置で閉鎖され、また、連通口52は、逆止弁54または電磁弁により閉塞され、反応容器14の内部で発生する爆轟を効率的に噴射ノズル30へと向かわせて、噴射ノズル30から高速の反応混合物を噴射ている。なお、噴射ノズル30の先端は、図4に示した形状ではなく、後述するように、ノズル構造として構成することもできる。
【0030】
図5は、本発明の水素生成装置のさらに他の実施の形態を示した図である。図5に示した水素生成装置60は、反応容器64と、反応容器64を外部からシールドするシールド容器62とを備えている。反応容器64は、水タンク80と一体として形成されており、さらにシャフト68を介して外部へと回転エネルギーを伝達することができる構成とされている。シールド容器62には、ラジアル軸受けおよびスラスト軸受けなどの軸受け部材66が配置されていて、反応容器64を回動自在に保持している。
【0031】
また、反応容器64は、図5に示した実施の形態では、供給口84から連続的にマグネシウムなどの軽金属が供給される。反応容器64の内部には、逆止弁構造76を備えた水ノズル74およびスパーク・ギャップ72などの電極構造体が、図1で説明した実施の形態と同様に配置されており、反応容器14の内部での燃焼−水素発生プロセスを維持させている。この場合、供給口86は、供給口84と周方向に連続しており、供給口86の位置では、逆止弁、電磁弁(図示せず)を動作させて、閉鎖状態とされ、供給口86からの軽金属の供給が行われないように構成されている。生成した水素または爆轟は、噴射ノズル78から噴射され、反応容器14を回動させる駆動力を生成させている。なお、図5に示した実施の形態では、反応容器14の回転中心軸を中心としたバランスを確保するため、バランサ構造86が提供されていて、反応容器14の回転中心に対するバランスを確保することができる構成とされている。なお、反応容器の供給口84と反応容器64との間に逆止弁または電磁ノズルを構成させておき、爆轟の発生と同期して、軽金属または軽金属合金の供給を間歇的に制御する制御手段を与えることができる。
【0032】
図6は、本発明の水素生成装置に使用される図1〜4に示した噴射ノズル30、および図5に示した噴射ノズル78の開放端形状を示した上面図である。図6に示す噴射ノズルは、反応容器の回転中心軸に対して中心対称に複数配置されており、反応容器の回動方向に対して反対向きに水素または爆轟を噴射させる。噴射ノズル30、78は、反応容器(図示せず)の回転中心から延びた通路部88と、通路部88に連続した開放端90とを備えている。図6(a)に示した実施の形態では、開放端90は、半球状に構成されていて、噴射されるガスを矢線Bの方向へと向かわせている。
【0033】
また、図6(b)に示した実施の形態では、通路部88に連続する開放端90は、概ね放物面形状として形成されていて、同様に、噴射されるガスを、矢線Bの方向へと向かわせている。さらに、図6(c)に示した実施の形態では、通路部88は、反応容器の中心から直線的に延びた領域と、開放端90を噴射方向に偏向させる屈曲部とを備えている。屈曲部の先端には、開放端90が形成されていて、図6(c)に示した実施の形態では、特に構成したノズル形状ではなく、通路部を垂直に断ち切った形状とされており、矢線Bの方向へと、ガスを噴射させる。なお、図6(c)に示した実施の形態においても、図6(a)、(b)の開放端の形状を併用することができることは当業者によれば、明らかであろう。
【0034】
これまで本発明を図面に示した具体的な実施の形態をもって説明してきたが、本発明は、図面に示した具体的な実施の形態に限定されるものではなく、当業者により容易に想到され、格別な作用効果を奏しない範囲の種々の除外、付加、別実施例などを含む均等範囲についても、本発明の趣旨に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の水素生成装置は、軽金属から効率的に水素を発生することができ、同時に発生した水素を直接、動力発生のために使用することができるので、水素供給源、発電装置、推進装置などに適用でき、さらに、気体反応生成物は、水のみであるため、環境負荷の極めて少ない駆動力を提供する水素生成装置および動力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の水素生成装置の実施の形態を示した図。
【図2】本発明の水素生成装置における質量分離を示した図。
【図3】本発明の水素生成装置の他の実施の形態を示した図。
【図4】本発明の水素生成装置の爆轟発生状態での配置を示した図。
【図5】本発明の水素発生装置のさらに他の実施の形態を示した図。
【図6】本発明において使用する噴射ノズルの形状を示した図。
【図7】従来の水素生成装置の概略的構成を示した図。
【符号の説明】
【0037】
10…水素生成装置、12…シールド容器、14…反応容器、16…ラジアル軸受け、18…スラスト軸受け、20…シャフト、22…電極部材、24…スパーク・ギャップ、26…水ノズル、28…逆止弁、30…噴射ノズル、32…水タンク、34…絶縁部材、36…開口、38…連通路、40…質量分離装置、42…貯水槽、44…スラッジ、46…水素ガス、50…供給管、52…連通口、54…逆止弁、60…水素生成装置、62…シールド容器、64…反応容器、66…軸受け、68…シャフト、70…電極部材、80…水タンク、82…開口、84…供給口、86…バランサ構造、88…通路部、90…開放端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールド容器と、
前記シールド容器に回動自在に保持された反応容器と、
前記反応容器の内部に水を供給する水ノズルと、
前記反応容器の内部で軽金属または軽金属合金から水素ガスを発生させるための電極構造体と、
前記反応容器に取り付けられ、前記反応容器の内部と外部とを連通し、前記水素ガスを利用して前記反応容器に回転力を付与する噴射ノズルと
を備える、水素生成装置。
【請求項2】
前記水素生成装置は、前記反応容器の内部での水素ガスの発生を間歇的に制御する制御手段を備える、請求項1に記載の水素生成装置。
【請求項3】
前記シールド容器の外部で、生成した前記水素ガスと、前記水素ガス以外の反応生成物とを分離する、質量分離装置を備える、請求項1または2の記載の水素生成装置。
【請求項4】
前記電極構造体は、前記反応容器内で生成した水素ガスを含む混合気を間歇的に点火する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素生成装置。
【請求項5】
シールド容器と、
前記シールド容器に回動自在に保持された反応容器と、
前記反応容器の内部に水を供給する水ノズルと、
前記反応容器の内部で軽金属または軽金属合金から水素ガスを発生させるための電極構造体と、
前記反応容器に取り付けられ、前記反応容器の内部と外部とを連通し、前記水素ガスを利用して前記反応容器に回転力を付与する噴射ノズルと
を備え、前記反応容器内で生成した水素ガスを使用して間歇的に爆轟を生成する、
動力装置。
【請求項6】
前記水素生成装置は、前記反応容器の内部での水素ガスの発生を間歇的に制御する制御手段を備える、請求項5に記載の動力装置。
【請求項7】
前記シールド容器の外部で、生成した前記水素ガスと、前記水素ガス以外の反応生成物とを分離する、質量分離装置を備える、請求項5または6の記載の動力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−254208(P2007−254208A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−81069(P2006−81069)
【出願日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】