説明

水耕栽培装置

【課題】設備の簡略化や二酸化炭素発生用の資材補給に要する工数の縮小化等を図りながら、栽培時の光合成を促進することができ、効率的に植物を栽培することができる水耕栽培装置を提供する。
【解決手段】植物Pを植え付けるための複数の培地2と、これらの培地2を保持する培地保持体3と、前記養液タンク8内の養液を前記培地2に供給するための給液機構5と、この給液機構5により供給される養液を光触媒に接触させて浄化する浄化器6とを具備してなり、前記浄化器6が、前記培地保持体3の上であって複数の培地2に囲まれた位置に配されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を栽培するための循環式の水耕栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、土壌を用いて植物の栽培を行うことが一般的に知られている。この場合には、土壌に生息する微生物の働きにより、植物の光合成に必要な二酸化炭素が植物に供給される。この二酸化炭素の供給によって植物の光合成が活発に行われるようになり、植物の生育も促進されることとなる。
【0003】
また、このような従来の栽培方法とは異なる水耕栽培等、土壌を用いることなく植物を栽培する方法も知られている。この場合には、土壌と切り離された環境で栽培するため、前述した場合に比べて植物の光合成に必要な二酸化炭素が不足することとなる。したがって、二酸化炭素供給源を用意するなどして積極的に植物に二酸化炭素を供給するようにしている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、このような供給源の設置、稼動には費用がかかるという問題があった。
【0004】
ところで、水耕栽培における別の技術として、植物等を栽培する際に発生する養液を一旦温室外に導き出し、酸化チタン等の光触媒を用いて養液を浄化処理した後に、温室内へと戻す方法が知られている。このような装置においては、光触媒による酸化作用によって養液に含まれる不要な有機物などが分解される点が注目されている。
【0005】
本発明者らは、前述した問題を解消すべく種々研究を進めた結果、前述した光触媒により養液を浄化する際に二酸化炭素が発生していることに注目するに至り、この二酸化炭素を有効に利用することによって格別な二酸化炭素供給源の設置を不要にしたり、またはその容量を少なくしたりすることができることを見いだした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11‐275965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような事情及び究明結果に基づいてなされたもので、前述した課題を無理なく解消することができる水耕栽培装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を講じたものである。すなわち、本発明に係る水耕栽培装置は、養液タンクに貯留された養液を用いて植物を栽培するための循環型のものであって、植物を植え付けるための複数の培地と、これらの培地を保持する培地保持体と、前記養液タンク内の養液を前記培地に供給するための給液機構と、この給液機構により供給される養液を光触媒に接触させて浄化する浄化器とを具備してなり、前記浄化器が、前記培地保持体の上であって複数の培地に囲まれた位置に配されていることを特徴とする。
【0009】
ここで「養液」とは、培養に必要な液体を意味するものであり、純粋な水等も含まれる。
【0010】
「培地」とは、連続気泡を有した発泡体やロックウールあるいはハイドロコーン等の多孔質材料をポットに充填したもの等が挙げられる。
【0011】
「光触媒」とは、酸化物結晶の伝導帯と価電子帯との間のバンドギャップ以上のエネルギの光を照射したときに、価電子帯中の電子の励起によって、電子と正孔を生成しうるものであり、無害で化学的に安定で、安価に入手でき、バンドギャップエネルギが高い酸化チタンの他に、酸化タングステン、酸化スズ、酸化亜鉛等種々使用することが可能である。また、光触媒の光励起に用いる光源としては、太陽光の他に、蛍光灯、白熱電灯等の室内照明であってもよい。
【0012】
「培地保持体の上」とは、培地保持体の表面側を指し、浄化器に設けられた光触媒に光があたりその浄化作用を営み得る位置であれば、培地保持体の表面であっても表面から上方に離れているものであってもよい。また、浄化器全体のうち少なくとも光触媒が設けられている部分のみが、培地保持体の表面側に現れているものであってもよい。
【0013】
また「囲まれる」という表現は、3つ以上の培地に囲まれた位置に配される場合のみならず、2つの培地の間に挟まれた位置に配されるものも含む。
【0014】
このようなものであれば、光触媒の浄化作用により発生する二酸化炭素を、植物が行う光合成に有効に利用することができる。すなわち、光触媒の浄化作用により発生した二酸化炭素は、浄化器から培地付近へと供給されることになるため、二酸化炭素を供給するための格別な供給源等が不要になったり、またはその規模を縮小化したりすることができる。したがって、設備の簡略化や二酸化炭素発生用の資材補給に要する工数の縮小化等を図りながら、栽培時の光合成を促進することができ、効率的に植物を栽培することが可能になる。
【0015】
浄化器は、前記培地保持体に保持されているものが好ましい。浄化器が保持される方法としては、培地保持体に一体に設けられる場合または培地保持体とは別体に設けられて支持される場合が考えられる。
【0016】
浄化器の好適な態様としては、前記養液を光と空気に触れ得る状態で案内する浄化器本体内に、前記光触媒を配したものが挙げられる。
【0017】
このような浄化器の一つの具体例としては、透光性を有した周壁の内面で養液を案内する筒状の浄化器本体を有し、その内面に前記光触媒をコーティングしたものが挙げられる。浄化器本体については、有底の筒状、または無底の筒状、いずれであってもよい。また、コーティングの方法は、前記浄化器本体の全域に均一に塗布するものの他、局所的に塗布するものであってもよい。
【0018】
浄化器の他の具体例としては、前記培地保持体に設けられ養液を案内する溝を備えた浄化器本体を有し、その溝の底壁に前記光触媒をコーティングしたものが挙げられる。
【0019】
浄化器のさらに他の具体例としては、光が当たる状態で養液を案内する浄化器本体と、この浄化器本体の中に取り出し可能に収容された光触媒保持体とを具備してなり、前記光触媒保持体に光触媒を保持させているものが挙げられる。このようなものであれば、光触媒保持体の光触媒の浄化作用が弱まったり、光触媒保持体が汚れたりしたときに、取り替えることができるため、浄化器の浄化作用を維持させることが可能となる。
【0020】
光触媒保持体と養液との接触面積を増加させ、光触媒の浄化作用をより活発にするためには、光触媒保持体が、前記養液の流れに沿って遊動する遊動体、または前記養液の流れを乱す静止体であることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、設備の簡略化や二酸化炭素発生用の資材補給に要する工数の縮小化等を図りながら、栽培時の光合成を促進することができ、効率的に植物を栽培することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる水耕栽培装置を示す全体斜視図。
【図2】同実施形態にかかる水耕栽培装置の分解斜視図。
【図3】図1の一部を省略して示すX‐X線断面図。
【図4】本発明の第2実施形態にかかる水耕栽培装置の要部を模式的に示す概略図。
【図5】同実施形態の光触媒保持体の拡大断面図。
【図6】本発明の第3実施形態にかかる水耕栽培装置の要部を模式的に示す概略図。
【図7】本発明の第4実施形態にかかる水耕栽培装置の要部を模式的に示す概略図。
【図8】本発明の第5実施形態にかかる水耕栽培装置の要部を模式的に示す概略図。
【図9】本発明の第6実施形態にかかる水耕栽培装置を示す平面図。
【図10】図9におけるY‐Y線端面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の第1実施形態にかかる水耕栽培装置1を、図1ないし図3を参照して説明する。
【0024】
この実施形態にかかる水耕栽培装置1は、図1に示すように、養液タンク8に貯留された養液Nを用いて植物Pを栽培するための循環型の水耕栽培装置1であって、植物Pを植え付けるための複数の培地2と、これらの培地2を保持する培地保持体3と、この培地保持体3の裏面側に配され前記培地2に保持された植物Pの根に養液Nを触れさせるようにする栽培ベッド4と、この栽培ベッド4を介して前記養液タンク8内の養液Nを前記培地2に供給するための給液機構5と、この給液機構5により供給される養液Nを光触媒62に接触させて浄化する浄化器6と、前記栽培ベッド4上の余剰な養液Nを前記養液タンク8に戻して循環させる排液機構7とを具備してなる。
【0025】
前記培地2は、図1及び図3に示すように、ポット21内に培地形成部材22を充填してなるもので、前記培地保持体3に穿設された複数の開口部33にそれぞれ装着されている。この実施形態では、前記ポット21として、ピートモス等の自然材料をカップ状に成形してなるものを使用し、前記培地形成部材22として、焼成ゼオライトを使用している。
【0026】
前記培地保持体3は、図1及び図2に示すように、合成樹脂製のもので、前記栽培ベッド4の上方に一定の間隔をあけて配設される天板31と、この天板31の各縁から垂下する垂下壁32とを具備してなる。この培地保持体3の天板31には、前記培地2を配するための培地保持用の開口部33と、前記浄化器6を取り付けるための浄化器用の開口部34と、前記養液タンク8に養液Nを注入または排出するための管理用の開口部35とを備えている。なお、この開口部35には図示しない蓋部材が蓋着されることにより、この開口部35から栽培ベッド4上の養液Nが蒸発するのを防ぐとともに、埃や塵等の侵入を防ぐようにしている。
【0027】
前記栽培ベッド4は、図2及び図3に示すように、発砲スチロール等の合成樹脂製のもので、周縁に連続した起立壁41を有した扁平な箱状をなし、前記養液タンク8の上面開口部81付近に略水平に配されている。すなわち、この栽培ベッド4は、スペーサ91を介して養液タンク8の底壁82により支持されている。栽培ベッド4の底壁42には、給液用の開口部43と、排液用の開口部44とが設けられている。給液用の開口部43は、前記培地保持体3の浄化器用の開口部34と軸心を一致または略一致させて設けてある。また、排液用の開口部44は、前記培地保持体3の管理用の開口部35と軸心を一致または略一致させて設けてある。
【0028】
前記給液機構5は、図2及び図3に示すように、前記養液タンク8内に配設された液体ポンプ51と、この液体ポンプ51から吐出される養液Nを前記浄化器6を介して前記栽培ベッド4上に供給する給液管52とを具備してなる。前記給液管52は、一端側が液体ポンプ51の吐出口に接続され、他端側が前記栽培ベッド4に設けられた給液用の開口部43を液密に貫通するとともに、前記培地保持体3に設けられた浄化器用の開口部34の中心部分を通過して培地保持体3の上面側に突出している。
【0029】
前記浄化器6は、図1ないし図3に示すように、前記培地保持体3の上であって複数の培地2に囲まれた位置に配されており、この実施形態では、平面視において4つの培地2から等距離となるように位置づけられて培地保持体3に保持されている。この浄化器6は、前記養液Nを光と空気に触れ得るようにした状態で、透光性を有する周壁の内面で養液Nを案内する筒状の浄化器本体61を備え、その内面に前記光触媒62をコーティングしたものである。浄化器本体61は、上端が閉塞された筒状をなしている透明なガラス製のもので、光が当たる状態で養液Nを案内する。この浄化器本体61は、前記給液管52の他端側を覆うようにして下方に開放された下端部を、培地保持体3の浄化器用の開口部34に取り付けている。本実施形態では、前記栽培ベッド4上に、前記浄化器本体61の下端部を浄化器用の開口部34の中心に位置決めするための網状の位置決め部材93を配している。また、培地保持体3の上面には、前記浄化器本体61を包囲するようにして、浄化を促進するための反射板92が設けられている。
【0030】
前記排液機構7は、図2及び図3に示すように、前記栽培ベッド4に設けられた排液用の開口部44に液密に嵌め合わせた排液管71を具備してなるもので、前記排液管71の栽培ベッド4に対する高さ位置を調整することにより、前記栽培ベッド4上の養液Nの液位を変更することができるようになっている。
【0031】
前記養液タンク8は、図1ないし図3に示すように、上方に開口した箱形のもので、その上面開口部81内側に前記培地保持体3を隙間無く嵌め合わせることができるようになっており、その内部に養液Nを貯留するようになっている。
【0032】
このような構成のものであれば、前記液体ポンプ51を作動させることにより、養液タンク8内の養液Nは順次浄化器6に供給され、この浄化器6における浄化器本体61の内面に沿って流れ落ちて栽培ベッド4上に供給される。栽培ベッド4上で余剰となった養液Nは、排液管71から養液タンク8に戻されることによって循環することになる。そのため、培地2に植物Pを植え付けておくことにより水耕栽培方式による植物Pの栽培が可能となる。
【0033】
その際に、前記浄化器6に太陽の光や照明の光があたると、光触媒62による強い酸化作用により、有機物分解効果を発揮する浄化作用が営まれる。すなわち、養液N中に含まれる有害な微生物等の汚染物質や微細な塵埃その他の不純物が光触媒62の浄化作用により分解・除去されることにより、養液Nを比較的好適な状態に保つことができる。
【0034】
この浄化作用により発生する二酸化炭素は、大気中に含まれる酸素や窒素等の他の気体よりも比重が大きいため、前記栽培ベッド4と培地保持体3との間に形成されている空間に溜まる。その空間内の二酸化炭素は、植物Pの根の周辺に供給されるとともに、ポット21と培地保持用の開口部33との隙間23から植物Pの周辺に導かれる。その結果、この培地2に植えられている植物Pはその二酸化炭素を利用して光合成を活発に行い、それら植物Pの生長が促進されることとなる。一方、光合成により発生する新鮮な酸素は、比重差により大気中に拡散する。
【0035】
すなわち、本実施形態にかかる水耕栽培装置1によれば、植物Pに二酸化炭素を供給するための格別の装置等の設備の簡略化や二酸化炭素発生用の資材補給に要する工数の縮小化等を図ることができる。また、それと同時に、植物Pの光合成を促進することができ、効率的に植物Pを栽培することができる。特に、植物Pは二酸化炭素濃度が1500ppm中で最も生長が促進されるため、この値に近づけることが好ましい。
【0036】
また、培地保持体3の垂下壁32が前記栽培ベッド4の起立壁41の外側に配されているので、培地保持体3と栽培ベッド4との間に溜まった二酸化炭素を、垂下壁32側から逃げるのを抑えることができ、隙間23等を利用して、有効に培地2に供給することができる。さらに、この垂下壁32は、前記養液タンク8の周壁内に収められているので、垂下壁32側から養液Nまたは水滴などが外部に漏れるのを抑えることができる。
【0037】
次に、本発明の第2実施形態にかかる水耕栽培装置1を、図4及び図5を参照して説明する。なお、以下の実施形態において上記第1実施形態に対応する構成要素には同様の符号を付して示すものとし、具体的な説明を省略する。
【0038】
本実施形態の給液機構5は、前記養液タンク8内に配設された液体ポンプ51と、この液体ポンプ51から吐出される養液Nを前記浄化器6を介して前記栽培ベッド4上に供給する給液管52とを具備してなる。前記給液管52は、一端側が液体ポンプ51の吐出口に接続され、他端側が養液タンク8の上部に設けた孔や養液タンク8と培地保持体3の垂下壁32との間の隙間等を通して培地保持体3上に導かれたものである。
【0039】
本実施形態の浄化器6は、図4に示すように、光が当たる状態で養液Nを案内する浄化器本体61と、この浄化器本体61の中に取り出し可能に収容された光触媒保持体A63とを具備してなり、この光触媒保持体A63に光触媒62を保持させている。浄化器本体61は、下端開口部を培地保持体3の浄化器用の開口部34を介して栽培ベッド4上に臨ませた受け皿部A64と、この受け皿部A64の上方を覆う蓋部A65とを備えたもので、前記蓋部A65の上端に前記給液管52の他端が接続されている。受け皿部A64には、前記養液Nの流れを乱す静止体Sである多数の光触媒保持体A63が配置されている。
【0040】
前記静止体Sは、養液Nよりも比重の大きな材料により作られたもので、例えば、球状をなすガラス玉、石、網、多孔質材料等が含まれる。静止体Sがガラス玉A67や石の場合には、図5に示すように、その静止体Sの表面に光触媒62を層状にコーティングしておけばよい。静止体Sが網や多孔質材料である場合には、網目や孔の表面近傍部分に光触媒62をコーティングしておくのが望ましい。なお、A66は、受け皿部A64に載せられた静止体Sが下方にこぼれ落ちるのを防止するための網である。また、前記蓋部A65は、前記受け皿部A64に対して着脱可能に設けられている。
【0041】
このような構成のものであれば、前記液体ポンプ51を作動させることにより、養液タンク8内の養液Nは順次浄化器6内を通って栽培ベッド4上に供給される。栽培ベッド4上で余剰となった養液Nは、排液管71から養液タンク8に戻されることによって循環することになる。そのため、培地2に植物Pを植え付けておくことにより水耕栽培方式による植物Pの栽培が可能となる。詳述すれば、浄化器6内に供給された養液Nは、多数の静止体Sにより流れが乱され、それら静止体S間に形成される隙間をぬうようにして落下する。その際に、その静止体Sの外面にコーティングされた光触媒62に養液Nが接触し、光触媒の浄化作用によって養液Nが浄化される。
【0042】
すなわち、本実施形態にかかる水耕栽培装置1によれば、上記第1実施形態の水耕栽培装置1で示した効果の他に、前記光触媒保持体A63が浄化器本体61から取り出し可能であるため、光触媒保持体A63を交換することによって光触媒62の浄化作用を維持することができる。したがって、光触媒62の浄化作用が弱まったり、光触媒保持体A63自体が汚れたりしたときに、水耕栽培装置1全体または浄化器6全体を取り替える必要がなくなる。また、本実施形態における光触媒保持体A63はガラス玉A67を主体にして作られているので、養液Nがそのガラス玉A67の外面に沿って複雑に流れることとなる。したがって、前述したような筒状の浄化器本体61の内面を養液Nが流れる場合よりも、養液Nが光触媒62に接する面積が大きくなり、浄化をより効率的に行うことができる。
【0043】
次に、本発明の第3実施形態にかかる水耕栽培装置1を、図6を参照して説明する。なお、以下の実施形態において上記第1実施形態に対応する構成要素には同様の符号を付して示すものとし、具体的な説明を省略する。
【0044】
本実施形態の給液機構5は、前記養液タンク8内に配設された液体ポンプ51と、この液体ポンプ51から吐出される養液Nを前記浄化器6を介して前記栽培ベッド4上に供給する給液管52とを具備してなる。前記給液管52は、一端側が液体ポンプ51の吐出口に接続され、他端側が前記栽培ベッド4に設けられた給液用の開口部43を液密に貫通するとともに、前記栽培ベッド4上に突出している。
【0045】
本実施形態の浄化器6は、図6に示すように、光が当たる状態で養液Nを案内する浄化器本体61と、この浄化器本体61の中に取り出し可能に収容された光触媒保持体B63とを具備してなり、この光触媒保持体B63に光触媒62を保持させている。浄化器本体61は、ガラス等の透明なもので作られており、下端部に前記給液管52の他端を接続した状態で栽培ベッド4上に載置され、上端部が培地保持体3の開口部34の中心部分を通過して培地保持体3上に突出する有底筒状をなす案内容器B64と、この案内容器B64の外側を覆う保護容器B66とを備えたものである。この浄化器本体61は、培地保持体3の開口部34の内周と案内容器B64の外周との間に、環状の隙間B68を形成するように配されている。前記案内容器B64内に、前記養液Nの流れを乱す静止体Sである多数の光触媒保持体B63が配置されている。
【0046】
前記静止体Sは、養液Nよりも比重の大きな材料により作られたもので、例えば、球状をなすガラス玉、石、網、多孔質材料等が含まれる。静止体Sがガラス玉や石の場合には、第2実施形態に示したものと同様に、その静止体Sの表面に光触媒62を層状にコーティングしておけばよい。静止体Sが網や多孔質材料である場合には、網目や孔の表面近傍部分に光触媒62をコーティングしておくのが望ましい。なお、B67は、静止体Sを光が当たる位置に保持するための網である。また、前記保護容器B66は、例えば透明なガラス製のものであり、前記案内容器B64を覆うようにして、前記培地保持体3に着脱可能に設けられている。
【0047】
このような構成のものであれば、前記液体ポンプ51を作動させることにより、養液タンク8内の養液Nは順次浄化器6内を通って栽培ベッド4上に供給される。栽培ベッド4上で余剰となった養液Nは、排液管71から養液タンク8に戻されることによって循環することになる。そのため、培地2に植物Pを植え付けておくことにより水耕栽培方式による植物Pの栽培が可能となる。詳述すれば、浄化器6内に供給された養液Nは、多数の静止体Sにより流れが乱され、それら静止体S間に形成される隙間をぬうようにして上昇し、前記案内容器B64の上端開口部B65から溢れ出る。溢れ出た養液Nは、案内容器B64の外周面に沿って流下し、前記培地保持体3に形成された開口部34の内周との間に形成された隙間B68を通って栽培ベッド4上に供給される。その際に、その静止体Sの外面にコーティングされた光触媒62に養液Nが接触し、光触媒62の浄化作用が営まれる。
【0048】
すなわち、本実施形態にかかる水耕栽培装置1によれば、上記第1実施形態の水耕栽培装置1で示した効果の他に、前記光触媒保持体B63が浄化器本体61から取り出し可能であるため、光触媒保持体B63を交換することによって光触媒62の浄化作用を維持することができる。したがって、光触媒62の浄化作用が弱まったり、光触媒保持体B63自体が汚れたりしたときに、水耕栽培装置1全体または浄化器6全体を取り替える必要がなくなる。また、本実施形態における光触媒保持体B63はガラス玉を主体にして作られているので、養液Nがそのガラス玉の外面に沿って複雑に流れることとなる。したがって、前述したような筒状の浄化器本体61の内面を養液Nが流れる場合よりも、養液Nが光触媒62に接する面積が大きくなり、浄化をより効率的に行うことができる。
【0049】
次に、本発明の第4実施形態にかかる水耕栽培装置1を、図7を参照して説明する。なお、以下の実施形態において上記第1実施形態に対応する構成要素には同様の符号を付して示すものとし、具体的な説明を省略する。
【0050】
本実施形態の給液機構5は、前記養液タンク8内に配設された液体ポンプ51と、この液体ポンプ51から吐出される養液Nを前記浄化器6を介して前記栽培ベッド4上に供給する給液管52とを具備してなる。前記給液管52は、一端側が液体ポンプ51の吐出口に接続され、他端側が養液タンク8の上部に設けた孔や養液タンク8と培地保持体3の垂下壁32との間の隙間等を通して培地保持体3上に導かれたものである。
【0051】
本実施形態の浄化器6は、図7に示すように、光が当たる状態で養液Nを案内する浄化器本体61と、この浄化器本体61の中に取り出し可能に収容された光触媒保持体C63とを具備してなり、この光触媒保持体C63に光触媒62を保持させている。浄化器本体61は、ガラス等の透明なもので作られており、下端部に前記給液管52の他端を接続した状態で栽培ベッド4上に載置され、上端部が培地保持体3の開口部の中心部分を通過して培地保持体3上に突出する有底筒状をなす案内容器C64と、この案内容器C64の外側を覆う保護容器C66とを備えたものである。この浄化器本体61は、培地保持体3の開口部の内周と案内容器C64の外周との間に、環状の隙間C68を形成するように配されている。前記案内容器C64内に、前記養液Nの流れに沿って遊動する遊動体Mである光触媒保持体C63が複数個入れられている。
【0052】
前記遊動体Mは、養液Nの比重よりも若干大きい比重の材料により作られたもので、例えば、球状をなす合成樹脂製のものや、発泡体等の多孔質材料等が含まれる。遊動体Mは、養液Nの流れによって浮遊するが、養液Nの流れがないときにはゆっくりと案内容器C64の底に沈んでいくようなものが好ましい。なお、C67は、養液Nの流れによって遊動体Mが案内容器C64の上端開口部C65からこぼれ落ちるのを防止するための網であり、C69は、遊動体Mを光が当たる位置に保持するための網である。また、前記保護容器C66は、例えば透明なガラス製のものであり、前記案内容器C64を覆うようにして、前記培地保持体3に着脱可能に設けられている。
【0053】
このような構成のものであれば、前記液体ポンプ51を作動させることにより、養液タンク8内の養液Nは順次浄化器6内を通って栽培ベッド4上に供給される。栽培ベッド4上で余剰となった養液Nは、排液管71から養液タンク8に戻されることによって循環することになる。そのため、培地2に植物Pを植え付けておくことにより水耕栽培方式による植物Pの栽培が可能となる。詳述すれば、浄化器6内に供給された養液Nは、多数の遊動体Mにより流れが乱され、それら遊動体Mの外面に接触して遊動体Mを遊動させつつ上昇し、前記案内容器C64の上端開口部C65から溢れ出る。溢れ出た養液Nは、案内容器C64の外周面に沿って流下し、前記培地保持体3に形成された開口部34の内周との間に形成された隙間C68を通って栽培ベッド4上に供給される。その際に、その遊動体Mの外面にコーティングされた光触媒62に養液Nが接触し、光触媒62の浄化作用が営まれる。
【0054】
すなわち、本実施形態にかかる水耕栽培装置1によれば、上記第1実施形態の水耕栽培装置1で示した効果の他に、前記光触媒保持体C63が取り出し可能であるため、光触媒62の浄化作用が弱まったり、光触媒保持体C63自体が汚れたりしたときに光触媒保持体C63を交換することによって光触媒62の浄化作用を維持することができる。また、養液Nの流れによって光触媒保持体C63が積極的に動くので、養液Nが光触媒保持体C63の外面に沿って複雑に流れることとなる。したがって、前述したような筒状の浄化器本体61の内面を養液Nが流れる場合よりも、養液Nが光触媒62に接触する面積が大きくなり、浄化作用がより効果的に行われる。また、給液管52の他端側から吐出された養液Nの勢いによって、遊動体Mが積極的に動くので、養液Nと光触媒62との接触が活発に行われる。
【0055】
さらに、遊動体Mが案内容器C64中を動くことによって、養液Nの流れを視覚的に認識できる。遊動体Mに色を付けたものとすれば、案内容器C64の中で遊動体Mがふわふわと浮遊し、視覚的にも綺麗なものとすることができる。
【0056】
なお、案内容器C64の上端開口部C65付近の養液Nの面積が比較的大きいものであれば、遊動体Mを養液Nの比重よりも若干小さい比重のものとしてもよい。
【0057】
遊動体Mが養液Nよりも小さい比重である場合には、案内容器C64に遊動体Mが浮遊している状態で、その上方に給液管52の他端部を配置するようにしてもよい。この場合においても、給液管52から吐出される養液Nが流出する勢いで、遊動体Mが下方に押し出され、養液N内で遊動する。そのため、養液Nと前記遊動体Mとの接触面積を大きくすることができ、光触媒62の浄化作用を活発にすることが可能となる。
【0058】
次に、本発明の第5実施形態にかかる水耕栽培装置1を、図8を参照して説明する。なお、以下の実施形態において上記第1実施形態に対応する構成要素には同様の符号を付して示すものとし、具体的な説明を省略する。
【0059】
本実施形態の給液機構5は、前記養液タンク8内に配設された液体ポンプ51と、この液体ポンプ51から吐出される養液Nを前記浄化器6を介して前記栽培ベッド4上に供給する給液管52とを具備してなる。前記給液管52は、一端側が液体ポンプ51の吐出口に接続され、他端側が前記栽培ベッド4に設けられた給液用の開口部43を液密に貫通するとともに、前記栽培ベッド4上に突出している。
【0060】
本実施形態の浄化器6は、図8に示すように、光が当たる状態で養液Nを案内する浄化器本体61と、この浄化器本体61の中に取り出し可能に収容された光触媒保持体D63とを具備してなり、この光触媒保持体D63に光触媒62を保持させている。浄化器本体61は、ガラス等の透明なもので作られているもので、下端部に前記給液管52の他端を接続した状態で栽培ベッド4上に載置され、上端部が培地保持体3の開口部の中心部分を通過して培地保持体3上に突出する有底筒状をなす案内容器D64と、この案内容器D64の外側を覆う保護容器D66とを備えたものである。この浄化器本体61は、培地保持体3の開口部34の内周と案内容器D64の外周との間に、環状の隙間D68を形成するように配されている。前記案内容器D64内に、前記養液Nの流れに沿って遊動する遊動体Mである光触媒保持体D63が入れられている。
【0061】
前記遊動体Mは、養液Nの比重よりも若干大きい比重の材料により作られたもので、例えば、球状をなす合成樹脂製のものや、発泡体等の多孔質材料等が含まれる。遊動体Mは、養液Nの流れによって浮遊するが、養液Nの流れがないときにはゆっくりと案内容器D64の底に沈んでいくようなものが好ましい。なお、D67は、養液Nの流れによって遊動体Mが案内容器D64の上端開口部D65からこぼれ落ちるのを防止するための網であり、D69は、遊動体Mを光が当たる位置に保持するための網である。また、前記保護容器D66は、例えば透明なガラス製のものであり、前記案内容器D64を覆うようにして、前記培地保持体3に着脱可能に設けられている。
【0062】
このような構成のものであれば、前記液体ポンプ51を作動させることにより、養液タンク8内の養液Nは順次浄化器6内を通って栽培ベッド4上に供給される。栽培ベッド4上で余剰となった養液Nは、排液管71から養液タンク8に戻されることによって循環することになる。そのため、培地2に植物Pを植え付けておくことにより水耕栽培方式による植物Pの栽培が可能となる。詳述すれば、浄化器6内に供給された養液Nは、多数の遊動体Mにより流れが乱され、それら遊動体Mの外面に接触して遊動体Mを遊動させつつ上昇し、前記案内容器D64の上端開口部D65から溢れ出る。溢れ出た養液Nは、案内容器D64の外周面に沿って流下し、前記培地保持体3に形成された開口部34の内周との間に形成された隙間D68を通って栽培ベッド4上に供給される。その際に、その遊動体Mの外面にコーティングされた光触媒62に養液Nが接触し、光触媒62の浄化作用が営まれる。
【0063】
すなわち、本実施形態にかかる水耕栽培装置1によれば、上記第1実施形態の水耕栽培装置1で示した効果の他に、前記光触媒保持体D63が取り出し可能であるため、光触媒62の浄化作用が弱まったり、光触媒保持体D63自体が汚れたりしたときに光触媒保持体D63を交換することによって光触媒62の浄化作用を維持することができる。また、養液Nの流れによって光触媒保持体D63が積極的に動くので、養液Nが光触媒保持体D63の外面に沿って複雑に流れることとなる。したがって、前述したような筒状の浄化器本体61の内面を養液Nが流れる場合よりも、養液Nが光触媒62に接触する面積が大きくなり、より浄化作用が大きくなる。また、給液管52の他端側から吐出された養液Nの勢いによって、遊動体Mが積極的に動くので、養液Nと光触媒62との接触が活発に行われる。
【0064】
さらに、この遊動体Mが動くことによって、養液Nの流れを視覚的に認識できる。遊動体Mに色を付与したものとすれば、案内容器D64の中で遊動体Mがふわふわと浮遊し、視覚的にきれいなものとすることができる。
【0065】
また、案内容器D64の上端開口部D65付近の養液Nの面積が比較的大きいものであれば、遊動体Mを養液Nの比重よりも若干小さい比重のものとしてもよい。
【0066】
次に、本発明の第6実施形態にかかる水耕栽培装置1を、図9及び図10を参照して説明する。なお、以下の実施形態において上記第1実施形態に対応する構成要素には同様の符号を付して示すものとし、具体的な説明を省略する。
【0067】
本実施形態の培地保持体3は、図9及び図10に示すように、比較的厚みを有する合成樹脂製のもの、例えば発泡スチロール製のものである。
【0068】
本実施形態の浄化器6は、図9及び図10に示すように、前記培地保持体3に設けられ養液Nを案内する溝E36を備えた浄化器本体61を有し、その溝E36の底壁E38に前記光触媒62をコーティングしたものである。詳述すれば、前記溝E36は、前記培地保持体3における複数の培地2に囲まれた部位を凹陥させることにより、この培地保持体3に一体に形成されたものである。この溝E36の一端側には、前記給液管52の他端から養液Nが供給されるようになっており、溝E36の他端側には、溝E36内を流れる養液Nを栽培ベッド4上に流下させるための開口部34が設けられている。溝E36の上には、透明な蓋、例えばガラス板E37等を設けるのが望ましい。この場合、ガラス板E37の下面と培地保持体3の上面との間に若干隙間を形成しておき、前記溝E36内で発生した二酸化炭素を直接培地保持体3上に漏出させるようにさせてもよい。
【0069】
このような構成のものであれば、前記液体ポンプ51を作動させることにより、養液タンク8内の養液Nは順次浄化器6に供給され、この浄化器6における溝E36の底壁E38に沿って流れ落ちて栽培ベッド4上に供給される。栽培ベッド4上で余剰となった養液Nは、排液管71から養液タンク8に戻されることによって循環することになる。そのため、培地2に植物Pを植え付けておくことにより水耕栽培方式による植物Pの栽培が可能となる。
【0070】
すなわち、本実施形態にかかる水耕栽培装置1によれば、上記第1実施形態の水耕栽培装置1で示した効果の他に、浄化器6の設置による培地保持体3の上方への突出が最小限で抑えられるため、浄化器6が植物Pの生育の邪魔になることなく、養液Nを浄化することができる。また、溝E36が培地保持体3の上方側へ開口したものであるので、浄化作用によって発生した二酸化炭素を効率よく培地2付近へと漏出させることができる。
【0071】
また、培地保持体は上述したような比較的厚みのあるものには限られず、培地保持体が比較的薄いものである場合には、溝を形成する別体の部材を培地保持体の上に設けるようにすればよい。
【0072】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
【0073】
各実施形態において、栽培ベッドと培地保持体との間に形成されている空間に溜まった二酸化炭素を各培地に供給されるようにするために、培地保持体に多数の小さな孔を設けてもよい。第6実施形態においては、溝内に溜まった二酸化炭素を各培地に供給されるようにするために、ガラス板と培地保持体との間に形成する隙間の代わりに、培地保持体またはガラス板に二酸化炭素漏出用の小さな孔を多数設けてもよい。
【0074】
また、第1実施形態においては、浄化器を4つの培地から等距離に配置しており、詳述すれば、ほぼ四角形状の角に配置された培地を結んだ仮想的な対角線の交点に浄化器を設置しているが、浄化器の設置位置はこれに限られず、培地の配置位置もこれに限られない。
【0075】
浄化器の数も1つには限られず、各実施形態で説明した他の浄化器と組み合わせて使用することも考えられる。
【0076】
培地保持体は、発泡スチロール等の材料で作ったものでもよい。
【0077】
光触媒保持体の形状は球状には限られず、種々変更可能である。
【0078】
第3ないし第5実施形態のように、案内容器の内周面及び外周面を養液が伝う場合には、この案内容器の内周面または外周面に光触媒をコーティングしておいてもよい。このようなものであれば、養液が案内容器を上昇していく途上において、または養液が溢れ出て栽培ベッド上に至る途上において、光触媒によって養液を浄化することが可能である。
【0079】
また、第2実施形態における蓋部、第3ないし第5実施形態における保護容器、及び第6実施形態におけるガラス板は、本発明に必ずしも必要なものではないが、このような蓋部、保護容器、ガラス板があれば、外部からの塵や埃が養液内に入ることを防止できるとともに、養液を培地保持体の上方で飛び散らせることなく、植物を栽培することができる。また、これらの蓋部、保護容器、ガラス板は、それぞれ受け皿部または培地保持体に対して着脱可能に設けられているので、受け皿部、案内容器とその中に入っている光触媒保持体、溝等の点検管理が容易である。
【0080】
培地の変形例としては、ポットを備えずに例えばプラスチック製の発泡体のみで培地を形成するものであってもよい。また、例えばヒノキやヒバ等のフィトンチッドの成分を含んだ植物の切り粉を、培地形成部材として、または培地に混在させる等して用いてもよい。このようなものであれば、フィトンチッドの殺虫性物質によって水耕栽培する植物の害虫駆除ができるとともに、その薬理活性物質によって人の身体をリフレッシュさせることができる。
【0081】
その他各部の具体的構成についても上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0082】
P…植物
N…養液
1…水耕栽培装置
2…培地
3…培地保持体
5…給液機構
6…浄化器
61…浄化器本体
62…光触媒
A63、B63、C63、D63、E63…光触媒保持体
8…養液タンク
E36…溝
E38…底壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
養液タンクに貯留された養液を用いて植物を栽培するための循環型の水耕栽培装置であって、植物を植え付けるための複数の培地と、これらの培地を保持する培地保持体と、前記養液タンク内の養液を前記培地に供給するための給液機構と、この給液機構により供給される養液を光触媒に接触させて浄化する浄化器とを具備してなり、前記浄化器が、前記培地保持体の上であって複数の培地に囲まれた位置に配されていることを特徴とする水耕栽培装置。
【請求項2】
前記浄化器が、前記培地保持体に保持されている請求項1記載の水耕栽培装置。
【請求項3】
前記浄化器が、前記養液を光と空気に触れ得る状態で案内する浄化器本体内に、前記光触媒を配したものである請求項1または2記載の水耕栽培装置。
【請求項4】
前記浄化器が、透光性を有した周壁の内面で養液を案内する筒状の浄化器本体を有し、その内面に前記光触媒をコーティングしたものである請求項1、2または3記載の水耕栽培装置。
【請求項5】
前記浄化器が、前記培地保持体に設けられ養液を案内する溝を備えた浄化器本体を有し、その溝の底壁に前記光触媒をコーティングしたものである請求項1、2または3記載の水耕栽培装置。
【請求項6】
前記浄化器が、光が当たる状態で養液を案内する浄化器本体と、この浄化器本体の中に取り出し可能に収容された光触媒保持体とを具備してなり、前記光触媒保持体に光触媒を保持させている請求項1、2、3、4または5記載の水耕栽培装置。
【請求項7】
前記光触媒保持体が、前記養液の流れに沿って遊動する遊動体である請求項6記載の水耕栽培装置。
【請求項8】
前記光触媒保持体が、前記養液の流れを乱す静止体である請求項6記載の水耕栽培装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−167080(P2011−167080A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31067(P2010−31067)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(500210682)株式会社赤澤総合研究所 (4)
【Fターム(参考)】