説明

氷供給装置及びそれを用いた飲料製造装置

【課題】削氷部に供給される氷片の量を適切に判別し、これにより、円滑な削氷の供給を実現することを可能とする氷供給装置及びそれを用いた飲料製造装置を提供する。
【解決手段】本発明の氷供給装置は、氷を生成する製氷部10と、該製氷部10にて生成された氷を蓄える貯氷部32と、該貯氷部32に形成された放出口65を開閉する氷払出シャッタ34と、該シャッタ34を開閉することにより、貯氷部32内の氷を放出口65から放出する制御部8とを備えたものであって、放出口65から放出された氷を検出する氷検出部73を備え、制御部8は、該氷検出部73の出力に基づいてシャッタ34を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製氷部にて生成された氷を貯氷部に蓄え、当該貯氷部の放出口に設けられたシャッタを開閉制御することにより、氷の放出制御を行う氷供給装置及びそれを用いた飲料製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、開発されている飲料製造装置には、シロップを投入した容器内に削氷を投入し、撹拌することで、シャーベット状の飲料(以下の説明では、氷を含む清涼飲料及び酒類、かき氷等の冷菓を含めて飲料という。)を製造するものがある(例えば、特許文献1参照。)。このような飲料はフローズン飲料と呼ばれている。
【0003】
当該飲料製造装置は、削氷部内に氷を投入し、削氷部内に設けられるプロペラを運転することで、削氷刃により氷を削り、削氷部下方に搬送された容器内に当該削氷を排出する構成とされている。その後、シロップと削氷が収容された容器は、撹拌部に搬送され、当該撹拌部において、容器内のシロップと削氷とが混合されることで、シャーベット状のフローズン飲料が製造される。
【0004】
しかしながら、係る飲料製造装置では、オペレータが、削氷部に氷を投入すると共に、販売容器にシロップを投入し、当該シロップが投入された販売容器を飲料製造装置にセットし、削氷の供給及び撹拌を行うことによって、飲料の供給を行うものである。そのため、フローズン飲料の出来上がりの状態に大きく寄与するシロップの投入は、オペレータの手作業で行われることとなり、商品ごとに量のばらつきが生じ、均質な飲料を提供することができない問題が生じる。
【0005】
そこで、シロップの投入及び削氷の投入を均一とすべく、これらの飲料原料供給部を備えた装置が開発されている。この飲料原料供給部のうち削氷を供給する削氷供給部は、例えばオーガ式製氷機等から構成される製氷部と、この製氷部により生成されたチップ状の氷片を蓄える貯氷部と、この貯氷部に形成された放出口に接続される氷払出シャッタが介設された氷シュートと、氷シュートの他端に接続される削氷部とを備えている。削氷部は、削氷槽内に設けられるプロペラを回転させることにより、氷を削氷刃に押し付けて削氷を生成するものであった。
【特許文献1】特開2004−298016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この場合、必要とされる氷片のみを削氷部に供給し、削氷を生成する際、氷払出シャッタの開閉制御をタイマ制御によって行うことにより、貯氷部から氷片を供給する。しかし、削氷部内に氷片が残留している場合には、当該残留量を考慮しなければ、全体として削氷部に供給される氷片の量を一定に制御することができない。残留している氷片の量は、一定ではないため、シャッタの開放時間を変更するのみでは、一定量の氷片を削氷部に供給することができないこととなる。また、貯氷部に蓄えられる氷が空となっている場合には、氷払出シャッタにより放出口を開放しても、実際には氷が放出されないこととなる。
【0007】
更に、削氷部により所定量の削氷を生成するのに要する時間は、当該削氷部を構成する削氷槽、更には、当該削氷槽に連通して構成される氷シュート等に収容される氷片の量、すなわち重さに大きく影響する。具体的には、削氷終了間際に氷量が少ないと、削氷刃に氷を押し付ける力が小さくなり、削氷生成効率が低下する。そのために所望の削氷量を得るのに本来必要な氷の量より多く氷を削氷部に供給し、削氷終了後も氷が残るような供給制御を行う必要が生じる。しかし、タイマで氷払出シャッタを長時間開放し、多量の氷を放出する制御を行うと、氷の放出状況が一定期間内に多量に出て行く状態では、氷シュート内に氷が溜まり、固着し詰まりの原因となる問題がある。また、衛生面においても、好ましくない。
【0008】
そこで、本発明は従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、削氷部に供給される氷片の量を適切に判別し、これにより、円滑な削氷の供給を実現することを可能とする氷供給装置及びそれを用いた飲料製造装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の氷供給装置は、氷を生成する製氷部と、該製氷部にて生成された氷を蓄える貯氷部と、該貯氷部に形成された放出口を開閉するシャッタと、該シャッタを開閉することにより、貯氷部内の氷を放出口から放出する制御手段とを備えたものであって、放出口から放出された氷を検出する氷検出手段を備え、制御手段は、該氷検出手段の出力に基づいてシャッタを制御することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明の氷供給装置は、上記発明において、放出口にシュートを介して連接され、該シュートを経て貯氷部から供給される氷を用いて削氷を生成する削氷部を備え、制御手段は、削氷部の動作中における一定期間内に氷検出手段により検出される氷量が設定値に満たない場合、次の一定期間シャッタにより放出口を開放する制御を繰り返すことを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明の飲料製造装置は、上記各請求項に記載の氷供給装置から供給される氷を用いて飲料を製造することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、氷を生成する製氷部と、該製氷部にて生成された氷を蓄える貯氷部と、該貯氷部に形成された放出口を開閉するシャッタと、該シャッタを開閉することにより、貯氷部内の氷を放出口から放出する制御手段とを備えた氷供給装置において、放出口から放出された氷を検出する氷検出手段を備え、制御手段は、該氷検出手段の出力に基づいてシャッタを制御することにより、実際に放出された氷を検出することで、シャッタにより放出口の開閉制御を行うことが可能となる。
【0013】
従って、貯氷部内の氷の量や状態に関わりなく、氷が放出されたか否かを確実に判別することが可能となる。そのため、所望の量の氷を供給することが可能となり、的確な氷供給を実現することができるようになる。
【0014】
請求項2の発明によれば、上記発明において、放出口にシュートを介して連接され、このシュートを経て貯氷部から供給される氷を用いて削氷を生成する削氷部を備え、制御手段は、削氷部の動作中における一定期間内に氷検出手段により検出される氷量が設定値に満たない場合、次の一定期間シャッタにより放出口を開放する制御を繰り返すことにより、削氷部の動作中に氷を継ぎ足して供給することが可能となる。
【0015】
従って、削氷生成効率を維持しながら、シュート内の氷詰まりの発生を防止することが可能となる。これにより、円滑な氷供給を実現することが可能となる。
【0016】
また、請求項3の発明の飲料製造装置によれば、上記各請求項に記載の氷供給装置から供給される氷を用いて飲料を製造することにより、適切な量の削氷を飲料の原料として供給することが可能となり、均一な質の飲料の提供の実現に寄与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る飲料製造装置1の前面扉を取り外した状態の正面図、図2は図1の飲料製造装置1の前面扉、側面パネル、天面パネルを取り外した状態の斜視図、図3は図1の飲料製造装置1を向かって右側からみた側面図、図4は図1の飲料製造装置1の平面図、図5は図1の飲料製造装置1のA−A断面図、図6は図1の飲料製造装置1のB−B断面図をそれぞれ示している。
【0018】
本発明の削氷装置を適用した飲料製造装置1は、例えば飲食店などに設置されて液体原料であるシロップ、若しくは、粉末状の飲料原料を湯又は水によって溶解し生成されたシロップと氷とを混合撹拌してシャーベット状の飲料を提供するものである。
【0019】
この飲料製造装置1の本体を構成する筐体部2内に、飲料原料供給部3と、本願発明の削氷装置を構成する削氷部4と、撹拌部5と、容器移動部6と、洗浄部7と、これら各機器を制御する制御部8と、削氷部4や洗浄部7から滴下する水や販売容器9からこぼれた飲料等の液体を受容するドリップトレイ37とを備える。本実施例では、更に筐体部2内には、削氷部4に氷を自動供給するための製氷部10と、飲料原料供給部3において販売容器9に供給される飲料原料の粉末(以下、原料粉末)を溶解するための湯、更には、洗浄部7において洗浄用の湯を供給するための湯タンク11を備えている。
【0020】
筐体部2は、前後面、両側面及び天面をそれぞれ前面扉、背面パネル、側面パネル及び天面パネルにて囲繞されることにより構成されており、前面扉下部には、容器移動部6を構成するトレイ部55の飲料原料供給位置Sに対し販売容器9を納出可能とする販売容器納出口が形成されている。なお、各図では、筐体部2内の各機器の配置や構成等を示すため、各前面扉、背面パネル、側面パネル及び天面パネルなどの外装パネルは、図示を省略している。
【0021】
販売容器9は、少なくとも上面に開口を有する容器であり、本実施例では、出来上がり状態の飲料の見栄えなどを考慮し、所定寸法に形成されたコップを使用する。
【0022】
本実施例において、筐体部2の前部一側、図1では、向かって左側に飲料原料供給部3が配設されている。飲料製造装置1では、飲料原料として原料粉末と、当該原料粉末を溶解するための湯又は/及び水と、氷を使用する。飲料原料供給部3は、これら飲料原料のうち、所定量の原料粉末及び湯を販売容器9に供給するものである。この飲料原料供給部3の下方は、販売容器9が載置される飲料原料供給位置Sとされる。
【0023】
そして、この飲料原料供給部3の側方には、筐体部2の前面に臨んでコントロールパネル50が配設されている。このコントロールパネル50には、複数の操作ボタン51と液晶表示器のディスプレイ52、装置全体の電源をON/OFFするための電源スイッチ53などが設けられている。
【0024】
図1では、筐体部2の向かって左側の後部に、後述する削氷供給装置の氷供給部62を構成する製氷部10が配設されている。詳細は後述する如く製氷部10にて生成された氷は、一旦貯氷部32に貯氷された後、制御部8からの出力に応じて後段の削氷部4に送られる。筐体部2の製氷部10と、飲料原料供給部3との間には、削氷部4と、撹拌部5及び湯タンク11が配置される。この削氷部4は、製氷部10にて生成された氷を詳細は後述する如く所定の粗さで削ることにより削氷を形成するものであり、製氷部10の近傍に位置して設けられる。この削氷部4の下方は、販売容器9の削氷供給位置Uとされる。
【0025】
そして、この削氷部4と飲料原料供給部3との間に位置して撹拌部5が設けられる。この撹拌部5は、販売容器9内に受容された受容物、即ち、飲料の原料となる原料粉末と、当該原料粉末を溶解するための湯又は/及び水の混合、撹拌、更には、これら原料粉末と湯等によって生成されたシロップと、削氷の粉砕、混合及び撹拌を行うものである。この撹拌部5の下方は、販売容器9の撹拌位置Tとされる。
【0026】
上述した如きこれら飲料原料供給部3、削氷部4及び撹拌部5は、筐体部2の前部に集約して設けられており、これら各機器の下部には、トレイ部55を有する容器移動部6が設けられる。ここで、トレイ部55とは、ドリップトレイ37の上部に設けられて販売容器9を移動可能に配置するものである。そして、トレイ部55に設けられて販売容器9を搭載する販売容器受台56は、図示しない水平移動部により水平方向に移動し、トレイ部55内に形成される前記飲料原料供給位置Sと、撹拌位置Tと、削氷供給位置Uに移動可能とされると共に、図示しない垂直移動部により撹拌位置Tにおいて販売容器受台56は垂直方向に移動可能とされる。
【0027】
一方、上記洗浄部7は、撹拌部5を構成するカッター(撹拌部材)41及び蓋42を洗浄するものであり、本実施例では、筐体部2の前面隅角部、図1では、向かって前面右隅角部に配置される。洗浄部7は、撹拌部5の洗浄時に洗浄用水としての洗浄用湯を供給する洗浄用湯供給ノズル20と、洗浄時にカッター41及び蓋42を下側から覆う洗浄用カバー48と、この洗浄用カバー48をカッター41及び蓋42を覆った閉鎖状態とこれらから離間した開放状態とに駆動するカバー駆動部49とを有する。そのため、洗浄部7は、カバー駆動部49の駆動によって、隅角部内から撹拌部5に進出/後退するように構成される。
【0028】
そして、前記湯タンク11は、上記飲料原料供給部3、撹拌部5、削氷部4の配置に干渉されない位置、本実施例では、飲料原料供給部3の後方であって、製氷部10の前方に配置される。この湯タンク11は、所定容量の飲料水を貯水可能とするタンクであり、内部には貯水された飲料水を所定温度、例えば+80℃に加熱保温するヒータ49H(図36のみ図示する)及び温度センサ49T(同じく図36のみ図示する)が設けられている。
【0029】
そして、湯タンク11には、図6に示される給水電磁弁21が介設される給水配管22を介して外部から水道水などの飲料水が供給される。また、湯タンク11には、溶解用湯供給電磁弁15が介設された湯供給配管16と、洗浄用湯供給電磁弁17が介設された湯供給配管18が接続されている。一方の湯供給配管16の他端には、飲料原料供給部3を構成する溶解用湯供給ノズル19が接続され、他方の湯供給配管18の他端には、洗浄部7を構成する洗浄用湯供給ノズル20が接続される。
【0030】
次に、筐体部2内に配置される各機器の詳細の構成についてそれぞれ説明する。
【0031】
まずはじめに、上記飲料原料供給部3の構成について説明する。飲料原料供給部3は、キャニスタ13と、原料シュート14とから構成される原料粉末供給部と、前記湯タンク11から粉溶解用の湯を販売容器9に供給する溶解用湯供給ノズル19(溶解用水供給部)とから構成される。キャニスタ13は、飲料原料となる原料粉末を充填保管しておくものであり、内部に原料を排出制御するための粉排出機構24が設けられている。原料シュート14は、キャニスタ13から排出される原料粉末を飲料原料供給位置Sに配置された販売容器9に適切に案内するものである。
【0032】
上記撹拌部5は、図7の撹拌部5の縦断側面図に示すように、上部に配設されるモータ40Mの回転軸に接続されて回転する駆動軸40と、金属刃により構成されるカッター41と、蓋42等を有する。カッター41は、駆動軸40の先端にガード44と共に固定部材45にて固定されており、販売容器9内において、回転駆動することにより、飲料原料の溶解、粉砕、混合、及び撹拌を行う。なお、この場合における飲料原料は、液体のみならず、氷等の固形物も含むものとし、カッター41は、これら飲料原料の溶解、粉砕、撹拌、混合を行うこととなる。
【0033】
蓋42は、駆動軸40に同軸的に設けられて軸方向、即ち、上下移動自在に取り付けられており、自重によって下方に載置される販売容器9の上面開口を閉塞する。なお、この蓋42の下方が、販売容器9の撹拌位置Tとされる。また、この蓋42には、駆動軸40の周囲に所定の間隔を存して当該駆動軸40を囲繞しながら上昇し、上下端が開放された筒部43が形成されている。この筒部43の上端開口は、外方に向けて拡開して形成された案内部43Aとされており、蓋42の下面とカッター41とが最も近接する状態にて、後述する洗浄部7を構成する洗浄用湯供給ノズル20からの洗浄用湯が案内部43Aに適切に案内される構成とされている。また、蓋42の下面とカッター41とが最も離れた状態にて、図示しない希釈用水供給ノズルからの希釈水が案内部43Aに適切に案内される構成とされている。
【0034】
そして、蓋42の下面周縁には、撹拌位置Tとされた販売容器9の上面開口縁を内部に収容して販売容器9内を封止する溝42A、及び、カッター41よりも外側に位置して販売容器9内に突出する凸壁42Bが形成されている。
【0035】
上記洗浄部7は、図8の洗浄部7と撹拌部5との断面図に示されるように、撹拌部5の洗浄時に洗浄用水としての洗浄用湯を供給する前記洗浄用湯供給ノズル20と、洗浄時に撹拌部5のカッター41、ガード44及び蓋42を下側から覆う洗浄用カバー48と、この洗浄用カバー48をカッター41、ガード44及び蓋42を覆った閉鎖状態とこれらから離間した開放状態とに駆動するカバー駆動部49とから構成されている。
【0036】
洗浄用湯供給ノズル20は、上記撹拌部5の蓋42に設けられた筒部43の上端開口に向けて洗浄用湯を供給可能に設けられている。なお、本実施例では、洗浄用湯供給ノズル20よりも上方に位置して水供給部としての図示しない希釈用水供給ノズルが設けられていても良いものとする。この希釈用水供給ノズルは、撹拌部5に設けられるものであって、給水電磁弁47(図36のみ図示する)が介設される給水配管を介して外部から水道水などの飲料水を希釈水として供給可能とするものである。
【0037】
洗浄用カバー48は、撹拌部5の蓋42を閉鎖した状態で、上方に開口し、所定の容積を有する容器部材であり、上面開口は、蓋42の下面開口縁を被覆可能な寸法に形成されている。蓋42を閉鎖した状態における洗浄用カバー48の例えば底面略中央には、排水口48Aが形成されている。なお、この排水口48Aの寸法は、洗浄用湯供給ノズル20からの湯供給流速、流量、筒部43と駆動軸40との間隔寸法、洗浄用カバー48の容積、洗浄運転時におけるカッター41の回転速度等を勘案し、カッター41の回転中には、洗浄用カバー48内に洗浄用湯を滞留可能とすると共に、カッター41の停止することで、洗浄用カバー48内の洗浄用湯が迅速に外部に排出可能とする寸法であることが望ましい。
【0038】
カバー駆動部49は、一端が洗浄用カバー48に接続されて、他端が回動軸57に接続されるアーム58と、前記回動軸57を回転駆動させるモータ49Mとを有する。アーム58は、後述する制御部8による撹拌部5の洗浄動作に応じてモータ49Mを駆動させて、筐体部2の隅角部から当該洗浄用カバー48を撹拌部5に進出/後退させる。このとき、モータ49Mは、アーム58の他端に設けられる操作片59により操作されるマイクロスイッチ60A、60Bの検出に基づき回転駆動が制御される。なお、マイクロスイッチ60Aは、洗浄用カバー48により撹拌部5を閉鎖した状態を検出するものであり、マイクロスイッチ60Bは、洗浄用カバー48が撹拌部5を開放した状態を検出するものである。
【0039】
次に、前記削氷供給装置の構成について説明する。削氷供給装置は、本願発明の削氷装置としての削氷部4と、氷供給装置としての氷供給部62と、バッファ装置63とから構成される。以下、図9乃至図12を参照して削氷部4及び氷供給部62について説明する。図9は削氷供給装置を構成する削氷部4及び氷供給部62の一部透視斜視図、図10は削氷部4の氷検出部73側から見た図、図11は図10を右側から見た状態の図、図12は削氷部4の縦断側面図を示している。
【0040】
氷供給部62は、飲料原料としての氷片を生成するオーガ式製氷部により構成される製氷部10と、生成された氷片を蓄える貯氷部32と、この貯氷部32に形成された放出口65を開閉する氷払出シャッタ34と、この氷払出シャッタ34を開閉することにより、貯氷部32内の氷片を放出口65から放出制御する上記制御部8とから構成されている。
【0041】
製氷部10は、製氷用水から氷を生成するための図示しない冷却器を備えており、当該冷却器と共に冷凍サイクルを構成するコンプレッサ26、コンデンサ27、膨張弁66、デハイドレータ67とを冷媒配管にて順次接続して冷却装置を構成している。なお、これら冷却装置も製氷部10と同様に筐体部2内に配設されている。
【0042】
また、製氷部10に製氷用水(水道水)を供給するために、給水電磁弁68が介設される給水配管69を介して外部から水道管などが接続され、水道水を貯溜するシスターン28が設けられている。このシスターン28に貯溜された水は、給水配管29にて製氷部10に導入される。なお、このシスターン28は、筐体部2内の機器配置の都合上、前記コントロールパネル50の後方であって、削氷部4の削氷槽35及び撹拌部5の上方に設置されている。
【0043】
この製氷部10は、内面を平滑な円筒状内面とされたステンレス製の冷却円筒30内にはオーガ(回転刃)31を同心的且つ回転可能に挿入し、冷却円筒30の外壁にはパイプ状の前記冷却器を螺旋状に密着巻付して構成されている。また、前記オーガ31は、下部を図示しない下部軸受けにて上部を氷圧縮経路を構成する図示しない上部軸受けにて軸支されている。また、上部軸受けにて圧縮された氷片は、上部に形成された図示しない吐出口及び当該吐出口に設けられる貯氷部32に導出される。この貯氷部32は、所定容積を有しており、側面に形成される排出口65には、氷払出シャッタ34が設けられ、当該氷払出シャッタ34には、氷シュート33が接続されている。
【0044】
氷払出シャッタ34は、貯氷部32の前面に取り付けられたソレノイド(電磁ソレノイドからなる駆動手段)34Aと、開閉機構70と、ソレノイド34Aへの通電を制御する上記制御部8により、開閉制御される。
【0045】
すなわち、ソレノイド34Aのコイルが非励磁の状態では、開閉機構70を構成する部材の自重により降下し、更には、同様に開閉機構70を構成する図示しないバネ部材によって、氷払出シャッタ34を常時閉鎖方向(放出口65を閉鎖する方向)に押圧され、氷払出シャッタ34は、放出口65を閉鎖する。ソレノイド34Aのコイルが励磁の状態では、開閉機構70の前記部材が吸引により引き上げられ、これによって、氷払出シャッタ34は、放出口65を開放する。
【0046】
この氷シュート33の下端には、削氷部4を構成する削氷槽35が接続されている。削氷槽35は、上方に開口を有し、すり鉢状を呈する本体35Aと、当該開口を覆うカバー部35Bとから構成される。カバー部35Bは、上端に前記氷シュート33の下端と連通して接続するための開口が形成されており、本実施例では、当該カバー部35Bは、本体35Aの上端を上から塞いで連続して氷シュート33の下端に向けて斜め上に延在して形成されている。これにより、氷シュート33を介して供給された氷片がカバー部35Bによって、本体35Aと共に形成される削氷槽35内に受容可能とされている。
【0047】
そして、本体35Aの内部には、プロペラ71が回転自在に収容されており、当該プロペラ71は、本体35Aに取り付けられるプロペラ駆動用モータ71Mにより、回転制御されている。更に、本体35Aには、当該本体35A内側に突出して設けられることで、内部に収容されて、プロペラ71にて撹拌され、押し付けられることで氷片を削って削氷を生成して排出する削氷刃72が取り付けられている。なお、本実施例では、氷片から削氷を生成する手段として削氷刃72を用いているが、これ以外にも、氷片を所定の大きさに砕いて削氷を生成して排出するものであれば、同様の効果を奏することができる。
【0048】
また、削氷槽35のカバー部35Bには、削氷槽35内の氷を検出するための氷検出部(氷検出手段)73が取り付けられている。なお、この氷検出部73は詳細は後述する制御部8と共に、氷量判別手段を構成する。以下、氷検出部73の構成について、図13乃至図22を参照して説明する。図13は氷検出部73の斜視図、図14は氷検出部73の透視側面図、図15は氷検出部73の透視上面図、図16は氷検出部73の正面図、図17は氷検出部73の底面図、図18は氷検出部73の斜視図、図19は氷検出部73の透視側面図、図20は氷検出部73の透視上面図、図21は氷検出部73の正面図、図22は氷検出部73の底面図をそれぞれ示している。なお、図13乃至図17は氷検出部73のアクチュエータ77が自重により下がっている状態を示しており、図18乃至図22は氷検出部73のアクチュエータ77が氷片の衝突により、氷を検出している状態を示している。
【0049】
氷検出部73は、本体74と、作用手段を構成するアクチュエータ77及びシール材78と、アクチュエータ77の変位を検出する変位検出部79とを備えている。なお、シール材78は、図12の断面図のみ示しているものとする。
【0050】
本体74は、断面略コ字状に形成され、この下縁には外方に延在し、カバー部35B外面に固定するための取付片75が形成されている。そして、アクチュエータ77は、上方に開口する断面略コ字状に折曲された板材により構成されており、当該対向する面の一端は、本体74内に位置して回動軸76により該本体74に対し回動自在に設けられている。アクチュエータ77の開口に対向する側の下端は、回動軸76が設けられる一端部と、当該端部と対向する側の端部は、上方に向けて切り欠かれており、これによって、略中央には、下方に突出すると共に、下面を有する突出部77Aが形成される。なお、本実施例において当該突出部77Aの下面は、図16に示すように断面略コ字状を呈する一側面が他側面よりも下方に長く延在する傾斜面とされている。
【0051】
他方、氷検出部73が取り付けられる削氷槽35のカバー部35Bには、透孔35Dが予め形成されている。これにより、本体74内に回動自在に設けられるアクチュエータ77の突出部77Aを削氷槽35に形成された透孔35Dより削氷槽35内に進入させ、内部で撹拌される氷片が衝突する位置にまで臨む進退移動が可能となる。また、このとき突出部77Aは、アクチュエータ77の下端の両側部が切り欠かれることにより形成されているため、本体74の下側、すなわち、削氷槽35内まで容易に進出可能となる。
【0052】
そして、透孔35Dの上面には、アクチュエータ77と削氷槽35内空間との間に位置してシール材78が介在して設けられる。このシール材78は、削氷槽35内方に進出した状態の突出片77Aの外形と略同様の形状に凹陥形状が形成された可撓性を有する材料により構成されている。このシール材78を介在させた状態で、削氷槽35の透孔35Dを被覆するように氷検出部73の本体74をネジ止めなどにより固定する。
【0053】
これにより、シール材78により削氷槽35の透孔35Dを水封しつつ、且つ、透孔35Dを介してアクチュエータ77の突出片77Aを削氷槽35内に進退自在とすることが可能となる。なお、本実施例において氷検出部73は、アクチュエータ77が自重により削氷槽35内に降下して進入し、氷片の衝突によって、上昇(退避)する構成を採用することから、少なくとも氷検出部73が取り付けられる透孔35Dは、削氷槽35の傾斜されている上面に形成されることが望ましい。
【0054】
また、氷検出部73を構成する本体74には、外面側に位置して、変位検出部79が設けられている。本実施例における変位検出部79は、一対の発光素子79Aと受光素子79Bとが本体74の断面コ字状を挟持するかたちで配置された光センサによって構成されている。本体74の発光素子79Aと受光素子79Bとが対向する位置には、それぞれ光を透過させるための透孔74Aが形成されていると共に、本体74内に移動自在に設けられるアクチュエータ77にも同様に透孔77Bがそれぞれ形成されている。
【0055】
なお、アクチュエータ77に形成される透孔77Bは、アクチュエータ77が自重により削氷槽35内に進出した状態で、光センサの発光素子79Aからの光を受光素子79Bにより受光可能とする位置に形成されているものとする。これにより、アクチュエータ77が自重により削氷槽35内に進出している状態のみ、光センサの受光素子79Bは、発光素子79Aからの光を受光することが可能となり(図14の状態)、氷片の衝突などによって、アクチュエータ77が本体74側に上昇(退避)した状態では、アクチュエータ77の透孔77Bが形成されていない箇所によって、発光素子79Aからの光が遮られることとなる(図19の状態)。
【0056】
係る構成とすることにより、氷検出部73は、受光素子79Bにおける受光検出状態(透過状態の検出)によって、アクチュエータ77の上下動による変位を検出することが可能となる。氷検出部73による透過状態の検出は、後述する制御部8に出力されるものとする。
【0057】
次に、バッファ装置63の構成について図23乃至図35を参照して説明する。図23はバッファ装置63の斜視図、図24はバッファ装置63の正面図、図25は図24の右側面図、図26は図25の上面図、図27は図25の底面図、図28はバッファ装置63の斜視図、図29はバッファ装置63の正面図、図30は図29の右側面図、図31はバッファ装置63の斜視図、図32はバッファ装置63の正面図、図33は図32の右側面図、図34は図32の上面図、図35は図32の底面図をそれぞれ示している。なお、図23乃至図27はバッファ槽36内が空の状態を示しており、図28乃至図30はバッファ槽36内に所定量の削氷が堆積された状態を示している。更に図31乃至図35はシャッタ85を開放した状態を示している。
【0058】
バッファ装置63は、削氷槽35の削氷刃72の下方に配置されるものであって、削氷槽35から排出された削氷を一時蓄えるバッファ槽36と、当該バッファ槽36の側方に隣接して設けられると共に、該バッファ槽36内の削氷の重量を計測する削氷重量計測部(削氷重量計測手段)82とを備えている。
【0059】
本実施例において、バッファ槽36の上下に開口を有する筒状部材により構成されており、上端開口は、削氷槽35の削氷刃72下方に宛がわれたシュート83(図23のみ図示する)の下端開口に対応して位置して、削氷重量計測部82を構成する第1のアーム部材91Aと、第2のアーム部材91Bのそれぞれの一端に固定された取付部材92に着脱自在に吊下されている。このバッファ槽36の下端排出口36A下方は、販売容器9が載置される削氷供給位置Uとされる。
【0060】
そして、このバッファ槽36の下端排出口36Aは、バッファ槽36内に蓄えられた削氷の排出を制御する排出装置84により、開閉自在に閉塞される。この排出装置84は、バッファ槽36の下端排出口36Aを開閉自在に閉塞するシャッタ85と、当該シャッタ85を回動制御する駆動機構86とから構成されている。シャッタ85はバッファ槽36の下端排出口36Aを閉塞する底面85Aと、当該底面85Aと一体に形成され、バッファ槽36の側面に回動軸85Cを中心として回動自在に取り付けられる一対のアーム85Bとを有する。これにより、バッファ槽36の側面に対し、シャッタ85を回動自在とされることで、バッファ槽36の下端排出口36Aを開閉自在することができる。なお、本実施例では、図24においてシャッタ85は、前後に、すなわち、バッファ槽36の側方に配設される削氷重量計測部82と干渉しない方向に移動自在とされている。
【0061】
また、削氷重量計測部82側に設けられるシャッタ85のアーム85Bには、当該削氷重量計測部82側に突出した作用片87が形成されている。他方、削氷重量計測部82の下方には上述した如き駆動機構86が配設されている。この駆動機構86は、駆動モータ88と、駆動モータ88により回動制御されるカム89と、当該カム89に設けられて前記作用片87を操作する操作部90とから構成される。
【0062】
従って、駆動モータ88によりカム89が正転されると、これに同期して操作部90が作用片87を後方に移動させる方向に動き、これによって、作用片87は、回動軸85Cを中心として後方に回動され、底面85Aはバッファ槽36の下端排出口36Aを開放する。他方、駆動モータ88によりカム89が逆転されると、これに同期して操作部90が作用片87を前方に移動させる方向に動き、これによって、作用片87は、回動軸85Cを中心として前方に回動され、底面85Aがバッファ槽36の下端排出口36Aを閉塞する。
【0063】
他方、前記削氷重量計測部82は、上下に略平行に配設される断面略コ字状の第1のアーム部材91Aと、第2のアーム部材91Bと、基台91Cと、これらアーム部材91A、91Bの一端に固定された取付部材92と、他端に着脱自在に取り付けられる調整部材93、93とから構成される。第1のアーム部材91Aは、支点91Dを中心として、第2のアーム部材91Bは支点91Eを中心として基台91Cに取り付けられている。
【0064】
本実施例において、調整部材93は、バネ部材が使用されており、第1のアーム部材91Aの一端に着脱自在に取り付けられている。なお、当該調整部材93の他端は、飲料製造装置1の筐体部2内に固定される。また、調整部材93が取り付けられるアーム部材91Bの端部には、長手方向に渡って複数の取付孔93Aが形成されており、調整部材93を取り付ける取付孔93Aを変更することによって、バッファ槽36内に蓄える削氷量を変更可能としている。
【0065】
そして、各アーム部材91A、91Bの他端、すなわち、調整部材93が取り付けられる側とは反対側には、前後に位置する各アーム部材に渡って断面略コ字状に形成された取付部材92が固定されている。この取付部材92は、開口側から前記バッファ槽36を着脱自在に取付可能とするものであり、本実施例では、前後に位置して上下に渡って形成された溝92Aにバッファ槽36の前後面に設けられた係止部材81を挿脱可能とすることにより、係止される。これによって、バッファ槽36及び当該バッファ槽36に設けられるシャッタ85は、バッファ装置63から取り外して別途洗浄を行うことが可能とされている。
【0066】
また、この取付部材92の上面には、上方に延在する遮光板92Bが形成されている。他方、筐体部2には、係る取付部材92の遮光板92Bに対応する位置に、遮光板92Bの有無を検出する光センサ94が設けられている。この光センサ94は一対の発光素子94Aと受光素子94Bとが断面略コ字状に形成される取付部材95を挟持するかたちで配置されている。なお、当該遮光板92Bには、透孔92Cが形成されており、バッファ槽36内に削氷が堆積していない空の状態では、当該透孔92Cを介して光センサ94は、光を透過することができるものとする。
【0067】
係る構成により、バッファ槽36の下端開口がシャッタ85により閉塞された状態で、シュート83を介してバッファ槽36内に削氷が所定量供給されると、当該削氷の自重により、各アーム部材91A、91Bの一端に取り付けられた取付部材92、バッファ槽36、シャッタ85が降下し、アーム部材91Aの調整部材93が取り付けられた他端が上昇する。これによって、取付部材92の遮光板92Bも降下し、光センサ94は、透孔92Cが形成されていない部分の遮光板92Bによって、遮光される。
【0068】
次に、図36の制御部8の制御回路を示す回路ブロック図を参照して、制御部8を備えた制御回路について説明する。制御回路は、上記各部の動作させるモータや弁装置、当該動作を検出するセンサ、スイッチ等、販売動作における初期値や任意の設定量の入力や、動作指示の入力、更には、表示を行うコントロールパネルが接続されていると共に、各部の動作に必要なデータ、販売動作等の実行用のプログラム、オペレータによって任意に設定される販売用データ等の種々のデータを格納するためのメモリ99や各部の動作を制御すると共に計時動作を行う制御部8がバス100を介して接続して構成されている。
【0069】
具体的に、制御部8は、メモリ99に格納されたデータやプログラム更には、削氷部4の氷検出部73を構成する変位検出部79、バッファ装置63の削氷重量計測部82を構成する光センサ94、洗浄部7のマイクロスイッチ60A、60B、容器移動部6の各センサ等の出力に従って、飲料原料供給部3の溶解用湯供給ノズル19への湯供給を制御する溶解用湯供給電磁弁15と、原料排出部を構成する粉排出機構24と、製氷部10のコンプレッサ26、シスターン28への給水制御を行う給水電磁弁68、オーガ31を駆動するモータ31M、氷供給部62の氷払出シャッタ34、削氷部4のプロペラ71を駆動するモータ71M、バッファ装置63の駆動モータ88、撹拌部5のカッター41を回転駆動させるモータ40M、希釈用水供給ノズルからの希釈水の供給を制御する希釈電磁弁47、洗浄部7の洗浄用湯供給ノズル20への湯供給を制御する洗浄用湯供給電磁弁17、カバー駆動部49のモータ49M、容器移動部6の各モータを制御する。
【0070】
以下、本実施の形態の飲料製造装置1によってフローズン飲料を製造する動作について説明する。先ず、図1に示すように、販売待機状態では、販売容器受台56は、飲料原料供給位置Sにある。販売容器受台56が待機位置にある状態で、製氷部10は、詳細は上述したように予め所定量の氷片を製造しており、貯氷部32に貯氷を行っているものとする。また、湯タンク11は、温度センサ49Tの出力に基づきヒータ49Hの通電制御がなされ、所定量の湯が所定温度、例えば+80℃に維持されている。なお、係る製氷部10の貯氷部32に所定量の氷が貯氷されていること、及び湯タンク11内の湯が所定温度に達していることを条件として、制御部8は、飲料の販売が可能な状態にあるものとし、係る条件を満たしていない状態では、コントロールパネル50におけるディスプレイ52に販売停止状態であることを表示し、前面扉に設けられ飲料製造を指示する図示しない選択ボタンの操作を無効なものとする。
【0071】
上記販売停止状態が解除され、販売待機状態とされた後、オペレータは販売容器受台56に空の販売容器9を載置し、前記選択ボタンのうち、製造を行う飲料の種類に応じた選択ボタンを操作する。これに基づき、制御部8は、選択ボタンの操作に基づく販売開始信号の入力により、飲料原料供給工程を実行する。
【0072】
(飲料原料供給工程)
飲料原料供給工程では、制御部8は、原料粉末が充填されるキャニスタ13の粉排出機構24を所定時間だけ駆動し、キャニスタ13内の原料粉末を排出口13Bより飲料1杯分に相当する量(所定量)だけ排出する。これにより、原料粉末が飲料原料供給位置Sに載置された販売容器9内に排出される。
【0073】
また、制御部8は、粉末供給部を構成するキャニスタ13からの原料粉末の供給動作と同時、若しくは、遅延させて、溶解用湯供給電磁弁15を所定時間だけ開放し、溶解用湯供給ノズル19より飲料原料供給位置Sに載置された販売容器9内に原料粉末を溶解するための湯を所定量供給する。以上で、飲料原料供給工程を終了し、制御部8は、粉末溶解工程に移行する。
【0074】
(粉末溶解工程)
粉末溶解工程では、まず、制御部8は、容器移動部6により飲料原料供給位置Sとされていた販売容器9を撹拌位置Tに移動させる。次いで、制御部8は、容器移動部6により、所定の高位置にまで販売容器9を移動させる。これによって、販売容器受台56に載置された販売容器9は、トレイ部55の撹拌位置Tの上方に設けられる撹拌部5方向に上昇されることにより、撹拌部5のカッター41が販売容器9内に進入する。
【0075】
また、撹拌部5の蓋42は、カッター41の上方に位置して駆動軸40に上下移動自在に取り付けられているため、販売容器受台56が低位置とされている際には、自重により駆動軸40の先端に取り付けられたカッター41付近に位置しているが、販売容器受台56が容器移動部6により高位置にまで上昇される過程において、販売容器9の上端に蓋42が当接し、販売容器9と共に押し上げられる。そのため、販売容器9の上面開口は蓋42の自重によって封止される。
【0076】
その後、制御部8は、撹拌部5のモータ40Mを駆動させる。モータ40Mは駆動軸40を介してカッター41を低速で所定時間、回転駆動する。これにより、上記飲料原料供給位置Sにおいて供給された溶解用の高温の湯によって溶解される販売容器9内の原料粉末は、カッター41の回転による撹拌により、より一層、溶解効率が向上する。
【0077】
制御部8は、モータ40Mを停止させた後、この状態で、制御部8は、電磁開閉弁47が所定時間開放され、希釈用水供給ノズルから所定量の希釈水が供給される。希釈用供給ノズルは、撹拌部5の蓋42に形成された筒部43の案内部43Aに向けて希釈水を供給する構成とされているため、供給された希釈水は、案内部43Aから筒部43内を通過して蓋42の下方に載置される販売容器9内に排出される。
【0078】
その後、容器移動部6により、前記高位置から低位置にまで販売容器9を移動させる。これによって、販売容器受台56に載置された販売容器9内から撹拌部5のカッター41が抜け出て、これと共に、蓋42はカッター41によりそれより下への移動が規制されるため、販売容器9の上面開口が開放される。
【0079】
これにより、飲料原料として粉末を使用しても、粉末の溶け残りを生じさせることなく、出来上がりの飲料の品質の維持を図ることが可能となる。以上で、粉末溶解工程を終了し、制御部8は、削氷供給工程に移行する。
【0080】
(削氷供給工程)
この削氷供給工程では、制御部8は、容器移動部6により撹拌位置Tとされていた販売容器9を削氷供給位置Uに移動させ、制御部8は、販売容器9への削氷供給を実行する。
【0081】
このとき、制御部8は、削氷供給工程に入る以前に、削氷を実行しているものとする。本実施例では、所定量の削氷に要する時間を考慮して、上記飲料原料供給工程の開始と共に、削氷動作を開始する。
【0082】
まずはじめに、氷量判別手段を構成する制御部8は、飲料原料供給工程の開始と共に、貯氷部32に設けられたソレノイド34Aに一定期間(単位時間)、本実施例では2秒間通電し、ソレノイド34Aのコイルを励磁の状態として氷払出シャッタ34を開放する。これにより、貯氷部32から氷シュート33を介して氷片を削氷部4の削氷槽35内に供給する。これと同時に、制御部8は、プロペラ駆動用モータ71Mを回転させ、削氷槽35内に設けられるプロペラ71を回転駆動させる。なお、当該モータ71Aの駆動制御は、前記単位時間にかかわらず、後述する如く制御部8より停止出力がされるまで連続して駆動するものとする。
【0083】
このプロペラ71の動作中において、制御部8は、所定の単位時間における変位検出部79の検出出力を所定時間毎、例えば50ms置きに取り込み、係る単位時間当たりのセンサ検知率を算出する。
【0084】
本実施例において、氷検出部73を構成するアクチュエータ77は、削氷槽35に形成される透孔35Dを介して自重により降下し、削氷槽35内に進入している。そのため、当該削氷槽35内に氷片が供給され、プロペラ71により撹拌されると、削氷槽35内の氷片は、削氷槽35内に進入しているアクチュエータ77の突出部77Aに衝突し、該アクチュエータ77を上方に押し上げる。これによって、アクチュエータ77に形成される透孔77Bが発光素子79Aからの光の透過を許容していた状態から、透孔77Bが形成されていない部分によって、発光素子79Aからの光が遮られることとなる。
【0085】
従って、氷片がアクチュエータ77の突出部77Aに衝突する度に、光センサが遮光されることを検出することで、削氷槽35内に存在する氷片の運動エネルギーを把握することができる。当該氷片の運動エネルギーは、削氷槽35内にて撹拌される氷片の量に比例するものであることから、単位時間当たりの光センサの透過状態(本実施例では、遮光された確率)によって、削氷槽35内に存在する氷量を判別することができる。
【0086】
そのため、本実施例では、上述したように所定の単位時間(ここでは、2秒間)毎に、所定時間(例えば50ms)毎に検出された光センサによるセンサ検知率を算出(具体的には、センサ検知率=単位時間当たりのセンサ検知回数/単位時間当たりの全検知回数)し、これに基づき、貯氷部32の放出口65に設けられた氷払出シャッタ34の開閉制御を実行する。
【0087】
具体的には、制御部8はセンサ検知率の所定の設定値を有しており、上述した如く初めに氷払出シャッタ34が開放されている間の単位時間X当たりのセンサ検知率が前記設定値以上である場合には、削氷槽35内の氷片量が多いものと判断して、制御部8は、次回の単位時間は、ソレノイド34Aのコイルを非励磁の状態として氷払出シャッタ34により放出口65を閉じる。
【0088】
次いで、氷払出シャッタ34を閉じたまま経過する単位時間X当たりのセンサ検知率が前記設定値未満である場合には、削氷槽35内の氷片の量が少ないものと判断して、制御部8は、次回の単位時間は、ソレノイド34Aのコイルを励磁の状態として氷払出シャッタ34により放出口65を開放する。
【0089】
以後も、前回の単位時間X当たりのセンサ検知率に応じて、次回の単位時間における氷払出シャッタ34により放出口65の開閉を制御する。
【0090】
なお、制御部8は、単位時間X当たりのセンサ検知率が前記設定値未満を、複数回、例えば10回程度、継続して検出した場合には、削氷槽35内に貯氷部32が適切に氷片が排出されていないものと判断して、「氷無しエラー」が発生していることをディスプレイ52等において表示すると共に、プロペラ71の回転を停止する。
【0091】
また、上記単位時間、センサによる検知タイミング、センサ検知率の設定値は、上記に限定されるものではなく、任意に設定可能とする。
【0092】
これにより、販売待機時間が長く経過した場合など、貯氷部32内の氷片同士の固着発生により貯氷部32内の氷片の量や状態が一定でない場合であっても、当該貯氷部32内の氷片の量や状態に関わりなく、氷片が放出されたか否かを確実に判別することが可能となる。そのため、所望の量の氷を的確に削氷槽35内に供給することが可能となる。
【0093】
本実施例では、氷量判別手段は、単位時間当たりの光センサ79のセンサ検知率を検出し、これに基づき次回の単位時間における氷払出シャッタ34による放出口65の開閉制御を繰り返して行うことにより、実際に貯氷部32から放出された氷片に基づき氷払出シャッタ34による放出口65の開閉制御を実行することができる。そのため、削氷動作により削氷槽35内の氷片が減少した場合にも適切にプロペラ71の動作中に削氷槽35内に氷片を継ぎ足して供給することが可能となる。
【0094】
これにより、削氷槽35内にある範囲の量の氷片を存在させた状態で、プロペラ71による撹拌によって、氷片を適切に削氷刃72に押し付け、円滑な削氷を生成することが可能となる。そのため、適切な量の氷片の自重を削氷刃72に継続して付加することができることから、削氷生成効率を高い状態で維持することができる。また、必要以上に削氷槽35内に氷片を供給しない制御を行うことで、削氷槽35のカバー部35Bを含む氷シュート33内の氷詰まりの発生を防止することが可能となる。これにより、貯氷部32から削氷部35への円滑な氷供給を実現することができる。
【0095】
なお、本実施例では、削氷槽35内に供給された氷片の量は、削氷槽35に設けられる氷検出部73により検出され、制御部8により氷量が判断されているが、これに限定されるものではなく、この場合、削氷槽35の本体35Aやカバー部35Bを透光性材料にて構成し、該部分に光センサを設けて、削氷槽35に供給された氷片の検出に基づいて、若しくは、貯氷部32から放出されて落下する氷片を直接検出して、氷払出シャッタ34による放出口65の開閉制御を行っても良いものとする。
【0096】
特に、本実施例では、プロペラ71により撹拌される削氷槽35内の氷の運動エネルギーを上述した如く氷量判別手段を構成する氷検出部73と制御部8とにより、容易に把握することができる。従って、氷片が衝突することによる氷検出部73を構成するアクチュエータ77の変位の状況が削氷槽35内に供給された氷の堆積状態に比例することを利用し、間接的に氷の運動エネルギーを把握し、これに基づき削氷槽35内の氷片の量を正確に判別することが可能となる。
【0097】
そのため、削氷槽35内に供給された氷の堆積状態にかかわらず、削氷槽35内の氷の量を判別することができ、正確な量の氷を貯氷部32から削氷槽35に供給することが可能となる。
【0098】
また、本実施例では、上述したような簡素な構造によって、削氷槽35内における氷片の量を正確に判別することができ、コストの低減、更には、組み立て作業性の向上を図ることが可能となる。
【0099】
更に、氷検出部73の作用手段を構成するアクチュエータ77は、該アクチュエータ77の削氷槽35内で撹拌される氷片の衝突による変位を可能としつつ、シール材78によってアクチュエータ77と削氷槽35内空間とを確実に水封することが可能となる。そのため、飲食物として提供される氷片が直接アクチュエータ77等の部材に接触する不都合を回避でき、衛生面においても好適なものとなる。
【0100】
なお、本実施例では、作用手段としてのアクチュエータ77の変位検出手段として光の透過状態を検出する光センサを用いて削氷槽35内の氷片の運動エネルギーを検出し、これによって、削氷槽35内の氷量を判断しているが、他の方法により、削氷槽35内の氷量を判断しても良い。すなわち、単に、削氷槽35内にアクチュエータ77等の作用手段を取り付けて、電気的に外部に変位情報を取り出し、これによって、削氷槽35内の氷片の運動エネルギーを検出し、削氷槽35内の氷量を判別する方法や、光センサではなく、ON/OFF接点を有するスイッチ等によって、アクチュエータ77等の変位を検出し、これにより、削氷槽35内の氷片の運動エネルギーを検出し、削氷槽35内の氷量を判別する方法しても良いものとする。
【0101】
また、運動エネルギーを検出する方法としてはこれに限定されるものではなく、例えば、プロペラ71の回転により氷片が撹拌されることにより振動する削氷槽35全体の変位量を検出し、これによって、氷量を判断しても良いものとする。
【0102】
本実施例の如くアクチュエータ77の変位検出手段として光の透過状態を検出する光センサを用いることにより、接点式に比べて信頼性の高い変位検出を実現することが可能となる。これにより、より一層、精密に氷量を判別することが可能となる。
【0103】
また、本実施例では、自重により降下して、氷の衝突により上昇し、変位を検出可能とするアクチュエータ77を採用しているが、削氷槽35の下部や側部に当該氷検出部73を取り付ける場合には、自重により削氷槽35内にアクチュエータ77を突出させることができないため、バネ部材などの弾性体を用い、これにより、削氷槽35内に進退自在に突出させても良い。ただし、本願発明の如く削氷槽35の上部に氷検出部73を設ける場合には、自重により降下するアクチュエータ77を用いることで、バネ式などを採用した場合に比して、抵抗が少なく、応答性が良好となり、より一層、精密に氷量を判別することが可能となる。
【0104】
他方、上述した如く削氷槽35内に供給され、プロペラ71の撹拌及び押圧力により削氷刃72によって削られることにより生成された削氷は、当該削氷刃72下方に宛がわれたシュート83を介してバッファ装置63のバッファ槽36内に受容される。削氷開始当初、バッファ槽36の下端排出口36Aは、排出装置84のシャッタ85により閉塞されている。
【0105】
そのため、係る削氷がバッファ槽36内に次第に堆積されることにより、削氷重量計測部82の各アーム部材91A、91Bは、一端に当該バッファ槽36が取り付けられた取付部材92側がバッファ槽36内の削氷の重量に応じて、他端に設けられる調整部材93のバネ部材を伸張させていく。これにより、各アーム部材91A、91Bのそれぞれの支点91D、91Eを中心として、取付部材92を介して吊下されたバッファ槽36の一端が降下していき、バッファ槽36内の削氷が所定の重量となったところで、バッファ槽36の移動と共に降下していく取付部材92の遮光板92Bが筐体部2に設けられる光センサ94を遮蔽し、バッファ槽36内の削氷が所定量まで堆積されたことを検出する。なお、本実施例では、アーム部材91A、91Bを用いた天秤方式を採用していることから、バッファ槽36内に堆積される削氷の量に応じて上下動するバッファ槽36は、略垂直方向に上下動させることが可能となる。
【0106】
当該光センサ94による検出に基づき、制御部8は、バッファ槽36内に所定量の削氷が堆積されたものと判断し、上記削氷部4のプロペラ71の回転を停止する。これと共に、制御部8は、排出機構84の駆動機構86を構成する駆動モータ88を駆動させ、カム89を回転させる。係るカム89の回転移動によって、カム89の操作部90が前記シャッタ85の作用片87を回動軸85Cを中心として後方に、具体的には、本実施例では、当該バッファ槽36の斜め前方に配設される撹拌部5とは反対側に回動させる。これにより、シャッタ85の底面85Aは、周辺機器の邪魔となることなく、バッファ槽36の下端排出口36Aを開放する。
【0107】
従って、バッファ槽36内の削氷は、下端排出口36Aから自重により削氷供給位置Uに載置される販売容器9内に落下する。これにより、販売容器9内には、所定量の削氷が供給され、以上で、削氷供給工程を終了し、制御部8は、飲料撹拌工程に移行する。
【0108】
なお、制御部8は、駆動モータ88の駆動により、バッファ槽36の下端排出口36Aを所定時間開放した後、再び駆動モータ88を駆動し、カム89を回転させる。これにより、カム89の回転移動によって、操作部90が前記シャッタ85の作用片87を回動軸85Cを中心として前方に、本実施例では当該バッファ槽36の斜め前方に配設される撹拌部5側に向けて回動させる。これにより、シャッタ85の天面85Aは、バッファ槽36の下端排出口36Aを閉鎖する。当該開閉動作は、複数回、例えば2回、連続して行っても良い。これにより、バッファ槽36内に堆積する削氷を円滑に販売容器9内に排出することが可能となる。
【0109】
これにより、本実施例では、上述した如き天秤方式によってバッファ槽36内の削氷の重量を計測し、予め定められた一定量となった際に、削氷部4のプロペラ71の運転を停止して、バッファ槽36内の削氷を販売容器9内に排出することから、簡素な構造にて、正確な量の削氷をその都度排出することが可能となり、装置の精度を高めることが可能となる。そのため、販売容器9内には、貯氷部32や削氷部4における氷の残量などに影響されることなく、一定量の削氷を供給することが可能となるため、飲料製造の材料となる削氷の分量を一定とすることができ、飲料の質の均一化を実現することが可能となる。
【0110】
また、本実施例では、制御部8は、削氷を追加して供給することを可能とする機能を備えており、上記操作ボタン51を操作することにより、所定量の削氷を追加して供給可能としても良い。この場合、制御部8は、削氷追加の操作入力に基づき、上述した如く所定重量の削氷がバッファ槽36内に蓄えられたことを検出(認識)した後、所定の追加時間だけ削氷部4のプロペラ71を継続して動作させる。当該追加時間の経過後、当該プロペラ71の動作を停止すると共に、上記と同様にシャッタ85を開放する動作を行う。なお、当該シャッタ85の開放動作は、本実施例に限定されるものではなく、常時開放するものであっても良い。
【0111】
これにより、所定重量の削氷よりも、当該追加時間分だけ多く生成された削氷を販売容器9内に供給することが可能となる。そのため、任意の操作を実行するだけで、削氷供給量を一定量増加させる調整を行うことができることから、一台の削氷供給装置により、異なる削氷供給量を排出可能となり、汎用性の拡大を図ることが可能となる。
【0112】
なお、削氷追加操作を実行する操作ボタン(操作手段)は、複数種類備えていてもよく、任意に操作ボタンを選択することで、削氷部4を継続動作させる期間を変更することが可能となり、複数の目的とする削氷供給量を排出することができる。より一層の汎用性の拡大を図ることが可能となる。
【0113】
上述したように削氷を所定量よりも追加して供給する操作を行った場合であっても、当該所定量がバッファ槽36内に供給された時点における削氷槽35内の残留氷片の量は、上記制御を実行することにより、ある一定の範囲に調整されていることから、追加時間における削氷生成効率を一定とすることができ、追加分に関しても高い精度で供給量を制御することが可能となる。
【0114】
従って、係る場合においても、適切な量の削氷を飲料の原料として供給することが可能となり、均一な質の飲料の提供の実現に寄与することができる。
【0115】
なお、上記実施例では、削氷槽35には、ある一定の範囲の量の氷片を存在させ、削氷重量計測部82の検出に基づきバッファ槽36内に所定の削氷が堆積された際に、プロペラ71の運転を停止する制御を採用しているが、これ以外にも、予め一杯分の削氷生成に必要とされる氷片を貯氷部32から削氷槽35内に供給した後、上記氷量判別手段により残存する氷片がなくなったことが検出した場合に、プロペラ71の運転を停止する制御を行っても、良いものとする。
【0116】
上述した如き削氷供給工程を実行した後、制御部8は、飲料撹拌工程に移行する。
【0117】
(飲料撹拌工程)
飲料撹拌工程では、まず、制御部8は、容器移動部6により削氷供給位置Uとされていた販売容器9を撹拌位置Tまで戻す。販売容器受台56が撹拌位置Tとされた後、制御部8は、次いで容器移動部6により、上記粉末溶解工程と同様に、前記低位置から前記高位置にまで販売容器9を移動させると共に、カッター41が堆積した削氷に接するタイミングでモータ40Mを駆動させる。
【0118】
これによって、販売容器受台56に載置された販売容器9は、トレイ部55の撹拌位置Tの上方に設けられる撹拌部5方向に上昇されることにより、撹拌部5のカッター41は、販売容器9内に堆積した削氷内に撹拌しながら進入していく。販売容器9の上面開口は、上下移動自在とされる蓋42の自重によって閉塞される。これにより、販売容器9内には、削氷と飲料原料(シロップ)とが粉砕しながら混合されシャーベット状の飲料が製造される。
【0119】
その後、制御部8は、モータ40Mを停止させた後、容器移動部6により、前記高位置から前記低位置にまで販売容器9を移動させる。これによって、販売容器受台56に載置された販売容器9内から撹拌部5のカッター41が抜け出て、これと共に、蓋42はカッター41によりそれより下への移動が規制されるため、販売容器9の上面開口が開放される。
【0120】
次いで、制御部8は、容器移動部6により撹拌位置Tとされていた販売容器9を飲料原料供給位置Sに戻す。これにより、飲料原料供給位置Sにある販売容器9を外部から取り出すことが可能となる。
【0121】
なお、制御部8は、容器移動部6によって、販売容器9を撹拌位置Tから飲料原料供給位置Sに移動させた後、洗浄工程に移行し、洗浄部7による撹拌部5の蓋42下面やカッター41、ガード44、駆動軸40等の洗浄を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明の実施形態に係る飲料製造装置の前面扉を取り外した状態の正面図である。
【図2】図1の飲料製造装置の前面扉、側面パネル、天面パネルを取り外した状態の斜視図である。
【図3】図1の飲料製造装置を向かって右側からみた側面図である。
【図4】図1の飲料製造装置の平面図である。
【図5】図1の飲料製造装置のA−A断面図である。
【図6】図1の飲料製造装置のB−B断面図である。
【図7】撹拌部の縦断側面図である。
【図8】洗浄部と撹拌部との断面図である。
【図9】削氷供給装置を構成する削氷部及び氷供給部の一部透視斜視図である。
【図10】削氷部のアクチュエータ側から見た図である。
【図11】図10を右側から見た状態の図である。
【図12】削氷部の縦断側面図である。
【図13】氷検出部の斜視図である。
【図14】氷検出部の透視側面図である。
【図15】氷検出部の透視上面図である。
【図16】氷検出部の正面図である。
【図17】氷検出部の底面図である。
【図18】氷検出部の斜視図である。
【図19】氷検出部の透視側面図である。
【図20】氷検出部の透視上面図である。
【図21】氷検出部の正面図である。
【図22】氷検出部の底面図である。
【図23】バッファ装置の斜視図である。
【図24】バッファ装置の正面図である。
【図25】図24の右側面図である。
【図26】図25の上面図である。
【図27】図25の底面図である。
【図28】バッファ装置の斜視図である。
【図29】バッファ装置の正面図である。
【図30】図29の右側面図である。
【図31】バッファ装置の斜視図である。
【図32】バッファ装置の正面図である。
【図33】図32の右側面図である。
【図34】図32の上面図である。
【図35】図32の底面図である。
【図36】制御部の電気ブロック図である。
【符号の説明】
【0123】
1 飲料製造装置
2 筐体部
3 飲料原料供給部
4 削氷部(削氷装置)
5 撹拌部
6 容器移動部
7 洗浄部
8 制御部
9 販売容器
10 製氷部
11 湯タンク
13 キャニスタ
32 貯氷部
33 氷シュート
34 氷払出シャッタ
34A ソレノイド
35 削氷槽
35A 本体
35B カバー部
35D 透孔
36 バッファ槽
36A 下端排出口
50 コントロールパネル
51 操作ボタン
52 ディスプレイ
56 販売容器受台
62 氷供給部
63 バッファ装置
65 放出口
66 膨張弁
71 プロペラ
72 削氷刃
73 氷検出部(光センサ)
74 本体
74A 透孔
75 取付片
77 アクチュエータ(作用手段)
77A 突出片
77B 透孔
78 シール材(作用手段)
79 変位検出部(光センサ)
81 係止部材
82 削氷重量計測部(削氷重量計測手段)
83 シュート
84 排出装置
85 シャッタ
88 駆動モータ
91A、91B アーム部材
91D、91E 支点
92 取付部材
92B 遮光板
93 調整部材(バネ部材)
94 光センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
氷を生成する製氷部と、該製氷部にて生成された氷を蓄える貯氷部と、該貯氷部に形成された放出口を開閉するシャッタと、該シャッタを開閉することにより、前記貯氷部内の氷を前記放出口から放出する制御手段とを備えた氷供給装置において、
前記放出口から放出された氷を検出する氷検出手段を備え、前記制御手段は、該氷検出手段の出力に基づいて前記シャッタを制御することを特徴とする氷供給装置。
【請求項2】
前記放出口にシュートを介して連接され、該シュートを経て前記貯氷部から供給される氷を用いて削氷を生成する削氷部を備え、
前記制御手段は、前記削氷部の動作中における一定期間内に前記氷検出手段により検出される氷量が設定値に満たない場合、次の一定期間前記シャッタにより前記放出口を開放する制御を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載の氷供給装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の氷供給装置から供給される氷を用いて飲料を製造することを特徴とする飲料製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2009−8329(P2009−8329A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−170354(P2007−170354)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】