説明

汚水中継ポンプ設備

【課題】 ソリッドセパレーション型の汚水中継ポンプ設備において、し渣の固着等を生じることなく確実にし渣分離槽から汚水貯留槽に流入する汚水からし渣を分離する。
【解決手段】 し渣分離槽6と水中ポンプ7A,7Bの吐出管44との間に、固液分離スクリーン8A,8Bが設けられている。固液分離スクリーン8A,8Bは、基端側が流路47aの壁部側に固定されると共に流路47aの中心軸Cに向けて延び、先端側が基端側よりもし渣分離槽6側に位置する複数のスクリーン部材48を備える。複数のスクリーン部材48の先端側が水中ポンプ7A,7Bの異物通過径以下の寸法の汚水通過孔49を形成する。隣接するスクリーン部材48間の隙間50は、水中ポンプ7A,7Bの異物通過径以下の寸法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下水道において汚水を送水するための汚水中継ポンプ設備に関する。
【背景技術】
【0002】
下水道において汚水を送水するための種々の汚水中継ポンプ設備が知られている。例えば、特許文献1及び2には、ソリッドセパレーション型の汚水中継ポンプ設備が記載されている。
【0003】
図18及び図19を参照して、従来のソリッドセパレーション型の汚水中継ポンプ設備を説明する。地上に設置され又は地下に埋設されたピット100内に、汚水貯留槽105が配置され、この汚水貯留槽105内にし渣分離装置101A,101Bが配置されている。し渣分離槽101A,101Bには流入管102と、吐出管103が接続されている。また、各し渣分離槽101A,101Bと汚水貯留槽105とを接続する接続管115A,115Bが設けられ、これらの接続管115A,115Bにはポンプ113A,113Bが介設されている。し渣分離槽101A,101B内で開口する接続管115A,115Bの端部には汚水からし渣を分離するためのセパレーション弁ないしは固液分離弁117A,117Bが取り付けられている。図20を併せて参照すると、固液分離弁117A,117Bは、両端開口の筒体に複数のスリット117aを設けると共に、筒体の一端にはヒンジ117bを中心に矢印方向に回動可能なフラップ117cを設けている。スリット117aの寸法は、汚水に含まれるし渣のうちポンプ113A,113Bの異物通過径よりも大きいし渣は通過させないが、汚水自体は通過できるように設定されている。また、各接続管115A,115Bには汚水ポンプ113A,113Bの前後に常開の流入仕切弁119A,119B,121A,121Bが設けられている。
【0004】
汚水ポンプ113A,113Bの停止時には、図19において破線の矢印で示すように、流入管102からし渣分離槽101A,101B内に流入した汚水は固液分離弁117A,117Bによりし渣が分離された後、接続管115A,115Bを経て汚水貯留槽105内に流入する。し渣分離槽101A,101B内には汚水から分離されたし渣が蓄積する。この時、固液分離弁117A,117Bのフラップ117cは閉じている。
【0005】
汚水ポンプ113A,113Bの作動時には、図19において実線の矢印で示すように、汚水貯留槽105に貯留された汚水が汚水ポンプ113A,113Bによって接続管115A,115Bを介してし渣分離槽101A,101B内に圧送される。その結果、し渣分離槽101A,101B内に蓄積されたし渣は汚水と共に送水管103A,103Bから下流側に送出される。し渣分離槽101A,101B内には汚水上に浮くボール107が収容されている。図19において二点鎖線で示すように、汚水ポンプ113A,113Bによる汚水の圧送時にはボール107によってし渣分離槽101A,101Bの流入管102との接続部分が閉鎖され、流入管102A,102Bへの汚水の逆流が防止される。この時、固液分離弁117A,117Bはヒンジ117b回りに上向きに回動して開いている。
【0006】
しかし、従来のソリッドセパレーション型の汚水中継ポンプ設備には、図20に示した固液分離弁117A,117Bに関して以下の問題がある。まず、固液分離弁117A,117Bは可動構造のフラップ117cを備えるが、ヒンジ117bにし渣が固着してフラップ117cが開放状態又は閉鎖状態で固定され、固液分離弁117A,117Bがその機能を果たさなくなるおそがある。特に髪の毛等の糸状ないしは繊維状のし渣は、ヒンジ117bにからまって固着しやすい。
【0007】
また、フラップ117cが開閉するための空間を確保する必要がある。そのため、この図18及び図19に示す汚水中継ポンプ設備では、固液分離弁117A,117Bをし渣分離槽101A,101B内に配置している。一方、し渣分離槽101A,101Bとポンプ113A,113Bを接続する管路に固液分離弁117A,117Bを配置するには、フラップ117cの開閉空間を確保するために固液分離弁117A,117Bを配置する部分を拡径する必要がある。この拡径部があると、ポンプ113A,113Bからし渣分離槽101A,101Bに汚水を吐出する際に、渦が発生してし渣が滞留する。このし渣の滞留があると、ポンプ113A,113Bから吐出される汚水の圧力に損失が生じ、し渣分離槽101A,102B内のし渣が残留するおそがある。し渣分離槽101A,101B内にし渣が残留していると、し渣分離槽101A,101Bから水中ポンプ113A,113Bへの汚水の流入を阻害する。
【0008】
【特許文献1】ドイツ特許第29505028U1号
【特許文献2】欧州特許第07445041B1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、し渣の固着等を生じることなく確実にし渣分離槽から汚水貯留槽に流入する汚水からし渣を分離することができる、ソリッドセパレーション型の汚水中継ポンプ設備を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、流入管を介して上流側から流入する汚水を、送水管を介して下流側に送水する汚水中継ポンプ設備であって、前記流入管及び前記送水管が内部まで延びている汚水貯留槽と、前記汚水貯留槽内に配置され、前記流入管と前記送水管とに接続され、前記流入管からの汚水の流入は許可するが前記流入管への汚水の逆流を阻止する逆流防止機構を備えるし渣分離槽と、前記汚水貯留槽内に配置され、吐出口が前記し渣分離槽と接続される一方、吸込口が前記汚水貯留槽内に開放し、停止時に吐出口から吸込口への汚水の逆流を許可する水中ポンプと、前記し渣分離槽と前記水中ポンプの吐出口とを接続する流路に配置され、基端側が前記流路の壁部側に固定され、先端側が前記基端側よりも前記し渣分離槽側に位置する複数のスクリーン部材を備え、これら複数のスクリーン部材の先端側が前記水中ポンプの異物通過径以下の寸法の汚水通過孔を形成し、かつ隣接するスクリーン部材間の隙間が前記水中ポンプの異物通過径以下の寸法である固液分離スクリーンとを備える、汚水中継ポンプ設備を提供する。
【0011】
水中ポンプの停止時には、流入管からし渣分離槽に汚水が流入し、さらにし渣分離槽から固液分離スクリーン、水中ポンプの吐出口、及び水中ポンプの吸込口を経て、汚水貯留槽内に流入する。し渣分離槽から水中ポンプの吐出口に流入する汚水に含まれるし渣は固液分離スクリーンによって分離される。従って、し渣分離槽内にはし渣が蓄積され、汚水貯留槽内にはし渣を分離済みの汚水のみが蓄積される。水中ポンプを作動させると、汚水貯留槽に蓄積された汚水が水中ポンプの吸込口、水中ポンプの吐出口、及び固液分離スクリーンを経て、し渣分離槽内に流入し、し渣分離槽内に蓄積されたし渣と共に送水管へ圧送される。
【0012】
固液分離スクリーンは複数のスクリーン部材から構成され、スクリーン部材の先端側が形成する汚水通過孔と隣接するスクリーン部材間の隙間とは、いずれも水中ポンプの異物通過径以下である。従って、水中ポンプの停止時には、し渣分離槽から水中ポンプの吐出口へ流れる汚水に含まれるし渣がスクリーン部材によって確実に捕捉される一方、汚水自体は汚水通過孔やスクリーン部材間の隙間を通って水中ポンプの吐出口へ流れる。また、スクリーン部材は流路の中心軸向けて延び、その先端側が基端側よりもし渣分離槽側に位置している。従って、水中ポンプの作動時には、汚水貯留槽からし渣分離槽へ圧送される汚水により、スクリーン部材で捕捉されたし渣が洗い流されてし渣分離槽に圧送される。
【0013】
フラップを備える固液分離弁と比較すると、本発明の固液分離スクリーンは可動部分がないので構造が簡単である。また、可動部がないので汚水に含まれるし渣の固着等により固液分離スクリーンの機能が損なわれることもない。
【0014】
前述のようにスクリーン部材で捕捉されたし渣は水中ポンプからの汚水によってし渣分離槽へ圧送されるが、し渣をより確実に洗い流すためには、スクリーン部材が流路中の汚水の流れに沿うように配置することが好ましい。
【0015】
具体的には、前記複数のスクリーン部材は、それぞれ前記流路の中心軸を含む平面内に配置されていることが好ましい。
【0016】
また、し渣を確実に洗い流すためには、前記スクリーン部材は、少なくとも前記先端側が前記流路の中心軸と5度以上60度以下の範囲の角度をなしていることが好ましい。
【0017】
例えば、前記スクリーン部材は、前記流路内で円錐台状に配置され、前記流路の中心軸方向から見て円形に配置されたスクリーン部材の先端が前記汚水通過孔を形成している。
【0018】
スクリーン部材は、例えば円形、多角形等の断面形状を有する棒状体からなる。また、スクリーン部材は種々の断面形状を有する細長い板状体であってもよい。
【0019】
スクリーン部材の長さを異ならせてもよい。具体的には、前記スクリーン部材は、第1の長さを有する第1のスクリーン部材と、前記第1の長さよりも短い第2の長さを有する第2のスクリーン部材とを備え、前記第1のスクリーン部材と前記第2のスクリーン部材が交互に配置されていてもよい。
【0020】
スクリーン部材を備える本発明の固液スクリーンは可動部を備えてないので、前記流路の口径を前記水中ポンプの吐出口の口径と等しく設定できる。スクリーン付近の流路の口径を必要最小限に抑制することで、水中ポンプの作動時この部分で渦が発生してし渣が滞留するのを防止することができる。その結果、水中ポンプの作動時には水中ポンプが吐出する汚水によってし渣分離槽内のし渣が確実に送水管に圧送されるので、し渣分離槽内に異物が残留せず、水中ポンプ停止時にはし渣分離槽から水中ポンプへ円滑に汚水が流入する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の汚水中継ポンプ設備では、複数のスクリーン部材を備える固液分離スクリーンによってし渣分離槽から水中ポンプを介して汚水貯留槽に流入する汚水からし渣を分離するので、し渣の固着等を生じることなく確実に汚水からし渣を分離できると共に、スクリーン付近にし渣の滞留の原因となる渦が発生するのを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1実施形態)
図1から図3は、本発明の第1実施形態にかかるマンホール型の汚水中継ポンプ設備1を示す。
【0023】
汚水中継ポンプ設備1は、流入管2A,2B,2Cを介して上流側から流入する汚水を、送水管3を介して下流側に送水する。汚水中継ポンプ設備1は、汚水貯留槽である地中に埋設されたマンホール4を備え、このマンホール4内に、流入槽5、し渣分離槽6A,6B、水中ポンプ7A,7B、及び固液分離機構である固液分離スクリーン8A,8Bが配置されている。図2にのみ示すコントローラ9は、投込式水位計10やフロート式水位計11からの入力に基づいて、水中ポンプ7A,7Bの運転を制御する。地表に設けられたマンホール4の開口4aはマンホール蓋4bにより閉鎖されている。また、図2にのみ示すように、開口4aから作業者がマンホール4内に入るためのはしご12が設けられている。
【0024】
上流側から3本の流入管2A〜2Cがマンホール4の内部に延びている。図3に最も明瞭に表れているように、3本の流入管2A〜2Cがマンホール4の内部へ延びる方位ないしは向きは互いに異なっている。また、図1に示すように、3本の流入管2A〜2Cがマンホール4の壁部を貫通する高さも互いに異なっている。1本の送水管3がマンホール4の内部から下流側に延びている。
【0025】
図4から図7を参照して、流入槽5を説明する。図7に最も明瞭に表れているように、流入槽5は全体として矩形の箱体状であり、平面視で長方形状の底板(底部)15と、この底板15から上向きに延びる4つの側壁部16A,16B,16C,16Dを備える。また、流入槽5の上部は蓋体等によって閉鎖されておらず、平面視で長方形状を呈する開放部17が設けられている。
【0026】
流入槽5は、し渣分離槽6A,6Bの頂部に固定されており、流入槽5の底板15はし渣分離槽6A,6Bの蓋としての機能を有する。詳細には、図4に示すように、し渣分離槽6A,6Bの上端の開放部が流入槽5の底板15の下面側で閉鎖されている。後に詳述するように、底板15にはし渣分離槽6A,6Bの流入口27が開口している。
【0027】
側壁部16A〜16Dは、下端側が底板15に連結された平板である閉鎖板18A,18B,18C,18Dを備える。これらの閉鎖板18A〜18Dには、開口、スリット等は形成されておらず、この部分からは汚水が流出しない。各側壁部16A〜16Dの閉鎖板18A〜18Dの底板15からの高さは同一である。
【0028】
互いに対向する長辺方向の側壁部16A,16Cは、それぞれ2つの支持部材19を備える。支持部材19は細長い板状を呈し、閉鎖板18A,18Bの内側に固定されて底板15から鉛直方向上向きに延びている。支持部材19の互いに対向する一対の側面には、案内溝19aが形成されている。支持部材19は、閉鎖板18A,18Cの長さ方向の中央付近よりもやや外側(閉鎖板18A,18Cを長さ方向にほぼ4等分する位置)に配置されている。また、支持部材19の上端は、閉鎖板18A,18Cの上端よりも上方に位置している。本実施形態では、支持部材19の底板15からの高さを閉鎖板18A,18Cの底板15からの高さの2倍程度に設定している。
【0029】
互いに対向する短辺方向の側壁部16B,16Dの閉鎖板18C,18Dの内側にも、それぞれ底板15から鉛直方向上向きに延びる細長い板状の支持部材20が固定されている。支持部材20には、閉鎖板18B,18Dの長さ方向中央側の側面にのみ案内溝20aが形成されている。
【0030】
長辺方向の側壁部16A,16Cは、それぞれ3枚のスクリーン板21を備える。スクリーン板21は細長い長方形状を呈し、その全面に板厚方向に貫通する多数の正方形状の開口21aが格子状に形成されている。この開口21aの寸法は、後述する水中ポンプ7A,7Bの異物通過径以下に設定している。スクリーン板21は閉鎖板18A,18Dの内側面に当接するように配置されており、支持部材19,20によって底板15及び閉鎖板18に対して着脱可能に取り付けられている。詳細には、スクリーン板21は、一方の側縁部を支持部材19の案内溝19a内に差し込み、他方の側縁部を支持部材20と閉鎖板18A,18Cとの間の隙間に差し込むことで、底板15及び閉鎖板18に対して取り付けられている。
【0031】
短辺方向の側壁部16B,16Dも、それぞれ1枚のスクリーン板22を備える。スクリーン板22は、長さが短い点を除いてスクリーン板21と同一の構造であり、全面に水中ポンプ7A,7Bの異物通過径以下の寸法の開口22bが形成されている。また、スクリーン板22は、両側縁部を支持部材20の案内溝20aに差し込むことで、底板15及び閉鎖板18に対して着脱可能に取り付けられている。
【0032】
スクリーン板21,22は、支持部材19及び支持部材20の案内溝19a及び案内溝20aから抜き出すことで簡単に側壁部16A〜16Dから取り外すことができ、逆に支持部材19及び支持部材20の案内溝19a及び案内溝20aに差し込むだけで簡単に側壁部16A〜16Dから取り付けることができる。スクリーン板21,22を取り外して地上で清掃することができ、破損ないしは損傷した場合には容易に交換できる。この点で、流入槽5は維持管理性に優れている。
【0033】
スクリーン板21,22の高さは閉鎖板18A〜18Dの高さの2倍程度であり、スクリーン板21,22の上側部が閉鎖板18A〜18Dの上端から突出している。従って、各側壁部16A〜16Bは、下側が開口等のない閉鎖板18A〜18Bで、上側がスクリーン板21,22である。
【0034】
図4及び図5に最も明瞭に表れているように、流入管2A〜2Cの開口端2aは、開放部17から流入槽5の内部まで延びている。各流入管2A〜2Cの開口端2aは流入槽5の底板15の上方に位置しており、各流入管2A〜2Cの開口端2aと底板15の間には間隔があけられている。
【0035】
流入槽5は底板15と側壁部16A〜16Dを備えると共に、上方に開放部17を有する構成であるので、流入管2A〜2Cの配置の自由度が高い。すなわち、流入管の開口端2aを流入槽5の開放部17に配置できる限り、流入管の本数、流入管の口径、並びに流入管がマンホール4の内部に延びる向きや高さは制約されない。特に、本実施形態のように流入管が複数本ある場合には、流入槽5の開放部17の水平面への投影面積が、複数本の流入管の開口端の断面積の合計より大きければ、それらの流入管から流入槽へ汚水を流入させることができる。
【0036】
図6に最も明瞭に表れているように、流入槽5の開放部17の水平面への投影面積は、3本の流入管2A〜2Cの開口端2aの断面積の合計よりも大幅に大きい。従って、これらの流入管2A〜2Cと同程度の管径の流入管がさらに数本あるような場合でも、流入槽5等の設計変更の必要はない。
【0037】
次に、図1から図4を参照してし渣分離槽6A,6Bを説明する。し渣分離槽6A,6Bは、その下端側が台座25によりマンホール4の底部に配置された予旋回槽26に固定されている。また、し渣分離槽6A,6Bは、その上端に流入槽5の内部と連通する流入口27を備える。図4に示すよう、し渣分離槽6A,6Bの頂部を構成する流入槽5の底板15に段付孔15aが板厚方向に貫通するように設けられ、この段付孔15aに板厚方向に貫通するように流入口27を形成した円板28がボルト29によって固定されている。
【0038】
し渣分離槽6A,6Bの内部には、ボール31が収容されている。円板28の下面(し渣分離槽6A,6Bの内部側の面)の流入口27の周縁は弁座32として機能し、ボール31が弁座32から離脱していれば流入口27が開放され、ボール31が弁座32に着座していれば流入口27が閉鎖される。ボール31及び弁座32は流入管2A〜2Bからし渣分離槽6A,6Bの内部への汚水の流入は許可するが、し渣分離槽6A,6Bの内部から流入管2A〜2Cへの汚水の逆流を阻止する逆流防止機構として機能する。
【0039】
図4を参照すると、し渣分離槽6A,6Bの流入口27の流路径D1は、後述するし渣分離槽6A,6Bの流出管34の流路34aの流路径D2以下に設定している。
【0040】
し渣分離槽6A,6Bの下部には、流出口として機能する1本の流出管34が設けられている。各し渣分離槽6A,6Bの流出管34は対応する送水支管35A,35Bの一端に接続されている。送水支管35A,35Bの他端は送水管3に接続されている。また、送水支管35A,35Bには、送水管3からし渣分離槽6A,6Bへの汚水の逆流を防止するために、ボール弁36と逆止弁37が介設されている。
【0041】
また、し渣分離槽6A,6Bの下部には、汚水出入口として機能する水平方向に延びる一対の汚水出入口管40が設けられている。この汚水出入口管40には、対応する水中ポンプ7A,7Bの吐出管44が着脱可能に接続されている。
【0042】
次に、水中ポンプ7A,7Bを説明する。水中ポンプ7A,7Bは、図示しないインペラを配置したインボリュート室が内部に形成されたポンプ本体41と、インペラを回転駆動するための水中モータ42とを備える。ポンプ本体41は、下向きに延びる吸込管(吸込口)43を備える。吸込管43の端部は予旋回槽26の上方に位置し、マンホール4の内部に開放されている。また、ポンプ本体41は、し渣分離槽6A,6Bに向けて水平方向に延びる吐出管(吐出口)44を備える。吐出管44の端部のフランジ44aには、固液分離スクリーン8A,8Bがボルト45によって固定されている。水中ポンプ7A,7Bは、停止時に、し渣分離槽6A,6B側から吐出管44に流入した汚水が吸込管43へ逆流し、吸込管43からマンホール4の内部に放流されるものである必要がある。本明細書では、水中ポンプ7A,7Bの吸込管43から吐出管44に至る流路の最小径を水中ポンプ8A,8Bの異物通過径という。
【0043】
次に、図8、図9を参照して固液分離スクリーン8A,8Bを説明する。固液分離スクリーン8A,8Bは、全体として扁平な直方体状のブロック47を備える。このブロック47を貫通する流路47aが形成されている。この流路47aは図において右端の端部がし渣分離槽6A,6Bの汚水出入口管40内の流路40aと連通し、図において左側の端部が水中ポンプ7A,7Bの吐出管44内の流路44bと連通している。
【0044】
固液分離スクリーン8A,8Bの流路47a内には、複数のスクリーン部材48が配置されている。スクリーン部材48は断面円形の比較的細い棒状体からなる。スクリーン部材48の断面形状は、円形に限定されず、多角形状等の他の形状であってもよい。個々のスクリーン部材48は、流路47a中の汚水の流れに沿うように配置されている。換言すれば、各スクリーン部材48は、流路47aの中心軸Cを含む仮想平面内に配置されている。例えば、図9に示す中心軸Cを含む平面Pには、2つのスクリーン部材48が配置されている。
【0045】
図8に示すように、個々のスクリーン部材48は基端48aが流路47aの壁部(ブロック47)に埋め込まれて固定されている。基端48aから流路47aの中心軸Cに対して一定の角度θ1をなして第1部分48bが延びている。また、第1部分48bからは中心軸Cに対して角度θ1よりも小さい一定の角度θ2をなして第2部分48cが延びている。従って、個々のスクリーン部材48は全体として基端側から先端側へ流路の中心軸Cに向かって延びており、基端側の第1部分48bよりも、先端側の第2部分48bがし渣分離槽6A,6B側に位置している。
【0046】
複数のスクリーン部材48は、流路47a内で円錐台形状をなすように配置されており、流路47aの中心軸C方向から見ると、スクリーン部材48の先端48dが円形(図9の符号α参照)に配置され、先端48dで囲まれた部分は汚水通過孔49を形成している。この汚水通過孔49の径は水中ポンプ7A,7Bの異物通過径以下に設定している。また、隣接するスクリーン部材48間の隙間50も異物通過径以下に設定している。
【0047】
ブロック47とスクリーン部材48からなる固液分離スクリーン8A,8Bは、固定部のみからなりフラップ(図20参照)のような可動部を備えていないので、可動部が動く領域を確保するために、流路47aの流路径D3を大きく設定する必要がない。本実施形態では、流路47aの流路径D3を必要最小限の大きさ、すなわち水中ポンプ7A,7Bの吐出管44の流路径D4と等しく設定している。
【0048】
図1から図4及び図8を参照して、水中ポンプ7A,7Bとし渣分離槽6A,6Bの接続構造について説明する。前述のように水中ポンプ7A,7Bの吐出管44のフランジ444aに固液分離スクリーン8A,8Bが固定され、この固液分離スクリーン8A,8Bのブロック47にはスライダ55の基端側がボルト56によって固定されている。このスライダ55の先端側には、下向きに突出するフック状突起55aが設けられている。このフック状突起55aには傾斜面55bが形成されている。一方、し渣分離槽6A,6Bの汚水出入口管40のフランジ40bの上部には、フック状突起55aの傾斜面55bと対応する傾斜面40cが設けられている。フック状突起55aの傾斜面55bが汚水出入口管40のフランジ40bの傾斜面40cに係止されることで、固液分離スクリーン8A,8Bがし渣分離槽6A,6Bの汚水出入口管40に対して位置決め状態で保持されている。フック状突起55aとフランジ40bの係合により接続しているので、単に昇降させるだけで水中ポンプ7A,7B及び固液分離スクリーン8A,8Bをし渣分離槽6A,6Bに対して着脱できる。
【0049】
マンホール4内には、各水中ポンプ7A,7B毎に鉛直方向に延びる一対の案内ロッド58A,58Bが設けられている。前述のスライダ55は両側部には切欠55cが形成されており、切欠55cは案内ロッド58A,58Bに嵌め込まれている。従って、案内ロッド58A,58Bに沿って水中ポンプ7A,7Bを昇降させることができる。
【0050】
次に、図10Aから図10Dをさらに参照して、第1実施形態の汚水中継ポンプ設備1の動作を説明する。通常、一対の水中ポンプ7A,7Bの一方が作動状態であれば、他方は停止状態であり、停止状態の水中ポンプに対応するし渣分離槽に流入管2A〜2Cからの汚水の流入が可能である。以下の説明では、特に言及しない限り、一方の水中ポンプ7A及び対応するし渣分離槽6Aに着目して説明する。
【0051】
図10Aに示すように、し渣を含む汚水が流入管2A〜2Cから流入槽5に流入する。流入槽5に流入した汚水は、流入槽5の底板15に開口した流入口27からし渣分離槽6Aに流入する。
【0052】
前述のように、し渣分離槽6Aの流入口27の流路径D1は、し渣分離槽6Aの流出管34の流路34aの流路径D2以下に設定している。従って、汚水出入口管40を通過できない大型のし渣は流入口27からし渣分離槽6A内に流入せず、流入槽5の底板15上に残る。従って、し渣分離槽6Aの汚水出入口管40や流出管34の閉塞を防止することができる。
【0053】
し渣分離槽6Aの流入口27や固液分離スクリーン8Aが一時的に閉塞した場合、流入管2A〜2Cから流入する汚水が流入槽5の側壁部16A〜16Dの下側部分、すなわち閉鎖板18A〜18Dで囲まれた部分から溢れてマンホール4に直接流入(越流)する。この越流する汚水に夾雑物ないしは大型のし渣が含まれていると、水中ポンプ7Aの作動時に吸込口にこの大型のし渣が吸い込まれて、閉塞が引き起こるおそれがある。しかし、側壁部16A〜16Dの上側部分には、スクリーン板21,22があり、汚水は水中ポンプ7Aの異物通過径以下の寸法であるスクリーン板21,22の開口21a,22aを通って、マンホール4内へ越流する。この際、汚水に含まれている異物通過径よりも大きい大型のし渣は、開口21a,22aを通過できずに流入槽5内に残る。従って、汚水の越流が生じた場合でもマンホール4内への大型のし渣の流入を防止し、それに起因する水中ポンプ7Aの閉塞を防止できる。
【0054】
図10Bに示すように、し渣分離槽6Aに流入した汚水は、さらに汚水出入口管40から固液分離スクリーン8Aを介して停止中の水中ポンプ7Aの吐出管44に流入し、水中ポンプ7A内を逆流して吸込管43からマンホール4内に放流される。固液分離スクリーン8Aの流路47aを通過する際に、スクリーン部材48によってし渣が分離されるので、し渣分離槽6A内にはし渣が蓄積され、し渣を分離済みの汚水がマンホール4の内に蓄積される。汚水通過孔49の径及び隣接するスクリーン部材48間の隙間50を異物通過径以下に設定しているので、水中ポンプ7Aの閉塞等の不都合を引き起こす可能性のあるし渣は、スクリーン部材48によって確実に捕捉される。一方、汚水自体は汚水通過孔49や隙間50を通って水中ポンプ7Aの吐出管44へ流れる。図10Cに示すように、し渣分離槽6A内のし渣が増加するのに伴って、ボール31が上昇する。
【0055】
マンホール4内が予め定められた水位に達したことを水位計10,11が検出すると、コントローラ9により水中ポンプ7Aが始動される。図10Dに示すように、水中ポンプ7Aが作動すると、マンホール4内の汚水が吸込管43から吸い込まれ、吐出管44から吐出される。水中ポンプ7Aによって吐出された汚水は、固液分離スクリーン8Aを通って汚水出入口管40からし渣分離槽6A内に圧送される。し渣分離槽6A内に蓄積されているし渣は、水中ポンプ7Aから圧送される汚水と共に、流出管34を介して送水管3に送られる。し渣分離槽6Aと流入槽5とを接続する流入口27はボール31が弁座32に着座することによって閉鎖されている。従って、し渣分離槽6Aから流入槽5へ汚水が逆流しない。
【0056】
前述のように固液分離スクリーン8Aのスクリーン部材48は、流路47a中の汚水の流れに沿って配置され、かつ基端側(水中ポンプ7A側)から先端側(し渣分離槽6A側)へ流路47aの中心軸Cに向かって延びている。そのため、スクリーン部材48は、し渣が流路47a中を水中ポンプ7A側からし渣分離槽6A側へ移動することを妨げる作用が極めて小さい。例えば、スクリーン部材48の先端48dはし渣分離槽6A側に向いているので、水中ポンプ7A側から渣分離槽6A側へ移動するし渣がスクリーン部材48の先端48d突き刺さって留まることがない。従って、汚水の流入時(図10Aから図10C参照)にスクリーン部材48によって捕捉されたし渣は、水中ポンプ7Aから吐出されてし渣分離槽6Aに向けて流路47aを流れる汚水により、簡単かつ確実にスクリーン部材48から洗い流されてし渣分離槽6Aに圧送される。より確実に水中ポンプ7Aが吐出する汚水によってスクリーン部材48からし渣を洗い流すためには、スクリーン部材48の第1及び第2部分48b,48cの角度θ1,θ2は5度以上60度以下の範囲に設定することが好ましい。
【0057】
前述のように固液分離スクリーン8Aは可動部を備えていないので、固液分離スクリーン8Aのブロック47に形成した流路47aの流路径D3は必要最小限の大きさ、すなわち吐出管44の流路径D4と等しく設定している。従って、水中ポンプ7Aから吐出されてし渣分離槽6Aに向かって流れる汚水がスクリーン部材48の付近で渦を発生するのを防止することができ、この渦によるし渣の滞留がない。従って、水中ポンプ7Aが吐出する汚水によってし渣分離槽6A内のし渣が確実に流出管34から送水管3に圧送され、し渣分離槽6A内に異物が残留せず、水中ポンプ7Aの停止時(図10Aから図10C参照)にはし渣分離槽6Aから水中ポンプ7Aへ円滑に汚水が流入する。
【0058】
図11Aから図11Cは、流入槽5のスクリーン板21,22の開口21a,22aの形状の代案を示す。図11Aの例では、開口21a,22aは菱形である。図11Bの例では開口21a,22aは円形である。図11Cでは開口21a,22aは細長いスリット状である。これら開口21a,22aは流路と同方向に延びていてもよく、流路と交差する方向に延びていてもよい。前述の水中ポンプの異物通過径以下の寸法を有するという条件を満たす限り、開口21a,22aの形状特に限定されない。
【0059】
図12A及び図12Bは、流入槽5の底板15及び開放部17の形状の代案を示す。図12Aの例では、底板15は面積の大きい細長い四角形状の本体61の一端に面積の小さい短い四角形状の付加部62を連設した形状である。側壁部16は底板15から鉛直方向上向きに延びており、開放部17は底板15と同様の形状を有する。底板15の本体61にし渣分離槽6A,6Bの流入口27が開口している。2本の流入管2A,2Bがマンホール4内に延びており、一方の流入管2Aの開口端2aは底板15の本体61の部分で開放部17から流入槽5の内部に延びており、他の流入管2Bは底板15の付加部62の部分で開放部17から流入槽5の内部に延びている。
【0060】
図12Bの例では、底板15は面積の大きい四角形状の本体61の両端に面積の小さい四角形状の付加部62,63を連設した形状である。側壁部16は底板15から鉛直方向上向きに延びており、開放部17は底板15と同様の形状を有する。3本の流入管2A〜2Cがマンホール4内に延びており、1本の流入管2Aの開口端2aは本体61の部分で開放部17から流入槽5の内部に延びており、残りの流入管2B,2Cはそれぞれ付加分62,63の部分で開放部17から流入槽5の内部に延びている。
【0061】
図13Aから図13Cは、固液分離スクリーン8の代案を示す。図13Aの例では、2種類の長さのスクリーン部材48A,48Bが交互に配置されている。スクリーン部材48Aがスクリーン部材48Bよりも長さが長い。スクリーン部材48Aの先端で囲まれた部分が汚水通過孔49を形成している。
【0062】
図13Bの例では、スクリーン部材48は湾曲ないしは折れ曲がりのない真直な形状であり、かつすべてのスクリーン部材48の長さが同一である。
【0063】
図13Cの例では、固液分離スクリーン8は、棒状のスクリーン部材に代えて、両端開口のテーパ状の筒体65を備える。筒体65にはスリット65aが形成されている。筒体65のスリット65aを設けていない部分65bがスクリーン部材として機能し、スリット65aは隣接するスクリーン部材48間の隙間として機能する。また、筒体65の小径側の開口端65cが汚水通過孔として機能する。
【0064】
(第2実施形態)
図14及び図15に示す本発明の第2実施形態では、流入槽5の側壁部の一部としてマンホール4の内周面4cを利用している。詳細には、流入槽5は平面視で円弧状の底板70を備えており、この底板70の外周側がマンホール4の内周面4cに当接している。また、底板70の内周側には鉛直方向上向きに延びる側壁部71A,71B,71Cが設けられている。底板70の長さ方向中央部分の側壁部71Aと、この側壁部71Aと連続する一対の側壁部71Bは、下側に開口等のない閉鎖部71aを備え、上側に縦方向に延びるスリット状の開口71bを設けたスクリーン部71cを備える。底板70の端部の一対の側壁部71Cは全体が閉鎖部となっている。
【0065】
3本の流入管2A〜2Cの開口端2aは、流入槽5までの延びておらず、マンホール4の内周面4cで止まっている。流入管2A〜2Cの開口端2aから流入槽5まで汚水を流すために、断面形状が半円形の上下方向に延びる樋体72A,72B,72Cが設けられている。これらの樋体72A〜72Cは、両側部がマンホール4の内周面4cに当接しており、マンホール4の内周面4cと共に汚水を自然流下させる流路を形成している。樋体72A〜72Cは、上端が流入管2A〜2Cの開口端2aと対応する位置まで延びており、下端は流入槽5の上方に位置している。
【0066】
各流入管2A〜2Cから樋体72A〜72Cを介して流入槽5に汚水が流入し、底板70の長さ方向中央部分に設けられた流入口27からし渣分離槽6A,6Bに流入する。
【0067】
第2実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
【0068】
(第3実施形態)
図16及び図17に示す本発明の第3実施形態では、流入槽5は平面視でマンホール4の内部の中央部分に配置されている流入槽本体81、流入管2A〜2Cから流入する汚水を収集するための収集槽82、及び収集槽82から流入槽本体81に汚水を導入するための連結流路83A,83B,83Cを備える。流入槽本体81の構造は第2実施形態の流入槽5と同様である。
【0069】
収集槽82は平面視で円弧状の底壁85を備え、この底壁85の外周側はマンホール4の内周面4cに当接している。底壁85の内周側には、鉛直方向に延びる側壁86が設けられている。収集槽82の上方は開放部87となっている。第2実施形態と同様に、流入管2A〜2Cの開口端2aはマンホール4の内周面4cで止まっており、各流入管2A〜2Cに対応する樋体72A〜72Cの下端は収集槽82の開放部87付近に位置している。
【0070】
連結流路83A〜83Cは平面視で各樋体72A〜72Cと対応する位置に設けられている。各連結流路83A〜83Cは、底壁88と底壁88の両側部から鉛直方向上向きに延びる側壁89とを備える。側壁89には開口等は設けられていない。各連結流路83A〜83Cの一端は収集槽82に連結され、他端は流入槽本体81に接続されている。
【0071】
各流入管2A〜2Cから樋体72A〜72Cを介して収集槽82に汚水が流入する。収集槽82から連結流路83A〜83Cを介して流入槽5に汚水が流入する。流入槽5の底板70に設けられた流入口27からし渣分離槽6A,6Bに汚水が流入する。
【0072】
第3実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
【0073】
マンホール型の汚水ポンプ中継設備を例に本発明を説明したが、本発明の他の形式の汚水中継ポンプ設備にも適用できる。例えば、汚水流入槽は地上に設置されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の第1実施形態に係るマンホール型の汚水中継ポンプ設備を示す断面図。
【図2】図1のII−II線での断面図。
【図3】図1のIII−III線での断面図。
【図4】流入槽、し渣分離槽、及び水中ポンプを示す一部断面部分拡大側面図。
【図5】流入槽、し渣分離槽、及び水中ポンプを示す部分拡大正面図。
【図6】流入槽、し渣分離槽、及び水中ポンプを示す部分拡大平面図。
【図7】流入槽を示す斜視図。
【図8】固液分離スクリーンを示す部分拡大断面図。
【図9】固液分離スクリーンを示す斜視図。
【図10A】し渣分離槽への汚水の流入開始時の状態を示す概略断面図。
【図10B】し渣分離槽への汚水の流入中の状態を示す概略断面図。
【図10C】し渣分離槽がし渣で満たされた状態を示す概略断面図。
【図10D】水中ポンプによりマンホール内の汚水をし渣分離槽を介して圧送する状態を示す概略断面図。
【図11A】流入槽の側壁板に形成した開口の第1の代案を示す部分正面図。
【図11B】流入槽の側壁板に形成した開口の第2の代案を示す部分正面図。
【図11C】流入槽の側壁板に形成した開口の第3の代案を示す部分正面図。
【図12A】流入槽の平面視での形状の第1の代案を示す模式的な平面図。
【図12B】流入槽の平面視での形状の第2の代案を示す模式的な平面図。
【図13A】固液分離スクリーンの第1の代案を示す正面図。
【図13B】固液分離スクリーンの第2の代案を示す斜視図。
【図13C】固液分離スクリーンの第3の代案を示す斜視図。
【図14】本発明の第2実施形態に係るマンホール型の汚水中継ポンプ設備を示す模式的な平面図。
【図15】図14のXV−XV線での断面図。
【図16】本発明の第3実施形態に係るマンホール型の汚水中継ポンプ設備を示す模式的な平面図。
【図17】図14のXVII−XVII線での断面図。
【図18】従来のソリッドセパレーション型の汚水中継ポンプ設備を示す横断面図。
【図19】図18のXIX−XIX線での断面図。
【図20】セパレーション弁を示す部分斜視図。
【符号の説明】
【0075】
1 汚水中継ポンプ設備
2A,2B,2C 流入管
2a 開口端
3 送水管
4 マンホール
4a 開口
4b マンホール蓋
5 流入槽
6A,6B し渣分離槽
7A,7B 水中ポンプ
8A,8B 固液分離スクリーン
9 コントローラ
10 投込式水位計
11 フロート式水位計
12 はしご
15 底板
28 円板
29 ボルト
16A,16B,16C,16D 側壁部
17 開放部
18A,18B,18C,18D 閉鎖板
19,20 支持部材
19a,20a 案内溝
21,22 スクリーン板
21a,22a 開口
25 台座
26 予旋回槽
27 流入口
31 ボール
32 弁座
34 流出管
35A,35B 送水支管
36 ボール弁
37 逆止弁
40 汚水出入口管
40c 傾斜面
41 ポンプ本体
42 水中モータ
43 吸込管
44 吐出管
47 ブロック
48 スクリーン部材
48a 基端
48b 第1部分
48c 第2部分
48d 先端
49 汚水通過孔
50 隙間
55 スライダ
55a フック状突起
55b 傾斜面
55c 切欠
58A,58B 案内ロッド
61 本体
62,63 付加部
65 筒体
65a スリット
65b 部分
65c 開口端
4c 内周面
70 底板
71A,71B,71C 側壁部
71a 閉鎖部
71b 開口
71c スクリーン部
72A,72B,72C 樋体
81 流入槽本体
82 収集槽
85 底壁
86 側壁
87 開放部
83A,83B,83C 連結流路
88 底壁
89 側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入管を介して上流側から流入する汚水を、送水管を介して下流側に送水する汚水中継ポンプ設備であって、
前記流入管及び前記送水管が内部まで延びている汚水貯留槽と、
前記汚水貯留槽内に配置され、前記流入管と前記送水管とに接続され、前記流入管からの汚水の流入は許可するが前記流入管への汚水の逆流を阻止する逆流防止機構を備えるし渣分離槽と、
前記汚水貯留槽内に配置され、吐出口が前記し渣分離槽と接続される一方、吸込口が前記汚水貯留槽内に開放し、停止時に吐出口から吸込口への汚水の逆流を許可する水中ポンプと、
前記し渣分離槽と前記水中ポンプの吐出口とを接続する流路に配置され、基端側が前記流路の壁部側に固定され、先端側が前記基端側よりも前記し渣分離槽側に位置する複数のスクリーン部材を備え、これら複数のスクリーン部材の先端側が前記水中ポンプの異物通過径以下の寸法の汚水通過孔を形成し、かつ隣接するスクリーン部材間の隙間が前記水中ポンプの異物通過径以下の寸法である固液分離スクリーンと
を備える、汚水中継ポンプ設備。
【請求項2】
前記複数のスクリーン部材は、それぞれ前記流路の中心軸を含む平面内に配置されている、請求項1に記載の汚水中継ポンプ設備。
【請求項3】
前記スクリーン部材は、少なくとも前記先端側が前記流路の中心軸と5度以上60度以下の範囲の角度をなしている、請求項2に記載の汚水中継ポンプ設備。
【請求項4】
前記スクリーン部材は、前記流路内で円錐台状に配置され、前記流路の中心軸方向から見て円形に配置されたスクリーン部材の先端が前記汚水通過孔を形成している、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の汚水中継ポンプ設備。
【請求項5】
前記スクリーン部材は棒状体からなる、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の汚水中継ポンプ設備。
【請求項6】
前記流路の口径が前記水中ポンプの吐出口の口径と等しいことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の汚水中継ポンプ設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−132192(P2006−132192A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−322249(P2004−322249)
【出願日】平成16年11月5日(2004.11.5)
【出願人】(000152170)株式会社酉島製作所 (89)
【Fターム(参考)】