説明

汚水枡用水質検査装置

【課題】汚水枡での水質検査を可能とし、メインテナンスも簡単で長期的に安定したデータをとることができる汚水枡用水質検査装置を提供する。
【解決手段】汚水枡50の上流側にある入水管56の管壁面内に弾性力による突っ張り状態で取り付けられる取付部12と、枡内のインバート58内にはめ込まれて計測槽36を画成する本体14と、本体14に固定されて計測槽36内の排水の水質を計測するセンサ16と、枡蓋52に吊下げられてセンサ16からのデータを記録するデータロガー18と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事業所からの排水または事業所排水と家庭排水の混合の排水を本管に接続する途中に設けられる汚水枡において、事業所または一般家庭からの排水の水質を検査する汚水枡用水質検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、事業所または一般家庭からの排水は検査する手立てがなく、本管において下水を採水して、その採水された排水の水質を検査することが一般的に行なわれている。
【0003】
しかしながら、本管には多数の事業者または一般家庭からの排水が流れているために、その水質を検査しても、その水質悪化の排出源の特定は困難で手間がかかる、という問題がある。
【0004】
また、採水は人手を使って行なわれるために、労力及び人件費がかかる、という問題がある。
【0005】
そのため、各事業所または各一般家庭からの排水が入水される汚水枡において排水の水質検査を行なうことが出来れば、排出源の特定に手間がないために便利であるが、従来、そのような装置の実用化に成功していなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、汚水枡での水質検査を可能とし、メインテナンスも簡単で長期的に安定したデータをとることができる汚水枡用水質検査装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、汚水枡に設置されて、汚水枡に流入される排水の水質を検査する水質検査装置であって、
汚水枡の上流側に連結される入水管の管壁面内に弾性力による突っ張り状態で取り付けられる取付部と、
枡内のインバート内にはめ込まれて計測槽を画成する本体と、
前記本体に固定されて前記計測槽内の排水の水質を計測するセンサと、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の前記取付部が、円弧状の断面形状をなす弾性帯体からなることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の前記弾性帯体の両端部に、それぞれその下流側に伸びる取手が設けられることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の前記取付部と前記本体とが、互いに折れ曲がり可能に連結されることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の前記本体に、上流側からの計測槽への排水の流入を許容し計測槽からの排水の流出を禁止する一方向弁が設けられることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の前記一方向弁が、上流側に向って上方が傾斜すると共に開口が穿設された固定プレートと、該固定プレートの下流側において該固定プレートの上端に一端が固着されて、他端側が開口を開閉可能となった可撓性の可動プレートと、を有することを特徴とする。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項5または6記載の前記一方向弁の上流側に、多数の孔が穿設された漂流物防止プレートが配置されることを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の前記本体に、枡内のインバートの内面形状に合致する形状を有するアタッチメントが必要に応じて取り付けられることを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の前記センサにケーブルを介して接続されてセンサからのデータを記録するデータロガーが、汚水枡の枡蓋に吊下げられることを特徴とする。
【0016】
請求項10記載の発明は、請求項9記載の前記データロガーが吊下げ金具を介して枡蓋に吊下げられており、該吊下げ金具は、データロガーを取り付けるデータロガー取付部と、枡蓋に取り付けられる枡蓋取付部とを有し、データロガー取付部は、枡蓋に形成された細長の貫通孔に対してある方向において貫通可能で別の方向で貫通不可能となっており、枡蓋取付部は貫通孔を貫通不可能となっていることを特徴とする。
【0017】
請求項11記載の発明は、請求項1ないし10のいずれか1項に記載のものにおいて、さらに、計測槽からの排水を汲み上げて採水する採水装置を備え、該採水装置は、センサから得られた計測データが所定の条件を満足する場合に作動することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、入水管の管壁面内に取付部が弾性力によって取り付けられ、本体が枡内のインバート内にはめ込まれるために、汚水枡の底面に装置が確実に取り付けられる。また、本体が計測槽を画成するために、汚水枡に流入される排水が間歇的なものであっても、安定して長期に渡り計測を行なうことができる。こうして、簡単なメインテナンスで汚水枡において水質を検査することができるようになる。
【0019】
請求項2記載の発明によれば、弾性帯体を用いることにより、入水管からの排水の流入を妨害することなく、取付部を入水管の管壁面内面に突っ張り状態で取り付けることができる。
【0020】
請求項3記載の発明によれば、取手同士の間隔を可変になるように操作することで、装置の取り付け、取り外し作業を簡単に行なうことができる。汚水枡外部から取手を直接持って操作することもでき、または汚水枡の深さが深いときには、冶具を用いて取手を操作して装置の取り付け、取り外し作業を行なうことができる。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、取付部と本体とをヒンジを介して折り曲げることによって、装置を取り付け、取り外す際に、円滑に汚水枡の上部開口から装置を出し入れすることができる。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、一方向弁によって、新たな排水があったときにその計測槽への流入を許容すると共に、計測槽からの流出を制限することで、計測槽に常時排水が貯留されるようにすることができる。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、常時は可動プレートの自重によって可動プレートが固定プレートに覆い被さることにより開口を閉じることができ、上流側からの排水があったときにのみその圧力によって可動プレートの他端側が固定プレートから離反して、開口を開くことができる。簡単な構成で一方向弁を構成することができる。
【0024】
請求項7記載の発明によれば、漂流物防止プレートによって、一方向弁に漂流物や流下物が詰まるのを防ぐことができる。
【0025】
請求項8記載の発明によれば、本体の外面形状がインバートの内面形状に合致しない場合にアタッチメントを本体に取り付けることで、インバートの内面形状に合致させることができる。こうして、インバート内に安定して本体を設置することができる。
【0026】
請求項9記載の発明によれば、データロガーを汚水枡内で常時排水に晒されることなく安定して配置することができる。
【0027】
請求項10記載の発明によれば、枡蓋を汚水枡から開いた状態で、データロガー取付部の方向性を枡蓋の貫通孔に合わせて該貫通孔を貫通させた後、データロガー取付部にデータロガーを取り付けて、枡蓋を閉じると、枡蓋取付部が貫通孔を貫通することができないためにデータロガーを枡蓋に吊下げることができる。枡蓋を開ける際には、吊下げ金具のデータロガー取付部の方向性を貫通孔を貫通しないように合わせて、枡蓋取付部を持ち上げると、枡蓋を開くことができる。
【0028】
請求項11記載の発明によれば、センサから得られた計測データが所定の条件を満足するとき、例えば、正常でない値を示しているときに、その時の排水を採水装置で汲み上げて採水しておくことによって、その採水されたサンプルを後日、調査に供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2は本発明の汚水枡用水質検査装置10の全体図である。図において、汚水枡用水質検査装置10は、大まかに、取付部12と、本体14と、センサ16と、データロガー18(図4参照)と、を備えている。
【0030】
取付部12は、断面形状が円弧状をなした弾性帯体20と、弾性帯体20の両端から下流側に向って延びる棒22の先端に形成されたリング状の取手24とを有している。リング状の取手24は、そのリング面が上下に向くように配置される。
【0031】
弾性帯体20の径は、弾性帯体20の自然状態で、汚水枡の上流側に連結される入水管の径よりもやや大きくなるように設定される。
【0032】
取付部12よりも下流側には、ヒンジ28を介して本体14が連結される。取付部12と本体14とは両者が折れ曲がるように揺動可能となっている。
【0033】
本体14は、汚水枡内の底部に形成される凹状の溝であるインバートに嵌め入れられるように適した半円筒形状の外ケース30と、外ケース30の最も上流側の入口に設けられた漂流物防止プレート32と、漂流物防止プレート32に整列してその下流側の外ケース30の内部に設けられた一方向弁34と、を備えており、一方向弁34と一方向弁34よりも下流側の外ケース30によって計測槽36が画成される。
【0034】
漂流物防止プレート32は、上方が下流側に傾斜しており、多数の孔32aが穿設されている。この漂流物防止プレート32は、排水に混入されている漂流物や流下物をせき止めて、これらが一方向弁34の作動を妨害しないようにするためのものである。
【0035】
一方向弁34は、上流側からの計測槽36への排水の流入を許容し計測槽36からの排水の流出を禁止するためのものであり、上流側に向って上方が傾斜するようにして外ケース30に固定された固定プレート38と、固定プレート38の下流側において固定プレート38の上端に一端が固着された可撓性の可動プレート40と、を有する。固定プレート38には、その下部に複数の開口38aが穿設されている。可撓性の可動プレート40は、ゴムのような弾性材からなるシートで構成することができ、その下端が可動して前記開口38aを開閉可能となっている。可動プレート40はその自重によって固定プレート38の開口38aを閉じる方向に付勢されるが、上流側の排水の流体圧によって開口38aから離反して開口38aを開くことができる。
【0036】
こうして、一方向弁34によって、計測槽36には常時排水が貯留されるようになっている。
【0037】
センサ16は、外ケース30の両側部に掛け渡された取付棒42に固定されており、その先端部分にある検出部16aが貯留槽36内に挿入されている。水質を計測するセンサ16としては、pHセンサ、濁度センサ、電気伝導度センサ、等を例示することができる。また、温度補償用に温度センサ16bを併設することができる。
【0038】
センサ16は、データカード内蔵のデータロガー18にケーブル44を介して接続される。
【0039】
以上のように構成される汚水枡用水質検査装置を汚水枡に設置するには、図3に示した汚水枡50の上部の枡蓋52を開けて、上部開口から挿入する。このときに、取付部12と本体14とがヒンジ28を介して折れ曲がり可能となっているために、狭い上部開口であっても、簡単に挿入することができる。汚水枡50の底部において、取付部12を上流側にある入水管56に挿入する。そして、取手24を持って弾性帯体20を縮径状態で挿入し、挿入後に解放すると、弾性帯体20が入水管56の管壁面内に突っ張り状態となる。また、本体14を汚水枡50の底部に形成されたインバート58にはめ込む。これによって、図4に示すように、本体14及び取付部12が汚水枡50の底部で固定される。
【0040】
また、本体14に固定されているセンサ16とケーブル44で接続されるデータロガー18に固定されたブラケットにはナスリング18aが設けられており、ナスリング18aは、吊下げ金具46に着脱可能に取り付けられる。吊下げ金具46は、図5に示したように、データロガー18が取り付けられるデータロガー取付部46aと、枡蓋取付部46bと、該取付部46aと46bを連結する連結棒46cとからなる。このデータロガー取付部46aと連結棒46cは、枡蓋52に形成された細長の貫通孔52aを貫通することができるのに対して、枡蓋取付部46bは貫通孔52aを貫通することができないようになっている。また、データロガー取付部46aは、方向によって細長の貫通孔52aを貫通することができるが、回転することで方向を変えると、貫通孔52aを貫通することができない形状になっている。
【0041】
吊下げ金具46は、枡蓋52を汚水枡50から開いた状態で、外部から枡蓋52の貫通孔52aにデータロガー取付部46aと連結棒46cを挿入し、挿入後のデータロガー取付部46aにデータロガー18のナスリング18aを取り付けて、枡蓋52を閉じる。而して枡蓋取付部46bが貫通孔52aを貫通することができないためにデータロガー18を枡蓋52に吊下げることができる。
【0042】
以上のように取り付けられた汚水枡用水質検査装置では、入水管56からの排水が汚水枡50に流出すると、漂流物、流下物以外の流体が漂流物防止プレート32を通過し、一方向弁34を通過して計測槽36に流入して計測槽36に貯留する。こうして、センサ16によって所定時間毎に排水の水質が計測されて、そのデータがデータロガー18に記録される。
【0043】
入水管56から間歇的または連続的に排水が汚水枡50に流入されると、圧力差により一方向弁34が開いて、計測槽36に新たな排水が流入し、計測槽36から余分な排水は溢れ出て、排出管60を通って本管に流れ出て行く。
【0044】
入水管56からの排水の流入が間歇的な場合であっても、入水管56からの新たな排水の流入があるまでは計測槽36に排水が貯留されているので、センサ16からのデータは途切れることなく、安定して計測を行うことができる。よって、センサ16が常時水中内にあることが必要なセンサであっても、センサ16の不良や故障を招くことなく、安定して計測を行なうことができる。
【0045】
また、データロガー18は防水を施されたものとすることが好ましいが、枡蓋52に吊下げられているので、排水量が増大した場合を除き常時は排水に晒されることなく、安定してデータの記録を行なうことができる。データロガー18に蓄積されたデータは、定期的な巡回によりデータカードの交換を行なって回収されるか、または、携帯型コンピュータにデータ転送される。または、枡蓋またはその周辺に配置された無線送信装置により、データを無線で基地局へと送信することも可能であり、その場合、電力はソーラ電池を利用することができる。
【0046】
こうして、頻繁なメインテナンスを不要とすることができ、省力化を図りつつ長期間に亘り安定して自動的に計測を行なうことができる。
【0047】
尚、汚水枡50に汚水枡用水質検査装置を取り付ける際または取り外す際に、汚水枡50が深いときには、直接取付部12の取手24に手が届かないので、その場合には、図8に示すような治具70を用いるとよい。冶具70は、遠隔で操作する操作部70aと、操作部70aに印加された操作力を伝達する伝達部材を内部に備える細長棒70bと、伝達部材によって伝達された操作力により一対の先端部70d、70dが開閉する作動部70cとを備えている。作動部70cの各先端部70dは、対応する取手24のリング内に挿入可能となっている。作動部70cの先端部70dを取手24に挿入して、操作部70aを操作して一対の取手24の相対距離を変化させることにより、冶具70を使用して作業を行うこともできる。
【0048】
枡蓋52を開ける際には、吊下げ金具46の枡蓋取付部46bを掴み、上方へと引っ張る。このときにデータロガー取付部46aと貫通孔52aとの方向性に注意して、両者が整合しないように吊下げ金具46を適宜回転させると、データロガー取付部46aが枡蓋52に係止されるので枡蓋52を持ち上げることができて、吊下げ金具46を用いて枡蓋52を簡単に開けることができる。
【0049】
入水管56の内径に複数の種類があるときには、インバート58の内径がそれに合わせて異なってくる。インバート58の内径の方が、本体14の半円筒形状の外ケース30の外径よりも大きく、本体14の外面形状がインバート58の内面形状に合致しない場合には、図6及び図7に示したようなアタッチメント48を適宜数取り付けることができる。アタッチメント48は、外ケース30に取り付けられる取付部48aと、インバート58の内周面に合致した周面部48bと、を有している。こうして、アタッチメント48によってインバート58の内面形状に合致させることができ、インバート58内に安定して本体14を設置することができる。
【0050】
図9は、本発明の他の実施形態を表す図である。この実施形態では、図1に示された汚水枡用水質検査装置に加えて、計測槽36内の排水を汲み上げる採水装置80を備えている。採水装置80は、ポンプ82と、採水容器84と、ポンプ82を介して計測槽36と採水容器84とを連結するチューブ86と、を備え、データロガー18と共に吊下げ金具46によって枡蓋52に支持されている。チューブ86は取付棒42に固定された固定具によって支持され、その先端は計測槽36内に侵入しており、常に計測槽36の排水内にある。また、チューブ86の先端にはストレーナ86aが設けられている。ポンプ82は、ケーブル88を介してデータロガー18内に設けられた制御部90に接続される。
【0051】
制御部90は、センサ16からの信号を取り込み、そのセンサ16から得られる計測データが所定の範囲にあるかどうかを判定すると共に、所定の条件を満足するとき、即ち計測データが所定の範囲にあるときに、ケーブル88を介してポンプ82の作動信号を所定時間出力して、採水容器84に十分な排水を溜めることができる時間だけポンプ82を駆動させるものである。
【0052】
また、ポンプ82には別途ポンプを駆動するための作動釦が設けられている。
【0053】
この実施形態によれば、センサ16が継続的に水質の計測を行なっており、例えば水質が異常値(例えばpH値が4以下または10以上)を示す場合に、そのときの排水を採水容器84に汲み上げておくことができる。通常は、一時的に異常値を示す排水があったとしてもそれを捉えることは困難であるが、この実施形態によれば、異常時を示す際の排水を保存しておくことができるようになり、追ってこの採水容器84を回収して検査等に供することができるようになる。採水容器84を回収後は、新たな採水容器84を採水装置80にセットしておくことができる。また、回収の際に、作動釦を操作してポンプ82を駆動して、洗浄水をチューブ86及びポンプ82に流すことにより、これらの洗浄を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の汚水枡用水質検査装置の全体斜視図である。
【図2】本発明の汚水枡用水質検査装置の側方から見た縦断面図である。
【図3】汚水枡に本発明の汚水枡用水質検査装置を設置する途中を表す図である。
【図4】汚水枡に本発明の汚水枡用水質検査装置を設置した状態を表す図である。
【図5】(a)は枡蓋の平面図、(b)は汚水枡の上部断面図である。
【図6】アタッチメントを本体に取り付けた状態を表す斜視図である。
【図7】アタッチメントを本体に取り付けた状態を表す一部横断面図である。
【図8】汚水枡用水質検査装置を汚水枡に取り付けるための冶具を表す図である。
【図9】本発明の汚水枡用水質検査装置の他の実施形態を表す図4相当図である。
【符号の説明】
【0055】
10 汚水枡用水質検査装置
12 取付部
14 本体
16 センサ
18 データロガー
20 弾性帯体
24 取手
28 ヒンジ
32 漂流物防止プレート
32a 孔
34 一方向弁
36 計測槽
38 固定プレート
38a 開口
40 可動プレート
44 ケーブル
46 吊下げ金具
46a データロガー取付部
46b 枡蓋取付部
50 汚水枡
52 枡蓋
52a 貫通孔
56 入水管
58 インバート
80 採水装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚水枡に設置されて、汚水枡に流入される排水の水質を検査する水質検査装置であって、
汚水枡の上流側に連結される入水管の管壁面内に弾性力による突っ張り状態で取り付けられる取付部と、
枡内のインバート内にはめ込まれて計測槽を画成する本体と、
前記本体に固定されて前記計測槽内の排水の水質を計測するセンサと、
を備えることを特徴とする汚水枡用水質検査装置。
【請求項2】
前記取付部は、円弧状の断面形状をなす弾性帯体からなることを特徴とする請求項1記載の汚水枡用水質検査装置。
【請求項3】
前記弾性帯体の両端部にはそれぞれその下流側に伸びる取手が設けられることを特徴とする請求項2記載の汚水枡用水質検査装置。
【請求項4】
前記取付部と前記本体とはヒンジによって折れ曲がり可能に連結されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の汚水枡用水質検査装置。
【請求項5】
前記本体には、上流側からの計測槽への排水の流入を許容し計測槽からの排水の流出を禁止する一方向弁が設けられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の汚水枡用水質検査装置。
【請求項6】
前記一方向弁は、上流側に向って上方が傾斜すると共に開口が穿設された固定プレートと、該固定プレートの下流側において該固定プレートの上端に一端が固着されて、他端側が開口を開閉可能となった可撓性の可動プレートと、を有することを特徴とする請求項5記載の汚水枡用水質検査装置。
【請求項7】
前記一方向弁の上流側には、多数の孔が穿設された漂流物防止プレートが配置されることを特徴とする請求項5または6記載の汚水枡用水質検査装置。
【請求項8】
前記本体には、枡内のインバートの内面形状に合致する形状を有するアタッチメントが必要に応じて取り付けられることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の汚水枡用水質検査装置。
【請求項9】
前記センサにケーブルを介して接続されてセンサからのデータを記録するデータロガーが、汚水枡の枡蓋に吊下げられることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の汚水枡用水質検査装置。
【請求項10】
前記データロガーは吊下げ金具を介して枡蓋に吊下げられており、該吊下げ金具は、データロガーを取り付けるデータロガー取付部と、枡蓋に取り付けられる枡蓋取付部とを有し、データロガー取付部は、枡蓋に形成された細長の貫通孔に対してある方向において貫通可能で別の方向で貫通不可能となっており、枡蓋取付部は貫通孔を貫通不可能となっていることを特徴とする請求項9記載の汚水枡用水質検査装置。
【請求項11】
さらに、計測槽からの排水を汲み上げて採水する採水装置を備え、該採水装置は、センサから得られた計測データが所定の条件を満足する場合に作動することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の汚水枡用水質検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−26257(P2008−26257A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201923(P2006−201923)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(506254329)三洋メトロジクス株式会社 (2)
【出願人】(591043581)東京都 (107)
【Fターム(参考)】