説明

汚濁物浮上分離回収方法及び装置

【目的】原水中に浮遊する微粒子状の細かな汚濁物であっても速やかに分離回収することができる汚濁物浮上分離回収方法及び装置を提供する。
【構成】無機凝集剤によりフロック化した汚濁物を含む原水が導水及び/又は貯溜される処理槽内に、原水の循環流や気泡が下方から上方へ通過可能なスリット状及び/又は細管状の複数の通路を有してなるフロック浮上促進装置と、原水中に気泡を発生する気泡発生装置と、を配設し、
発生する気泡をフロック浮上促進装置のスリット状及び/又は細管状の複数の通路の下方域で発生させることにより、発生した気泡の一部乃至は全部をスリット状及び/又は細管状の複数の通路を通過させて浮上又は循環させることでフロック化した汚濁物への気泡の付着とフロック化すると共に気泡の付着した汚濁物同士の結合を促進し、気泡が付着して浮上したフロック化した汚濁物を回収することを特徴とする汚濁物浮上分離回収方法及び装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は汚濁物浮上分離回収方法及び装置に関し、詳しくは、マイクロバブル又はエアバブルの如き気泡を利用して原水中の汚濁物をフロック化し、浮上分離させて回収する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
土木・建設工事では地盤を掘削する際に地中から流出する水によって大量の濁水が発生する。発生した濁水をポンプ等で排水しながら工事は行われるが、排水される濁水には大量の土砂が含まれているため、環境保全の面からそのままの状態での排水は例規上許されておらず、濁水の浄化処理を施して、土等と水とを分離する水処理作業が必要である。
【0003】
土木・建設工事での水処理に限らず一般に行われている水処理は、濁水中に懸濁している土等を凝集剤を用いてフロック化し、凝集沈殿させて固液分離を行い、沈殿したフロックを廃棄することで処理を行うものである。凝集沈殿に用いられる凝集剤としては、例えば、無機凝集剤(PAC:ポリ塩化アルミニウム)や高分子凝集剤(ポリアクリルアミド)が挙げられる。
【0004】
上記した凝集沈殿施設で処理された原水(一次処理済み水)には、沈降し切れなかった細かな汚濁物(鉱物質微粒子と凝集剤が混合したもの等)が浮遊状態で含まれており、かかる細かな汚濁物を含むフロックの沈降には時間を要するため、更なる浄化が必要な場合には処理に時間(滞留時間)が掛かってしまうという不都合を有している。
【0005】
そこで、例えば、特許文献1では、処理槽内にハニカム構造体を配設することで沈殿処理を促進させる技術が記載されている。
【0006】
特許文献1の技術は、ハニカム構造体を該ハニカム構造体のハニカム孔が被処理水の流れ方向に対して下方に傾斜状態となるように配設することで、被処理水がハニカム孔を通過することで該被処理水に含まれている汚泥物の沈殿処理が促進される技術である。
【0007】
【特許文献1】特許第3792577号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし特許文献1の技術では、ある程度の大きさまでの汚濁物については沈降速度が速くなることで沈殿処理が促進されるが、沈降することなく被処理水中に浮遊していた細かな微粒子状の汚濁物についてはハニカム孔を通過してもその一部乃至は多くは沈降することなく被処理水中を浮遊したままであり、かかる細かな汚濁物の沈殿処理による分離回収は変わらず困難のままであるという欠点を有している。
【0009】
そこで本発明の課題は、原水中に浮遊する微粒子状の細かな汚濁物であっても速やかに分離回収することができる汚濁物浮上分離回収方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する本発明は、下記構成を有する。
【0011】
1.被処理水である原水中に無機凝集剤を投入して該原水中の汚濁物をフロック化し、該フロック化した汚濁物にマイクロバブル又はエアバブルの如き気泡を付着させることで前記原水中から前記汚濁物を浮上分離させて回収する汚濁物浮上分離回収方法であって、
前記原水が導水及び/又は貯溜される処理槽内に、原水の循環流や気泡が下方から上方へ通過可能なスリット状及び/又は細管状の複数の通路を有してなるフロック浮上促進装置と、原水中に気泡を発生する気泡発生装置と、を配設し、
前記気泡発生装置から発生する気泡を前記フロック浮上促進装置の前記スリット状及び/又は細管状の複数の通路の下方域で発生させることにより、発生した気泡の一部乃至は全部を前記スリット状及び/又は細管状の複数の通路を通過させて浮上又は循環させることで前記フロック化した汚濁物への気泡の付着とフロック化すると共に気泡の付着した汚濁物同士の結合を促進し、気泡が付着して浮上したフロック化した汚濁物を回収することを特徴とする汚濁物浮上分離回収方法。
【0012】
2.前記原水が、凝集沈殿施設で処理された一次処理済み水であることを特徴とする上記1に記載の汚濁物浮上分離回収方法。
【0013】
3.前記原水中に高分子凝集剤を投入することを特徴とする上記1又は2に記載の汚濁物浮上分離回収方法。
【0014】
4.被処理水である原水中に無機凝集剤を投入して前記原水中の汚濁物をフロック化し、該フロック化した汚濁物にマイクロバブル又はエアバブルの如き気泡を付着させることで前記原水中から前記汚濁物を浮上分離させて回収する汚濁物浮上分離回収装置であって、
前記汚濁物浮上分離回収装置は、前記原水が導水及び/又は貯溜される処理槽と、原水の循環流や気泡が下方から上方へ通過可能なスリット状及び/又は細管状の複数の通路を有してなるフロック浮上促進装置と、前記処理槽内に配設されて前記フロック浮上促進装置の前記スリット状及び/又は細管状の複数の通路の下方域で気泡を発生させる気泡発生装置と、を有し、
前記気泡発生装置により発生された気泡の一部乃至は全部を前記フロック浮上促進装置の前記スリット状及び/又は細管状の複数の通路を通過させて浮上又は循環させることで前記原水中の汚濁物への気泡の付着とフロック化すると共に気泡の付着した汚濁物同士の結合を促進し、気泡の付着によって浮上したフロック化した汚濁物を回収する構成であることを特徴とする汚濁物浮上分離回収装置。
【0015】
5.前記フロック浮上促進装置の前記スリット状及び/又は細管状の複数の通路の前記気泡発生装置に近い側が高く、且つ遠い側が低くなるように、該フロック浮上促進装置を傾斜状態に配設したことを特徴とする請求項4に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0016】
6.前記フロック浮上促進装置が、複数のハニカム孔群を有してなるハニカム構造体からなることを特徴とする上記4又は5に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0017】
7.前記処理槽が、フロック化した汚濁物を浮上分離させる分離槽と汚濁物分離済みの処理済水を放流又は次槽へ送水する放流槽とに分離されており、該分離槽と該放流槽とが底面近傍乃至は低層域に設けた導水部を介して連通した構成であることを特徴とする上記4〜6のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0018】
8.前記分離槽と前記放流槽とが、一槽構成の処理槽内に配設した仕切板によって分離された構成であることを特徴とする上記7に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0019】
9.前記導水部の手前に、スリット状及び/又は細管状の複数の通路を有してなる気泡浸入抑制体を配設した構成であることを特徴とする請求項7又は6に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0020】
10.前記気泡浸入抑制体を、該気泡浸入抑制体の前記スリット状及び/又は細管状の複数の通路の導水部側の孔口が他方の孔口より低い位置となるように傾斜状態に配設したことを特徴とする請求項9に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0021】
11.前記気泡進入抑制体が、複数のハニカム孔群を有してなるハニカム構造体からなることを特徴とする上記9又は10に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0022】
12.前記仕切板の導水部の上方で且つ分離槽側に、前記分離槽内の循環流を制御する循環流調整板を配設したことを特徴とする上記7〜11のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0023】
13.浮上分離した汚濁物を液面を越流させることで回収する構成であることを特徴とする上記4〜12のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0024】
14.浮上分離した汚濁物を液面部分に回収部を配設した回収装置で回収する構成であることを特徴とする上記4〜12のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0025】
15.処理槽内への原水の導水が、ポンプ等の送水手段によって処理槽外から配管を介して導水する構成であることを特徴とする上記4〜14のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0026】
16.前記原水の導水位置が、前記気泡発生装置の気泡吐出口の吐出方向に正対視する位置であることを特徴とする上記15に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0027】
17.処理槽内への原水の導水が、前記気泡発生装置の稼動用の給水管を介して気泡発生と共に導水する構成であることを特徴とする上記4〜15のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0028】
18.前記無機凝集剤の投入位置が、前記気泡発生装置の気泡吐出口の吐出方向に正対視する位置であることを特徴とする上記4〜17のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0029】
19.前記無機凝集剤の投入位置が、前記気泡発生装置の稼動用の給水管内であることを特徴とする上記17に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0030】
20.前記原水中に高分子凝集剤を投入する高分子凝集剤投入手段を設けたことを特徴とする上記4〜19のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0031】
21. 前記高分子凝集剤の投入位置が、前記気泡発生装置の気泡吐出口の吐出方向に正対視する位置であることを特徴とする上記20に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0032】
22.前記高分子凝集剤の投入位置が、前記気泡発生装置の稼動用の給水管内であって、前記無機凝集剤の投入位置より下流位置であることを特徴とする上記20に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【0033】
23.前記原水が、凝集沈殿施設で処理された一次処理済み水であることを特徴とする上記4〜22のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【発明の効果】
【0034】
請求項1又は請求項4に示す発明によれば、原水中に浮遊する微粒子状の細かな汚濁物であっても速やかに分離回収することができる汚濁物浮上分離回収方法及び装置を提供することができる。
【0035】
原水中に浮遊する微粒子状の汚濁物は凝集してフロック化し、更にフロック化した汚濁物に気泡が付着することで該気泡が付着した汚濁物は気泡の浮力によって浮上することになる。かかる浮上により液面にまで浮上したフロック化した汚濁物は液面に溜まる。液面に溜まったフロック化した汚濁物には、処理槽中を循環する原水中に浮遊する汚濁物が接触した際に更に付着することで汚濁物を原水中から、より分離することができる。
【0036】
特に、フロック化し、更に気泡の付着した汚濁物は、フロック浮上促進装置のスリット状及び/又は細管状の複数の通路の中を原水と共に通過する際に、該スリット状及び/又は細管状の複数の通路の内壁面に次々に付着し、フロック化すると共に気泡の付着した汚濁物同士が結合して大型化することで更に浮力が増大するので、大型化による浮力の増大によって前記内壁面から離脱したフロック化した汚濁物は浮上速度が速い。従って、汚濁物を原水から速やかに分離して回収することができる。
【0037】
また、気泡発生装置から発生する気泡をフロック浮上促進装置の下方域で発生させることにより、気泡発生時に生じる乱流がフロック浮上促進装置によって妨げられると共に該フロック浮上促進装置のスリット状及び/又は細管状の複数の通路によって整流されるので、該フロック浮上促進装置の上方域の撹乱を抑制することができる。従って、原水中から浮上分離して液面に溜まったフロック化した汚濁物が再沈降したり散乱したりすることなく容易に回収を行うことができる。
【0038】
請求項2又は請求項23に示す発明によれば、既にある程度の大きさの汚濁物が分離回収され、原水中に浮遊する細かな微粒子状の汚濁物を浮上分離して回収することで一次処理済みの原水の更なる浄化が可能となる。
【0039】
請求項3又は請求項20に示す発明によれば、高分子凝集剤を投入することで原水中の汚濁物が凝集剤の高分子によってより付着し易くなるので浮上分離が更に促進されることになる。
【0040】
請求項5に示す発明によれば、スリット状及び/又は細管状の複数の通路を有してなるフロック浮上促進装置を傾斜状態に配設することで、フロック化すると共に気泡の付着した汚濁物が該スリット状及び/又は細管状の複数の通路の内壁面に、より付着し易くなるため、汚濁物同士の結合機会が増大することになり、より速やかに汚濁物同士が結合して大型化して浮力が増大するので、汚濁物の浮上速度をより速めることができる。従って、汚濁物を原水から更に速やかに分離して回収することができる。
【0041】
また、小さめにフロック化した汚濁物は浮力が小さく浮上速度が遅いことから、気泡発生装置から遠い位置まで低層域に留まり易いため、フロック浮上促進装置の気泡発生装置から遠い側を低い位置に配設することで、小さめにフロック化した汚濁物を該フロック浮上促進装置で捉えることで小さめのフロック同士を結合させることで、或いは大きなフロックに結合させることで、浮力を増大させて浮上速度を速めることができる。従って、小さめにフロック化した汚濁物であっても原水から速やかに分離して回収することができる。
【0042】
請求項6に示す発明によれば、ハニカム孔群は複数の細管状の通路が整然と規則正しく並ぶ構成を有していることから、フロック化すると共に気泡の付着した汚濁物が複数のハニカム孔群の各通路の内壁面に、より付着し易くなるため、汚濁物同士の付着機会が増大することになり、より速やかに汚濁物同士が付着して浮力が増大するので、汚濁物の浮上速度をより速めることができる。従って、汚濁物を原水から更に速やかに分離して回収することができる。
【0043】
請求項7に示す発明によれば、分離槽と放流槽との導水部を底面近傍乃至は低層域に設けたことにより、浮上途中のフロック及び/又は分離槽中で分離浮上して該分離槽の液面に溜まった汚濁物が前記導水部から放流槽への浸入を防ぐことができる。
【0044】
請求項8に示す発明によれば、一槽構成であっても仕切板を配設することで処理槽を分離層と放流槽の二槽構成とすることができる。
【0045】
請求項9に示す発明によれば、分離槽中の浮上途中にある小さめにフロック化した汚濁物が、液面に到達する以前に放流槽へ浸入してしまうことを効果的に防ぐことができる。
【0046】
請求項10に示す発明によれば、分離槽中の浮上途中にある小さめにフロック化した汚濁物が、液面に到達する以前に放流槽へ浸入してしまうことをより効果的に防ぐことができる。
【0047】
請求項11に示す発明によれば、ハニカム孔群は複数の細管状の通路が整然と規則正しく並ぶ構成を有していることから、分離槽中の浮上途中にある小さめにフロック化した汚濁物が、液面に到達する以前に放流槽へ浸入してしまうことをより確実に効果的に防ぐことができる。
【0048】
請求項12に示す発明によれば、導水部への流れを導水部から離れる方向への循環流に制御することができるので、浮力が小さな小さめにフロック化した汚濁物が循環流によって導水部から放流槽側へ侵入してしまうことを抑制したり、既に液面に浮上して溜まっているフロック化した汚濁物と結合することができる。
【0049】
請求項13に示す発明によれば、フロック化し、気泡が付着して原水中から浮上分離して液面に溜まった汚濁物を容易に回収することができる。
【0050】
請求項14に示す発明によれば、フロック化し、気泡が付着して原水中から浮上分離して液面に溜まった汚濁物を容易に回収することができる。
【0051】
請求項15に示す発明によれば、処理槽への原水の導水を処理装置の導水手段として一般的な手段であるポンプ等の送水手段によって行うことができる。この場合、気泡発生装置の稼動用の給水は処理槽内の原水を用いる槽内循環とすることができる。
【0052】
請求項16に示す発明によれば、気泡発生装置の気泡吐出口から吐出される気泡の旋回流の中に原水を導水することができるので、発生した気泡と導水された原水とが充分に撹拌混合されることになる。特に旋回流の中心は負圧状態となっているので、引き込まれるように混合するので撹拌混合効果が高い。
【0053】
請求項17に示す発明によれば、気泡発生装置の稼動用の給水と処理槽への原水の導水とを一緒に行うことができる。従って、処理槽へ原水を導水するのみのポンプ等の送水手段を不要とすることができる。
【0054】
請求項18に示す発明によれば、気泡発生装置の気泡吐出口から吐出される気泡の旋回流の中に無機凝集剤を投入することができるので、発生した気泡と導水された原水と無機凝集剤とが充分に撹拌混合されることになる。特に旋回流の中心は負圧状態となっているので、引き込まれるように混合するので撹拌混合効果が高い。
【0055】
請求項19に示す発明によれば、気泡発生装置の稼動用の給水管内部で原水と無機凝集剤とを撹拌混合することができ、更に気泡吐出時には原水と無機凝集剤と気泡とを充分に撹拌混合することができる。
【0056】
請求項21に示す発明によれば、気泡発生装置の気泡吐出口から吐出される気泡の旋回流の中に原水を導水することができると共に高分子凝集剤を投入することができるので、発生した気泡と導水された原水と投入された高分子凝集剤とが充分に撹拌混合されることになる。
【0057】
請求項22に示す発明によれば、気泡発生装置内部で原水と無機凝集剤と高分子凝集剤とを撹拌混合することができ、更に気泡吐出時には原水と無機凝集剤と高分子凝集剤と気泡とを充分に撹拌混合することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
以下、本発明に係る汚濁物浮上分離回収方法及び装置について図面に基づき詳細に説明する。
【0059】
図1は本発明に係る汚濁物浮上分離回収装置の一実施例を示す概略構成図、図2は導水部及び気泡浸入抑制体の配設例を示す要部概略構成図、図3は原水の導水位置の実施例を示す要部概略構成図、図4は無機凝集剤及び高分子凝集剤の投入位置の実施例を示す要部概略構成図である。
【0060】
図1に示すように、本発明に係る汚濁物浮上分離回収装置(以下、単に回収装置ということもある。)1は、被処理水である原水中にPAC(ポリ塩化アルミニウム)に代表される無機凝集剤を投入して該原水中の汚濁物をフロック化し、該フロック化した汚濁物にマイクロバブル又はエアバブルの如き気泡(以下、単に気泡ということもある。)を付着させることで前記原水中から前記汚濁物を浮上分離させて回収するものであり、原水が導水及び/又は貯溜される処理槽2と、該処理槽2内に配設されるフロック浮上促進装置3と、前記処理槽2内に配設されて前記フロック浮上促進装置3の下方域で気泡を発生させる気泡発生装置4と、を有して構成されている。
【0061】
処理槽2は、汚濁物が含まれる原水が導水され、処理のために貯溜される槽であり、この種の水処理槽として公知公用の材質や大きさ等の構成のものを特別の制限なく用いることができる。処理槽2への原水の導水は、土木・建設工事などで地中から流出発生した濁水をポンプ等で排水したものをそのまま直接或いは貯溜槽等を介して間接的に配管を通して処理槽2外から導水されるが、好ましくは凝集沈殿施設等である程度の汚濁物を分離回収した後の一次処理済み水を導水することである。本発明は、凝集沈殿施設等での一次処理によっても回収し切れなかった細かな微粒子状の汚濁物の分離回収に特に有効に用いられるものである。尚、図1、図3の(A)及び(B)、図4の(B)及び(C)に示す実施例は、原水を貯溜する原水貯溜槽8から導水した場合の構成例を示す。
【0062】
前記処理槽2は本実施例では、図1に示すように処理槽2内の任意の位置に配設した仕切板20によって、汚濁物を浮上分離する槽である分離槽21と汚濁物分離済みの処理済水を放流又は次槽へ送水する槽である放流槽22との二槽に分割すると共に、処理槽2の底面近傍乃至は低層域(図1に示す本実施例では最低層域)に設けた導水部23を介して連通した構成となっている。
【0063】
気泡発生装置4は、処理槽2外から気体を導入し、処理槽2内でマイクロバブル又はエアバブルの如き気泡を発生するものであり、この種の水処理技術に用いられる公知公用のマイクロバブル発生手段やエアバブル発生手段を特別の制限なく用いることができる。尚、図1に示す該気泡発生装置4の稼動用の給水は、処理槽2内の原水を用いる槽内循環によって行われる。
【0064】
前記気泡発生装置4によって発生する気泡は、下記にて詳説するフロック浮上促進装置3の下方に向かって発生させることで、原水中のフロック化した汚濁物に付着し、該気泡が付着したフロック化した汚濁物を気泡の浮力によって液面に向かって浮上させることになる。フロック化した汚濁物への気泡の付着は、フロック化した汚濁物の周囲に単に付着する場合だけでなく、マイクロバブル又はエアバブルの如き微細気泡の場合には気泡の周囲に汚濁物が付着して該気泡を内部に封入するように内包状態となる場合もあり、本発明では、前記した付着のみならず、内包状態となった場合も「付着」と言うこととする。
【0065】
フロック浮上促進装置3は、プロペラ体や回転羽根体等の動的撹拌手段を有する混合器ではなく、原水の循環流や気泡が下方から上方へ通過可能なスリット状及び/又は細管状の複数の通路を有してなる。前記気泡発生装置4によって発生した気泡が付着したフロック化した汚濁物が浮上の際に原水と共に、前記スリット状及び/又は細管状の複数の通路の中を通過するが、この通過の際に、該スリット状及び/又は細管状の複数の通路の内壁面に汚濁物が次々に付着し、付着した汚濁物同士が結合して大型化することになる。汚濁物同士の結合によって大型化することで更に浮力が増大し、浮力が前記内壁面に対する付着力を上回った時点で前記内壁面から離脱し、液面に向かって浮上することになる。大型化によって浮力が増大したフロック化した汚濁物は浮上速度が速いため、原水から速やかに分離することができる。
【0066】
フロック浮上促進装置3は、気泡発生装置4から発生した気泡が気泡吐出時の吐出流及び原水の循環流に乗ると共に該気泡の浮上力によって浮上する際にスリット状及び/又は細管状の複数の通路内を通過できる向き、即ち、各通路の孔口の一方が下向きに、他方が上向きの状態で分離槽21内に配設されるが、好ましくは、図1に示すように、気泡発生装置4に近い側が高く、且つ遠い側が低くなる傾斜状態に配設することである。フロック浮上促進装置3を傾斜状態に配設することで、各孔をフロック化すると共に気泡の付着した汚濁物が通過する際に、各通路の内壁面により付着し易くなるため、汚濁物同士の結合機会が増大することになり、より速やかに汚濁物同士が結合して大型化して浮力が増大するので、汚濁物の浮上速度をより速めることができる。
【0067】
フロック浮上促進装置3のスリット状及び/又は細管状の複数の通路の具体的構成としては、例えば、複数枚の邪魔板を任意の間隔で並列させることで各邪魔板間の間隙がスリット状の複数の通路として形成される構成、複数枚の波板を任意の間隔で並列させることで各波板間の間隙が波形のスリット状の複数の通路として形成される構成、角管又は丸管等の管体を複数本束ねることで細管状の複数の通路が形成される構成、ハニカム構造体の複数のハニカム孔群が通路となる構成、これらの混合混成、等を挙げることができ、中でもハニカム構造体を用いることで形成される構成が好ましい。
【0068】
スリット状及び/又は細管状の複数の通路内を通過し、液面に向かって浮上したフロック化した汚濁物は、液面に溜まることになる。液面に溜まった汚濁物は該液面を越流(オーバーフロー)させるか、該液面から吸引手段やスクレーパー等の掻取手段等の回収手段によって回収する。図1に示す本実施例では、液面に吸引管51を接触乃至は浸漬した回収装置5によって回収する構成を示す。
【0069】
汚濁物が分離除去された原水は、分離槽21内を循環し、導水部23を通って放流槽22へ導水される。放流槽22に導水された汚濁物分離済みの水(処理済水)は、放流(排水)されるか、又は次処理等が必要な場合には次槽等へ送水される。
【0070】
導水部23は、前述したように処理槽2の底面近傍乃至は低層域に設けられているため、気泡が付着したフロック化した汚濁物は前述したように浮上分離して液面に溜まった状態となるので、汚濁物が該導水部23を通過して放流槽22に浸入するのを抑制することができる。
【0071】
また、小さめにフロック化した汚濁物は付着する気泡も小さく浮力が弱いため、液面まで浮上することなく或いは一旦浮上した後に循環流によって下降して導水部23方向に向かう場合がある。かかる場合に該導水部23を通って放流槽22へ浸入してしまうことをより有効に防ぐために、図1に示すように、前記導水部23の手前に、スリット状及び/又は細管状の複数の通路を有してなる気泡浸入抑制体6を配設することが好ましい。導水部23の手前に気泡浸入抑制体6を配設することで、分離槽21中に浮遊する小さめにフロック化した汚濁物の放流槽22への浸入を効果的に防ぐことができる。
【0072】
更に、気泡浸入抑制体6は、図2に示すように、該気泡浸入抑制体6の通路の導水部23側の孔口が他方の孔口より低い位置となるように傾斜状態に配設することがより好ましい。気泡浸入抑制体6を配設することで、気泡が付着したフロック化した汚濁物は浮力を有しているため、各通路内を下降して通過することはできず放流槽22への浸入を防ぐことができる。また、分離槽21内の原水中に浮遊している小さめにフロック化した汚濁物についても、該汚濁物が気泡浸入抑制体6の通路内に入ったとしても、該通路内で汚濁物同士が結合することで浮力が増大し、増大した浮力によって通路内を下降して通過することはできなくなるので、放流槽22側へ浸入することはできず放流槽22への浸入をより効果的に防ぐことができる。
【0073】
気泡進入抑制体6のスリット状及び/又は細管状の複数の通路の具体的構成としては、前記下フロック浮上促進装置3と同様に、例えば、複数枚の邪魔板を任意の間隔で並列させることで各邪魔板間の間隙がスリット状の複数の通路として形成される構成、複数枚の波板を任意の間隔で並列させることで各波板間の間隙が波形のスリット状の複数の通路として形成される構成、角管又は丸管等の管体を複数本束ねることで細管状の複数の通路が形成される構成、ハニカム構造体の複数のハニカム孔群が通路となる構成、これらの混合混成、等を挙げることができ、中でもハニカム構造体を用いることで形成される構成が好ましい。
【0074】
また、前記仕切板20の導水部23の上方で且つ分離槽21側に、前記分離槽21内の循環流を制御する循環流調整板7を配設することが好ましい。循環流調整板7を配設することで、導水部23への流れを該導水部23から離れる方向への循環流に制御することができるので、気泡が付着した汚濁物が循環流によって導水部23から放流槽22側へ侵入してしまうことを抑制したり、或いは、浮上途中のフロック化した汚濁物が他の汚濁物と接触して結合する機会を増やすことで浮上分離を促進することができる。
【0075】
以上、本発明に係る汚濁物浮上分離回収の方法及び装置について実施例に基づき説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の範囲内において他の態様を採ることもできる。
【0076】
例えば、処理槽2に導水される原水の導水位置としては、図1に示す上記実施例では処理槽2外の原水貯溜槽8から分離槽21内に単に導水した構成としているが、図3の(A)に示すように、気泡発生装置4の気泡吐出口の吐出方向に正対視する位置とすることもできる。かかる位置に導水することで、気泡発生装置4の気泡吐出口から吐出される気泡の旋回流の中に原水を導水することができるので、発生した気泡と導水された原水とが充分に撹拌混合されることになる。特に、旋回流の中心は負圧状態となっているので、引き込まれるように混合するので撹拌混合効果が高く好ましい。
【0077】
また、図3(B)に示すように、原水を気泡発生装置4を稼動させるための給水ポンプ(図示せず)を用いて給水管41を介して気泡の発生と共に原水の導水を行う構成とすることもできる。
【0078】
尚、図1に示す実施例や図3(A)に示す実施例のように、原水の導水を気泡発生装置4による給水によって行わない構成の場合、該気泡発生装置4の稼動用の給水は処理槽2内に貯溜された原水を循環させること、即ち、槽内循環流による給水によって稼動する構成となる。
【0079】
尚また、原水の導水及び気泡発生装置4の給水は上記した各構成に限らずに他の構成とすることもでき、
例えば、
(1)処理槽2外(例えば、原水貯溜槽8等)から導水すると共に、別配管で気泡発生装置4による給水によって気泡を発生する構成、
(2)処理槽2外(例えば、原水貯溜槽8等)から導水すると共に、別配管で気泡発生装置4による給水によって気泡を発生し、更に該気泡発生装置4は槽内循環流による給水も行って気泡を発生する構成、
(3)気泡発生装置4の給水管41を介して処理槽2外(例えば、原水貯溜槽8等)から導水すると共に気泡を発生し、更に該気泡発生装置4は槽内循環流による給水も行って気泡を発生する構成、
等の各構成であってもよい。
【0080】
汚濁物浮上分離回収の処理に際しては、汚濁物のより凝集性を高めることでフロック化をより促進するために、高分子投入手段を設けることで、無機凝集剤に加えて高分子凝集剤を投入することが好ましい。高分子凝集剤の投入手段としては、この種の水処理技術に用いられる公知公用の手段が特別の制限なく挙げられ、投入される高分子凝集剤としては、この種の水処理技術に用いられる公知公用のものが特別の制限なく挙げられ、例えば、ポリアクリルアミドが好ましい。
【0081】
また高分子凝集剤の投入位置、及び前記した無機凝集剤の投入位置としては、処理槽2の分離槽21内に単に投入するだけでもよいが、図4の(A)又は(B)に示すように、前記気泡発生装置4の気泡吐出口の吐出方向に正対視する位置であることが好ましい。図4の(A)は、気泡発生装置4の気泡吐出口の吐出方向に正対視する位置に原水を導水すると共に無機凝集剤及び高分子凝集剤を投入する構成であり、図4の(B)は、気泡発生と共に原水を導水する気泡発生装置4の気泡吐出口の吐出方向に正対視する位置に無機凝集剤及び高分子凝集剤を投入する構成である。図4の(A)又は(B)のいずれの構成によっても、気泡発生装置4の気泡吐出口から吐出される気泡の旋回流の中に無機凝集剤及び高分子凝集剤を投入することができるので、気泡と原水と無機凝集剤と高分子凝集剤とが充分に撹拌混合されることになる。
【0082】
また、無機凝集剤及び高分子凝集剤の投入位置としては、図4の(C)に示すように、気泡発生装置4の稼動用の給水管41内に投入する構成であることも好ましく、更に、図4の(D)に示すように、槽内循環による給水によって稼動する気泡発生装置4に投入する構成であることも好ましい。図4の(C)に示す構成の場合、高分子凝集剤の投入位置は無機凝集剤の投入位置より下流位置であることがより好ましい。
【0083】
無機凝集剤の投入位置と高分子凝集剤の投入位置は、図4の(A)〜(D)に示す実施例では同じ位置としているが、本発明は異なる位置であってもよい。具体的には、無機凝集剤は気泡発生装置4の吐出方向に正対視する位置に投入して高分子凝集剤は気泡発生装置4の給水管41内に投入する構成や、或いは、無機凝集剤は気泡発生装置4の給水管41内に投入して高分子凝集剤は気泡発生装置4の吐出方向に正対視する位置に投入する構成等である。
【0084】
また、高分子凝集剤を投入しない構成の場合、即ち、無機凝集剤のみ投入する場合の投入位置は図4の(A)〜(D)に示す各実施例に示す位置のままとすることができる。
【0085】
また処理槽2は、上記した図1に示す実施例では一槽構成の処理槽2内に配設した仕切板20によって分離槽21と放流槽22とに分離した構成であったが、本発明はこれに限定されず、分離槽21と放流槽22の各々が独立した槽を有する二槽構成の処理槽2であってもよい。かかる構成の場合、導水部23は二槽構成の分離槽21と放流槽22とを底面近傍乃至は低層域で連通状態で接続する配管によって構成することができる。尚、かかる構成の場合、当然のことながら仕切板20は不要となる。
【0086】
更に、本発明が適用される水処理分野も土木・建設現場で発生する濁水の浄化処理に限らず、河川・湖沼・池・海等の水域における水浄化処理等、本発明の範囲内で適用可能な水浄化処理に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明に係る汚濁物浮上分離回収装置の一実施例を示す概略構成図
【図2】導水部及び気泡浸入抑制体の配設例を示す要部概略構成図
【図3】原水の導水位置の実施例を示す要部概略構成図
【図4】無機凝集剤及び高分子凝集剤の投入位置の実施例を示す要部概略構成図
【符号の説明】
【0088】
1 汚濁物浮上分離回収装置
2 処理槽
20 仕切板
21 分離槽
22 放流槽
23 導水部
3 フロック浮上促進装置
4 気泡発生装置
41 給水管
5 回収装置
51 吸引管
6 気泡浸入抑制体
7 循環流調整板
8 原水貯溜槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水である原水中に無機凝集剤を投入して該原水中の汚濁物をフロック化し、該フロック化した汚濁物にマイクロバブル又はエアバブルの如き気泡を付着させることで前記原水中から前記汚濁物を浮上分離させて回収する汚濁物浮上分離回収方法であって、
前記原水が導水及び/又は貯溜される処理槽内に、原水の循環流や気泡が下方から上方へ通過可能なスリット状及び/又は細管状の複数の通路を有してなるフロック浮上促進装置と、原水中に気泡を発生する気泡発生装置と、を配設し、
前記気泡発生装置から発生する気泡を前記フロック浮上促進装置の前記スリット状及び/又は細管状の複数の通路の下方域で発生させることにより、発生した気泡の一部乃至は全部を前記スリット状及び/又は細管状の複数の通路を通過させて浮上又は循環させることで前記フロック化した汚濁物への気泡の付着とフロック化すると共に気泡の付着した汚濁物同士の結合を促進し、気泡が付着して浮上したフロック化した汚濁物を回収することを特徴とする汚濁物浮上分離回収方法。
【請求項2】
前記原水が、凝集沈殿施設で処理された一次処理済み水であることを特徴とする請求項1に記載の汚濁物浮上分離回収方法。
【請求項3】
前記原水中に高分子凝集剤を投入することを特徴とする請求項1又は2に記載の汚濁物浮上分離回収方法。
【請求項4】
被処理水である原水中に無機凝集剤を投入して前記原水中の汚濁物をフロック化し、該フロック化した汚濁物にマイクロバブル又はエアバブルの如き気泡を付着させることで前記原水中から前記汚濁物を浮上分離させて回収する汚濁物浮上分離回収装置であって、
前記汚濁物浮上分離回収装置は、前記原水が導水及び/又は貯溜される処理槽と、原水の循環流や気泡が下方から上方へ通過可能なスリット状及び/又は細管状の複数の通路を有してなるフロック浮上促進装置と、前記処理槽内に配設されて前記フロック浮上促進装置の前記スリット状及び/又は細管状の複数の通路の下方域で気泡を発生させる気泡発生装置と、を有し、
前記気泡発生装置により発生された気泡の一部乃至は全部を前記フロック浮上促進装置の前記スリット状及び/又は細管状の複数の通路を通過させて浮上又は循環させることで前記原水中の汚濁物への気泡の付着とフロック化すると共に気泡の付着した汚濁物同士の結合を促進し、気泡の付着によって浮上したフロック化した汚濁物を回収する構成であることを特徴とする汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項5】
前記フロック浮上促進装置の前記スリット状及び/又は細管状の複数の通路の前記気泡発生装置に近い側が高く、且つ遠い側が低くなるように、該フロック浮上促進装置を傾斜状態に配設したことを特徴とする請求項4に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項6】
前記フロック浮上促進装置が、複数のハニカム孔群を有してなるハニカム構造体からなることを特徴とする請求項4又は5に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項7】
前記処理槽が、フロック化した汚濁物を浮上分離させる分離槽と汚濁物分離済みの処理済水を放流又は次槽へ送水する放流槽とに分離されており、該分離槽と該放流槽とが底面近傍乃至は低層域に設けた導水部を介して連通した構成であることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項8】
前記分離槽と前記放流槽とが、一槽構成の処理槽内に配設した仕切板によって分離された構成であることを特徴とする請求項7に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項9】
前記導水部の手前に、スリット状及び/又は細管状の複数の通路を有してなる気泡浸入抑制体を配設した構成であることを特徴とする請求項7又は6に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項10】
前記気泡浸入抑制体を、該気泡浸入抑制体の前記スリット状及び/又は細管状の複数の通路の導水部側の孔口が他方の孔口より低い位置となるように傾斜状態に配設したことを特徴とする請求項9に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項11】
前記気泡進入抑制体が、複数のハニカム孔群を有してなるハニカム構造体からなることを特徴とする請求項9又は10に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項12】
前記仕切板の導水部の上方で且つ分離槽側に、前記分離槽内の循環流を制御する循環流調整板を配設したことを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項13】
浮上分離した汚濁物を液面を越流させることで回収する構成であることを特徴とする請求項4〜12のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項14】
浮上分離した汚濁物を液面部分に回収部を配設した回収装置で回収する構成であることを特徴とする請求項4〜12のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項15】
処理槽内への原水の導水が、ポンプ等の送水手段によって処理槽外から配管を介して導水する構成であることを特徴とする請求項4〜14のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項16】
前記原水の導水位置が、前記気泡発生装置の気泡吐出口の吐出方向に正対視する位置であることを特徴とする請求項15に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項17】
処理槽内への原水の導水が、前記気泡発生装置の稼動用の給水管を介して気泡発生と共に導水する構成であることを特徴とする請求項4〜15のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項18】
前記無機凝集剤の投入位置が、前記気泡発生装置の気泡吐出口の吐出方向に正対視する位置であることを特徴とする請求項4〜17のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項19】
前記無機凝集剤の投入位置が、前記気泡発生装置の稼動用の給水管内であることを特徴とする請求項17に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項20】
前記原水中に高分子凝集剤を投入する高分子凝集剤投入手段を設けたことを特徴とする請求項4〜19のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項21】
前記高分子凝集剤の投入位置が、前記気泡発生装置の気泡吐出口の吐出方向に正対視する位置であることを特徴とする請求項20に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項22】
前記高分子凝集剤の投入位置が、前記気泡発生装置の稼動用の給水管内であって、前記無機凝集剤の投入位置より下流位置であることを特徴とする請求項20に記載の汚濁物浮上分離回収装置。
【請求項23】
前記原水が、凝集沈殿施設で処理された一次処理済み水であることを特徴とする請求項4〜22のいずれかに記載の汚濁物浮上分離回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−12370(P2010−12370A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−172005(P2008−172005)
【出願日】平成20年7月1日(2008.7.1)
【出願人】(504171134)国立大学法人 筑波大学 (510)
【出願人】(000172813)佐藤工業株式会社 (73)
【出願人】(000182030)若築建設株式会社 (39)
【Fターム(参考)】