説明

決済システム

【課題】遊技機前からユーザが移動することなく、現金以外の決済方法により、遊技媒体などの有価価値の購入を即時に行う。
【解決手段】この決済システムは、遊技機近傍に配置され、支払端末を有する有価価値提供装置と、有価価値提供装置と通信可能に接続されている店舗内サーバとを有し、ユーザ口座特定情報を記憶した記憶媒体からユーザ口座特定情報を読み取り、出力するカードリーダ部と、ユーザに決済処理に必要な情報を入力させるための入力部とを有し、有価価値提供装置はユーザ口座特定情報に基づいて処理要求メッセージを店舗内サーバに送信し、店舗内サーバは、処理要求メッセージに応じて、ユーザの口座から購入金額の振り替えを行うこと要求する決済要求メッセージを送信し、これに対する応答メッセージに応じて、有価価値提供装置に有価価値の提供を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済システムに関し、より詳しくは、例えば遊技場内で遊技機の前から移動することなく、デビットカードやいわゆる電子マネーのような現金以外の支払い方法による遊技媒体の購入を可能とする決済システムに関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード、デビットカード、電子マネーなど近年の支払い方法の多様化にともない、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技を提供する遊技場でも現金支払い以外の支払い方法で、遊技を楽しむことができるようにしてほしいとのユーザの要求が高まっているといわれる。
【0003】
ユーザは遊技場での遊技を行う場合、通常は現金で貸し玉や、貸しメダル、プリペイドカードなどの遊技媒体を購入し、これで遊技を行う。これら遊技媒体の購入手段として、現金以外の方法、デビットカードの利用も検討されるようになってきている。現状で遊技場に於いてデビットカードを利用する為に、ユーザは、カウンタや受付に設置されている、デビットカード対応のハウスカード発券機等を操作し、発券機はユーザのデビットカードを読み取りし、ユーザ識別情報をデビットカードから取得すると共に、テンキーパッドでユーザに暗証番号を入力してもらい、これらのユーザ識別情報や暗証番号とともに購入金額などを、予め契約してあるデビット決済センター経由で支払い処理を行う。その後、ユーザに購入金額と同額のプリペイドカード又は、ハウスカードに入金処理を行い、ユーザに渡す。購入代金は、予め契約してあるデビット決済センターで定められた期間で集計し、定められた手数料を差し引かれた後に遊技場店舗の口座に振り替えることにより、店舗側に対して支払いが行われる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、一般にユーザが遊技媒体を購入するのは、遊技を開始する際だけでなくもう少し遊技を継続したいという場合もある。このような場合は、一旦遊技を中断し、遊技台から離れて店舗内のカウンタ、受付やプリペイドカード、又はハウスカード発券機まで移動し、且つデビットカードの読み取りなどの手間を取っていては、ボーナスチャンスや特別遊技実行中など大量の遊技媒体の獲得機会を逸してしまう虞がある。
【0005】
本発明の目的は、遊技機前からユーザが移動することなく、現金以外の決済方法により、遊技媒体などの有価価値の購入を即時に行うことを可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための手段として、本発明は以下の特徴を有している。
本発明の第1の態様は、決済システムとして提案される。
この決済システムは、遊技機近傍に配置され、支払端末を有する有価価値提供装置と、有価価値提供装置と通信可能に接続されている店舗内サーバとを有する決済システムであって、支払端末は振込元口座であるユーザの口座を特定することが可能な情報であるユーザ口座特定情報を記憶した記憶媒体からユーザ口座特定情報を読み取り、読み取ったユーザ口座特定情報を出力するカードリーダ部と、ユーザに決済処理に必要な情報を入力させるための入力部とを有し、有価価値提供装置は、支払端末からのユーザ口座特定情報に基づいて処理要求メッセージを店舗内サーバに送信し、店舗内サーバは、処理要求メッセージに応じて、ユーザ口座特定情報によって特定されるユーザの口座から購入金額の振り替えを行うこと要求するメッセージである決済要求メッセージを送信し、この決済要求メッセージに対する応答メッセージに応じて、有価価値提供装置に払出指示メッセージを有価価値提供装置に送信し、有価価値提供装置は、払出指示メッセージに応じて有価価値の提供を実行することを特徴としている。
【0007】
この決済システムによれば、ユーザ(遊技者、購入者などに相当する)は、遊技機前からユーザが移動することなく、現金以外の決済方法により、遊技媒体などの有価価値の購入を即時に行うことが可能となる。
【0008】
本発明の第2の態様は、決済システムとして提案される。
この決済システムは、近距離通信により読み取り可能な記憶媒体を備えた移動体通信端末の記憶媒体を読み取り可能な有価価値提供装置と、有価価値提供装置と通信にて接続されている店舗内サーバとを有する決済システムであって、有価価値提供装置は、移動体通信端末の記憶媒体からユーザ識別情報を読み取り、このユーザ識別情報に基づいて処理要求メッセージを生成し、処理要求メッセージを店舗内サーバに送信し、店舗内サーバは、処理要求メッセージに応じて、ユーザの口座から購入金額の決済を要求するメッセージである決済要求メッセージを送信し、この決済要求メッセージに対する応答メッセージに応じて、有価価値提供装置に払出指示メッセージを有価価値提供装置に送信し、有価価値提供装置は、払出指示メッセージに応じてユーザに有価価値の提供を実行することを特徴としている。
【0009】
この決済システムによれば、遊技機前からユーザが移動することなく、現金以外の決済方法により、遊技媒体などの有価価値の購入を即時に行うことを可能とし、且つ購入を行うごとに暗証番号の入力を行うことは必要ないため、ユーザを煩わせることなく即時の購入が可能となり、またユーザの個人所有の移動体通信端末を使用する事から、暗証番号の盗み見や盗み取りが行われる恐れもなくすることができる。
【0010】
また、決済システムは、移動体通信端末からユーザの口座番号を含むユーザ口座特定情報を受信し、ユーザを特定するユーザ識別情報と対応付けて、このユーザ口座特定情報を記憶し、店舗内サーバからユーザ識別情報を受信すると、そのユーザ識別情報に対応するユーザ口座特定情報を店舗内サーバに送信するユーザ管理サーバをさらに有するものであってもよい。
【0011】
かかる決済システムによれば、複数の店舗内での有価価値の購入を一括してユーザ管理サーバにて管理することが可能となり、ユーザは複数の異なる店舗でも本決済システムを利用することが可能となる。
【0012】
本発明の第3の態様は、決済システムとして提案される。
この決済システムは、振込元口座であるユーザの口座を特定することが可能な情報であるユーザ口座特定情報を記憶可能な記憶媒体であって、近距離通信により読み取り可能な記憶媒体を備えた移動体通信端末の記憶媒体を読み取り可能な有価価値提供装置と、有価価値提供装置と通信可能に接続されている店舗内サーバとを有する決済システムであって、有価価値提供装置は、移動体通信端末の記憶媒体からユーザ口座特定情報を読み取り、このユーザ口座特定情報を含む処理要求メッセージを生成し、この処理要求メッセージを店舗内サーバに送信し、店舗内サーバは、処理要求メッセージに応じて、ユーザ口座特定情報に対応するユーザの口座から購入金額に応じた額を振込先口座に振り込むことを要求するメッセージである決済要求メッセージを送信し、この決済要求メッセージに対する応答メッセージに応じて、有価価値提供装置に払出指示メッセージを有価価値提供装置に送信し、有価価値提供装置は、払出指示メッセージに応じて有価価値の提供を実行することを特徴としている。
【0013】
この決済システムによれば、この決済システムによれば、遊技機前からユーザが移動することなく、現金以外の決済方法により、遊技媒体などの有価価値の購入を即時に行うことを可能とし、且つ購入を行うごとに口座番号の入力を行うことは必要ないため、ユーザを煩わせることなく即時の購入が可能となり、また利用者の個人所有の移動体通信端末を使用する事から、口座番号の盗み見や盗み取りが行われる恐れもなくすることができる。
【0014】
また、決済システムは、ユーザ口座特定情報と、ユーザを一意に特定するユーザ識別情報とを対応付けて記憶したデータベースを有し、移動体通信端末から読み取ったユーザ口座情報とユーザ識別情報とが対応するか否かをデータベースを用いて判定し、判定の結果を店舗内サーバに送信するユーザ管理サーバをさらに有するものであってもよい。
【0015】
かかる決済システムによれば、複数の店舗内での有価価値の購入を一括してユーザ管理サーバにて管理することが可能となり、ユーザは複数の異なる店舗でも本決済システムを利用することが可能となる。
【0016】
また、上記第1から第3の態様の決済システムは、店舗内サーバから受信した購入金額を振込先口座ごとに集計して記憶し、集計した購入金額から一定の手数料を差し引いた額を各振込先口座に振り込こむことを要求するメッセージを金融機関勘定系システムに送信する決済サーバをさらに有するようにしてもよい。
【0017】
かかる決済システムによれば、振込み処理回数を減らすことが可能となり、よりコスト低減が可能な決済システムを提供できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザは、遊技機前からユーザが移動することなく、現金以外の決済方法により、遊技媒体などの有価価値の購入を即時に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
[1.第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態は、決済システムとして提案される。この決済システムは、ユーザが遊技媒体を購入する際に遊技中の遊技台から離れることなく、デビットカードによる決済を実現したシステムである。
【0020】
図1は、決済システムの構成例を示すブロック図である。
決済システム1は、有価価値提供装置10と、有価価値提供装置10に設けられた支払端末20と、有価価値提供装置10と通信可能に接続されている店舗内サーバ30と、店舗内サーバ30とネットワーク40を介して接続可能な決済サーバ50とを有している。
【0021】
有価価値提供装置10は、有価価値の購入を本決済システムを用いて行う為のものであり、ユーザからの有価価値購入の操作に応じて、購入額に応じた有価価値をユーザに提供する装置である。支払端末20は、ユーザからの有価価値購入の操作を受け付けるための装置であり、また有価価値購入の操作に関連して必要な情報(操作内容の確認、決済システムの処理結果通知など)をユーザに表示するための装置である。店舗内サーバ30は、支払端末20からの入力内容情報を受け付け、これに基づいて決済サーバ50に対する決済要求メッセージを生成し、これを送信し、且つ決済サーバ50からの応答メッセージに応じて、有価価値の提供を指示する払出指示メッセージを有価価値提供装置10に送信する装置である。
【0022】
決済サーバ50は、店舗内サーバ30からの決済要求メッセージに応じて、ユーザの口座から指定された金額(購入代金、手数料など)を店舗内サーバ30が指定する振込先口座(例えば、遊技場運営者の口座、或いは代金収納代行業者の口座)に振り替える処理を行うシステムであって、例えばデビットカードサービスを行う、情報処理センター、CAFIS(Credit And Finance Information System カード決済情報センター)などである。なお、図示はしていないが、決済サーバ50は、振り込み元口座であるユーザの口座や、振込先口座である店舗経営者、店舗運営者の口座の入出金を処理する金融機関勘定系システムに接続されている。
【0023】
なお、決済サーバ50は、指定された金額である購入金額を振り込み元口座であるユーザの口座から遊技場経営者の口座、遊技場運営者の口座などである振込先口座に直接勝つ逐次的に振り替えるように金融機関勘定系システムに要求するように動作してもよい。また、ユーザの口座から指定された金額を、最終的な振込先口座である遊技場経営者の口座、遊技場運営者の口座とは異なる別の口座(例えば本決済システム1の管理運営会社の口座など)振り込ませるとともに、一定期間ごとに各遊技場経営者の口座、遊技場運営者の口座に振り込むべき金額を集計し、予め定められた期日で、集計した金額から一定の手数料を差し引いた後に最終的な振込先口座であるそれぞれの遊技場経営者の口座、遊技場運営者の口座に振り込こむよう、金融機関勘定系システムに要求するように動作するものであっても良い。
【0024】
図2は、第1の実施の形態にかかる有価価値提供装置10及び支払端末20の構成例を示す図である。
ユーザ100(以下ユーザともいう)は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機(図略)の近傍に着席して遊技を行う。遊技機の隣には、サンドマシンと呼ばれる有価価値提供装置10が設置されている。有価価値提供装置10は、ユーザが遊技媒体(貸し玉、貸しメダル、プリペイドカードなど)を購入するための操作を支払端末20、或いは図示しない有価価値提供装置10の操作部(テンキー、タッチパネルなどを備えた入力装置)を用いて行うと、有効な支払いが行われた場合に購入金額に応じた有価価値である遊技媒体を出力する。
【0025】
[1.1.有価価値提供装置]
有価価値提供装置10は、ユーザが電子決済を行った対価として、なんらかの有価価値(金銭の支払いにより購入できる有体物、無体物をいうものとする)をユーザに提供する装置である。有価価値提供装置10は、例えば、遊技場のサンドマシンと呼ばれる玉貸し機、メダル貸し出し装置、或いはプリペイドカード発券装置などである。
【0026】
図3は、有価価値提供装置10の構成例を示す機能ブロック図である。以下、図3を参照しながら有価価値提供装置10の構成について説明する。
有価価値提供装置10は、通信処理部201と、提供制御部202と、有価価値供給部203と、支払端末204とを有している。
【0027】
通信処理部201は、店舗内サーバ30と通信を実行する機能を有し、例えば、プロトコルスタックを搭載したネットワークボード、ネットワークカードなどである。なお、通信処理部201は、支払端末204から入力されたデータの内容を秘匿する通信、例えばSSLなどの暗号化技術を用いた暗号化通信を行う。これにより、支払端末204から入力された内容が、第三者に盗み見されたり改ざんされたりすることが起こらないように構成されている。ただし、通信処理部201と店舗内サーバ30との間の通信手段が、第三者に盗み見されたり改ざんされたりする恐れのない通信手段、例えば専用回線などである場合には、暗号化通信を行う必要は低いが、暗号化する事が望ましい。
【0028】
提供制御部202は、通信処理部201、有価価値供給部203の動作を命令・制御する機能、及び支払端末204の出力信号を受け取り、処理要求メッセージを生成して店舗内サーバ30に送信させる機能を有する。また、提供制御部202は、店舗内サーバ30から払出指示メッセージを受信すると、後述する有価価値供給部203に駆動信号を送り、ユーザ100に対して購入代金に応じた有価価値の供給を行わせる機能を有する。提供制御部202は、例えば有価価値提供装置10を実現するためのプログラムを搭載したマイクロコンピュータである。
【0029】
有価価値供給部203は、提供制御部202の命令に応じて、有価価値をユーザ100に提供する機能を有する。有価価値供給部203は、例えば、玉貸し機の貸し玉出力部、メダル貸出機のメダルホッパー、プリペイドカード発券機におけるカード発行部などである。
【0030】
ここにいう「有価価値」は、金銭により購入可能なものであれば、どのようなものでもよく、貸し玉、貸しメダル、プリペイドカード、オンバリューカード(ハウスカード)又はこれらの同等品などである。なお、有価価値提供装置10は、必ずしも有価価値供給部203を有していなければならないものではなく、隣接する遊技機(図略)のメダルホッパーや賞球供給機構を提供制御部202により制御して、遊技球やメダルをユーザ100に供給する構成としても本発明は成立する。
【0031】
支払端末204は、ユーザ100が有価価値提供装置10の前、すなわち遊技機近傍に着席している状態で、デビットカードなどの決済手段を用いて有価価値の購入手続きを行うための機器であって、例えば、有価価値提供装置10の近傍にユーザ100が操作可能な状態で設置されている機器である。
【0032】
図4は、支払端末204の構成例を示す機能ブロック図である。以下、図4を参照しながら、支払端末204の構成例を説明する。支払端末204は、制御部401と、制御部401に接続されたカードリーダ部402,テンキー部403,表示パネル部404とを有している。また、制御部401は、提供制御部202に支払命令コマンドなどを送信できるように接続されている。
【0033】
制御部401は、カードリーダ部402、テンキー部403からの出力信号を受信して、処理要求メッセージを生成し、通信処理部201を介して店舗内サーバ30に送信する機能を有する。また、制御部401は、テンキー部403による入力結果、及び/又は店舗内サーバ30からの通知内容を表示パネル部404に出力して、表示させる機能を有する。制御部401は、例えば、CPU、ROM,RAMを備えたマイクロコンピュータなどである。
【0034】
カードリーダ部402はユーザ100が保持する記憶媒体(例えば、磁気カード、ICカードなど)から情報を読み取り、読み取った情報を出力する装置であって、例えば磁気カードリーダ、接触式ICカードリーダなどである。カードリーダ部402が読み取る情報は、例えば、ユーザ識別情報(例えば、ユーザ100を一意に特定するユーザIDなど)、ユーザの口座番号などである。
【0035】
テンキー部403は、ユーザ100が暗証番号など、上記記憶媒体を利用した決済処理に必要な情報を入力するための装置であって、例えば、1から0までの各数字に対応したキー、及びエンターキーなどを有するテンキーパッド装置である。
【0036】
表示パネル部404は、ユーザ100の入力内容を表示することによってユーザ100に入力内容を確認させ、また店舗内サーバ30を経由して決済サーバ50からの処理内容をユーザ100に表示し、支払いがなされたか否かを確認できるようにする機能を有している。表示パネル部404は、例えば液晶ディスプレイ装置、或いは7セグメントLED表示機である。
【0037】
[1.2.店舗内サーバ]
次に、店舗内サーバ30について説明する。店舗内サーバ30は、遊技場やゲームセンターなどの店舗内に配置された複数の有価価値提供装置10からの処理要求メッセージに応じて、支払端末20からの入力内容情報(例えば、カードリーダ部402が読み取ったユーザID,テンキー部403から入力されたユーザ100の暗証番号など)を受信し、これに基づいて決済サーバ50に対する決済要求メッセージを生成して送信し、決済サーバ50からの応答メッセージ(例えば、決済が完了したことを知らせるメッセージ、或いは残高不足などの理由で決済が不能であったことを知らせるメッセージ、など)に応じて、有価価値提供装置10に有価価値の提供を指示するメッセージ、或いは提供はできない旨のメッセージを有価価値提供装置10に送信する装置である。
【0038】
店舗内サーバ30は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置であって、例えばコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置である。前記ROM、若しくはハードディスク装置などに情報処理装置を店舗内サーバ30として機能させるためのプログラム、又は決済方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが記憶されており、このプログラムを主メモリ上に載せ、CPUがこれを実行することにより店舗内サーバ30が実現され、若しくは電子決済方法が実行される。また、上記プログラムは必ずしも情報処理装置内の記憶装置に記憶されていなくともよく、外部の装置(例えば、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダのサーバなど))から提供され、これを主メモリに乗せる構成であってもよい。さらに、この店舗内サーバ30は単体の装置で構成されていてもよいし、複数の装置をネットワークにより結合して構成されるものでもよい。店舗内サーバ30は、一箇所に全ての機能を集約したセンター構成であってもよいし、また、機能ごとに分割し、分散処理可能な分散サーバ構成であってもよい。
【0039】
図5は、店舗内サーバ30の構成例を示す機能ブロック図である。店舗内サーバ30は、提供装置側通信処理部501と、決済処理要求部502と、ネットワーク側通信処理部503と、決済結果処理部504とを有している。
【0040】
提供装置側通信処理部501は、有価価値提供装置10の通信処理部201とデータの送受信を行う機能を有し、例えば、プロトコルスタックを搭載したネットワークボード、ネットワークカードなどである。
【0041】
決済処理要求部502は、支払端末204から通信処理部201、提供装置側通信処理部501を経由して受信したユーザ入力情報(カードリーダ部402によって読み取った情報(例えば、ユーザID)、テンキー部403から出力された情報(例えば、暗証番号)、及び制御部401によって追加された情報(例えば、有価価値提供装置10を特定する情報、有価価値提供装置ID))を受け取り、これに基づいて決済要求メッセージを生成して、ネットワーク側通信処理部503により決済要求メッセージを決済サーバ50に送信する。
【0042】
ネットワーク側通信処理部503は、データを所定のプロトコルに従って宛先アドレスに宛てたパケットとして送出し、また店舗内サーバ30宛てにネットワーク40を介して送信されたパケットを受信し、このパケットに基づいて送信されたデータを取り出す機能を有している。ネットワーク側通信処理部503は、例えば、TCP/IPなどのプロトコルスタックを実行するネットワークボード、ネットワークカードなどである。
【0043】
なお、店舗内サーバ30と有価価値提供装置10との通信と、店舗内サーバ30と決済サーバ50との通信が同一のプロトコルを使用して行われる場合には、提供装置側通信処理部501及びネットワーク側通信処理部503は別々に設ける必要はなく、いずれか一方で有価価値提供装置10と決済サーバ50の双方の通信を行わせるようにすればよい。
【0044】
決済結果処理部504は、決済処理要求部502によって生成された支払要求メッセージに対する決済サーバ50による応答メッセージを処理する機能を有する。具体的には、決済結果処理部504は、決済サーバ50からの応答メッセージが支払いが完了したことを示す場合には、有価価値提供装置10に対して購入額に相当する有価価値の提供を行うよう指示する払出指示メッセージを生成し、これをその有価価値提供装置10に宛てて送信する。また、決済サーバ50からの応答メッセージが、支払いができなかったことを示す場合には、決済結果処理部504は、有価価値提供装置10に対して購入はできない旨を通知するメッセージを生成し、これをその有価価値提供装置10に宛てて送信する。
【0045】
[1.3.決済サーバ]
決済サーバ50は、店舗内サーバ30からの決済要求メッセージを受信すると、決済要求メッセージが格納している購入金額、振込み元口座となるユーザ口座、振込先口座となる店舗運営者口座、ユーザ認証を行う暗証番号に基づいて、ユーザ口座から購入金額を店舗運営者口座に振り替えるよう金融機関の勘定系システム(図略)に要求し、勘定系システムからの処理結果通知に基づいて、店舗内サーバ30に応答メッセージを送信する機能を有する。なお、店舗内サーバ30が直接に各金融機関の勘定系システムと通信できる場合は、決済サーバ50を設ける必要はなく、店舗内サーバ30と各金融機関の勘定系システムと直接通信させる構成としても、本発明は成立する。
【0046】
なお、決済要求メッセージには、振込元口座であるユーザ口座を示す情報、振込先口座である店舗運営者口座を示す情報を格納するのではなく、ユーザを特定する情報であるユーザID,振込先口座を特定する情報である振込先IDを格納する方式としても本発明は成立する。この場合、決済サーバ50があらかじめユーザIDとユーザ口座、振込先IDと店舗運営者口座を関連付けて記憶するデータベースを有しているようにして、決済サーバ50がこのデータベースを参照してユーザ口座、店舗運営者口座の情報を取得する構成としてもよい。
【0047】
また、決済システム1は、上記のデータベースを決済サーバ50に持たせるのではなく、このようなデータベースを有するデータベースサーバであるユーザ管理サーバ(図略)をさらに有する構成としても良い。
【0048】
[1.4.ネットワーク]
ネットワーク40は、有線・無線、専用回線・交換回線を問わず、これに接続されている装置がそれぞれ目的とする装置に対しセッションを確立したときにその装置間での情報の送受を可能とするように作用する。ネットワーク40は、インターネットのように、ゲートウエイを介して複数のネットワークが組み合わされて実現しても構わない。また、その接続についてもいわゆるバックボーンといわれる基幹線に直接接続せずとも、PPP接続などによって一時的に接続してあっても、セッションを確立したときにその間で情報の送受ができるようになっていれば構わない。なお、上記「ネットワーク」は専用回線を固定的に張りめぐらせたような、交換機、スイッチ、ルータなど経路切り替え手段を用いない通信網も含むものとする。
【0049】
[2.動作例]
次に、決済システム1の動作について図6を参照しながら説明する。図6は、決済システム1の動作例を示すシーケンス図である。
【0050】
まずはじめに、デビットカードなどの記憶媒体を使った決済を希望するユーザ100が有価価値提供装置10の前にいるものとする。ユーザ100は、まず記憶媒体であるデビットカードを支払端末204のカードリーダ部402に読み取らせる(S10)。カードリーダ部402は、読み取った情報である遊技ユーザの銀行口座の、銀行コード、支店コード、口座番号などの情報などのユーザ口座特定情報を制御部401に送信する。制御部401は、表示パネル部404に「暗証番号を入力してください」とのメッセージを表示させ、表示パネル部404はそのようにメッセージを表示し、ユーザ100に暗証番号の入力を促す。ユーザ100はあらかじめ決済サーバ50などに登録してある暗証番号をテンキー部403を用いて入力する(S20)。テンキー部403は入力された暗証番号を制御部401に出力する。制御部401はこの暗証番号を保持する。
【0051】
次に、制御部401は、表示パネル部404に「購入金額を入力してください」とのメッセージを表示させ、表示パネル部404はそのようにメッセージを表示し、ユーザ100に購入金額の入力を促す。ユーザ100は所望の購入金額をテンキー部403を用いて入力する(S30)。テンキー部403は入力された購入金額に応じたデータを制御部401に出力する。制御部401はこの購入金額に応じたデータを保持する。
【0052】
次に、制御部401はユーザ口座特定情報、暗証番号、購入金額に応じたデータ、及びこの有価価値提供装置10を特定する装置IDを含む処理要求メッセージを生成し(S40)、これを店舗内サーバ30に宛てて送信する(S50)。
【0053】
処理要求メッセージを受信した店舗内サーバ30は、あらかじめ記憶している振込先口座を特定する情報である店舗ID及びそれと対になっている暗証番号と、支払端末20から受信したユーザ口座特定情報、暗証番号、購入金額とを含むメッセージである決済要求メッセージを生成し(S60)、これをネットワーク40を介して決済サーバ50に宛てて送信する(S70)。
【0054】
決済要求メッセージを受信した決済サーバ50は、ユーザ口座特定情報、店舗IDからそれぞれ振り込み元口座(金融機関、支店、口座種類、口座番号)、振込先口座(金融機関、支店、口座種類、口座番号)をデータベースを参照して決定し、ユーザの暗証番号、店舗側の暗証番号があらかじめ記憶している記録と一致するか否かを調べて、ユーザ認証を行う(S80)。
【0055】
ユーザ認証に成功した場合、決済サーバ50は、決済要求メッセージに含まれている購入金額を振り込み元口座から振込先口座に振り替えさせるための処理を実行する(S90)。具体的には、購入金額の決済である処理、具体的には振り込み元口座を扱う金融機関の勘定系システムに対して、購入金額を振り込み元口座から振込先口座に振り替えをおこなうことを依頼するメッセージを送信する。
【0056】
決済サーバ50は、金融機関の勘定系システムから決済処理結果の通知を受ける。この決済処理結果に基づいて、決済サーバ50は店舗内サーバ30に決済(振り替え)の結果を通知するための応答メッセージを生成し、送信する(S100)。応答メッセージには2種類あって、ひとつは決済が行われたことを通知するメッセージであり、もうひとつは決済ができなかったことを通知するメッセージである。
【0057】
決済が行われたことを通知する応答メッセージを受信した場合、店舗内サーバ30、より詳しくは決済結果処理部504は、応答メッセージに対応する決済要求メッセージを送信した有価価値提供装置10に、購入金額に相当する有価価値を提供することを指示するメッセージである払出指示メッセージを生成(S110)し、これをその有価価値提供装置10に宛てて送信する(S120)。払出指示メッセージを受信した有価価値提供装置10、より詳しくは支払端末204の制御部401は、表示パネル部404に購入の支払が行われたことを示すメッセージ、例えば「支払が終了しました。ご購入ありがとうございました。」というようなメッセージを表示させるとともに、提供制御部202に対して、購入金額に相当する有価価値を提供するよう命令を送信する。提供制御部202は、この命令に応じて有価価値供給部203を駆動させ、購入金額に相当する有価価値の提供(S130)、例えば、購入金額に相当する貸し球、貸しメダルの排出を行わせる。
【0058】
[3.第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の形態について説明する。本発明の第2の形態は、第1の実施の形態と同様に、この決済システムは、ユーザ100が遊技媒体を購入する際に遊技中の遊技機から離れることなく、移動体通信端末を利用して決済を実行できるようにしたシステムとして提案される。
【0059】
第1の実施の形態との相違点は、第1の実施の形態が支払端末204を用いてユーザ100が支払いのための入力を行うのに対して、第2の実施の形態は、ユーザ100は非接触ICカードを搭載した携帯電話機などの移動体通信端末を用いて、有価価値購入の決済のための入力を行う点にある。
【0060】
図7は、第2の実施の形態にかかる決済システム2の構成例を示すブロック図である。
決済システム2は、非接触ICカードのような近距離通信により読み取り可能な記憶媒体を備えた移動体通信端末70と、移動体通信端末70の記憶媒体を読み取り可能な有価価値提供装置10Xと、有価価値提供装置10Xと通信可能に接続されている店舗内サーバ30Xと、店舗内サーバ30Xとネットワーク40を介して接続可能な決済サーバ50とを有している。移動体通信端末70は、基地局72及び移動体通信網74、ネットワーク40を介して店舗内サーバ30Xと通信可能であり、ユーザ100の口座情報(銀行番号、支店番号、口座番号、暗証番号)を店舗内サーバ30Xに登録させるようになっている。なお、第1の実施の形態にかかる決済システム1と同様の構成要素については同一の参照符号を付し、それら構成要素の詳細な説明は省略する。
【0061】
移動体通信端末70は、店舗内サーバ30Xと通信可能であるとともに、近距離通信手段を用いて有価価値提供装置10Xと通信可能な装置であって、例えば、非接触ICカード機能を搭載した携帯電話機である。
【0062】
図8に、移動体通信端末70及び有価価値提供装置10Xの構成例を示した機能ブロック図を掲げる。
【0063】
移動体通信端末70は、記憶媒体部701と、記憶媒体部701に接続されたユーザ情報処理部702と、ユーザ情報処理部702に接続された無線通信部703、入力部704、出力部705とを有している。
【0064】
記憶媒体部701は、有価価値提供装置10Xの読み取り部205と近距離無線通信によりデータやコマンドを送受信可能な装置であって、例えば、非接触ICカード用LSI,およびアンテナで構成される装置である。
【0065】
ユーザ情報処理部702は、店舗内サーバ30と通信を行い、店舗内サーバ30にこの移動体通信端末装置70の所有者或いは使用者であるユーザ100のユーザ口座情報を店舗内サーバ30に登録させるとともに、ユーザ100を一意に特定する情報であるユーザ識別情報を記憶媒体部701に記憶させる機能を有する。ユーザ情報処理部702は、例えばCPU,RAM、ROMを備えたマイクロコンピュータチップなどである。
【0066】
無線通信部203は、移動体通信端末70が移動体通信網74に接続し、移動体通信網74を介した通信を実行する機能を有し、例えば変調回路、復調回路を有する無線通信回路である。移動体通信網74は、一般的な携帯電話の通信網であっても、WIMAXや無線LANの通信網であってもよい。
【0067】
入力部704は、ユーザ情報処理部702にユーザの指示や入力を電気信号に変えて渡す機能を有し、例えば携帯電話機の各種キー、或いはタッチペンとタッチパネル、或いはポインティングデバイスである。
出力部705は、移動体通信端末70がユーザ100に情報を伝えるための情報出力機能を有し、例えば、携帯電話機の液晶ディスプレイ部である。
【0068】
なお、ユーザ識別情報は、店舗内サーバ30が自動的に割り当てる識別番号でもよいし、移動体通信端末70が有する識別情報、例えば、Felica ID(「FeliCa」はソニー株式会社の登録商標)、個体識別番号(FOMAカード識別情報を含む(「FOMA」は株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの登録商標))であってもよい。
【0069】
次に、有価価値提供装置10Xについて説明する。有価価値提供装置10Xは、第1の実施の形態における有価価値提供装置10とほぼ同一の構成であるが、支払端末20に代えて読み取り部205を有している点で異なっている。その他の構成要素については、同一の構成要素については同一の参照符号を付して詳細な説明は省略する。
【0070】
読み取り部205は、移動体通信端末70の記憶媒体部701と近距離無線通信により通信を行い、記憶媒体部701に記憶されたユーザ識別情報を取得する機能を有する。読み取り部205は、例えば、非接触ICカードの読み取りを行うリーダ/ライタ装置である。
【0071】
提供制御部202は、読み取り部205が読み取ったユーザ識別情報を受け取ると、ユーザ識別情報を含む支払要求メッセージを生成し、店舗内サーバ30に送信する。
【0072】
[3.1.動作例]
次に、第2の実施の形態にかかる決済システム2の動作例について説明する。図9は、ユーザ100が本決済システム2を用いて有価価値の購入を行う前に、移動体通信端末70により店舗内サーバ30にユーザ登録を行う場合の、動作例を示すシーケンス図である。
【0073】
まずユーザ100は、移動体通信端末70から基地局72、移動体通信網74、ネットワーク40を経由して店舗内サーバ30Xに接続し、移動体通信端末70はユーザ登録要求メッセージを店舗内サーバ30Xに送信する(S100)。店舗内サーバ30Xは、ユーザ登録要求メッセージに応答して、ユーザ情報登録インターフェイスをネットワーク40、移動体通信網74、基地局72を経由して移動体通信端末70に送信する(S110)。ユーザ情報登録インターフェイスはユーザ情報の入力画面として機能するWEB文書(HTML文書)などである。
【0074】
ユーザ情報登録インターフェイスを受信した移動体通信端末70はその出力部705に入力インターフェイスを表示させ、ユーザ100にユーザ情報の入力を促す。この例では、入力するユーザ情報は、購入代金の引き落とし先であるユーザの口座を特定する情報(銀行名、支店名、口座番号、その口座に設定した暗証番号など、以下口座情報という)であるユーザ口座特定情報を含み、さらにユーザ氏名、連絡先などを有する情報である。
【0075】
ユーザ100は、入力インターフェイスに従って、入力部704を操作することによりユーザ口座特定情報を含むユーザ情報の入力を行う(S120)。
【0076】
ユーザ情報の入力が完了し、ユーザ100が所定の操作(例えば、決定ボタンの押下)を行うと、移動体通信端末70は、入力されたユーザ情報を基地局72、移動体通信網74、ネットワーク40を経由して店舗内サーバ30Xに送信する(S130)。ユーザ情報を受信した店舗内サーバ30は、ユーザ識別情報とユーザ情報、或いはユーザ識別情報とユーザ口座特定情報を対応付けて記憶し(S140)、ユーザデータベースを構築する。なお、ユーザ識別情報は、ユーザ若しくは移動体通信端末70を一意に特定できる情報であればどのようなものでもよく、例えば、店舗内サーバ30が生成するユニークな文字数字列であってもよいし、移動体通信端末70に付与されている電話番号、固体識別番号、或いは記憶媒体部701の識別番号(例えば、Felica ID)であってもよい。
【0077】
次に、店舗内サーバ30はユーザ識別情報をネットワーク40、移動体通信網74、基地局72を経由して移動体通信端末70に送信する(S150)。移動体通信端末70のユーザ情報処理部702は受信したユーザ識別情報を記憶媒体部701に記憶させる(S160)。なお、ユーザ識別情報が移動体通信端末70にあらかじめ記憶されている場合(電話番号、固体識別番号など)である場合は、店舗内サーバ30はユーザ識別情報そのものを送信しなくともよく、記憶媒体部701にユーザ識別情報を記憶させる指示のみ送信するようにしてもよい。
以上で、第2の実施の形態におけるユーザ登録が終了し、これ以降ユーザ100は有価価値の購入が可能になる。
【0078】
図10は、第2の実施の形態における決済システム2を利用した有価価値の購入が行われる場合の、動作例を示すシーケンス図である。
ユーザ100は、移動体通信端末70を有価価値提供装置10Xの読み取り部205に近接させて、読み取り部205に記憶媒体部701の読み取りを行わせるようにする。有価価値提供装置10Xの読み取り部205は、移動体通信端末70の記憶媒体部701に近距離無線通信により接続し、ユーザ識別情報の送信を要求するコマンドを送信する(S210)。移動体通信端末70の記憶媒体部701はこのコマンドに応じて、先のS160で記憶されたユーザ識別情報を読み出し(S220)、このユーザ識別情報を読み取り部205に近距離無線通信により送信する(S230)。
【0079】
ユーザ識別情報を受信した読み取り部205は、このユーザ識別情報を提供制御部202に渡す。提供制御部201はユーザ識別情報及びこの有価価値提供装置10Xを特定する装置IDを含む処理要求メッセージを生成し(S240)、これを店舗内サーバ30に宛てて送信する(S250)。
【0080】
処理要求メッセージを受信した店舗内サーバ30Xは、あらかじめ記憶している振込先口座を特定する情報である店舗ID及びそれと対になっている暗証番号と、有価価値提供装置10Xから受信したユーザ識別情報に対応するユーザ口座特定情報(銀行名、支店名、口座番号、口座暗証番号)、及び購入金額とを含むメッセージである決済要求メッセージを生成し(S260)、これをネットワーク40を介して決済サーバ50に宛てて送信する(S270)。
【0081】
この後決済システム2は、第1の実施の形態の決済システム1と同様に動作する。すなわち、決済システム2は、決済システムのステップS80からステップS130(図6参照)と同様に、図10に示すステップS280からS330を実行する。その結果、ユーザ100は、移動体通信端末70を有価価値提供装置10Xの読み取り部205にかざすことによって、暗証番号などをあらためて入力する必要なく、有価価値の購入代金の決済を行うことができ、遊技機から離れることなく有価価値の購入を行うことができる。
【0082】
すなわち、第2の実施の形態によれば、ユーザ100は暗証番号などを入力する必要なく、すばやく有価価値の購入ができるとともに、有価価値提供装置との間でユーザ情報或いはユーザ口座特定情報(銀行名、支店名、口座番号、口座暗証番号)のやり取りをすることがないため、第三者に重要な情報を盗まれたり、改ざんされたりする恐れがなく、安全な決済を行うことが可能となる。
【0083】
[3.2.変形例]
上記第2の実施の形態は、以下のように変形しても成立する。
図11は、第2の実施の形態にかかる決済システム2の変形の構成例を示すブロック図である。この変形例は、ユーザ情報の登録及び、店舗内サーバ30Xからのユーザ識別情報を伴うユーザ口座特定情報の問い合わせに対して、このユーザ識別情報に対応するユーザ口座特定情報(銀行名、支店名、口座番号、口座暗証番号)を店舗内サーバ30Xに送信するユーザ管理サーバ80をさらに有する。
【0084】
先に述べた第2の実施の形態では、ユーザ100はその移動体通信端末70から店舗内サーバ30Xにユーザ情報の登録を行わせていたが、本変形例では、ユーザ情報は店舗内サーバ30Xとは別に設けられたユーザ管理サーバ80によって登録され、記憶される。すなわち、前述のステップS100からS160の処理(図9参照)は、移動体通信端末70とユーザ管理サーバ80との間で行われるように変形される。
【0085】
店舗内サーバ30Xは、有価価値提供装置10Xからユーザ識別情報を受信すると、ユーザ管理サーバ80にユーザ識別情報を送信して、このユーザ識別情報に対応するユーザ口座特定情報(口座情報を含む)を要求する。ユーザ管理サーバ80はこの要求に応じて、店舗内サーバ30Xにこのユーザ識別情報に対応するユーザ口座特定情報を送信する。ユーザ識別情報に対応するユーザ口座特定情報を受信した店舗内サーバ30Xは、第2の実施の形態の場合と同様に決済要求メッセージを生成し、これを決済サーバ50に送信する(図10、S270参照)。以下、第2の実施の形態と同様に、本変形例においても、ステップS280からステップS330までの処理が行われる。
この変形例によれば、異なる複数の店舗間での決済を同一の移動体通信端末70で行うことが可能となり、ユーザの利便性が向上する。
【0086】
[3.3.別の変形例]
第2の実施の形態にかかる決済システム2は、さらに以下のように変形しても成立する。
前記の変形例においては、移動体通信端末70は、ユーザ識別情報をその記憶媒体部701によって記憶するものとしたが、この別の変形例(以下、第2の変形例と呼ぶ)では、ユーザ識別情報の代わりにユーザ口座特定情報(例えば、ユーザの口座番号)を移動体通信端末70に記憶させる。
【0087】
移動体通信端末70は、有価価値提供装置10Xによって読み取られる際に、有価価値提供装置10Xに、記憶媒体部701に記憶したユーザ口座特定情報を送信する。有価価値提供装置10Xは、ユーザ口座特定情報に基づいて処理要求メッセージを生成し、これを店舗内サーバ30Xに送信する。店舗内サーバ30Xは処理要求メッセージに含まれるユーザ口座特定情報に基づいて決済要求メッセージを生成し、決済サーバに決済要求メッセージを送信する。以降、第2の実施の形態と同様に決済サーバ50、店舗内サーバ30X、有価価値提供装置10X間で、先に述べたステップS280からステップS330と同様の処理が実行されることになる。
【0088】
また、移動体通信端末70は、ユーザ口座特定情報を有価価値提供装置10Xに送信する際に、ユーザ識別情報を送信するようにし、有価価値提供装置10Xはユーザ口座特定情報とユーザ識別情報とを店舗内サーバ30Xに送信するようにしてもよい。この場合、店舗内サーバ30Xには、あらかじめユーザ口座特定情報とユーザ識別情報を対応付けて記憶したデータベースを構築しておき、店舗内サーバ30は、ユーザ口座特定情報とユーザ識別情報とがデータベースに記憶されているものと一致するか否かを判定し、これらが一致する場合にのみ決済要求メッセージの生成及び送信(図10、ステップS260、S270参照)を行うようにしても良い。かかる構成によれば、ユーザの口座番号等を不正に取得した第三者の成りすましなどに対しても、安全性の高い決済システムを提供することができる。
【0089】
また、前記のデータベースは、必ずしも店舗内サーバ30Xに設ける必要は無く、店舗内サーバ30Xと通信可能なデータベースサーバであるユーザ管理サーバ(図略)をさらに決済システム2に設ける構成としても、本発明は成立する。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明にかかる決済システムの構成例を示すブロック図
【図2】第1の実施の形態にかかる有価価値提供装置及び支払端末の構成例を示す図
【図3】有価価値提供装置の構成例を示す機能ブロック図
【図4】支払端末の構成例を示す機能ブロック図
【図5】店舗内サーバの構成例を示す機能ブロック図
【図6】決済システムの動作例を示すシーケンス図
【図7】第2の実施の形態にかかる決済システムの構成例を示すブロック図
【図8】移動体通信端末及び有価価値提供装置の構成例を示した機能ブロック図
【図9】移動体通信端末により店舗内サーバにユーザ登録を行う場合の、動作例を示すシーケンス図
【図10】第2の実施の形態における決済システム2を利用した有価価値の購入が行われる場合の、動作例を示すシーケンス図
【図11】第2の実施の形態にかかる決済システムの変形の構成例を示すブロック図
【符号の説明】
【0091】
1,2 … 決済システム
10、10X … 有価価値提供装置
20 … 支払端末
30、30X … 店舗内サーバ
50 … 決済サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機近傍に配置され、支払端末を有する有価価値提供装置と、
前記有価価値提供装置と通信可能に接続されている店舗内サーバと
を有する決済システムであって、
前記支払端末は:
振込元口座であるユーザの口座を特定することが可能な情報であるユーザ口座特定情報を記憶した記憶媒体からユーザ口座特定情報を読み取り、読み取ったユーザ口座特定情報を出力するカードリーダ部と、
ユーザに決済処理に必要な情報を入力させるための入力部と
を有し、
前記有価価値提供装置は、前記支払端末からのユーザ口座特定情報に基づいて処理要求メッセージを店舗内サーバに送信し、
前記店舗内サーバは、処理要求メッセージに応じて、前記ユーザ口座特定情報によって特定されるユーザの口座から購入金額の振り替えを行うこと要求するメッセージである決済要求メッセージを送信し、この決済要求メッセージに対する応答メッセージに応じて、前記有価価値提供装置に払出指示メッセージを前記有価価値提供装置に送信し、
前記有価価値提供装置は、前記払出指示メッセージに応じて有価価値の提供を実行する
ことを特徴とする決済システム。
【請求項2】
近距離通信により読み取り可能な記憶媒体を備えた移動体通信端末の前記記憶媒体を読み取り可能な有価価値提供装置と、前記有価価値提供装置と通信可能に接続されている店舗内サーバとを有する決済システムであって、
前記有価価値提供装置は、前記移動体通信端末の記憶媒体からユーザ識別情報を読み取り、このユーザ識別情報に基づいて処理要求メッセージを生成し、処理要求メッセージを店舗内サーバに送信し、
前記店舗内サーバは、前記処理要求メッセージに応じて、ユーザの口座から購入金額の決済を要求するメッセージである決済要求メッセージを送信し、この決済要求メッセージに対する応答メッセージに応じて、前記有価価値提供装置に払出指示メッセージを前記有価価値提供装置に送信し、
前記有価価値提供装置は、前記払出指示メッセージに応じてユーザに有価価値の提供を実行する
ことを特徴とする決済システム。
【請求項3】
前記決済システムは、前記移動体通信端末からユーザの口座番号を含むユーザ口座特定情報を受信し、ユーザを特定するユーザ識別情報と対応付けて、このユーザ口座特定情報を記憶し、前記店舗内サーバからユーザ識別情報を受信すると、そのユーザ識別情報に対応するユーザ口座特定情報を前記店舗内サーバに送信するユーザ管理サーバをさらに有することを特徴とする、請求項2に記載の決済システム。
【請求項4】
振込元口座であるユーザの口座を特定することが可能な情報であるユーザ口座特定情報を記憶可能な記憶媒体であって、近距離通信により読み取り可能な記憶媒体を備えた移動体通信端末の前記記憶媒体を読み取り可能な有価価値提供装置と、前記有価価値提供装置と通信可能に接続されている店舗内サーバとを有する決済システムであって、
前記有価価値提供装置は、前記移動体通信端末の記憶媒体からユーザ口座特定情報を読み取り、このユーザ口座特定情報を含む処理要求メッセージを生成し、この処理要求メッセージを店舗内サーバに送信し、
前記店舗内サーバは、前記処理要求メッセージに応じて、ユーザ口座特定情報に対応するユーザの口座から購入金額に応じた額を振込先口座に振り込むことを要求するメッセージである決済要求メッセージを送信し、この決済要求メッセージに対する応答メッセージに応じて、前記有価価値提供装置に払出指示メッセージを前記有価価値提供装置に送信し、
前記有価価値提供装置は、前記払出指示メッセージに応じて有価価値の提供を実行する
ことを特徴とする決済システム。
【請求項5】
前記決済システムは、前記ユーザ口座特定情報と、ユーザを一意に特定するユーザ識別情報とを対応付けて記憶したデータベースを有し、前記移動体通信端末から読み取ったユーザ口座情報とユーザ識別情報とが対応するか否かを前記データベースを用いて判定し、判定の結果を前記店舗内サーバに送信するユーザ管理サーバをさらに有することを特徴とする請求項4に記載の決済システム。
【請求項6】
前記決済システムは、前記店舗内サーバから受信した購入金額を振込先口座ごとに集計して記憶し、集計した購入金額から一定の手数料を差し引いた額を各振込先口座に振り込こむことを要求するメッセージを金融機関勘定系システムに送信する決済サーバをさらに有することを特徴とする請求項1から請求項5に記載の決済システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−48567(P2009−48567A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216395(P2007−216395)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(506314416)株式会社モビテクノ (10)
【Fターム(参考)】