説明

決済処理システム、決済端末装置、管理装置、および決済処理方法

【課題】遊技客によるデビット決済に適正な利用制限を課し、遊技への過度なのめり込みを防止するとともに遊技店のサービスの公平性を確保すること。
【解決手段】カードT/C10は、プリペイドカードのカードIDにプリペイドカードを購入した遊技客の顔画像を対応付けて記憶しており、決済判定依頼をデビット端末30から受信すると、決済判定依頼に含まれる顔画像をキーとして、同一の遊技客が所定期間内にデビット決済するプリペイドカードの購入金額が所定の上限金額に達するか否かを判定する。デビット端末30は、遊技客がデビット決済に係る操作を行った場合に、遊技客の顔画像を取得した上で、事前にカードT/C10に決済判定依頼を送信し、決済可能との判定結果を受信した後にデビット情報処理センタ60に対してデビット決済要求を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技に使用可能な有価価値の購入を現金決済または非現金決済によって決済処理する決済処理システム、決済端末装置、管理装置、および決済処理方法に関し、特に、遊技客によるデビット決済に適正な利用制限を課し、遊技への過度なのめり込みを防止するとともに遊技店のサービスの公平性を確保することができる決済処理システム、決済端末装置、管理装置、および決済処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機で使用する玉やパチスロ機で使用するメダル等の遊技媒体をデビット決済により貸し出す技術が知られている。例えば、特許文献1には、プリペイドカードを発行するカード発行機にデビット端末が接続され、このデビット端末が銀行のキャッシュカード(以下「デビットカード」という)によるデビット決済を行って、決済金額分のプリペイドカードが発行される技術が開示されている。
【0003】
このように、遊技店におけるデビット決済が可能となると、遊技客は、現金を使い果たしたとしても金融機関の預金残高の範囲内で遊技を継続することができるため、遊技客の便宜が図られる反面、遊技への過剰な投資を誘発する恐れがある。
【0004】
そこで、例えばデビット決済を行う際の窓口となるデビット情報処理センタにデビットカードごとの利用限度額(上限金額)を登録しておき、この利用限度額を超過する場合には決済が認められないようにすることが考えられる。すなわち、デビット決済による1日の利用限度額が例えば3万円である場合には、手数料を含めて3万円以内のデビット決済は認められるが、たとえ口座残高が十分であっても3万円を超えるデビット決済は認められないことになる。
【0005】
【特許文献1】特開2003−144737号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の利用限度額を設けたとしても、遊技客が複数のデビットカードを所持する場合には、利用限度額(例えば3万円)に所持するカード枚数を乗じた金額のデビット決済が可能となるため、厳密にデビット決済を利用制限することができず、遊技への過剰な投資を確実には防止できないという問題がある。
【0007】
また、複数のデビットカードを所持する遊技客にのみ、実質的に利用制限がないデビット決済が認められたのでは、1枚のデビットカードしか所持しない遊技客との間に不公平が生じ、遊技店は、すべての遊技客への公平なサービスを提供することができない。
【0008】
このような問題は、デビット決済のみならずマルチペイメントネットワークなどの他の決済システムを用いた場合にも同様に生ずる。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、遊技客によるデビット決済に適正な利用制限を課し、遊技への過度なのめり込みを防止するとともに遊技店のサービスの公平性を確保することができる決済処理システム、決済端末装置、管理装置、および決済処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、遊技に使用可能な有価価値の購入を現金決済または非現金決済によって決済処理する決済処理システムであって、遊技客が非現金決済を希望する決済希望金額を受け付ける受付手段と、前記受付手段による決済希望金額受け付け時に、遊技客の生体情報を取得する取得手段と、遊技客ごとの生体情報と過去に決済済みの決済金額とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記取得手段によって取得された生体情報と同一の生体情報に対応付けられた決済金額を前記記憶手段から抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された決済金額のうち所定期間内に非現金決済された非現金決済金額と前記受付手段によって受け付けられた決済希望金額との合計金額を所定金額と比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、合計金額が所定金額を超過しない場合にのみ決済希望金額の非現金決済を実行する処理手段とを有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記記憶手段は、前記処理手段によって非現金決済が実行された場合、前記受付手段によって受け付けられた決済希望金額と前記取得手段によって取得された生体情報とを対応付けて記憶することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記抽出手段によって抽出された決済金額に対応する有価価値の中に、遊技に未使用の有価価値があるか否かを判定する判定手段をさらに有し、前記処理手段は、前記判定手段による判定の結果、遊技に未使用の有価価値がない場合にのみ決済希望金額の非現金決済を実行することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記処理手段は、決済希望金額のデビット決済を実行することを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記取得手段は、遊技客の顔画像を撮像する撮像手段を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、遊技に使用可能な有価価値の購入を非現金決済によって決済処理する決済端末装置であって、遊技客が非現金決済を希望する決済希望金額を受け付ける受付手段と、前記受付手段による決済希望金額受け付け時に、遊技客の生体情報を取得する取得手段と、前記取得手段によって生体情報を取得された遊技客が所定期間内に非現金決済した非現金決済金額と前記受付手段によって受け付けられた決済希望金額との合計金額が所定金額を超過するか否かを検知する検知手段と、前記検知手段によって合計金額が所定金額を超過しないと検知された場合にのみ決済希望金額の非現金決済を実行する処理手段とを有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、遊技に使用可能な有価価値の購入を非現金決済によって決済処理する決済端末装置と通信する管理装置であって、遊技客ごとの生体情報と過去に決済済みの決済金額とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記決済端末装置から送信される生体情報と同一の生体情報に対応付けられた決済金額を前記記憶手段から抽出する抽出手段と、前記抽出手段によって抽出された決済金額のうち所定期間内に非現金決済された非現金決済金額と前記決済端末装置から送信される新たな決済希望金額との合計金額を所定金額と比較する比較手段と、前記比較手段による比較の結果、合計金額が所定金額を超過しない場合にのみ前記決済端末装置に決済希望金額の非現金決済を許可する許可手段とを有することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、遊技に使用可能な有価価値の購入を現金決済または非現金決済によって決済処理する決済処理方法であって、遊技客が非現金決済を希望する決済希望金額を受け付ける受付工程と、前記受付工程における決済希望金額受け付け時に、遊技客の生体情報を取得する取得工程と、遊技客ごとの生体情報と過去に決済済みの決済金額とを対応付けて記憶する管理テーブルから、前記取得工程にて取得された生体情報と同一の生体情報に対応付けられた決済金額を抽出する抽出工程と、前記抽出工程にて抽出された決済金額のうち所定期間内に非現金決済された非現金決済金額と前記受付工程にて受け付けられた決済希望金額との合計金額を所定金額と比較する比較工程と、前記比較工程における比較の結果、合計金額が所定金額を超過しない場合にのみ決済希望金額の非現金決済を実行する処理工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、遊技客が非現金決済を希望する決済希望金額を受け付け、決済希望金額受け付け時に、遊技客の生体情報を取得し、遊技客ごとの生体情報と過去に決済済みの決済金額とを対応付けて記憶する管理テーブルから、取得された生体情報と同一の生体情報に対応付けられた決済金額を抽出し、抽出された決済金額のうち所定期間内に非現金決済された非現金決済金額と受け付けられた決済希望金額との合計金額を所定金額と比較し、比較の結果、合計金額が所定金額を超過しない場合にのみ決済希望金額の非現金決済を実行する。このため、遊技客ごとの決済金額のうち現金以外の決済方法によって決済された非現金決済金額の総額に上限を設けることができ、たとえ遊技客が複数のデビットカードを所持していても遊技客によるデビット決済に適正な利用制限を課し、遊技への過度なのめり込みを防止するとともに遊技店のサービスの公平性を確保することができる。
【0019】
また、本発明によれば、非現金決済が実行された場合、受け付けられた決済希望金額と取得された生体情報とを対応付けて記憶するため、遊技客ごとの非現金決済の履歴が確実に保存され、以降、正確に同一の遊技客による非現金決済金額を抽出することができる。
【0020】
また、本発明によれば、抽出された決済金額に対応する有価価値の中に、遊技に未使用の有価価値があるか否かを判定し、判定の結果、遊技に未使用の有価価値がない場合にのみ決済希望金額の非現金決済を実行する。このため、非現金決済によって購入した有価価値を未使用のまま精算して現金化する行為を防止することができ、遊技店が被る手数料などの損害を防止することができる。
【0021】
また、本発明によれば、決済希望金額のデビット決済を実行するため、銀行の口座残高を利用して遊技が可能となるデビット決済に利用制限を課することができ、遊技への過剰な投資を防止することができる。
【0022】
また、本発明によれば、遊技客の顔画像を撮像するため、顔画像をキーとして、確実に同一の遊技客による決済金額を抽出することができる。
【0023】
また、本発明によれば、遊技客が非現金決済を希望する決済希望金額を受け付け、決済希望金額受け付け時に、遊技客の生体情報を取得し、生体情報を取得された遊技客が所定期間内に非現金決済した非現金決済金額と受け付けられた決済希望金額との合計金額が所定金額を超過するか否かを検知し、合計金額が所定金額を超過しないと検知された場合にのみ決済希望金額の非現金決済を実行する。このため、遊技客ごとの決済金額のうち現金以外の決済方法によって決済された非現金決済金額の総額に上限を設けることができ、例えばデビット決済を行う決済端末装置において、遊技客によるデビット決済に適正な利用制限を課すことができる。
【0024】
また、本発明によれば、遊技客ごとの生体情報と過去に決済済みの決済金額とを対応付けて記憶し、決済端末装置から送信される生体情報と同一の生体情報に対応付けられた決済金額を抽出し、抽出された決済金額のうち所定期間内に非現金決済された非現金決済金額と決済端末装置から送信される新たな決済希望金額との合計金額を所定金額と比較し、比較の結果、合計金額が所定金額を超過しない場合にのみ決済端末装置に決済希望金額の非現金決済を許可する。このため、遊技客ごとの決済金額のうち現金以外の決済方法によって決済された非現金決済金額の総額に上限を設けることができ、例えばデビット決済を行う決済端末装置における適正な利用制限を外部の管理装置から管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下においては、遊技店としてパチンコ店を例に挙げて説明するが、パチスロ店など他の遊技店においても同様に本発明を適用することができる。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るデビット決済システムの概略構成を示すブロック図である。同図に示すデビット決済システムにおいては、パチンコ店の遊技システムにデビット端末30が設けられており、デビット端末30がデビット情報処理センタ60に接続されている。そして、デビット情報処理センタ60は、CAFIS(Credit And Finance Information Switching system)ネットワーク70を介して、遊技客の口座があるデビットカード発行銀行80とデビット情報処理センタ60の口座がある加盟店銀行90とに接続されている。
【0027】
デビット情報処理センタ60は、パチンコ店内のデビット端末30からデビット決済要求を受け付ける窓口であり、デビット決済要求が受け付けられると、CAFISネットワーク70を介してデビットカード発行銀行80に対して残高問い合わせを行う。そして、デビットカード発行銀行80に決済要求額以上の口座残高がある場合には、デビットカード発行銀行80の遊技客の口座から加盟店銀行90のデビット情報処理センタ60の口座へ決済要求額が引き落とされる。その後、決済要求額から所定の手数料が差し引かれた金額が、デビット情報処理センタ60の口座から図示しないパチンコ店の口座へ振り込まれる。
【0028】
また、パチンコ店には、カードターミナルコントローラ(以下「カードT/C」と略記する)10、島コントローラ20、デビット端末30、玉貸処理機40、およびパチンコ機50が設置されている。
【0029】
カードT/C10は、複数の島コントローラ20に接続されており、パチンコ店内でのプリペイドカードの発行および使用を管理する。すなわち、カードT/C10は、デビット端末30に併設される図示しないカード発行機においてプリペイドカードが発行されると、このプリペイドカードのカードIDや購入金額などを島コントローラ20経由で取得し、カードIDに購入金額などを対応付けて記憶する。また、カードT/C10は、玉貸処理機40においてプリペイドカードの度数が玉貸しに使用されると、使用された度数分の金額をプリペイドカードのカードIDに対応付けられた残高から減算する。
【0030】
また、本実施の形態においては、カードT/C10は、プリペイドカードのカードIDにプリペイドカードを購入した遊技客の顔画像を対応付けて記憶しており、デビット決済によるプリペイドカードの購入が可能であるか否かの判定を依頼する決済判定依頼をデビット端末30から受信すると、決済判定依頼に含まれる顔画像をキーとして、同一の遊技客が所定期間内(例えば当日)にデビット決済するプリペイドカードの購入金額が所定の上限金額(例えば3万円)に達するか否かを判定する。この決済判定については、後に詳述する。
【0031】
島コントローラ20は、「島」と呼ばれる区域に配設された複数の玉貸処理機40およびパチンコ機50、ならびにデビット端末30などを管理する装置であり、各装置とカードT/C10との間のデータ中継を行う。
【0032】
デビット端末30は、デビットカードおよび暗証番号を受け付けて遊技客が希望する金額のデビット決済要求をデビット情報処理センタ60に対して行う端末装置である。ただし、このデビット端末30は、遊技客がデビット決済に係る操作を行った場合に、直ちにデビット情報処理センタ60に対してデビット決済要求を行うのではなく、遊技客の顔画像を取得した上で、事前にカードT/C10に決済判定依頼を送信し、決済可能との判定結果を受信した後にデビット情報処理センタ60に対してデビット決済要求を行う。デビット端末30の詳細な構成および動作については、後に詳述する。
【0033】
玉貸処理機40は、プリペイドカードに関連付けられた度数を上限としてパチンコ玉の貸出処理を行い、パチンコ機50は、玉貸処理機40に併設され、貸し出されたパチンコ玉を遊技領域に射出して遊技客が遊技を行う装置である。なお、玉貸処理機40は、プリペイドカード以外にも、例えば会員カードや現金を受け付け、会員カードに価値付けられた度数や現金の価値に応じてパチンコ玉を貸し出す機能を備えていても良い。以下の説明においては、通常のプリペイドカードに加えて、あらかじめ度数が価値付けられる会員カードも含めて「プリペイドカード」といい、会員カードの場合は、価値付けられる度数に対応する金額を「購入金額」という。
【0034】
図2は、デビット端末30の外観を示す正面図である。同図に示すように、デビット端末30は、カード読取部301、入力操作部302、撮像部303、表示部304、およびレシート発行部305を装置前面に有している。
【0035】
遊技客は、デビット決済によるプリペイドカードの購入を希望する場合には、デビットカードをカード読取部301に挿入し、入力操作部302を操作して暗証番号や決済希望金額を入力する。その後、遊技客の顔画像が撮像部303によって撮像される。図2においては、入力操作部302や表示部304など遊技客が目視確認をする部分とほぼ同程度の高さに撮像部303が設けられているため、遊技客の顔画像を鮮明に撮像することができる。
【0036】
そして、撮像された顔画像をキーとした決済判定が行われ、決済可能であれば決済処理が行われる一方、決済不可能であれば表示部304にエラー表示される。そして、決済処理が行われた場合は、デビット端末30に併設された図示しないカード発行機によって、決済金額に相当する度数のプリペイドカードが発行されるとともに、レシート発行部305によってレシートが発行される。
【0037】
図3は、デビット端末30の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、デビット端末30は、上記のカード読取部301、入力操作部302、撮像部303、表示部304、およびレシート発行部305に加えて、制御部306、決済判定依頼部307、および決済処理部308を有している。
【0038】
カード読取部301は、遊技客が挿入するデビットカードのデビットカードIDを読み取り、読み取られたデビットカードIDを制御部306へ通知する。
【0039】
入力操作部302は、遊技客が操作可能な例えばテンキーなどを備えており、カード読取部301へデビットカードを挿入した遊技客による、暗証番号やデビット決済による決済希望金額の入力を受け付ける。なお、決済希望金額は、図示しないカード発行機において遊技客が入力し、デビット端末30へ通知されるようにしても良い。入力操作部302は、暗証番号および決済希望金額を制御部306へ通知する。
【0040】
撮像部303は、制御部306の制御に従って、デビット決済を希望する遊技客の顔画像を撮像する。そして、撮像部303は、撮像して得られた顔画像を制御部306へ出力する。
【0041】
表示部304は、制御部306の制御に従って、操作手順を表示したり、決済が不可能と判定された際のエラーメッセージを表示したりする。具体的には、表示部304は、デビット決済による所定期間内の決済金額が所定の上限金額に達する場合、デビット決済が不可能である旨のエラーメッセージを表示する。また、表示部304は、口座残高が決済希望金額に満たない場合にも、デビット決済が不可能である旨のエラーメッセージを表示する。
【0042】
レシート発行部305は、デビット決済が許可され、決済処理が完了すると、デビット決済された決済金額が記載されたレシートを発行する。
【0043】
制御部306は、カード読取部301からデビットカードIDが通知され、入力操作部302から暗証番号および決済希望金額が通知されると、撮像部303を制御して遊技客の顔画像を撮像させる。そして、制御部306は、撮像部303から出力される顔画像と決済希望金額を決済判定依頼部307へ出力する。
【0044】
また、制御部306は、決済判定依頼部307からデビット決済が可能である旨が通知されると、デビットカードID、暗証番号、および決済希望金額を決済処理部308へ通知する。そして、決済処理が完了すると、制御部306は、プリペイドカードの購入金額や残高を管理する管理テーブルの更新の確定をカードT/C10へ依頼する。
【0045】
一方、制御部306は、決済判定依頼部307または決済処理部308からデビット決済が不可能である旨が通知されると、表示部304を制御してエラーメッセージを表示させる。
【0046】
決済判定依頼部307は、制御部306から顔画像と決済希望金額が出力されると、顔画像と決済希望金額を含む決済判定依頼を島コントローラ20経由でカードT/C10へ送信する。すなわち、決済判定依頼部307は、顔画像に対応する遊技客が決済希望金額のデビット決済を行った場合、この遊技客の所定期間内のデビット決済金額が所定の上限金額に達するか否かを問い合わせる決済判定依頼をカードT/C10へ送信する。ここで、同一の遊技客による所定の期間内(例えば当日)のデビット決済金額が所定の上限金額(例えば3万円)に達する場合は、デビット決済は不可能であると判定されることになる。
【0047】
そして、決済判定依頼部307は、デビット決済の可否を示す決済判定結果をカードT/C10から受信し、決済判定結果に応じてデビット決済が可能である旨またはデビット決済が不可能である旨を制御部306へ通知する。
【0048】
決済処理部308は、制御部306からデビットカードID、暗証番号、および決済希望金額が通知されると、これらの項目を含む決済依頼を作成し、デビット情報処理センタ60へ送信する。そして、決済処理部308は、決済が正常に行われたか否かを示す決済結果をデビット情報処理センタ60から受信し、例えば遊技客の口座残高の不足などにより決済が正常に行われなかった場合は、デビット決済が不可能である旨を制御部306へ通知する。一方、デビット決済が正常に行われた場合は、決済処理部308は、デビット決済された決済金額を図示しないカード発行機へ通知し、決済金額分のプリペイドカードの発行を許可するとともに、決済金額をレシート発行部305へ通知し、レシートを発行させる。
【0049】
次に、図4は、本実施の形態に係るカードT/C10の内部構成を示すブロック図である。同図に示すように、カードT/C10は、インタフェース(以下「I/F」と略記する)部101、記憶部102、画像比較登録部103、および上限金額比較部104を有している。
【0050】
I/F部101は、島コントローラ20に接続されており、デビット端末30から送信された決済判定依頼を受信し、決済の可否を判定した後は、決済判定結果を島コントローラ20経由でデビット端末30へ送信する。
【0051】
記憶部102は、プリペイドカードの発行を管理する管理テーブルを記憶しており、プリペイドカードのカードIDに決済方法、購入金額、および遊技客の顔画像などを対応付けて記憶している。具体的には、記憶部102は、例えば図5に示すような管理テーブルを記憶している。この例では、例えばカードID「222−333」のプリペイドカードについて、決済方法はデビット決済、かつ購入金額が2万円であり、既に残高が0円となったことが記憶されている。さらに、このプリペイドカードを購入した遊技客の顔画像が対応付けられている。
【0052】
なお、図5においては、電子マネーや現金で決済した遊技客についても顔画像が記憶されるものとしているが、これらの遊技客については必ずしも顔画像を記憶する必要はない。ただし、プリペイドカードを購入した遊技客については、決済方法に関わらずすべて顔画像を記憶しておき、同一の遊技客の現金以外の決済方法による購入金額が所定の上限金額になるとプリペイドカードの購入を禁止するなどの変更も容易である。この場合には、図示しないカード発行機に撮像部を設けたり、各決済方法に係る端末装置に撮像部を設けたりして遊技客の顔画像を取得すれば良い。上述のような現金以外の決済方法としては、デビット決済のほかにも、例えば電子マネー決済やクレジットカード決済などがある。
【0053】
再度図4の説明に戻り、画像比較登録部103は、I/F部101に受信された決済判定依頼に含まれる顔画像との比較により、記憶部102の管理テーブルに記憶された顔画像から同一遊技客の顔画像を検索する。そして、画像比較登録部103は、検索された同一遊技客の顔画像に対応して記憶されている決済方法、購入金額、および残高をすべて読み出し、上限金額比較部104へ出力する。
【0054】
また、画像比較登録部103は、決済判定依頼に含まれる顔画像および決済希望金額をプリペイドカードの仮のカードIDに対応付けて記憶部102の管理テーブルに記憶させる。すなわち、画像比較登録部103は、デビット決済が完了していないことが判別可能な仮のカードIDに決済方法としてデビット、購入金額(および残高)として決済希望金額を対応付け、同時に、顔画像も対応付けて管理テーブルに仮登録しておく。仮登録されたデータについては、実際のデビット決済が完了後、デビット端末30からの更新依頼が受信されると確定される。
【0055】
上限金額比較部104は、画像比較登録部103から出力された決済方法、購入金額、および残高から、決済判定依頼に含まれる顔画像の遊技客が所定期間内(例えば当日)にデビット決済によって購入したプリペイドカードの購入金額を合計し、この合計金額に決済判定依頼に含まれる決済希望金額を加算した金額が所定の上限金額(例えば3万円)に達するか否かを判定する。そして、判定の結果、決済希望金額を加算した金額が所定の上限金額に達する場合、上限金額比較部104は、デビット決済が不可能である旨の決済判定結果をI/F部101からデビット端末30へ送信させる。また、決済希望金額を加算した金額が所定の上限金額に達しない場合、上限金額比較部104は、デビット決済が可能である旨の決済判定結果をI/F部101からデビット端末30へ送信させる。
【0056】
本実施の形態においては、遊技客の顔画像がキーとなって購入金額が検索されているため、たとえ複数のデビットカードを所持している遊技客が未使用のデビットカードでデビット決済を実行しようとしても、すべてのデビット決済による購入金額が所定の上限金額に達すれば、デビット決済は不可能と判定される。
【0057】
また、デビット決済以外の決済方法についても遊技客の顔画像が記憶されていれば、上限金額比較部104は、決済方法がデビットである購入金額のみを合計するのではなく、決済希望金額を含む現金以外の決済方法による購入金額の合計を上限金額と比較しても良い。こうすることにより、現金以外の決済方法によるプリペイドカードの購入金額に上限を設けることができる。
【0058】
次いで、上記のように構成されたデビット端末30およびカードT/C10によるデビット決済時の動作について、図6および図7に示すフロー図を参照しながら説明する。以下では、まず図6を参照してデビット端末30の動作を説明し、次に図7を参照してカードT/C10の動作を説明する。
【0059】
デビット端末30においては、遊技客がデビットカードをカード読取部301に挿入することにより、デビットカードが受け付けられ(ステップS101)、デビットカードIDが読み取られる。そして、遊技客が入力操作部302を操作して入力された暗証番号が受け付けられ(ステップS102)、同時に、入力操作部302の操作または図示しないカード発行機における選択により入力された決済希望金額が受け付けられる(ステップS103)。
【0060】
このようにして得られたデビットカードID、暗証番号、および決済希望金額は、制御部306へ通知される。そして、制御部306によって撮像部303が制御されることにより、撮像部303によって、遊技客の顔画像が撮像される(ステップS104)。撮像されて得られた顔画像は、制御部306へ出力され、制御部306から決済希望金額とともに決済判定依頼部307へ出力される。決済判定依頼部307では、顔画像と決済希望金額を含む決済判定依頼が生成され、カードT/C10へ送信される(ステップS105)。
【0061】
そして、後述するように、カードT/C10では決済判定が行われ、その結果、決済希望金額のデビット決済の可否を示す決済判定結果が決済判定依頼部307によって受信される。決済判定結果は、決済判定依頼部307から制御部306へ通知され、決済希望金額のデビット決済が可能であるか否かによって、制御部306の制御の内容が分岐する(ステップS106)。
【0062】
すなわち、デビット決済が可能である旨の決済判定結果がカードT/C10から受信されれば(ステップS106Yes)、制御部306からデビットカードID、暗証番号、および決済希望金額が決済処理部308へ通知される。そして、決済処理部308によって、決済希望金額のデビット決済処理が実行される(ステップS107)。
【0063】
具体的には、デビットカードID、暗証番号、および決済希望金額を含む決済依頼が決済処理部308からデビット情報処理センタ60へ送信され、デビット情報処理センタ60によって、デビットカード発行銀行80の遊技客の口座に決済希望金額以上の口座残高があるか否かが問い合わせられる。この結果、十分な口座残高があれば、遊技客の口座から加盟店銀行90にあるデビット情報処理センタ60の口座へ決済希望金額が引き落とされる。その後、所定の手数料が差し引かれ、図示しないパチンコ店の口座に決済希望金額が振り込まれる。この決済が正常に行われたか否かを示す決済結果は、デビット情報処理センタ60からデビット端末30の決済処理部308へ送信される。
【0064】
そして、決済処理部308に決済が正常に行われたことを示す決済結果が受信されると、決済処理部308によって決済金額が図示しないカード発行機およびレシート発行部305へ通知され、決済金額分のプリペイドカードが図示しないカード発行機によって発行されるとともに、決済金額が記載されたレシートがレシート発行部305によって発行される。また、決済処理部308からデビット決済が正常に行われた旨が制御部306へ通知され、制御部306によって、事前に決済判定依頼として送信された顔画像および決済希望金額をプリペイドカードの管理テーブルに反映して更新するよう依頼する更新依頼がカードT/C10へ送信される(ステップS108)。
【0065】
なお、デビットカード発行銀行80における遊技客の口座の口座残高が決済希望金額に満たない場合は、決済が正常に行われなかったことを示す決済結果が決済処理部308に受信され、制御部306の制御によって、口座残高が不足している旨のエラーメッセージが表示部304に表示される。
【0066】
以上の一連のデビット決済が完了すると、カード読取部301に挿入されていたデビットカードが返却される(ステップS109)。
【0067】
一方、デビット決済が不可能である旨の決済判定結果がカードT/C10から受信されれば(ステップS106No)、制御部306の制御によって、デビット決済による購入金額が所定の上限金額に達し、デビット決済が不可能である旨のエラーメッセージが表示部304に表示される(ステップS110)。この場合には、決済処理部308によるデビット決済処理が行われることはなく、カード読取部301からデビットカードが返却される(ステップS109)。
【0068】
カードT/C10においては、デビット端末30から送信された決済判定依頼がI/F部101によって受信され(ステップS201)、画像比較登録部103によって、決済判定依頼に含まれる顔画像が記憶部102に記憶されている管理テーブルから検索される(ステップS202)。すなわち、画像比較登録部103によって、デビット決済を希望している遊技客の過去のプリペイドカードの購入履歴が顔画像をキーとして検索される。この検索は、顔画像をキーとして実行されるため、決済方法やデビット決済に用いられたデビットカードの違いなどに関わらず、同一遊技客の購入履歴がすべて抽出される。
【0069】
なお、画像比較登録部103による検索は、プリペイドカードの購入履歴のうち、上限金額が設定される所定の期間内の購入履歴のみを対象として実行されれば良い。また、上述の管理テーブルとは別に遊技客ごとの購入履歴を集計した集計テーブルを作成しておき、記憶部102に記憶させておくことにより、画像比較登録部103による検索の効率化を図ることができる。この集計テーブルの作成は、顔画像の比較により、随時行われるようにすれば良い。
【0070】
画像比較登録部103による検索の結果、決済判定依頼に含まれる顔画像が既に記憶部102の管理テーブルに登録されているか否かが判明し(ステップS203)、決済判定依頼に含まれる顔画像が管理テーブルに未登録の場合は、この顔画像を新たに管理テーブルに登録する(ステップS204)。このとき、画像比較登録部103によって、デビット決済が未処理であることを示す仮のカードIDと決済判定依頼に含まれる決済希望金額とに対応付けられて、顔画像が新たに記憶部102の管理テーブルに仮登録される。
【0071】
なお、決済判定依頼に含まれる顔画像が既に管理テーブルに登録されている場合は、仮のカードIDと決済判定依頼に含まれる決済希望金額とを登録済みの顔画像に対応付けて管理テーブルに仮登録しておけば良いが、登録済みの顔画像の代わりに決済判定依頼に含まれる新たに撮像された顔画像を用いても良い。
【0072】
このようにして、画像比較登録部103によって遊技客のプリペイドカードの購入履歴が抽出されるとともに、今回の決済希望金額が顔画像に対応付けられて管理テーブルに仮登録されると、抽出された購入履歴は、今回の決済希望金額とともに上限金額比較部104へ通知される。そして、上限金額比較部104によって、過去の購入履歴のうち、所定期間内にデビット決済によって購入された購入金額の合計と今回の決済希望金額とが加算され、得られた加算額が所定の上限金額を超過するか否かが判定される(ステップS205)。このとき、決済方法がデビット決済である購入履歴のみを制限の対象とするのではなく、所定の期間内に現金以外の決済方法で購入された購入金額の合計と今回の決済希望金額とが加算され、得られた加算額が所定の上限金額を超過するか否かが判定されるようにしても良い。
【0073】
ここで、上限金額比較部104によって上記のように過去の購入金額が合計されるが、画像比較登録部103によって顔画像をキーとした検索が行われているため、同一の遊技客による過去の購入金額は遺漏することなく抽出されており、デビットカードの違いなどとは無関係に購入金額の合計が得られる。したがって、今回の決済希望金額との加算額を上限金額と比較することにより、デビット決済への適正な利用制限を課することが可能となる。
【0074】
上限金額比較部104による判定の結果、加算額が所定の上限金額を超過している場合は(ステップS205Yes)、今回の決済希望金額をデビット決済することにより、デビット決済による購入金額が所定の上限金額を超過してしまうことから、デビット決済が不可能である旨の決済判定結果がI/F部101からデビット端末30へ送信される(ステップS209)。具体的には、例えば図5に示した管理テーブルにおいて、カードID「222−333」およびカードID「444−555」のプリペイドカードが、同一の遊技客によってデビット決済で購入されている。この時点で、この遊技客の購入金額の合計は3万円となっており、上限金額が例えば3万円であれば、この遊技客は、新たなプリペイドカードをデビット決済によって購入することはできない。このような場合、記憶部102の管理テーブルに仮登録された今回の決済希望金額は、実際にデビット決済されることがないため、管理テーブルから仮登録されたデータが消去される。
【0075】
一方、加算額が所定の上限金額を超過していない場合は(ステップS205No)、今回の決済希望金額をデビット決済しても、デビット決済による購入金額が所定の上限金額を超過しないことから、デビット決済が可能である旨の決済判定結果がI/F部101からデビット端末30へ送信される(ステップS206)。そして、この場合は、デビット端末30によるデビット決済処理後、記憶部102の管理テーブルの更新依頼が受信されるため(ステップS207)、管理テーブルにおいて仮登録された仮のカードIDと決済判定依頼に含まれる決済希望金額および顔画像とを確定して記憶する(ステップS208)。これにより、決済判定依頼が受信されたプリペイドカードの購入要求のうち、決済が可能であると判定され、実際にデビット決済処理が実行されたものについては、記憶部102の管理テーブルに購入履歴として登録されたことになる。
【0076】
また、デビット決済が可能である旨の決済判定結果がI/F部101から送信されたものの、デビット端末30から更新依頼が受信されない場合は、例えば口座残高の不足などにより実際のデビット決済処理が実行されなかったと考えられるため、管理テーブルに仮登録されたデータは消去される。
【0077】
以上のように、本実施の形態によれば、デビット端末において遊技客の顔画像を撮像し、顔画像をキーとして同一の遊技客のプリペイドカードの購入履歴を検索し、過去にデビット決済によって購入された購入金額と今回の決済希望金額との加算額が所定の上限金額を超過する場合は、デビット決済を許可しない。このため、所持しているデビットカードの枚数に関わらず、同一の遊技客によるデビット決済金額に上限を設け、遊技客によるデビット決済に適正な利用制限を課し、遊技への過度なのめり込みを防止するとともに遊技店のサービスの公平性を確保することができる。
【0078】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の特徴は、未使用のプリペイドカードを所持している遊技客にはプリペイドカード購入を許可せず、デビット決済で購入されたプリペイドカードの精算による口座残高の現金化を防止する点である。
【0079】
本実施の形態に係るデビット決済システムの概略構成は、実施の形態1(図1)と同様であるため、その説明を省略する。本実施の形態においては、カードT/C10の内部構成のみが実施の形態1(図4)と異なる。
【0080】
図8は、本実施の形態に係るカードT/C10の内部構成を示すブロック図である。同図において、図4と同じ部分には同じ符号を付し、その説明を省略する。図8に示すように、カードT/C10は、実施の形態1に係るカードT/C10(図4)の構成に未使用判定部151を付加した構成を有している。
【0081】
未使用判定部151は、画像比較登録部103から出力された決済方法、購入金額、および残高から、所定期間内(例えば当日)に購入されたプリペイドカードのうち、購入金額と残高が等しい未使用のものがあるか否かを判定する。そして、判定の結果、未使用のプリペイドカードがある場合、未使用判定部151は、デビット決済が不可能である旨の決済判定結果をI/F部101からデビット端末30へ送信させる。また、未使用のプリペイドカードがなく、かつ上限金額比較部104による上限金額の判定もデビット決済が可能であることを示している場合、未使用判定部151は、デビット決済が可能である旨の決済判定結果をI/F部101からデビット端末30へ送信させる。
【0082】
本実施の形態においては、たとえデビット決済によるプリペイドカードの購入金額が上限金額を超過しなくても、過去に購入したプリペイドカードの中に未使用のものがある遊技客に対しては新たなプリペイドカードの購入が許可されない。これは、遊技客によって口座残高が現金化されることを防止するために制限されている。
【0083】
すなわち、遊技客がデビット決済の上限金額までのプリペイドカードを購入し、購入したプリペイドカードをすべて未使用のまま精算してしまうと、上限金額までであれば、銀行のキャッシュカードであるデビットカードを用いて口座残高を現金化できることになる。そして、一般に、デビット決済に要する手数料は、パチンコ店が負担しているため、遊技客が口座残高の現金化のみを目的とした場合、パチンコ店は手数料分の損害のみを被ることになる。したがって、本実施の形態においては、過去に購入されたプリペイドカードが遊技に使用されていなければ、デビット決済によって新たなプリペイドカードを購入することが禁止される。
【0084】
なお、未使用判定部151は、過去に購入されたすべてのプリペイドカードの残高が購入金額未満であればデビット決済を可能としても良く、また過去に購入されたすべてのプリペイドカードの残高が0である場合にのみデビット決済を可能としても良い。さらに、直近に購入された1枚または所定数枚のプリペイドカード以外のプリペイドカードの残高が0である場合にのみデビット決済を可能とするなどとしても良い。
【0085】
次いで、上記のように構成されたカードT/C10によるデビット決済時の動作について、図9に示すフロー図を参照しながら説明する。同図において、図7と同じ部分には同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。なお、本実施の形態において、デビット端末30の動作は、実施の形態1(図6)と同様である。
【0086】
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、デビット端末30から送信された決済判定依頼がI/F部101によって受信され(ステップS201)、画像比較登録部103によって、決済判定依頼に含まれる顔画像が管理テーブルから検索される(ステップS202)。そして、記憶部102の管理テーブルに顔画像が未登録であれば(ステップS203No)、決済判定依頼に含まれる顔画像が仮のカードIDに対応付けられて新たに管理テーブルに登録され(ステップS204)、決済判定依頼に含まれる決済希望金額の仮登録が行われる。
【0087】
同様に、記憶部102の管理テーブルに顔画像が登録済みであれば、登録済みの顔画像または決済判定依頼に含まれる顔画像に今回の決済希望金額および仮のカードIDが対応付けられ、管理テーブルへの仮登録が行われる。
【0088】
このようにして、今回の決済希望金額が顔画像に対応付けられて管理テーブルに仮登録されると、画像比較登録部103によって顔画像をキーとして検索・抽出された購入履歴は、今回の決済希望金額とともに上限金額比較部104へ通知される。そして、上限金額比較部104によって、過去の購入履歴のうち、所定期間内にデビット決済によって購入された購入金額の合計と今回の決済希望金額とが加算され、得られた加算額が所定の上限金額を超過するか否かが判定される(ステップS205)。
【0089】
上限金額比較部104による判定の結果、加算額が所定の上限金額を超過している場合は(ステップS205Yes)、今回の決済希望金額をデビット決済することにより、デビット決済による購入金額が所定の上限金額を超過してしまうことから、デビット決済が不可能である旨の決済判定結果がI/F部101からデビット端末30へ送信される(ステップS209)。
【0090】
一方、加算額が所定の上限金額を超過していない場合は(ステップS205No)、未使用判定部151によって、購入履歴のプリペイドカードの中に、購入金額と残高が等しい未使用カードがあるか否かが判定される(ステップS301)。すなわち、未使用判定部151によって、過去に購入されたプリペイドカードであって遊技に使用されていないプリペイドカードがあるか否かが購入履歴から判断される。なお、ここでは購入金額と残高が等しいプリペイドカードを未使用カードとしたが、残高が0でないプリペイドカードを未使用カードとしたり、直近に購入されたプリペイドカードについては購入金額と残高が等しいプリペイドカードを未使用カードとしてそれ以外のプリペイドカードについては残高が0でないプリペイドカードを未使用カードとしたりしても良い。
【0091】
そして、未使用判定部151による判定の結果、未使用カードがある場合は(ステップS301Yes)、デビット決済が不可能である旨の決済判定結果がI/F部101からデビット端末30へ送信される(ステップS209)。また、未使用カードがない場合は(ステップS301No)、デビット決済が可能である旨の決済判定結果がI/F部101からデビット端末30へ送信される(ステップS206)。そして、この場合は、デビット端末30によるデビット決済処理後、記憶部102の管理テーブルの更新依頼が受信されるため(ステップS207)、管理テーブルにおいて仮登録された仮のカードIDと決済判定依頼に含まれる決済希望金額および顔画像とを確定して記憶する(ステップS208)。これにより、決済判定依頼が受信されたプリペイドカードの購入要求のうち、決済が可能であると判定され、実際にデビット決済処理が実行されたものについては、記憶部102の管理テーブルに購入履歴として登録されたことになる。
【0092】
また、デビット決済が可能である旨の決済判定結果がI/F部101から送信されたものの、デビット端末30から更新依頼が受信されない場合は、例えば口座残高の不足などにより実際のデビット決済処理が実行されなかったと考えられるため、管理テーブルに仮登録されたデータは消去される。
【0093】
以上のように、本実施の形態によれば、遊技客が過去に購入したプリペイドカードの中に遊技に使用されていない未使用のプリペイドカードがある場合には、新たなプリペイドカード購入のためのデビット決済を許可しない。このため、デビット決済によって購入したプリペイドカードを未使用のまま精算して現金化する行為を防止することができ、パチンコ店などの遊技店における手数料の損害を防止することができる。
【0094】
なお、上記各実施の形態においては、カードT/C10において遊技客ごとのデビット決済によるプリペイドカードの購入金額に上限金額を設けたが、例えば複数の遊技店をまたがって管理する管理センタなどが設立された場合には、この管理センタにおいてデビット決済に制限を課することにより、複数の遊技店における同一遊技客のデビット決済を適正に制限することができる。
【0095】
また、上記各実施の形態においては、遊技店内のデビット端末30が直接デビット情報処理センタ60へ決済依頼を送信するものとしたが、例えばカードT/C10を経由して決済依頼を送信するなどとしても良い。
【0096】
さらに、上記各実施の形態においては、顔画像をキーとして同一の遊技客の判別を行うものとしたが、その他にも例えば指紋や声紋など、遊技客それぞれに固有の生体情報をキーとして同一の遊技客の判別を行うようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、遊技客によるデビット決済に適正な利用制限を課し、遊技への過度なのめり込みを防止するとともに遊技店のサービスの公平性を確保する場合に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の実施の形態1に係るデビット決済システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係るデビット端末の外観を示す正面図である。
【図3】実施の形態1に係るデビット端末の内部構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1に係るカードT/Cの内部構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1に係る管理テーブルの例を示す図である。
【図6】実施の形態1に係るデビット端末の動作を示すフロー図である。
【図7】実施の形態1に係るカードT/Cの動作を示すフロー図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るカードT/Cの内部構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態2に係るカードT/Cの動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0099】
101 I/F部
102 記憶部
103 画像比較登録部
104 上限金額比較部
151 未使用判定部
301 カード読取部
302 入力操作部
303 撮像部
304 表示部
305 レシート発行部
306 制御部
307 決済判定依頼部
308 決済処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技に使用可能な有価価値の購入を現金決済または非現金決済によって決済処理する決済処理システムであって、
遊技客が非現金決済を希望する決済希望金額を受け付ける受付手段と、
前記受付手段による決済希望金額受け付け時に、遊技客の生体情報を取得する取得手段と、
遊技客ごとの生体情報と過去に決済済みの決済金額とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記取得手段によって取得された生体情報と同一の生体情報に対応付けられた決済金額を前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された決済金額のうち所定期間内に非現金決済された非現金決済金額と前記受付手段によって受け付けられた決済希望金額との合計金額を所定金額と比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、合計金額が所定金額を超過しない場合にのみ決済希望金額の非現金決済を実行する処理手段と
を有することを特徴とする決済処理システム。
【請求項2】
前記記憶手段は、
前記処理手段によって非現金決済が実行された場合、前記受付手段によって受け付けられた決済希望金額と前記取得手段によって取得された生体情報とを対応付けて記憶することを特徴とする請求項1記載の決済処理システム。
【請求項3】
前記抽出手段によって抽出された決済金額に対応する有価価値の中に、遊技に未使用の有価価値があるか否かを判定する判定手段をさらに有し、
前記処理手段は、
前記判定手段による判定の結果、遊技に未使用の有価価値がない場合にのみ決済希望金額の非現金決済を実行することを特徴とする請求項1記載の決済処理システム。
【請求項4】
前記処理手段は、
決済希望金額のデビット決済を実行することを特徴とする請求項1記載の決済処理システム。
【請求項5】
前記取得手段は、
遊技客の顔画像を撮像する撮像手段を含むことを特徴とする請求項1記載の決済処理システム。
【請求項6】
遊技に使用可能な有価価値の購入を非現金決済によって決済処理する決済端末装置であって、
遊技客が非現金決済を希望する決済希望金額を受け付ける受付手段と、
前記受付手段による決済希望金額受け付け時に、遊技客の生体情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって生体情報を取得された遊技客が所定期間内に非現金決済した非現金決済金額と前記受付手段によって受け付けられた決済希望金額との合計金額が所定金額を超過するか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段によって合計金額が所定金額を超過しないと検知された場合にのみ決済希望金額の非現金決済を実行する処理手段と
を有することを特徴とする決済端末装置。
【請求項7】
遊技に使用可能な有価価値の購入を非現金決済によって決済処理する決済端末装置と通信する管理装置であって、
遊技客ごとの生体情報と過去に決済済みの決済金額とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記決済端末装置から送信される生体情報と同一の生体情報に対応付けられた決済金額を前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段によって抽出された決済金額のうち所定期間内に非現金決済された非現金決済金額と前記決済端末装置から送信される新たな決済希望金額との合計金額を所定金額と比較する比較手段と、
前記比較手段による比較の結果、合計金額が所定金額を超過しない場合にのみ前記決済端末装置に決済希望金額の非現金決済を許可する許可手段と
を有することを特徴とする管理装置。
【請求項8】
遊技に使用可能な有価価値の購入を現金決済または非現金決済によって決済処理する決済処理方法であって、
遊技客が非現金決済を希望する決済希望金額を受け付ける受付工程と、
前記受付工程における決済希望金額受け付け時に、遊技客の生体情報を取得する取得工程と、
遊技客ごとの生体情報と過去に決済済みの決済金額とを対応付けて記憶する管理テーブルから、前記取得工程にて取得された生体情報と同一の生体情報に対応付けられた決済金額を抽出する抽出工程と、
前記抽出工程にて抽出された決済金額のうち所定期間内に非現金決済された非現金決済金額と前記受付工程にて受け付けられた決済希望金額との合計金額を所定金額と比較する比較工程と、
前記比較工程における比較の結果、合計金額が所定金額を超過しない場合にのみ決済希望金額の非現金決済を実行する処理工程と
を有することを特徴とする決済処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−366(P2008−366A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−173137(P2006−173137)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】