説明

油圧駆動システム

【課題】エネルギー損失を軽減した油圧駆動システムを提供する。
【解決手段】アクチュエータのための油圧駆動システムは、1つの装置の制御された圧力を変化させることによって、アクチュエータの駆動チャンバに流入する、またはチャンバから流出する流れを制御するために、一対の圧力補正された油圧装置を使用している。その装置は機械的に連結されて、アキュムレータが供給エネルギーを貯蔵するために、回復および蓄積することを可能にしている。駆動システムは、車両内に含まれるトランスミッションを含んだ他の供給部と一体とされてもよい。トランスミッションは補正された圧力の供給および車輪のトルク制御に使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、タイトル35、米国コード、セクション119(e)の2004年12月1日出願の米国仮出願第60/632,176号および第60/632,178号、ならびに2005年5月3日出願の第60/677,103号に基づく利益を主張している。
【0002】
本発明は、エネルギー伝達装置システムに関する。特にエネルギー伝達媒体としての油圧流体を利用するようなシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
油圧駆動システムの媒体を介して負荷をかけるために、モータまたは内燃機関のようなものが、源動力からエネルギーを伝達する方法としてよく知られている。そのようなシステムは、典型的に原動力によって駆動されるポンプおよび負荷に接続されたモータを有している。ポンプとモータとの間の流体の流れを調整することによって、負荷に動作を与えることが可能であり、固定位置において維持し、そうでなければその配列に影響を与える。
【0004】
流体の流れの制御は、バルブ機構によって典型的に達成され、その最も単純なものは、ポンプとモータとの間の流れを単純に開放または閉塞するように形成されており、それによって負荷の動作を規制している。そのようなバルブシステムは、バルブを通過するエネルギーの損失の点から見て、比較的効率が悪い。典型的な導入において、バルブはリリーフバルブに対抗して圧力を供給するためのポンプを要求することで、クローズドセンターとなっている。流体に供給されるエネルギーは、従って、熱として消費される。オープンセンターの装置において、注意深くバルブを製造することは、流量0と最大流量との間の遷移を得るために要求されており、一方で負荷の制御が維持され、かつエネルギー損失の原因となるバルブを通過する流れを測定している。
【0005】
従って、流れを制御するために使用されるバルブは、比較的複雑であり、必要な制御関数に到達するために、高度に精密に製造されている。そのように、バルブは専門化する傾向があり、異なる制御方法の導入において柔軟性を提供していない。最も顕著なことは、オリフィスを通過する流れの測定によって制御が達成されるために、流体の流れを制御するときに、本質的に著しいエネルギー損失があるということである。制御バルブは、装置への流入における狭いポートを通過する流れを制御することによって、動作を規制している。なぜなら、制御バルブは、典型的に1片のスプールであり、類似の狭いポートは、流出する流体に存在し、結果として著しいエネルギーの損失となっているからである。
【0006】
バルブに要求される操作力を減少するために、サーボバルブの使用が知られており、それは、パイロット操作が流体の流れの制御に使用されている。そのような装置において、回転バルブはパイロット流れの一対と釣り合っており、1方の流れを増加させ、他方を減少させるように動くことが可能である。流れにおける変化は、制御バルブを動かし、油圧装置を操作するために使用されている。パイロットバルブを動かすために要求される力は、制御バルブに要求される力よりも小さく、従って、高度な制御が得られる。しかしながら、パイロットバルブを通過する高圧の連続的な流れが、結果的に重大な損失となる。制御バルブ自身も、狭いポートを通過する流れの測定によるエネルギー損失の影響を受け、従って、高度な制御を提供しているにもかかわらず、エネルギー損失は重大である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明の目的は、上述の欠点を取り除く、または軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一般的な事項として、本発明は油圧駆動を提供しており、装置からの流れは、可変容量油圧装置によって制御されている。その装置は、アクチュエータ内の圧力を保持するために、圧力補正される。制御信号は、保持された圧力を維持するために提供され、それによってアクチュエータからの流れを規制している。
【0009】
従って、本発明の1つの形態は、駆動部材の方向と対向したチャンバ内の流れから供給された駆動力を適用するように配置された一対のチャンバを具備したアクチュエータを有する油圧駆動システムを提供する。それぞれのチャンバは、一対の可変容量油圧装置のそれぞれの1つずつに接続され、それぞれはチャンバ内の設定された圧力を保持するために、装置の容量を維持する操作が可能な圧力補正制御部を備えている。最重要の制御は、容量を変化させるための装置の少なくとも1つを可能であり、チャンバの1つからの流れの流出を可能にしており、それは駆動部材の動きに相当している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】リニアアクチュエータのための油圧駆動の回路図である。
【図2】図1の駆動装置に使用された要素のより詳細な回路図である。
【図3】図1の回路と同様の調整された制御部を備えたリニアアクチュエータの回路図である。
【図4】図1の回路と同様のさらなる制御関数を組み合わせたリニアアクチュエータの回路図である。
【図5】回転駆動部の回路図である。
【図6】エネルギー回復機能を増強させた駆動部のさらなる実施形態の回路図である。
【図7】油圧トランスミッションを含んだ車両の外観である。
【図8】図7において利用された油圧トランスミッションの回路図である。
【図9】異なる操作状態の下での異なる応答を示した応答曲線である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態は、添付図面を参照することのみで、例に挙げてここに記載される。
【0012】
図1を参照すると、油圧駆動システム10は、シリンダ12内に支持されたピストン14を備えたシリンダ12を有するアクチュエータ11を含んでいる。ピストン14は、ピストンロッド16に接続されており、ピストンロッド16は、シリンダ12の反対側の端部から伸びている。ピストン14は、シリンダ12をチャンバ18と20とにさらに分割しており、それらは個々にポート26および28によって供給ライン22および24に接続されている。ロッド16は、負荷30に接続されており、それは水平スライド負荷として概略的に示されている。
【0013】
供給ライン22および24は、一対の可変容量油圧装置32および34の流出口に接続されている。その装置32および34は典型的には斜板装置であり、斜板の傾斜の角度は、装置の容量を決定している。代替的に、その装置はラジアルピストンポンプでもよく、制御リング(control ring)の同心度を変化させることにより、ポンプの容量を決定している。その装置32および34は、それぞれがポンピングモード(pumping mode)またはドライブモード(motoring mode)において操作可能であるために、可逆的とされている。そのような装置の詳細は知られており、さらに記述する必要はないであろう。特に、そのような装置の好適な実施形態は、同時係属出願の国際特許出願PCT/US2005/0042723号に記載されており、その内容は、参照することで本願に含められている。
【0014】
その装置32および34は、共通のドライブシャフト36によって原動力(prime mover)38に連結されており、その原動力は、典型的には電気モータまたは内燃機関である。その装置32および34は、油だめ40からの流体を受け、かつ油だめ40へ流体を戻している。それぞれの装置は、容量調整機構42および44を持っており、その配置は、斜板調整モータ46および48によって調整されてもよい。そのモータ46および48は、独立して操作可能であり、個々の制御ユニット47および49によって制御されている。図2にさらに詳細に見られるように、それぞれの制御ユニット47および49は、手動制御51の操作の結果として制御モジュール50からの制御信号を受け取る。その制御モジュール50は、制御ユニット47および49と、個々の信号線52および54を通して通信を行っている。それぞれの信号線52および54は、基準圧力信号61と斜板位置フィードバック信号57とを含んでいる。制御モジュールへの入力は、コントローラ51によって提供され、そのコントローラは、手動制御部として示されている。これが他の制御関数から自動的に生成され、またはシーケンスプログラムの一部であることが好ましいであろう。
【0015】
制御ユニット47および49は同様であり、従って、1つのみが詳細に記載されている。その制御ユニット47および49は、個々の供給ライン22および24からの圧力フィードバック信号を、内部信号線56を通して受け取っている。フィードバック信号は、信号線57を通して斜板位置のフィードバックと信号線58を通して装置の回転速度とを得ている。
【0016】
圧力基準信号61と圧力フィードバック信号56とは、圧力制御駆動部63において比較され、制御線65を通して斜板駆動部67に接続されている。その斜板駆動部67は、エラー信号68の出力を生成している。そのエラー信号68は、バルブ駆動部69に適用され、その出力は駆動信号62である。
【0017】
その駆動信号62は、クローズドセンターバルブ66の動作コイル64に適用され、モータ46の動き、すなわち果個々の装置32の容量を制御している。そのバルブ66は、バルブ位置フィードバック信号70を有しており、駆動信号62がエラー信号68とバルブ位置信号70との間の差異となるように、バルブ駆動部69に送られている。
【0018】
操作において、負荷30は初期において静止しており、容量調整部材42および44は、初期的には装置32および34に配置されている。そのとき原則的に最大のシステム圧力は0であり、それぞれのポート26および28においては典型的に5000psiのオーダーである。その装置32および34は、この状態を基準信号61が圧力制御駆動部63において適用される基準信号として獲得し、あらゆる圧力損失が流体を供給するための斜板を動かす斜板駆動部への信号を提供しているであろう。このことは、フィードバック線56で感知された圧力の増加に起因しており、駆動部67において正味合計0になっている。この状態において、ドライブシャフト36は、供給ライン22および24における出力を出すことなく、単純に装置32および34を回転させている。その流体は、原則的にチャンバ18および20内にとどまっており、従って、シリンダ12と相対的なピストン14の位置の動きは、抑制されている。システムからのあらゆる漏れは、個々のライン22および24の圧力低下の原因となり、圧力を維持する個々の部材42および44を調整するための、圧力制御駆動部63からの間接的なエラー信号の原因となる。
【0019】
負荷30が動くために、手動制御部51は、負荷が動かされる方向に動かされ、その方向は、図1中の矢印Xで示された方向である。初期の記述の目的に関して、制御部51は、制御モジュール50に対して、ステップ関数すなわち“入”または“切”の数値を単純に固定していると仮定されるであろう。次の実施形態は、代替的な制御方法を記載している。手動制御部51で、信号33が制御モジュールに提供されており、そのモジュールは、制御線53および54中の信号に一致するものを生成しており、この場合は52であるが、要求された方向に動きを生じる。
【0020】
圧力基準信号61は、例えばポート26において100PSIのように公称最小圧力を要求するように設定され、制御線65の信号も、ポート26の圧力を減少させるためのドライブモードにおいて、装置32の容量の増加を示している。従って斜板駆動部67は、エラー信号68をバルブ駆動部69に提供し、そのバルブ駆動部は、装置32がポート26内の圧力を減少させ、チャンバ18からの流体の流れを可能にするためのドライブモードに起因している、バルブの要求された位置を示している。バルブ位置フィードバック信号70は、バルブ66の中立位置を示しており、バルブ駆動信号62は、エラーを減少するためにアクチュエータ64に適用され、そこでバルブ66が開かれる。
【0021】
初期段階において、装置32の容量は、下降させるためにポート26の圧力を十分に増加させ、信号57はコントローラ50からの基準信号61に一致しているであろう。従って制御信号65は、0まで減少する。従ってバルブ位置フィードバック信号70は、バルブ駆動部69を介してバルブ66を閉じるように働きかけ、斜板42のさらなる動きを抑制する。装置の容量のさらなる任意の増加は、基準圧力61によって設定されているよりも低く、ポート26の圧力を減少し、制御信号65は、容量を減少するために働きかけ、基準値61で設定された圧力まで回復させるであろう。
【0022】
ポート26の圧力が減少するとき、チャンバ20内の圧力は、最大設定値において維持され、制御ユニット49に関連した基準信号61は、修正されない。ピストン14を通過するように働きかける圧力の差は、ピストン14の動作を開始させ、順にポート28の圧力を減少する。従って制御ユニット49の圧力制御駆動部63は、制御信号65を生成し、斜板駆動部67にエラー出力を発生し、装置34が基準圧力を調整するためのポンピングモードにおいて、容量を増加する。ピストン14の動きは、ポート26からの流れを引き起こし、ポート26の圧力は、再度公称設定圧力よりも高くまで増加する。そして、圧力制御信号65は、ドライブモードにおいて、斜板駆動部67を介して装置32の容量を増加させるために操作可能となるであろう。一方で要求された公称圧力を調節している。ピストン14を通過する圧力の差は、そこで負荷30を加速させる。負荷30が加速するとき、装置34の容量はポンピングモードにおいて増加し続け、流体を供給して基準圧力を調節し、装置32の容量は、同様にドライブモードにおいて増加し、公称設定圧力を調節するであろう。負荷30は加速し続け、装置32および34の容量は、ポート26および28における個々の設定圧力を調節するために、制御を補正する圧力の下で調整される。装置34が最大容量に到達した場合に、負荷はすでに加速される能力はなく、一定速度に到達し、ポート28の圧力は最大基準圧力において調節され、ポート26の圧力は公称低圧力において調節される。
【0023】
手動制御部51によって提供される最も単純な制御の形態において、アクチュエータ10は、制御部50によって設定された方向で負荷30を動かし続けるであろう。負荷30の所望の位置が得られた場合、オペレータによって観察されるように、手動アクチュエータ51は中立位置に戻され、基準圧力61が最大圧力まで増加する原因となる。基準信号61によって示された圧力に到達するために、装置32の容量はポート28の圧力が設定値まで増加する原因となるように減少するであろう。ピストン14を通過する圧力差は除去され、負荷30は減速する。従って装置34の容量も、設定値において圧力を維持するために減少し、負荷が減速したとき、装置32および34は両方とも最小容量に徐々に減少する。ポート26および28の圧力は、その後一致し、負荷30を静止させるように調節する。動作中、基準圧力61の変調は、装置32のみに適用され、装置34はピストン14の動作を追随するための単純に補正されたモードの圧力で操作している。
【0024】
反対方向における手動制御部51の動作は、制御ユニット49のバルブ66の駆動信号を発生するために、信号線54を介して制御を適用されることと同じであり、要求された圧力の減少は装置34の容量を増加させ、反対方向において一致する動作を発生する。
【0025】
負荷30の動作中、斜板位置フィードバック信号57は、制御モジュール50に供給され、例えばポンピングまたはドライブのような、装置の操作モードの指示を提供し、基準圧力信号61の調節において、先行した制御を提供する。
【0026】
図9に示されているように、操作状態の差に適合するために、回転フィードバック信号58が、ランプ関数の開始の変化に使用され、圧力制御において最適な応答を得ている。基準圧力61の増加の応答における供給において圧力が上昇した場合、圧力感知線56で感知されるため、傾斜開始点Tは、制御部50が制御部63への圧力信号を調節している点に到達する。制御部50は、速度フィードバック信号58も受け取り、感知された速度に反比例したT1およびT2で示された初期位置を調節する。回転の低速度域において、圧力ゲイン(圧力増加の比率)は低く、それは、装置32および34内のポンピングおよびドライブの比率が比較的低いことを考慮すると、システム応答の時間が長くなっているためである。しかしながら、高回転速度においては、圧力ゲインの比率は非常に高くなる。従って、高いRPM(毎分回転数)において、初期位置T1は低圧力となっており、低いRPMにおいては、初期位置T2は高圧力になっている。このように、システム応答はそのシステムの操作状態の変化に合わせられることが可能である。
【0027】
フィードバック58を介した装置回転速度の提供は、装置の応答の変化に利用され、基準圧力信号61に変化する。好適な応答の提供、すなわちオーバーシュートの抑制およびアンダーシュートの最小化するために、バルブ66の制御信号はランプ関数によって調節されている。
【0028】
代替的に、斜板42および44の傾斜配置は、修正の開始を手直しするために使用されても良い。この場合、基準信号61の増加の応答の供給における圧力上昇のために、圧力感知線56内に感知された場合、傾斜開始点Tは制御部50が制御部63への圧力信号を修正する点に用達する。制御部50も斜板フィードバック信号57を受け取り、開始点を修正し、感知位置に反比例してT1およびT2によって示されている。低斜板角において、圧力ゲイン(圧力増加の比率)は低く、それは装置34および32内のポンピングおよびドライブの比率が比較的低いことを考慮すると、システム応答の時間が長くなっているためである。しかしながら、より高斜板角においては、圧力ゲインの比率は非常に高くなる。従って、高斜板角において、初期位置T1は低圧力となっており、低斜板角においては、初期位置T2は高圧力になっている。このように、システム応答はそのシステムの操作状態の変化に合わせられることが可能である。
【0029】
フィードバック58を介した装置回転速度の提供は、装置の応答の変化に利用され、基準圧力信号61に変化する。好適な応答の提供、すなわちオーバーシュートの抑制およびアンダーシュートの最小化するために、バルブ66の制御信号はランプ関数によって調節されている。
【0030】
潰れていくチャンバから放出される流体のエネルギーが、シャフト36を介して互いの原動力へと向きを変えるということは、共通の駆動部上の可変容量装置32および34を利用することによって好ましいこととなり、その装置はポンピング状態にあるか、さらに詳細に後述されているようなまたは付加的な装置である。
【0031】
潰れていくチャンバ(上述の例の18)からの流体の流れはトルクを生成し、それは個別の装置32を介して伝達される。トルクの生成は、装置の容量の一部に依存しており、ドライブシャフト36に適用されて原動力38によって適用されたトルクを補完する。いくつかの場合、例えば負荷30の動作の場所が重力によって補助されている場合、1つの装置から得たトルクは、他の装置における設定圧力を維持するために十分であるが、他の場合において、原動力38からのエネルギーは、追加的にトルクが補助されることを要求される。どこで追加的なトルクが要求されても、原動力制御部は、要求(例えば圧縮点火式内燃機関の場合の速度の低下による)の増加を感知し、それに応じて応答する。
【0032】
負荷30の減速も、エネルギー源を提供しており、装置32および34の機械的リンクを介して補助されてもよい。上述したように、制御部51が中立位置に戻る場合に、装置32は最大基準圧力を維持された状態となる。その動エネルギーによって負荷30が動き続けることは、従って、依然としてドライブモードにある装置32を介した最大圧力に対抗して働きかけなければならない。従って装置32は、チャンバ18から吐出される流体によって駆動され、十分なトルクがドライブシャフト36に適用されている。トルクは、両方の斜板が原則的に容量0に戻って負荷が静止するまで適用されている。
【0033】
いくつかの場合において、負荷30は、制御部51を動かすオペレータによって、反対方向に、例えば中立位置を通って最大の比率で減速されてもよい。そのような動作は、ポート28において要求されている公称低圧力を示し、ポート26において最大圧力を示すために、信号線54を通して適用される信号に起因している。従って、装置32はその容量が減少して最大圧力を維持し、装置34は同様にその容量を減らすが、ポート28における公称低圧力のみを調節する比率である。そして最大圧力の差は負荷の減速と静止とに適用される。斜板は変位0に向かって徐々に動き、その時点で制御部51は解放され、それぞれのチャンバに等圧力バランスが適用される。制御部51が逆の位置において調節された場合、装置34はドライブモードに入り、装置32はポンピングモードに入り、そして反対方向の負荷の動作が開始する。
【0034】
上記に論じられたように、手動制御部51は“入”または“切”であるが、比例信号は手動制御部51内に含まれており、負荷の動作の比率が中立位置からの制御部51の動作に比例しているような、漸進的応答を得ている。この場合において、制御信号53の強さは、制御部51の動作に比例している。信号52は、圧力補正のための基準圧力信号を規定しており、それは制御部50の変位に比例している。矢印Xの方向における負荷の動作が要求されていると仮定すると、装置32の容量は、ポート26の圧力がこの数値に到達するように調整される。ポート28の圧力は、基準レベルに維持され、従ってピストン14にかかる圧力差が調節され、加速度が制御されてもよい。
【0035】
図1に示されている装置は、単純な手動フィードバックを提供しているが、制御信号は、図3に示されているようなアクチュエータ18の一制御のために修正されてもよく、そこで参照符号に相当するものが、明確にするために添え字“a”を付加された構成要素に相当するものを意味するために使用される。図3の実施形態において、手動制御部51aは、制御モジュール50aに比例制御信号を提供している。位置フィードバック信号72aは、アクチュエータ11aのピストンロッド16aから得られており、それは制御部50aにも提供されて、手動制御部51aによって表された所望の位置と信号70aによって表された実際の位置との間の差を示しているエラー信号を得ている。制御モジュール50aは、圧力基準信号61aを制御信号線52a上に生成しており、モータ46aの個々の制御ユニット47aに適用されて装置32aの状態を調整しており、要求された方向にピストン14aを動かしている。図3に示した矢印Xの方向における負荷30の動作が要求されていると仮定すると、装置32aは容量を増加させて、基準制御信号61aによって設定された圧力に相当する、ポート26における減少された圧力に到達しようと試み、流体はチャンバ18aから流出する。装置34aは最大基準圧力を適用して負荷30を動かし、容量を変化させて圧力を維持している。所望の位置が得られた場合、位置信号72aは変化し、手動制御部51aと位置信号72aとの間の差は原則的に0に減少する。斜板は徐々に0まで変位し、この所望の位置からの任意の動作は、制御モジュール50aにおいてエラー信号を生成し、適当な圧力基準信号61aに調節して、負荷を所望の位置に戻す。従って、装置32の容量は、徐々に減少して圧力が増加し、負荷30が所望の位置で停止するまで、装置34aの容量を減少させて一致させる。
【0036】
図1の装置の制御も修正されて、速度制御を提供し、そこで最大速度が限定される。構成要素に相当するものは、明確化のために添え字bを付加した参照符号を意味する。図4の実施形態において、負荷のピストンを監視するよりも、図3に示されたように、装置32bおよび34bの容量が監視され、速度の指標として使用されたほうがよい。従って、図4を参照すると、51bにおける手動制御は、所望の速度に比例した信号出力を提供して、制御信号52bを生成する信号を得て、装置32bがドライブモードに入り基準圧力が公称の低数値に減少する原因となる。装置32bの容量はドライブモードにおいて増加し、ポート26bにおいて減少して、その結果として負荷を加速させる。
【0037】
装置32bおよび34bの容量は、フィードバック信号57bを介して、制御部51bで設定された容量と一致する容量を示すまで増加する。従ってエラー信号は除去され、装置32bの容量は減少して基準圧力に安定する。装置34bの基準圧力は最大値になり、負荷は、装置32bの容量が、フィードバック信号57bを介して、制御部51bからの入力信号52bに一致するまで再び加速する。装置の容量が徐々に減少していく場合、装置32bが圧力を減少するために容量を増加する斜板位置フィードバック信号57bは、エラー信号を再び生成し始める。従って、速度の安定、装置の最大容量で限定される中間位置は達成される。そのような制御は、工作機械の駆動または同様のものの自動化工程に役立たせることが可能である。
【0038】
上述のリニアアクチュエータは、両側式アクチュエータとして記載されているが、片側式アクチュエータに等しく使用されてもよい。すなわちピストンロッドがアクチュエータの一側から突出しており、チャンバが異なる領域を有するようなピストンである。基準信号61との一致は、ロッドとピストン側のチャンバとの間の領域の差に比例して調整されてもよく、それは上述の図1に記載されたものと同様の規則性にあるシリンダの動作を制御するためである。
【0039】
同様の制御構造は、同様のアプリケーションに利用され手もよいように、回転駆動に利用されてもよい。そのような装置は図5に示されており、同様の参照符号が同様の構成要素を意味するものとして使用されているが、記載を明確にするために、接頭辞として1を付けている。一対の可変容量油圧装置132および134は、固定容量回転装置180と油圧配管122および124を介して油圧的に接続されている。原動力138は、それぞれの装置132および134と機械的に接続されており、ウィンチアセンブリ130は装置180に接続されている。装置132および134は、制御モジュール150によって供給される制御信号152および154を伴ったモータ146および148によって制御されている。負荷の静止と共に、それぞれの調整部材142および144は、供給ライン122および124内の油を固定して原則的に容量0に設定される。装置の圧力補正は、圧力がシステム内で維持されてモータを確実にロックし、ウィンチの回転を規制している。
【0040】
ウィンチ130を回転させるアクチュエータからの信号において、モータ132への信号は、ドライブモードにおいて容量の増加を要求して圧力の減少させることを示している。供給ライン122において流体が供給されるとき、装置134の圧力補正制御は、ウィンチアセンブリの回転の原因で制御された設定圧力に、圧力を維持するために調整される。上述に示された位置および速度制御部は、負荷の動作を制御するために利用されてもよく、所望の位置に調整してもよい。一旦位置が到達されると、手動制御部151の開放と位置または速度制御部からのフィードバックとの両方によってエラー信号が除去され、斜板144および142は徐々に原則的に位置0に戻り、そこではエネルギーがシステムを介して移送されずに負荷がモータの両側の圧力によって調整される。
【0041】
従って、それぞれの上述の実施形態において、一対の圧力補正可変容量装置は、アクチュエータの操作の制御に利用されてもよいということが見受けられる。
【0042】
圧力補正は、アクチュエータを保持するために利用されるエネルギーの最小化を可能にし、アクチュエータのエネルギー放出において最重要な圧力設定によって、アクチュエータの動作を制御することが得られている。唯一の装置の変調は、次に圧力を維持し、駆動力を適用する他の装置と共に要求される。装置の機械的連結は、エネルギーがアクチュエータからの流体の流出から除去されることが可能となるために使用されても良く、装置の駆動力供給に適用される。
【0043】
上述したように、装置32および34の機械的連結は、エネルギーがある状態の下で回復することを可能にしている。エネルギーの回復は、図6に示された装置の採用によって強化される。同様の参照符号が同様の構成要素を意味するものとして使用されているが、記載を明確にするために、接頭辞として2を付けている。図6の実施形態において、一対の可変容量装置232および234は、負荷230に接続されたアクチュエータ211に接続されている。それぞれの装置232および234は、圧力補正制御部を備えており、上述の制御部250を介して手動制御部251から操作される。装置232および234は、一対のかみ合った歯車236によって機械的に連結されており、それらは一致して回転する。装置の駆動力は、歯車282および283を含んでいるギアトレイン(gear train)を介して、原動力238によって提供されている。
【0044】
補助油圧駆動装置284は、歯車283に接続され、補助供給部276に流体を供給している。駆動装置284は、固定または可変容量であってもよく、適当であれば、装置232および234のように制御されてもよい。ギアトレイン280は、付加的な可変容量装置286を駆動する歯車285も含んでいる。装置286は、油圧アキュムレータ288に接続されており、それはそうち286を介して流体の貯蔵および放出が操作可能であり、それによってギアトレイン280からのエネルギーを吸収またはギアトレイン280へのエネルギーを寄与している。速度センサ290は、ギアトレイン280の速度の監視を提供しており、制御モジュール250のインターフェイスとなっている。
【0045】
操作中に、アキュムレータは最初は空であり、補助駆動装置284は供給部276に一定流量の流体を供給していると仮定される。負荷230は装置232および234の動作の下に一定速度で動いており、原動力238はギアトレイン280に、要求を実行するために十番なエネルギーを供給している。負荷230が最大の比率で減速した場合、上述のように、装置232はドライブモードにおいて最大圧力に調整され、かなりのトルクが、駆動トレイン280を加速するために発生する。原動力が圧縮点火式内燃機関と仮定して、初期的に原動力が燃料不足である場合、装置232によって供給されるトルクは装置284の駆動に使用され、補助供給部276へ流体が供給される。トルクがこの規則において吸収できない場合、ギアトレインは加速し、速度センサ290は制御部250がポンピングモードにおいて付加的な装置286の容量を増加させる信号を出す。装置286は、従ってトルクの吸収が可能な比率におけるアキュムレータ288への圧力の下で流体を供給し、ギアトレイン280の所望の速度を維持する。
【0046】
負荷230が静止状態となった場合、ギアトレインに供給されたトルクは減少し、速度が低下する。制御部250は、装置286がポンプ動作を減少させ、原則的に容量0に戻す原因となる。それは、アキュムレータ288内へのエネルギーの貯蔵に伴う、装置232によって引き出されるエネルギーの不足のためである。同様に、減速中に補助供給部276がより多くのエネルギーを要求した場合、ギアトレイン280の速度は減速し、装置286に対して補正される。装置232から得られるエネルギーは、従って補助供給部276に向けなおされ、残存分は、もしあったとすれば、アキュムレータ288に輸送可能である。
【0047】
供給部276によって強制された負荷が増加し続ける場合には、アキュムレータ288内に貯蔵されるエネルギーは、ギアトレイン280の所望の速度に維持することを可能とする。負荷の連続的な増加は、再びギアトレイン280の速度を減少させ、制御部250を、付加的な装置286がドライブモードへと移行するようにさせる。アキュムレータ内に得られた加圧された液体は、装置286に適用され、ギアトレインにトルクを生成し、それによって所望の速度に調節する。装置286の斜板は、アキュムレータ288が消費された状態におけるすべてのエネルギーユニットの所望の(または低いしきい値の)レベルに速度を調節するために補正される。そのとき、さらなるエネルギー要求が、燃料供給をしている原動力238によって満足される。装置286を介したアキュムレータ288の機械的接続と所望の限度内のギアトレイン280の速度を調節する補正とは、回復されたエネルギーの利用を強化する。-
【0048】
上述のシステムは、より複雑な装置の制御方法に統合されてもよく、それは同様の参照符号が、同様の構成要素を意味するために、接頭辞4を付して使用され、図7および8に示されている。従って、図7を参照すると、車両Vは駆動輪Wで支持された車体構造Cを含んでいる。上部構造物Sは、車体構造C上に配置され、ターンテーブルT上の垂直軸に関して回転可能である。ブームアセンブリBは、上部構造物Sに垂直平面内で回転可能に組みつけられている。ブームアクチュエータ411は、上部構造物SとブームアセンブリBとの間に接続され、ブームを昇降させるように操作可能である。
【0049】
車両Vは、ギアトレイン480を介して油圧駆動システムに接続された原動力438を含んでおり、より詳細には図8に示されている。図8に見られるように、原動力438は、電気モータまたは内燃機関であってもよく、機械的なギアトレインに入力を提供しており、駆動力を多くの可変容量油圧装置432,432a,434,434a,484および486に伝達している。それぞれの油圧装置432,432a,434,434a,484および486は、可変容量であり、個々に容量調整部材442,443,444,および445を備えている。装置432,432a,434,434a,484および486は、典型的に調整可能な斜板装置であり、上述した好適な実施例を参照すると、回転バレル内に軸方向に往復するピストンで作動する傾斜した斜板を備えている。
【0050】
ブームアクチュエータ411の駆動力は、一対の装置432および434によって手動制御部451を介して提供され、上述の図1および2に参照されるように、その制御部はピストン414の両側の流れを制御している。同様に、ターンテーブルTは、回転モータ480によって手動制御部451bを介して操作可能であり、上述の図5に関する規則に従って、その制御部は一対の装置432および434を制御している。付加的な装置486は、図6に関して上述されているように、アキュムレータ488とギアトレイン480との間でエネルギーを輸送している。
【0051】
油圧装置484は、図2に関する上述の圧力補正を行っており、補助供給部476は、供給導管500によって、車輪駆動部502,504,506および508に接続されている。それぞれの車輪駆動部502,504,506および508は、個々に1つの車輪Wを駆動しており、それぞれ制御ユニット547を備えた可変容量化逆的油圧装置であり、参照図2に記載されているようなものと同様のものである。それぞれが調整部材510,512,514,および516を備え、個々のバルブによって制御されている。油圧装置510〜516は、装置32および34と同様の構造であり、さらに詳細に記載する必要はない。
【0052】
それぞれの駆動部502〜508の容量は、制御モジュール450で生成される斜板位置制御信号461によって制御されている。それぞれの駆動部502〜508は、それぞれの装置の操作を監視するための信号線452の回転信号458の速度も提供している。
【0053】
トランスミッションの制御をする作業者は、手動制御部451c,451dおよび451eを介した制御モジュール450に配置される。手動制御部451cは、車両Vを推進する方向および速度を制御している。これらは標準的な制御であり、共通に使用されるインターフェイスの他のものが採用可能であることは、好ましいことである。
【0054】
油圧駆動システムの操作は、初期段階では車両が制しており、ブームは下げられた位置で固定されていると仮定して記載されている。車両が静止している場合、それぞれの装置432,434,432a,および434aは、原則的に容量0であり、最大設定圧力に維持されている。車輪駆動部502〜508は、同様にトルク0を供給するように最小容量に設定され、装置484は本質的に容量0であり、動管500内の最大圧力を調節している。原則的にこの設定はシステム内の任意の漏れを補充するのに十分であるが、車両の動作は提供されない。
【0055】
アキュムレータ488は完全に放出され、付加的な装置486の容量は、最小になる。それぞれの装置432,434,432a,および434aが最小になった場合、原動力30は、出力をまったく出さずに単純に装置を回転させ、従って、最小のパワーを要求する。
【0056】
車両Vが動作を開始すると、作業者は動作の要求された方向に制御部451cを動かし、制御モジュール450nへの最適な制御信号453cを提供している。典型的に、これは車輪で入力される方向だけでなくトルクを示している比例信号であり、車両の動作の比率を決定している。制御モジュール450は、車輪駆動部502〜508への制御信号452を提供して、制御部450からの入力信号に一致するようにトルク(変位)設定を達成する。これは、装置の比例容量に一致していることを示している比例トルク設定である。最大加速度のために、これは最大変位に相当する。車輪駆動部502〜508が個々の斜板510〜516の制御の下で増加する場合、供給導管500内の圧力は減少して、装置484の圧力補正がその装置の容量を増加させる原因となる。導管500を通じて流体が流れる結果として駆動部502〜508から得られたトルクは、車輪Wを回転させ、車両を推進させる原因となる。
【0057】
車輪駆動部502〜508の容量は、斜板フィードバック信号457が所望の容量に到達したことを示すまで増加し続け、要求されたトルクはそれぞれの車輪に供給される。この間、圧力補正制御の下の導管500内の圧力は装置484の容量の増加によって維持されている。一方で、それに妨げられるように、制御部451cの調整または車両の負荷の増加によって、車両Vは、装置484が外部負荷が得られるトルクに一致するところに到達するまで加速する。
【0058】
車両が所望の速度に到達した場合、作業者は制御部451cを解放して、車輪駆動部502〜508の容量を減少させ、その結果としてトルクはさらに加速を規制され、所望の速度を維持する。装置484はその容量を減少させて、圧力を最大値に調節し、一方で、車輪モータを通じた流れを調節している。定常状態は、車輪Wへのルクの供給が車両Vの負荷に一致することで達成される。ある状態において、例えば下り坂を惰性走行している場合、所望の速度を調節するためにトルクは要求されず、車輪駆動部502〜508および装置484は、原則的に容量0にもどる。この状態において、車両は車輪Wへの正味のパワー供給なしに単純に惰性走行している。
【0059】
車両Vにブレーキをかけるために、ブレーキ制御部451dが作動される(好ましくは、それは制御部451cに統合されていてもよい)。ブレーキ制御部451dは、制御部450に比例信号453dを生成し、選択された容量においてポンピングモードのそれぞれの車輪駆動部502〜508の状態を調整する。従って、斜板510〜516は、ドライブモードから中央を越えてポンピングモードへと移行し、導管500内の圧力増加の原因となる。装置484は初期段階ではその容量が減少し、その後中央を越えて、最大設定値を維持するための圧力制御部の動作の下で、ドライブモードへと移行する。斜板フィードバック信号457は、ブレーキ制御部451dによって示された容量において、車輪駆動部を保持し、ポンプは最大圧力の下で装置484を通じて流体を流す。このことを行うために要求されるトルクは、車両の推進力から供給されており、従って、車両Vにブレーキをかける。ドライブモードへの装置484の状態の調節は、結果としてギアトレイン480の装置484から供給されたエネルギーである。
【0060】
ギアトレイン480に供給されたエネルギーは、原動力を含むギアトレインの構成要素が加速する原因となる。ギアトレインの回転速度は、速度センサ490によって監視され、制御モジュール450によって検出された速度が増幅される。これは、アキュムレータ488がポンピングモードに移行し、加圧下においてアキュムレータ488に流体を供給することに関連した装置486の状態を調整している。装置486の配置は制御されて、設定速度にギアトレイン480の速度を維持している。従って、アキュムレータには車両のブレーキから回収したエネルギーが蓄えられる。
【0061】
エネルギーの蓄積は、装置486が所望のレベルにギアトレインの速度を維持するために、容量を調節することにともなうブレーキの効果に依存している。
【0062】
ブレーキ制御部451dの除去および速度制御部451cの再適用において、車輪駆動部502〜508は、再度ドライブモードへと状態を調整し、装置484はポンピングモードに戻って、導管500内の圧力を維持する。
【0063】
装置484が動き、導管500内にエネルギーを供給する場合、ギアトレイン480の初期の回転速度の減少が感知され、装置486はドライブモードへと状態を調節されて、アキュムレータ488からギアトレイン480へのエネルギーを供給する。従って、ブレーキ操作の間にアキュムレータ488内に貯蔵されたエネルギーは、さらなる加速サイクルの間に車両に伝達可能となる。アキュムレータ488のエネルギー放出において、エンジン速度の減少が顕著になり、エンジンへの燃料供給が調節され、速度を一定に維持する。
【0064】
ブームBは装置432および434の変調を通して操作される。ブームアクチュエータ411を伸ばすために、制御信号が作業者451から圧力および方向を示す制御部450へ送られる。その後制御部450は、装置434に関連した圧力制御部463に適用される基準信号461を調整する。これは、装置432がドライブモードにおいて容量を増加させ、それによって低基準圧力へと圧力を減少させる原因となる。装置434は、ドライブモードにおいて、圧力制御部がその容量を増加させることを通じて応答し、上述したようにシリンダ411を伸ばす。動作の比率は調整部材451aの変調を調整して、要求された動作の比率を得てもよい。
【0065】
ブームBを下げる場合、ドライブモードにおいて装置434の容量が増加する、逆の操作がある。ブームBが下げられる場合、装置434を通じて吐出される流体から得られるエネルギーの、積極的な回復があってもよく、これはギアトレイン480に伝達される。再度、エネルギー伝達がギアトレインの速度の増加に十分な潦であれば、アキュムレータ488は装置486の操作を介して供給されることが可能であり、逆に言えば、上昇サイクルの間にアキュムレータに蓄積された流体は、装置486を介してギアトレイン480に適用されて、装置434または装置484の回転を補助している。
【0066】
同様のエネルギー伝達は、上部構造物Sの回転から得られ、上部構造物の慣性が、次に使用するためのアキュムレータ内のエネルギー貯蔵に使用されても良い。従ってこの基本的な操作において、油圧トランスミッション410は異なる消費装置からエネルギーを伝達するために操作可能であり、要求されたようにアキュムレータ488の使用を通じてエネルギーを貯蔵するということは顕著なことであろう。回転駆動部480はターンテーブルTとして示され、502に似た駆動ユニットは同じ規則で使用されることが可能である。
【0067】
車輪Wの個々の制御部も、個々の車輪Wの回転速度の監視を介して、個々の車輪の信号線458を通じて制御可能である。とにかく、加速または原則の間、1つの車輪Wは氷やぬかるみのような低摩擦面とかみ合っており、その速度は他の車輪Wと異なっている。その速度差は、制御部450によって顕著になり、装置の容量は、特殊な車輪に適用されるトルクの減少に従って減少している。非常時において、装置の容量は、その特殊なホイールがトルクの供給なしに惰性で進むと考えられてもよいように、0まで減少される。しかしながら、そのような状態において、導管500内の圧力は、車輪のバランスを保つように維持され、それによって、それらの車輪にトラクションまたはブレーキの効果を与えるように調節する。一旦車輪が減速すると、トルクが再度適用されてもよい。このことは、トラクションコントロール(traction control)およびABSが実行されることを可能にしている。
【0068】
車輪への個々の駆動力は、同一の車軸の車輪に適用されるトルクを調整することによって、車両のステアリング(steering)に含まれてもよい。制御部451eの回転は、一対の車輪の回転を要求する信号を生成し、それは他の組とはちがった比率となっている。従って、その容量、つまりトルクは、より高い回転速度を要求する外輪に増加されてもよく、その速度は内輪にあわせた減少と一致することによって供給される。おのおのの車輪に適用された圧力は、装置484の圧力補正によって一定に残存し、従って、外輪の加速は、装置484を通したエネルギーの誘導なしに、車両のステアリング操作を行う原因を引き起こしている。
【符号の説明】
【0069】
10 油圧駆動システム
11 アクチュエータ
12 シリンダ
14 ピストン
16 ピストンロッド
18,20 チャンバ
22,24 供給ライン
26,28 ポート
30 負荷(水平スライド体)
32,34 可変容量油圧装置
36 ドライブシャフト
38 原動力
42,44 容量調整機構
46,48 調整モータ
47,49 制御ユニット
50 制御モジュール
51 コントローラ
52,54 信号線
57 斜板位置フィードバック信号
61 圧力基準信号
63 圧力制御駆動部
64 コイル
65 制御線
66 バルブ
67 斜板駆動部
70 バルブ位置フィードバック信号
130 ウィンチアセンブリ
276 補助供給部
280 ギアトレイン
286 付加的可変容量装置
290 速度センサ
411 ブームアクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動力によって駆動される第1の可変容量の油圧装置と、
少なくとも1つの可変容量の油圧ユニットと、
前記第1の装置と前記ユニットとに接続された油圧導管と、
前記第1の装置上で操作可能であり、前記第1の装置の容量を変化させ、前記導管内の設定された圧力を維持するための圧力補正制御部と、
外部制御部であって、前記駆動ユニット上で操作可能であり、前記駆動ユニットの容量を変化させて、前記駆動ユニットによる発生トルクを変化させ、前記第1の装置と前記1つの駆動ユニットとは可逆的であり、且つ前記外部制御部は、前記駆動部が前記油圧導管内において流体を消費する位置から前記駆動部が前記導管に流体を供給する位置まで前記1つの駆動ユニットの容量を変化させるために操作可能であり、前記圧力補正制御部は前記第1の装置に操作モードを逆転させて前記所定の圧力を維持している外部制御部と、を具備していることを特徴とする油圧トランスミッション。
【請求項2】
複数の駆動ユニットが、少なくとも前記1つの可逆的な駆動ユニットとともに前記油圧導管に接続されており、
それぞれの前記駆動ユニットは回転出力を提供し、前記制御部は前記出力の回転の相対速度を監視し、且つ前記容量を調節して決められた割合で前記出力の前記速度を維持していることを特徴とする、請求項1に記載の油圧トランスミッション。
【請求項3】
駆動部材(14,Fig.1)によって分離され、前記駆動部材(14)に対向方向に駆動力を付与するように配置された一対のチャンバ(18,20,Fig.1)を備え、各々の該チャンバは、一対の可変容量装置(432,434)のそれぞれの1つずつに接続されているアクチュエータ(411)、を具備した油圧駆動システムにおいて、
前記一対の可変容量装置の少なくとも1つ(434)はチャンバ(18)に流体を供給するためのポンピングモードにおいて操作可能であり、前記一対の可変容量装置の少なくとも他方の1つ(432)は前記チャンバ(20)から吐出された流体を消費するためのドライブモードにおいて操作可能であり、
それぞれの前記装置(432,434)は、前記チャンバ内の個々の設定圧力を維持するために前記装置を調整する圧力補正制御部と、前記装置の少なくとも1つにおいて前記設定圧力を調節するための操作が可能な外部制御部と、を備えており、それによって、前記駆動部材に作用する駆動力を変化させており、
前記外部制御部は、前記可変容量装置の1つを操作可能な信号を含み、その容量を変化させることを特徴とする油圧駆動システム(410)。
【請求項4】
フィードバック信号が位置信号であり、前記他方の可変容量装置の容量を減少させて、所望の位置への到達を最小とすることを特徴とする請求項1に記載の油圧駆動システム。
【請求項5】
フィードバック信号は前記駆動部材の速度を示しており、前記フィードバック信号は前記他方の可変容量装置の容量を制限して、所望の速度を維持していることを特徴とする請求項1に記載の油圧駆動システム。
【請求項6】
チャンバ(20,Fig.1)を備えたアクチュエータ(411)と、該チャンバ内に配置された駆動部材(14,Fig.1)と、を具備し、
前記チャンバ(20)は油圧装置(432,434)に接続され、該油圧装置(432)は前記チャンバ(20)から吐出された流体を消費するためのドライブモードにおいて操作可能であり、
前記油圧装置(432)は追加の油圧装置(486)に機械的に連結されて(480)アキュムレータ(488)に流体を供給し、これによって前記チャンバから吐出された流体から回収されたエネルギーを貯蔵することを特徴とする油圧駆動システム(410)。
【請求項7】
前記油圧装置の1つと前記追加の油圧装置とは可変容量装置であることを特徴とする請求項6に記載の油圧駆動システム。
【請求項8】
前記油圧装置の1つは可逆的であることを特徴とする請求項7に記載の油圧駆動システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−197944(P2012−197944A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−145467(P2012−145467)
【出願日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【分割の表示】特願2007−544531(P2007−544531)の分割
【原出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(506274589)コンセントリック・ロックフォード・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】