油性真核生物中の多価不飽和脂肪酸および総脂質含量を変更するためのペルオキシソーム生合成因子(PEX)タンパク質の中断
ペルオキシソーム生合成因子(Pex)タンパク質の活性を修正することで達成される、多価不飽和脂肪酸(PUFA)産生油性真核生物における総脂質画分中および油画分中のPUFA量を増大させる方法。PUFA産生油性真核生物株中の染色体のPex3遺伝子、Pex10p遺伝子またはPex16p遺伝子の中断は、天然Pexタンパク質が中断されていない親株と比較して、株の総脂質画分中および油画分中の、総脂肪酸%としておよび乾燥細胞重量%としてのPUFA量の増大をもたらす。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
総脂質含量、総脂質画分、および油画分を有する油性真核生物における総脂肪酸質量%に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸の質量%を増大させる方法であって、
a)1)機能性多価不飽和脂肪酸生合成経路をコードする遺伝子;および
2)ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子の破壊;
を含む油性真核生物を備え、それによりPEX破壊生物を備えること:および
b)ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子が破壊されていない油性真核生物における総脂質画分中または油画分中の総脂肪酸の質量%に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸の質量%を比較した場合、総脂質画分中または油画分中の総脂肪酸の質量%に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸の質量%を増大させる条件下で、PEX破壊生物を生育させること
を含む、上記方法。
【請求項2】
油性真核生物の乾燥細胞質量に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸のパーセントを増大させる方法であって、
a)1)機能性多価不飽和脂肪酸生合成経路をコードする遺伝子;および
2)ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子の破壊;
を含む油性真核生物を備え、それによりPEX破壊生物を備えること:および
b)ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子が破壊されていない油性真核生物における乾燥細胞質量に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸のパーセントと比較した場合、乾燥細胞質量に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸のパーセントを増大させる条件下で、PEX破壊生物を生育させること
を含む、上記方法。
【請求項3】
ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子が破壊されていない油性真核生物における総脂質画分中または油画分中の総脂肪酸の質量%に対して多価不飽和脂肪酸の質量%を比較した場合、総脂肪酸の質量%に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸質量%の増大が少なくとも1.3である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸が、リノール酸、共役リノール酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサテトラエン酸、ω−6ドコサペンタエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ω−3ドコサペンタエン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、ドコサヘキサエン酸、これらの水酸化またはエポキシ脂肪酸、C18多価不飽和脂肪酸、C20多価不飽和脂肪酸、およびC22多価不飽和脂肪酸からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸が多価不飽和脂肪酸の組み合わせからなり、組み合わせの質量%が総脂肪酸の質量%に対して増大する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
多価不飽和脂肪酸の組み合わせが、リノール酸、共役リノール酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサテトラエン酸、ω−6ドコサペンタエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ω−3ドコサペンタエン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、ドコサヘキサエン酸、これらの水酸化またはエポキシ脂肪酸、C20多価不飽和脂肪酸の組み合わせ、C20〜22多価不飽和脂肪酸の組み合わせ、およびC22多価不飽和脂肪酸の組み合わせからなる群から選択される、2つまたはそれ以上の多価不飽和脂肪酸の任意の組み合わせからなる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
PEX破壊生物における総脂質含量が、ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子が破壊されていない油性真核生物における総脂質含量と比較した場合、変化させられる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
PEX破壊生物が、油性性質を有するヤロウィア属、カンジダ属、ロドトルラ属、ロドスポリジウム属、クリプトコッカス属、トリコスポロン属、リポミセス属、クサレケカビ属、スラウストキトリウム属、シゾキトリウム属、およびサッカロミセス属からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
多価不飽和脂肪酸生合成経路が、Δ9デサチュラーゼ、Δ12デサチュラーゼ、Δ6デサチュラーゼ、Δ5デサチュラーゼ、Δ17デサチュラーゼ、Δ8デサチュラーゼ、Δ15デサチュラーゼ、Δ4デサチュラーゼ、C14/16エロンガーゼ、C16/18エロンガーゼ、C18/20エロンガーゼ、C20/22エロンガーゼ、およびΔ9エロンガーゼからなる群から選択される酵素をコードする遺伝子を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子の破壊が、タンパク質のC末端部分をコードする遺伝子の一部の欠失および遺伝子ノックアウトからなる群から選択される欠失を含んでなる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
ペルオキシソーム生合成因子タンパク質が、Pex1p、Pex2p、Pex3p、Pex3Bp、Pex4p、Pex5p、Pex5Bp、Pex5Cp、Pex5/20p、Pex6p、Pex7p、Pex8p、Pex10p、Pex12p、Pex13p、Pex14p、Pex15p、Pex16p、Pex17p、Pex14/17p、Pex18p、Pex19p、Pex20p、Pex21p、Pex21Bp、Pex22p、Pex22p様、およびPex26pからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項12】
ペルオキシソーム生合成因子は、破壊が遺伝子ノックアウト、またはタンパク質のC3HC4亜鉛リングフィンガーモチーフのC末端部分をコードする遺伝子の一部の欠失である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
総脂肪酸の質量%に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸の質量%の増大を有し、増大が請求項1に記載の方法によって得られる、PEX破壊生物における油画分または総脂質画分。
【請求項14】
請求項1に記載の方法によって、総脂肪酸の質量%に対して質量%が増大している、PEX破壊生物の少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸の食品、飼料としての、または産業上の利用における使用。
【請求項15】
破壊が、Pex3p、Pex10p、およびPex16pからなる群から選択される、ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子中で起きる、PEX破壊ヤロウィア・リポリティカ。
【請求項1】
総脂質含量、総脂質画分、および油画分を有する油性真核生物における総脂肪酸質量%に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸の質量%を増大させる方法であって、
a)1)機能性多価不飽和脂肪酸生合成経路をコードする遺伝子;および
2)ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子の破壊;
を含む油性真核生物を備え、それによりPEX破壊生物を備えること:および
b)ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子が破壊されていない油性真核生物における総脂質画分中または油画分中の総脂肪酸の質量%に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸の質量%を比較した場合、総脂質画分中または油画分中の総脂肪酸の質量%に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸の質量%を増大させる条件下で、PEX破壊生物を生育させること
を含む、上記方法。
【請求項2】
油性真核生物の乾燥細胞質量に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸のパーセントを増大させる方法であって、
a)1)機能性多価不飽和脂肪酸生合成経路をコードする遺伝子;および
2)ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子の破壊;
を含む油性真核生物を備え、それによりPEX破壊生物を備えること:および
b)ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子が破壊されていない油性真核生物における乾燥細胞質量に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸のパーセントと比較した場合、乾燥細胞質量に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸のパーセントを増大させる条件下で、PEX破壊生物を生育させること
を含む、上記方法。
【請求項3】
ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子が破壊されていない油性真核生物における総脂質画分中または油画分中の総脂肪酸の質量%に対して多価不飽和脂肪酸の質量%を比較した場合、総脂肪酸の質量%に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸質量%の増大が少なくとも1.3である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸が、リノール酸、共役リノール酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサテトラエン酸、ω−6ドコサペンタエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ω−3ドコサペンタエン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、ドコサヘキサエン酸、これらの水酸化またはエポキシ脂肪酸、C18多価不飽和脂肪酸、C20多価不飽和脂肪酸、およびC22多価不飽和脂肪酸からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸が多価不飽和脂肪酸の組み合わせからなり、組み合わせの質量%が総脂肪酸の質量%に対して増大する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
多価不飽和脂肪酸の組み合わせが、リノール酸、共役リノール酸、γ−リノレン酸、ジホモ−γ−リノレン酸、アラキドン酸、ドコサテトラエン酸、ω−6ドコサペンタエン酸、α−リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ω−3ドコサペンタエン酸、エイコサジエン酸、エイコサトリエン酸、ドコサヘキサエン酸、これらの水酸化またはエポキシ脂肪酸、C20多価不飽和脂肪酸の組み合わせ、C20〜22多価不飽和脂肪酸の組み合わせ、およびC22多価不飽和脂肪酸の組み合わせからなる群から選択される、2つまたはそれ以上の多価不飽和脂肪酸の任意の組み合わせからなる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
PEX破壊生物における総脂質含量が、ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子が破壊されていない油性真核生物における総脂質含量と比較した場合、変化させられる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項8】
PEX破壊生物が、油性性質を有するヤロウィア属、カンジダ属、ロドトルラ属、ロドスポリジウム属、クリプトコッカス属、トリコスポロン属、リポミセス属、クサレケカビ属、スラウストキトリウム属、シゾキトリウム属、およびサッカロミセス属からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
多価不飽和脂肪酸生合成経路が、Δ9デサチュラーゼ、Δ12デサチュラーゼ、Δ6デサチュラーゼ、Δ5デサチュラーゼ、Δ17デサチュラーゼ、Δ8デサチュラーゼ、Δ15デサチュラーゼ、Δ4デサチュラーゼ、C14/16エロンガーゼ、C16/18エロンガーゼ、C18/20エロンガーゼ、C20/22エロンガーゼ、およびΔ9エロンガーゼからなる群から選択される酵素をコードする遺伝子を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項10】
ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子の破壊が、タンパク質のC末端部分をコードする遺伝子の一部の欠失および遺伝子ノックアウトからなる群から選択される欠失を含んでなる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項11】
ペルオキシソーム生合成因子タンパク質が、Pex1p、Pex2p、Pex3p、Pex3Bp、Pex4p、Pex5p、Pex5Bp、Pex5Cp、Pex5/20p、Pex6p、Pex7p、Pex8p、Pex10p、Pex12p、Pex13p、Pex14p、Pex15p、Pex16p、Pex17p、Pex14/17p、Pex18p、Pex19p、Pex20p、Pex21p、Pex21Bp、Pex22p、Pex22p様、およびPex26pからなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項12】
ペルオキシソーム生合成因子は、破壊が遺伝子ノックアウト、またはタンパク質のC3HC4亜鉛リングフィンガーモチーフのC末端部分をコードする遺伝子の一部の欠失である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
総脂肪酸の質量%に対して少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸の質量%の増大を有し、増大が請求項1に記載の方法によって得られる、PEX破壊生物における油画分または総脂質画分。
【請求項14】
請求項1に記載の方法によって、総脂肪酸の質量%に対して質量%が増大している、PEX破壊生物の少なくとも1つの多価不飽和脂肪酸の食品、飼料としての、または産業上の利用における使用。
【請求項15】
破壊が、Pex3p、Pex10p、およびPex16pからなる群から選択される、ペルオキシソーム生合成因子タンパク質をコードする天然遺伝子中で起きる、PEX破壊ヤロウィア・リポリティカ。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図12A】
【図12B】
【公表番号】特表2010−539985(P2010−539985A)
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528150(P2010−528150)
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/078671
【国際公開番号】WO2009/046248
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月3日(2008.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2008/078671
【国際公開番号】WO2009/046248
【国際公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】
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