説明

油煙回収装置

【課題】動力なしでスラスト軸受油槽内の油煙を回収した後に液化してスラスト軸受油槽内に戻すことが可能な油煙回収装置を提供する。
【解決手段】水車発電機の運転中に、ドラフトの負圧を用いて吸気用配管22から回収タンク11内の空気を吸引することにより、スラスト軸受油槽1内に発生するスラスト軸受用潤滑油の油煙を油煙回収用配管21を介して回収タンク内に導入し、油煙を回収タンク内の冷却水用配管23を流れるスラスト冷却水で冷却することにより油煙中のスラスト軸受油を液化させて受皿12に回収し、さらに油回収室13、返油室14及び返油用配管24を介してスラスト軸受油槽に動力なしで返送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水車発電機の運転によってスラスト軸受油槽内に発生するスラスト軸受用潤滑油(タービン油)の油煙を回収するのに好適な油煙回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水車発電機のスラスト軸受用潤滑油(以下、「潤滑油」と称する。)が貯えられるスラスト軸受油槽内の温度は水車発電機の運転によって上昇するため、潤滑油が蒸発してスラスト軸受油槽内に油煙が発生する。
スラスト軸受油槽内に発生した油煙は、回転子の回転によって吸い込まれて固定子コイルの通気口に付着して塵埃の堆積による目詰りや固定子コイルの温度上昇の原因になっているほか、主軸とスラスト軸受油槽との隙間からも外部に漏れ出して周辺機器の汚れの原因になっている。
そのため、電力会社では、水車発電機の細密点検時に固定子コイルや周辺機器を清掃することにより対応している。
【0003】
また、油煙の発生に伴いスラスト軸受油槽の油面が低下するため、スラスト軸受油槽への潤滑油の補給も適宜行っている。
【0004】
なお、下記の特許文献1には、食品油揚げ装置の油揚げ作業中や工作機械の切削中に発生する油煙を簡易かつコンパクトな構成によって効率的に除去するために、油煙誘導パイプを有する油煙回収タンク内の油煙を送風機で油煙除去水槽に送り込み、油煙除去水槽内に設けた水膜形成回転翼による水膜と水膜による飛沫に衝突させて貯留水中に吸収除去し、必要に応じてこれを還流パイプで再度油煙回収タンクに還流させて反覆除去作用を行うようにした油煙除去装置が開示されている。
また、下記の特許文献2には、洗浄液などを積極的に利用して油煙中の油脂分を除去するとともに、各種の油煙処理手段を併用して油煙中の油脂分を効率よく除去するために、円板上に水を滴下し、円板を回転させて霧化してなる回転霧化フィルタ中を油煙を含む排気空気を通過させたのち、冷却器で冷却し、冷却後の排気空気をエアフィルタを通過させ、冷却器に付着した油脂分を洗浄散布ノズルから噴出される洗浄水で洗浄するようにした油煙処理機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−197430号公報
【特許文献2】特開平05−137934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、水車発電機の細密点検は10〜15年周期で行われるため、その間に固定子コイルの温度が上昇するという問題があった。
また、経年の水車発電機は、スラスト冷却水配管の目詰りなどによってスラスト軸受油槽内の温度が上昇して油煙の発生量も多くなり、周辺機器の汚れや潤滑油補給回数増の原因になっているという問題があった。
【0007】
なお、上記の特許文献1に開示された油煙除去装置や上記の特許文献2に開示された油煙処理機のような従来の油煙除去/処理装置はいずれも、仕組みが複雑で動力により油煙の回収を行うものであるため、電力を消費するとともに装置自体もコストがかかるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、動力なしでスラスト軸受油槽内の油煙を回収したのちに液化してスラスト軸受油槽内に戻すことができる油煙回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の油煙回収装置は、水車発電機の運転によってスラスト軸受油槽(1)内に発生するスラスト軸受用潤滑油の油煙を回収するための油煙回収装置(10)であって、前記スラスト軸受油槽と油煙回収用配管(21)を介して連通され、前記水車発電機のドラフトと吸気用配管(22)を介して連通されるとともに、前記スラスト軸受油槽と返油用配管(24)を介して連通された回収タンク(11)と、前記スラスト軸受油槽内にスラスト冷却水を供給するためのスラスト冷却水用配管(2)から分岐され、前記回収タンク内を通されて、該スラスト冷却水の排水ピットへ敷設された冷却水用配管(23)とを具備し、前記回収タンクが、前記スラスト軸受油槽よりも上方に設置されており、前記水車発電機の運転中に前記スラスト軸受油槽内に発生する前記スラスト軸受用潤滑油の油煙を前記ドラフトの負圧を利用して前記油煙回収用配管を介して前記回収タンク内に取り込み、前記回収タンク内に取り込んだ前記油煙を前記スラスト冷却水で冷却して液化し、前記油煙が液化された液化油を前記スラスト軸受油槽に前記返油用配管を介して戻すことを特徴とする。
ここで、前記吸気用配管に、前記液化油が該吸気用配管および前記ドラフトを介して河川に流出することを防ぐための油流出防止用フィルタ(15)が取り付けられていてもよい。
前記回収タンク内に、前記液化油を受けるための受皿(12)が前記冷却水用配管の下に設けられており、前記回収タンク内に、油回収室(13)および返油室(14)が前記受皿と該回収タンクの底面との間に設けられており、前記受皿に、該受皿によって受け取られた前記液化油を前記油回収室へ落とすための管が取り付けられていてもよい。
前記油回収室が、前記回収タンクの底面との間に適度の隙間を設けて取り付けられた仕切板によって左室と右室とに分けられており、前記油回収室の前記左室および前記右室に、油分離用水(W)が入れられており、前記油回収室の前記左室に、前記油分離用水の蒸発を防止するための蒸発防止用油(L)が入れられており、前記油回収室の前記右室が、蒸発した前記油分離用水の流出を防止するために、前記回収タンクの底面と前記仕切板との間の隙間を除いて、該仕切板および天板によって密閉されていてもよい。
前記油回収室に、該油回収室内に余分に溜まった水を排出させるための油回収室用排水管(25)が取り付けられており、該油回収室用排水管に、油回収室水抜きバルブ(33)が取り付けられており、前記油回収室に、該油回収室内の水位を調べるための油回収室のぞき窓が設置されていてもよい。
前記返油室に、該返油室内に溜まった水を排出させるための返油室用排水管(26)が取り付けられており、該返油室用排水管に、返油室水抜きバルブ(34)が取り付けられており、前記返油室に、該返油室内の水位を調べるための返油室のぞき窓(14a)が設置されていてもよい。
前記油煙回収用配管および前記冷却水用配管に、前記水車発電機の運転中を示す電気信号によって開く電磁弁である吸気用配管バルブ(31)および冷却水用配管バルブ(32)がそれぞれ取り付けられていてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の油煙回収装置は、以下に示す効果を奏する。
(1)スラスト軸受油槽よりも上方に設置した回収タンク内に油煙をドラフトの負圧を利用して取り込んだのちにスラスト冷却水で冷却して液化し、液化油を回収タンクからスラスト軸受油槽に落下させて戻すことにより、動力なしでスラスト軸受油槽内の油煙を回収したのちに液化してスラスト軸受油槽内に戻すことができる。
(2)固定子コイルや周辺機器の油煙による汚れを防止することができる。
(3)固定子コイルの温度上昇を抑制することができるため、固定子コイルの寿命を延ばすことができる。
(4)スラスト軸受油槽への潤滑油の補給量を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例による油煙回収装置10の構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
上記の目的を、回収タンクをスラスト軸受油槽よりも上方に設置し、スラスト軸受油槽内に発生した油煙をドラフトの負圧を利用して回収タンク内に取り込んだのちにスラスト冷却水で冷却して液化し、液化油を回収タンクからスラスト軸受油槽に落下させて戻すことにより実現した。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明の油煙回収装置の実施例について、図面を参照して説明する。
本発明の油煙回収装置は、ほとんどの水力発電所に存在するドラフト真空(ドラフトの負圧)およびスラスト冷却水を活用して、スラスト軸受油槽内に発生した油煙を回収タンク内に取り込んだのちに液化してスラスト軸受油槽内に戻すことを特徴とする。
【0014】
そのため、本発明の一実施例による油煙回収装置10は、図1に示すように、水車発電機のスラスト軸受油槽1と油煙回収用配管21を介して連通され、水車発電機のドラフト(吸出管)と吸気用配管22を介して連通されるとともに、スラスト軸受油槽1と返油用配管24を介して連通された回収タンク11を具備する。
【0015】
回収タンク11は、スラスト軸受油槽1よりも上方に設置されており、横(図1紙面の横方向の長さ)50cm程度、縦(同図紙面と垂直方向の長さ)30cm程度および高さ(同図紙面の縦方向の長さ)40cm程度の直方体形状を有する。
なお、以下の説明では、回収タンク11の図1図示左側の面を「左側面」、左側面と対向する面を「右側面」、同図紙面手前側の面を「前面」、前面と対向する面を「後面」、同図図示上側の面を「上面」および上面と対向する面を「底面」と称する。後述する油回収室13および返油室14についても同様である。
【0016】
油煙回収用配管21の一端は回収タンク11の左側面の中央部に固定されており、また、吸気用配管22の一端は回収タンク11の右側面の中央部に固定されている。
これにより、水車発電機の運転中は、ドラフト内を流れる水によってドラフト内は負圧となっているため、この負圧を利用して回収タンク11内の空気を吸引することにより、スラスト軸受油槽1内に発生した油煙を回収タンク12内に油煙回収用配管21を介して取り込むことができる。
【0017】
なお、吸気用配管バルブ31が吸気用配管21に取り付けられており、水車発電機の運転中にのみ吸気用配管バルブ31を開いて回収タンク11内の空気を吸引する。
吸気用配管バルブ31は、手動弁として作業員が手動で開閉するようにしてもよいが、水車発電機の運転中を示す電気信号によって(すなわち、発電機並列の条件で)開く電磁弁として自動開閉するようにしてもよい。
【0018】
回収タンク11内には、回収タンク11内に取り込んだ油煙を冷却して液化するための冷却水が通される冷却水用配管23が通されている。
なお、図1では図面の簡単化のために冷却水用配管23は1列で回収タンク11内を上下に蛇行するように通されているように図示されているが、実際には回収タンク11の前面から後面に向かって数列並んで上下に蛇行するように通されている。
【0019】
ここで、冷却水用配管23は、スラスト軸受油槽1内の潤滑油を冷却するためのスラスト冷却水を油煙の冷却水としても利用するために、スラスト軸受油槽1にスラスト冷却水を供給するためのスラスト冷却水用配管2から分岐され、回収タンク11の上面の左側面側の前面寄りから回収タンク11内に挿入され、回収タンク11内を通され、回収タンク11の右側面の上方の後面寄りから出されたのちに、スラスト冷却水の排水ピットへ敷設されている。
これにより、回収タンク11内に取り込まれた油煙は、回収タンク11内の冷却水用配管23を流れるスラスト冷却水によって冷却されて液化される。
【0020】
なお、冷却水用配管バルブ32が冷却水用配管23のスラスト冷却水用配管2との分岐点付近に取り付けられており、水車発電機の運転中にのみ冷却水用配管バルブ32を開いてスラスト冷却水を回収タンク11内に流す。
冷却水用配管バルブ32は、手動弁として作業員が手動で開閉するようにしてもよいが、上述した吸気用配管バルブ31と同様に水車発電機の運転中を示す電気信号によって(すなわち、発電機並列の条件で)開く電磁弁として自動開閉するようにしてもよい。
【0021】
このように、ドラフトの負圧を利用して油煙を回収タンク12内に取り込むとともにスラスト冷却水を利用して油煙を液化するので、油煙が液化した油(以下、「液化油」と称する。)が吸気用配管22およびドラフトを介して河川に流出することを防ぐために、吸気用配管22の一端部には油流出防止用フィルタ15が取り付けられている。
【0022】
回収タンク12内の冷却水用配管23の下には、液化油を受けるための受皿12が設けられている。
受皿12は、回収タンク11の底部に油回収室13および返油室14を設けるために、回収タンク11の底面から15cm程度の高さに取り付けられている。
また、受皿12の右側面には、液化油を油回収室13へ落とすための管の一端が固定されている。
【0023】
油回収室13は、回収タンク11の底部の右側面側に、横15cm、縦15cmおよび高さ10cmの寸法となるように設けられている。
油回収室13は、回収タンク11の底面との間に適度の隙間を設けて取り付けられた仕切板によって左室と右室とに分けられている。
油回収室13の左室および右室には、油分離用水Wが深さ6cmほど入れられており、油回収室13の左室には、油分離用水Wの蒸発を防止するための蒸発防止用油L(スラスト軸受用潤滑油と同じもの)が深さ2cmほど入れられている。
油回収室13の右室は、蒸発した油分離用水Wの流出を防止するために、回収タンク11の底面と仕切板との間の隙間を除いて、仕切板および天板によって密閉されている。
なお、油分離用水Wと蒸発防止用油Lの補給は、油回収室13には液化油と水が溜まっていくため、原則として必要ない。
【0024】
これにより、受皿12に落下した液化油が管を通って油回収室13の左室に溜ると、液化油が油分離用水Wの上に浮くため、油回収室13の左室の水面が下がるとともに油回収室13の右室の水面が上がり、水と油との比重差分のレベル差で油回収室13の左室の油面と油回収室13の右室の水面が釣り合う。
なお、液化油によって油回収室13の左室の水面は下がるが、仕切板の隙間のレベルに到達する前に左室から越流するので、液化油が油回収室13の右室に浸入することはない。
【0025】
液化油が油回収室13の左室に溜まり続けると、液化油(液化油と蒸発防止用油Lとの混合油であるが、以下では「液化油」と称する。)は油回収室13の左室から越流して返油室14に溜まっていく。
【0026】
返油室14に溜まった液化油をスラスト軸受油槽1に戻すための返油用配管24の一端は、返油室14の左側面に、返油室14の底面(回収タンク11の底面)から1cm程度の高さで固定されている。
返油用配管24の他端は、スラスト軸受油槽1の上面に固定されている。
これにより、回収タンク11はスラスト軸受油槽1よりも上方に設置されているため、返油室14に溜まった液化油をスラスト軸受油槽1に動力を用いずに戻すことができる。
【0027】
回収タンク11内の湿気が水滴になって油回収室13の左室に溜まると、油回収室13の左室および右室の水面が上がるため、油回収室13内の水(油分離用水Wおよび水滴との混合水であるが、以下では「水」と称する。)が油回収室13の左室から越流して返油室14に溜まる。
そのため、油回収室13の右側面には、油回収室13内に余分に溜まった水を排出させるための油回収室用排水管25の一端が固定されているとともに、油回収室用排水管25の一端側には、油回収室水抜きバルブ33が取り付けられている。また、油回収室13の前面には、油回収室のぞき窓(不図示)が設置されている。
これにより、作業員は、定期的に油回収室のぞき窓を覗いて、油回収室13内の水位を調べて、油回収室13内の水位が所定の水位よりも高くなると、油回収室水抜きバルブ33を開いて水抜きをすることにより、油回収室13内の水が越流して返油室14に溜まることを防止することができる。
【0028】
なお、このような水抜きは年数回程度行えばよいと考えられるため、油回収室水抜きバルブ33は、手動弁として作業員が手動で開閉してもよいが、油回収室水抜きバルブ33を電磁弁にするとともに油回収室13内に水位検出フロートを設置して、水位検出フロートによって検出された水位が所定の水位よりも高くなったときに開くように回収室水抜きバルブ33を制御することにより、油回収室13の水抜き作業を自動化するようにしてもよい。
【0029】
回収タンク11の内面に水滴が付着すると、この水滴が落下して返油室14に水が溜まる。
そのため、返油室14の底面の左側面側には、返油室14内に溜まった水を排出させるための返油室用排水管26の一端が固定されているとともに、返油室用排水管26の一端側には、返油室水抜きバルブ34が取り付けられている。また、返油室14の前面の返油室用排水管26付近には、返油室のぞき窓14aが設置されている。
これにより、回収タンク11の内面の水滴が返油室14に溜まっても、作業員が、定期的に返油室のぞき窓14aを覗いて、返油室14内に水が溜まっていることを確認すると、返油室水抜きバルブ34を開いて水抜きをすることにより、返油への混水を防止することができる。
【符号の説明】
【0030】
1 スラスト軸受油槽
2 スラスト冷却水用配管
10 油煙回収装置
11 回収タンク
12 受皿
13 油回収室
14 返油室
14a 返油室のぞき窓
15 油流出防止用フィルタ
21 油煙回収用配管
22 吸気用配管
23 冷却水用配管
24 返油用配管
25 油回収室用排水管
26 返油室用排水管
31 吸気用配管バルブ
32 冷却水用配管バルブ
33 油回収室水抜きバルブ
34 返油室水抜きバルブ
W 油分離用水
L 蒸発防止用油

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水車発電機の運転によってスラスト軸受油槽(1)内に発生するスラスト軸受用潤滑油の油煙を回収するための油煙回収装置(10)であって、
前記スラスト軸受油槽と油煙回収用配管(21)を介して連通され、前記水車発電機のドラフトと吸気用配管(22)を介して連通されるとともに、前記スラスト軸受油槽と返油用配管(24)を介して連通された回収タンク(11)と、
前記スラスト軸受油槽内にスラスト冷却水を供給するためのスラスト冷却水用配管(2)から分岐され、前記回収タンク内を通されて、該スラスト冷却水の排水ピットへ敷設された冷却水用配管(23)とを具備し、
前記回収タンクが、前記スラスト軸受油槽よりも上方に設置されており、
前記水車発電機の運転中に前記スラスト軸受油槽内に発生する前記スラスト軸受用潤滑油の油煙を前記ドラフトの負圧を利用して前記油煙回収用配管を介して前記回収タンク内に取り込み、
前記回収タンク内に取り込んだ前記油煙を前記スラスト冷却水で冷却して液化し、
前記油煙が液化された液化油を前記スラスト軸受油槽に前記返油用配管を介して戻す、
ことを特徴とする、油煙回収装置。
【請求項2】
前記吸気用配管に、前記液化油が該吸気用配管および前記ドラフトを介して河川に流出することを防ぐための油流出防止用フィルタ(15)が取り付けられていることを特徴とする、請求項1記載の油煙回収装置。
【請求項3】
前記回収タンク内に、前記液化油を受けるための受皿(12)が前記冷却水用配管の下に設けられており、
前記回収タンク内に、油回収室(13)および返油室(14)が前記受皿と該回収タンクの底面との間に設けられており、
前記受皿に、該受皿によって受け取られた前記液化油を前記油回収室へ落とすための管が取り付けられている、
ことを特徴とする、請求項1または2記載の油煙回収装置。
【請求項4】
前記油回収室が、前記回収タンクの底面との間に適度の隙間を設けて取り付けられた仕切板によって左室と右室とに分けられており、
前記油回収室の前記左室および前記右室に、油分離用水(W)が入れられており、
前記油回収室の前記左室に、前記油分離用水の蒸発を防止するための蒸発防止用油(L)が入れられており、
前記油回収室の前記右室が、蒸発した前記油分離用水の流出を防止するために、前記回収タンクの底面と前記仕切板との間の隙間を除いて、該仕切板および天板によって密閉されている、
ことを特徴とする、請求項3記載の油煙回収装置。
【請求項5】
前記油回収室に、該油回収室内に余分に溜まった水を排出させるための油回収室用排水管(25)が取り付けられており、
該油回収室用排水管に、油回収室水抜きバルブ(33)が取り付けられており、
前記油回収室に、該油回収室内の水位を調べるための油回収室のぞき窓が設置されている、
ことを特徴とする、請求項4記載の油煙回収装置。
【請求項6】
前記返油室に、該返油室内に溜まった水を排出させるための返油室用排水管(26)が取り付けられており、
該返油室用排水管に、返油室水抜きバルブ(34)が取り付けられており、
前記返油室に、該返油室内の水位を調べるための返油室のぞき窓(14a)が設置されている、
ことを特徴とする、請求項4または5記載の油煙回収装置。
【請求項7】
前記油煙回収用配管および前記冷却水用配管に、前記水車発電機の運転中を示す電気信号によって開く電磁弁である吸気用配管バルブ(31)および冷却水用配管バルブ(32)がそれぞれ取り付けられていることを特徴とする、請求項1乃至6いずれかに記載の油煙回収装置。

【図1】
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【公開番号】特開2013−53540(P2013−53540A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191301(P2011−191301)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】