説明

油脂除去用石鹸

【課題】油脂除去用石鹸において、洗髪に用いて油脂分吸収効果が高く、頭皮脂を除去できて頭毛の毛穴を開けることができ、毛髪の再生を促すことができる。
【解決手段】馬油を含む石鹸素地にケナフ炭の微細粉末を含有させた石鹸であり、この石鹸を洗髪に繰り返し使用することで、ケナフ炭と馬油との油の吸着吸収の相乗効果により、効果的に頭髪の毛根周辺の脂汚れを取り、皮脂を除去できる。その結果、皮脂が原因と考えられる無毛状態(禿げ)になった頭皮の閉じた毛穴を開き、毛髪の再生を促がし、再発毛の効果が見られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油脂除去に適した馬油を含む石鹸に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から石鹸は、脂肪酸ナトリウム等の石鹸素地に、香料、着色剤等を練り法や枠練り等を用いて混入して製造されている。また、石鹸の製造工程で馬油を添加して製造した化粧石鹸が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−132698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来から馬油石鹸は洗浄力が高いことが分かっているが、単なる馬油石鹸は無毛状態となるのを防ぐ効能は認知されていない。
【0004】
そこで、本発明者等は、頭髪が少なくなって、無毛状態(禿げ)となる一つの原因が、外界の空気中の汚れや自身の体から出てくる頭皮脂で毛穴が塞がれる状態が継続することで、弱った毛根からの毛の成長が衰え退化するものと考え、かかる頭皮の毛穴を閉じる頭皮脂を除去でき、頭毛の毛穴を開けることができる石鹸の開発を鋭意検討した。
【0005】
本発明は、そのような背景に成されたもので、洗髪に用いて油脂分吸収効果が高く、頭皮脂を除去できて頭毛の毛穴を開けることができ、毛髪の再生を促すことができる油脂除去用石鹸を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、馬油を含む石鹸素地にケナフ炭の微細粉末を含有させた油脂除去用石鹸である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の油脂除去用石鹸によれば、洗髪に繰り返し使用することで、ケナフ炭と馬油との油の吸着吸収の相乗効果により、頭髪の毛根周辺の脂汚れを効果的に取り、皮脂を除去できる。その結果、皮脂が原因と考えられる無毛状態(禿げ)になった頭皮の閉じた毛穴を開き、毛髪の再生が促され、再発毛の効果が見られた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態に係る油脂除去用石鹸について説明する。この油脂除去用石鹸は、馬油を含む石鹸素地にケナフ炭の微細粉末を含有させたものである。この石鹸を、以下、本明細書では、ケナフ炭入りソープという。このケナフ炭入りソープの製造に際しては、馬油を含む石鹸の製造途上で石鹸を固形化する前に、ケナフ炭の微細粉末を混入する。馬油を含む石鹸素地に対するケナフ炭の重量成分は、例えば、14%程度で、5〜30%の範囲とすればよい。
【0009】
馬油を含む石鹸素地の組成は、例えば、馬油500ccに対して、苛性ソーダを50〜60g(グラム)、精製水を100〜200ccとすればよい。本石鹸の製造は、通常の石鹸の製造方法と変わりない。また、木酢液を、製造途上において全体重量に対して僅かの量(例えば1%程度)を添加することがより好ましい。
【0010】
ケナフ炭は、茎の皮繊維でなる靱皮部と芯の木質部からできているケナフを800℃〜1000℃で焼くことで得られる。ケナフ炭は、油の吸着吸収効果が高く、石鹸にケナフ炭を含有していることで、ケナフ炭と馬油の相乗効果で、頭皮の皮脂分の洗浄効果が格段に高まる。使用したケナフ炭の組成は、次の通りであった。
硬度:曲げ弾性率 平均(MPa)26
吸着量測定:油の吸着実験3.21(油)/g(炭)
密度:ケナフ炭嵩密度 0.15g/cm
【0011】
本実施形態によるケナフ炭入りソープを用いて繰り返し継続して洗髪すると(例えば、3カ月乃至6カ月)、頭皮や毛根の油脂分を吸収でき、毛穴を清浄にし、ケナフ炭が馬油や木酸液の浸透を促し、頭皮の柔軟性を増し、毛根の活性化を図ることができる。その結果、過齢、ストレス、皮脂の蓄積等で頭髪の禿げた状態で、退化し弱った毛根に活力が生まれ、毛髪の再生を促すことができた。このことは、実験的に判明した。
【0012】
ケナフ炭は、硬度に関して、弾性率がその他の炭に比べて低く、柔らかいので、粉体状のケナフ炭を石鹸に含有していても、通常の洗髪において、皮膚を摩擦しても皮膚表面を傷付けることはない。
【0013】
また、本実施形態によるケナフ炭入りソープは、分解時間も早く、含有されたケナフ炭は、下水に流されても、微生物の住かとなり、水の浄化作用を促し、環境に優しいものである。また、上記のように、木酢液を混入した場合は、石鹸素地のアルカリ成分を中和できるとともに、ミネラル含有の石鹸となり、洗髪に使用したとき頭皮の活性化にも寄与することが考えられる。さらには、ローゼル(タイケナフ)の苞の抽出液を添加してもよい。
【0014】
なお、本発明は、上記実施形態に限られず、発明の趣旨を変形しない範囲で種々の変形が可能であり、例えば、木酢液を混入した方がより好ましいが、これを混入していないものをも含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
馬油を含む石鹸素地にケナフ炭の微細粉末を含有させたことを特徴とする油脂除去用石鹸。

【公開番号】特開2006−249285(P2006−249285A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−68758(P2005−68758)
【出願日】平成17年3月11日(2005.3.11)
【出願人】(504384697)
【Fターム(参考)】