説明

治具切換装置および治具切換方法

【課題】極力狭い領域に複数の保持治具を保管でき、かつ作業ロスの少ない保持治具の交換が可能な治具切換装置および治具切換方法を提供する。
【解決手段】本発明は、回転可能に設けられた回転台7に、ワークWを保持するための治具である保持治具3が複数格納されており、当該保持治具3の姿勢は、前記ワークWを保持可能な保持姿勢および前記回転台7上に格納された格納姿勢の間で、姿勢変更手段10により変更される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治具切換装置および治具切換方法に関し、特に、車両部材のための治具切換装置および治具切換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば車両用の治具切換装置および治具切換方法として、多車種に対応した溶接設備が使用されている(例えば、特許文献1参照)。車種が異なる際には、通常、部材を固定するためのクランプ位置が異なるため、特許文献1参照に記載の設備では、各々の車種に適合する複数の治具を備え、製造する車種に応じて、用いる治具を適宜交換している。
【特許文献1】特開2003−146265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に記載の組立装置は、複数の治具を治具保管部(保管エリア)に並べて保管しているため、広大な保管エリアが必要となる。また、保管エリアが広大となるため、多車種を順列生産する場合には、治具の交換に時間が掛かり効率的でない。
【0004】
本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決するためになされたものであり、複数の治具を省スペースで保管し、かつ効率的に交換可能で作業ロスの少ない治具切換装置および治具切換方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明に係る治具切換装置は、回転可能に設けられた回転台と、ワークを保持するための治具であり、前記回転台上に格納可能な少なくとも2つの保持治具とを有している。更に、本治具切換装置は、前記保持治具の姿勢を、前記ワークを保持可能な保持姿勢および前記回転台上に格納された格納姿勢の間で変更させる姿勢変更手段を有している。
【0006】
上記目的を達成する本発明に係る治具切換方法は、回転可能な回転台に、ワークを保持するための治具であって前記回転台上に格納可能な少なくとも2つの保持治具を設ける。この後、当該保持治具の姿勢を、前記回転台上に格納した格納姿勢で維持しつつ、前記ワークを保持するために選択された保持治具を、当該ワークを保持可能な保持姿勢に変更させて、当該保持姿勢となった保持治具によりワークを保持する。
【発明の効果】
【0007】
上記のように構成した本発明に係る治具切換装置は、回転台上に複数の保持治具が格納姿勢で格納され、これらの保持治具の姿勢を保持姿勢と格納姿勢の間で変更できる姿勢変更手段が設けられているため、極力狭い領域に複数の保持治具を保管でき、かつ回転台を回転させることで作業ロスの少ない保持治具の交換が可能となる。
【0008】
上記のように構成した本発明に係る治具切換方法は、回転台に複数の保持治具を格納し、選択された保持治具を保持姿勢に変更させて、保持姿勢となった保持治具によりワークを保持するため、極力狭い領域に複数の保持治具を保管でき、かつ回転台を回転させることで作業ロスの少ない保持治具の交換が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係る治具切換装置を示す平面図、図2は、同治具切換装置を示す側面図、図3は、同治具切換装置の一部を示す部分側面図、図4は、同治具切換装置の保持治具を示す側面図である。なお、図2,3の側面図では、説明の便宜のために4つのうち2つの保持治具を省略して示している。
【0011】
また、図5は、同治具切換装置の落下防止兼押し出し装置を示す側面図、図6は、同落下防止兼押し出し装置により保持治具を落下させる際を示す側面図である。
【0012】
本発明の実施形態に係る治具切換装置1は、車体組立ラインにおいてボディサイド部材の溶接を行う溶接ステーションに設けられ、車両のボディサイド部材を溶接して組み立てる際に、ボディサイド部材を構成する部品(ワークW)を保持するための装置である。本治具切換装置1は、図1,2に示すように、ワークWを保持するための複数の保持治具3を交換可能に備えており、多車種を同一ラインで順列生産する設備に適している。
【0013】
本装置1は、溶接ステーションの床面5に形成された凹部6に、回転可能に設置される回転台7と、回転台7上に格納可能な4つの保持治具3を備えている。なお、保持治具3は2つ以上であればよく、4つに限定されない。各々の保持治具3は、回転台7上に周方向に並んで設置されている。回転台7は、回転台駆動用モータおよびギアボックスを備えた回転台駆動装置8により、回転可能となっている。
【0014】
各々の保持治具3は、図3に示すように、回転台7上に姿勢変更手段10を介して設置されている。姿勢変更手段10は、保持治具3の姿勢を変更させるための機能を備えており、保持治具3を、回転台7上に格納された状態の格納姿勢と、ワークWを保持可能な保持姿勢との間で変更させることができる。本実施形態の保持治具3は、保持姿勢において水平方向に比較的長く形成されており、格納姿勢では、この保持治具3が鉛直方向に長い縦置きとなる。上述の姿勢変更手段10を用いることで、使用しない保持治具3は格納姿勢で回転台7上に格納し、使用する保持治具3のみを保持姿勢とすることができる。
【0015】
回転台7の周囲の一部には、選択された保持治具3が保持姿勢となって使用される作業エリア11が設けられている。作業エリア11には平滑な基台12が設けられ、この基台12上に、2本の基台レール13が設けられる。2本の基台レール13は、回転台7が設けられる凹部6側から、回転台7から離れる方向へ並行に延在している。また、基台12には、保持治具3を位置決めするための治具位置決め装置14(治具位置決め手段)が設けられる。治具位置決め装置14は、エアシリンダー等により上方へ突出可能なロケートピン15を備えており、保持治具3に形成されるロケート孔に挿入されることで、保持治具3を高精度に位置決めできる。
【0016】
各々の保持治具3は、図4に示すように、保持姿勢における下方側に車輪17を有する移動部18と、保持姿勢における上方側に移動部18に連結されて設けられて、ワークWを保持する保持部19とを備えている。移動部18は、回転台7と作業エリア11の間を移動できるように、平板形状で形成された移動本体部20の回転台側(図4の紙面左側)、作業エリア側(図4の紙面右側)および中央部の3カ所の各々の両側端に、車輪17が設けられる。車輪17は、基台レール13上を移動することができる。移動部18の下面には、格納姿勢において後述する落下防止兼押し出し装置21により保持される落下防止用係止部22が設けられる。落下防止用係止部22は、保持姿勢における作業エリア側(格納姿勢における下方側)に、係止面25が形成され、保持姿勢における下側に、押し出し面26が形成される。係止面25は、保持姿勢における下方側が作業エリア側へ突出するように傾斜して形成される。
【0017】
保持部19は、ワークWを保持するためのクランプ27や位置決めピン28を複数備えている。クランプ27は、例えばエアシリンダー等により開閉することでワークWを把持し、位置決めピン28は、例えばエアシリンダー等により進退動することで、ワークWに設けられる孔部に挿入されてワークWを位置決めする。なお、回転台7上の4つの保持部19は、4車種のボディサイド部材に対応して、クランプ27や位置決めピン28の形状や配置、数等が各々異なる構成となっている。また、組み立てる車両の変更に対応して、移動部18から保持部19を取り外して交換可能であることが好ましい。
【0018】
姿勢変更手段10は、図3に示すように、上下方向に延在する2本の昇降用レール30と、昇降用レール30の下端側から回転台7の回転外側方向へ延在する2本の回転台レール31とを有している。昇降用レール30および回転台レール31は、梁材等により形成されたレール固定部32の回転外側に固定されている。回転台レール31は、回転台7が回転することで基台レール13と直線的に並ぶことができる。
【0019】
レール固定部32の上端側には、保持治具3を吊り上げるためのチェーン33が噛み合う歯車34が設けられており、このチェーン33の一端が、保持治具3の保持姿勢における回転台側と連結されている。なお、吊り上げ手段はチェーン33に限定されず、例えばワイヤー等であってもよい。チェーン33の他端には、バランスウェイト34が連結されている。チェーン33は、巻き上げ用モータ35により駆動される巻き上げ用歯車36によって巻き上げることができる。
【0020】
レール固定部32の上下方向の略中央部には、図5に示すように、保持治具3の落下防止用係止部22と係合する落下防止兼押し出し装置21が設けられる。落下防止兼押し出し装置21は、エアシリンダー37と、3つの第1〜第3リンク部材38A〜38Cを有している。第1リンク部材38Aは、一端がエアシリンダー37に連結され、他端が第2リンク部材38Bに連結されており、中央部に回転軸39を有している。第2リンク部材38Bは、一端が第1リンク部材38Aと連結され、他端が第3リンク部材38Cと連結される。第3リンク部材38Cは、第2リンク部材38Bと連結される位置と異なる位置に回転軸40を有している。また、第3リンク部材38Cは、略子“コ”字状に形成されており、この一端側に、落下防止用係止部22の係止面25と当接するローラ状の当接ローラ41(落下防止手段)が回転可能に連結される。さらに、第3リンク部材38Cの他端側には、落下防止用係止部22の押し出し面26と当接するローラ状の押し出しローラ42(押し出し手段)が回転可能に連結される。保持治具3が格納姿勢にある場合には、落下防止用係止部22の係止面25に当接ローラ41が当接して保持治具3の落下が抑制されている。このとき、係止面25が傾斜して形成されているため、当接ローラ41によって落下が確実に抑制される。この状態からエアシリンダー37を作動させると、図6に示すように当接ローラ41による抑えが解放されて、保持治具3が落下することとなる。すなわち、エアシリンダー37が作動して第1リンク部材38Aの一端を引き付けると、第1リンク部材38Aが回転軸39を中心として回転する。これにより、第1リンク部材38Aの他端に連結された第2リンク部材38Bを介して、第3リンク部材39Cが引き付けられて、第3リンク部材39Cが回転軸40を中心に回転する。これにより、当接ローラ41が移動して係止面25から離れて、保持治具3が落下する。更に、当接ローラ41の移動と連動して押し出しローラ42が落下防止用係止部22の押し出し面26を押し出し、保持治具3の作業エリア11への移動を補助することとなる。
【0021】
前述の回転台駆動装置8、巻き上げ用モータ35、姿勢変更手段10のエアシリンダー37、治具位置決め装置14のロケートピン15、保持部19のクランプ27および位置決めピン28は、制御部42に接続されて、一括制御される。
【0022】
次に、本実施形態に係る治具切換装置1の作用を説明する。
【0023】
図7は、本実施形態に係る治具切換装置の動作を示すフロー図、図8は、同治具切換装置の保持治具が全て格納姿勢にある際を示す側面図、図9は、同治具切換装置の保持治具の1つが保持姿勢に移動する途中を示す側面図、図10は、同治具切換装置の保持治具の1つが保持姿勢に移動した際を示す側面図である。なお、図8〜10の側面図では、説明の便宜のために4つのうち2つの保持治具を省略して示している。
【0024】
治具切換装置1に設けられる各々の保持治具3は、通常、図8に示すように格納姿勢で回転台7上に格納されている。本実施形態の格納姿勢は、保持姿勢において水平方向に比較的長い保持治具3を縦置きとした姿勢であり、したがって、狭い領域に効率よく格納することができる。
【0025】
治具切換装置1の全ての保持治具3が格納姿勢で回転台7上に格納された状態で、車体組立ラインの溶接ステーションにボディサイド部材を構成するワークWが搬送されると、制御部42によってボディサイド部材の種類に応じた保持治具3が選択される。次に、選択された保持治具3が作業エリア11に一致するように、回転台7を回転制御して回転台レール31と基台レール13を直線的に並べる。
【0026】
次に、制御部42により落下防止兼押し出し装置21を制御して、保持治具3を係止した状態(図5参照)から当接ローラ41を解放し(図6参照)、保持治具3を自重により落下させる。このとき、押し出しローラ42が保持治具3を作業エリア方向へ押し出し、保持治具3の移動を補助する。これにより、図9,10に示すように、保持治具3の下方の車輪17aが回転台レール31および基台レール13上を通り、かつ保持治具3の上方の車輪17bが昇降用レール30上を通ることで、保持治具3が約90度回転しつつ姿勢を変化させて、保持姿勢となって作業エリア11まで移動する。このとき、巻き上げ用モータ35を制御することで、保持治具3の落下の勢いを緩和させることができる。
【0027】
保持治具3が完全に落下して作業エリア11まで移動すると、治具位置決め装置14を制御部42により制御し、ロケートピン15を突出させる。ロケートピン15は、保持治具3に形成されるロケート孔に挿通し、保持治具3が高精度に位置決めされる。
【0028】
この後、作業者によって保持治具3にワークWが設置される。設置が終了すると、制御部42と接続されたスイッチ等が作業者により押されて、制御部42により保持部19のクランプ27および位置決めピン28等が作動し、ワークWが確実に保持される。なお、作業者が保持治具3にワークWを設置するのではなく、ロボットを用いて自動的に設置する構成としてもよい。
【0029】
この後、作業者またはロボットによるスポット溶接が行われ、ワークWが溶接されてボディサイド部材が形成される。
【0030】
この後、制御部42に接続されたスイッチ等が作業者により押されて(ロボット溶接の場合には自動で)、制御部42により保持部19のクランプ27および位置決めピン28等が作動して、ボディサイド部材が解放される。解放されたボディサイド部材は、作業者またはロボットにより搬出される。
【0031】
この後、更に制御部42に接続されたスイッチ等が作業者により押されて(ロボット搬出の場合には自動で)、制御部42によりロケートピン15を後退させて、保持治具3を治具位置決め装置14から解放する。さらに、巻き上げ用モータ35を制御して保持治具3をチェーン33により巻き上げ、保持治具3を落下させた際と逆方向に姿勢を90度回転させつつ、格納姿勢となるまで吊り上げる。このとき、保持治具3はチェーン33を介してバランスウェイト34と連結されているため、小さな力で保持治具3の巻き上げが可能である。
【0032】
保持治具3が格納姿勢に達すると、巻き上げを終了し、落下防止兼押し出し装置21を制御して落下防止用係止部22の係止面25に当接ローラ41を当接させて、保持治具3を係止する。
【0033】
この後、順次搬入されるワークWに応じて保持治具3を選択しつつ、同様の工程を繰り返すことで、多車種のボディサイド部材を順列生産することとなる。
【0034】
本実施形態に係る治具切換装置1によれば、複数車種に対応する保持治具3を、姿勢を変更しつつ格納できるため、保持姿勢よりも狭い領域で格納可能な縦置きの格納姿勢で格納でき、省スペース化を実現できる。
【0035】
また、回転制御される回転台7上に複数の保持治具3を格納するため、任意の保持治具3に自動で切り換えることができ、小さい領域で、複数車種の順列生産を実現できる。
【0036】
また、任意の保持治具3への自動切換が可能であるため、複数の保持治具3を固定的に並べた場合と比較して作業者の移動時間を低減でき、また、保持治具3の自動切換中に作業者が別の作業を実施可能であり、労務費を削減できる。
【0037】
また、格納姿勢にある保持治具3を自重で落下させるための落下防止兼押し出し装置21が、初期動作補助機能を備えているため、ロックの解除および押し出し動作を1つのエアシリンダーの進退動作で実現でき、設備費を削減できる。
【0038】
また、昇降用レール30、回転台レール31および基台レール13を配して、保持治具3を吊り下げ式として回転台7上に格納するため、自重により、姿勢を縦置き状態(格納姿勢)から横置き状態(保持姿勢)に円滑に変更できる。
【0039】
また、回転台7上の格納姿勢において、保持治具3の保持部19が、回転台7の半径中心側ではなく半径外側方向に位置するため、回転台7が必要以上に大きくならず、保持治具3を省スペースに格納できる。
【0040】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の範囲内で種々改変することができる。例えば、図11に示すように、姿勢変更手段51が、格納姿勢における保持治具52の下方側を中心として、上方側を回転台7の半径外側へ倒し、若しくは半径内側へ立ち上げる構造を有するようにしてもよい。このような構造とするには、例えば格納姿勢における保持治具52の下方側に固定的に歯車53を設け、この歯車53と噛み合う他の回転歯車54をモータ55等により回転制御することで実現できる。また、本発明は、車両以外の他の製品(部品)の組み立てにも適用できる。また、本発明の用途は溶接に限定されず、例えばシール部材を塗布するために用いることもできる。また、作業エリア11は、床面5上に設けられなくてもよく、例えば、回転台7上で保持姿勢となる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る治具切換装置を示す平面図である。
【図2】同治具切換装置を示す側面図である。
【図3】同治具切換装置の一部を示す部分側面図である。
【図4】同治具切換装置の保持治具を示す側面図である。
【図5】同治具切換装置の落下防止兼押し出し装置を示す側面図である。
【図6】同落下防止兼押し出し装置により保持治具を落下させる際を示す側面図である。
【図7】本実施形態に係る治具切換装置の動作を示すフロー図である。
【図8】同治具切換装置の保持治具が全て格納姿勢にある際を示す側面図である。
【図9】同治具切換装置の保持治具の1つが保持姿勢に変更する途中を示す側面図である。
【図10】同治具切換装置の保持治具の1つが保持姿勢に移動した際を示す側面図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る治具切換装置を示す側面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 治具切換装置、
3,52 保持治具、
7 回転台、
10,51 姿勢変更手段、
11 作業エリア、
13 基台レール、
14 治具位置決め装置、
17 車輪、
21 落下防止兼押し出し装置、
22 落下防止用係止部、
30 昇降用レール、
31 回転台レール、
33 チェーン、
41 当接ローラ、
42 押し出しローラ、
W ワーク。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に設けられた回転台と、
ワークを保持するための治具であり、前記回転台上に格納可能な少なくとも2つの保持治具と、
前記保持治具の姿勢を、前記ワークを保持可能な保持姿勢および前記回転台上に格納された格納姿勢の間で変更させる姿勢変更手段と、を有する治具切換装置。
【請求項2】
前記回転台が回転する方向の一部に設けられて前記保持治具が保持姿勢となるための作業エリアに、選択された保持治具が一致するように前記回転台を回転制御するとともに、当該選択された保持治具の姿勢を前記格納姿勢と保持姿勢の間で変更するように前記姿勢変更手段を制御する制御部を有する請求項1に記載の治具切換装置。
【請求項3】
前記姿勢変更手段は、前記保持姿勢における保持治具の回転台側である一方側に連結して保持治具を昇降させつつ、当該保持治具の他方側を前記回転台の半径方向へ移動させる吊り上げ手段を有する請求項1または2に記載の治具切換装置。
【請求項4】
前記保持治具には車輪が設けられ、前記回転台および作業エリアの少なくとも一方には、前記保持治具が姿勢を変更する際に前記車輪が移動するレールが設けられる請求項1〜3のいずれか1項に記載の治具切換装置。
【請求項5】
前記作業エリアには、前記保持姿勢における保持治具を位置決めする治具位置決め手段が設けられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の治具切換装置。
【請求項6】
前記格納姿勢における保持治具の下降を制限する落下防止手段と、当該落下防止手段に連結して設けられ、当該落下防止手段が解除される動作により、前記保持治具を前記回転台の半径外側方向へ押し出す押し出し手段と、を備えた落下防止兼押し出し装置を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の治具切換装置。
【請求項7】
前記姿勢変更手段は、前記格納姿勢における保持治具の下方側を中心として、上方側を前記回転台の半径外側へ倒し、若しくは半径内側へ立ち上げる構造を有する請求項1または2に記載の治具切換装置。
【請求項8】
回転可能な回転台に、ワークを保持するための治具であって前記回転台上に格納可能な少なくとも2つの保持治具を設け、当該保持治具の姿勢を、前記回転台上に格納した格納姿勢で維持しつつ、前記ワークを保持するために選択された保持治具を、当該ワークを保持可能な保持姿勢に変更させて、当該保持姿勢となった保持治具によりワークを保持する治具切換方法。
【請求項9】
前記ワークを保持するために選択された保持治具が、前記回転台が回転する方向の一部に設けられて前記保持治具が保持姿勢となるための作業エリアに一致するように前記回転台を回転制御し、当該選択された保持治具の姿勢を前記格納姿勢と保持姿勢の間で変更するように制御する請求項8に記載の治具切換方法。
【請求項10】
前記保持姿勢における保持治具の回転台側である一方側を昇降させることで、当該保持治具の他方側を前記回転台の半径方向へ移動させて前記保持治具の姿勢を変更する請求項8または9に記載の治具切換方法。
【請求項11】
前記保持治具を前記格納姿勢から保持姿勢に変更する際に、当該保持治具の自重により移動させる請求項8〜10のいずれか1項に記載の治具切換方法。
【請求項12】
前記格納姿勢における保持治具の下方側を中心として、上方側を前記回転台の半径外側へ倒すことで、前記保持姿勢へと変更する請求項8または9に記載の治具切換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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