説明

治療光線によって治療される生体組織における非侵襲性の温度決定方法および装置

本発明は、治療光線によって治療される生体組織、とりわけレーザー光線によって治療される眼底(7)における非侵襲性の温度決定方法に関するものである。この方法では、測定光線パルス(11)によって治療温度に依存する反応、とりわけ衝撃波が発生し、それが検出器(8)によって検出される。本発明によれば、測定光線パルス(11)と治療光線のパルス(12)が、治療すべき組織に同じ光線源(1)から順次連続して、とりわけ交互に供給される。本発明を実施するのに適した装置は、光線源(1)と、照射光学系(5)と、反応、とりわけ衝撃波を検出するための検出器(8)と、治療光線と測定光線パルス(11)を制御するのに適したシステム制御部(10)とを有し、システム制御部(10)は、順次連続する、とりわけ交番する治療光線のパルス(12)と測定光線パルス(11)を、単一の光線源(1)、とりわけ変調可能なレーザーから供給するように構成される。治療光線と測定光線パルスを単一の光線源だけによって供給することにより、測定精度が低下することなく構造コストを削減することができる。さらに治療光線と測定光線パルスは、治療すべき組織内で同じ目標領域に、特別の補助無しに調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療光線によって治療される生体組織、とりわけレーザー光線によって治療される眼底における非侵襲性の温度決定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザー光線によって治療される眼底における非侵襲性の温度決定方法では、測定光線パルスによって治療温度に依存する反応、とりわけ衝撃波が生じ、その衝撃波が検出器によって検出される。本発明はさらに、治療光線によって治療される生体組織、とりわけレーザー光線によって治療される眼底における非侵襲性の温度決定装置に関するものであり、この装置は、光線源と、照射光学系と、反応、とりわけ衝撃波を検出するための検出器と、治療光線および測定光線パルスを制御するのに適したシステム制御部とを備える。
【0003】
眼科学では、高エネルギー光、たとえば集束された太陽光、キセノンアークランプの光線、またはレーザー光線を、たとえば眼底にある網膜組織を凝固させるために使用することは一般に公知である。ここでレーザーを光線源として使用することはとくに重要である。なぜなら、一方ではレーザー光のスペクトル波長が正確に確定でき(単色、選択的に規定される緑、黄、赤の波長、または赤外線スペクトル領域)、他方ではレーザー光を正確に偏向させることが可能だからである。
【0004】
使用されるレーザーの種類に応じて、レーザーパルス(たとえばNd:YAGレーザーの場合、波長1064nm、すなわち532nmの周波数が2倍化)、または連続レーザー光(連続波=cwレーザー、たとえば青=488nmと緑=514nmの波長のアルゴンレーザー、または同様に532nmにおける周波数2倍化Nd:YAGレーザー)が生成される。アルゴンレーザー、色素レーザー、および固体レーザーは、通例、糖尿病性網膜障害、末梢網膜変性の場合に網膜を凝固させるため、網膜孔を治療するため、ならびにレーザー線維柱帯形成術の場合に眼内圧を低減するために使用される。これに対してCOレーザーは通常、組織の切断に使用される。
【0005】
組織を熱的治療する際には、温度管理がとくに重要である。レーザー光凝固術では、20ms〜500ms、とりわけ約100msの照射時間が、一般的に、60℃を超える温度を発生させる。ここでレーザー出力は通常、100mW〜500mWである。温度が低すぎる場合には、凝固効果が不十分であり、これに対して温度が高すぎると、望ましくない組織損傷が発生し得る。
【0006】
治療温度のコントロールを行う冒頭に述べた種類の方法および装置は、特許文献1から公知である。引用文献1に開示された治療装置は、連続的に動作するレーザー(cwレーザー)の光線源を有し、このレーザーのレーザー光線は、結合光学系によって光導体に入力され、さらに照射光学系およびそこから治療すべき眼に供給される。ここでレーザー光線は、眼に載置されたコンタクトガラスを通過し、コンタクトガラスには音響検出器または光検出器が装備されている。
【0007】
例示的な第1の実施形態によれば、パルス型の光線源が追加で設けられており、この光線源は所定のまたは制御された時間間隔で短い光線パルスを生成する。この光パルスは、パルス持続時間およびエネルギーに関して治療光線とは異なる特性を有している。この光パルスは、結合光学系を介して測定光線として同様に光導体に入力される。測定光線のパルスは、眼内で熱的な組織拡張を引き起こす。この組織拡張は治療レーザーによって引き起こされる温度に依存しており、たとえば圧電式の検出器によって光音響的に評価することができる。ここで測定光線によって引き起こされた熱的拡張は温度に線形的に依存し、その依存性を較正測定によって決定することができる(グリュンアイゼン係数)。
【0008】
代替案によれば、追加の光線源が省略され、その代わりに治療光線が数ナノ秒の間、中断される。これにより眼底で治療される組織の収縮が引き起こされ、その衝撃波を同様に温度決定のために使用することができる。この場合は、別個の測定光線は設けられていない。
【0009】
眼科学でのレーザー光線の基本的構造と使用、ならびに拡張を検出するのに適した検出器に関しては、特許文献1に記載された例示的な実施形態を参照されたい。
特許文献2には、経強膜毛様体光凝固術における、個別のレーザー照射線量調整装置が開示されている。この装置では治療の目標組織内に圧力遷移が生じ、それを用いて前もって治療計画が立てられる。さらにこの情報は、さらなる治療経過で療法のコントロールに用いることができる。ここでは治療光線と同時に、低エネルギーの診断パルスが形成され、この診断パルスは治療レーザーパルスに重畳変調されるか、または前もって送出される。ここで測定光線は、追加の光線源から前もって送出されるか、または凝固治療中に治療光線源による変調によって生成される。
【0010】
特許文献3から、とりわけ眼底にある生体組織のための光凝固器を操作するさらなる方法および装置が公知である。ここでは、凝固箇所の輝度の時間経過を測定する装置が設けられており、この輝度は治療光線源または追加の光線源によって生成された測定光線によって引き上げられる。ここで光線治療中の輝度の時間経過は、照射パラメータを制御するために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】独国特許発明第10135944号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第19916653号明細書
【特許文献3】独国特許発明第3024169号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の基礎となる課題は、装置コストを低減し、それでもなお光線治療においてとくに正確な温度管理が可能であるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の課題は、上位概念による方法に関しては、測定光線パルスと治療光線のパルスを同じ光線源から治療すべき組織に順次連続して供給することにより解決される。冒頭に述べた種類の装置に関しては、治療光線のパルスと測定光線パルスを、ただ1つの光線源、とりわけ変調可能なcwレーザーから順次連続して形成するためのシステム制御部を設けることによって解決される。ここでは好ましくは、追加の内部または外部の変調器が使用されない。
【0014】
順序は好ましくは交互に行われ、1つの測定光線パルスの後に1つの治療光線パルスが続く。しかしながら、基本的には、測定結果をコントロールするために、2つまたはそれ以上の測定光線パルスを順次連続させること、または治療経過中に、少なくとも1つの測定光線パルスの後に治療光線パルスを続ける場合、少なくとも1つの治療光線パルスの後に測定光線パルスを続ける場合の少なくとも一方では、治療光線パルスを中断することも考えられる。
【0015】
治療光線パルスと測定光線パルスをただ1つの光線源だけによって生成することにより、測定精度が低下することなく構造コストを削減することができる。さらに治療光線パルスと測定光線パルスは、治療すべき組織内で同じ目標領域に、特別の補助無しに調整される。
【0016】
本発明の方法の特別の構成によれば、測定光線パルスと治療光線パルスがcwレーザーによって生成され、このcwレーザーは、対応する変調により、順次連続する特性の異なる光線パルスを高速に特別のやり方で生成するのに適する。
【0017】
測定光線パルスは好ましくは1μJ〜20μJ、好ましくは5μJ以上のパルスエネルギー、および/または0.2μs〜2μsのパルス長を有する。これにより正確な測定にとくに適した衝撃波が、測定光線パルスが組織の凝固に有意に関与することなく形成される。ここでとくに有利には、測定光線パルスのパルスピーク出力は、治療光線のパルス出力の1.5から5倍である。さらに治療光線のパルス長が、測定光線パルスのパルス長の100倍から1000倍であるのがとくに有利である。
【0018】
有利には測定光線パルスは、500Hz〜10kHz、好ましくは1kHz以下の反復率で生成される。反復率が高すぎると、光学的に生成される音響波が眼および検出器の少なくとも一方の中で重畳され、メイン情報の錯誤または損失を引き起こすこととなる。
【0019】
とくに精確な測定結果は、測定光線パルスの立上りが治療光線パルスの立上りよりも急峻に調節される場合、および測定光線パルスの立下りが治療光線パルスの立下りよりも急峻に調節される場合の少なくとも一方で得られる。測定光線パルスの立上り時間および立下り時間の少なくとも一方は、とくに好ましくは治療光線パルスの立上り時間および立下り時間の少なくとも一方の約0.01倍〜0.1倍、とりわけ約0.05倍である。同様に好ましくは、測定光線パルスと治療光線パルスとの間には、0.5μs〜100μsの時間枠にわたり出力が完全にまたはとりわけ不完全に低下される期間、および治療光線パルスとこれに続く測定光線パルスとの間には、50μs〜350μsの時間枠にわたり出力が低下される期間の少なくとも一方が設けられる。
【0020】
本発明の方法を実施するために、そして前記装置で使用するために好ましくは設けられた変調可能なレーザーは、有利には、ポンピングプロセスの際に供給されるエネルギーを所定の時間の間、たとえば反転分布状態で蓄積し、レーザーレゾネータによる光場の励振の際に実質的に個別パルス/第1パルスとして出力する活性媒質を有する。適切な媒質は、たとえばそのエネルギー蓄積時間(蛍光寿命または上側レーザー準位での寿命)が通例、50μs〜1msの範囲にある固体レーザーを有する。エネルギー的に比較的大きくレーザー増幅プロセスに関与する上側レーザー準位の分布が、関与する下側レーザー準位の分布よりも大きい場合に、反転分布が存在する。
【0021】
好ましくはレーザーの変調は、レーザーレゾネータ内に存在する光線場を消失させ、残りの反転分布を自然崩壊によって壊すために、活性レーザー媒質の前記蓄積時間にほぼ相当するレーザーポンピング源のオフ時間をまず調節することによって行われる。
【0022】
レーザーポンピング源を約1〜10μs内で高速にスイッチオンすることにより、レゾネータ内で光線場が欠乏する結果、反転の過剰形成がまず誘発され、この反転は引き続きレゾネータ内で光線場を調節すると(励振過程)、急激に再び崩壊し、このときに短い強力なパルス(第1パルス)が発生する。このパルスは、レーザーの最大cwレーザー出力が約2Wの場合、パルス持続時間が約1μs、出力ピーク値が約10W(パルスエネルギー10μJ)に達する。このようにして生成されたパルスは、評価可能な光音響信号を生成するのに適する。
【0023】
とりわけ第1パルスの立下りを光音響作用について最適化するために、好ましくはレーザーポンピング出力が、引き続き短時間(たとえば約2μsの間)、その後に続くcwレーザ出力より低く調整される。
【0024】
この変調サイクルの後、長くても反復により決定された期間の終了までは、レーザーポンピング源が、新たな変調サイクルが開始されるまで連続的に、光凝固に必要なレベル(たとえば2Wのレーザー出力について)に調整される。この調整は好ましくは、制御装置によって行われる。
【0025】
ここで好ましくは、凝固パルスの立上り時間と立下り時間はできるだけ長く選択し、これより立上り時間と立下り時間によって、検出可能な光音響圧力遷移が付加的に発生しないようにする。好ましくはこのために、10μs〜50μsの範囲で時間が調節される。
【0026】
レーザーの周期的な制御は好ましくは、形成された光凝固によって決定される遮断基準に達するまで継続され、凝固プロセスはコントロールされて中断される。
本発明を実現するためには、とくに好ましくは、ダイオードポンピングされる固体レーザーは、とりわけ波長が1064nmであり、波長532nmに周波数変換されるネオジム・イットリウム・バナジン酸塩・固体レーザーである。レーザー活性媒質の蛍光寿命が100μsと比較的短いため、オフ持続時間は、変調の際に対応する短い時間に制限される。光線パルスの形成および制御は、ダイオードポンピングされるレーザーでは、システム制御部がポンピング源をダイオード電流の適切な調節によって変調することにより簡単に行うことができる。
【0027】
さらに、有利には、ダイオードポンピングされるディスクレーザー、とりわけ周波数2倍化ネオジム・イットリウム・バナジン酸塩・ディスクレーザーを使用することができる。レーザー媒質を非常に薄い、軸方向に冷却されるディスクとして構成することにより、熱レンズの構造が最小になる。これにより、変調および凝固持続中に制御が時間的に変化しても、光線パラメータは変化しないことが保証され、したがって測定体積と凝固体積が一致するという本発明の利点が特別な形で発揮される。
【0028】
さらなる適切な光線源は、たとえばダイオードレーザー、YAGレーザー、またはダイオードポンピングされる半導体レーザーとすることができる。さらに、キセノンランプ、発光ダイオード(LED)またはスーパールミネッセンス・ダイオード(SLD)の集束光を使用することも最後に挙げておく。
【0029】
基本的には、たとえば独国特許出願公開第102006019127号明細書から公知の複数の光線源を備える多波長レーザーシステムも、これらの光線源の1つが測定光線パルスと、これに続く治療光線パルスの両者を生成するならば、請求される本発明に含まれる。この場合、残りの光線源はたとえば凝固のためにだけ追加で使用され、同じまたは異なる波長を有することができる。
【0030】
図面は、例として本発明の実施を概略的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の好ましい実施形態による装置の構造の基本図。
【図2】本発明の方法を実施する際における光線出力の時間の線図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1に示された装置は、ダイオードポンピングされるcwレーザー2からなる光線源1を有し、このcwレーザーは眼3を治療するためのレーザー光線4を生成する。レーザー光線4は、通例、図示しない光導体と照射光学系5によって、コンタクトガラス6を通して眼3に供給され、眼底7に衝突する。
【0033】
コンタクトガラス6には検出器8が装備されている。この検出器は、レーザー光線4が眼底7に衝突することによって形成された衝撃波9を検出し、その検出した情報をシステム制御部10に転送する。システム制御部10は、光線源1と動作可能に接続されている。
【0034】
本発明の方法を、例示的実施形態ではレーザー光線4によって治療される眼底7における非侵襲性温度決定のために使用する場合、この過程にただ1つ関与する光線源1により、図2から分かるように交互の順序で、測定光線パルス11と治療光線パルス12が生成され、これらが眼底7における同じ目標領域に当たる。
【0035】
各測定光線パルス11は、約10μJのパルスエネルギーにおいて約1μsのパルス幅と約10Wのパルスピーク出力を有しており、cwレーザーの平均出力は約2Wだけでよい。測定光線パルス11の立上り13と立下り14は急峻であり、したがって測定光線パルス11の立上り時間および立下り時間の少なくとも一方に対して短い。
【0036】
測定光線パルス11に続く治療光線パルス12の立上り時間と立下り時間は格段に長く、好ましくは10μs〜50μsである。したがってその持続時間は、例示的実施形態では測定光線パルス11の立上り時間および立下り時間の少なくとも一方の約20倍である。そのため、立上り15と立下り16は、比較的平坦である。この構成は、凝固プロセスに対してとくに有利である。治療光線の出力は例示的実施形態では2Wであり、治療光線パルス12はシステム制御部10を介して所望のように付加的に中断することができる。中断のためには、たとえばシステム制御部によって制御される図示しない絞りを用いることができる。
【0037】
測定光線パルス11と時間的にこれに続く治療光線パルス12との間には、レーザー出力の低減された期間17が設けられる。この期間ではcwレーザー2が残留電力(>0W)によって引き続き駆動される。ここでレーザーポンプ電流は、電流強度>0Aを有するが、cwレーザー2のレーザー閾値より下にあるように選択されている。レーザー出力が対応して低減される別の期間18が、比較的長い時間にわたって治療光線パルス12と時間的にこれに続く測定光線パルス11との間で開始される。
【0038】
この過程は、好ましくは1kHzの反復周波数(持続期間1000μs)で繰り返される。ここで各変調サイクルは、たとえば以下の持続時間の方法工程シーケンスからなる。
100μs 光線場の消失時間としてのcwレーザー2のポンプ源のオフ時間により、反転が崩壊する;
10μs ポンプ源のスイッチオン(測定光線パルス11の励振);
1μs 測定光線パルス11の持続時間;
20μs 低減されたポンプ電力による後制御時間(フェーズ17);
869μs 2Wのレーザー出力と各50μsの立上り時間および立下り時間のための連続的ポンプ電力による治療光線パルス12の持続時間(凝固持続時間)。
【0039】
光線源1の周期的な制御は、光凝固によって決定される遮断基準に達するまで継続され、凝固プロセスはシステム制御部10によりコントロールされて中断される。凝固の持続時間は、本発明による温度制御を行わない治療に対して約10%延長される。しかし時間がより長く掛かっても、本発明によって達成される利点はそれを補って余りある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療光線によって治療される生体組織、とりわけレーザー光線によって治療される眼底(7)における非侵襲性の温度決定方法であって、測定光線パルス(11)により、治療温度に依存する反応、とりわけ衝撃波が生じて、検出器(8)によって検出される方法において、
測定光線パルス(11)と治療光線のパルス(12)が、治療すべき組織に同じ光線源(1)から順次連続して、とりわけ交互に供給される、方法。
【請求項2】
測定光線パルス(11)と治療光線のパルス(12)が、cwレーザーによって変調されて生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
cwレーザーが、交互の第1パルス生成と、時間的に優勢なcw放射とを組み合わせて用いるように変調することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記測定光線パルス(11)が、1μJ〜20μJ、好ましくは5μJ以上のパルスエネルギーおよび0.2μs〜2μsのパルス長の少なくとも一方を有する、請求項1〜3に記載の方法。
【請求項5】
前記測定光線パルス(11)のパルスピーク出力が、治療光線のパルス(12)のピーク出力の1.5〜5倍である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
治療光線のパルス(12)の長さが、測定光線パルス(11)のパルス長の100倍〜1000倍である、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記測定光線パルス(11)が、500Hz〜10kHz、好ましくは1kHz以下の反復率で生成される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記測定光線パルス(11)の立上り(13)が、治療光線のパルス(12)の立上り(15)よりも急峻に調節される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記測定光線パルス(11)の立下り(14)が、治療光線のパルス(12)の立下り(16)よりも急峻に調節される、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記測定光線パルス(11)の立上り時間および立下り時間の少なくとも一方が、治療光線のパルス(12)の立上り時間および立下り時間の少なくとも一方の約0.01倍〜0.1倍、とりわけ約0.05倍である、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
測定光線パルス(11)とこれに続く治療光線のパルス(12)との間に、0.5μs〜100μsの時間枠にわたる出力低減期間(17)を設定する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
治療光線のパルス(11)とこれに続く測定光線パルス(11)との間に、50μs〜350μsの時間枠にわたる出力低減期間(18)を設定する、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
治療光線によって治療される生体組織、とりわけレーザー光線によって治療される眼底(7)における非侵襲性の温度決定装置であって、光線源(1)と、照射光学系(5)と、反応、とりわけ衝撃波を検出するための検出器(8)と、治療光線および測定光線パルス(11)を制御するのに適したシステム制御部(10)とを備える装置において、
該システム制御部(10)は、治療光線のパルス(12)と測定光線パルス(11)とを、単一の光線源(1)、とりわけ変調可能なレーザーから順次連続して、とりわけ交番して供給するように構成されている、装置。
【請求項14】
前記光線源(1)は、cwレーザー(連続波レーザー12)である、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記光線源(1)は、変調されるcwレーザー(連続波レーザー12)であり、該cwレーザーは、第1パルス生成と、時間的に優勢なcwレーザー放射とを交互に組み合わせるように構成される、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記cwレーザー(12)は、好ましくはダイオードポンピングされる固体レーザーである、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記cwレーザー(12)は、ダイオードポンピングされるディスクレーザー、とりわけネオジム・イットリウム・バナジン酸塩・ディスクレーザーである、請求項14に記載の装置。
【請求項18】
前記cwレーザー(12)は、ダイオードポンピングされる半導体レーザーである、請求項14に記載の装置。
【請求項19】
前記cwレーザー(12)は、電気的にポンピングされる半導体レーザーである、請求項14に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−522546(P2012−522546A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502509(P2012−502509)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002048
【国際公開番号】WO2010/112209
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(503078265)カール ツァイス メディテック アクチエンゲゼルシャフト (51)
【氏名又は名称原語表記】Carl Zeiss Meditec AG
【住所又は居所原語表記】Goeschwitzer Strasse 51−52, D−07745 Jena, Germany
【Fターム(参考)】