説明

治療剤

【課題】 紅麹抽出物は、血圧降下作用を有することが知られまた、紅麹抽出物に含まれるモナコリンKが、コレステロール低下作用を有することも知られている。一方、プロアントシアニジンは植物中に含有されるポリフェノールの一種であり、抗酸化作用、抗肥満作用などの種々の活性を有することが知られている。本発明の課題は、これら以外の種々の疾病に、とりわけ顕著な効果でもって有効である、紅麹抽出物、または、該抽出物とプロアントシアニジンを有効成分として用いる治療剤の提供にある。
【解決手段】 紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とする、抗アレルギー剤、高尿酸血症の予防または改善剤、抗骨粗鬆症剤、抗鬱・抗ストレス剤、アディポネクチン産生促進剤、コレステロール低下剤、血圧降下剤、抗糖尿病剤、リウマチ治療剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紅麹抽出物、または、該抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とする各種疾病に有用な治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
紅麹抽出物は、血圧降下作用を有することが知られている(特許文献1)。また、紅麹抽出物に含まれるモナコリンKが、コレステロール低下作用を有することも知られている(特許文献2)。
一方、プロアントシアニジンは植物中に含有されるポリフェノールの一種であり、抗酸化作用(特許文献3)、抗肥満作用(特許文献4)などの種々の活性を有することが知られている。
しかしながら、紅麹抽出物や、該抽出物とプロアントシアニジンとの組み合わせが、下記で説明する本発明で適用される種々の疾病に、とりわけ顕著な効果でもって有効であるとの見地はない。
【特許文献1】特開2006−104156号公報
【特許文献2】特公昭64−5570号公報
【特許文献3】特公平3−7232号公報
【特許文献4】特開2006−16330号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、下記で説明する本発明で適用される種々の疾病に、とりわけ顕著な効果でもって有効である各種治療剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に記載の発明は、紅麹抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗アレルギー剤である。
請求項2に記載の発明は、紅麹抽出物を有効成分とすることを特徴とする高尿酸血症の予防または改善剤である。
請求項3に記載の発明は、紅麹抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗骨粗鬆症剤である。
請求項4に記載の発明は、紅麹抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗鬱・抗ストレス剤である。
請求項5に記載の発明は、紅麹抽出物を有効成分とすることを特徴とするアディポネクチン産生促進剤である。
請求項6に記載の発明は、紅麹抽出物を有効成分とすることを特徴とするリウマチ治療剤である。
請求項7に記載の発明は、紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とする抗アレルギー剤である。
請求項8に記載の発明は、紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とする高尿酸血症の予防または改善剤である。
請求項9に記載の発明は、紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とする抗骨粗鬆症剤である。
請求項10に記載の発明は、紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とする抗鬱・抗ストレス剤である。
請求項11に記載の発明は、紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とするアディポネクチン産生促進剤である。
請求項12に記載の発明は、紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とするコレステロール低下剤である。
請求項13に記載の発明は、紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とする血圧降下剤である。
請求項14に記載の発明は、紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とする抗糖尿病剤である。
請求項15に記載の発明は、紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とするリウマチ治療剤である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、下記で説明する本発明で適用される種々の疾病に、とりわけ顕著な効果でもって有効である各種治療剤が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
【0007】
本発明で用いられる紅麹は、モナスカス(Monascus)属に属するものであればいずれの菌であってもよく、例えば、モナスカス・プルプレウス(Monascus purpureus)ATCC16385、モナスカス・アンカ(Monascus anka)、モナスカス・ピローサス(Monascus pilosus)IFO4520、IFO4480、モナスカス・プビゲレス(Monascus pubigerus)IFO4521、モナスカス・エスピー(Monascus sp.)ATCC16370これらの変種、変異株などが例示できる。
紅麹抽出物は、例えば特許4049975号公報に記載の方法に従い調製することができる。特許4049975号公報に記載の方法は、モナコリンKの抽出効率を高める方法であって、例えば、紅麹菌を、米、ダイズ等とともに培養し、培養物と40〜80%(v/v)の含水エタノールとを接触させる方法が挙げられる。接触時間は、1分以上、望ましくは15分以上である。培養物が液体培養物の場合は、含水エタノールを加えた後の液全体が40〜80%(v/v)のエタノール濃度となるようにすればよい。抽出は室温または40〜80℃に加熱下で行なうことができる。含水エタノール量は、例えば培養物に対し、5倍量以上であればよい。抽出物は、必要に応じて当業者に公知の各種クロマトグラフ法を単独で、または組み合わせて採用することができる。
【0008】
上記とは別に、紅麹抽出物を得る方法として、超臨界流体抽出法が挙げられる。
超臨界流体抽出法は、物質の気液の臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超えた状態の流体である超臨界流体を用いて抽出を行う方法である。超臨界流体としては、二酸化炭素、エチレン、プロパン、亜酸化窒素(笑気ガス)などが用いられ、二酸化炭素が好適である。
【0009】
超臨界流体抽出法は、目的成分を超臨界流体によって抽出する抽出工程および目的成分と超臨界流体とを分離する分離工程からなる。分離工程は、圧力変化による抽出分離、温度変化による抽出分離、または吸着剤、吸収剤を用いた抽出分離のいずれを行ってもよい。
【0010】
紅麹抽出物は、必要に応じて濃縮して濃縮物としたり、凍結乾燥を行なって粉末化することもできる。
【0011】
紅麹抽出物の投与量は、患者の年令、体重、適応症状などによって異なるが、例えば、凍結乾燥粉末として、成人1日1〜数回、1回量約1mg〜1g、好ましくは3mg〜300mg程度投与するのがよい。
【0012】
一方、本発明で使用されるプロアントシアニジンとは、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2以上、好ましくは2〜10量体、さらに好ましくは2〜4量体の縮重合体からなる化合物群、誘導体およびそれらの立体異性体を指称する。プロアントシアニジンのうち、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2〜4の縮重合体をOPC(オリゴメリックプロアントシアニジン;oligomeric proanthocyanidin)という。OPCは強力な抗酸化物質であり、植物の葉、樹皮、果物の皮もしくは種子の部分に豊富に含有されている。具体的には、ブドウ、松の樹皮、ピーナッツの薄皮、イチョウ、ニセアカシアの果実、コケモモ、ブルーベリー、イチゴ、アボガド、大麦、小麦、大豆、黒大豆、カカオなどに含まれている。また、西アフリカのコーラナッツ、ペルーのラタニアの根にもOPCが含まれていることが知られている。OPCはヒトの体内では生成することができない物質である。
【0013】
本発明の有効成分として用いられるプロアントシアニジンについては、原料の由来あるいは原料の利用部分、製造法、精製法は何ら制限されないが、上記の樹皮、果実もしくは種子の粉砕物、またはこれらの抽出物のような食品原料を使用することができる。特に松樹皮、さらに好ましくはOPCが豊富に含まれているフランス海岸松樹皮の抽出物を用いることが好ましい。フランス海岸松樹皮はプロアントシアニジンの原料として好ましく用いられる。
【0014】
プロアントシアニジンは、公知の方法[例えば、松の樹皮からの抽出法;アール・ダブル・ヘミングウェイ(R.W.Hemingway)ら、フィトケミストリー(Phytochemistry),1983年,第22巻、p.275−281]あるいはそれに準じた方法を採用することによって上記各種植物体から容易に得ることができる。
【0015】
以下、OPCを豊富に含む松樹皮の抽出物を例に挙げて、プロアントシアニジンの調製方法を説明する。
【0016】
松樹皮抽出物は、松樹皮を水または有機溶媒で抽出して得られる。水を用いる場合には、温水または熱水が用いられる。抽出に用いる有機溶媒としては、食品あるいは薬剤製造に許容される有機溶媒が用いられ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ブタン、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコール、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,2−トリクロロエテンなどが挙げられる。これらの水および有機溶媒は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。特に、熱水、含水エタノール、含水プロピレングリコールが好適に用いられる。
【0017】
松樹皮からプロアントシアニジンを抽出する方法は、特に限定されないが、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法などが用いられる。
【0018】
超臨界流体抽出法は、物質の気液の臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超えた状態の流体である超臨界流体を用いて抽出を行う方法である。超臨界流体としては、二酸化炭素、エチレン、プロパン、亜酸化窒素(笑気ガス)などが用いられ、とりわけ二酸化炭素が好適に用いられる。
【0019】
超臨界流体抽出法は、目的成分を超臨界流体によって抽出する抽出工程および目的成分と超臨界流体とを分離する分離工程からなる。分離工程は、圧力変化による抽出分離、温度変化による抽出分離、または吸着剤、吸収剤を用いた抽出分離のいずれを行ってもよい。
【0020】
また、エントレーナー添加法による超臨界流体抽出を行ってもよい。この方法は、超臨界流体に、例えば、エタノール、プロパノール、n−ヘキサン、アセトン、トルエンなどを2〜20%程度添加し、得られた抽出流体で超臨界流体抽出を行うことによって、OPCなどの被抽出物の抽出流体に対する溶解度を飛躍的に上昇させる、あるいは分離の選択性を増強させる方法であり、効率的に松樹皮抽出物を得る方法である。
【0021】
松樹皮からの抽出は、上記の方法以外に、液体二酸化炭素回分法、液体二酸化炭素還流法、超臨界二酸化炭素還流法などにより行ってもよい。
【0022】
以上のようにして得られたプロアントシアニジンは、液状もしくは半固形状の形態で得られるが、このものから抽出溶媒を減圧留去、スプレードライ、凍結乾燥等の公知の方法によって除去すれば、そのままプロアントシアニジン含有濃縮物や乾燥物として使用することができる。さらに精製するには、カラムクロマトグラフィー、向流分配法等の公知の精製手段を採用して、目的を達成することができる。
【0023】
プロアントシアニジンは、水によく溶解し、生体への吸収性が高い。酸性、中性、アルカリ性のいずれの条件においても安定性が高い。
【0024】
プロアントシアニジンの投与量は、その種類、その剤型、また患者の年令、体重、適応症状などによって異なるが、例えば、成人1日1〜数回、1回量約1〜500mg、好ましくは3〜300mg程度投与するのがよい。
【0025】
本発明の治療剤は、錠剤、ピル、カプセル、顆粒、粉末、散剤、液剤等の固形または溶液の形態(以下、製剤ともいう)に公知の方法により適宜調製することができる。即ち、本発明に有用な固形製剤または液状製剤は、従来充分に確立された公知の製剤製法を用いることにより製造される。添加剤としては、例えば賦形剤、pH調整剤、清涼化剤、懸濁化剤、希釈剤、消泡剤、粘稠剤、溶解補助剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗酸化剤、コーティング剤、着色剤、矯味矯臭剤、界面活性剤、可塑剤または香料などが挙げられる。
【0026】
また本発明の治療剤は、各種健康食品および機能性食品として摂取可能である。これらの例としては、各種のものをあげることができるが、健康食品および機能性食品の製造に関しては、通常用いられる、食品素材、食品添加物に加え、賦形剤、増量剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、分散剤、保存剤、湿潤化剤、溶解補助剤、防腐剤、安定化材、カプセル基剤等の補助剤を用いた飲食品製剤形態で利用することができる。該補助剤の具体的な例示をすれば、乳糖、果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはその塩、アラビアガム、ポリエチレングルコール、シロップ、ワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウム、プルラン、カラギーナン、デキストリン、還元パラチノース、ソルビトール、キシリトール、ステビア、合成甘味料、クエン酸、アスコルビン酸、酸味料、重曹、ショ糖エステル、植物硬化油脂、塩化カリウム、サフラワー油、ミツロウ、大豆レシチン、香料等が配合できる。このような健康食品、機能性食品の製造に関しては、医薬品製剤の参考書、例えば「日本薬局方解説書(製剤総則)」(廣川書店)等を参考にすることができる。
【0027】
上記以外にも本発明の治療剤は飲食品として摂取することができる。具体的には、プリン、クッキー、クラッカー、ポテトチップス、ビスケット、パン、ケーキ、チョコレート、ドーナツ、ゼリーなどの洋菓子、煎餅、羊羹、大福、おはぎ、その他の饅頭、カステラなどの和菓子、冷菓(飴等)、チューインガム等のパン・菓子類や、うどん、そば、きしめん等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、ハム、ソーセージ、ハンバーグ、コーンビーフ等の畜肉製品や、塩、胡椒、みそ、しょう油、ソース、ドレッシング、マヨネーズ、ケチャップ、甘味料、辛味料等の調味類や、明石焼き、たこ焼き、もんじゃ焼き、お好み焼き、焼きそば、焼きうどん等の鉄板焼き食品や、チーズ、ハードタイプのヨーグルト等の乳製品や、納豆、厚揚げ、豆腐、こんにゃく、団子、漬物、佃煮、餃子、シューマイ、コロッケ、サンドイッチ、ピザ、ハンバーガー、サラダ等の各種総菜や、各種粉末(ビーフ、ポーク、チキン等畜産物、海老、帆立、蜆、昆布等水産物、野菜・果実類、植物、酵母、藻類等)や、油脂類・香料類(バニラ、柑橘類、かつお等)を粉末固形化したものや、粉末飲食品(インスタントコーヒー、インスタント紅茶、インスタントミルク、インスタントスープ、味噌汁等)等の各種食品が挙げることができるが、これらに特に制限されない。
【0028】
さらに本発明においては、例えば、ローヤルゼリー、プロポリス、ビタミン類(A、C、D、E、K、葉酸、パントテン酸、ビオチン、これらの誘導体等)、ミネラル(鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等)、セレン、レシチン、カロテノイド(リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン等)、サポニン(ギムネマ酸、大豆サポニン、人参サポニン等)、脂肪酸、タンパク質(コラーゲン、エラスチン等)、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、環状オリゴ糖等)、リン脂質及びその誘導体(フォスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、セラミド等)、含硫化合物(アリイン、セパエン、タウリン、グルタチオン、メチルスルホニルメタン等)、糖アルコール、リグナン類(セサミン等)、これらを含有する動植物抽出物、根菜類(ウコン、ショウガ等)、麦若葉末等のイネ科植物の緑葉、ケール等のアブラナ科植物の緑葉、サボテンの乾燥葉、ターミナリアベリリカ抽出物、サツマイモの茎葉をまるごと粉砕した素材、大豆から抽出したセラミド様成分含有物、チャンカピエドラのようなハーブ類、などを使用することもできる。中でも、麦若葉末等のイネ科植物の緑葉、ケール等のアブラナ科植物の緑葉、サボテンの乾燥葉、ターミナリアベリリカ抽出物、サツマイモの茎葉をまるごと粉砕した素材、大豆から抽出したセラミド様成分含有物、チャンカピエドラのようなハーブ類を併用した場合は、上記の紅麹抽出物とプロアントシアニジンとを併用した形態と同等の治療効果を奏する。
【実施例】
【0029】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明の治療剤は、紅麹抽出物のみを有効成分とする場合は、抗アレルギー剤、高尿酸血症の予防または改善剤、抗骨粗鬆症剤、抗鬱・抗ストレス剤、アディポネクチン産生促進剤、リウマチ治療剤に有用であり、紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを併用する場合は、抗アレルギー剤、高尿酸血症の予防または改善剤、抗骨粗鬆症剤、抗鬱・抗ストレス剤、アディポネクチン産生促進剤、コレステロール低下剤、血圧降下剤、抗糖尿病剤、リウマチ治療剤としてきわめて有用である。すなわち、紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを併用する場合は、両有効成分が互いに相乗的な効果を発揮するものと推測される。以下、上記各種薬効について実施例でもって説明する。
【0030】
実施例1(抗アレルギー剤としての効果)
特許4049975号公報の実施例1と同様にして、紅麹粉末を得た。
精白米を12時間水に浸漬した後、30分間水切りし、それに浸漬米に対し7重量%の割合で米胚芽粉末を添加し、121℃、1時間蒸煮滅菌し、蒸し米を得た。これにモナスカス・ピローサスIFO4520を無菌的に植菌し、水分率を35〜42%に維持しつつ、30℃で4日間、続いて25℃で3日間、計7日間静置培養した。こうして得られた紅麹を110℃、20分間の熱処理により菌および酵素を失活させた後、60℃で送風乾燥し、粉砕機にて粉末化した。
該紅麹粉末5gに対しエタノール濃度60%(v/v)の含水エタノールを50ml添加し、室温にてマグネットスターラーで撹拌しながら30分間抽出した。抽出後、さらに凍結乾燥し、紅麹抽出物の凍結乾燥の粉末1を得た。
【0031】
RAST法による食物アレルゲン陽性の慢性じんま疹の患者20名(20〜22歳の男性10名及び女性10名)に、1回の食事と共に前記粉末1を300mg、1カ月投与した。結果を以下の表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
実施例2
RAST法によるアトピー性皮膚炎患者20名(20〜22歳の男性10名及び女性10名)に、1回の食事と共に実施例1の粉末1を300mg、1カ月投与した。結果を以下の表2に示す。
【0034】
【表2】

【0035】
実施例3
松樹皮900gに精製水7.2Lを加え、ブレンダー(Waring Blender)で破砕した後、100℃で10分間加熱抽出した。次いで、直ちに濾過して濾液を得た。濾過後の残渣を精製水1.8Lで洗浄し、濾液と洗浄液とを合わせて9Lの松樹皮の熱水粗抽出液を得た。この抽出液1mLを凍結乾燥したところ、乾燥重量は8mgであった。
【0036】
上記粗抽出液1L(粉末乾燥重量8g)を25℃まで放冷し、塩化ナトリウムを100%飽和濃度となるまで添加してよく攪拌した後、4℃で24時間静置した。静置後、この溶液を濾過し、910mLの濾液を得た。この濾液を以下に示す工程によりさらに精製した。まず、水で膨潤させた芳香族系合成樹脂(ダイアイオンHP−20:三菱化学株式会社製)を100mL充填した30×300mmのカラムに上記濾液を通液し、さらに1Lの精製水で洗浄した。次いで、カラムから15%(V/V)のエタノール−水混合溶媒で溶出し、200mLの松樹皮の熱水抽出精製物を得た(以下、松樹皮の熱水抽出物とする)。得られた精製物を凍結乾燥して粉末化した。本操作を繰り返して、9Lの松樹皮の熱水抽出液から松樹皮の熱水抽出物の乾燥粉末2を7.51gを得た。
【0037】
上記粉末2中のプロアントシアニジンおよびOPCの含有量を、特開2005−23032号公報に記載の方法により測定した結果、プロアントシアニジンは、上記乾燥粉末中に40重量%含有されていた。また、OPCは、2〜4量体として、上記乾燥粉末中に20重量%含有されていた。
【0038】
実施例2において、実施例1の粉末1を300mg、および、実施例3の粉末2を300mg、1カ月投与した。それ以外は実施例2と同様である。その結果を以下の表3に示す。
【0039】
【表3】

【0040】
実施例4(高尿酸血症の改善効果)
実験方法
供試動物はWistar系ラット雌(8週令、体重約180g)を1群6匹で用いた。
試験飼料に0.75%の濃度でアデニンを加えてラットに給与し、腎臓からの尿中への尿酸排泄阻害を起こさせて高尿酸血症のモデル動物とした。
対照群は、上記の0.75%アデニン飼料のみ、薬剤投与群は、0.75%アデニンと実施例1の粉末1含有飼料とした。飼料は自由摂取としたが、薬剤投与群の試験飼料中の上記粉末1の濃度を、摂取量が1mg/kg体重となるように調整した。試験開始日及び24日目に血中の尿酸値を測定した。
その結果、対照群の試験開始日の血中尿酸濃度は、0.57mg/mlであり、24日目が2.33mg/mlであったのに対し、薬剤投与群の24日目の血中尿酸濃度は0.81mg/mlであった。
この結果から明らかなように、対照群では血中尿酸濃度が大幅に増加するのに対し、薬剤投与群ではいずれもその濃度は増加しなかった。したがって、茶の花部の抽出物は、高尿酸血症の予防または改善剤として有用であることが示された。
【0041】
実施例5
実施例4において、薬剤投与群の試験飼料中に、さらに実施例3の粉末2を添加し、該粉末2の濃度を、摂取量が1mg/kg体重となるように調整したこと以外は、実施例4を繰り返した。その結果、薬剤投与群の24日目の血中尿酸濃度は0.60mg/mlであった。
【0042】
実施例6(抗骨粗鬆症効果)
骨粗鬆症改善効果試験
SD系ラット(22週齢)メスの卵巣を外科的に取り除き、骨粗鬆症のモデルラットを作成した。卵巣摘出ラットを7匹ずつ6群に分け、35日間の試験期間中、1日置きに(計17回)、実施例1の粉末1の摂取量が1mg/kgとなるように、生理食塩水溶解した液体を2ml経口投与した。飼料はオリエンタル酵母株式会社のマウス・ラット・ハムスター用固形飼料CRF−1を用い、給餌および給水方法は自由摂取とした。試験期間中、各群間で、餌の摂取量に差は認められなかった。試験開始後35日目にラットの体重を測定した後、大腿骨を取り出した。大腿骨は、接着組織および筋肉を取り除いて分析に使用した。大腿骨の体積を測定した後、エタノールで3回洗浄し、次にアセトンで3回洗浄したのち、一晩乾燥し、その後、重量を測定して大腿骨の乾燥重量を求めた。体積および乾燥重量から、骨密度(乾燥重量g/体積mm3 )を測定した。なお対照実験として、前記熱水抽出物1の粉末を含まない生理食塩水をラットに投与したこと以外は、上記実験を繰り返した例(比較例)も併せて、その結果を表4に示す。
【0043】
【表4】

【0044】
実施例6と比較例とを対比したところ、実施例1はp<0.05の危険率で有意差が認められた。
【0045】
実施例7
実施例6において、前記粉末1に加え、実施例3の粉末2の摂取量が1mg/kgとなるように、生理食塩水溶解した液体を2ml経口投与した。それ以外は、実施例6を繰り返した。その結果、骨密度は1.078(mg/mm3 )であった。
【0046】
実施例8(抗リウマチ効果)
ヒト慢性リウマチ患者の滑膜から樹立された繊維芽細胞株であるDSEK細胞を10%FBS(バイオウイタッカー社製)を含むIscov−MEM培地(IMDM:ギブコBRL社製)にて、5%CO存在下、37℃で細胞が培養器に飽和になるまで培養し、トリプシン−EDTA溶液(バイオウイタッカー社製)で細胞を3×10細胞/mlとなるように上記培地に懸濁し、96ウェルマイクロタイタープレート(FALCON社製)の各ウェルに200μlずつ分注した。培養5〜7日後、ほぼ細胞が80%飽和になった時で培地を交換し、実施例1の粉末1濃度が500μg/mlの濃度である200μlの上記培地を加えた。
24時間、72時間経過時に10μlのプレミックスWST−1(宝酒造社製、MK400)を加えて37℃で3.5時間反応させ、450nmにおける吸光度(A450)から650nmにおける吸光度(A650)を差し引いた値を細胞増殖度とした。その結果、24時間後の細胞増殖度は0.82、72時間後は0.37であり、抗リウマチ活性が認められた。なお、前記粉末1を加えない対照区では、24時間、72時間経過時の細胞増殖度が3.90であった。
【0047】
実施例9
実施例8において、培地を交換する際に、前記粉末1の濃度が500μg/mlの濃度である100μlの上記培地と、実施例3の粉末2の濃度が500μg/mlの濃度である100μlの上記培地とを混合し、合計200μlの交換培地としたこと以外は、実施例8を繰り返した。その結果、24時間後の細胞増殖度は0.69、72時間後は0.29であり、抗リウマチ活性が認められた。
【0048】
実施例10(抗鬱・抗ストレス効果)
実施例1の粉末1の治療効果を調べた。
マウス強制水泳試験による精神安定作用の評価
本発明の治療剤の評価は、1977年にPorsoltにより開発されたマウス強制水泳試験を採用した。本試験は鬱病の動物モデル実験として最も多用される方法のひとつである。本試験では、マウスをある限られたスペースの中で強制的に泳がせて「無動状態」を惹起させる。この無動状態は、ストレスを負荷された動物が水からの逃避を放棄した一種の「絶望状態」を反映するものと考えられ、ヒトにおける鬱状態、ストレス状態と関連づけられている。事実、抗鬱薬は特異的にこの状況下における無動状態の持続時間を短縮させることがわかっており、この短縮作用は臨床力価との間に有意な相関を有することが認められている。
【0049】
本試験方法は次のとおりである。
25℃の水を深さ15cmまで入れたプラスチック円筒中でマウスを強制水泳させる。5分間の強制水泳後、30℃の乾燥機中で15分間乾燥し、ホームケージに戻す。翌日マウスに試験試料を腹腔内投与して、その1時間後に再び5分間の強制水泳を課し、現れた無動状態の持続時間をストップウォッチを用いて測定する。マウスが水に浮かんで静止している状態を無動状態と判定する。無動状態持続時間については有意差検定を行い、統計学的に有意差を検定する。実験には雄のddYマウスを使用し、1群6匹とする。なお、試験は全て午後1時から午後6時の間に行う。また、ポジティブコントロールとして抗鬱薬であるイミプラミンを用いた試験も行う。
【0050】
その結果、粉末1を30mg/kg投与したマウスの無動状態持続時間は、175.0±4.4秒であった。コントロール(生理食塩水のみ)は220.0±2.2秒であった。ポジティブコントロール(30mg/kg投与)のマウスの無動状態持続時間は、176.5±4.0秒であった。本実施例およびポジティブコントロールの無動状態持続時間は、危険率1%で有意差を有する。なお、粉末1を2〜3倍量使用しても、同様の結果を得た。
【0051】
実施例11
実施例10において、粉末1を30mg/kg投与したのに加え、実施例3の粉末2を30mg/kgさらに投与したこと以外は、実施例10を繰り返した。その結果、マウスの無動状態持続時間は、159.1±4.7秒であった。
【0052】
実施例12
アディポネクチン産生上昇確認試験
正常ヒト前駆脂肪細胞を使用し、1.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地にはヒト前駆脂肪細胞基礎培地を用いた。24時間後に分化誘導添加剤と実施例1の粉末1を加えた増殖培地に交換し、さらに1週間培養した。その後、培養上清中に産生されたアディポネクチン量をELISA法により定量した。各試料の評価結果を、ブランク(試料未添加)のアディポネクチン量を100とした場合の相対値にて下記に示す。なお、添加した粉末1濃度は、10μg/mlであった。
【0053】
上記試験結果:相対値=369。この数値は、危険率1%で有意差を有する。
【0054】
実施例13
実施例12において、粉末1を10μg/ml添加したのに加え、実施例3の粉末2を10μg/mlさらに添加したこと以外は、実施例12を繰り返した。その結果、相対値は390であった。
【0055】
実施例14(コレステロール低下作用)
体重20g前後のICR系雄性マウス(1群5匹)に、高コレステロール−コール酸食餌(71.9%標準餌、15%ショ糖、2%食塩、10%ココナッツオイル、0.6%コレステロール、0.2%コール酸、0.3%塩化コリン)を試験第1日目から第7日目まで給餌(自由摂取)した。試験第6日目と第7日目に、実施例1の粉末1の5mgを蒸留水に溶解し、経口投与した。その後、24時間の絶食を行い、試験第8日目にマウスから血液を採取し、血清を分離した。
【0056】
また、採取した血清の一部にヘパリンを添加し沈降させ、低比重リポタンパク(LDL)としてヘパリン沈降リポタンパクを得た。血清中の総コレステロール値及びLDL中のコレステロール値を、シー・シー・アライン(C.C.Allain et al.)らの報告(クリニカル ケミストリイ(Clinical Chemistry)、1974年、20巻、470−475頁)に従って、測定した。
【0057】
血清中の総コレステロール値からLDLコレステロール値を引いた値を、高比重リポタンパク(HDL)コレステロール値として算出した。なお対照群は、上記粉末1を投与していない群である。
これとは別に、上記粉末1の5mgに加え、実施例3の粉末2の5mgをさらに投与したこと以外は、上記試験を繰り返した。その結果を表5に示した。
【0058】
【表5】

【0059】
表5から、紅麹抽出物とプロアントシアニジンの血清中総コレステロール低下の相乗効果が認められた。
【0060】
実施例15(血圧降下効果)
実施例1の粉末1を一般市販飼料(船橋農場製、船橋SP)に添加し、脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHR−SP)を用いて最高血圧値、体重の変化を比較した(粉末1区)。対照区は、粉末1を添加しない一般試料を用いた。また、実施例1の粉末1および実施例3の粉末2を上記一般市販飼料に添加し、上記ラットを用いて最高血圧値、体重の変化を比較する実験も行なった(粉末1および2区)。
それぞれの飼料で5週齢の雄性SHR−SPを各区6匹ずつ7週間飼育し、12週齢に達した時の血圧値と体重の変化について調べた。表6に示すように血圧の変化においては、粉末1および2区に相乗的効果でもって血圧上昇の抑制が認められた。なお、粉末1区においては、粉末1の1日あたりの粉末1の摂取量が、50mg/kg体重となるように、粉末1および2区においては、粉末1および粉末2の1日あたりの粉末1の摂取量が、それぞれ50mg/kg体重となるように、飼料中の各粉末の濃度を調整した。
【0061】
【表6】

【0062】
実施例16
6週齢の雄性SD系ラット(1群6匹)の尾静脈にストレプトゾトシンを1回投与することにより糖尿病を惹起した。
実施例1の粉末1の投与量を500μg/kgとし、ストレプトゾトシン(STZ)投与の1時間前に経口投与し、その翌日より1日1回13日間連続経口投与した。最終投与の翌日に50%グルコース水溶液(10ml/kg)を経口投与し、経時的に血糖値(mg/dl)を測定(o−トルイジン・ホウ酸)した。
【0063】
なお、正常対照群としてSTZを投与せずに滅菌水のみを投与した群、病態対照群としてSTZを投与して滅菌水を投与した群、および陽性対照群としてSTZを投与してニコチン酸アミド(50mg/kg)を投与した群を設けた。ニコチン酸アミドはSTZ糖尿病モデルに対して有効であることが報告されている(新薬開発のための動物利用集成,419−422頁,R&Dプランニング,1985年)。
【0064】
糖尿病は糖代謝能力が低下し高血糖を呈する疾患である。本実施例においてはグルコース投与1時間後に血糖値のピークを認めるが、病態対照群では最高血糖値が360mg/dlであり、正常対照群では最高血糖値は164mg/dlであった。病態対照群の最高血糖値は正常対照群のそれと比較して約2倍を示し、病態対照群では糖代謝能力の低下が認められた。
【0065】
粉末1の活性は、式1により病態対照群の血糖値に対する抑制率(%)を算出した。
【0066】
(式1)
抑制率(%)=〔1−(粉末1投与群または陽性対照群の最高血糖値−正常対照群の最高血糖値)/(病態対照群の最高血糖値−正常対照群の最高血糖値)〕×100
【0067】
その結果、粉末1投与群の抑制率は40.9%であった。陽性対照群の抑制率は43.0%であった。
【0068】
上記試験において、ラットに対する実施例1の粉末1の投与量を500μg/kg、実施例3の粉末2の投与量を500μg/kgとしたこと以外は、上記試験を繰り返した。
【0069】
その結果、粉末1および2投与群の抑制率は60.5%であった。
【0070】
参考例1
〔動物実験〕
4週令のフィッシャー344系雄ラット(日本クレア(株))を標準飼料で6日間予備飼育した後、1群25匹ずつ2群に分け、表7に示したごとくの実験飼料を給与して6カ月間飼育した。なお、飼料は自由に摂取させた。発癌物質(1,2−ジメチルヒドラジン)は試験開始後1週目より20週目まで計20回、20mg/kg体重となるようにラットの腹腔内に投与した。大腸癌の有無は、ラットを解剖して大腸を摘出して数を調べた。動物実験に用いた飼料の成分組成を表7に、大腸癌の発生頻度を表8にそれぞれ示す。なお、本発明区においては、実施例1の粉末1のラットの1日あたりの摂取量が、50mg/kg体重となるように飼料中の粉末1の濃度を調整した。
【0071】
【表7】

【0072】
【表8】

【0073】
参考例2(二日酔い予防又は改善効果)
ウィスター(Wister)系雄性ラット(7〜8週齢)一群6匹を一夜絶食後、翌朝、実施例1の粉末1(10ml/kg)を経口投与し、20分後に15%(W/V)エタノール水溶液20ml/kgを経口投与した。エタノール水溶液投与後、1、3、5の各時間後に尾の先端から採血し、血中アルコール測定キット(シグマ社製)を用いて血中アルコール濃度を測定した。
【0074】
その結果、ラットの血中アルコール濃度は、エタノール水溶液投与直後が150mg/dlであったのに対し、1時間後は119mg/dl、3時間後は98mg/dl、5時間後は42mg/dlであった(平均)。これに対し、粉末1を投与しない対照群は、エタノール水溶液投与直後が150mg/dlであったのに対し、1時間後は140mg/dl、3時間後は107mg/dl、5時間後は88mg/dlであった。
【0075】
参考例3
以下の処方にてジュースを調製した。
冷凍濃縮オレンジ果汁 5.0質量部
果糖ブドウ糖液糖 1.0質量部
クエン酸 0.10質量部
L−アスコルビン酸 0.09質量部
実施例1の粉末1 0.05質量部
【0076】
エタノールパッチテストでアルデヒド脱水素酵素欠損型と判定された健常人5名(年齢25〜32才、男性3名、女性2名)をパネルとし、上記ジュースおよび上記ジュースから粉末1を除いた対照ジュースを用いた。なお、上記ジュースにおける粉末1の量は、下記の試験において摂取量が150mgとなるようにした。
【0077】
ジュースおよび対照ジュース服用後20分にビール(アルコール濃度約 5.5%)135ml を飲酒させて、飲酒後20分での自覚症状を質問票で回答させた。
パネルテストは順序効果を考慮し、ブラインドで行い、同一時間帯に日を変えて実施した。
自覚症状の評価は1〜5(1:症状なし、2:やや症状あり、3:症状あり、4:ややひどい、5:ひどい)の5段階で行い、Paired-t 検定により有意差を検定した。
【0078】
結果を以下に示す。参考例3のジュースは、危険率 5%で酔いの程度および顔のほてりを改善し、悪酔いを予防することが明らかになった。
【0079】
ジュースおよび対照ジュースの悪酔い予防効果(平均値)
参考例3のジュース:
酔いの程度2.2*
顔のほてり2.1*
心臓の鼓動2.6
眠気の程度3.2
対照ジュース:
酔いの程度3.6
顔のほてり3.7
心臓の鼓動3.1
眠気の程度3.4
*:対照ジュースに比べて有意差あり(P<0.05)
【0080】
なお、上記各例において、実施例1の粉末1の調製の際に、エタノール水溶液を用いずに、熱水を用いて抽出物を調製した場合においても、上記と同様の結果を得た。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の治療剤は、医薬、食品、飼料の形態として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紅麹抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗アレルギー剤。
【請求項2】
紅麹抽出物を有効成分とすることを特徴とする高尿酸血症の予防または改善剤。
【請求項3】
紅麹抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗骨粗鬆症剤。
【請求項4】
紅麹抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗鬱・抗ストレス剤。
【請求項5】
紅麹抽出物を有効成分とすることを特徴とするアディポネクチン産生促進剤。
【請求項6】
紅麹抽出物を有効成分とすることを特徴とするリウマチ治療剤。
【請求項7】
紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とする抗アレルギー剤。
【請求項8】
紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とする高尿酸血症の予防または改善剤。
【請求項9】
紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とする抗骨粗鬆症剤。
【請求項10】
紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とする抗鬱・抗ストレス剤。
【請求項11】
紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とするアディポネクチン産生促進剤。
【請求項12】
紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とするコレステロール低下剤。
【請求項13】
紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とする血圧降下剤。
【請求項14】
紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とする抗糖尿病剤。
【請求項15】
紅麹抽出物およびプロアントシアニジンを有効成分とすることを特徴とするリウマチ治療剤。

【公開番号】特開2009−249341(P2009−249341A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−99323(P2008−99323)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【出願人】(707000691)辻堂化学株式会社 (104)
【Fターム(参考)】