説明

治療薬送り出し陰唇パッド

着用者の膣前庭内に部分的に配置されるように構成され、治療薬を送り出すようになった吸収性装置は、膣前庭内に突出する適用領域を有する流体吸収性本体と、実質的に適用領域内に配置される治療薬含有組成物と、を含む。また、着用者の膣前庭内に部分的に配置されるように構成され、治療薬を送り出すようになった吸収性装置を製造する方法は、膣前庭内に突出する適用領域を有する流体吸収性本体を製造し、治療薬含有組成物を実質的に適用領域内に配置することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、吸収性物品に関する。より詳細には、本発明は、女性着用者の膣前庭内に配置されるように構成され、かつ治療薬を送り出すように構成された陰唇パッドのような吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
女性には、月経前症候群、月経、及び閉経期に関連する症状を含む多くの疾患段階及び生理学的状態が生じうる。これらの症状には、月経困難症(生理痛)、過敏、水分貯留、むら気、抑うつ、不安、皮膚の変化、頭痛、乳房の圧痛、緊張、体重増加、欲求、疲労感、及びのぼせがある。症状状態には、かゆみその他の感覚性疾患が含まれる。
これらの症状の多くは、月経周期にわたるホルモンレベルの変化に起因するものである。生理痛は、子宮内膜及び月経流体中のプロスタグランジンF2α、プロスタグランジンE2、ある場合にはロイコトリエンのレベルの上昇に関連するものである。これらのエイコシノイド(eicosinoids)は、子宮への血流を制限し、子宮収縮を増加させて、痛みを生じさせる傾向がある。
1つの症状は月経困難症であり、それは月経中に痛みを伴う子宮収縮が生じることであり、思春期後の多くの女性に影響を与える。月経困難症の痛みは子宮において生じる。月経困難症による痛みを制限するのに種々の鎮痛剤が有効であり、ある人は経口投与鎮痛剤を使用し、またある人は別の鎮痛剤投与方法を探している。種々の膣挿入及び子宮内装置及び方法を用いて、子宮頚部、子宮、及び膣粘膜の近傍に鎮痛剤を投与する試みがなされている。多くの他の疾患段階及び生理学的状態において同様の状況が存在する。
【0003】
人体排出物を吸収する使い捨て吸収性装置が広く用いられている。これらの使い捨て吸収性装置は典型的に、通常は意図される消費者使用により定められる所望の形状に形成された多くの吸収体を備えている。
月経流体のような身体排出物を吸収するように構成された幅広い種類の種々の吸収性物品が良く知られている。婦人衛生に係る分野においては、外陰部領域の付近に外部装着されるように開発された生理用ナプキンと、膣腔内に滞在し、そこからの月経血の流れを遮断するように開発されたタンポンという、婦人衛生保護の2つの基本形式が提供されている。単一形式の装置に両者の構造的特徴を融合することを試みている混合型の婦人衛生保護装置も提案されてきたが、構造上の及び解剖学的な機能上の明白な欠点が永続化したために、適切な利点を得る努力の影が薄くなり、あまり受け入れられていない。陰唇又は陰唇間装置として知られ、着用者の膣前庭の外部に少なくとも一部分的が残るようにされることで特徴付けられる他の挿入量の少ない装置も提案されている。
月経困難症は、典型的には月経に関連して起こるので、鎮痛剤とタンポンを組み合わせて、タンポンが吸収と治療という2つの機能を実行できるようにする試みもなされている。
これらの従来の装置の多くは、女性着用者によって陰唇間に装着される一層小さめの装置に対する消費者の要求を十分に満足させるものではない。それに対応して、幾つかの製造業者は、上述の従来の装置に比べて非常に小さいサイズの陰唇パッドを製造してきた。
【発明の開示】
【0004】
経口送り出し鎮痛剤を用いる際の1つの難点は、鎮痛剤の経口量を、効果をだすのに十分に多くすることであり、それにより悪い副作用がもたらされ、鎮痛剤の実際の使用が制限されることである。そうした副作用を制限する試みにおいて量を制限することにより、結果として、子宮に送り出される鎮痛剤の量が不十分になる。さらに、吸収性物品の使用を通じることを含む別の手段により送り出される鎮痛剤の使用は、鎮痛剤の本質的性質のために依然として副作用をもたらすことがある。
治療薬を送り出すのに吸収性物品を用いる際の難点は、吸収性物品の外への又は吸収性物品からの治療薬の転移と、吸収性物品への月経流体又は他の体液排出物の転移を管理することである。例えば、治療薬組成物が概ね親水性である場合には、治療薬組成物が吸収性物品の中に吸収されるか、又は月経血により吸収性物品の中に運ばれることになる。治療薬組成物が概ね疎水性である場合には、治療薬組成物は、特に治療薬が月経血の源に最も近い端部である吸収性物品の遠位端に適用される場合、吸収性物品の吸収性を妨げることになる。これらの作用の両方は、吸収性製品の使用者への治療薬の正確な投与に支障を与える。
本発明は、吸収性物品の吸収性に影響を及ぼすことなく治療薬を送り出す吸収性物品を提供することによって、こうした問題を克服するものである。
【0005】
本発明は、吸収性物品と協働する治療薬送り出しシステムを説明するものであり、それにより、一体的な治療薬送り出しシステムを提供することに加えて、吸収性物品の吸収体機能が保たれるようになる。治療薬送り出しシステムは、月経困難症又は他の状態を治療するために、陰唇上皮から身体に吸収されることになるどんな治療薬でもよい治療薬とキャリア成分とを含む。1つの実施形態は、吸収性物品の外面に、及び主に膣上皮に接触する表面に適用される治療薬とその送り出しシステムに関するものである。他の実施形態は、種々の投与量を与える、又は膣上皮と接触している間にわたって治療薬を放出させる手段を提供するために、吸収性物品に組み入れられる治療薬のリザーバを与えるものである。
より詳細には、本発明は、着用者の膣前庭内に部分的に配置されるように構成され、かつ治療薬を送り出すようになった吸収性装置を提供するものであり、該装置は、膣前庭内に突出する適用領域を有する流体吸収性本体と、実質的に適用領域内に配置される治療薬含有組成物とを含む。本発明はまた、着用者の膣前庭内に部分的に配置されるように構成され、かつ治療薬を送り出すようになった吸収性装置を製造する方法を提供するものであり、該方法は、膣前庭内に突出する適用領域を有する流体吸収性本体を備える吸収性装置を製造することと、治療薬含有組成物を実質的に適用領域内に配置することを含む。本発明はさらに、着用者の陰唇の非角化上皮から治療薬を送り出す方法を提供する。この方法は、吸収性装置を着用者の膣前庭内に少なくとも部分的に配置することを含み、該装置は、非角化上皮と接触し、治療薬を送り出すようになっている。
本発明の他の目的及び利点は、以下の詳細な説明と付属の図面を見れば、当業者にはより明白となるであろう。
本発明の上記の及び他の特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明、添付の請求項、及び付属の図面に関連してより良く理解されることになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本明細書で説明する装置の構造は、係属中の特許出願である米国特許出願第60/297,002号の「陰唇パッド」、及び第60/315,257号の「吸収性陰唇パッド」に記載されたのと本質的に同様のものであり、これらの特許を引用により本明細書に組み入れる。吸収性物品の別の実施形態がそこに開示されている。
各々において同様の部分が同様の参照記号で示される図面、即ち図1から図8までを参照すると、図1Aは、全体を22として表す着用者の膣前庭の内部に配置された(図1参照)、全体を20として表す陰唇パッドのような本発明の吸収性物品を図式的に示す。ここで用いる「陰唇パッド」という用語は、少なくとも何らかの吸収性構成材を有し、特に大陰唇の間に配置され、使用中に女性着用者の膣前庭(22)の中に少なくとも部分的に延びるように構成された装置を指す。以降の説明のために、膣前庭(22)は、前陰唇交連(24)から後方に位置する点の付近で始まり、後陰唇交連(26)に向かって後方に延び、膣前庭床部(28)によって内方に境界付けされた陰唇(本発明の図面には詳細に図示されていない)の内側に定められる領域と考える。大陰唇及び小陰唇が相互関連的に膣前庭(22)の外形を定めることから、女性の間には、大陰唇及び小陰唇の相対的寸法及び形状に関する多様性が存在するということを、当業者は十分に理解している。しかしながら、本記載の目的上、そのような差異は特定的には対処されず、膣前庭(22)への本発明の吸収性物品(20)の配置は、いずれの場合であれ、小陰唇に関するいかなるそのような考慮にも関係なく、大陰唇の間に取り付けることを必要とすると認識される。膣前庭(22)の後方に位置するのは、臀部(34)領域における肛門(32)へとつながる会陰(30)である。膣前庭(22)自体の内部には、本発明に関連する目的においては、膣口(36)、尿道口(38)、及び陰核(40)から成る主要な尿生殖器が位置する。この解剖学的領域に関する上記の簡単な概観を考慮に入れ、本発明の説明を容易にするために、便宜上、膣前庭(22)は一般に、陰核(40)と後陰唇交連(26)との間の領域であるとみなす。
しかしながら、ヒト女性のこの部分の解剖学的構造についてのより包括的な説明に関しては、Henry Gray著、『人体の解剖学』、アメリカ版、第30版、(Carmine D. Clemente編、Lea&Febiger社刊、1985年)、1571−1581ページに注意を向けられたい。
【0007】
図1及び図1Aに図示した解剖学的構造を参照すると分かるように、本発明の吸収性物品(20)は、膣前庭からの流体の流れに対して膣前庭を少なくとも部分的に閉塞するために、膣前庭(22)内部に少なくとも部分的に配置される。この観点において、吸収性物品(20)の主な使途は、膣口(36)を介して放出される月経液体の吸収のためであるが、本発明の吸収性物品は、女性の軽微な失禁に際して起こる尿の吸収のためのある種の失禁用装置として働くように同等に良好に適合させることができる。
単なる例として図2に全体的に示されている本発明の吸収性物品(20)は、ほぼx方向に沿って延びる主要な縦方向軸線(L)をもつ。ここで用いる「縦方向」という用語は、吸収性物品(20)が使用されたときに、直立した女性着用者を左半身と右半身に二等分する垂直面とほぼ位置合わせされた(例えば概ね平行に)吸収性物品(20)の平面内の線、軸、又は方向を指す。図2においては、縦軸方向はほぼx軸によって示されている。吸収性物品(20)はまた主要な横断方向軸線(T)をもつ。ここで用いる「横断方向」、「横方向」又は「y方向」という用語は、縦軸方向とほぼ直交する線、軸、又は方向をほぼ指す。図2においては、横方向はほぼy軸によって示されている。図3に全体的に示されている「z方向」は通例、上述した垂直面とほぼ平行な線、軸、又は方向である。図3に全体的に示されているz方向はほぼz軸によって示されている。「上側」という用語は、ほぼ着用者の頭部に向けられた方向を指し、一方「下側」又は「下方に」という用語は、ほぼ着用者の足に向けられた方向を指す。ここでの説明のために、吸収性物品(20)の各層、例えば流体透過性カバー(42)、液体不透過性バッフル(44)、及び吸収体(46)は、上側又は身体対向面と、上側又は身体対向面に相対する面としても記載される下側表面とをもつ。
【0008】
ここで図4を参照すると、吸収性物品(20)は、流体透過性カバー(42)、液体不透過性バッフル(44)、及び該カバーと該バッフルとの間に位置する吸収体(46)を含むものとして示されている。図5に示すように、吸収体(46)は、第1の端部領域(50)と、第2の端部領域(52)と、各端部領域の間に配置された中央領域(54)をもつ。吸収性物品(20)は、該吸収性物品の少なくとも一部が女性着用者の膣前庭(22)の内部に配置されることを可能にする適切な寸法及び形状でなければならない。更に、吸収性物品(20)は月経液体、尿、又は着用者の膣口(36)及び/又は尿道口(38)からの他の身体排出物の流れを少なくとも部分的に塞ぎ遮断することが望ましい。
吸収体(46)、従って吸収性物品(20)は、離間された第1の横断方向端部域(56)と第2の横断方向端部域(58)との間を延びる幾何学的形態をほぼ備える。吸収体(46)、従って吸収性物品(20)が、ここでは集合的に周辺側部(即ち周辺部を定める側部)と呼ばれることもある横断方向端部域(56、58)の間に亘る離間された第1の縦方向側部(60)及び第2の縦方向側部(62)も含むことによって、全体的な幾何学的形態が完成する。
【0009】
吸収体(46)の幾何学的形態は、吸収性物品(20)の全体的な寸法及び効率に影響を与える重要な因子である。一般に、吸収体(46)は、主要な横断方向軸線(T)とほぼ平行に位置し、一方の縦方向側部(60、62)から反対側の縦方向側部(60、62)に引かれた線に沿って測定された最大幅(Wmax)と、同じく主要な横断方向軸線(T)とほぼ平行に位置し、一方の縦方向側部(60、62)から反対側の縦方向側部(60、62)に引かれた線に沿って測定された最小幅(Wmin)をもつ。吸収体(46)の最大幅(Wmax)は、第1(50)及び/又は第2(52)端部領域に位置させることができ、一方、吸収体(46)の最小幅(Wmin)は、或る領域、すなわち吸収体の最大幅(Wmax)が位置される領域以外の1つ又はそれ以上の領域に位置される。例えば、吸収体(46)の最大幅(Wmax)が第1端部領域(50)に位置するときには、吸収体(46)の最小幅(Wmin)は、第2端部領域(52)か又は中央領域(54)のいずれか、或いは第2端部領域と中央領域との両方に位置することができる。或いは、吸収体(46)の最大幅(Wmax)が第2端部領域(52)に位置するときには、吸収体(46)の最小幅(Wmin)は、第1端部領域(50)か又は中央領域(54)のいずれか、或いは第1端部領域と中央領域との両方に位置することができる。さらに別の方法としては、吸収体(46)の最大幅(Wmax)が第1端部領域(50)と第2端部領域(52)との両方に位置するときには、吸収体(46)の最小幅(Wmin)は中央領域(54)に位置する。吸収体(46)の最大幅を中央領域(54)に位置させることが望ましいというわけではないことが見出された(その理由は本明細書で後で説明する)。吸収体(46)は、約5mmより小さくなく約70mmより大きくない範囲の幅をもつことができるが、吸収体の適切な幅は、特に、女性着用者の膣前庭(22)内部の吸収性物品(20)の一般設計及び意図された配置に従って変化させることができる。
【0010】
吸収体(46)は、主要な縦方向軸線(L)とほぼ平行に位置し、一方の横断方向端部域から他方の横断方向端部域に引かれた線に沿って測定された最大長さ(Lmax)をもつ。吸収体(46)はまた、主要な縦方向軸線(L)とほぼ平行に位置し、一方の横断方向端部域から他方の横断方向端部域に引かれた線に沿って測定された最小長さ(Lmin)をもつ。吸収体(46)は、約40mmより小さくなく且つ約100mmより大きくない範囲の長さをもつことができるが、吸収体の適切な長さは、特に、女性着用者の膣前庭(22)内部の吸収性物品(20)の一般設計及び意図された配置に従って変化させることができる。当業者は、吸収体(46)の或る実施形態、従って吸収性物品(20)の或る実施形態は、最大長さ(Lmax)に等しい最小長さ(Lmin)をもつことがあることを容易に理解するであろう。そのような実例においては、少なくとも図5に示すように、通常は最大長さ(Lmax)のみが示される。
第1端部領域(50)及び第2端部領域(52)の各々は、吸収体(46)の中央領域(54)から横断方向端部域(それぞれ56及び58)に向かって外方に最小限に延びる。端部領域(50、52)は、吸収体(46)の最大長さ(Lmax)の最小約20%から最大約80%までを占めることができるが、第1端部領域及び第2端部領域のおおよその寸法は、特に、女性着用者の膣前庭(22)内部の吸収性物品(20)の一般設計及び意図された配置に従って変化させることができる。
本発明の吸収性物品(20)は、意図された量及び種類の身体排出物を吸収し保持するのに十分な能力を備えることが望ましい。吸収力は、全体が46として示される流体保持コア又は吸収体によって与えられる。少なくとも月経液体に関しては、吸収体(20)は、約1g/gより小さくなく且つ約30g/gより大きくない範囲の吸収能力をもつことができるが、吸収性物品のおおよその能力は、特に、女性着用者の膣前庭(22)内部の吸収性物品(20)の一般設計及び意図された配置に従って変化させることができる。吸収体(46)への超吸収性材料の添加、又は超吸収性材料の被覆は通例、吸収能力を実質的に向上させる効果があることを当業者は容易に認識するであろう。
【0011】
個々の要素をより詳細に説明すると、吸収体(46)は、上側表面即ち身体対向面と、下側表面(即ち、上側表面即ち身体対向面とは反対側の表面)とをもち、意図された身体排出物を吸収し、及び/又は吸着し、その後保持することのできるいずれかの材料を含むことができる。好適な材料はまた、通常は親水性であり、圧縮可能であり、成形可能である。吸収体(46)は、当業者に周知の材料のいずれからも形成することができる。そのような材料の実例は、これらに限定されないが、種々の天然繊維又は合成繊維、クレープ加工セルロース填綿の多数のプライ、フラフ・セルロース繊維、レーヨン又は他の再生セルロース材料、木材パルプ繊維又は粉砕木材パルプ繊維、空気堆積材料、テキスタイル繊維、ポリエステル繊維及びポリプロピレン繊維のブレンド、吸収性発泡体、吸収性海綿体、超吸収性ポリマー、被覆された超吸収性ポリマー、繊維質のバンドル又はニット、若しくはいずれかの同等の材料又は材料の組み合わせを含む。同じく使用に好適なのは、そのために多数の適切な方法のいずれかに従って親水性を付与された疎水性材料であろう。吸収体はまた分解性繊維を含んでもよい。セルローススポンジ又はエラストマー材料から形成されたスポンジのような他のタイプの材料又は構造体を用いてもよい。形成されるときには、吸収体は、典型的には、繊維又は他の材料の間に間質性スペース又は間隙を含む。しかしながら、吸収体(46)の総吸収力は、吸収性物品(20)の設計排出物荷重及び意図された使用と適合しなければならない。更に、吸収体(46)の寸法及び吸収力は変化させることができる。それ故に、吸収体(46)の大きさ、形状、及び構成を変化させることができる(例えば、吸収体は、変化する厚さをもつか、又は親水性勾配をもつか、或いは超吸収性ポリマーを含有すること等が可能である)。
【0012】
吸収体(46)は通常、少なくとも図3に示すように、z軸にほぼ平行に引かれた線に沿って測定された厚さ、キャリパ、すなわち高さ(H)をもつ。吸収体(46)の厚さは、最小約1mmより小さくなく且つ最大約10mmより大きくないが、吸収体のおおよその厚さは、特に、女性着用者の膣前庭(22)内部の吸収性物品(20)の一般設計及び意図された配置に従って変化させることができる。
吸収体(46)はまた、快適さのために望ましいと考えられる比較的低い密度をもつ。一般に、吸収体(46)の密度は、約0.5g/ccまでの範囲とすることができるが、吸収体のおおよその密度は、特に、女性着用者の膣前庭(22)内部の吸収性物品(20)の一般設計及び意図された配置に従って変化させることができる。
吸収体(46)はまた、約600gsm又はそれ以下の坪量をもつことができるが、吸収体のおおよその坪量は、特に、女性着用者の膣前庭(22)内部の吸収性物品(20)の一般設計及び意図された配置に従って変えることができる。好適な吸収体の詳細な例は、ポリプロピレン及びセルロース繊維のブレンドからなり、KOTEX(登録商標)・マキシ・パンティライナーに使われ、アメリカ合衆国ウィスコンシン州ニーナ所在のキンバリー・クラーク・コーポレーションより入手可能なコフォーム材料に類似のものであろう。
【0013】
随意的なバッフル(44)は通例、吸収体(46)の下側表面に存在し、液体不透過性である所望のいずれかの材料から構築することができる。バッフル(44)は、吸収体(46)の空気及び水蒸気の透過を許すが、体液の透過は遮断するものであることが望ましい。好適なバッフル材料の一例は、約0.025mmより小さくない最小厚及び約0.13mmより大きくない最大厚をもつ、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリエステルといった微小エンボス加工ポリマーフィルムである。二成分フィルム、並びに液体不透過性になるように加工した織布及び不織布もまた用いることができる。別の好適な材料の一例は、独立気泡ポリオレフィン発泡体である。独立気泡ポリエチレン発泡体もまた良好に働く。
バッフル(44)は、隣接する表面の全体又は一部を互いに結合することによって吸収体(46)との固定した関係を維持することができる。当業者に公知である多種多様な結合方法を用いてそうした固定関係を達成することができる。そのような方法の例は、これらに限定されないが、超音波結合、熱結合、又は2つの隣り合う表面の間に多種多様なパターンで接着剤を塗布することを含む。バッフル材料の詳細な例は、KOTEX(登録商標)パンティライナーに使われ、アメリカ合衆国イリノイ州ショーンバーグ所在のプライアント・コーポレーションより入手可能なポリエチレン・フィルムと同様のものであろう。
【0014】
随意的な流体透過性カバー(42)は上側表面と下側表面をもち、該上側表面は通例、着用者の身体に接触し、身体排出物を受け取る。カバー(42)は、可撓性であり女性着用者の膣前庭(22)内部の組織を刺激しない材料から成ることが望ましい。ここで用いる「可撓性」という用語は、応従性があり、容易に身体面に適合するか、又は外力の存在下で容易に変形することによって応答する材料を指すことを意図されている。
カバー(42)は、快適さと適合性のために設けられ、身体排出物を身体から遠ざけ、吸収体(46)に向けて導く機能を果たす。カバー(42)は、その構造内にほとんど又は全く液体を保持せずに、女性着用者の膣前庭(22)内部の組織に接する比較的快適で且つ刺激のない表面を提供するものでなければならない。カバー(42)は、その表面に接触する体液を容易に浸透させるどんな織成材料又は不織材料からも構築することができる。好適な材料の例は、レーヨン、及びポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、又は他の熱結合可能な繊維のボンデッドカーデッド・ウェブ、ポリプロピレン及びポリエチレンのコポリマーといったポリオレフィン、線状低密度ポリエチレン、ポリ乳酸のような脂肪酸エステルを含み、微細穿孔フィルム・ウェブ及び網材料もまた良好に働く。好適なカバー材料の詳細な一例は、KOTEX(登録商標)・パンティライナーのカバーストックとして使われ、ドイツ所在のサンドラー・コーポレーションより入手可能なポリプロピレン及びポリエチレンから成るボンデッドカーデッド・ウェブに類似のものであろう。好適な材料の他の例は、ポリマー及び不織布材料でできた複合材である。複合材は通例、通常はスパンボンド材料のウェブ上にポリマーを押し出すことによって形成された一体型シートの形状である。流体透過性カバー(42)はまた、そこに形成され体液が吸収体(46)に浸透する速度を増加させることを意図された複数の孔(図示せず)を包含することができる。
【0015】
生理学的に水和したカバー材料もまた本発明における使用に適している。ここで用いる「生理学的に水和した」という用語は、膣前庭(22)の組織と、その前庭環境に置かれた時の吸収性物品(20)との間に好適に湿った界面を維持するカバー材料を意味することが意図されており、これは、吸収性物品は膣前庭を通って移動してくる体液を受け取り、それを吸収体(46)に伝えねばならないという自明の要因を考慮して、膣前庭の湿気を帯びた組織環境内部に布又は布状構造体を介入させることに関連する快適さの要求に対して良好なものである。
従って、カバー(42)は、使用に先立って(その時にはカバーは乾燥しているので)典型的な意味では「水和」しておらず、膣前庭(22)の内部で必要とされる妥当な水分レベル又は水分バランスを保持するようになる(又は少なくともその保持を妨害しない)。
カバー(42)はまた、該カバーをより親水性にするために界面活性剤で処理された表面の少なくとも一部をもつことができる。その結果として、放出される体液がより容易にカバー(42)に浸透できるようになる。界面活性剤はまた、月経流体などの放出される体液が吸収体(46)によって吸収されずにカバー(42)から流れ出す可能性を減少させる。1つの好適な手法は、表面活性剤を、吸収体(46)の上側表面に重なり合うカバー(42)の上側表面の少なくとも一部にわたって実質的に均等に分布させることである。
カバー(42)は、隣接する表面の全体又は一部を互いに結合することによって吸収体(46)との固定した関係を維持させることができる。当業者に公知である多種多様な結合方法を用いてそうした固定した関係を達成することができる。そのような方法の例は、これらに限定されるものではないが、2つの隣り合う表面の間に多種多様なパターンで接着剤を塗布すること、吸収体の隣接する表面の少なくとも一部をカバーの隣接する表面の一部に交絡させること、又はカバーの隣接する表面の少なくとも一部を吸収体の隣接する表面の一部に融合させることを含む。
【0016】
カバー(42)は通例、吸収体(46)の上側表面に存在するが、別の方法として該吸収体を取り囲み、部分的に又は全体的に包み込むようにすることができる。或いは、カバー(42)及びバッフル(44)は、少なくとも図4に示すように吸収体(46)の周辺部を越えて外方に延びる周辺部をもつことができ、周辺部で互いに接合して縁部(64)を形成することができる。例えば、糊付け、クリンピング、熱シール等といった公知の技術を用いて、縁部(64)を、吸収体(46)の全周辺部がその接合部によって囲まれるように全体的に形成するか、又はカバー(42)とバッフル(44)が部分的に周辺部で接合されるように形成することができる。吸収性物品(20)の着用者に刺激及び/又は不快感を与える可能性を最小限にするために、縁部(64)と、吸収性物品の少なくとも縁部にすぐ隣接する域部は、やわらかく、圧縮可能であり、適合可能であることが望ましい。そのように形成された縁部(64)のいずれも、約0.5mmより小さくなく且つ約10mmより大きくない範囲の幅をもつことができるが、いずれの縁部のおおよその幅も、特に、女性着用者の膣前庭(22)内部の吸収性物品(20)の一般設計及び意図された配置に従って変えることができる。別の実施形態においては、カバー(42)及び/又はバッフル(44)は、吸収体(46)の周辺部と境を接する周辺部をもつことが可能である。
【0017】
随意的に、吸収体(46)の主要な縦方向軸線(L)の上に、又はこれと実質的に平行に、所望の折り曲げ軸(F)が位置させられる。所望の折り曲げ軸(F)は通常、横断方向即ちx方向に沿って位置し、主要な縦方向軸線(L)の中心からずらされていてもよい。所望の折り曲げ軸(F)は、主要な縦方向軸線(L)に沿って位置合わせされることが望ましい。所望の折り曲げ軸(F)は、吸収体(46)の寸法、形状、及び/又は構成から自然にもたらされるか、或いは、吸収体に脆弱化された軸線又は領域を与えて所望の折り曲げ軸(F)を生成することができる。所望の折り曲げ軸(F)はまた、例えば折り目加工すること、予め折畳むこと、スリット加工すること、エンボス加工すること等を含む当業者に公知のいずれかの技術によって、形成することができる。所望の折り曲げ軸(F)は、ここでは吸収体(46)に存在するものとして説明したが、所望の折り曲げ軸(F)は、カバー(42)、バッフル(44)及び/又は吸収体のいずれかに形成するか、カバーとバッフルに形成するか、カバーと吸収体に形成するか、又はバッフルと吸収体に形成できることを、当業者は容易に理解するであろう。典型的には、少なくとも図7及び図8に示されるように、吸収性物品(20)は、女性着用者の膣前庭(22)内部に配置する前に所望の折り曲げ軸(F)に沿って折畳まれる。
【0018】
吸収性物品(20)の所望の幾何学的形状(すなわち、吸収体(46)が端部領域の一方又は両方においてその最大幅(Wmax)をもつもの)は、かなりの数の女性が陰核(40)と後陰唇交連(26)との間を縦方向に延びるラインの中間点の位置に膣口及び尿道口をもたないことを認識したものである。女性解剖図の多くは、尿道口(38)を前陰唇交連(24)付近に、及び膣口(36)を後陰唇交連(26)付近に図解し、膣口(36)を尿道口(38)より著しく大きく図解しているが、尿道口と膣口との両方の寸法及び位置にはかなりの差異がある。尿道口(38)と膣口(36)との間の距離は大きく変わることがあり、陰核(40)と尿道口(38)との間の縦方向距離、膣口(36)と後陰唇交連(26)との間の縦方向距離が変わることがある。例えば、陰核(40)と尿道口(38)との間の縦方向距離は、約0.5cmから約4cmまでの範囲とすることができる一方、膣口(36)と後陰唇交連(26)との間の縦方向距離は、約1cmから約5cmまでの範囲とすることができる。前述の縦方向距離における差異に加えて、尿道口(38)と膣口(36)との間の縦方向距離は、約0.5cmから約4.5cmまでの範囲とすることができる。さらに、陰唇の長さは、両方とも大きく変わる場合がある。こうした差異に留意すれば、本発明の吸収性物品(20)は、着用者が、意図された身体排出物を遮断するために、吸収体(46)の最大幅を有する端部領域を所望の口に隣接して配置できるようにする。例えば、意図された身体排出物が月経流体であり、膣口(36)が後陰唇交連(26)付近に位置する場合には、着用者は、吸収体(46)の最大幅(Wmax)を有する端部領域を膣口の下に、それにより後陰唇交連の付近に配置することができる。或いは、例えば、意図された身体排出物が月経流体であり、膣口(36)が陰核(40)の付近に位置する場合には、吸収性物品の着用者は、吸収体(46)の最大幅(Wmax)を有する端部領域を膣口の下に、それにより陰核の付近に配置することができる。或いは、例えば、意図された身体排出物が月経流体であり、膣口(36)が陰核(40)と後陰唇交連(26)との間を縦方向に延びる線の中間点に位置する場合には、着用者は、吸収体(46)の最大幅(Wmax)が膣口の下となり、吸収体の最小幅(Wmin)をもつ領域が陰核か又は後陰唇交連のいずれかの付近に配向される適切な幾何学的形状をもつ吸収性物品(20)を選択し、配置して、いずれにしても女性着用者にとって最も快適となるようにすることができる。その結果として、本発明の吸収性物品(20)の種々の実施形態は、女性着用者の膣前庭(22)内に(すなわち、吸収体(46)の最小幅(Wmin)が陰核(40)に最も近い領域に位置するか、又は吸収体の最小幅(Wmin)が後陰唇交連(26)に最も近い領域に位置するように)反転可能に配置することができる。こうした反転可能であることは、女性着用者が、吸収性物品(20)を、彼女の膣前庭内に、彼女の主要な尿生殖部の位置に最も良く合致するように個人に合わせたフィット性をもたらす向きで配置することによって、快適さ及び順応性を最大にすることができる。個人に合わせたフィット性を与える能力はまた、女性着用者の膣前庭(22)内の吸収性物品(20)の個人に合わせた位置決め又は配置を可能にする。こうした個人に合わせた位置決めを可能にすることによって、女性着用者は、彼女の意思にもとづき(i)最も快適なフィット性が得られる向き、及び(ii)吸収体(46)の最大幅(Wmax)を必要とする向きで、吸収性物品を彼女の膣前庭内に配置することができる。理論に縛られることを意図するのではなく、漏れの恐れはまた、意図された排出物を吸収し及び/又は吸着するために、吸収性物品(20)を、吸収体(46)の最大幅(Wmax)が選択された口の近傍に位置される向きで彼女の膣前庭内に配置する機会を女性着用者に与えることによって最小にされる。
【0019】
本発明の所望の幾何学的形状をもつ吸収性物品(20)は、所望の折り曲げ軸(F)に沿って折畳まれたときに、所望の折り曲げ軸線(L)に沿う最高点(z方向に沿って測定されたときの)が、中央領域(54)ではなく第1端部領域(50)及び/又は第2端部領域(52)に位置されるプロフィールをもつことになる。しかしながら、折畳まれていないときであっても、吸収性物品(20)は、少なくとも図3及び図4に図示されるように、z軸線にほぼ平行に位置する線に沿って測定されたときに、厚さと、キャリパ又は高さ(H)をもつ。吸収性物品(20)の厚さは、約1mmより小さくなく且つ約10mmより大きくない範囲とすることができるが、吸収性物品の適切な厚さは、特に、女性着用者の膣前庭(22)内部の吸収性物品の一般設計及び意図された配置に従って変えることができる。
吸収性物品(20)は、典型的には、女性着用者の膣前庭(42)内に配置される前に、少なくとも図7及び図8に図示されるように、所望の折り曲げ軸線(F)に沿って折畳まれる。所望の折り曲げ軸線(F)に沿って折畳まれるときには、吸収性物品(20)は、該吸収性物品が膣前庭(22)内部に設置された時に着用者の指が汚れることを防ぐ凹部(72)を形成する。一旦挿入されると、吸収性物品(20)は膣前庭をふさぐために開く傾向をもつことができ、そのことによって、カバー(42)の上側表面と膣前庭(22)の組織との接触を維持する。吸収性物品(20)は、該吸収性物品の開く傾向を増大させるために、所望の折り曲げ軸線(F)に沿って弾性的に付勢される。或いは、少なくとも図6及び図7に図示されるように、所望ならば吸収性物品(20)の吸収体(46)を、その縦方向縁部に沿ってより厚くし、それにより、通例、カバー(42)が膣前庭(22)の組織と接触できるようにすることを意図する付勢作用も呈する。しかしながら、ここで説明した吸収性物品(20)は、女性着用者の膣前庭(22)の組織との接触を維持するための付加的な特徴を必ずしも必要とはしない。本質的に湿気を帯びた膣前庭(22)の組織の表面は、通例、吸収性物品(20)の上側表面との接触を維持する傾向を呈する。
【0020】
別の実施形態においては、カバー(42)はまた、吸収性物品(20)を女性着用者の膣前庭(22)の組織に接触した状態に維持する一助とするために、適切な粘液性接着剤で表面処理された少なくとも一部分を有することができる。これらの接着剤は、吸収性物品(20)を内側陰唇のような粘膜表面に取り付けられるようにする。使用の際に、接着剤は、吸収性物品(20)と一体のままであり、該吸収性物品は、依然として月経流体を吸収することができる。適切な粘液性接着剤には、ポリエチレン−ポリプロピレン−ポリエチレン(PEO−PPO−PEO)トリブロックとキトサン及びポリアクリル酸とのコポリマーがある。別の代表例は、ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、及びアクリル酸から製造された、疎水性に改質されたバイオ接着剤である。さらに別の代表例は、ポリアクリル酸ベースの合成ポリマーであり、それはCarbopolとして知られており、1996年のJ.Controlled Release 39 93に記載されている。粘液性接着剤に関するさらなる情報は、H.Park及びJ.Robinson著、「Physico−Chemical Properties of Water Insoluble Polymers Important to Mucin/Epithelial Adhesion」、J.Controlled Release、第2巻、(1985年)p47−57、及びC.Lee及びY.Chien著、「Development and Evaluation of a Mucoadhesive Drug Delivery System for Dual−Controlled Delivery of Nonoxynol−9」、J.Controlled Release、第39巻(1996年)、p91−103において見出すことができ、これらの両方は、引用により本明細書に組み入れられる。当業者には馴染みのあるどんな適切な粘液性接着剤をも用いることができる。
【0021】
上述のように、着用者は、吸収性物品(20)を、膣前庭(22)内に配置する前に所望の折り曲げ軸線(F)に沿って折り畳むことができる。したがって、着用者は、折畳まれる吸収性物品(20)を縦方向側部(58、60)で折畳んで、少なくとも図8に示されるように配置し始めることができる。次いで、吸収性物品(20)は、着用者が折畳まれた吸収性物品により形成された凹部(72)に入れた1つ又はそれ以上の指で力をかけることにより、膣前庭(22)内に配置することができる。
治療薬を含む治療薬送り出しシステムは、吸収性物品(20)と一体に製造することができる。本発明の目的においては、例えば月経困難症のような疾患又は状態を処置する目的のために陰唇の非角化上皮にわたって送り出されることになるどんな治療薬をも用いることができる。或いは又はそれに加えて、治療薬、及びビタミン剤、ホルモン剤、保湿剤、抗真菌剤、抗菌剤、正常な膣細菌叢の成長を促進させるプロバイオティック剤等の他の有益な薬剤も、同様に送り出しさせることができる。
本発明において用いられる治療薬は、陰唇の非角化上皮から吸収させることができ、膣と子宮頚部と子宮との間に存在することが知られている固有の門脈及び動脈により子宮に送り出される。この連絡は、肝臓による初回通過代謝と呼ばれるものを排除し、口腔投与によるときよりも、高濃度の治療薬を子宮に効果的に送り出す。特定の解剖学的位置に導入されたときのそうした用途における治療薬の効果は、当業者には公知である。例えば、治療薬が月経困難症を治療するために選択されるときには、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、プロスタグランジン抑制剤、COX−2抑制剤、局所麻酔薬、カルシウムチャネル遮断薬、カリウムチャネル遮断薬、β−アドレナリン作用薬、ロイコトリエン遮断薬、平滑筋抑制剤、及びジスキネジー性筋収縮を抑制することができる薬剤からなる群から選択されることが好ましい。
【0022】
セレコキシブ、メロキシカム、ロフェコキシブ、及びフロスライドのようなCOX−2抑制剤は、新規な抗炎症及び鎮痛化合物である。これらの化合物は、遊走細胞及び炎症性組織における前駆炎症性刺激により産生されるCOX−2(シクロオキシゲナーゼ−2)酵素の産生を効果的に抑制する。COX−2はまた、生殖プロセスに関係するものであり、選択的COX−2抑制剤は、子宮におけるプロスタグランジンレセプタを遮断することにより、早期分娩における子宮収縮を減少させ、月経困難症に関連する痛みを伴う子宮収縮を軽減させることになる。さらに、それらは、子宮内膜の出血を減少させることができる。
好ましいNSAIDには、アスピリン、イブプロフェン、インドメタシン、フェニルブタゾン、ブロムフェナク、スリンダク、ナブメトン、ケトロラク、メフェナミン酸及びナプロキセンがある。好ましい局所麻酔薬には、リドカイン、メピバカイン、エチドカイン、ブピバカイン、2−クロロプロカイン塩酸塩、プロカイン、及びテトラカイン塩酸塩がある。好ましいカルシウムチャネル遮断薬には、ディルタイゼム、イスラピジン、ニモジピン、フェロジピン、ベラパミル、ニフェジピン、ニカルジピン、及びベプリジルがある。好ましいカリウムチャネル遮断薬には、ドフェチリド、E−4031、イモカラント、セマチリド、アンバシリド、アジミリド、テジサミル、RP58866、ソタロール、ピロキカム、及びイブチリドがある。好ましいβ−アドレナリン作用薬には、テルブタリン、サルブタモール、メタプロテレノール、及びリトドリンがある。子宮筋における筋痙攣を減少させると考えられる血管拡張薬には、ニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、及びイソソルビドモノニトレートがある。
【0023】
有益な植物の例には、この限りではないが、イタリアニンジンボク、アロエベラ、コンフリー、キンセンカ、ドン・クワイ(dong quai)、ブラック・コフォッシュ、カモミール、オオマツヨイグサ、ヒペリカム・パーフォラタム、甘草、クロフサスグリ種油、セントジョーンズワート、茶抽出物、レモンバーム、トウガラシ、ローズマリー、ビンロウジュ、マング・ビーン、ルリヂシャ種油、ウィッチヘーゼル、コロハ種子、ラベンダー及び大豆がある。ブルーベリーなどのクランベリー及びアザレア(Rhododendron種)のような一般にツツジ科の多くの族からもたらされるヴァシニアム抽出物、並びにレッドオニオンの皮、及びショート及びロング赤ピーマンからの抽出物、ベータ・ブルガリス(Beta vulgaris)(ビート)根抽出物、及びカプサンシンを用いることもできる。適用可能性をもつ他のベリーには、ハイデルベリー、リンゲンベリー、チョコベリー、スイートローワン、ローワンベリー、シーバックフロウベリー(seabuckhrouberry)、クラウベリー、ストロベリー、及びグズベリーがある。
これらの植物は、この限りではないが、ビタミン、カルシウム、マグネシウム、ホルモン、鎮痛剤、プロスタグランジン抑制剤、プロスタグランジン合成酵素抑制剤、ロイコトリエンレセプタ拮抗薬、必須脂肪酸、ステロール、抗炎症薬、血管拡張薬、化学療法薬、及び不妊症を治療する薬剤を含む他の有益な薬剤と組み合わせることができる。
これらの有益な治療薬は、婦人ケア装置で植物成分を送り出すことにより膣領域における上皮の健康を促す。このアイデアは、この解剖学的領域の健康状態を増進させるために、膣環境を調節するものである。こうした利点は、やや単純なものとすることができ、それは例えば、湿気及び/又は潤滑を与えることにより快適さを高めることである。これらの利点はまた、より複雑なものとすることもでき、それは例えば膣萎縮に対処するために上皮細胞の機能を調節することである。有益な治療薬は、チクチク感、灼熱感、かゆみ等のような嫌な感覚を低減させるか、又は良い感覚をもたらして、快適さを向上させることができる。
【0024】
例えば、治療上の多くの利点は、多数の異なる植物配合物によるものである。配合物には、水中油型エマルジョン、油中水型エマルジョン、ゲル、液体、分散液、粉末、無水系、外用薬、又は無水物ベースの植物油(例えばペトロラタム)のような軟膏、又はポリエチレングリコールベース系のものがある。また、植物は、水溶性又は油溶性抽出物を生成させる条件下で調製され又は抽出される場合が多い。これらの抽出物は、普通は、組成が異なり、皮膚及び膣の健康に対する異なる利点をもつことができる。処理条件は、使用可能な組成物の種類に対する影響をもつことになり、これは、選択される植物の種類(水性型又は油性型)を制限することになる。したがって、幅広い範囲の植物が本発明において有用である。植物は、1つ又はそれ以上の種々の活性をもつことができ、それは、必ずしもこれに限定する意味ではないが、鎮痛剤、抗菌剤、プロバイオティック剤、抗炎症性化合物、抗ウイルス薬、酵素、酵素抑制剤、酵素基質、酵素補因子、イオン、イオンキレート化剤、脂質、脂質類似物質、脂質前駆体、ホルモン、炎症伝達物質、炎症作用薬、酸化剤、抗酸化剤、湿潤薬、成長因子、砂糖、オリゴ糖、ポリサッカライド、血管拡張薬、及びこれらの可能な組み合わせを含むことができる。本発明の目的においては、植物は、どんな数の非植物活性成分とも同様に組み合わせることができると理解される。
【0025】
特定の例としては、NSAIDメフェナミン酸は、一般に月経困難症を治療するために処方されている。この例においては、吸収性物品(20)のカバー(42)は、粘液性接着剤とメフェナミン酸との混合物により改質される。この混合物は、吸収性物品(20)の全ての部分又は一部を含む適用領域に適用される。上述のように、粘液性接着剤は、使用中にパッドを一定位置に保持する助けとなる。NSAIDは、陰唇の非角化上皮にわたって送り出しされ、そこで筋痙攣及び痛みのような月経困難症の症状を軽減させるために全身性となる。陰唇の内側に角質層が存在しなければ、ケラチン化角質層を有する皮膚にわたる送り出し速度に対して、組織へのNSAIDのより迅速な転移が容易になる。使用の際に、接着剤は、吸収性物品(20)と一体のままであり、該吸収性物品は依然として月経流体を吸収することができるが、接着剤の外に及び膣組織の中にNSAIDを拡散させることができる。
【0026】
治療薬送り出しシステムはまた、治療薬の機能性を促進させるために、キャリア成分を含んでも良い。例えば、キャリア成分は、治療薬を吸収性物品(20)の中に吸収させるか、又は吸収性物品の上に付着させる助けとすることができる。キャリア成分は、吸収性物品(20)からの治療薬の放出を助けるか、又は治療薬を陰唇上皮に吸収させるのを助けることができる。薬物送り出しシステムの形成、送り出し、安定性及び美的特性を容易にする賦形剤の使用は、当該技術分野においては馴染みのあるものとして知られている。
一実施形態においては、治療薬及び治療薬送り出しシステムは、吸収性物品(20)の外面に、主に陰唇上皮と接触することになる表面に適用される。別の実施形態においては、治療薬含有組成物は、吸収性物品(20)の中に又は上に分解性繊維を適用することができる。別の実施形態においては、治療薬含有組成物は、吸収体の間質空間にわたって散在させることができる。
例えば、月経用吸収性物品(20)は、治療薬を含んだ多孔性カバー(42)を含む。典型的には、こうした吸収性物品(20)は、例えば、スパンボンドポリプロピレンカバー層である疎水性ポリマー材料のスパンボンド繊維から形成され、該繊維の外側に治療薬が被覆されたカバー(42)をもつことになる。
【0027】
吸収性物品(20)のような吸収性製品の吸収性本体の全体に治療薬を含浸させる必要はない。経済的に及び機能的に最適な結果は、使用の際に最も効果的となる外面に又はその付近に材料を構成することによって得られることが多い。しかしながら、治療薬はまた、治療薬の放出を制御するために、或いは所与の薬剤又は所与の状態にとって他の位置がより有利であるならば、吸収性物品の周りの及び吸収性物品内の他の位置に適用されても良い。
治療薬含有組成物は、治療薬含有組成物を所望の吸収性物品(20)に適用する通常の方法を用いて、吸収性物品(20)に適用することができる。例えば、薬剤の入った浴に単一の吸収性物品(20)を直接浸してもよく、次いで乾燥させることができる。治療薬含有組成物は、吸収性物品材料上に及び/又は吸収性物品材料中に取り入れられたときには、不堅牢とすること、弱く付着させること、結合させること、又はこれらの組み合わせを可能にする。ここで用いられる「不堅牢」という用語は、治療薬含有組成物が、吸収性物品材料を通って移動できることを意味する。例えば、治療薬は、吸収性又は非吸収性製品の構成材へと加工されるポリマー材料と互いに混合することができる。
或いは、治療薬含有組成物は、吸収性製品のような製造される物品に組み入れられる前に、個々の材料層上に直接適用されても良い。例えば、治療薬を含有する水性溶液は、吸収性製品に組み入れられるように設計された多孔性カバーシート又は吸収性層の表面上に、当該技術分野で公知のどんな方法によっても適用することができる。これは、個々の層の製造の間に、又は製造される物品に層を組み入れる製造工程の間に行うことができる。
【0028】
治療薬含有組成物で被覆された不織ウェブは、通常の工程により調製することができる。例えば、治療薬含有組成物を、移動するウェブの片側又は両側に適用することができる。適用は、インライン処理段階として、又は別個のオフライン処理段階として行うことができることが、当業者には明白であろう。スパンボンド又はメルトブローン不織材のようなウェブは、支持ロールにより、ウェブの片側に適用するための回転スプレーヘッドを含む処理ステーションに向けることができる。随意的な処理ステーションは、治療薬含有組成物をウェブの両側に適用するために、回転スプレーヘッドを含んでも良い。各処理ステーションは、通常は、リザーバから処理液体の供給を受ける。次いで、処理されたウェブは、必要であれば、乾燥缶又は他の乾燥手段の上を通過させることにより乾燥させ、次いでロールとして巻くか又は意図される用途のために変換することができる。オーブン、通気乾燥機、赤外線乾燥機、エアブロワ等のような別の乾燥装置を用いることもできる。別の適用方法は、ホットメルト組成物として粘液性接着剤組成物を含有する薬剤を用いるものである。吸収性製品を治療組成物で処理するために、接触移送又はホットメルトスプレー適用工程を用いることができる。
【0029】
製薬化合物(例えばヒスチジン、抗炎症薬、カルシウム又はカリウムチャネル遮断薬)、抗菌剤、麻酔薬、ホルモン又はホルモン抑制剤、pH調整剤などのような活性成分を、吸収性物品(20)内に入れられたどんな公知の薬物送り出し媒体によっても与えることができる。その例は、活性成分を、でんぷん、デキストラン、又は他の分解可能な又は溶解可能な材料中にマイクロカプセル化し、タンポンの吸収性材料中に入れられたマイクロカプセルが、濡れる、温度が上昇する、又は物理的に接触すると活性成分を徐々に放出できるようにすることである。別のタイプの送り出しシステムは、物質を吸収し、基体に適用されたときにそれらの材料を放出することになるポリマー移送システムを用いるものである。
活性成分を、凝固剤、ワックス、固体エステル、固体脂肪アルコール又は脂肪酸、水素添加植物油、固体トリグリセリド、天然軟質固体物質(すなわちココアバター)、固体アルキルシリコン等のような疎水性材料と組み合わせることにより、体液の放出の際の活性成分の損失を防止しながら、疎水性材料から着用者の身体に活性成分を徐々に拡散させることができる。一実施形態においては、凝固剤は、室温で固体とすることができるが、製品がある時間にわたって身体に接触すると体温で軟化して活性成分の放出速度を増加させることができる。
【0030】
活性成分は、ヒドロゲル又は超吸収体材料と組み合わされても良い。濡れたときに、ヒドロゲル又は超吸収体材料が膨潤して、膨潤した材料からの活性成分の送り出しが増加することになる。
活性成分はまた、水性体液によって洗い流されることに抵抗できるが、それにもかかわらず薬物送り出しを増強させるために使用中に体表面に移動することができる実質的に疎水性の保湿剤又はローションと組み合わされても良い。
別の例は、凝固剤として720より大きい分子量をもつポリエチレングリコールを用いることである。活性成分は、水分散性材料であるポリエチレングリコール中に溶けるものとするか又は分散させることができる。体液を含む水と接触させることにより、ポリエチレングリコールがゆっくりと溶けて、活性成分を体表面に放出することになる。
最後に、活性成分は、吸収性物品(20)におけるパウチの中に入れられてもよく、該パウチは、透過性膜を通して拡散させること、パウチの壁の一部が破れるか又は崩壊すること、又は例えば、濡れるとパウチ又はリザーバ中の材料が膨潤して活性成分の追放を強いるか、又は発泡体が生成して活性成分をパウチの外に運び出すといった活性展開によって活性成分を放出することができる。
【0031】
液体透過性カバー層又は他の構成材のような不織構成材又はフィルム構成材はまた、種々の手段により活性成分と組み合わされても良い。活性成分は、不織材又はフィルムの表面に付着させることができ、又は固体マトリックス中に組み入れられても良い。例えば、活性成分は、不織材又はフィルムを製造する前に1つ又はそれ以上のポリマー相中にブレンドすることができ、又は後処理として超臨界流体キャリアにおいて送り出すことを含む種々の手段により固体相に加えることができる。ポリオレフィンポリマーその他の化合物においては、超臨界二酸化炭素の存在により、例えば、ポリマーを大いに膨潤させ、大きな孔スペースを生じさせて、膨潤状態において該孔スペースの中に活性成分を拡散させることができる。超臨界二酸化炭素を除去することにより膨潤が逆転され、結果として活性成分が不織材又はフィルムの固体マトリックス中に捕捉され、生体膜又は流体に接触したときに、特に濡れたときにマトリックスから活性成分を徐々に放出させることができる。
或いは、ゲル、液体、エマルジョン、固体、粉末にされる単一物質からなる単純な担体、さらには特定のリガンドとベアリングして薬剤を膣環境内の特定の位置にターゲッティングするリポソーム又は粒子材料を含むもののようなより複雑な担体といった、種々の複雑さの度合いをもつ担体を用いることができる。別の実施形態においては、装置は、キャビティが薬剤で満たされる分解性中空繊維又は他の構造体を含むことができる。この方法においては、材料は、特定の事象に反応したときにのみ放出されることになる。さらに別の実施形態においては、治療薬の吸収は、浸透エンハンサーにより増大させることができる。
【0032】
穿孔されたウェブはまた、ラミネート構造体における基体又は構成材として活性成分を含ませるのに用いることもできる。使用可能なウェブは、Tredegar Corp.のウェブ、及びAET Specialty Nets&Nonwovensのウェブを含み、後者のウェブには、DELNET−ブランド幾何学穿孔布、DELNET−EP−ブランド共押出接着性布、PLASTINET−ブランドバイプラーナーネッティング・スリービング、STRATEX−ブランド工業用ラミネート構造体、及びDELPORE−ブランド、DELGUARD−ブランド、及びDELSORB−ブランドメルトブローン不織布があり、これらのいずれも活性成分と共に加工するか又は活性成分を組み合わせることができる。活性成分はまた、ラミネートの2つのフィルム層の間の中央層のようなラミネート構造体の内部成分として与えることができる。
発泡体成分はまた、活性成分と組み合わせることができる。活性成分は、発泡体マトリックスを形成する固体物質と直接混合することができ、又は粒子のような固体相として、或いは連続又は独立気泡発泡体内の粘性相として含有することができる。活性成分の放出は、濡れたときに、固体マトリックスから活性成分が溶媒化されること、密閉媒体の壁が溶解すること、又は拡散経路が粘膜の膜に戻るようになることにより、起こることになる。発泡体マトリックスは、超吸収体材料、再生セルロース、ポリウレタンのような合成ポリマー、ゼラチン又はアルブミンから誘導されたもののような他のタンパクベースの配合物、及びDyer他の1997年7月29日付の「Process for Making Thin−Wet Absorbent Foam Materials for Aqueous Body Fluids」と題する米国特許第5,652,194号に開示されたもののようなHigh−Internal−Phase−Ratioエマルジョン(HIPE)技術、及びF−J.Chen他の2001年7月17日付けの「Fibrous Absorbent Material and Methods of Making the Same」と題する米国特許第6,261,679号に開示されたもののような繊維ベースの発泡体配合物がある。
【0033】
セルロース繊維は、ファンデルワールス力、共有結合又はイオン結合、物理的交絡(多孔性構造体により機械的に捕捉される)、或いはH.V.Green他の1985年4月9日付けの米国特許第4,510,020号又はG.G.Allanの1992年3月17日付けの米国特許第5,096,539号に開示されたように、天然セルロース繊維又は合成繊維の中空管腔又はコアの中に活性成分を化学的に又は機械的に堆積させる管腔装填のような化学的又は物理化学的手段による付着を含む種々の方法で活性成分と組み合わせることができる。同じことを、中空非セルロース繊維に対して行うことができる。セルロースウェブはまた、単独で、又は疎水性物質、ヒドロゲル、もしくは例えば、F−J.Chen他の1999年11月23日付けの「Dual−Zoned Absorbent Webs」と題する米国特許第5,990,377号に開示されるような他のキャリアと組み合わせて、活性成分に含浸するか又は被覆することができる。
【0034】
活性成分はまた、濡れるか又は温度の上昇によりトリガされた後に活性成分を物理的に移動させる活性展開手段と組み合わせることができる。例えば、活性展開手段は、活性成分を吸収性物品(20)内から使用者の身体に向けて移動させることができ、例えば水性流体との接触によってトリガされる発泡作用により発泡体又は泡を生成させることを含む。液体透過性非弾性壁をもつパウチに活性成分と共に入れられた膨潤可能な材料は、濡れると膨潤して、パウチから活性成分を強制的に追放させることができる。
別の実施形態においては、治療薬を配置するためのリザーバ(76)(図4参照)が吸収性物品(20)内に設けられる。薬剤は、種々の形態で及び種々の投与量でリザーバ内に保存することができる。例えば、薬剤は、リザーバ内に液体形態、固体形態、半固体形態又は密封形態で入れることができる。薬剤は、吸収性物品(20)を使用するときに直ちに又は徐放式に作用するように調剤することができる。薬剤は、あてがうことによる圧力により、又は陰唇環境における圧力、熱、又は湿度により活性化させることができる。薬剤は、吸収性物品(20)の製造業者か又は吸収性物品の使用者が必要に応じてつけることができる。
【0035】
治療薬は、添加剤又はキャリア成分が治療薬の活性に大きな悪影響を及ぼさない限りは、所望の結果のために適切な他の添加剤又はキャリア成分を含有することができる組成物中に組み合わせることができる。こうした添加剤の例には、ミレス−3−ミリステートのようなエステル、エトキシル化炭化水素、又はイオン性界面活性剤のような付加的な通常の界面活性剤、又は低分子量アルコールのような共湿潤助剤がある。組成物は、乾燥及びそれに付随するコスト及び悪影響が最小になるように、有利には80%又はそれ以下が溶媒又は水であるハイソリッドから適用されることが望ましい。治療薬を含有する処理組成物は、所望の結果及び用途に応じて種々の量で適用することができる。当業者であれば、この特許出願の教示に基づいて実際の量を直ちに選択できるであろう。例えば、陰唇上皮に緊密に接触するように設計された月経用吸収性物品(20)は、前述のような肝臓初回通過代謝が存在しないので、薬剤が経口的に摂取されるときより実質的に要求する治療薬の量が少なくなる。
治療薬は、内部添加剤として用いる、すなわち、ポリマー溶融物に直接に又は濃縮形態で加えることができることを当業者であれば理解するであろう。繊維が形成された後に、こうした添加剤は、繊維表面に移動して、所望の効果を与えることができる。さらに、添加剤の内部添加についての説明は、例えば、米国特許第5,540,979号を参照されたく、その内容を引用により本明細書に組み入れる。基体の坪量は、重大なものではなく、用途に応じて幅広く変えることができる。治療薬の熱及び酸化安定性は、溶融処理に要求される温度と流動学に適合するものでなければならない。
【0036】
本発明の治療薬含有組成物は、限定する意味ではないが、水性溶液、エマルジョン、ローション、バーム、ゲル、軟膏、粉末、外用薬、粘液性接着剤、ボーラス、坐剤等を含む他の適切な形態で調製し適用することもできる。本発明の組成物はまた防腐剤を含有することができる。ポリエチレングリコール等のようなより大きい粘性を与えることができる化合物も、本発明の組成物に加えることができる。一般に、投与後に比較的長時間にわたって膣に残存する傾向がある組成物を作成するためには、より高い粘性をもつ組成物が好ましい。
治療薬組成物には、所望の用途に有用な1つ又はそれ以上の製薬学的に許容可能な及び適合可能なキャリア材料を付加的に用いても良い。キャリアは、組成物に用いられる材料と共に溶解可能又は懸濁可能なものとすることができる。したがって、本発明の治療薬含有組成物に用いるのに適したキャリア材料は、薬剤、化粧品、及び外用剤、ローション、クリーム、軟膏、エアロゾル、坐剤、ゲル、粉末等に基づく医療分野で用いるのに良く知られているものを含む。
本発明の範囲から逸脱することなく、上述の吸収性物品に種々の変更を加えることができ、上記の説明に含まれ付属の図面に示された全ての事象は、説明のためのものであって、それに限定する意味をもつものではないと解釈されるように意図されている。したがって、本発明は、付属の請求項の精神及び範囲内に含まれるそうした代替、修正、及び変形の全てを包含するように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の吸収性物品のための環境を図示するヒト女性の簡単な解剖学的断面図である。
【図1A】着用者の膣前庭内に配置された吸収性物品の位置を図示するヒト女性の簡単な解剖学的断面図である。
【図2】吸収性物品の実施形態を示す上面図である。
【図3】図2の線3−3に沿って見たときの、図2に図示された吸収性物品の断面図である。
【図4】吸収性物品の別の実施形態を示す断面図である。
【図5】図2に示されたものと同様の吸収性物品の実施形態を示す上面図である。
【図6】吸収性物品の実施形態を示す断面図である。
【図7】折畳まれた状態のときの図6の実施形態を示す断面図である。
【図8】所望の折り曲げ軸線に沿って折畳まれ、膣前庭に配置するために着用者の指でつかまれている吸収性物品の実施形態の誇張された拡大図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の膣前庭内に部分的に配置されるように構成され、治療薬を送り出すようになった吸収性装置であって、
膣前庭内に突出する適用領域を有する流体吸収性本体と、
実質的に前記適用領域内に配置される治療薬含有組成物と、
を含む装置。
【請求項2】
前記本体はカバーを含み、前記治療薬が前記カバーに形成されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記本体は表面を有するカバーを含み、前記治療薬が前記表面に結合されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記本体が吸収体を含み、前記治療薬含有組成物が前記吸収体に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記本体が吸収体を含み、前記治療薬含有組成物が前記吸収体に含ませられたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記本体が表面を有する吸収体を含み、前記治療薬が前記表面に結合されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記適用領域内にリザーバをさらに備え、前記治療薬が実質的に前記リザーバ内に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記適用領域が表面を有し、前記リザーバが前記表面と連通することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記適用領域が表面を有し、前記リザーバが前記表面の下に配置されたことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記治療薬含有組成物が実質的に液体であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記治療薬がエマルジョンであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記治療薬が粉末であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記治療薬がゲルであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記治療薬が外用薬であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記治療薬が軟膏であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記治療薬含有組成物が実質的に固体であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記治療薬含有組成物が実質的に半固体であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記治療薬含有組成物が実質的にカプセル化されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項19】
使用者が流体吸収性本体に圧力をかけることにより、治療薬含有組成物が適用領域から放出されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項20】
使用者が流体吸収性本体に圧力をかけることにより、治療薬含有組成物が適用領域に放出されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項21】
前記治療薬が月経困難症を治療するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項22】
前記治療薬が、アスピリン、イブプロフェン、インドメタシン、フェニルブタゾン、ブロムフェナック、スリンダック、ナブメトン、ケトラック、メフェナミン酸及びナプロキセンからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項23】
前記治療薬が、リドカイン、メピバカイン、エチドカイン、ブピバカイン、2−クロロプロカイン塩酸塩、プロカイン、及びテトラカイン塩酸塩からなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項24】
前記治療薬が、ディルタイゼム、イスラピジン、ニモジピン、フェロジピン、ベラパミル、ニフェジピン、ニカルジピン、及びベプリジルからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記治療薬が、ドフェチリド、E−4031、イモカラント、セマチリド、アンバシリド、アジミリド、テジサミル、RP58866、ソタロール、ピロキカム、及びイブチリドからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記治療薬が、テルブタリン、サルブタモール、メタプロテレノール、及びリトドリンからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項27】
前記治療薬が、ニトログリセリン、イソソルビドジニトレート、及びイソソルビドモノニトレートからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項28】
前記治療薬が、セレコキシブ、メロキシカム、ロフェコキシブ、及びフロスライドからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項29】
前記治療薬が、イタリアニンジンボク、アロエベラ、コンフリー、キンセンカ、ドン・クワイ(dong quai)、ブラック・コフォッシュ、カモミール、オオマツヨイグサ、ヒペリカム・パーフォラタム、甘草、クロフサスグリ種油、セントジョーンズワート、茶抽出物、レモンバーム、トウガラシ、ローズマリー、ビンロウジュ、マング・ビーン、ルリヂシャ種油、ウィッチヘーゼル、コロハ種子、ラベンダー及び大豆からなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項30】
前記治療薬が、ヒース、クランベリー、ブルーベリー、アザレア、レッドオニオンの皮、ショート赤ピーマン、ロング赤ピーマン、ビート根抽出物、及びカプサンシンからなる群から選択された植物から誘導されたヴァシニアム抽出物であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項31】
前記治療薬が、ハイデルベリー、リンゲンベリー、チョコベリー、スイートローワン、ローワンベリー、シーバックフロウベリー、クラウベリー、ストロベリー、及びグズベリーからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項32】
前記治療薬が、植物性薬剤と、ビタミン、カルシウム、マグネシウム、ホルモン、鎮痛剤、プロスタグランジン抑制剤、プロスタグランジン合成酵素抑制剤、ロイコトリエンレセプタ拮抗薬、必須脂肪酸、ステロール、抗炎症薬、血管拡張薬、化学療法薬、及び不妊症を治療する薬剤を含む他の有益な薬剤からなる群から選択された有益な薬剤とが組み合わされたものであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項33】
前記組成物が、治療薬をターゲットとするようになったリガンドを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項34】
前記本体が表面を含み、前記治療薬含有組成物が前記表面に適用されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項35】
前記本体が材料から形成され、前記本体が構成される前に前記治療薬含有組成物が材料に適用されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項36】
前記本体が穿孔ウェブを含み、前記治療薬含有組成物が前記穿孔ウェブに含ませられたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項37】
前記治療薬含有組成物が分解性繊維に適用されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項38】
前記本体が間質性スペースを有し、前記治療薬含有組成物が前記間質性スペース内に散在させられたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項39】
前記治療薬含有組成物がヒドロゲル材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項40】
前記治療薬含有組成物が発泡体成分を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項41】
前記治療薬含有組成物がポリマー材料を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項42】
着用者の膣前庭内に部分的に配置されるように構成され、治療薬を送り出すようになった吸収性装置を製造する方法であって、
膣前庭内に突出する適用領域を有する流体吸収性本体を製造し、
治療薬含有組成物を実質的に前記適用領域内に配置する、
ことを含む方法。
【請求項43】
前記吸収性物品と着用者の非角化上皮との間の接触を増強させるようになった粘液性接着剤を適用することをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記製造作業は、前記本体にカバーを形成することを含み、前記治療薬含有組成物が前記カバーに形成されたことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項45】
前記製造作業は、前記本体に表面を有するカバーを形成することを含み、前記治療薬含有組成物が前記表面に結合されたことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項46】
前記製造作業は、使用者が流体吸収性本体に圧力をかけることにより治療薬含有組成物が適用領域から放出されるような方法で製造することを含むことを特徴とする請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記本体が表面を有し、前記配置作業は、治療薬含有組成物を表面に適用することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記製造作業は材料から本体を製造することを含み、前記配置作業は、前記本体が製造される前に治療薬含有組成物を材料に適用することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項49】
前記製造作業は穿孔ウェブを含むように前記本体を製造することを含み、前記配置作業は、前記治療薬含有組成物を前記穿孔ウェブに含ませることを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項50】
前記配置作業は、前記治療薬含有組成物を前記装置と一体的に形成することを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項51】
着用者の膣前庭内に部分的に配置されるように構成され、治療薬を送り出すようになった吸収性装置であって、
膣前庭内に突出する適用領域を有する流体吸収性本体と、
前記適用領域内において治療薬含有組成物を支持する手段と、
を含む装置。
【請求項52】
前記適用領域が表面を有し、前記支持手段が実質的に前記表面に隣接して配置されたことを特徴とする請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記適用領域がリザーバを有し、前記支持手段が実質的に前記リザーバ内に配置されたことを特徴とする請求項51に記載の装置。
【請求項54】
着用者の膣前庭内に部分的に配置されるように構成され、治療薬を送り出すようになった吸収性物品を製造する方法であって、
疎水性ポリマーから形成された多孔性不織シートの一部を治療薬含有組成物で処理し、
膣前庭内に突出する適用領域を有するように吸収性材料を含む吸収性物品を形成し、前記多孔性不織シートの一部が前記吸収性物品の前記適用領域を少なくとも部分的に覆うようにする、
ことを含む方法。
【請求項55】
着用者の陰唇の非角化上皮を通して治療薬を送り出す方法であって、
吸収性物品を着用者の膣前庭内に少なくとも部分的に配置する、
ことを含み、前記物品が、前記非角化上皮と接触して、前記治療薬を送り出すようにすることを特徴とする方法。
【請求項56】
着用者が前記吸収性物品に圧力をかけることにより前記治療薬が放出されることを特徴とする請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記圧力は、前記吸収性物品を着用する際に着用者によってかけられることを特徴とする請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記圧力は、前記吸収性物品の使用中に着用者によってかけられることを特徴とする請求項55に記載の方法。
【請求項59】
前記治療薬の送り出しは、固体を溶かすことによりもたらされることを特徴とする請求項55に記載の方法。
【請求項60】
前記治療薬の送り出しは、カプセルを破裂させることによりもたらされることを特徴とする請求項55に記載の方法。
【請求項61】
前記治療薬の送り出しは、半固体を溶かすことによりもたらされることを特徴とする請求項55に記載の方法。
【請求項62】
前記治療薬の送り出しは、前記治療薬を、前記吸収性物品と前記非角化上皮との間の接触を増強させる粘液性接着剤と組み合わせることによりもたらされることを特徴とする請求項55に記載の方法。
【請求項63】
着用者の膣前庭内に突出する適用領域を有する流体吸収性本体と、
治療薬含有組成物と、
を含み、前記適用領域は、陰唇の非角化上皮に接触し、そこを通して前記治療薬を送り出すようになっていることを特徴とする吸収性装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の膣前庭内に部分的に配置されるように構成され、治療薬を送り出すようになった吸収性装置であって、
膣前庭内に突出する適用領域を有する流体吸収性本体と、
実質的に前記適用領域内に配置される治療薬含有組成物と、
を含む装置。
【請求項2】
前記本体は表面を有するカバーを含み、前記治療薬が前記表面に結合されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記治療薬含有組成物が実質的に液体であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記治療薬含有組成物が実質的に固体であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記治療薬が、アスピリン、イブプロフェン、インドメタシン、フェニルブタゾン、ブロムフェナック、スリンダック、ナブメトン、ケトラック、メフェナミン酸及びナプロキセンからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記治療薬が、リドカイン、メピバカイン、エチドカイン、ブピバカイン、2−クロロプロカイン塩酸塩、プロカイン、及びテトラカイン塩酸塩からなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記治療薬が、ディルタイゼム、イスラピジン、ニモジピン、フェロジピン、ベラパミル、ニフェジピン、ニカルジピン、及びベプリジルからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記治療薬が、ドフェチリド、E−4031、イモカラント、セマチリド、アンバシリド、アジミリド、テジサミル、RP58866、ソタロール、ピロキカム、及びイブチリドからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記治療薬が、テルブタリン、サルブタモール、メタプロテレノール、及びリトドリンからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記治療薬が、セレコキシブ、メロキシカム、ロフェコキシブ、及びフロスライドからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記治療薬が、イタリアニンジンボク、アロエベラ、コンフリー、キンセンカ、ドン・クワイ(dong quai)、ブラック・コフォッシュ、カモミール、オオマツヨイグサ、ヒペリカム・パーフォラタム、甘草、クロフサスグリ種油、セントジョーンズワート、茶抽出物、レモンバーム、トウガラシ、ローズマリー、ビンロウジュ、マング・ビーン、ルリヂシャ種油、ウィッチヘーゼル、コロハ種子、ラベンダー及び大豆からなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記治療薬が、ヒース、クランベリー、ブルーベリー、アザレア、レッドオニオンの皮、ショート赤ピーマン、ロング赤ピーマン、ビート根抽出物、及びカプサンシンからなる群から選択された植物から誘導されたヴァシニアム抽出物であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記治療薬が、ハイデルベリー、リンゲンベリー、チョコベリー、スイートローワン、ローワンベリー、シーバックフロウベリー、クラウベリー、ストロベリー、及びグズベリーからなる群から選択されたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記治療薬が、植物性薬剤と、ビタミン、カルシウム、マグネシウム、ホルモン、鎮痛剤、プロスタグランジン抑制剤、プロスタグランジン合成酵素抑制剤、ロイコトリエンレセプタ拮抗薬、必須脂肪酸、ステロール、抗炎症薬、血管拡張薬、化学療法薬、及び不妊症を治療する薬剤を含む他の有益な薬剤からなる群から選択された有益な薬剤とが組み合わされたものであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記組成物が、治療薬をターゲットとするようになったリガンドを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項16】
着用者の膣前庭内に部分的に配置されるように構成され、治療薬を送り出すようになった吸収性装置を製造する方法であって、
膣前庭内に突出する適用領域を有する流体吸収性本体を製造し、
治療薬含有組成物を実質的に前記適用領域内に配置する、
ことを含む方法。
【請求項17】
前記吸収性物品と着用者の非角化上皮との間の接触を増強させるようになった粘液性接着剤を適用することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
着用者の膣前庭内に部分的に配置されるように構成され、治療薬を送り出すようになった吸収性物品を製造する方法であって、
疎水性ポリマーから形成された多孔性不織シートの一部を治療薬含有組成物で処理し、 膣前庭内に突出する適用領域を有するように吸収性材料を含む吸収性物品を形成し、前記多孔性不織シートの一部が前記吸収性物品の前記適用領域を少なくとも部分的に覆うようにする、
ことを含む方法。
【請求項19】
着用者の陰唇の非角化上皮を通して治療薬を送り出す方法であって、
吸収性物品を着用者の膣前庭内に少なくとも部分的に配置する、
ことを含み、前記物品が、前記非角化上皮と接触して、前記治療薬を送り出すようにすることを特徴とする方法。
【請求項20】
前記治療薬の送り出しは、前記治療薬を、前記吸収性物品と前記非角化上皮との間の接触を増強させる粘液性接着剤と組み合わせることによりもたらされることを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−500966(P2006−500966A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−557659(P2003−557659)
【出願日】平成14年10月23日(2002.10.23)
【国際出願番号】PCT/US2002/034151
【国際公開番号】WO2003/057305
【国際公開日】平成15年7月17日(2003.7.17)
【出願人】(597085132)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】