説明

治療薬

本発明は、式(I)の化合物及びそれらの化合物の製造法;肥満、精神及び神経障害の治療におけるそれらの使用;それらの治療的な使用方法;及びそれらを含む医薬組成物に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある種のCB1アンタゴニスト又はインバースアゴニスト、それらの化合物の製造法、肥満、精神及び神経障害の治療におけるそれらの使用、それらの治療的使用の方法、及びそれらを含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ある種のCB1アンタゴニスト又はインバースアゴニスト(アンタゴニスト又はインバースアゴニストとして知られる)は、肥満、精神及び神経障害の治療に有用であることが知られている(国際特許第01/70700号及び欧州特許第656354号)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、その他の治療効果、改善された物理化学的特性及び/又はDMPK特性及び/又は薬力学的特性を有するCB1アンタゴニスト又はインバースアゴニストが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書内で、特に指示のない限り、本明細書で使用される命名法は、一般的には、Nomenclature of Organic Chemistry, Sections A, B, C, D, E, F, and H, Pergamon Press, Oxford, 1979に記載されている例示及び規則に従い、上記文献は、その代表的な化学構造名及び化学構造を命名する規則のために、参照することにより本明細書に取り込まれている。
【0005】
単独で、又は接頭辞として使われる用語「Cm-n」又は「Cm-n基」は、m個からn個の炭素原子を有する基を意味する。
【0006】
単独で、又は接尾辞若しくは接頭辞として使われる用語「炭化水素」は、14個までの炭素原子及び水素原子のみを含む構造を意味する。
【0007】
単独で、又は接尾辞若しくは接頭辞として使われる用語「炭化水素基」又は「ヒドロカルビル」は、炭化水素から1つ又はそれ以上の水素原子を除去した構造を意味する。
【0008】
単独で、又は接尾辞若しくは接頭辞として使われる用語「アルキル」は、1個から約12個の炭素原子を含有する、飽和で、一価の直鎖状又は分枝鎖状の炭化水素基を意味する。アルキルの実例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−3−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル及びヘキシルの様なC1-6アルキル基、並びにヘプチル及びオクチルの様なより長いアルキル基が挙げられるが、それらに限定されない。アルキルは、無置換、又は1つ若しくは2つの好適な置換基で置換されることもあり得る。
【0009】
単独で、又は接尾辞若しくは接頭辞として使われる用語「シクロアルキル」は、少なくとも3個から、約12個までの炭素原子を有する、飽和で、一価の環を含む炭化水素基を意味する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロヘプチルの様なC3-7シクロアルキル、並びに飽和の環状、及び二環のテルペン類が挙げられるが、それらに限定されない。シクロアルキルは、無置換、又は1つ若しくは2つの好適な置換基で置換されることもあり得る。好ましくは、シクロアルキルは、単環又は二環である。
【0010】
単独で、又は接尾辞若しくは接頭辞として使われる用語「アリール」は、芳香族性(例えば、4n+2個の非局在化電子)を示し、そして5個から約14個までの炭素原子を含有する、1つ又はそれ以上の多価不飽和炭素環を有する一価の炭化水素基を意味する。
【0011】
単独で、又は接尾辞若しくは接頭辞として使われる用語「ヘテロ環」は、環構造の一部として、N、O、P及びSから独立に選択される1つ又はそれ以上の多価へテロ原子を有し、そして、環に少なくとも3個から約20個までの原子を有する環を含む構造又は分子を意味する。ヘテロ環は、飽和、又は1つ若しくはそれ以上の二重結合を含有する不飽和であっても良く、そして、ヘテロ環は1つ以上の環を含んでも良い。ヘテロ環が1つ以上の環を含む場合、環は縮合されているか、又は非縮合であっても良い。縮合環は、一般的には、少なくとも2つの環が、その間で2つの原子を共有することを意味する。ヘテロ環は芳香族性を示すか、又は芳香族性を示さなくても良い。
【0012】
単独で、又は接尾辞若しくは接頭辞として使われる用語「ヘテロ芳香族」は、環構造の一部として、N、O、P及びSから独立に選択される1つ又はそれ以上の多価へテロ原子を有し、そして、環内に少なくとも3個から約20個までの原子を有する、環含有構造又は分子を意味し、ここで、環含有構造又は分子は、芳香族性(例えば、4n+2個の非局在化電子)を示す。
【0013】
単独で、又は接尾辞若しくは接頭辞として使われる用語「ヘテロ環基」、「ヘテロ環部分」、「ヘテロサイクリック」又は「ヘテロシクロ」は、ヘテロ環から1つ又はそれ以上の水素を除去することにより誘導される基を意味する。
【0014】
単独で、又は接尾辞若しくは接頭辞として使われる用語「ヘテロシクリル」は、ヘテロ環から1つ又はそれ以上の水素を除去することにより誘導される一価の基を意味する。
【0015】
単独で、又は接尾辞若しくは接頭辞として使われる用語「ヘテロアリール」は、芳香族性を有するヘテロシクリルを意味する。
【0016】
ヘテロ環としては、例えば、アジリジン、オキシラン、チイイラン、アゼチジン、オキセタン、チエタン、ピロリジン、ピロリン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ジオキソラン、スルホラン、2,3−ジヒドロフラン、2,5−ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、チオファン、ピペリジン、1,2,3,6−テトラヒドロ−ピリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピラン、チオピラン、2,3−ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジヒドロピリジン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、ジオキサン、ホモピペリジン、2,3,4,7−テトラヒドロ−1H−アゼピン、ホモピペラジン、1,3−ジオキセパン、4,7−ジヒドロ−1,3−ジオキセピン及びヘキサメチレンオキシドの様な単環のヘテロ環が挙げられる。
【0017】
加えて、ヘテロ環には、芳香族へテロ環、例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、チオフェン、フラン、フラザン、ピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、ピラゾール、イソチアゾール、イソオキサゾール、1,2,3−トリアゾール、テトラゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,3,4−トリアゾール、1,3,4−チアジアゾール、及び1,3,4−オキサジアゾールが含まれる。
【0018】
更に、ヘテロ環は、例えば、インドール、インドリン、イソインドリン、キノリン、テトラヒドロキノリン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、1,4−ベンゾジオキサン、クマリン、ジヒドロクマリン、ベンゾフラン、2,3−ジヒドロベンゾフラン、イソベンゾフラン、クロメン、クロマン、イソクロマン、キサンテン、フェノキサチイン、チアントレン、インドリジン、イソインドール、インダゾール、プリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、フェナントリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、1,2−ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、チオキサンチン、カルバゾール、カルボリン、アクリジン、ピロリジジン及びキノリジジンの様な、多環のヘテロ環を包含する。
【0019】
上に記載した多環のヘテロ環に加えて、ヘテロ環は、2つ又はそれ以上の環の間の環縮合が、両環に共有される1つを超える結合及び両環に共有される2つを超える原子を含む、多環のヘテロ環を包含する。その様な橋かけヘテロ環の例としては、キヌクリジン、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン及び7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタンが挙げられる。
【0020】
単独で、又は接尾辞若しくは接頭辞として使われる用語「アルコキシ」は、Rが炭化水素基から選択される、一般式−O−Rの基を意味する。典型的なアルコキシとしては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、t−ブトキシ、イソブトキシ、シクロプロピルメトキシ、アリルオキシ及びプロパルギルオキシが挙げられる。
【0021】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を包含する。
基の接頭辞として使われる「ハロゲン化」は、基の1つ又はそれ以上の水素原子が、1つ又はそれ以上のハロゲンで置換されることを意味する。
「RT」又は「rt」は、室温を意味する。
【0022】
1つの態様において、本発明は式I:
【化1】

【0023】
ここで、
GはCH及びNから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
1及びR2は、独立に、水素、−OH、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン化C1-6アルコキシ、−NR4C(=O)−O−R4、−S(=O)2−NR44及び−O−S(=O)2−R4から選択され;ここで、それぞれのR4は、独立に、水素、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル及びハロゲン化C3-6シクロアルキルから選択され;
m及びnは、独立に、1、2及び3から選択され;
Xは、結合、−C(=O)−、−S(=O)2−、−C(=O)−N−及び−C(=S)−N−から選択され;
Lは、結合、−(CH2p−、−(CH2p−O−、−C(=O)−O−、−(CH2pS−、−CH2NHC(=O)−CH2−から選択され;
pは、0、1及び2から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及びC3-9ヘテロシクリルから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及びC3-9ヘテロシクリルは、場合により、C1-6アルコキシ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、アリール、ハロゲン化アリール、ニトロ、シアノ、−C(=O)−R5、−CO25、−NHC(=O)−R5から選択される1つ又はそれ以上の基で置換され、ここで、R5は、水素、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C3-6シクロアルキル、ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールから選択され、ここで、該ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールは、 場合により、ハロゲン、C1-3アルキル、フェニル及びメトキシから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、X及びLの内の少なくとも1つは結合ではない;
の化合物、及び薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0024】
1つの実施態様において、本発明は式I:
ここで、
GはCH及びNから選択され;
rは0、1及び2から選択され:
1及びR2は、独立に、水素、−OH、ハロゲン、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、ハロゲン化C1-3アルコキシ、−NR4C(=O)−O−R4、−S(=O)2−NR44及び−O−S(=O)2−R4から選択され;ここで、それぞれのR4は、独立に、水素及びC1-3アルキルから選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Xは、結合、−C(=O)−、−S(=O)2−、−C(=O)−N−及び−C(=S)−N−から選択され;
Lは、結合、−(CH2p−、−C(=O)−O−、−(CH2p−O−、−(CH2pS−、−CH2NHC(=O)−CH2−から選択され;
pは、1及び2から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、C1-3アルコキシ、ハロゲン、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C6-10アリール、ハロゲン化C6-10アリール、ニトロ、シアノ、−C(=O)−R5、−CO25、−NHC(=O)−R5から選択される1つ又はそれ以上の基で置換され、ここで、R5は、水素、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C3-6シクロアルキル、ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びフェニルから選択され、ここで、該へテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールは、場合により、ハロゲン、C1-3アルキル、フェニル及びメトキシから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、R3は無置換のフェニルではなく;更に、X及びLの内の少なくとも1つは結合ではない;
によって表される。
【0025】
別の実施態様において、本発明の化合物は、式I:
ここで、
GはCH及びNから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
1及びR2は、独立に、水素、−OH、ハロゲン、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びハロゲン化C1-3アルコキシから選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Xは、結合、−C(=O)−及び−S(=O)2−から選択され;
Lは、結合及び−(CH2p−から選択され;
pは、1及び2から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、C1-3アルコキシ、ハロゲン、シアノ、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、R3は無置換のフェニルではなく;更に、X及びLの内の少なくとも1つは結合ではない;
で表すことができる。
【0026】
更なる実施態様において、Xは−C(=O)−である。
【0027】
更に別の実施態様において、Lは結合及び−CH2−から選択される。
【0028】
更に又別の実施態様において、R3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換される。
【0029】
更なる実施態様において、本発明の化合物は、式I:
ここで、
Gは、CH及びNから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
1及びR2は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシから選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Xは、−C(=O)−であり;
Lは、結合及び−CH2−から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、R3は無置換フェニルではない;
によって表すことができる。
【0030】
1つの態様において、本発明は、式IA:
【化2】

ここで、
1及びR2は、独立に、水素、−OH、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン化C1-6アルコキシ、−NR4C(=O)−O−R4、−S(=O)2−NR44及び−O−S(=O)2−R4から選択され;ここで、それぞれのR4は、独立に、水素、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル及びハロゲン化C3-6シクロアルキルから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
m及びnは、独立に、1、2、3、4及び5から選択され;
Xは、結合、−C(=O)−、−S(=O)2−、−C(=O)−N−及び−C(=S)−N−から選択され;
Lは、結合、−(CH2p−、−(CH2p−O−、−C(=O)−O−、−(CH2pS−、−CH2NHC(=O)−CH2−から選択され;
pは、0、1及び2から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及びC3-9ヘテロシクリルから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及びC3-9ヘテロシクリルは、場合により、C1-6アルコキシ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、アリール、ハロゲン化アリール、ニトロ、シアノ、−C(=O)−R5、−CO25、−NHC(=O)−R5から選択される1つ又はそれ以上の基で置換され、ここで、R5 は、水素、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C3-6シクロアルキル、ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールから選択され、ここで、該へテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールは、場合により、ハロゲン、C1-3アルキル、フェニル及びメトキシから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、X及びLの内の少なくとも1つは結合ではない;
の化合物、及び薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0031】
1つの実施態様において、本発明の化合物は、式IA:
ここで、
1及びR2は、独立に、水素、−OH、ハロゲン、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、ハロゲン化C1-3アルコキシ、−NR4C(=O)−O−R4、−S(=O)2−NR44及び−O−S(=O)2−R4から選択され;ここで、それぞれのR4は、独立に、水素及びC1-3アルキルから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
m及びnは、独立に、1、2及び3から選択され;
Xは、結合、−C(=O)−、−S(=O)2−、−C(=O)−N−及び−C(=S)−N−から選択され;
Lは、結合、−(CH2p−、−C(=O)−O−、−(CH2p−O−、−(CH2pS−、−CH2NHC(=O)−CH2−から選択され;
pは、1及び2から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、C1-3アルコキシ、ハロゲン、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C6-10アリール、ハロゲン化C6-10アリール、ニトロ、シアノ、−C(=O)−R5、−CO25、−NHC(=O)−R5から選択される1つ又はそれ以上の基で置換され、ここで、R5は、水素、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C3-6シクロアルキル、ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びフェニルから選択され、ここで、該ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールは、場合により、ハロゲン、C1-3アルキル、フェニル及びメトキシから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、R3は無置換フェニルではなく;更に、X及びLの内の少なくとも1つは結合ではない;
によって表される。
【0032】
別の実施態様において、本発明の化合物は、式IA:
ここで、
1及びR2は、独立に、水素、−OH、ハロゲン、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びハロゲン化C1-3アルコキシから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Xは、結合、−C(=O)−及び−S(=O)2−から選択され;
Lは、結合及び−(CH2p−から選択され;
pは、1及び2から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、C1-3アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、R3は無置換フェニルではなく;更に、X及びLの内の少なくとも1つは結合ではない;
によって表すことができる。
【0033】
更なる実施態様において、Xは−C(=O)−である。
【0034】
更に別の実施態様において、Lは、結合及び−CH2−から選択される。
【0035】
更に又別の実施態様において、R3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換される。
【0036】
更なる実施態様において、本発明の化合物は式IA:
ここで、
1及びR2は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Xは、−C(=O)−であり;
Lは、結合及び−CH2−から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、R3は無置換フェニルではない;
によって表すことができる。
【0037】
更なる実施態様において、本発明は、式IB:
【化3】

ここで、
1及びR2は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Ar1は、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換される;
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0038】
更に別の実施態様において、本発明は、式IC:
【化4】

ここで、
1及びRは、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Ar1は、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され;ここで、該フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換される;
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0039】
「薬学的に許容される塩」は、その様な塩が可能であれば、薬学的に許容される酸及び塩基付加塩の両者を包含する。式I、IA、IB又はICの化合物の薬学的に許容される好適な塩は、例えば、十分に塩基性の式I、IA、IB又はICの化合物の酸付加塩塩酸、例えば、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸又はマレイン酸の様な無機又は有機酸との酸付加塩;又は、例えば、十分に酸性の式I、IA、IB、ICの化合物の塩、例えば、ナトリウム、カルシウム又はマグネシウム塩の様なアルカリ若しくはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又はメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン若しくはトリス(2−ヒドロキシエチル)アミンの様な有機塩基との塩である。
【0040】
明細書及び添付の特許請求の範囲の全体を通して、提示された化学式又は名称は、あらゆる立体異性体及び光学異性体、並びにそのラセミ体のみならず、その様な異性体、エナンチオマーが存在する場合、個々のエナンチオマーの異なった割合での混合物、並びに薬学的に許容されるその塩、及び、例えば、水和物の様な、溶媒和物を包含するものとする。異性体は、従来技術、例えば、クロマトグラフィー又は分別結晶化を用いて分離することができる。エナンチオマーは、ラセミ体の分離により、例えば、分別結晶化、分割、又はHPLCにより単離することができる。ジアステレオマーは、異性体混合物の分離、例えば、分別結晶化、HPLC又はフラッシュ・クロマトグラフィーにより単離することができる。或いは又、立体異性体は、キラル出発物質からの、ラセミ化又はエピマー化を起こさない条件下でのキラル合成により、又はキラル試薬による誘導体化により、製造することができる。全ての立体異性体は、本発明の範囲内に含まれる。全ての互変異性体は、それが可能ならば、本発明の範囲内に含まれる。本発明は、又、1つ又はそれ以上の同位体、例えば、14C、11C又は19Fを含む化合物、及び薬理学的及び代謝研究用同位体標識化合物としてのその使用を包含する。
【0041】
本発明は、又、式I、IA、IB又はICの化合物のプロドラッグ、即ち、生体内において、式I、IA、IB又はICの化合物へ転換する化合物を包含する。
【0042】
製造方法
本発明の化合物は、以下に概略を示す様に、以下の方法のいずれかに従って製造することができる。しかしながら、本発明は、これらの方法に限定されず、化合物は、又、先行技術の項において構造的に関連のある化合物に対して記載された様にして製造することができる。
【0043】
1、R2、R3、r、n、m、G、X及びLが上記で定義された通りである式Iの化合物は、式IIA:
【化5】

の化合物を、Y−X−L−R3’ここで、Yは脱離基、例えば、ハロ又は−OHを表わす)と、−25℃から150℃の範囲の温度で、不活性溶媒、例えば、ジクロロメタンの存在下、そして場合により、塩基、例えば、トリエチルアミン又はピリジンの存在下、そして場合により、DMAPの存在下で反応させることにより製造することができる。
【0044】
1、R2、R3、r、n、m、X及びLが上記で定義された通りである式Iの化合物は、式II:
【化6】

をY−X−L−R3(ここで、Yは脱離基、例えば、ハロ又は−OHを表わす)と、−25℃から150℃の範囲の温度で、不活性溶媒、例えば、ジクロロメタンの存在下、そして場合により、塩基、例えば、トリエチルアミン又はピリジンの存在下、そして場合により、DMAPの存在下で反応させることにより製造することができる。
【0045】
式IB:
ここで、
1及びR2は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Ar1は、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換される;
の化合物は、式II:
【化7】

の化合物を、Y−C(=O)−Ar1(ここで、Yは脱離基、例えば、ハロ又は−OHを表わす)と、−25℃から150℃の範囲の温度で、不活性溶媒、例えば、ジクロロメタンの存在下、そして場合により、塩基、例えば、トリエチルアミン又はピリジンの存在下、そして場合により、DMAPの存在下で反応させることにより製造することができる。
【0046】
式IC:
ここで、
1及びR2は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Ar1は、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換される;
の化合物は、式II:
【化8】

の化合物を、Y−C(=O)−Ar1(ここで、Yは脱離基、例えば、ハロ又は−OHを表わす)と、−25℃から150℃の範囲の温度で、不活性溶媒、例えば、ジクロロメタンの存在下、そして場合により、塩基、例えば、トリエチルアミン又はピリジンの存在下、そして場合により、DMAPの存在下で反応させることにより製造することができる。
【0047】
式II又はIIAの化合物は、実施例及びその適用例の最後に示す一般的合成ルート、又は当業者に公知の類似の方法により製造することができる。反応過程の間、ある種の官能基は保護し、次いで、適切な段階で脱離することが必要となることは、当業者に容易に理解されるであろう。本件に関しては、“Protective Groups in Organic Synthesis”, 3rd Edition (1999) by Greene and Wutsを参照されたい。
【0048】
医薬製剤
本発明の化合物は、通常、活性成分又は薬学的に許容される付加塩を含む医薬製剤の形態で、且つ、薬学的に許容される剤形で、経口、非経口、静脈内、筋肉内、皮下又は他の注射可能な方法、口腔、直腸、膣、経皮及び/又は鼻腔経由及び/又は吸入により投与される。疾患及び治療する患者並びに投与経路によって、組成物はさまざまな投与量で投与することができる。
【0049】
ヒトの治療的処置における本発明の化合物の好適な1日投与量は、約0.001〜10mg/kg体重、好ましくは0.01〜1mg/kg体重である。経口製剤は、特に、錠剤又はカプセルが好ましく、これらは、当業者に公知の方法によって製剤化することができ、1回投与量が0.5mgから500mgの範囲、例えば、1mg、3mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg及び250mgの活性化合物を提供することができる。
【0050】
本発明の更なる態様によれば、本発明の化合物又は薬学的に許容されるその誘導体の何れかを、薬学的に許容される補助剤、稀釈剤及び/又は担体との混合物として含有する医薬製剤が提供される。
【0051】
薬理学的特性
式I、IA、IB又はICの化合物は、肥満又は太り過ぎの治療(例えば、体重減少の促進及び体重減少の維持)、体重増加の防止(例えば、薬剤誘発性又は喫煙停止後の)のため;食欲及び/又は飽食、食欲異常(例えば、大食、拒食症、過食症及び強制過食)、渇望(薬物、タバコ、アルコール、食欲をそそる主要栄養素又は非必須食品)の調節のため;精神異常及び/又は気分障害、統合失調症、統合失調症に関連する認識欠損症、統合失調性感情障害、双極性障害、不安神経症、不安抑うつ障害、うつ病、躁病、強迫神経症、衝動調節障害(例えば、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群)、ADD/ADHDのような注意力障害、及びストレスなどの精神障害、並びに認知症、認識及び/又は記憶機能障害(例えば、記憶喪失、アルツハイマー病、ピック認知症、老化による認知症、血管性認知症、軽度認識障害、加齢に関連した認識衰退、老化の軽度認知症)、神経及び/又は神経変性障害(例えば、多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病及びアルツハイマー病)、脱髄関連疾患、神経炎症性疾患(例えば、ギラン・バレー症候群)などの神経障害の治療のために有用である。
【0052】
本化合物は、又、依存症及び嗜癖障害並びに行動(例えば、アルコール及び/又は薬物濫用、病的賭博、盗癖)、薬物離脱障害(知覚障害有り又は無しのアルコール離脱;アルコール離脱性譫妄;アンフェタミン離脱;コカイン離脱;ニコチン離脱;オピオイド離脱;知覚障害有り又は無しの鎮痛剤、睡眠薬又は抗不安薬離脱;鎮痛剤、睡眠薬又は抗不安薬離脱性譫妄、及び他の物質による離脱症状)、離脱期間中に発現するアルコール及び/又は薬物性の気分、不安及び/又は睡眠障害、及びアルコール及び/又は薬物依存再発の防止又は治療のために、潜在的に有用である。
【0053】
本化合物は、又、筋失調症、運動障害、静座不能、震え及び痙縮などの神経機能障害の予防又は治療、脊髄損傷、神経障害、片頭痛、不眠障害、睡眠障害(例えば、睡眠構築障害、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛性障害、頭蓋外傷の治療のために、潜在的に有用である。
【0054】
本化合物は、又、免疫、心臓血管障害(例えば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心拍リズム異常及び不整脈)、うっ血性心不全、冠動脈疾患、心疾患、高血圧の治療;左心室肥大、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、末梢血管障害、血管系の全身性炎症、敗血性ショック、脳卒中、脳出血、脳梗塞、脳虚血、脳血栓症、脳塞栓症、脳内出血、代謝障害(例えば、代謝活性低下又は全無脂肪質量に対するパーセントとして静止エネルギー消費量の低下を示す疾患、糖尿病、異常脂質血症、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖能異常、空腹時血糖値異常、インシュリン耐性、インシュリン耐性症候群、メタボリック症候群、シンドロームX、肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低HDL及び/又は高LDLコレステロール血症、低アディポネクチン血症)、生殖及び内分泌障害(男性の性腺機能低下症の治療、不妊症又は避妊としての治療、月経不順/月経異常、多嚢胞卵巣、女性及び男性の性及び生殖機能障害(勃起不全)、GH欠損対象者、女性の多毛、正常変異小人症)及び呼吸器に関連した病気(例えば、喘息及び慢性閉塞性肺疾患)並びに胃腸系に関連した病気(例えば、胃腸運動又は腸管推進機能不全、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢疾患、胆石症、肥満が関連した胃食道逆流、潰瘍)の防止及び治療のために、潜在的に有用である。
【0055】
本化合物は、又、皮膚科的疾患、癌(例えば、大腸癌、直腸癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、頸癌、胆嚢癌、胆管癌)、頭蓋咽頭腫、プラダーウィリ症候群、ターナー症候群、フレーリッヒ症候群、緑内障、感染症、尿路障害及び炎症性疾患(例えば、変形性関節炎、炎症、炎症性ウイルス脳炎後遺症、変形性関節症)及び整形外科的障害の治療における薬剤として、潜在的に有用である。本化合物は、又、(食道の)無弛緩症の治療における薬剤として、潜在的に有用である。
【0056】
別の態様において、本発明は、医薬品として使用するための、前に定義した式I、IA、IB又はICの化合物を提供する。
【0057】
更なる態様において、本発明は、肥満又は太り過ぎの治療又は予防(例えば、体重減少の促進及び体重減少の維持)、体重増加の防止(例えば、薬剤誘発性又は喫煙停止後の)のため;食欲及び/又は飽食、食欲異常(例えば、大食、拒食症、過食症及び強制過食)、渇望(薬物、タバコ、アルコール、何か食欲をそそる主要栄養素又は非必須食品)の調節のため;精神異常及び/又は気分障害、統合失調症、統合失調症に関連する認識欠損症、統合失調性感情障害、双極性障害、不安神経症、不安抑うつ障害、うつ病、躁病、強迫神経症、衝動調節障害(例えば、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群)、ADD/ADHDのような注意力障害、及びストレスなどの精神障害、並びに認知症、認識及び/又は記憶機能障害(例えば、記憶喪失、アルツハイマー病、ピック認知症、老化による認知症、血管性認知症、軽度認識障害、加齢に関連した認識衰退、老化の軽度認知症)、神経及び/又は神経変性障害(例えば、多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病及びアルツハイマー病)、脱髄関連疾患、神経炎症性疾患(例えば、ギラン・バレー症候群)などの神経障害の治療のための医薬品の製造における、式I、IA、IB又はICの化合物の使用を提供する。
【0058】
更なる態様において、本発明は、依存症及び嗜癖障害並びに行動(例えば、アルコール及び/又は薬物濫用、病的賭博、盗癖)、薬物離脱障害(知覚障害有り又は無しのアルコール離脱;アルコール離脱性譫妄;アンフェタミン離脱;コカイン離脱;ニコチン離脱;オピオイド離脱;知覚障害有り又は無しの鎮痛剤、睡眠薬又は抗不安薬離脱;鎮痛剤、睡眠薬又は抗不安薬離脱性譫妄、及び他の物質による離脱症状)、離脱期間中に発現するアルコール及び/又は薬物性の気分、不安及び/又は睡眠障害、及びアルコール及び/又は薬物依存再発の治療又は予防のための医薬品の製造における、式I、IA、IB又はICの化合物の使用を提供する。
【0059】
更なる態様において、本発明は、筋失調症、運動障害、静座不能、震え及び痙縮の治療又は予防のため;及び脊髄損傷、神経障害、片頭痛、不眠障害、睡眠障害(例えば、睡眠構築障害、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛性障害、頭蓋外傷の治療のための医薬品の製造における、式I、IA、IB又はICの化合物の使用を提供する。
【0060】
更なる態様において、本発明は、免疫、心臓血管障害(例えば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心拍リズム異常、及び不整脈)、うっ血性心不全、冠動脈疾患、心疾患、高血圧の治療又は予防;左心室肥大、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、末梢血管障害、血管系の全身性炎症、敗血性ショック、脳卒中、脳出血、脳梗塞、脳虚血、脳血栓症、脳塞栓症、脳内出血、代謝障害(例えば、代謝活性低下又は全無脂肪質量に対するパーセントとして静止エネルギー消費量の低下を示す疾患、糖尿病、異常脂質血症、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖能異常、空腹時血糖値異常、インシュリン耐性、インシュリン耐性症候群、メタボリック症候群、シンドロームX、肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低HDL及び/又は高LDLコレステロール血症、低アディポネクチン血症)、生殖及び内分泌障害(男性の性腺機能低下症の治療、不妊症又は避妊としての治療、月経不順/月経異常、多嚢胞卵巣、女性及び男性の性及び生殖機能障害(勃起不全)、GH欠損対象者、女性の多毛、正常変異小人症)及び呼吸器に関連した病気(例えば、喘息及び慢性閉塞性肺疾患)並びに胃腸系に関連した病気(例えば、胃腸運動又は腸管推進機能不全、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢疾患、胆石症、肥満が関連した胃食道逆流、潰瘍)の防止及び治療のための医薬品の製造における、式I、IA、IB又はICの化合物の使用を提供する。
【0061】
更なる態様において、本発明は、皮膚科的疾患、癌(例えば、大腸癌、直腸癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、頸癌、胆嚢癌、胆管癌)、頭蓋咽頭腫、プラダーウィリ症候群、ターナー症候群、フレーリッヒ症候群、緑内障、感染症、尿路障害及び炎症性疾患(例えば、変形性関節炎、炎症、炎症性ウイルス脳炎後遺症、変形性関節症)及び整形外科的障害の治療又は予防のための医薬品の製造における、式I、IA、IB又はICの化合物の使用を提供する。
【0062】
なお更なる態様において、本発明は、肥満又は太り過ぎの予防又は治療(例えば、体重減少の促進及び体重減少の維持)、体重増加の防止(例えば、薬剤誘発性又は喫煙停止後の)のため;食欲及び/又は飽食、食欲異常(例えば、大食、拒食症、過食症及び強制過食)、渇望(薬物、タバコ、アルコール、何か食欲をそそる主要栄養素又は非必須食品)の調節のため;精神異常及び/又は気分障害、統合失調症、統合失調症に関連する認識欠損症、統合失調性感情障害、双極性障害、不安神経症、不安抑うつ障害、うつ病、躁病、強迫神経症、衝動調節障害(例えば、ジル・ド・ラ・トゥレット症候群)、ADD/ADHDのような注意力障害、及びストレスなどの精神障害、並びに認知症、認識及び/又は記憶機能障害(例えば、記憶喪失、アルツハイマー病、ピック認知症、老化による認知症、血管性認知症、軽度認識障害、加齢に関連した認識衰退、老化の軽度認知症)、神経及び/又は神経変性障害(例えば、多発性硬化症、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病及びアルツハイマー病)、脱髄関連疾患、神経炎症性疾患(例えば、ギラン・バレー症候群)などの神経障害の治療のために、式I、IA、IB又はICの化合物の薬理学的有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
【0063】
なお更なる態様において、本発明は、依存症及び嗜癖障害並びに行動(例えば、アルコール及び/又は薬物濫用、病的賭博、盗癖)、薬物離脱障害(知覚障害有り又は無しのアルコール離脱;アルコール離脱性譫妄;アンフェタミン離脱;コカイン離脱;ニコチン離脱;オピオイド離脱;知覚障害有り又は無しの鎮痛剤、睡眠薬又は抗不安薬離脱;鎮痛剤、睡眠薬又は抗不安薬離脱性譫妄、及び他の物質による離脱症状)、離脱期間中に発現するアルコール及び/又は薬物性の気分、不安及び/又は睡眠障害、及びアルコール及び/又は薬物依存再発の予防又は治療のために、式I、IA、IB又はICの化合物の薬理学的有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
【0064】
なお更なる態様において、本発明は、筋失調症、運動障害、静座不能、震え及び痙縮の予防又は治療のため;及び脊髄損傷、神経障害、片頭痛、不眠障害、睡眠障害(例えば、睡眠構築障害、睡眠時無呼吸、閉塞性睡眠時無呼吸、睡眠時無呼吸症候群)、疼痛性障害、頭蓋外傷の治療のために、式I、IA、IB又はICの化合物の薬理学的有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
【0065】
なお更なる態様において、本発明は、免疫、心臓血管障害(例えば、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心拍リズム異常、及び不整脈)、うっ血性心不全、冠動脈疾患、心疾患、高血圧の予防又は治療のため;左心室肥大、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、末梢血管障害、血管系の全身性炎症、敗血性ショック、脳卒中、脳出血、脳梗塞、脳虚血、脳血栓症、脳塞栓症、脳内出血、代謝性疾患(例えば、代謝活性低下又は全無脂肪質量に対するパーセントとして静止エネルギー消費量の低下を示す疾患、糖尿病、異常脂質血症、脂肪肝、痛風、高コレステロール血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高尿酸血症、耐糖能異常、空腹時血糖値異常、インシュリン耐性、インシュリン耐性症候群、メタボリック症候群、シンドロームX、肥満低換気症候群(ピックウィック症候群)、I型糖尿病、II型糖尿病、低HDL及び/又は高LDLコレステロール血症、低アディポネクチン血症)、生殖及び内分泌障害(男性の性腺機能低下症の治療、不妊症又は避妊としての治療、月経不順/月経異常、多嚢胞卵巣、女性及び男性の性及び生殖機能障害(勃起不全)、GH欠損対象者、女性の多毛、正常変異小人症)及び呼吸器に関連した病気(例えば、喘息及び慢性閉塞性肺疾患)並びに胃腸系に関連した病気(例えば、胃腸運動又は腸管推進機能不全、下痢、嘔吐、吐き気、胆嚢疾患、胆石症、肥満が関連した胃食道逆流、潰瘍)の防止及び治療のために、式I、IA、IB又はICの化合物の薬理学的有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
【0066】
なお更なる態様において、本発明は、皮膚科的疾患、癌(例えば、大腸癌、直腸癌、前立腺癌、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、頸癌、胆嚢癌、胆管癌)、頭蓋咽頭腫、プラダーウィリ症候群、ターナー症候群、フレーリッヒ症候群、緑内障、感染症、尿路障害及び炎症性疾患(例えば、変形性関節炎、炎症、炎症性ウイルス脳炎後遺症、変形性関節症)及び整形外科的障害の予防又は治療のために、式I、IA、IB又はICの化合物の薬理学的有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
【0067】
本発明の化合物は、肥満又は太り過ぎの治療(例えば、体重減少の促進及び体重減少の維持)、体重増加(例えば、薬剤誘発性又は喫煙停止後の跳ね返り)の防止又は逆転のため;食欲及び/又は飽食、食欲異常(例えば、大食、拒食症、過食症及び強制過食)、渇望(薬物、タバコ、アルコール、何か食欲をそそる主要栄養素又は非必須食品)の調節のために、特に有用である。
【0068】
式I、IA、IB又はICの化合物は、肥満;精神異常、統合失調症、双極性障害、不安神経症、不安抑うつ障害、うつ病、認識力障害、記憶障害、強迫神経症、拒食症、過食症、ADHDのような注意力障害、癲癇、及び関連する疾患の様な精神障害;及び認知症、神経疾患(例えば、多発性硬化症)、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病及びアルツハイマー病のような神経障害の治療に有用である。本化合物は、又、免疫性、心臓血管性、繁殖性及び内分泌性障害、敗血性ショック、並びに呼吸器及び胃腸系に関連する病気(例えば、下痢)の治療のために、潜在的に有用である。本化合物は、又、長期濫用、依存症及び/又は再発兆候の治療、例えば薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、アヘン剤など)依存症の治療及び/又は薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、アヘン剤など)離脱症状の治療における薬剤として、潜在的に有用である。本化合物は、又、通常の喫煙停止に伴う体重の増加を排除することができる。
【0069】
別の態様において、本発明は、医薬品として使用するための、前に定義した式I、IA、IB又はICの化合物を提供する。
【0070】
更なる態様において、本発明は、肥満;精神異常、統合失調症、双極性障害、不安神経症、不安抑うつ障害、うつ病、認識力障害、記憶障害、強迫神経症、拒食症、過食症、ADHDのような注意力障害、癲癇、及び関連する疾患のような精神障害;認知症、神経疾患(例えば、多発性硬化症)、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病及びアルツハイマー病のような神経障害;免疫性、心臓血管性、繁殖性及び内分泌性障害;敗血性ショック;呼吸器及び胃腸系に関連する病気(例えば、下痢);及び長期濫用、依存症及び/又は再発兆候、例えば、治療薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、アヘン剤など)依存症及び/又は治療薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、アヘン剤など)離脱症状の治療又は予防のための医薬品の製造における、式I、IA、IB又はICの化合物の使用を提供する。
【0071】
なお更なる態様において、本発明は、肥満;統合失調症及び双極性障害などの精神異常、不安神経症、不安抑うつ障害、うつ病、認識力障害、記憶障害、強迫神経症、拒食症、過食症、ADHDのような注意力障害、癲癇、及び関連する疾患のような精神障害;認知症、神経疾患(例えば、多発性硬化症)、レイノー症候群、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病及びアルツハイマー病のような神経障害;免疫性、心臓血管性、繁殖性及び内分泌性障害;敗血性ショック;呼吸器及び胃腸系に関連する病気(例えば、下痢);及び長期濫用、依存症及び/又は再発兆候、例えば、治療薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、アヘン剤など)依存症及び/又は治療薬物(ニコチン、エタノール、コカイン、アヘン剤など)離脱症状の治療及び予防のために、式I、IA、IB又はICの化合物の薬理学的有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む治療方法を提供する。
【0072】
本発明の化合物は、例えば、食欲及び体重の低下、体重低下の維持及び反動の防止による肥満症の治療に、特に好適である
【0073】
本発明の化合物は、又、薬物誘発体重増加、例えば、抗精神病薬(神経安定剤)療法によって起こる体重増加を防止又は逆行させるために使うことができる。本発明の化合物は、又、禁煙に伴う体重増加を防止又は逆行させるために使うことができる。
【0074】
本発明の化合物は、子供又は青年期の患者集団における上記徴候の治療に使うのに好適である。
【0075】
併用療法
本発明の化合物は、他の抗肥満薬のような肥満症の治療に有用であり、エネルギー消費、解糖、グルコース新生、グリコーゲン分解、脂肪分解、脂質生成、脂肪吸収、脂肪蓄積、脂肪排出、空腹及び/又は飽食及び/又は渇望のメカニズム、食欲/刺激、食物摂取、又はG−I運動性に影響を与える、別の治療薬と併用してもよい。
【0076】
本発明の化合物は、更に、高血圧、高脂血症、異常脂質血症、糖尿病、睡眠時無呼吸、喘息、心疾患、アテローム性動脈硬化症、大血管及び微小血管疾患、肝脂肪症、癌、関節疾患、及び胆嚢疾患のような肥満に関連する疾患の治療に有用な、別の治療薬と併用してもよい。例えば、本発明の化合物は、血圧を下げる又はLDL:HDLの比率を下げる他の治療薬若しくはLDLコレステロールの循環濃度を下げる薬剤と併用してもよい。糖尿病の患者において、本発明の化合物は、又、細小血管障害に関係のある合併症を治療するために使われる治療薬と併用してもよい。
【0077】
本発明の化合物は、肥満及びそれに関連する合併症のメタボリック症候群及び2型糖尿病の治療のために、ビグアニド剤、インシュリン(合成インシュリン類似体)及び経口血糖降下剤(食事グルコース調節剤及びα−グルコシダーゼ阻害剤に分けられる)を含む、他の療法と平行して使うことができる。
【0078】
本発明の別の態様において、式I、IA、IB又はICの化合物又は薬学的に許容されるその塩は、PPAR(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体)調節剤と併用して投与することができる。PPAR調節剤としては、PPARα及び/又はγアゴニスト、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、その様な塩の溶媒和物若しくはプロドラッグが挙げられるが、これらに限定されない。好適なPPARα及び/又はγアゴニスト、又は薬学的に許容されるその塩、溶媒和物、その様な塩の溶媒和物若しくはプロドラッグは、業界で公知である。
【0079】
又、本発明の併用は、スルホニル尿素と併用してもよい。本発明は、又、コレステロール降下薬と組み合わせた本発明の化合物を包含する。本出願において言及するコレステロール降下薬には、HMG−CoA還元酵素(3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル・コエンザイムA還元酵素)阻害剤が挙げられるが、これに限定されない。好適には、HMG−CoA還元酵素阻害剤はスタチンである。
【0080】
本出願において、用語「コレステロール降下薬」には、又、活性か不活性かに拘わらず、HMG−CoA還元酵素阻害剤のエステル、プロドラッグ及び代謝産物のような化学修飾体が包まれる。
【0081】
本発明は、又、回腸胆汁酸輸送系の阻害剤(IBAT阻害剤)と組み合わせた本発明の化合物を包含する。本発明は、又、胆汁酸結合樹脂と組み合わせた本発明の化合物を包含する。
【0082】
本発明は、又、胆汁酸封鎖剤、例えば、コレスチポール又はコレスチラミン若しくはコレスタゲルと組み合わせた本発明の化合物を包含する。
【0083】
なお更なる本発明の態様によれば、式I、IA、IB又はICの化合物又は薬学的に許容されるその塩の有効量を、場合により、薬学的に許容される稀釈剤又は担体と共に、並びに、以下の薬剤:
CETP(コレステリルエステル輸送タンパク質)阻害剤;
コレステロール吸収アンタゴニスト;
MTP(ミクロソーム輸送タンパク質)阻害剤;
持続放出性及び配合製品を含む、ニコチン酸誘導体;
フィトステロール化合物;
プロブコール;
抗凝固剤;
オメガ3脂肪酸;
別の抗肥満化合物、例えば、シブトラミン、フェンテルミン、オルリスタット、ブプロピオン、エフェドリン、チロキシン;
抗高血圧化合物、例えば、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト、アドレナリン遮断薬、α遮断薬、β遮断薬、混合α/β遮断薬、アドレナリン作動性刺激剤、カルシウムチャンネル遮断薬、AT−1遮断薬、塩分排泄剤、利尿剤又は血管拡張剤;
メラニン凝集ホルモン(MCH)調節剤;
NPY受容体調節剤;
オレキシン受容体調節剤;
ホスホイノシチド依存プロテインキナーゼ(PDK)調節剤;又は核内受容体の調節剤、例えば、LXR、FXR、RXR、GR、ERRα、ERRβ、PPARα、PPARβ、PPARγおよびRORα;
モノアミン伝達調節剤、例えば、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(NARI)、ノルアドレナリン−セロトニン再取り込み阻害剤(SNRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、三環系抗うつ剤(TCA)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤(NaSSA);
抗精神病薬、例えば、オランザピン及びクロザピン;
セロトニン受容体調節剤;
レプチン/レプチン受容体調節剤;
グレリン/グレリン受容体調節剤;
DPP−IV阻害剤;
又は薬学的に許容されるそれらの塩、それらの溶媒和物、それらの塩の溶媒和物若しくはそれらのプロドラッグから選択される1種又はそれ以上の薬剤を、場合により、薬学的に許容される稀釈剤又は担体と共に、同時、順次的又は別々の投与により、その様な治療的処置が必要なヒトなどの温血動物に投与することを含む併用療法が提供される。
【0084】
なお更なる本発明の態様によれば、式I、IA、IB又はICの化合物又は薬学的に許容されるその塩の有効量を、場合により、薬学的に許容される稀釈剤又は担体と共に、並びに極低カロリー食(VLCD)又は低カロリー食(LCD)と共に、同時、順次的又は別々の投与により、投与することを含む併用療法が提供される。
【0085】
従って、本発明のもう1つの側面において、ヒトなどの温血動物における肥満及びそれに関連する合併症の治療法であって、式I、IA、IB又はICの化合物又は薬学的に許容されるその塩の有効量を、本明細書の併用の項に記載された他のクラスの化合物の内の1つの化合物又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物、その塩の溶媒和物若しくはそのプロドラッグの有効量と、同時、順次的又は別々に、その様な治療を必要とする該動物に投与することを含む治療法が提供される。
【0086】
従って、本発明のもう1つの側面において、ヒトなどの温血動物における高脂血症の治療法であって、式I、IA、IB又はICの化合物又は薬学的に許容されるその塩の有効量を、本明細書の併用の項に記載された他のクラスの化合物の内の1つの化合物又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物、その塩の溶媒和物若しくはそのプロドラッグの有効量と、同時、順次的又は別々に、その様な治療を必要とする該動物に投与することを含む治療法が提供される。
【0087】
本発明の更なる態様によれば、式I、IA、IB又はICの化合物又は薬学的に許容されるその塩、及び本明細書の併用の項に記載された他のクラスの化合物の内の1つの化合物、又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物、その塩の溶媒和物若しくはそのプロドラッグを、薬学的に許容される稀釈剤又は担体と一緒に含む医薬組成物が提供される。
【0088】
本発明の更なる態様によれば、式I、IA、IB又はICの化合物又は薬学的に許容されるその塩、及び本明細書の併用の項に記載された他のクラスの化合物の内の1つの化合物、又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物、その塩の溶媒和物若しくはそのプロドラッグを含むキットが提供される。
【0089】
本発明の更なる態様によれば、
a)第1の単位剤形中の、式I、IA、IB又はICの化合物又は薬学的に許容されるその塩;
b)第2の単位剤形中の、本明細書の併用の項に記載された他のクラスの化合物の内の1つの化合物、又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物、その塩の溶媒和物若しくはそのプロドラッグ;及び
c)該第1の単位剤形及び第2の単位剤形を入れるための容器;
を含むキットが提供される。
【0090】
本発明の更なる態様によれば、
a)第1の単位剤形中の、薬学的に許容される稀釈剤又は担体と併せた式I、IA、IB又はICの化合物又は薬学的に許容されるその塩;
b)第2の単位剤形中の、本明細書の併用の項に記載された他のクラスの化合物の内の1つの化合物、又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物、その塩の溶媒和物若しくはそのプロドラッグ;及び
c)該第1の単位剤形及び第2の単位剤形を入れるための容器;
を含むキットが提供される。
【0091】
本発明の別の側面によれば、ヒトのような温血動物の肥満及びそれに関連する合併症の治療に使う医薬品の製造における、式I、IA、IB又はICの化合物、又は薬学的に許容されるその塩、及び本明細書の併用の項に記載された他のクラスの化合物の内の1つ、又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物、その塩の溶媒和物若しくはそのプロドラッグの使用を提供する。
【0092】
本発明の別の側面によれば、ヒトのような温血動物の高脂血症の治療に使う医薬品の製造における、式I、IA、IB又はICの化合物、又は薬学的に許容されるその塩、及び本明細書の併用の項に記載された他のクラスの化合物の内の1つ、又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物、その塩の溶媒和物若しくはそのプロドラッグの使用を提供する。
【0093】
本発明の更なる態様によれば、式I、IA、IB又はICの化合物又は薬学的に許容されるその塩の有効量を、場合により、薬学的に許容される稀釈剤又は担体と共に、並びに、本明細書の併用の項に記載された他のクラスの化合物の内の1つ、又は薬学的に許容されるその塩、その溶媒和物、その塩の溶媒和物若しくはそのプロドラッグの有効量を、場合により、薬学的に許容される稀釈剤又は担体と共に、同時、順次的又は別々の投与によって、その様な治療的処置が必要なヒトなどの温血動物に投与することを含む併用療法が提供される。
【0094】
なおその上、本発明の化合物は、又、肥満に関連する障害又は疾患(例えば、II型糖尿病、代謝症候群、異常脂質血症、耐糖能異常、高血圧、冠状動脈性心臓病、非アルコール性脂肪肝炎、変形性関節炎及びある種の癌など)並びに精神及び神経障害の治療に有用な治療薬と併用してもよい。
【0095】
医学的に認められた肥満及び太り過ぎの定義があることは理解されるであろう。患者は、例えば、体重(キログラム)を身長(メートル)の二乗で割って求める肥満度指数(BMI)を測定し、結果を定義と比較することによって確認される。
【0096】
薬理活性
本発明の化合物は、CB1遺伝子産物の受容体に対して活性を有する。本発明の化合物の中枢性カンナビノイド受容体に対する親和性は、DevaneらがMolecular Pharmacology, 1988, 34,605に記載した方法、又は国際特許第01/70700号又は欧州特許第656354号に記載されている方法によって実証することができる。或いは又、アッセイは以下のように行ってもよい。
【0097】
CB1遺伝子を安定的に移入した細胞から調製した10μgの膜を、200μLのNaCl(100mM)、MgCl2(5mM)、EDTA(1mM)、HEPES(50mM,pH7.4)、DTT(1mM)、BSA(0.1%)及びGDP(100μM)に懸濁させる。これに、EC80濃度のアゴニスト(CP55940)、必要な濃度の試験化合物及び[35S]−GTPγS(0.1μCi)を添加する。
反応は、30℃で45分間行う。試料はセルハーベスタを用いてGF/Bフィルター上に移し、洗浄バッファー(Tris(50mM、pH7.4)、MgCl2(5mM)、NaCl(50mM))で洗浄する。次にフィルターをシンチラントで覆い、フィルターに残留した[35S]−GTPγSの量を計測する。
【0098】
活性は、全てのリガンドの非存在下(最小活性)又はEC80濃度のCP55940の存在下(最大活性)で測定する。これらの活性は、それぞれ0%及び100%活性として設定される。新規なリガンドのさまざまな濃度での活性が、最大活性に対するパーセントとして計算されプロットされる。データは、等式y=A+((B−A)/1+((C/x)UD))を用いて近似し、IC50値は、使用条件下でのGTPγS結合を最大の50%阻害するのに必要な濃度として測定される。
【0099】
本発明の化合物は、CB1受容体に対して活性を有する(IC50<1マイクロモル)。IC50<200ナノモルを有する化合物が、最も好ましい。
本発明の化合物は、選択的CB1アンタゴニスト又はインバースアゴニストと思われる。効力、選択性の側面及び副作用の傾向は、これまで知られたCB1のアンタゴニスト的/インバースアゴニスト的特性を持つとされる化合物の臨床的な有用性を制限する可能性がある。この点において、本発明の化合物の胃腸及び/又は心臓血管機能のモデルにおける前臨床評価は、代表的な対照のCB1アンタゴニスト/インバースアゴニスト剤と比較して、著しい利点を提示することを示唆する。
【0100】
本発明の化合物は、効力、選択性の側面、生体利用性、血漿内半減期、血液脳関門透過性、血漿タンパク質結合性(例えば、増加する薬剤の遊離分画)又は溶解性に関して、代表的な対照のCB1アンタゴニスト/インバースアゴニスト剤と比較して、更なる便益を提供することができる。
【0101】
本発明の化合物の、肥満及び関連する疾患の治療における有用性は、カフェテリアダイエット誘導肥満マウスの体重減少によって示される。雌性C57Bl/6Jマウスに、高カロリー・カフェテリアダイエット(ソフトチョコレート/ココア型のペストリー、チョコレート、脂肪質チーズ及びヌガー)及び標準実験動物食餌を自由摂取で8〜10週間与えた。次に試験する化合物を全身的(iv、ip、sc又はpo)に、1日1回、最少で5日間投与し、マウスの体重を毎日測定した。同時に脂肪過多症を、ベースライン及び研究終了時のDEXA画像化によって評価した。肥満に関係する血漿マーカーの変化をアッセイするために、血液採取も行った。
【実施例】
【0102】
略号
DMF: ジメチルホルムアミド;
DMSO: ジメチルスルホキシド;
DEA: ジエチルアミン;
EtOAc: 酢酸エチル;
THF: テトラヒドロフラン;
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン;
TLC: 薄層クロマトグラフィー;
t: 三重線;
s: 一重線;
d: 二重線;
q: 四重線;
qvint: 五重線;
m: 多重線;
br: 広幅;
bs: 広幅一重線;
dm : 多重線の二重線;
bt: 広幅三重線;
dd : 二重線の二重線;
【0103】
〔実施例1〕
【0104】
1−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イル)−4−(2−ニトロ−フェニルメタンスルホニル)−ピペラジン
【化9】

1,2−ジクロロエタン(10mL)中1−(ジベンゾスベリル)−ピペラジン(0.118g、0.42mmol)の溶液に、1,2−ジクロロエタン中0.15Mの2−ニトロ−α−トルエンスルホニルクロリドの溶液(2.8mL、0.42mmol)、トリエチルアミン(69μL、0.50mmol)及びDMAP(5mg、0.042mmol)を加えた。混合物を、50℃で終夜撹拌し、次いで、蒸発乾固(100mg)した。未精製化合物をDMF(2mL)中に再溶解し、分取型LC/MSで精製し、標題の化合物をTFA塩として得た(67mg、33%)。
+ESMS(M + 1)478.2。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式IA:
【化1】

(式中、
1及びR2は、独立に、水素、−OH、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン化C1-6アルコキシ、−NR4C(=O)−O−R4、−S(=O)2−NR44及び−O−S(=O)2−R4から選択され;ここで、それぞれのR4は、独立に、水素、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル及びハロゲン化C3-6シクロアルキルから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
m及びnは、独立に、1、2、3及び4から選択され;
Xは、結合、−C(=O)−、−S(=O)2−、−C(=O)−N−及び−C(=S)−N−から選択され;
Lは、結合、−(CH2p−、−(CH2p−O−、−C(=O)−O−、−(CH2pS−、−CH2NHC(=O)−CH2−から選択され;
pは、0、1及び2から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及びC3-9ヘテロシクリルから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及びC3-9ヘテロシクリルは、場合により、C1-6アルコキシ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、アリール、ハロゲン化アリール、ニトロ、シアノ、−C(=O)−R5、−CO25、−NHC(=O)−R5から選択される1つ又はそれ以上の基で置換され、ここで、R5は、水素、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C3-6シクロアルキル、ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールから選択され、ここで、該ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールは、場合により、ハロゲン、C1-3アルキル、フェニル及びメトキシから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、X及びLの内の少なくとも1つは結合ではない)
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
1及びR2は、独立に、水素、−OH、ハロゲン、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、ハロゲン化C1-3アルコキシ、−NR4C(=O)−O−R4、−S(=O)2−NR44及び−O−S(=O)2−R4から選択され;ここでそれぞれの
4は、独立に、水素及びC1-3アルキルから選択され;
m及びnは、独立に、1、2及び3から選択され;
Xは、結合、−C(=O)−、−S(=O)2−、−C(=O)−N−及び−C(=S)−N−から選択され;
Lは、結合、−(CH2p−、−C(=O)−O−、−(CH2p−O−、−(CH2pS−、−CH2NHC(=O)−CH2−から選択され;
pは、1及び2から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、C1-3アルコキシ、ハロゲン、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C6-10アリール、ハロゲン化C6-10アリール、ニトロ、シアノ、−C(=O)−R5、−CO25、−NHC(=O)−R5から選択される1つ又はそれ以上の基で置換され、ここで、R5は、水素、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C3-6シクロアルキル、ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びフェニルから選択され、ここで該へテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールは、場合により、ハロゲン、C1-3アルキル、フェニル及びメトキシから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、R3は無置換フェニルではない;
請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
1及びR2は、独立に、水素、−OH、ハロゲン、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びハロゲン化C1-3アルコキシから選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Xは、結合、−C(=O)−及び−S(=O)2−から選択され;
Lは、結合及び−(CH2p−から選択され;
pは、1及び2から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、C1-3アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、R3は無置換フェニルではない;
請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1及びR2が、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシから選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
Xが−C(=O)−である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
Lが結合及び−CH2−から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
3が、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換される;
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
1及びR2は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシから選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Xは、−C(=O)−であり;
Lは、結合及び−CH2−から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換される;
請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
式IB:
【化2】

(式中、
1及びR2は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Ar1は、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換される)
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項10】
式IC:
【化3】

(式中、
1及びR2は、独立に、水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、トリフルオロメチル及びメトキシから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Ar1は、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチル、シアノ、メトキシ及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換される)
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項11】
1−(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[a,d]シクロヘプテン−5−イル)−4−(2−ニトロ−フェニルメタンスルホニル)−ピペラジン及び薬学的に許容されるその塩から選択される化合物。
【請求項12】
式I:
【化4】

(式中、
Gは、CH及びNから選択され;
1及びR2は、独立に、水素、−OH、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン化C1-6アルコキシ、−NR4C(=O)−O−R4、−S(=O)2−NR44及び−O−S(=O)2−R4から選択され;ここで、それぞれのR4は、独立に、水素、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル及びハロゲン化C3-6シクロアルキルから選択され;
rは、0、1及び2から選択され;
m及びnは、独立に、1、2、3及び4から選択され;
Xは、結合、−C(=O)−、−S(=O)2−、−C(=O)−N−及び−C(=S)−N−から選択され;
Lは、結合、−(CH2p−、−(CH2p−O−、−C(=O)−O−、−(CH2pS−、−CH2NHC(=O)−CH2−から選択され;
pは、0、1及び2から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及びC3-9ヘテロシクリルから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及びC3-9ヘテロシクリルは、場合により、C1-6アルコキシ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、アリール、ハロゲン化アリール、ニトロ、シアノ、−C(=O)−R5、−CO25、−NHC(=O)−R5から選択される1つ又はそれ以上の基で置換され、ここで、R5は、水素、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C3-6シクロアルキル、ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールから選択され、ここで、該ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールは、場合により、ハロゲン、C1-3アルキル、フェニル及びメトキシから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、X及びLの内の少なくとも1つは結合ではない)
の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項13】
1及びR2は、独立に、水素、−OH、ハロゲン、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、ハロゲン化C1-3アルコキシ、−NR4C(=O)−O−R4、−S(=O)2−NR44及び−O−S(=O)2−R4から選択され;ここで、それぞれのR4は、独立に、水素及びC1-3アルキルから選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Xは、結合、−C(=O)−、−S(=O)2−、−C(=O)−N−及び−C(=S)−N−から選択され;
Lは、結合、−(CH2p−、−C(=O)−O−、−(CH2p−O−、−(CH2pS−、−CH2NHC(=O)−CH2−から選択され;
pは、1及び2から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、C1-3アルコキシ、ハロゲン、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C6-10アリール、ハロゲン化C6-10アリール、ニトロ、シアノ、−C(=O)−R5、−CO25、−NHC(=O)−R5から選択される1つ又はそれ以上の基で置換され、ここで、R5は、水素、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C3-6シクロアルキル、ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びフェニルから選択され、ここで、該ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールは、場合により、ハロゲン、C1-3アルキル、フェニル及びメトキシから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、R3は無置換フェニルではない;
請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
1及びR2は、独立に、水素、−OH、ハロゲン、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びハロゲン化C1-3アルコキシから選択され;
m及びnは、独立に、1及び2から選択され;
Xは、結合、−C(=O)−及び−S(=O)2−から選択され;
Lは、結合及び−(CH2p−から選択され;
pは、1及び2から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、フェニル及びC3-5ヘテロアリールは、場合により、C1-3アルコキシ、ハロゲン、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、ハロゲン化C1-3アルキル及びベンズヒドリルから選択される1つ又はそれ以上の基で置換され;
但し、R3は無置換フェニルではない;
請求項12に記載の化合物。
【請求項15】
医薬として使用するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項16】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物、及び薬学的に許容される補助剤、賦形剤又は担体を含む薬学的処方。
【請求項17】
肥満;精神病性障害、統合失調症及び双極性障害、不安、不安抑うつ障害、うつ病、認識力障害、記憶障害、強迫神経症、食欲不振症、過食症、注意力障害、てんかん及び関連する疾患の様な精神障害;及び痴呆、神経障害、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病及びアルツハイマー病の様な神経障害;免疫性、心臓血管性、生殖性及び内分泌性障害;敗血症性ショック;呼吸器及び胃腸系に関連する病気;及び長期濫用、依存症及び/又は再発適応の治療または予防のための医薬の製造における、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項18】
肥満;精神病性障害、精神異常、統合失調症及び双極性障害、不安、不安抑うつ障害、うつ病、認識力障害、記憶障害、強迫神経症、食欲不振症、過食症、注意力障害、てんかん及び関連する疾患、神経障害、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病及びアルツハイマー病、免疫性、心臓血管性、生殖性及び内分泌性障害、敗血症性ショック、呼吸及び胃腸系に関連する病気、及び長期濫用、依存症及び/又は再発適応の治療法であって、それを必要とする患者に、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物の薬理学的有効量を投与することを含む治療法。
【請求項19】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物の薬理学的有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、統合失調症の治療法。
【請求項20】
請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物の薬理学的有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、統合失調症に関連する認識欠損の治療法。
【請求項21】
肥満の治療に使用するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項22】
統合失調症の治療に使用するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項23】
統合失調症に関連する認識欠損の治療に使用するための、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項24】
式IA:
【化5】

の化合物を製造する方法であって、式II:
【化6】

の化合物をY−X−L−R3と反応させることを含む、上記方法。
式中、
Yは、脱離基を表わし;
1及びR2は、独立に、水素、−OH、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、ハロゲン化C1-6アルコキシ、−NR4C(=O)−O−R4、−S(=O)2−NR44及び−O−S(=O)2−R4から選択され;ここで、それぞれのR4は、独立に、水素、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル及びハロゲン化C3-6シクロアルキルから選択され;
m及びnは、独立に、1、2、3及び4から選択され;
Xは、結合、−C(=O)−、−S(=O)2−、−C(=O)−N−及び−C(=S)−N−から選択され;
Lは、結合、−(CH2p−、−(CH2p−O−、−C(=O)−O−、−(CH2pS−、−CH2NHC(=O)−CH2−から選択され;
pは、0、1及び2から選択され;
3は、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及びC3-9ヘテロシクリルから選択され、ここで、該C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C6-10アリール及びC3-9ヘテロシクリルは、場合により、C1-6アルコキシ、ハロゲン、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、アリール、ハロゲン化アリール、ニトロ、シアノ、−C(=O)−R5、−CO25、−NHC(=O)−R5から選択される1つ又はそれ以上の基で置換され、ここで、R5は、水素、C1-6アルキル、ハロゲン化C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、ハロゲン化C3-6シクロアルキル、ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールから選択され、ここで、該ヘテロシクリル、ベンズヒドリル及びアリールは、場合により、ハロゲン、C1-3アルキル、フェニル及びメトキシから選択される1つ又はそれ以上の基で置換される。

【公表番号】特表2009−504638(P2009−504638A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525957(P2008−525957)
【出願日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000926
【国際公開番号】WO2007/018460
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】