説明

法医学証拠の広範囲紫外線検出方法及びシステム

【課題】法医学証拠を高性能で検出して分析する方法及びシステムを指向する。
【解決手段】証拠を含むと疑われている疑わしい証拠範囲から背景放射のディジタル画像が撮られる。疑わしい証拠範囲は、紫外線放射の高強度のパルスに暴露される。暴露された疑わしい証拠範囲内の蛍光の別の画像が撮られる。ディジタル画像を処理して、証拠の領域を示す複合ディジタル画像を生成する。複合ディジタル画像を分析して、証拠の領域から発せられた蛍光放射の波長を決定する。複合証拠画像及び分析結果を表示する。本システムは、ディジタル・カメラ、紫外線光源、コンピュータ及びディスプレイ、及び該コンピュータにインストールされたコンピュータ・プログラムを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査される表面から法医学証拠を検出して分析する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
法科学の分野において、犯罪調査者は、証拠を検出する改善された方法を捜し求めている。そのような証拠は、血液、唾液、精液、及び他の体液、並びに毛髪、肉、骨の断片、歯、打撲傷、咬傷、又は切断のような人間の皮膚損傷、靴跡、指紋、足紋、タイヤ跡、火薬(硝煙)痕跡、弾丸、爆薬、化学薬剤及び生物剤、ペイント、グリース又は油、ガラスの断片、繊維、及び資料の改変を含む様々な痕跡証拠を含む。
【0003】
証拠の検出は、歴史的には、技術と科学の組み合わされたプロセスであった。例えば、指紋証拠を得る1つの従来の方法は、微細な微粒子を生の跡の表面に塗布し、次いでその微粒子パターンを第2の表面に転写することにより指紋を注意深く取り上げる方法である。指紋に振りかける粉体は、最初は、それらの色の違いを際だたせる品質に関して選択された。また、極端に微細な蛍光振りかけ粉体を用いて、指紋の油に含まれたアミノ酸の破壊により生じた表面の微少なエッチングを視覚化する。蛍光振りかけ粉体は、そのエッチングに付着し、そして紫外線放射により照射すると指紋パターンを露呈させる。血液、唾液又は精液のような他の物質は、どこに見える汚れが存在するか容易に検出される。しかしながら、多くの場合、そのように露呈する証拠は、洗浄薬剤による通常の検査から、又は時間の経過でさえ隠される。
【0004】
近年には、紫外線光が、法医学専門家により用いられて、さもなければ見えない証拠を見えるように支援する。紫外線(「UV」)放射は、まさに可視スペクトル以上である光である。可視光は、約400ナノメートルから約750ナノメートルの範囲の波長を有するのに対して、UV放射は、より短い波長を有し、そして約10ナノメートルから約400ナノメートルの範囲である。人間の裸眼は、UV放射を識別することができないが、その存在は、UV感知媒体、又はUV感知物質のその結果生じる蛍光の使用により示されることができる。指紋が蛍光振りかけ粉体でもって振りかけられたとき、印加されたUV放射は、振りかけ粉体を蛍光発光させ、裸眼で見える指紋を実効的に作ることをもたらすであろう。唾液又は精液のような他の有機物質は、当然に蛍光発光し、従ってまたUV放射に暴露されると見えるようになる。
【0005】
従来のUV蛍光検出方法は、いわゆる「ブラック・ライト(暗光)」を、連続の又は非フラッシュ・フラッド型UV源(non−flash flood−type UV source)の形式で用いて、UV放射を証拠近くで連続的に発生し、次いで、フィルタリングされたレンズ付きのカメラを用いて、その結果生じた蛍光画像をフィルム上に捕捉することを含む。証拠が比較的低い強度で蛍光発光するので、光感知フィルム、及び比較的遅いシャッタ速度を必要とする。その上、カメラはまた、証拠に非常に近接して保持されねばならない。従って、その影響により、証拠を大きな範囲にわたり実効的に検出するため、比較的狭いフィールド走査を多くの回数反復しなければならない。
【0006】
従来のUV蛍光検出方法の変形は、化学試薬又は蒸気を使用して、蛍光発光粒子を指紋エッチング上に被着することを含み、そこにおいては、普通の振りかける方法は適切でない。また、ブラック・ライトの代わりのレーザを用いて、蛍光放出物質を励起し得る。しかしながら、レーザ励起は、まさしくその性質により、小さい全体範囲に対して使用することに限定される。その上、小さい範囲におけるレーザの可搬性及び使用は、レーザの動作に必要とされる大きい電源に起因して制限され得る。
【0007】
最近のUV検出方法は、蛍光の代わりにUV反射を利用する。反射型UV検出方法はUV蛍光により生成されたきれいな画像をもたらさないにも拘わらず、高強度の短波のUV反射は、さもなければ、蛍光微粒子又は染料の使用を制限する非多孔質の表面上の証拠を検出することが検出不能又は困難であることを明らかにすることができる。
【0008】
UV蛍光又は反射により検出された証拠の分析は、一般的に、証拠の正確な位置を決定するため、UV検出された証拠を撮られた写真の現像及び精密検査を含む。検出された証拠の寸法及び全体形状は、多くの場合、手測定(hand measurement)により、又は更にスケッチされた複製によってすら得られる。証拠の物質は、DNA試験により、並びに特別の試薬の他の試験により決定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、法医学証拠を検出して分析する方法及びシステムを指向している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態においては、法医学証拠を検出して分析する方法が提供される。疑わしい証拠範囲の背景蛍光画像が、ディジタルに捕捉される。疑わしい証拠範囲の背景蛍光画像が、ディジタルに捕捉される。疑わしい証拠範囲が、紫外線放射のパルスに暴露され、そして疑わしい証拠範囲の証拠を暴露する蛍光画像が、ディジタルに捕捉される。背景蛍光画像及び証拠を暴露する蛍光画像を処理して、複合証拠画像を生成する。複合証拠画像を分析して、疑わしい証拠範囲内の1又はそれより多い証拠領域から発する1又はそれより多い対応の蛍光発光波長を決定する。複合証拠画像及び分析結果が、評価のため表示される。
【0011】
本発明の別の実施形態において、法医学証拠の検出・分析システムが提供される。当該システムは、ディジタル・カメラと、高強度の紫外線放射をパルス化するよう構成された紫外線光源とを含む。また、コンピュータにインストールされたコンピュータ・プログラムに従って画像の捕捉を処理し、制御するためのコンピュータ及びディスプレイが設けられている。コンピュータ・プログラムは、紫外線光源により照射され且つディジタル・カメラにより捕捉された範囲の蛍光画像を処理して分析するよう構成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の実施形態が、ここで、例示としてのみ、図面を参照して説明される。
本発明は、関連の図面を参照して説明される。複数の図面の中の同一の符号及び参照番号は、それぞれの図面において同じ構成要素を表すことを意味する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に従った、組み合わされた法医学証拠検出・分析システム21の単純化された図であり、図2は、本発明の一実施形態に従った、組み合わされた法医学証拠検出・分析システム21の概略図である。現在の実施形態においては、UVフィルタ44を装備した増感電荷結合デバイス(「CCD」)式カメラ又はディジタル・カムコーダ(camcorder)のようなディジタル・カメラ42を用いて、疑わしい証拠範囲32の画像を撮る。疑わしい証拠範囲32の初期背景画像46が、周囲のUV反射された蛍光の背景レベルを示すため撮られる。背景画像46を含む証拠を暴露する蛍光画像、又は証拠に背景を加えた画像(以下、「証拠プラス背景画像」と記す。)48が、疑わしい証拠範囲32がフラッシュUV光源34に暴露された直後に撮られる。フラッシュUV光源34は、UV放射38の高強度のパルス36を発生する。UV放射38の高強度のパルス36は、証拠40が蛍光発光するように証拠40(証拠の種類40a、40b)を励起する。
【0014】
フラッシュUVシステムは、汚染されたかも知れない範囲を検査するためUV光を用いる。当該システムは、光を起動装置によりパルス化することにより動作し、当該起動装置は、CCDカメラのシャッタを作動させ、当該CCDカメラは、その結果生じる蛍光のディジタル画像を撮る。CCDカメラに加えて、当該CCDカメラのための支援ソフトが、関心の波長に対する利得設定及び感度の変更を可能にする。本発明の様々な実施形態は、調査者が通常の写真フィルム無しで関心の範囲を撮影するのを可能にする。その関心の範囲は、調査者が見る画像を示してもまた示さなくてもよい。カメラは、ノッチ・フィルタの使用により、そしてソフトウエアは、調査者が様々な波長を用いるのを可能にする。
【0015】
UVフラッシュ蛍光は、外殻電子よるUV放射の吸収と、それに続く入射UV放射が停止(原子が基底状態に戻る)するや否や殆ど止む可視光形態の即時の再放射(蛍光発光)とに起因したルミネセンスである。パルス発生された光は、ハンドヘルドのバックライトに見つけられる連続のUV源より大きいパワーの等価量を与える(連続の光源からの100Wと比較しておおよそ50kW)。
【0016】
初期背景画像46及び証拠プラス背景画像48が、コンピュータ50に転送される。画像処理パッケージ52は、初期背景画像46を証拠プラス背景画像48から差し引き、その結果複合証拠又は証拠のみの画像54をもたらす。証拠のみの画像54が、コンピュータ・ディスプレイ56上に表示される。証拠のみの画像54がまた、画像分析パッケージ58により分析され、分析データ60をもたらす。
【0017】
組み合わされた法医学証拠検出・分析システム21の構成要素、即ち、フラッシュUV光源34、ディジタル・カメラ42及びコンピュータ50は、レンズ43を含むディジタル・カメラ42がフラッシュUV光源34のパルス直後に証拠プラス背景画像48のみを撮るように相互接続される。このタイミング制御装置35は、フラッシュUV光源34とディジタル・カメラ42との間の直接接続を介して実行されるか、又は、代替として、それが、ソフトウエア制御を介して実行され、それは、フラッシュUV光源34及びディジタル・カメラ42の両方がコンピュータ50に接続されることを意味する。その上、ディジタル・カメラ42とコンピュータ50との間の画像データの転送は、様々な方法により達成され得る。画像データは、ディジタル・カメラ42により記憶媒体62に記憶され、その記憶媒体62は、コンピュータ50に接続された適切な媒体読み出し装置64に転送され得る。画像データはまた、直接に、ディジタル・カメラ42からコンピュータ50へハード・ワイヤード接続又は無線接続を介して転送され得る。一例として、そして限定の意図ではなく、例示的適切なカメラは、カナダ国B.C.、BurnabyのQ Imaging社から入手可能である「Retiga 1300i」を含み得る。
【0018】
他の制御システムは、測距システム68を含み、当該測距システム68は、ディジタル・カメラ42又はフラッシュUV光源34に接続された測距レーザ(range−finding laser)を利用することが好ましい。測距システム68は、ディジタル・カメラ42及びフラッシュUV光源34が疑わしい証拠範囲32の適切なレンジ内にあるときのみ法医学証拠検出・分析システム21が機能するのを可能にする。
【0019】
フラッシュUV光源34は、UV、可視、及び赤外線(「IR」)の範囲での放射の高強度パルス36を発するランプの使用により実行される。特に、フラッシュUV光源34は、140nmから1100nmの範囲で放射を発し、そして広帯域パルス又は同調可能な狭帯域パルスを特定の波長で発し得る。高強度のパルス36は、面積で1平方メートルの一部分から多平方メートル(多平方フィート)である疑わしい証拠範囲32を1又はそれより多いメートル(数フィート)の距離から照射するのに十分な強度である。その上、高強度のパルス36は、疑わしい証拠範囲32の照射された範囲内のいずれの蛍光証拠40を蛍光発光させるのに十分な強度である。一例として、疑わしい証拠範囲32は、ディジタル・カメラ42のレンジ(距離)及び解像度に依存して、多平方センチメートル(多平方インチ)から多平方デシメートル(多平方フィート)のオーダであり得る。一実施形態においては、ディジタル・カメラ42の焦点距離は、十センチメートル(十インチ)のオーダである。一例としてで、限定ではないが、例示的で適切なUV光源は、「Perkin−Elmer FX−249U」(キセノン・ランプ、4ジュール/1フラッシュ、60Wパワー)又は「Perkin−Elmer FX−4400」(キセノン・ランプw/パラボラ型反射器、1ジュール/1フラッシュ、60Wパワー)を含み、これら両方は、カリフォルニア州FremontのPerkinElmer Optoelectronics社から入手可能である。
【0020】
一例としてで、限定ではないが、法医学的関心の物質は、ほぼ300nmで蛍光発光する。本システムは、光源の変更及びフィルタの使用により複数の波長でもって動作可能であり、そしていずれか1つの波長に限定されるものではない。本発明は、複数の波長(300nm、350nm及び385nm)の光源の使用、及び例えば、それらを順に点火することを意図しており、各励起に対するスペクトルが集められる。次いで、複合スペクトルが、各物質に対して本システム内のライブラリに記憶されることができるであろう。スペクトル汚染タイプのソフトウエア信号処理により、特定の汚染タイプを識別することができるであろう。
【0021】
特に、法医学証拠検出・分析システム21は、UV光を用いて、汚染されているかも知れない疑わしい証拠範囲32を検査する。法医学証拠検出・分析システム21によれば、フラッシュUV光源34は、連続的には活動状態にされない、光は、タイミング制御装置35によりパルス化され、当該タイミング制御装置35はまた、ディジタル・カメラ42のシャッタを作動し、当該ディジタル・カメラ42は、その結果生じる蛍光のディジタル画像を撮影する。ディジタル・カメラ42に加えて、そのディジタル・カメラ42のための支援ソフトウエアは、関心の波長に対する利得設定及び感度の変更を可能にする。本実施形態において、ディジタル・カメラ42は、例えば、従来の感光写真フィルムを用いて関心の範囲を撮影する必要性から法医学調査者を解放する。なお、当該従来の感光写真フィルムは、調査者が知覚する画像を示しても、また示さなくてもよい。ディジタル・カメラ42は、フィルタ44(例えば、1又はそれより多いノッチ・フィルタ)の使用を介して、そしてソフトウエアは、例えば、調査者が選択した波長を用いることを可能にし、従って、当該技術は、大部分のブラック・ライト・システムのようないずれかの1つの固定の波長(例えば、365nm)に限定されるものではない。一例として、限定するものではないが、例示的で適切なフィルタは、日本、東京のホヤ社(Hoya Corp.)から入手可能である「Hoya U−340」UV帯域通過フィルタ(約2.54センチメートル(1インチ)直径、中心340nm、半透過率幅85nm);ニューハンプシャー州SalemのAndover Copr.から入手可能な「Andover UV−11」UV帯域通過フィルタ(約2.54センチメートル(1インチ)直径、中心330nm、半透過率幅85nm);及びニューヨーク州ElmsfordのSchott,Inc.から入手可能な「Schott BG−38」低波長帯域通過フィルタ(約2.54センチメートル(1インチ)直径、中心480nm、半透過率幅380nm)を含む。
【0022】
実際、本発明における波長は、関心の予想される物質に基づいて選択され得る。例えば、法医学証拠の大部分の物質(例えば、血液、唾液、精液等)は、ほぼ300nmの波長で蛍光発光する。本発明のシステムによれば、UV放射38の複数の波長が、対応のフィルタ44と一緒に用いられて、特定の関心の特定の物質の蛍光を増強する。更に、複数の波長(例えば、300nm、350nm及び385nm)が、各励起から収集される対応のスペクトルを伴って連続的に順に行われ得る。更なる分析が、物質の初期の位置を越えて実行され得る。例えば、各物質の複合スペクトルは、システム内の参照ライブラリに記憶され得る。例えば、分析の下で証拠から結果として生じるスペクトルの信号処理を通じて、特定の種類の物質が、参照ライブラリの参照スペクトルに関連して相関付けられ得る。
【0023】
一般的に、UV蛍光は、法医学証拠検出・分析システム21を用いた本発明の様々な実施形態に従って、外殻電子よるUV放射の吸収と、それに続く入射UV放射が停止(即ち、原子が基底状態に戻る)するや否や殆ど止む可視光形態の即時の再放射(蛍光発光)とに起因したルミネセンスを利用する。フラッシュUV光源34を用いることは、一般的に連続のUV源を通じて使用可能であるパワーより大きいパワーの等価量を提供する(即ち、非フラッシュ又は連続源からの100Wと比較してフラッシュUVシステムからのものはほぼ50kWである。)。
【0024】
図3は、本発明の一実施形態に従った法医学証拠検出システム22を示し、そこにおいて証拠40は、複数の証拠の種類40a及び40bを含む。証拠の種類40aは、フラッシュUV光源34により放出されるUV放射38のスペクトルに含まれる特定の波長で励起される。証拠の種類40aは、続いて、異なる蛍光発光波長66aで蛍光発光するであろう。証拠の種類40bは、同様に、UV放射38のスペクトルに含まれる特定の波長で励起され得て、更に別の蛍光発光波長66bでの蛍光発光をもたらす。唾液、精液、汗等は、それぞれ、区別できる波長で蛍光発光し、従って、画像分析パッケージ58(図1)が証拠の種類40a及び40bを区別し、且つ識別するのを可能にする。
【0025】
例えば、指紋は、UV放射の十分に強いパルスに暴露された場合散布剤の使用無しで、パルス化されたUV源のエネルギに起因して蛍光発光するであろう。より多くのエネルギが、従来の連続又は非フラッシュ源からより、パルス化されたUV源からの方が入手可能であるので、より多くのUV放射が吸収され、それが、指紋に蛍光発光させる。更に、フラッシュUVシステムは、ブラック・ライト・システムに似ていない。それは、パルス化されたシステムが、より高いUVエネルギに起因して、正常の周囲照明条件で用いられることが可能であるからである。対照的に、ブラック・ライト・システムは、極端に低い周囲光レベルを有する部屋で用いなければならない。
【0026】
他方、血液は、当然に蛍光発光しないで、代わりにUV放射を吸収する。吸収されたUV放射の範囲は、依然、証拠プラス背景画像48において、いずれの反射された又は蛍光発光されたUV放射の存在しない範囲として検出可能である。複数の蛍光発光波長66a及び66bの検出は、UVフィルタ44をディジタル・カメラ42に装着することを必要とする。UVフィルタ44は、特定の蛍光発光波長66a及び66bのための複数のフィルタ、又は単一の同調可能なフィルタを含み得る。UVフィルタ44は、UV波長を330nmから450nmの範囲で一括して通すであろう。その上、測距システム68は、ディジタル・カメラ42に接続されるよう示され、そしてディジタル・カメラ42及びフラッシュUV光源34が疑わしい証拠範囲32の許容範囲内にあるよう適正に向き且つ位置するのを支援する。
【0027】
図4は、本発明の一実施形態に従った例示的表示23を示す。コンピュータ・ディスプレイ56は、証拠のみの画像54を示すが、初期背景画像46(図1)及び証拠プラス背景画像48(図1)のような他の画像もまた見られ得る。見られる画像のサンプリングされる解像度を選択し得る。その上、画像分析パッケージ58(図1)から収集された分析データ60もまた表示し得る。図4において、2つの証拠の種類40a及び40bが、示されている。証拠の種類40a及び40bのそれぞれについて、蛍光発光波長66a及び66b、及び蛍光強度を表示し得る。証拠の種類40a及び40bのサイズ及び位置がまた表示される。その上、本発明の別の実施形態において、複数の証拠プラス背景画像48(図1)は、各蛍光発光波長66a及び66bの減衰率を示す各証拠の種類40a及び40bに対する蛍光時定数の画像分析パッケージ58(図1)による計算を可能にするように、迅速に撮られ得る。
【0028】
本発明の前述の詳細な説明は、例示の目的のため提供され、そして網羅的であることを意図せず、又は本発明を開示した厳密な実施形態に限定することを意図するものではない。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲により定義されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に従った、組み合わされた法医学証拠検出・分析システムの単純化された図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に従った、組み合わされた法医学証拠検出・分析システムの概略図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に従った法医学証拠検出システムを示す。
【図4】図4は、本発明の一実施形態に従った例示的ディスプレイ装置である。
【符号の説明】
【0030】
21 法医学証拠検出・分析システム
22 法医学証拠検出システム
32 疑わしい証拠範囲
34 フラッシュUV光源
35 タイミング制御装置
38 UV放射
40 証拠
40a、40b 証拠の種類
42 ディジタル・カメラ
43 レンズ
44 UVフィルタ
46 初期背景画像
48 証拠プラス背景画像(証拠に背景を加えた画像)
50 コンピュータ
52 画像処理パッケージ
54 画像
56 コンピュータ・ディスプレイ
58 画像分析パッケージ
60 分析データ
62 記憶媒体
68 測距システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
法医学証拠を検出して分析する方法であって、
疑わしい証拠範囲の背景蛍光画像をディジタルに捕捉するステップと、
疑わしい証拠範囲を紫外線放射のパルスに暴露するステップと、
疑わしい証拠範囲の証拠を暴露する蛍光画像をディジタルに捕捉するステップと、
前記背景蛍光画像及び前記証拠を暴露する蛍光画像を処理して、複合証拠画像を生成するステップと、
前記複合証拠画像を分析して、前記疑わしい証拠範囲内の1又はそれより多い証拠領域から発する対応の1又はそれより多い波長を決定するステップと、
前記複合証拠画像及び分析結果を表示するステップと
を備える方法。
【請求項2】
疑わしい証拠範囲を暴露する前記ステップが、140から1100ナノメートルの範囲で放射を発する光源を用いることを備える請求項1記載の方法。
【請求項3】
疑わしい証拠範囲を暴露する前記ステップが、140から1100ナノメートルの範囲で放射を選択的に発する光源を用いることを備える請求項1記載の方法。
【請求項4】
疑わしい証拠範囲を暴露する前記ステップが、十分に強いUV放射を用いて、疑わしい証拠範囲内で蛍光証拠の蛍光を励起することを備える請求項1記載の方法。
【請求項5】
疑わしい証拠範囲を暴露する前記ステップが、少なくとも1平方デシメートル(フィート)より大きい範囲を数デシメートル(フィート)の距離から暴露することを備える請求項1記載の方法。
【請求項6】
疑わしい証拠範囲を暴露する前記ステップが、測距システムを用いて、紫外線放射の高強度のパルスを疑わしい証拠範囲の十分なレンジ内に配置することを備える請求項1記載の方法。
【請求項7】
背景蛍光画像及び証拠を暴露する蛍光画像のうちの1つをディジタルに捕捉する前記のステップが、330から450ナノメートルの範囲で放射を通す紫外線フィルタを用いることを備える請求項1記載の方法。
【請求項8】
背景蛍光画像及び証拠を暴露する蛍光画像のうちの1つをディジタルに捕捉する前記のステップが、330から450ナノメートルの範囲で放射を選択的に通す同調可能な紫外線フィルタを用いることを備える請求項1記載の方法。
【請求項9】
背景蛍光画像及び証拠を暴露する蛍光画像を処理する前記ステップが、前記背景蛍光画像を前記証拠を暴露する蛍光画像から差し引くことにより複合証拠画像を生成することを備える請求項1記載の方法。
【請求項10】
複合証拠画像を分析する前記ステップが、1又はそれより多い証拠領域のそれぞれに関してサイズ及び位置を決定することを備える請求項1記載の方法。
【請求項11】
複合証拠画像を分析する前記ステップが、1又はそれより多い証拠領域のそれぞれに対して蛍光強度を決定することを備える請求項1記載の方法。
【請求項12】
複合証拠画像及び分析結果を表示する前記ステップが、証拠を暴露する蛍光画像を捕捉した直後に表示することを備える請求項1記載の方法。
【請求項13】
複合証拠画像を分析する前記ステップが、1又はそれより多い紫外線吸収領域を決定することを備える請求項1記載の方法。
【請求項14】
証拠を暴露する蛍光画像をディジタルに捕捉する前記ステップが、疑わしい証拠範囲を暴露した直後の十分に短い期間内に1又はそれより多い証拠を暴露する蛍光画像をディジタルに捕捉することを備え、
背景蛍光画像及び証拠を暴露する蛍光画像を処理する前記ステップが、背景蛍光画像及び1又はそれより多い証拠を暴露する蛍光画像を処理して、1又はそれより多い複合証拠画像を生成することを備え、
複合証拠画像を分析する前記ステップが、1又はそれより多い複合証拠画像を分析して、前記疑わしい証拠範囲内の1又はそれより多い証拠領域から発する対応の1又はそれより多い波長を決定することを備え、
複合証拠画像を表示する前記ステップが、1又はそれより多い複合証拠画像及び分析結果を表示することを備える
請求項1記載の方法。
【請求項15】
1又はそれより多い複合証拠画像を分析する前記ステップが、疑わしい証拠範囲内の1又はそれより多い証拠領域のそれぞれから発する1又はそれより多い対応の蛍光波長のそれぞれに対する減衰時間を示す複数の時定数を決定することを備える請求項14記載の方法。
【請求項16】
ディジタル・カメラと、
高強度の紫外線放射をパルス化するよう構成された紫外線光源と、
コンピュータ及びディスプレイと、
前記コンピュータにインストールされたコンピュータ・プログラムであって、前記紫外線光源により照射され且つ前記ディジタル・カメラにより捕捉された範囲の蛍光画像を処理して分析するよう構成されたコンピュータ・プログラムと
を備える法医学証拠の検出・分析システム。
【請求項17】
前記ディジタル・カメラが更に、330から450ナノメートルの範囲で放射を通すよう適合された紫外線フィルタ又は1組の紫外線フィルタを含む請求項16記載の法医学証拠の検出・分析システム。
【請求項18】
前記ディジタル・カメラが、330から450ナノメートルの範囲で放射を選択的に通すよう適合された同調可能な紫外線フィルタを含む請求項16記載の法医学証拠の検出・分析システム。
【請求項19】
前記ディジタル・カメラと疑わしい証拠範囲との距離を決定するための測距システムを更に備える請求項16記載の法医学証拠の検出・分析システム。
【請求項20】
前記紫外線光源が、140から1100ナノメートルの範囲での高強度の放射をパルス化するよう構成されている請求項16記載の法医学証拠の検出・分析システム。
【請求項21】
前記紫外線光源が、140から1100ナノメートルの範囲での高強度の放射を選択的にパルス化するよう同調可能である請求項16記載の法医学証拠の検出・分析システム。
【請求項22】
前記紫外線光源が、多平方デシメートル(フィート)の範囲を数デシメートル(フィート)の距離から暴露するよう構成されている請求項16記載の法医学証拠の検出・分析システム。
【請求項23】
前記紫外線光源が、照射される範囲内の1又はそれより多い蛍光証拠の蛍光を励起するため紫外線放射を発するよう構成されている請求項16記載の法医学証拠の検出・分析システム。
【請求項24】
前記コンピュータ・プログラムが、証拠を暴露する蛍光画像から背景蛍光画像を差し引くことにより生成された複合証拠画像を生成するよう適合されている請求項16記載の法医学証拠の検出・分析システム。
【請求項25】
前記コンピュータ・プログラムが、画像の中の1又はそれより多い証拠領域から1又はそれより多い対応の蛍光波長を決定するよう適合されている請求項16記載の法医学証拠の検出・分析システム。
【請求項26】
前記コンピュータ・プログラムが、画像の中の1又はそれより多い証拠領域に対して1又はそれより多い対応の蛍光強度を決定するよう適合されている請求項16記載の法医学証拠の検出・分析システム。
【請求項27】
前記コンピュータ・プログラムが、1又はそれより多い証拠領域のそれぞれから発する1又はそれより多い対応の蛍光波長のそれぞれに対する減衰時間を示す1又はそれより多い時定数を決定するよう適合されている請求項16記載の法医学証拠の検出・分析システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−167451(P2006−167451A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−350192(P2005−350192)
【出願日】平成17年12月5日(2005.12.5)
【出願人】(598174370)アライアント・テクシステムズ・インコーポレーテッド (19)
【氏名又は名称原語表記】Alliant Techsystems Inc.
【Fターム(参考)】