泡噴出容器
【課題】バックサクション機能を備えるとともに、きめの細かい泡を安定的に排出させることができる泡噴出容器を提案する。
【解決手段】容器本体１０の胴部１２の圧搾により内容物と空気とを混合、発泡させて、その内容物をノズル３６の先端から噴出させる泡噴出容器であって、ベースキャップ３０は、シリンダー２０の外面壁との相互間に充填空間Ｍにつながる環状経路Ｋを有するとともに、排出経路Ｈと環状経路Ｋとを連通させて外気及び排出経路Ｈ内の残留内容物を環状経路Ｋ内に導入する貫通孔３８を備え、シリンダー２０に、残留内容物の流出孔２１ｂを残して環状経路Ｋを区画して、貫通孔３８側に残留内容物の貯留空間Ｋａを形成するフランジ２１を設ける。
【解決手段】容器本体１０の胴部１２の圧搾により内容物と空気とを混合、発泡させて、その内容物をノズル３６の先端から噴出させる泡噴出容器であって、ベースキャップ３０は、シリンダー２０の外面壁との相互間に充填空間Ｍにつながる環状経路Ｋを有するとともに、排出経路Ｈと環状経路Ｋとを連通させて外気及び排出経路Ｈ内の残留内容物を環状経路Ｋ内に導入する貫通孔３８を備え、シリンダー２０に、残留内容物の流出孔２１ｂを残して環状経路Ｋを区画して、貫通孔３８側に残留内容物の貯留空間Ｋａを形成するフランジ２１を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、可撓性の胴部を圧搾することにより、流動性を有する内容物（液状、ゲル状等）を発泡させて排出する泡噴出容器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔料等の各種液体洗浄剤やセットローション等の整髪剤を内容物とする容器としては、泡立て動作を省略して簡便な利用を図る観点から、内容物の流路内に例えばメッシュ等からなる発泡部材を組み入れておき、可撓性を有する胴部を圧搾することで、内容物と空気とを混合させつつこれらを発泡部材に通過させて発泡させ、泡状になった内容物をノズルの噴出口から排出する泡噴出容器が提案されている（例えば特許文献１参照）。
【０００３】
上記のような泡噴出容器において、泡状となった内容物は、噴出口から排出された分の他、一部がノズルの排出経路内に残ったままとなるが、残留した内容物は、時間が経つと泡が消えて元の流動性を有する内容物に戻るため、使用後しばらくすると噴出口から内容物が垂れ落ちる（液だれ）ことがあった。このことは、特にノズルの側面側に噴出口が設けられている横出しタイプの泡噴出容器において顕著であった。
【０００４】
このような液だれを回避するものとしては、圧搾された胴部を復元させる外気導入孔を内容物の排出経路内に設けておき、胴部の復元に伴って容器本体内に取り込まれる外気とともに残留内容物も容器本体内に引き戻すバックサクション機能を設けた泡噴出容器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】実開昭５８−１７４２７２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
ところで、きめの細かい泡を作るには、発泡部材を通過する、内容物と空気との混合比が重要な要素の１つであり、泡質を一定に維持するには、この混合比を安定的に保つことが必要とされている。しかしながら、上記のようなバックサクション機能を有する泡噴出容器では、胴部の圧搾と復元を繰り返して内容物の排出を続けると、引き戻された残留内容物の泡が容器本体内に充満して、発泡部材に空気を送給する流入孔を塞いでしまうことがあり、空気の流入量の減少や空気への泡の混入等が発生して、内容物と空気との混合比が所期した割合から変わってしまい、泡質が悪くなる（泡のきめが粗くなる）ことがあった。このため、バックサクション機能を備えつつも、きめの細かい泡を安定的に排出させることができる工夫が強く望まれており、また併せて、このような工夫を加えてもなお、部品コストを極力抑えた、新たな泡噴出容器の出現が切に望まれていた。
【０００７】
本発明の課題は、内容物を発泡させて排出させる泡噴出容器に関し、バックサクション機能を備えるとともに、きめの細かい泡を安定的に排出させることができて使い勝手が良く、併せて部品コストを極力抑えた泡噴出容器を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は、可撓性を有する胴部を有し、その内側を内容物の充填空間とする容器本体と、内容物の吸引管を保持するとともに空気の流入孔を備え、その内側に内容物と空気との合流空間を区画形成するシリンダーと、該容器本体の口部に固定保持され、該シリンダーを該口部に吊り下げ保持するベースキャップと、該ベースキャップに一体連結してその内側に該合流空間につながる排出経路を形成するノズルとを備え、該胴部の圧搾により該合流空間にて内容物と空気とを混合、発泡させて、その内容物を該ノズルの先端から外界に噴出させる泡噴出容器であって、
前記ベースキャップは、前記シリンダーの外面壁との相互間に前記充填空間につながる環状経路を有するとともに、前記排出経路と前記環状経路とを連通させて外気及び該排出経路内の残留内容物を該環状経路内に導入する貫通孔を備え、
前記シリンダーに、残留内容物の流出孔を残して該環状経路を区画して、該貫通孔側に残留内容物の貯留空間を形成するフランジを設けることを特徴とする泡噴出容器である。
【０００９】
前記流出孔は、前記貫通孔のうち、最小の開口面積となる最小貫通孔よりも小さい開口面積を有することが望ましい。
【００１０】
前記フランジの端縁に、前記ベースキャップの内面壁に沿って延在するとともに、該内面壁と弾性接触する環状壁を設けることが望ましい。
【発明の効果】
【００１１】
ベースキャップに、シリンダーの外面壁との相互間に形成される環状経路を設けるとともに、内容物の排出経路と環状経路とを連通させて外気及び排出経路内の残留内容物を環状経路内に導入する貫通孔を形成したので、バックサクション機能を有効に発揮させてノズルの先端開口からの液だれを確実に防止することができる。
また、シリンダーに、残留内容物の流出孔を残して環状経路を区画して、その区画された経路のうち、貫通孔側を残留内容物の貯留空間とするフランジを設けたので、残留内容物を一旦貯留空間内に留め置くことができ、内容物の泡が消えやすくなる。これにより、容器本体内が残留内容物の泡ですぐに充満されてしまうことがなくなるので、この残留内容物の泡によって、空気の流入孔が閉塞される不具合が発生しにくくなり、内容物と空気との混合比を所期した割合で維持して、きめの細かい泡を安定的に排出させることが可能となる。また、このような機能をもたせてもなお、部品点数は変わらないので、部品コストを極力抑えることができる。
【００１２】
流出孔を、排出経路と環状経路とを連通する最小貫通孔よりも小さい開口面積を有するものとする場合は、流出孔を通過する残留内容物の泡の大きさを確実に小さくすることができるので、きめの細かい泡をより一層安定的に排出させることができる。
【００１３】
フランジの端縁に、ベースキャップの内面壁に沿って延在するとともに、内面壁と弾性接触する環状壁を設ける場合は、フランジとベースキャップの内面壁との間からの残留内容物の漏れ出しを確実に防止することができるので、残留内容物は、流出孔のみから安定的に充填空間内に導入されることになり、所期した通りの泡を連続して排出できる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明に従う泡噴出容器の実施の形態を示す、部分側面断面図である。
【図２】図１に示す泡噴出容器の部分正面断面図である。
【図３】図１に示すＡ−Ａに沿う断面図である。
【図４】（ａ）は、図１に示すＢ−Ｂに沿う断面図であり、（ｂ）は、（ａ）の部分斜視図である。
【図５】図１に示すＣ−Ｃに沿う断面図である。
【図６】図１に示すＤ−Ｄに沿う断面図である。
【図７】本発明に従う他の泡噴出容器の実施の形態を示す、部分側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図１は、本発明に従う泡噴出容器の実施の形態を示す、部分側面断面図であって、図２は、図１に示す泡噴出容器の部分正面断面図であって、図３は、図１に示すＡ−Ａに沿う断面図であって、図４の（ａ）は、図１に示すＢ−Ｂに沿う断面図であり、（ｂ）は、（ａ）の斜視図であって、図５は、図１に示すＣ−Ｃに沿う断面図であって、図６は、図１に示すＤ−Ｄに沿う断面図である。
【００１６】
図１において、符号１０は容器本体である。容器本体１０は、上部を開口させた筒状の口部１１を有し、この口部１１に図示しない底部につながる筒状の胴部１２を連結させて、その内側に内容物の充填空間Ｍを形成している。ここで胴部１２は、例えば合成樹脂等によって形成される可撓性を有するものである。また口部１１の外面壁には、ねじ部１１ａが形成されている。さらに口部１１の根元には、図５に示すように小突起１１ｂと大突起１１ｃとを周方向に間隔をあけて設けている。
【００１７】
符号２０は、後述するベースキャップにて口部１１に吊り下げ保持されるシリンダーである。図示の例でシリンダー２０は、上部にフランジ２１を備えるシリンダー本体２２と、シリンダー本体２２の下端部を挿入、嵌合させてシリンダー２０の底をなすシリンダー底体２３とからなる。
【００１８】
シリンダー本体２２は、小径の下部と大径の上部とを段部ｄを介して連結した筒体２２ａを備えている。また筒体２２ａの内側には、半径方向内側に延在するリング板２２ｂが形成されており、このリング板２２ｂのさらに内側には、シリンダー本体２２の軸線方向に延びる棒体２２ｃが設けられている。ここで棒体２２ｃは、その上部を、リング板２２ｂから上方に向けて傾斜して延びる連結片２２ｄと一体連結させて保持されている。図３に示すように連結片２２ｄは、周方向に間隔をあけて複数個（図示の例では均等配置で合計３個）設けられている。また図１に示すように筒体２２ａの下端部には、周方向に間隔をあけて設けられる下向き開放の切り欠き部２２ｅが少なくとも１個形成されている。
【００１９】
また、筒体２２ａの上部と一体連結するフランジ２１は、上方に向けて起立して後述するベースキャップに嵌合保持される環状の嵌合壁２１ａと、フランジ２１の表裏を貫く少なくとも１個の孔（流出孔２１ｂ）と、フランジ２１の端縁に設けられ、図１の例では下方に向けて延びる環状壁２１ｃとを備えている。
【００２０】
そして、シリンダー底体２３は、筒体２２ａの下部に挿入されて嵌合保持されるとともにその中央部に開口を有する有底筒状の底部２３ａと、底部２３ａの開口を取り囲んで垂下される筒状の嵌合部２３ｂと、底部２３ａの上部と一体連結するとともに下方に向かって拡径して円錐状となる傾斜壁２３ｃと、傾斜壁２３ｃの下端と一体連結するとともに周方向に間隔をあけて設けられる（図示の例では均等配置で４個設けている）突起２３ｄとを備えている。嵌合部２３ｂには、胴部１２の圧搾によって充填空間Ｍの内容物を吸引する吸引管ｐが嵌合保持されている。
【００２１】
また、シリンダー底体２３の内側には、図４（ａ）、（ｂ）に示すように、環状の内側壁２３ｅが起立している。内側壁２３ｅの内周面には、棒体２２ｃを支持するリブ２３ｆが、周方向に間隔をあけて複数個（図示の例では均等配置で４個）設けられている。また、内側壁２３ｅの外周面には外側溝部２３ｇが、周方向に間隔をあけて複数個（図示の例では均等配置で４個）設けられており、内側壁２３ｅの上面には、外側溝部２３ｇにつながる上側溝部２３ｈが設けられている。ここで、図１に示すようにシリンダー底体２３は、底部２３ａの底壁と周壁との連結部に、シリンダー底体２３の内側に空気を取り込む流入孔２４を備えている。
【００２２】
上記のように構成されるシリンダー２０は、充填空間Ｍ内の内容物を、吸引管ｐ、リブ２３ｆの相互間の隙間、連結片２２ｄの相互間の隙間、の順に通す内容物流路にてその内側に導入することができる。一方、充填空間Ｍ内の空気は、流入孔２４、切り欠き部２２ｅ、外側溝部２３ｇ、上側溝部２３ｈ、連結片２２ｄの相互間の隙間、の順に通過する空気流路にてその内側に導入される。
【００２３】
そして、容器本体１０の口部１１には、ベースキャップ３０が設けられている。ベースキャップ３０は、口部１１を覆うドーム型の頂壁３１を有し、この頂壁３１に段部３２を介して一体連結するリング壁３３を備えている。頂壁３１の内面には、後述する逆止弁の組付けを位置決めする位置決めリブ３１ａが設けられている。リング壁３３の半径方向外側には、その縁部から垂下される環状の外壁３４が設けられていて、外壁３４の内面には、口部１１のねじ部１１ａに係合するねじ部３４ａが形成されている。また外壁３４の下端部には、図５に示すように、回り止めリブ３４ｂが設けられている。これによりベースキャップ３０をねじ込むと、ねじ込み終了直前にて、回り止めリブ３４ｂが、小突起１１ｂを乗り越えて、この小突起１１ｂと大突起１１ｃとの間で回り止め保持される。さらに、図１に示すようにリング壁３３の半径方向内側には、シール壁３５が設けられていて、充填空間Ｍ内を封止している。ここで、シール壁３５の半径方向内側の面は、フランジ２１の端縁に設けた環状壁２１ｃが弾性接触する、ベースキャップ３０の内面壁３５ａとなっていて、それらは隙間なく密着している。なお図示したところでは、ねじによってベースキャップ３０を固定保持する例を示したが、アンダーカットで固定保持するようにしてもよい。
【００２４】
またベースキャップ３０は、頂壁３１と一体連結し先端側が僅かに上方に向けて傾くノズル３６と、ノズル３６の後端側で頂壁３１及びノズル３６に一体連結する内側筒部３７とを備えている。そして内側筒部３７をシリンダー２０の嵌合壁２１ａに挿入、嵌合させることで、シリンダー２０は、口部１１に吊り下げ保持される。これにより、シリンダー２０の外面壁とベースキャップ３０及び口部１１との相互間には、上部を頂壁３１で覆われるとともに容器本体１０の充填空間Ｍにつながる環状経路Ｋが区画形成される。なお、環状経路Ｋは、フランジ２１によって上下に仕切られており、これにより環状経路Ｋは、その上部が上側環状経路Ｋａに、その下部が下側環状経路Ｋｂに区画されている。一方、シリンダー本体２２、及びシリンダー底体２３で区画形成される内側空間は、胴部１２の圧搾によって、上述した内容物流路を通して導入される内容物、及び上述した空気流路を通して導入される空気を混合、発泡させる合流空間Ｇとなっている。
【００２５】
合流空間Ｇには、発泡部材４０が配設されている。図示の例では、筒体２２ａの段部ｄ上と、ベースキャップ３０の内側筒部３７とのそれぞれに、１個ずつ配設されている。発泡部材４０は、リング４１の端面に固着されたメッシュ４２からなり、空気の混在した内容物をこの発泡部材４０に通過させることにより発泡させて泡状にすることができる。なお、発泡部材４０の設置個数やメッシュ４２の目の粗さ等は内容物の種類に応じて適宜変更される。
【００２６】
発泡部材４０を通過して泡状となった内容物は、ノズル３６に向けて送出される。ここでノズル３６の内側には、合流空間Ｇにつながる排出経路Ｈが形成されていて、内容物は、排出経路Ｈの出口となるノズル３６の先端開口３６ａから外界に向けて噴出される。また、ベースキャップ３０の内側筒部３７には、排出経路Ｈと環状経路Ｋとを連通させる貫通孔３８が設けられている。さらに環状経路Ｋには、シリンダー２０の嵌合壁２１ａに嵌合し、また、ベースキャップ３０の位置決めリブ３１ａによって逆止弁５０の組付けを位置決めし、シール性を損なうことなく保持されている。逆止弁５０は、リング５１の外側に弾性変位する環状の弁体５２を備えていて、弁体５２はベースキャップ３０の段部３２の下面と密着している。これにより、充填空間Ｍ側からの空気及び内容物が貫通孔３８からは排出されない一方で、外気等は、貫通孔３８を通して充填空間Ｍ内に導入される。
【００２７】
上記のように構成される泡噴出容器は、胴部１２の圧搾に伴い、逆止弁５０の作用下で充填空間Ｍが加圧され、内容物は、上述した内容物流路を通って合流空間Ｇに至る。また同じく加圧された空気は、上述した空気流路を通って合流空間Ｇに至る。そして内容物及び空気をともに発泡部材４０に通過させることで所期した泡質に発泡される内容物は、排出経路Ｈを経てノズル３６の先端開口３６ａから噴出される。その後、胴部１２の圧搾を解除すると、可撓性の胴部１２は元の形状に復元する。これにより充填空間Ｍは負圧となるため、排出経路Ｈ内の発泡した残留内容物は、外気とともに貫通孔３８を通り、逆止弁５０の弁体５２を押し下げて上側環状経路Ｋａに導入される。ここで、上側環状経路Ｋａは、フランジ２１によって区画されて導入した残留内容物を一旦留め置く貯留空間になっているため、発泡した残留内容物はこの貯留空間内に一時的に留め置かれることになる。これにより、流出孔２１ｂを通過する残留内容物を、泡を減らした状態で充填空間Ｍに戻すことができる。従って、充填空間Ｍが残留内容物の泡ですぐに充満されてしまうことがなくなり、この残留内容物の泡による空気の流入孔２４の閉塞が発生しにくくなるので、内容物と空気との混合比を所期した割合で維持して、きめの細かい泡を安定的に、しかも連続して排出させることが可能となる。
【００２８】
また、図１及び図６に示すように流出孔２１ｂは、貫通孔３８よりも開口面積が小さくなっているので、充填空間Ｍ内に戻す際に、残留内容物の泡の大きさを確実に小さくすることができ、充填空間Ｍが残留内容物の泡で充満されてしまう不具合が、より一層起こりにくくなる。
【００２９】
そして、図示のように、フランジ２１の端縁に、ベースキャップ３０の内面壁３５ａと弾性接触する環状壁２１ｃを設ける場合は、フランジ２１と内面壁３５ａとの相互間からの残留内容物の漏れ出しを確実に防止することができるので、残留内容物は、確実に流出孔２１ｂのみから充填空間Ｍ内に導入されることになり、内容物の連続吐出を行っても、所期した通りの泡が安定的に排出できる。ここで、環状壁２１ｃは、図７に示すように、フランジ２１の端縁から上方に向けて起立するものであってもよい。この場合、図示は省略するが、起立する環状壁２１ｃの上端を段部３２の下面に当接するように設けることで、シリンダー２０を、ぐらつくことなく確実に吊り下げ保持することができる。
【００３０】
そして、シリンダー２０の傾斜壁２３ｃは、その外表面が、下方に向かうにつれて流入孔２４から離隔するように設けられているので、流出孔２１ｂを通過した残留内容物が流入孔２４へ直接流れ込む不具合を確実に防止することができる。また突起２３ｄを設ける場合は、傾斜壁２３ｃの外表面を伝う残留内容物が、傘の露先の如く、この突起２３ｄからまとまって充填空間内に落下しやすくなるので、流入孔２４の閉塞がより一層発生しにくくなる。
【産業上の利用可能性】
【００３１】
本発明によれば、バックサクション機能を備えるとともに、きめの細かい泡を安定的に排出させることができて使い勝手の良く、併せて部品コストを極力抑えた泡噴出容器を提供できる。
【符号の説明】
【００３２】
１０ 容器本体
１１ 口部
１２ 胴部
２０ シリンダー
２１ フランジ
２１ｂ 流出孔
２１ｃ 環状壁
２４ 流入孔
３０ ベースキャップ
３６ ノズル
３８ 貫通孔
Ｇ 合流空間
Ｍ 充填空間
Ｈ 排出経路
Ｋ 環状経路
Ｋａ 上側環状経路（貯留空間）
ｐ 吸引管
【技術分野】
【０００１】
本発明は、可撓性の胴部を圧搾することにより、流動性を有する内容物（液状、ゲル状等）を発泡させて排出する泡噴出容器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔料等の各種液体洗浄剤やセットローション等の整髪剤を内容物とする容器としては、泡立て動作を省略して簡便な利用を図る観点から、内容物の流路内に例えばメッシュ等からなる発泡部材を組み入れておき、可撓性を有する胴部を圧搾することで、内容物と空気とを混合させつつこれらを発泡部材に通過させて発泡させ、泡状になった内容物をノズルの噴出口から排出する泡噴出容器が提案されている（例えば特許文献１参照）。
【０００３】
上記のような泡噴出容器において、泡状となった内容物は、噴出口から排出された分の他、一部がノズルの排出経路内に残ったままとなるが、残留した内容物は、時間が経つと泡が消えて元の流動性を有する内容物に戻るため、使用後しばらくすると噴出口から内容物が垂れ落ちる（液だれ）ことがあった。このことは、特にノズルの側面側に噴出口が設けられている横出しタイプの泡噴出容器において顕著であった。
【０００４】
このような液だれを回避するものとしては、圧搾された胴部を復元させる外気導入孔を内容物の排出経路内に設けておき、胴部の復元に伴って容器本体内に取り込まれる外気とともに残留内容物も容器本体内に引き戻すバックサクション機能を設けた泡噴出容器が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】実開昭５８−１７４２７２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
ところで、きめの細かい泡を作るには、発泡部材を通過する、内容物と空気との混合比が重要な要素の１つであり、泡質を一定に維持するには、この混合比を安定的に保つことが必要とされている。しかしながら、上記のようなバックサクション機能を有する泡噴出容器では、胴部の圧搾と復元を繰り返して内容物の排出を続けると、引き戻された残留内容物の泡が容器本体内に充満して、発泡部材に空気を送給する流入孔を塞いでしまうことがあり、空気の流入量の減少や空気への泡の混入等が発生して、内容物と空気との混合比が所期した割合から変わってしまい、泡質が悪くなる（泡のきめが粗くなる）ことがあった。このため、バックサクション機能を備えつつも、きめの細かい泡を安定的に排出させることができる工夫が強く望まれており、また併せて、このような工夫を加えてもなお、部品コストを極力抑えた、新たな泡噴出容器の出現が切に望まれていた。
【０００７】
本発明の課題は、内容物を発泡させて排出させる泡噴出容器に関し、バックサクション機能を備えるとともに、きめの細かい泡を安定的に排出させることができて使い勝手が良く、併せて部品コストを極力抑えた泡噴出容器を提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
本発明は、可撓性を有する胴部を有し、その内側を内容物の充填空間とする容器本体と、内容物の吸引管を保持するとともに空気の流入孔を備え、その内側に内容物と空気との合流空間を区画形成するシリンダーと、該容器本体の口部に固定保持され、該シリンダーを該口部に吊り下げ保持するベースキャップと、該ベースキャップに一体連結してその内側に該合流空間につながる排出経路を形成するノズルとを備え、該胴部の圧搾により該合流空間にて内容物と空気とを混合、発泡させて、その内容物を該ノズルの先端から外界に噴出させる泡噴出容器であって、
前記ベースキャップは、前記シリンダーの外面壁との相互間に前記充填空間につながる環状経路を有するとともに、前記排出経路と前記環状経路とを連通させて外気及び該排出経路内の残留内容物を該環状経路内に導入する貫通孔を備え、
前記シリンダーに、残留内容物の流出孔を残して該環状経路を区画して、該貫通孔側に残留内容物の貯留空間を形成するフランジを設けることを特徴とする泡噴出容器である。
【０００９】
前記流出孔は、前記貫通孔のうち、最小の開口面積となる最小貫通孔よりも小さい開口面積を有することが望ましい。
【００１０】
前記フランジの端縁に、前記ベースキャップの内面壁に沿って延在するとともに、該内面壁と弾性接触する環状壁を設けることが望ましい。
【発明の効果】
【００１１】
ベースキャップに、シリンダーの外面壁との相互間に形成される環状経路を設けるとともに、内容物の排出経路と環状経路とを連通させて外気及び排出経路内の残留内容物を環状経路内に導入する貫通孔を形成したので、バックサクション機能を有効に発揮させてノズルの先端開口からの液だれを確実に防止することができる。
また、シリンダーに、残留内容物の流出孔を残して環状経路を区画して、その区画された経路のうち、貫通孔側を残留内容物の貯留空間とするフランジを設けたので、残留内容物を一旦貯留空間内に留め置くことができ、内容物の泡が消えやすくなる。これにより、容器本体内が残留内容物の泡ですぐに充満されてしまうことがなくなるので、この残留内容物の泡によって、空気の流入孔が閉塞される不具合が発生しにくくなり、内容物と空気との混合比を所期した割合で維持して、きめの細かい泡を安定的に排出させることが可能となる。また、このような機能をもたせてもなお、部品点数は変わらないので、部品コストを極力抑えることができる。
【００１２】
流出孔を、排出経路と環状経路とを連通する最小貫通孔よりも小さい開口面積を有するものとする場合は、流出孔を通過する残留内容物の泡の大きさを確実に小さくすることができるので、きめの細かい泡をより一層安定的に排出させることができる。
【００１３】
フランジの端縁に、ベースキャップの内面壁に沿って延在するとともに、内面壁と弾性接触する環状壁を設ける場合は、フランジとベースキャップの内面壁との間からの残留内容物の漏れ出しを確実に防止することができるので、残留内容物は、流出孔のみから安定的に充填空間内に導入されることになり、所期した通りの泡を連続して排出できる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明に従う泡噴出容器の実施の形態を示す、部分側面断面図である。
【図２】図１に示す泡噴出容器の部分正面断面図である。
【図３】図１に示すＡ−Ａに沿う断面図である。
【図４】（ａ）は、図１に示すＢ−Ｂに沿う断面図であり、（ｂ）は、（ａ）の部分斜視図である。
【図５】図１に示すＣ−Ｃに沿う断面図である。
【図６】図１に示すＤ−Ｄに沿う断面図である。
【図７】本発明に従う他の泡噴出容器の実施の形態を示す、部分側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図１は、本発明に従う泡噴出容器の実施の形態を示す、部分側面断面図であって、図２は、図１に示す泡噴出容器の部分正面断面図であって、図３は、図１に示すＡ−Ａに沿う断面図であって、図４の（ａ）は、図１に示すＢ−Ｂに沿う断面図であり、（ｂ）は、（ａ）の斜視図であって、図５は、図１に示すＣ−Ｃに沿う断面図であって、図６は、図１に示すＤ−Ｄに沿う断面図である。
【００１６】
図１において、符号１０は容器本体である。容器本体１０は、上部を開口させた筒状の口部１１を有し、この口部１１に図示しない底部につながる筒状の胴部１２を連結させて、その内側に内容物の充填空間Ｍを形成している。ここで胴部１２は、例えば合成樹脂等によって形成される可撓性を有するものである。また口部１１の外面壁には、ねじ部１１ａが形成されている。さらに口部１１の根元には、図５に示すように小突起１１ｂと大突起１１ｃとを周方向に間隔をあけて設けている。
【００１７】
符号２０は、後述するベースキャップにて口部１１に吊り下げ保持されるシリンダーである。図示の例でシリンダー２０は、上部にフランジ２１を備えるシリンダー本体２２と、シリンダー本体２２の下端部を挿入、嵌合させてシリンダー２０の底をなすシリンダー底体２３とからなる。
【００１８】
シリンダー本体２２は、小径の下部と大径の上部とを段部ｄを介して連結した筒体２２ａを備えている。また筒体２２ａの内側には、半径方向内側に延在するリング板２２ｂが形成されており、このリング板２２ｂのさらに内側には、シリンダー本体２２の軸線方向に延びる棒体２２ｃが設けられている。ここで棒体２２ｃは、その上部を、リング板２２ｂから上方に向けて傾斜して延びる連結片２２ｄと一体連結させて保持されている。図３に示すように連結片２２ｄは、周方向に間隔をあけて複数個（図示の例では均等配置で合計３個）設けられている。また図１に示すように筒体２２ａの下端部には、周方向に間隔をあけて設けられる下向き開放の切り欠き部２２ｅが少なくとも１個形成されている。
【００１９】
また、筒体２２ａの上部と一体連結するフランジ２１は、上方に向けて起立して後述するベースキャップに嵌合保持される環状の嵌合壁２１ａと、フランジ２１の表裏を貫く少なくとも１個の孔（流出孔２１ｂ）と、フランジ２１の端縁に設けられ、図１の例では下方に向けて延びる環状壁２１ｃとを備えている。
【００２０】
そして、シリンダー底体２３は、筒体２２ａの下部に挿入されて嵌合保持されるとともにその中央部に開口を有する有底筒状の底部２３ａと、底部２３ａの開口を取り囲んで垂下される筒状の嵌合部２３ｂと、底部２３ａの上部と一体連結するとともに下方に向かって拡径して円錐状となる傾斜壁２３ｃと、傾斜壁２３ｃの下端と一体連結するとともに周方向に間隔をあけて設けられる（図示の例では均等配置で４個設けている）突起２３ｄとを備えている。嵌合部２３ｂには、胴部１２の圧搾によって充填空間Ｍの内容物を吸引する吸引管ｐが嵌合保持されている。
【００２１】
また、シリンダー底体２３の内側には、図４（ａ）、（ｂ）に示すように、環状の内側壁２３ｅが起立している。内側壁２３ｅの内周面には、棒体２２ｃを支持するリブ２３ｆが、周方向に間隔をあけて複数個（図示の例では均等配置で４個）設けられている。また、内側壁２３ｅの外周面には外側溝部２３ｇが、周方向に間隔をあけて複数個（図示の例では均等配置で４個）設けられており、内側壁２３ｅの上面には、外側溝部２３ｇにつながる上側溝部２３ｈが設けられている。ここで、図１に示すようにシリンダー底体２３は、底部２３ａの底壁と周壁との連結部に、シリンダー底体２３の内側に空気を取り込む流入孔２４を備えている。
【００２２】
上記のように構成されるシリンダー２０は、充填空間Ｍ内の内容物を、吸引管ｐ、リブ２３ｆの相互間の隙間、連結片２２ｄの相互間の隙間、の順に通す内容物流路にてその内側に導入することができる。一方、充填空間Ｍ内の空気は、流入孔２４、切り欠き部２２ｅ、外側溝部２３ｇ、上側溝部２３ｈ、連結片２２ｄの相互間の隙間、の順に通過する空気流路にてその内側に導入される。
【００２３】
そして、容器本体１０の口部１１には、ベースキャップ３０が設けられている。ベースキャップ３０は、口部１１を覆うドーム型の頂壁３１を有し、この頂壁３１に段部３２を介して一体連結するリング壁３３を備えている。頂壁３１の内面には、後述する逆止弁の組付けを位置決めする位置決めリブ３１ａが設けられている。リング壁３３の半径方向外側には、その縁部から垂下される環状の外壁３４が設けられていて、外壁３４の内面には、口部１１のねじ部１１ａに係合するねじ部３４ａが形成されている。また外壁３４の下端部には、図５に示すように、回り止めリブ３４ｂが設けられている。これによりベースキャップ３０をねじ込むと、ねじ込み終了直前にて、回り止めリブ３４ｂが、小突起１１ｂを乗り越えて、この小突起１１ｂと大突起１１ｃとの間で回り止め保持される。さらに、図１に示すようにリング壁３３の半径方向内側には、シール壁３５が設けられていて、充填空間Ｍ内を封止している。ここで、シール壁３５の半径方向内側の面は、フランジ２１の端縁に設けた環状壁２１ｃが弾性接触する、ベースキャップ３０の内面壁３５ａとなっていて、それらは隙間なく密着している。なお図示したところでは、ねじによってベースキャップ３０を固定保持する例を示したが、アンダーカットで固定保持するようにしてもよい。
【００２４】
またベースキャップ３０は、頂壁３１と一体連結し先端側が僅かに上方に向けて傾くノズル３６と、ノズル３６の後端側で頂壁３１及びノズル３６に一体連結する内側筒部３７とを備えている。そして内側筒部３７をシリンダー２０の嵌合壁２１ａに挿入、嵌合させることで、シリンダー２０は、口部１１に吊り下げ保持される。これにより、シリンダー２０の外面壁とベースキャップ３０及び口部１１との相互間には、上部を頂壁３１で覆われるとともに容器本体１０の充填空間Ｍにつながる環状経路Ｋが区画形成される。なお、環状経路Ｋは、フランジ２１によって上下に仕切られており、これにより環状経路Ｋは、その上部が上側環状経路Ｋａに、その下部が下側環状経路Ｋｂに区画されている。一方、シリンダー本体２２、及びシリンダー底体２３で区画形成される内側空間は、胴部１２の圧搾によって、上述した内容物流路を通して導入される内容物、及び上述した空気流路を通して導入される空気を混合、発泡させる合流空間Ｇとなっている。
【００２５】
合流空間Ｇには、発泡部材４０が配設されている。図示の例では、筒体２２ａの段部ｄ上と、ベースキャップ３０の内側筒部３７とのそれぞれに、１個ずつ配設されている。発泡部材４０は、リング４１の端面に固着されたメッシュ４２からなり、空気の混在した内容物をこの発泡部材４０に通過させることにより発泡させて泡状にすることができる。なお、発泡部材４０の設置個数やメッシュ４２の目の粗さ等は内容物の種類に応じて適宜変更される。
【００２６】
発泡部材４０を通過して泡状となった内容物は、ノズル３６に向けて送出される。ここでノズル３６の内側には、合流空間Ｇにつながる排出経路Ｈが形成されていて、内容物は、排出経路Ｈの出口となるノズル３６の先端開口３６ａから外界に向けて噴出される。また、ベースキャップ３０の内側筒部３７には、排出経路Ｈと環状経路Ｋとを連通させる貫通孔３８が設けられている。さらに環状経路Ｋには、シリンダー２０の嵌合壁２１ａに嵌合し、また、ベースキャップ３０の位置決めリブ３１ａによって逆止弁５０の組付けを位置決めし、シール性を損なうことなく保持されている。逆止弁５０は、リング５１の外側に弾性変位する環状の弁体５２を備えていて、弁体５２はベースキャップ３０の段部３２の下面と密着している。これにより、充填空間Ｍ側からの空気及び内容物が貫通孔３８からは排出されない一方で、外気等は、貫通孔３８を通して充填空間Ｍ内に導入される。
【００２７】
上記のように構成される泡噴出容器は、胴部１２の圧搾に伴い、逆止弁５０の作用下で充填空間Ｍが加圧され、内容物は、上述した内容物流路を通って合流空間Ｇに至る。また同じく加圧された空気は、上述した空気流路を通って合流空間Ｇに至る。そして内容物及び空気をともに発泡部材４０に通過させることで所期した泡質に発泡される内容物は、排出経路Ｈを経てノズル３６の先端開口３６ａから噴出される。その後、胴部１２の圧搾を解除すると、可撓性の胴部１２は元の形状に復元する。これにより充填空間Ｍは負圧となるため、排出経路Ｈ内の発泡した残留内容物は、外気とともに貫通孔３８を通り、逆止弁５０の弁体５２を押し下げて上側環状経路Ｋａに導入される。ここで、上側環状経路Ｋａは、フランジ２１によって区画されて導入した残留内容物を一旦留め置く貯留空間になっているため、発泡した残留内容物はこの貯留空間内に一時的に留め置かれることになる。これにより、流出孔２１ｂを通過する残留内容物を、泡を減らした状態で充填空間Ｍに戻すことができる。従って、充填空間Ｍが残留内容物の泡ですぐに充満されてしまうことがなくなり、この残留内容物の泡による空気の流入孔２４の閉塞が発生しにくくなるので、内容物と空気との混合比を所期した割合で維持して、きめの細かい泡を安定的に、しかも連続して排出させることが可能となる。
【００２８】
また、図１及び図６に示すように流出孔２１ｂは、貫通孔３８よりも開口面積が小さくなっているので、充填空間Ｍ内に戻す際に、残留内容物の泡の大きさを確実に小さくすることができ、充填空間Ｍが残留内容物の泡で充満されてしまう不具合が、より一層起こりにくくなる。
【００２９】
そして、図示のように、フランジ２１の端縁に、ベースキャップ３０の内面壁３５ａと弾性接触する環状壁２１ｃを設ける場合は、フランジ２１と内面壁３５ａとの相互間からの残留内容物の漏れ出しを確実に防止することができるので、残留内容物は、確実に流出孔２１ｂのみから充填空間Ｍ内に導入されることになり、内容物の連続吐出を行っても、所期した通りの泡が安定的に排出できる。ここで、環状壁２１ｃは、図７に示すように、フランジ２１の端縁から上方に向けて起立するものであってもよい。この場合、図示は省略するが、起立する環状壁２１ｃの上端を段部３２の下面に当接するように設けることで、シリンダー２０を、ぐらつくことなく確実に吊り下げ保持することができる。
【００３０】
そして、シリンダー２０の傾斜壁２３ｃは、その外表面が、下方に向かうにつれて流入孔２４から離隔するように設けられているので、流出孔２１ｂを通過した残留内容物が流入孔２４へ直接流れ込む不具合を確実に防止することができる。また突起２３ｄを設ける場合は、傾斜壁２３ｃの外表面を伝う残留内容物が、傘の露先の如く、この突起２３ｄからまとまって充填空間内に落下しやすくなるので、流入孔２４の閉塞がより一層発生しにくくなる。
【産業上の利用可能性】
【００３１】
本発明によれば、バックサクション機能を備えるとともに、きめの細かい泡を安定的に排出させることができて使い勝手の良く、併せて部品コストを極力抑えた泡噴出容器を提供できる。
【符号の説明】
【００３２】
１０ 容器本体
１１ 口部
１２ 胴部
２０ シリンダー
２１ フランジ
２１ｂ 流出孔
２１ｃ 環状壁
２４ 流入孔
３０ ベースキャップ
３６ ノズル
３８ 貫通孔
Ｇ 合流空間
Ｍ 充填空間
Ｈ 排出経路
Ｋ 環状経路
Ｋａ 上側環状経路（貯留空間）
ｐ 吸引管
【特許請求の範囲】
【請求項１】
可撓性を有する胴部を有し、その内側を内容物の充填空間とする容器本体と、内容物の吸引管を保持するとともに空気の流入孔を備え、その内側に内容物と空気との合流空間を区画形成するシリンダーと、該容器本体の口部に固定保持され、該シリンダーを該口部に吊り下げ保持するベースキャップと、該ベースキャップに一体連結してその内側に該合流空間につながる排出経路を形成するノズルとを備え、該胴部の圧搾により該合流空間にて内容物と空気とを混合、発泡させて、その内容物を該ノズルの先端から外界に噴出させる泡噴出容器であって、
前記ベースキャップは、前記シリンダーの外面壁との相互間に前記充填空間につながる環状経路を有するとともに、前記排出経路と前記環状経路とを連通させて外気及び該排出経路内の残留内容物を該環状経路内に導入する貫通孔を備え、
前記シリンダーに、残留内容物の流出孔を残して該環状経路を区画して、該貫通孔側に残留内容物の貯留空間を形成するフランジを設けることを特徴とする泡噴出容器。
【請求項２】
前記流出孔は、前記貫通孔のうち、最小の開口面積となる最小貫通孔よりも小さい開口面積を有する請求項１に記載の泡噴出容器。
【請求項３】
前記フランジの端縁に、前記ベースキャップの内面壁に沿って延在するとともに、該内面壁と弾性接触する環状壁を設けてなる請求項１又は２に記載の泡噴出容器。
【請求項１】
可撓性を有する胴部を有し、その内側を内容物の充填空間とする容器本体と、内容物の吸引管を保持するとともに空気の流入孔を備え、その内側に内容物と空気との合流空間を区画形成するシリンダーと、該容器本体の口部に固定保持され、該シリンダーを該口部に吊り下げ保持するベースキャップと、該ベースキャップに一体連結してその内側に該合流空間につながる排出経路を形成するノズルとを備え、該胴部の圧搾により該合流空間にて内容物と空気とを混合、発泡させて、その内容物を該ノズルの先端から外界に噴出させる泡噴出容器であって、
前記ベースキャップは、前記シリンダーの外面壁との相互間に前記充填空間につながる環状経路を有するとともに、前記排出経路と前記環状経路とを連通させて外気及び該排出経路内の残留内容物を該環状経路内に導入する貫通孔を備え、
前記シリンダーに、残留内容物の流出孔を残して該環状経路を区画して、該貫通孔側に残留内容物の貯留空間を形成するフランジを設けることを特徴とする泡噴出容器。
【請求項２】
前記流出孔は、前記貫通孔のうち、最小の開口面積となる最小貫通孔よりも小さい開口面積を有する請求項１に記載の泡噴出容器。
【請求項３】
前記フランジの端縁に、前記ベースキャップの内面壁に沿って延在するとともに、該内面壁と弾性接触する環状壁を設けてなる請求項１又は２に記載の泡噴出容器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１３−５２８８０（Ｐ２０１３−５２８８０Ａ）
【公開日】平成２５年３月２１日（２０１３．３．２１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１９００８１（Ｐ２０１１−１９００８１）
【出願日】平成２３年８月３１日（２０１１．８．３１）
【出願人】（０００００６９０９）株式会社吉野工業所 (2,913)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年３月２１日（２０１３．３．２１）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年８月３１日（２０１１．８．３１）
【出願人】（０００００６９０９）株式会社吉野工業所 (2,913)
【Ｆターム（参考）】
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