説明

波形ウェブ桁の溶接方法

【課題】良好な溶接ビード外観を、簡便に得る。
【解決手段】波形ウェブ桁10の波形ウェブ板12とフランジ板14の接合部を隅肉溶接するための波形ウェブ桁の溶接方法において、2台の自動溶接手段22、24の溶接トーチ23、25を、波形ウェブの平行部の略中央の同じ位置に向けて配置し、同時に溶接を開始して、同じ溶融池から各々反対方向に進行させ、各々の溶接アークを停止させることなく、円弧部、傾斜部及び次の円弧部を経て、次の平行部Eまで溶接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波形ウェブ桁の波形ウェブ板とフランジ板の接合部を隅肉溶接するための波形ウェブ桁の溶接方法に係り、特に、鋼製橋梁の波形鋼板ウェブ橋を工場内で施工する際に用いるのに好適な、良好な溶接ビード外観を簡便に得ることが可能な波形ウェブ桁の溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鋼製橋梁の波形鋼板ウェブ橋の工場内施工に際して、波形ウェブ桁10の波形ウェブ板12とフランジ板14との隅肉溶接(首溶接とも称する)は、一般に、図1に示す如く、屈曲した波形ウェブ板12を立てた状態(以下、立置き施工法と称する)で部材を設置し、隅肉溶接を実施している。
【0003】
この立置き施工法の施工順序は、例えば次のとおりである。
【0004】
(1)該当部材が、ウェブ板12とフランジ板14を仮付け溶接された状態で搬入される。このとき、フランジ板14には、現地据付時にコンクリートに埋め込まれる付属品(アングル16や鉄筋等)が、既に外側(ウェブ板12と反対側)に溶接された状態で納入される。
【0005】
(2)片側のフランジ面を下にして部材を配置するが、付属品(16)を回避して固定する。
【0006】
(3)下側の隅肉溶接部の溶接施工(下向き水平隅肉溶接・両面)を実施する。
【0007】
(4)溶接終了後、部材を反転させて、(2)(3)と同様に施工を実施する。
【0008】
なお、波形ウェブ桁ではないが、同様に複雑な形状である船殻外板の溶接方法が特許文献1に記載され、箱形断面形状の鋼構造物を、レール上を走行する自動溶接機を用いて溶接する自動溶接装置が特許文献2に記載され、管交差部を多関節ロボットを用いて溶接する方法が特許文献3に記載され、複数の溶接ロボットを用いて溶接する際の制御装置及び制御方法が特許文献4に記載されている。
【0009】
【特許文献1】特開平7−9128号公報
【特許文献2】特開2002−1535号公報
【特許文献3】特開平10−58139号公報
【特許文献4】特開2001−273022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、立置き施工法では、フランジ板14にアングル部材16や鉄筋が付属しているので、部材を立に配材し固定するとき、これらが突起物となり回避して固定しなければならず、多大な作業時間がかかる。又、ウェブ桁高Hには2mを越える高いものも多数存在しており、固定作業や溶接作業が危険な作業になり、安全に細心の注意を払う必要がある。
【0011】
このため立置き施工法ではなく、波形ウェブ板12を水平に置く横置き施工法では、部材の固定作業が一般に不要になる他、安全性も格段に向上するが、溶接部に傾斜部の施工が発生するため、半自動溶接では、高度な施工技能が要求される。又、水平部と傾斜部を分割して溶接すれば、それぞれの溶接点を結合する始終端部でビード継ぎ部が発生し、溶接ビードの外観検査に合格するためには、継ぎ目処理を平滑に仕上る必要があるという問題点を有していた。即ち、橋梁業界の溶接施工では、不連続ビードが好まれないため、一般にビードの継き目が発生した場合、溶接後に手直し作業を行なう必要があり、これには多大な作業員、作業時間が発生し、製作コストの増大の一因となっていた。
【0012】
一方、前記特許文献1乃至4に記載の技術は、いずれも、そのままでは、波形ウェブ桁の溶接には適していなかった。
【0013】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、良好な溶接ビード外観を簡便に得ることが可能な波形ウェブ桁の溶接方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、波形ウェブ桁の波形ウェブ板とフランジ板の接合部を隅肉溶接するための波形ウェブ桁の溶接方法において、2台の自動溶接手段(溶接ロボットや自動溶接機)の溶接トーチを、波形ウェブの平行部の略中央の同じ位置に向けて配置し、同時に溶接を開始して、同じ溶融池から各々反対方向に進行させ、各々の溶接アークを停止させることなく、円弧部、傾斜部及び次の円弧部を経て、次の平行部まで溶接するようにして、前記課題を解決したものである。
【0015】
又、前記波形ウェブ板を水平置きとして、前記溶接を行なうことにより、部材の固定作業を不要とし、作業時間を短縮すると共に、安全性も高めたものである。
【0016】
又、前記溶接を、波形ウェブの山平行部から開始して、谷平行部まで行なうようにしたものである。
【0017】
又、前記溶接を多層盛にて行なうようにして、隅肉脚長が長い場合にも対応できるようにしたものである。
【0018】
又、前記多層盛溶接において、溶接線倣い制御法を利用して、初層の倣い軌跡を記憶し、2層目以降には、初層溶接の倣い軌跡にトーチ狙い位置のシフト量を加味して溶接倣いを行なうようにして、多層盛溶接でも適切な溶接倣いが行えるようにしたものである。
【0019】
又、前記多層盛溶接において、少なくとも初層はトーチを回転させる回転アーク溶接を行なうようにして、適切な多層盛溶接が行えるようにしたものである。
【0020】
又、前記多層盛溶接の終端位置を、パス毎にずらしてカスケード処理するようにして、ビード継ぎ目が目立たなくなるようにしたものである。
【0021】
又、前記溶接を、溶接終端部でビード継ぎが発生するよう波形ウェブ板の長手方向に繰り返すことにより、全長にわたってビード継ぎ部がきれいな溶接が行えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明においては、図2に示す如く、2本の溶接トーチの溶接開始点Sをほぼ同一としたので、2本のアーク発生時に形成される2つの溶融池を1つに結合させて1プール化することによって、最大の利点が得られる。即ち、溶融池が1プール化すると、溶接ビードの継ぎ目が無くなり、アークスタート時点で平滑な溶接ビードが得られ、あたかも1本の連続した溶接線のように見える。このため、スタート時点Sでの手直し作業が不要になる。
【0023】
特に、図2に示したように、波形ウェブ板12を水平置きとした方法では、部材の固定作業が一般に不要になる他、安全面も格段に向上する。なお、波形ウェブ板12を水平置きとすると、溶接姿勢が時々刻々と変化するが、溶接姿勢の変化に合わせて、その度に溶接を停止し、溶接条件を変更させる施工法を採用すると、ビード継ぎ目が多数発生し、手直し作業が必要になる。そこで、時々刻々の溶接姿勢の変化に対して、溶接条件の調整が可能な自動溶接手段、例えば、溶接線に沿ったトーチの移動と溶接条件を固定シーケンスにより制御して、繰返し同じ溶接部を溶接する自動溶接機や、上位制御部より、溶接部材、溶接条件等の情報を設定し、多軸のロボットを用いて溶接する、多様なワーク形状に対して溶接が可能な溶接ロボット(例えば多関節溶接ロボット)を用いることが望ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0025】
本発明の第1実施形態は、図3に示す如く、ロボットスライド軸20上水平方向に移動自在な、2台の協調動作が可能な(例えば6軸)多関節型のツイン溶接ロボット22、24を用いて、本発明を実施するものである。図において、23、25は、各溶接ロボット22、24の溶接トーチである。
【0026】
施工に際しては、図4に手順を示す如く、まず、ステップ100の配材で、波形ウェブ板12とフランジ板14を仮付けした状態で、図2に示した如く、水平置きする。
【0027】
次いで、ステップ102のデータ読込で、波形ウェブ板12の設計図面をロボットが読み取り、溶接線を入力する。
【0028】
次いでステップ104の事前センシングで、2台の溶接ロボット22、24がそれぞれ、図5に示す如く、溶接前に例えば数箇所ずつのワイヤタッチセンシングを実施し、溶接ワイヤ自体を接触子として用いて、ワイヤと母材間の接触の有無から母材の位置を検出する。そして部材形状の組立誤差等を検知し、ステップ102で読み込んだ溶接線情報を修正する。又、2台の溶接ロボット22、24の座標軸の誤差を修正するために、同一点をセンシングしておき、補正する。
【0029】
次いでステップ106に進み、初層溶接を行う。具体的には、図3に示した如く、2台の溶接ロボット22、24の溶接アーク点が、波の上の中央部付近で近接した状態とし、その後図6に例示する如く、電極ノズル30の中心に送給され、通電チップ32の先端で所定量偏心された溶接ワイヤ34を備えた電極ノズル30をモータ36で回転させることにより、ワイヤ先端のアークが溶融池38上を回転するようにした高速回転アーク溶接法により、同時にアークスタート(溶接開始)を行い、それぞれ反対方向へ溶接を進行させる。これにより、溶接開始点Sで溶融池が1プール化するために溶接ビードの継ぎ目が無くなり、アークスタート地点Sで平滑な溶接ビードが得られる。
【0030】
その後、図2に示した如く、それぞれの溶接部位で時々刻々と溶接条件(溶接電流、アーク電圧、溶接速度、トーチ角度等)を変化させながら、山上の平行部(山平行部と称する)12Aから上円弧部12B、傾斜(下進)直線部12C、下円弧部12D、谷平行部12Eへと連続施工を実施する。このとき、傾斜直線部12Cでは、溶融池が重力によって垂れ落ちないように、アーク圧力で保持する必要があり、ビード形成と合わせた溶接条件を選定する。そして谷平行部12Eのしかるべき時点で溶接停止する。
【0031】
波形ウェブ板12の寸法が図7に示す如くであり、1.2mmφのソリッドワイヤを溶接ワイヤ34とし、Ar−CO混合ガスをシールドガスとした場合の初層溶接条件の例を表1に示す。
【0032】
【表1】

【0033】
この際、溶接線が連続的に変化するため、全線でアーク位置をセンシングする必要があり、例えば高速回転アーク溶接法による溶接線倣いを実施し、溶接線に対するチップ・母材間距離や、溶接線と直交方向のずれ量を、溶接電流、アーク電圧あるいは短絡移行状態等の変化情報から捉え、トーチの位置修正へフィードバックする。これは、溶接前の設計図面から得られた溶接線の情報と実際の溶接線とでは、切断、組立、製作誤差が発生しており、その影響を無視することはできないからである。
【0034】
ここで、初層に回転アーク溶接を利用する利点は次のとおりである。即ち、ステップ104における初層前のセンシング、例えばワイヤタッチセンシングでは、溶接線全線をセンシングすることは実質的に不可能で、実際のワークの微小な誤差については検出できない。それに対して、回転アーク溶接では、溶接中はほぼ常時、開先中心からの揺動中心の開先幅方向の位置ずれを、溶接電流波形やアーク電圧波形の揺動中心位置に対する非対称性からセンシングして(アークセンサと称する)、溶接トーチの狙い位置が常に開先中心となるように制御しているので、溶接線全線のセンシングが可能となる。又、溶接トーチを横方向に運棒せずに溶接進行のみに動かす図8(B)に示すようなストレート溶接では、溶け込み形状が中央部に集中し易く、高電流域では更にその傾向が強い。一方、図8(A)に示す回転アーク溶接では、平坦な溶け込み形状が得られ、これは高電流化しても、同様の傾向がある。その結果、直進傾斜部12Cの下進溶接でも、回転アーク及び高電流化により、広い範囲でも深い溶け込み形状が得られる。
【0035】
ステップ106の回転アークによる初層溶接が終了後、隅肉溶接の脚長サイズに応じて、多層盛溶接が必要な場合は、ステップ108で2パス目以降の積層溶接を行なう。水平姿勢の隅肉溶接の最大脚長は9〜11mmであり、11mm以上の1パス施行は、重力により、溶接金属が垂れ下がって不能であり、下進溶接では最大脚長が更に小さくなり6mm程度であるため、例えば、隅肉脚長が6mmの場合は1層1パス、9mmの場合は2層3パス、13mmの場合は3層6パスとする。具体的には、再び2台の溶接ロボット22、24が山上の平行部12Aで接近してアークを再スタートさせ、山平行部12A→上円弧部12B→傾斜直線部12C→下円弧部12D→谷平行部12Eへと溶接を進行させる。この2パス目以降の上層溶接は、溶接トーチを溶接進行方向にのみ動かし、横方向には動かさないストレート溶接を行なう。それは、このストレート溶接が、高速回転アーク溶接と比べ、特に下進溶接で、アークの安定性に優れるためである。特に2層目以降の場合、高速回転アーク溶接では、それ以前の溶接ビードをも溶かすために、垂れ落ちし易い傾向にある。
【0036】
この2パス目以降では、初層と同じ溶接線を溶接するので、初層の倣い軌跡と同一の動きをすればよい。但し、一般に多層盛の場合は、それまでの積層ビード形状を考慮して、狙い位置を変動(シフト)させるので、そのシフト量を考慮する。即ち、隅肉溶接の形成を考慮して、トーチ狙い位置を図9に示す如くシフトさせるが、溶接線倣いによる修正には、次の2つのパターンがある。
【0037】
(1)ステップ104のワイヤタッチセンシング情報を元に、溶接線の修正を行なう。
【0038】
(2)ステップ104のワイヤタッチセンシング及びステップ106のアークセンサによる溶接線倣いの補正量を記憶しておき、両者の補正分を修正する。
【0039】
この2パス目以降の溶接条件の例を表2に示す。
【0040】
【表2】

【0041】
なお、多層盛による熱変形が問題になる場合は、2パス目以降でも、1パス目と同様の溶接線倣い制御を行うことができる。
【0042】
ステップ110で、1つの波の施工が完了したと判断されたときには、ステップ112に進み、隣りの波の例えば山中央へ溶接ロボット22、24を移動させ、ステップ104〜110を繰り返して、ステップ114で片面が完了したと判定されるまで、当該部材の溶接施工を順次実施する。
【0043】
片面が完了した場合には、ステップ118に進み、部材の上下を反転させ、ステップ116で両面が完了したと判定されるまで、ステップ104〜114を繰り返して、所定の溶接を完了させる。
【0044】
多層盛溶接の場合、終端部のビード継ぎ目を1箇所で重ねると、不連続部が重なるため、その部分のビード形状が悪化してしまう。そこで、ビード継ぎを目立たなくするため、図10に示す如く、カスケード(段差)処理することで、不連続部をできるだけ目立たないようにしている。各パス毎のカスケード量は、例えば30〜80mmとすることができる。
【0045】
本実施形態においては、ビードの継ぎ目を谷平行部12のみとしているため、継ぎ目処理が容易であり、平滑化し易い。特に、終端同士とした場合には、終端同士のビード継ぎ目は、継ぎ目処理が容易であり、平滑化し易い。
【0046】
即ち、ビード継ぎ目には、図11に示す如く、(A)溶接開始点(始端)Sの上に次の始端Sを重ねる始端―始端継S―S、(B)始端Sの上に次の溶接終了点(終端)Eを重ねる始端―終端継S―E、(C)終端Eの上に次の始端Sを重ねる終端―始端継E−S、(D)終端Eの上に次の終端Eを重ねる終端―終端継E−Eの4種類があるが、始端Sは、母材の温度が未だ上がっていないため、溶接ビードが拡がらず、丸みを帯びた凸ビードになり易い。一方、終端Eには、クレータと呼ばれる凹みが生じる。このクレータは、電流が高いほど大きいので、高電流施工のロボット施工では、特に問題となる。従って、終了点近くで電流や溶接速度を下げ、時には停止又は逆走して、凹みを埋める。
【0047】
ロボット溶接でのビード継ぎの場合、始端Sの狭く凸状のビードを解消する運棒は難しく、終端Eのクレータを埋める動作は比較的容易である。特に、ビード継ぎでは、2本の溶接線を重ねることで、より凸形状になり易い。よって、ビード継ぎでは、できる限り始端Sを避け、若しくは、後から溶接した側での始端Sを避ける。特に、最初の溶接、後からの溶接のいずれも、始端Sは難度が高く難しい。更に、ビード継ぎ部分で手直しが発生した場合にも、図11(A)(C)のように始端Sが残るビード継ぎは、上盛り溶接+グラインダ切削が必要であるが、図11(B)(D)のように始端Sが残らないビード継ぎは、グラインダ切削のみで済む場合が多く、最小限の労力で施工を完了することができる。従って、図11(D)に示す終端E−終端Eが最も望ましい。
【0048】
次に、図12を参照して、図13に示すような小型自動溶接機を用いて溶接するようにした、本発明の第2実施形態を説明する。
【0049】
本実施形態は、走行レール40上を走行する2台の小型溶接台車42、44上の溶接トーチ43、45により溶接するようにしたものである。図13において、46は溶接トーチ43のホルダ、47は台車42の車輪、48はケーブル、図12において、50は、溶接条件の設定、溶接・走行のオンオフ管理、及び、2台の溶接台車42、44の同期制御を行なうための制御ボックスである。
【0050】
なお、前記実施形態においては、いずれも、波形ウェブ板12のウェブが水平置きとなるようにしていたので、施工が特に容易である。なお、本発明の適用対象は、必ずしも水平置きに限定されない。
【0051】
又、ウェブ板12の同じ側を続けて溶接するのではなく、片側ずつ交互に溶接しても構わない。溶接開始位置も山平行部12Aの中央位置に限定されず、中央からずれた位置や、谷平行部12Eから溶接を開始しても構わない。ウェブの波の数も1以上であれば本発明を適用できる。
【0052】
更に、溶接線倣い制御法も、ワイヤタッチセンサ(溶接開始前)やアークセンサ(溶接中)によるものに限定されず、光学センサなどを用いて、他の方法で、溶接線からのずれ量に応じて溶接トーチ位置を制御するものでも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】溶接対象の波形ウェブ桁を立置きした状態を示す斜視図
【図2】本発明による溶接線を示す斜視図
【図3】本発明の第1実施形態による施工状況を示す側面図
【図4】同じく溶接手順を示す流れ図
【図5】同じくワイヤセンシング位置の例を示す(A)平面図及び(B)側面図
【図6】同じく初層溶接に用いる高速回転アーク溶接状態を示す斜視図
【図7】同じく波形ウェブ板の寸法の例を示す側面図
【図8】(A)高速回転アーク溶接と(B)ストレート溶接の溶接トーチの動きと溶接ビードを示す斜視図及び平面図
【図9】同じく多層盛溶接の(A)各パスの狙い位置と(B)各パス間のシフト量を示す正面図
【図10】同じくビード継ぎのカスケード処理を示す斜視図
【図11】同じく各種ビード継ぎを比較して示す平面図
【図12】本発明の第2実施形態による施工状況を示す斜視図
【図13】第2実施形態で用いる自動溶接機の例を示す斜視図
【符号の説明】
【0054】
10…波形ウェブ桁
12…波形ウェブ板
12A…山平行部
12B…上円弧部
12C…傾斜直線部
12D…下円弧部
12E…谷平行部
14…フランジ板
20…ロボットスライド軸
22、24…溶接ロボット
23、25、43、45…溶接トーチ
38…溶接池(プール)
40…走行レール
42、44…溶接台車
50…制御ボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
波形ウェブ桁の波形ウェブ板とフランジ板の接合部を隅肉溶接するための波形ウェブ桁の溶接方法において、
2台の自動溶接手段の溶接トーチを、波形ウェブの平行部の略中央の同じ位置に向けて配置し、
同時に溶接を開始して、同じ溶融池から各々反対方向に進行させ、
各々の溶接アークを停止させることなく、円弧部、傾斜部及び次の円弧部を経て、次の平行部まで溶接することを特徴とする波形ウェブ桁の溶接方法。
【請求項2】
前記波形ウェブ板を水平置きとして、前記溶接を行なうことを特徴とする請求項1に記載の波形ウェブ桁の溶接方法。
【請求項3】
前記溶接を、波形ウェブの山平行部から開始して、谷平行部まで行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の波形ウェブ桁の溶接方法。
【請求項4】
前記溶接を多層盛にて行なうことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の波形ウェブ桁の溶接方法。
【請求項5】
前記多層盛溶接において、溶接線倣い制御法を利用して、初層の倣い軌跡を記憶し、2層目以降には、初層溶接の倣い軌跡にトーチ狙い位置のシフト量を加味して溶接倣いを行なうことを特徴とする請求項4に記載の波形ウェブ桁の溶接方法。
【請求項6】
前記多層盛溶接において、少なくとも初層はトーチを回転させる高速回転アーク溶接を行なうことを特徴とする請求項4又は5に記載の波形ウェブ桁の溶接方法。
【請求項7】
前記多層盛溶接の終端位置を、パス毎にずらしてカスケード処理することを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の波形ウェブ桁の溶接方法。
【請求項8】
前記溶接を、溶接終端部でビード継ぎが発生するよう波形ウェブ板の長手方向に繰り返すことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の波形ウェブ桁の溶接方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−90390(P2007−90390A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−283584(P2005−283584)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(000004123)JFEエンジニアリング株式会社 (1,044)
【Fターム(参考)】