説明

波長選択性熱放射または熱吸収材料の製造方法

【課題】合金基材の最表面にあるマクロ的な凹凸(例えば研磨によって生じる凹凸)の影響を排除して、波長選択性の熱放射または熱吸収材料として有効な厳格な寸法精度のキャビティを形成し、かつ、合金基材を二相共存領域で時効処理してスピノーダル分解させた合金基板を利用するので、大面積の熱放射または吸収材料を容易に作製する。
【解決手段】スピノーダル分解で第1の相と第2の相とが規則的に配列された合金基材の、最表面にある第1の相と第2の相とをいずれも除去してから、その内側にある第1の相と第2の相とを利用してキャビティを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽熱を利用して発電や給湯を行う太陽エネルギー利用産業分野および宇宙環境での熱利用機器を開発する宇宙産業分野等において用いられる波長選択性熱放射材料または熱吸収材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽熱エネルギーの有効利用を図るために、種々の波長選択性をもつ熱放射または熱吸収材料が研究され、開発されている。
【0003】
本発明者は、先に、金属アルミニウムシートを陽極酸化し、さらに所定のエッチング法を用いて前記陽極酸化シートを処理することにより規則配列された多数の孔を有するアルミナ膜からなるマスクを得、前記アルミナ膜マスクを耐熱性基板の上に載置し、所定のエッチングガスを用いるドライエッチング法を適用して、熱安定性に優れ、高温での長期間の使用に耐えることができる高効率の波長選択性の熱放射または熱吸収材料の製造方法を提案し、特許された(特許文献1)。
【0004】
この発明によれば、表面の周期的微細構造(微細凹凸構造)の大きさを変えることにより、任意の波長域で放射率を増大させることができ、熱放射または熱吸収材料として非常に有効なものを作製することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3472838号公報
【特許文献2】特開2005-271097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、一方で、ドライエッチング法は、大面積の熱放射または熱吸収材料を作製するのは非常に困難な方法であるという課題を残している。例えば、mm2レベルの材料を作製するのに6時間程度もかかる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記の課題を解決するためにスピノーダル分解させたNi基超合金をエッチング液で処理することで周期的微細構造を形成する技術に着目した(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
この特許文献2は、Ni基超合金をエッチング液で処理することで形成されるメゾスケールの方形の規則的な凹凸を利用して、これを電子素子用又はIC用冷却フィン等に適用することを意図したものである。ただし、このような用途では、規則的な凹凸の寸法に厳密な精度は必要としない。
【0009】
これに対し、波長選択性の熱放射または熱吸収材料では、規則的な凹凸の寸法に厳格な精度が要求される。すなわち、スピノーダル分解させたNi基超合金をエッチング液で処理することで得られる周期的微細構造は、そのキャビティの大きさが500nm程度であるが、本発明の用途に有効に適用するには、その10分の1程度の50nm(原子約500個分)程度の表面平滑さが必要である。しかし、このような表面平滑さは精密な研磨を行なっても実現することはできない。
【0010】
そこで、本発明者は、規則的な凹凸を形成する基板の最表面の相構造(γ相+γ´相)をそのまま利用してキャビティ(凹凸)を形成するのではなく、最表面の相構造を化学的、電気化学的の溶解、及び/又は物理的に削除し、そのことにより表出した内側の相構造(γ相+γ´相)を利用してキャビティ(凹凸)を形成することにより、この問題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】
即ち本発明は、過飽和固溶体を二相共存領域で時効処理したときに、スピノーダル分解により二相分離可能な合金基材を準備する工程と、
この合金基材を二相共存領域で時効処理してスピノーダル分解させ、規則的に配列された第1の相と、第1の相の間に配列された第2の相とを形成する工程と、前記第2の相を所定の深さまで選択的に溶解除去して、第1の相を浮き上がらせる工程と、第2の相の溶解除去により浮き上がった第1の相を超音波により物理的に除去する工程と、第1の相を超音波により物理的に除去した後、表面にある第1の相を選択的に溶解除去する工程と、を具備することを特徴とする、波長選択性の熱放射または熱吸収材料の製造方法である。
【0012】
ここで、波長選択性熱放射材料と波長選択性熱吸収材料とは、材料自体は同一である。この材料は、ヒーターなどの熱源によりこの材料を加熱すると、特定の波長領域でのみ熱放射するという特性を有するが、このような特性を利用した用途(目的)で用いられる場合、波長選択性熱放射材料となる。一方、太陽など、外部からの熱放射を受けると、ある特定の波長領域のみを吸収するという特性を有するが、このような特性を利用した用途(目的)で用いられる場合、波長選択性熱吸収材料となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、スピノーダル分解で第1の相と第2の相とが規則的に配列された合金基材の、最表面にある第1の相と第2の相とをいずれも除去してから、その内側にある第1の相と第2の相とを利用してキャビティを形成するようにしたので、合金基材の最表面にあるマクロ的な凹凸(例えば、切り出しや、機械加工によって生じる表面の残留凹凸、更には表面の「段違い」による最表面結晶相の違い、バルク材料から所定の結晶面(結晶軸)を切り出す際に発生する「ずれ」(誤差)に起因する最表面の構造の空間的不均一性)の悪影響を排除して、微視的に一様な表面構造(50nm程度の平滑さ)を得ることにより、波長選択性の熱放射または熱吸収材料として有効な精度の高い寸法精度のキャビティを形成することができる。
【0014】
しかも、合金基材を二相共存領域で時効処理してスピノーダル分解させた合金基板をエッチングすることにより、大面積の熱放射または熱吸収材料を短時間で容易に作製することができる。
【0015】
又、スピノーダル分解する合金基材、例えばNi基合金は、電気伝導度が低く、したがって赤外領域の反射が低くなる。これを防ぐ為、合金基材よりも電気伝導度が高い金属又は合金をコーティングすることにより赤外領域の反射を向上することができる。また、コーティングする金属又は合金を合金基材よりも高融点とすることにより、高温でも安定して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(1)〜(4)は、本発明方法の概要を順に示す説明図
【図2】実施例で得られた表面微細講造を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示し、(a)は正面から見た写真、(b)は斜めから見た写真
【図3】比較例で得られた表面微細講造を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示し、(a)は正面から見た写真、(b)は斜めから見た写真
【図4】実施例と比較例との波長選択性能を比較した実験結果を、理想的構造の計算結果と共に示した図
【図5】(a)〜(c)はそれぞれ熱処理条件を変えて作成された試料の表面微細構造を走査型電子顕微鏡で観察した結果を示す写真
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0018】
まず、過飽和固溶体を二相共存領域で時効処理したときに、スピノーダル分解により二相分離可能な合金基材を準備する。スピノーダル分解により二相分離可能な合金基材は、合金の自由エネルギー対濃度図における自由エネルギー曲線の変曲があるものをいう。
【0019】
スピノーダル分解は、核生成を伴わない相分解で、スピノーダル分解によって生成した組織は周期的な変調構造を呈する。典型的な合金は、Ni基合金である(特許文献1参照)。Ni基合金以外でも、スピノーダル分解により二相分離可能な合金基材は、当業者に広く知られているところである。例えば、金属物理−材料科学の基礎一,藤田英一著,アグネ技術センター発行,p157-166参照。したがって、本発明の合金基材は、Ni基合金に限定されるものではない。
【0020】
この合金基材は、単結晶であることが望ましいが、結晶方位が実質的に同じ方位である多結晶(例えば、結晶成長方向を揃えて鋳造された多結晶)でも、本発明に係る用途に有効に適用することができる。
【0021】
また、本発明で適用される合金基材表面の結晶方位は特に特定されるものではない。例えば、(001)面、(110)面などで適用可能である。
【0022】
次いで、この合金基材を二相共存領域で時効処理してスピノーダル分解させ、規則的に配列された第1の相と、第1の相の間に配列された第2の相とを形成する。
【0023】
本発明の用途に適用するためには、規則的に配列された第1の相と第2の相との寸法を精度よく設定する必要がある。そのためには、合金の組成(添加元素の種類、配合量)、時効処理条件などを適宜設定する必要がある(例えば、特許文献1参照)。所望の寸法の規則配列とするための各種手法は公知である。例えば、時効処理温度を高くするとγ´相の組織は粗大化することは当業者に広く知られている。
【0024】
Ni基超合金における時効処理温度とγ´相の組織の関係については、A. M. Ges, O. Fornaro, H. A. Palacio, Coarsening behavior of a Ni-base superalloy under different heat treatment conditions, Materials Science and Engineering A, 458(2007), pp.96-100に述べられている。従って、本発明は、これらの公知の知見に基づいて、規則的に配列される第1の相と第2の相との所望する寸法を設定することができる。
【0025】
ついで、規則的に配列された第1の相と、第1の相の間に配列された第2の相とを形成した合金基材(図1(1)参照)の、最表面にある第2の相(γ相)を所定の深さまで選択的に溶解除去して、最表面にある第1の相(γ´相)を浮き上がらせる(図1(2)参照)。これは、最表面にある第2の相(γ相)に対してのみ作用する化学的な或いは電気化学的なエッチング処理を行い、最表面にある第1の相(γ´相)を残存させる処理である。エッチング処理の制御(基材に対するエッチング深さの制御)は、処理液の組成、濃度、温度、時間などを調整することにより行なう。このような手法自体は当業者に広く知られている。
【0026】
例えば、γ相のエッチングには、HClO4:2−ブトキシエタノール:グリセリン=10:48:6[体積比率]のエッチング処理液を用いて電気化学的にエッチングする。エッチング処理の深さの制御は、処理液の濃度、処理液の温度、電流密度等により異なるが、一般的には1分程度の処理時間で所望の深さ(最表面の第1の相(γ´相)の一部が浮き上がる深さ)にエッチングすることができる。
【0027】
その後、第2の相(γ相)の溶解除去により浮き上がった最表面の第1の相(γ´相)を除去する。例えば、最表面に残存している第1の相(γ´相)を、超音波洗浄等の物理的手法により除去する。超音波洗浄は当業者に広く知られている一般的な装置を用いることができる。
【0028】
その結果、基材の最表面にあった、第1の相(γ´相)と第2の相(γ相)とがいずれも合金基材の表面から除去され、その内側にあった第1の相(γ´相)と第2の相(γ相)とが合金基材の表面に表出してくることになる(図1(3)参照)。
【0029】
このような状態で、表出した第1の相(γ´相)を選択的に溶解除去する(図1(4)参照)。
【0030】
γ´相のエッチングでは、例えば、HCl(37%):HNO3(60%):純水=42:8:33[体積比率]の処理液を用いる。このエッチングでは、エッチング処理液温度が上昇すると、エッチング速度は速くなるものの、エッチング深さにバラツキがでる。また、エッチング処理液濃度が薄すぎると合金基材の微細構造の壁面が荒れてしまう傾向があり、エッチング処理液濃度が濃すぎるとエッチング速度が速すぎてエッチング深さの制御が困難となる。
【0031】
したがって、例えば、エッチング処理液温度40℃以下、エッチング処理液に含まれる水の含有量が20〜40%とする。
【0032】
このことにより、基材表面は、最表面の凹凸の影響を受けない波長選択性の熱放射または熱吸収材料として有効な、高い寸法精度のキャビティを形成することができる。
【0033】
なお、このエッチング処理では、γ相もその表面領域の一部がエッチング処理される(図1(4)参照)。
【0034】
次いで、表出した第2の相(γ相)の表面に、合金基材の第2の相(γ相)よりも高融点で、かつ、第2の相(γ相)よりも電気伝導度の高い金属又は合金、好適には、白金などの貴金属、W,Ta及びMoから選択される金属又はその合金をコーティングする。白金は、波長選択特性に優れ、好適である。
【0035】
コーティング厚は最低でも電磁波の侵入深さ(skin depth)分は必要である。また、高温にした際の剥離を避けるため、あまり厚くするのもよくない。したがって、コーティング金属の種類にもよるが、70nm〜150nmが好適である。
【実施例】
【0036】
過飽和固溶体を二相共存領域で時効処理した時にスピノーダル分解により、γ相とγ´相とに二相分離するNi基超合金基材(単結晶)を用意した。
【0037】
このNi基超合金基材の組成は以下のとおりである。
【0038】
質量%で、Cr:6.4%,Al:5.6%,Ti:1.0%,Mo:0.6%,W:6.4%,Co:9.7%,Re:3.0%,Hf:0.1%,残部Ni及び不可避的不純物
このNi基超合金基材を熱処理した。熱処理条件は以下のとおりである。
【0039】
溶体化熱処理(7ステップ)
1276℃まで3時間で昇温後1276℃/4時間保持
1286℃まで10分昇温後1286℃/2時間保持
1296℃まで10分昇温後1296℃/3時間保持
1303℃まで10分昇温後1303℃/3時間保持
1312℃まで10分昇温後1312℃/2時間保持
1315℃まで10分昇温後1315℃/2時間保持
1317℃まで5分昇温後1317℃/1時間保持後急速冷却(1300℃付近より300℃/分で冷却)
1次時効熱処理(1ステップ)
溶体化熱処理後400℃以下に冷却後1140℃/6時間保持後急速冷却
2次時効熱処理(1ステップ)
1次時効熱処理後400℃以下に冷却後870℃/20時間保持後急速冷却
得られた基材を(110)面が表面となるように、所定の大きさに切り出し、機械加工、及び研磨をした。
【0040】
次いで、最表面のγ相をエッチング処理した。エッチング処理条件は以下とのとおりである。
【0041】
・エッチング液温度25℃
・処理液濃度 HClO(60%):2−ブトキシエタノール(99%):グリセリン=10:48:6
・30V一定として定電圧電源を用い、電流値は、1−1.1A
1分程度のエッチング処理時間で所望のエッチング深さを得ることができた。
【0042】
次に、超音波洗浄処理をした。処理条件は以下のとおりである。
【0043】
・国際電気アルファ株式会社製UA-100
・出力100W(平均65W),周波数36kHz
次いで、γ´相のエッチング処理を行なった。エッチング処理条件は以下とのとおりである。
【0044】
・処理液濃度 HC1(37%):HNO3(60%):純水=42・8・33(体積比率)
・エッチング液温度は25℃一定、
・処理液濃度は42:8:33一定
13分程度のエッチングでアスペクト比が1程度の微細講造(キャビティを有する凹凸構造)が得られた。
【0045】
さらに、得られた表面に凹凸構造に、めっきによりコーティングを施した。
【0046】
・コーティング成分 白金
・コーティング厚さ 100nm
この方法により、平方メートルクラスの面積を1時間単位で製造することができた。
【0047】
得られた微細構造を走査型電子顕微鏡で写した結果を図2(a)及び(b)に示す。(a)は、真上から見た写真、(b)は斜めから見た写真である。
【0048】
比較例
実施例1と同様のNi基合金基材を用意し、このNi基合金基材を実施例1と同様の熱処理条件で熱処理した。得られた基材を実施例1と同様に、(110)面が最表面となるように、所定の大きさに切り出し、機械加工、及び研磨をした。次いで、最表面のγ´相をエッチング処理して、γ´相を除去した。γ´相のエッチング処理条件は実施例と同様である。
【0049】
得られた微細構造(キャビティを有する凹凸構造)に、めっきによりコーティングを施した。コーティング条件は実施例と同様である。得られた微細構造を走査型電子顕微鏡で写した結果を図3(a)、(b)に示す。(a)は、真上から見た写真、(b)は斜めから見た写真である。
【0050】
得られた実施例及び比較例の波長選択性の熱放射または熱吸収材料の寸法精度を測定した。同じ面積内に存在する一辺が200nm〜1000nmの長方形(正方形)の個数を数えたところ、実施例の波長選択性の熱放射または熱吸収材料は、比較例のものに比べて、1.65倍あり、本発明製造方法により、凹凸構造の寸法精度が向上していることが確認された。
【0051】
また、実施例と比較例との波長選択性能を比較した実験結果を、理想的構造の計算結果と共に図4に示す。この図から、実施例では、比較例に比べて波長選択性が向上していることがわかる。 例えば可視光領域(0.38-0.77μm)と赤外領域(2-5μm)における平均反射率の差分を比較すると比較例では0.33となり,実施例では0.52となっている。
【0052】
(実験例)
上記の実施例において、時効処理条件を以下ように変えて試料を作成した。
【0053】
(1)溶体化処理後1140℃で6時間時効処理を行なった
(2)溶体化処理後1175℃で6時間時効処理を行なった
(3)溶体化処理後1135℃で6時間時効処理を行なった
各試料の表面微細講造を走査型電子顕微鏡で観察した結果を図5(a)〜(c)に示すとともに、各試料(1)〜(3)の凹部の平均寸法の測定結果を以下に示す。
【0054】
(1) 337nm
(2) 350nm
(3) 480nm
以上の実験結果から、時効処理条件を変えることにより、規則的に配列された第1の相と第2の相との寸法を精度よく設定できることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0055】
上述した例では、波長選択性太陽光吸収材料について主に説明したが、特定の波長で熱放射を促進し、それ以外の波長で熱放射を抑制する波長選択性エミッタなど、波長選択性が要求される任意の用途に適用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過飽和固溶体を二相共存領域で時効処理したときに、スピノーダル分解により二相分離可能な合金基材を準備する工程と、
この合金基材を二相共存領域で時効処理してスピノーダル分解させ、規則的に配列された第1の相と、第1の相の間に配列された第2の相とを形成する工程と、
前記第2の相を所定の深さまで選択的に溶解除去して、第1の相を浮き上がらせる工程と、
第2の相の溶解除去により浮き上がった第1の相を、超音波により物理的に除去する工程と、
第1の相を超音波により物理的に除去した後、表面にある第1の相を選択的に溶解除去する工程と、
を具備することを特徴とする、波長選択性の熱放射または熱吸収材料の製造方法。
【請求項2】
表面にある第1の相を選択的に溶解除去した後、表層にある第2の相の表面に、合金基材の第2の相よりも高融点で、かつ、前記第2の相よりも電気伝導度の高い金属又は合金、又は貴金属をコーティングする工程を更に備えていることを特徴とする、請求項1に記載の波長選択性の熱放射または熱吸収材料の製造方法。
【請求項3】
第2の相よりも高融点で、かつ、前記第2の相よりも電気伝導度の高い前記金属又は合金は、W,Ta,及びMoから選択される金属又はその合金であることを特徴とする、請求項2に記載の波長選択性の熱放射または熱吸収材料の製造方法。
【請求項4】
合金基材は、スピノーダル分解によりγ相(第1の相)とγ´相(第2の相)との二相に分離可能なニッケル基合金単結晶である、請求項1〜3のいずれかに記載の波長選択性の熱放射または熱吸収材料の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−32570(P2013−32570A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−169452(P2011−169452)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】