説明

注射に有用なピペラシリンおよびタゾバクタムを含有する組成物

アミノカルボン酸キレート剤、好ましくはEDTA、またはその塩が、ピペラシリン/タゾバクタムの非経口組み合わせにおける粒子生成の抑制に有用であることが分かった。組成物は、また、緩衝剤、好ましくはクエン酸塩を含んでもよく、場合により、アミノグリコシドを含んでもよい。製品は、使用時に解凍可能な凍結組成物の形態であってもよい。製品は、また、溶液に復元するための水性分散媒を添加することによって復元することができる低温乾燥粉末の形態であってもよい。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明は、「ゾシン」(Zosyn(登録商標))として市販されている、ピペラシリン(piperacillin、通常、ピペラシリンナトリウムとして)およびタゾバクタム(tazobactam、通常、タゾバクタムナトリウムとして)を含有する医薬組成物に関する。そのような組成物は、重篤な感染症の入院患者に対する抗生物質として静脈内投与を行うのに有用である。それらは、米国およびインドなどのいくつかの国では「ゾシン」(登録商標)という登録商標で、そして他の国々では「タゾシン」(Tazocin)という登録商標で、市販されている。本明細書で使用する「ゾシン(登録商標)」という用語は、米国において「ゾシン(登録商標)」という登録商標で販売されている製品をいう。特に、本発明は、アミノカルボン酸キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはその医薬上許容される塩、場合により、緩衝剤、特に好ましくはクエン酸塩、およびアミノグリコシドをさらに含む医薬組成物に関する。ここに記載する医薬組成物は、一般に、非経口投与のために溶液中での粒子生成に対する抑制が強化されており、また、インビトロでのアミノグリコシドとの相溶性が向上している。
【0002】
(背景技術)
「ゾシン(登録商標)」は、ピペラシリンナトリウムおよびタゾバクタムナトリウムを含有する抗生物質製品である。この製品は特許文献1に開示されている。特許文献2および特許文献3には、凍結乾燥形態のピペラシリンが開示されている。
【0003】
「ゾシン(登録商標)」は、黄色ブドウ球菌による院内肺炎;腹内感染、特に大腸菌による虫垂炎(破裂または膿瘍を起こした)および腹膜炎;黄色ブドウ球菌による蜂窩織炎、皮膚膿瘍および虚血性/糖尿病性足病変などの皮膚および皮膚構造の感染;婦人科の感染、特に大腸菌による分娩後子宮内膜炎または骨盤内炎症性疾患などの疾患において、ピペラシリン耐性で、ピペラシリン/タゾバクタムに感受性を有するベータラクタマーゼ産生微生物株により引き起こされる、中程度から重篤な感染症の治療に使用される抗生物質である。これらの感染症の重大さのために、容易に適用でき、かつ、信頼できる治療が強く求められてきている。
【0004】
ピペラシリンは、室温の溶液中で本質的に不安定である、広範なスペクトルを有するベータラクタム系抗生物質である。室温の溶液中で不安定であるということは、逆に言えば、粒子生成が増大することを意味する。さらに、ピペラシリンはベータラクタマーゼ酵素に感受性を有する。タゾバクタムは、ピペラシリンの、ベータラクタマーゼ酵素産生菌に対する感受性を低減する。基本的には、タゾバクタムはベータラクタマーゼを恒久的に不活性化し、感受性を有する細菌をピペラシリンが破壊できるようにする。
【0005】
複数菌感染には、しばしば、ベータラクタマーゼ酵素を産生する病原体が含まれる。これらの酵素は、一般にペニシリンおよびセファロスポリンに対する耐性を引き起こす。治療を怠れば、これらの細菌はどんどん増殖を続け、患者に重大かつ危機的な結果をもたらすであろう。
【0006】
薬剤は、乳化液、懸濁液または溶液のみならず、使用前に復元される凍結乾燥製剤としても調製される。有利なことに、凍結乾燥製剤は安定であり、保存が可能で、容易に復元することができる。さらに、凍結乾燥製剤は無菌状態に保つことができ、本質的に不溶性物質を含まない。しかしながら、「ゾシン(登録商標)」は、復元されるとき、または冷凍バッグが解凍されるときに、粒子状物質の生成が始まる。
【0007】
「ゾシン(登録商標)」は、静脈内投与の前に相溶性を有する復元用希釈液を添加することによって復元される粉末(凍結乾燥品)として入手可能である。
【0008】
「ゾシン(登録商標)」は、また、ピペラシリンナトリウム、タゾバクタムナトリウムおよび緩衝剤としてクエン酸ナトリウムを含有する、液体予混合配合物としても入手可能である。そのような配合物は特許文献4に開示されている。この液体予混合物は冷凍保存され、解凍後、必要なら相溶性希釈液を加えた後、患者に非経口投与される。緩衝剤としてクエン酸塩を加えれば、pHは約6.5に調整される。
【0009】
病院では、場合により、アミノグリコシド系抗生物質を、冷凍し解凍した、または復元した配合物(presentations)に加えてもよい。しかしながら、これは、粒子生成に関しては不利である。
【0010】
復元した凍結乾燥品または冷凍し解凍した製品の亜鉛含有量は、場合によりアミノグリコシドが存在すると、粒子の生成を促進する。静注用溶液中の亜鉛の存在は、プラスチックの貯蔵容器、セプタおよびチューブから生ずることが知られている。静注用バッグ内の亜鉛の量は、同じ製造者によって製造された場合でさえも、ロット毎に変化する。通常、使用前に病院がバッグを分析することはなく、したがって、亜鉛がどのようなレベルで存在しているのか、認識されてはいないであろう。
【0011】
凍結乾燥配合物が復元され、また、冷凍配合物が解凍され、患者への投与前に保管されるときに、粒子が生成する。復元もしくは解凍した時から患者に配与するまでの時間が長くなるにつれて、粒子の生成も増加する。復元もしくは解凍した後の保管も、望ましくない粒子の生成を引き起こす。溶液中の粒子の存在は、特に静脈内注射を行うときに危険であることが分かっている。特に、注入静脈炎の発病は、静脈内投与流体中の粒子状物質の存在と関係があることが示されている(非特許文献1)。
【0012】
「ゾシン(登録商標)」は、相溶性希釈液とともに使用するとき、ガラスおよびプラスチック製容器中(プラスチック製のシリンジ、静注用バッグおよびチューブなど)で安定であることが分かっている。「ゾシン(登録商標)」の安定性に関する種々の研究が行われてきた。例えば、非特許文献2では、200mg/mlのピペラシリンナトリウム溶液および25mg/mlのタゾバクタムナトリウムを、1.5%のデキストロースを含有する2lのダイアニール(Dianeal)PD−2のバッグおよび4.25%のデキストロースを含有する2lのダイアニール(Dianeal)PD−2のバッグに加え、それらを4、23または37℃でそれぞれ保管することによって、これら3つの温度での2つの持続的携帯型腹膜透析(CAPD)液中における「ゾシン」(Zosyn)の安定性を調べた。全ての実験時間で沈殿も着色も認められなかった。2つのCAPD溶液中で、ピペラシリンおよびタゾバクタムは、37℃で保管したとき少なくとも1日、23℃で7日、および、4℃で14日間、安定であることが判明した。非特許文献3では、5%のデキストロースおよび通常の食塩水の静注用混合物中における、タゾバクタムナトリウム存在下のピペラシリンナトリウムの安定性が、その文献で報告している改良型の安定性指示高速液体クロマトグラフ法を使用して調べられた。溶液は、プラスチックバッグに入れて、室温および冷蔵温度で保管された。それらは、実験を通じて透明を維持した。溶液は、25℃で2日間、5℃で28日間、安定であった。
【0013】
非経口医薬品は、可能なときはいつでも、投与の前に目視による粒子状物質と着色の検査をすべきである。既存の「ゾシン(登録商標)」配合物は、製造者が薦める指示に従って調合したときには、満足すべき透明度を示すが、復元したときおよび解凍したときに医薬組成物中に生成する粒子を最小限にすることが望ましい。
【特許文献1】米国特許第4,562,073号明細書
【特許文献2】米国特許第4,477,452号明細書
【特許文献3】米国特許第4,534,977号明細書
【特許文献4】米国特許第6,207,661号明細書
【非特許文献1】「レミントンズ・ファーマシューティカル・サイエンスズ(Remmington’s Pharmaceutical Sciences)」、第18版、マック・パブリッシング(Mack Publishing)、1990年、1567頁
【非特許文献2】パーク・T・W(Park TW)ら、アメリカン・ジャーナル・オブ・ヘルス・システム・ファーマシー(Am J Health Syst Pharm)、1995年9月15日、第52巻(9月15日)、2022−2024頁
【非特許文献3】マシュー・M(Mathew M)ら、ジャーナル・オブ・クリニカル・ファーマシー・アンド・セラピューティックス(J Clin Pharm Ther)、1994年6月、第19巻;397−399頁
【0014】
(発明の簡単な説明)
意外にも、タゾバクタムおよびピペラシリン組成物中における粒子の生成抑制に、アミノカルボン酸キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)もしくはジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、またはそれらの適切な塩を、組成物に添加することが一般に有用であることが見出された。
【0015】
さらに、アミノカルボン酸キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)もしくはジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、またはそれらの適切な塩を、緩衝剤、好ましくはクエン酸塩緩衝剤とともに含むタゾバクタムおよびピペラシリンの組成物は、アミノグリコシド系抗生物質との混合物において、粒子の生成が抑制されることが見出された。
【0016】
本発明は、従来技術の粒子生成を回避し、冷凍および解凍ができ、非経口投与による細菌性感染症の治療または制御に有用な、予備混合されたピペラシリンまたはピペラシリン−タゾバクタムの新規な医薬組成物であって、有効量の(a)ピペラシリンまたはその医薬上許容される塩(通常、ピペラシリンナトリウムとして)、(b)タゾバクタムまたはその医薬上許容される塩(通常、タゾバクタムナトリウムとして)、および、アミノカルボン酸キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、O,O’−ビス(2−アミノエチル)エチレングリコール−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸(CyDTA)または医薬上許容されるそれらの塩(通常、ナトリウム塩として)など、を含む組成物を、本分野に提供するものである。本発明の医薬組成物は、(A)非経口投与の前に、相溶性を有する復元用希釈液を添加することによって復元することができる粉末の形態、または、(B)直ちに非経口投与に用いる形態をとることができる。本発明の組成物は、従来の技術に比べ、粒子の生成を低減する。
【0017】
粒子は、気泡以外の、可動性の、ランダムな源からの外来の物質からなり、代表する物質の量が少ないこと、および、組成が不均一であることにより、化学分析による定量は不可能である。
【0018】
本発明の一実施形態においては、タゾバクタムナトリウムとしてのタゾバクタムおよびピペラシリンナトリウムとしてのピペラシリンの有効量は、緩衝液に含まれ、本発明のアミノカルボン酸キレート剤の有効量をさらに含む。この実施形態では、pHは約6.0〜7.5の範囲内に維持される。pH、したがって溶液の安定性は、例えば有効量のクエン酸塩で緩衝させることによって維持できる。
【0019】
本発明のアミノカルボン酸キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩が挙げられる。エチレンジアミン四酢酸(EDTA)は、好ましくは、エデト酸二ナトリウム(USP)であり、USPは米国薬局方を意味する。
【0020】
さらに別の実施形態においては、前記実施形態のいずれも、含水デキストロースまたは無水デキストロースを添加して、生理学的に等浸透圧(iso−osmotic)(アイソスモティック(isosmotic)、アイソトニック(isotonic)ともいう)としてもよい。
【0021】
本発明の好ましい実施形態では、ここに記載する医薬組成物中に、さらに、場合によりアミノグリコシドを含むものである。
【0022】
本発明は、哺乳動物の細菌性感染症の治療に有用な液体の形成に適した、溶解したときの粒子の生成が一般に抑制される、固体凍結乾燥組成物を含む。
【0023】
本発明は、また、哺乳動物の細菌性感染症の治療に有用な、溶解した凍結乾燥組成物の水溶液を含む。
【0024】
本発明は、また、本発明の凍結乾燥組成物およびその他の組成物を製造する方法を含む。本発明は、好ましくは非経口投与による細菌性感染症の治療または制御に有用な医薬組成物の製造方法であって、その医薬組成物は、非経口投与の前に相溶性を有する復元用希釈液の添加によって復元することができる粉末の形態、または、非経口投与の前に解凍され、必要に応じて相溶性希釈液で希釈される凍結組成物の形態を有しており、水性分散媒中に有効な量の(a)ピペラシリンまたはその医薬上許容される塩、(b)タゾバクタムまたはその医薬上許容される塩並びにアミノカルボン酸キレート剤またはその医薬上許容される塩および場合により緩衝剤、特に好ましくはクエン酸塩を含み、かつ、場合によりアミノグリコシド抗生物質を含む溶液を冷凍または凍結乾燥することを含む製造方法を提供する。
【0025】
本発明は、また、本発明の組成物を使用して哺乳動物の細菌性感染症を治療する方法を含む。
【0026】
本発明は、さらに、本発明の解凍した組成物を使用して哺乳動物の細菌性感染症を治療する改良された方法を含む。
【0027】
本発明は、また、哺乳動物の細菌性感染症治療のための静脈内投与に適した濃度で単位投薬静注用バッグまたはボトル中の水性媒体に溶解させた粉末(凍結乾燥組成物)を含む。
【0028】
本発明は、さらに、投薬濃縮物密封容器に入った凍結乾燥組成物を含む。
【0029】
本発明のさらなる態様は、凍結乾燥組成物の調製方法、並びに、冷凍および解凍可能な液体組成物の調製方法である。
【0030】
本発明の医薬組成物は、この分野における従来の医薬組成物の不利な点を克服するものである。特に、復元する時または解凍時に医薬組成物中に生成する粒子を減少させることが、本発明により解決される。有利なことに、アミノグリコシドを場合により含んでもよい本発明の医薬組成物もまた、粒子の生成が抑制された。
【0031】
本発明の他の有利な点および態様は、以下の本発明の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【0032】
(好ましい実施形態の説明)
本発明の組成物は、ピペラシリンおよびピペラシリン−タゾバクタムの他の形態に比べ、投薬に関して多くの利点を提供する。例えば、注入用溶液は、復元した凍結乾燥投薬形態からのものであろうと、凍結し解凍した予混合投薬形態のものからであろうと、粒子の量および粒子生成速度はともに低減される。粒子生成の抑制は、本発明の医薬組成物のpHを約6.0〜約7.5の適切な範囲を維持するために緩衝剤、例えばクエン酸塩を加え、さらに、アミノカルボン酸キレート剤またはその塩を添加することにより、達成される。好ましいpHは約6.5である。さらに、表1には、エデト酸二ナトリウム二水和物の形態のEDTAの存在下では、24時間で生成する粒子の数が減少することが示されている。場合により、アミノカルボン酸キレート剤を、病院で患者に投与する前に加えてもよく、あるいはまた、直ちに使用可能な医薬組成物に予め混合しておいてもよい。
【0033】
本発明のさらなる態様では、アミノグリコシドを場合により本発明の医薬組成物に加えてもよい。さらに、アミノグリコシドは、場合により、病院で患者に投与する前、冷凍したバッグを解凍した際、または、復元した凍結乾燥組成物に、加えることによって混合してもよいし、あるいは、凍結乾燥または冷凍する医薬組成物に予め混合するようにしてもよい。表1に示すように、アミノグリコシドのアミカシンが存在すると、24時間で生成する粒子の数は増加する。しかしながら、クエン酸塩およびエデト酸二ナトリウム二水和物の形態のEDTAの存在下では粒子の生成は減少する。
【0034】
本発明のある医薬組成物は予備混合されているので、解凍または復元後直ちに使用できる状態にあり、解凍または復元後に粒子生成抑制剤および場合によりアミノグリコシドとの混合物を生成する必要はない。粒子生成抑制剤のEDTA(または他のアミノカルボン酸キレート剤)は、場合により、解凍または復元した医薬組成物に加えるようにしてもよいが、冷凍または凍結乾燥前に予備混合すると、誤った薬剤または量を不用意に組成物に添加するのを防止することができる利点があり、かつ、患者への投与がより簡単になることから好ましい。
【0035】
さらに、本発明のある医薬組成物は予備混合されているので、解凍または復元後直ちに使用できる状態にあり、解凍または復元後にアミノグリコシドとの混合物を生成する必要はない。アミノグリコシドは、場合により、解凍または復元した医薬組成物に加えるようにしてもよいが、冷凍または凍結乾燥前に予備混合すると、誤った薬剤または量を不用意に組成物に添加するのを防止することができる利点があり、かつ、患者への投与がより簡単になることから好ましい。
【0036】
「投薬濃縮液」という用語は、医薬組成物の溶液をいう。投薬濃縮液は、それを医薬組成物に水性溶媒を加えて生成した状態でその容器に保存してもよいし、あるいは、それから取り出して外部で保存してもよい。投薬濃縮液はそのまま使用してもよいが、一般的には哺乳動物への投与のための単位投薬濃度に希釈される。投薬濃縮液の全量またはその分取は、本発明の方法による治療のための単位投薬量を調合するのに使用される。
【0037】
「アミノカルボン酸キレート剤」という用語は、ピペラシリンおよびタゾバクタムを含有する組成物中の金属イオンをキレート化(結合)する特性を有する化合物をいう。本発明の好ましいアミノカルボン酸キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩、例えば、エチレンジアミン四酢酸、カルシウム二ナトリウム塩(好ましくは水和物として);エチレンジアミン四酢酸、二アンモニウム塩(好ましくは水和物として);エチレンジアミン四酢酸、二カリウム塩(好ましくは二水和物として);エチレンジアミン四酢酸、二ナトリウム塩(好ましくは二水和物として、もし望むならば無水物として);エチレンジアミン四酢酸、四ナトリウム塩(好ましくは水和物として);エチレンジアミン四酢酸、三カリウム塩(好ましくは二水和物として);エチレンジアミン四酢酸、三ナトリウム塩(好ましくは水和物として)、およびエチレンジアミン四酢酸、二ナトリウム塩、USP(好ましくは二水和物として)が挙げられる。ここに記載する医薬組成物は、有効量の粒子生成抑制剤を含むことが好ましい。
【0038】
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、USPは、本発明で使用するアミノカルボン酸キレート剤として好ましい形態である。エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩USPなどのアミノカルボン酸キレート剤の量は、好ましくはピペラシリン1グラムあたり約0.01〜約40mgの範囲であり、より好ましくはピペラシリン1グラムあたり約0.1〜約0.5mgの範囲であり、または、その中の任意の範囲もしくは小範囲を組み合わせた範囲である。
【0039】
本発明の組成物におけるピペラシリンの好ましい形態は、ピペラシリンナトリウムである。ピペラシリンの遊離酸は、本発明の組成物を製造する際に使用するピペラシリンの原料として好ましい。遊離酸は配合プロセスの過程でナトリウム塩に変換される。ピペラシリンナトリウムは、D(−)−α−アミノベンジルペニシリンから誘導される。ピペラシリンナトリウムの化学名は、ナトリウム(2S,5R,6R)−6−[(R)−2−(4−エチル−2,3−ジオキソ−1−ピペラジンカルボキシアミド)−2−フェニルアセトアミド]−5 3,3−ジメチル−7−オキソ−4−チア−1−アザビシクロ(3.2.0)ヘプタン−2−カルボキシレートであって、化学式はC2326SNaであり、分子量は539.6である。
【0040】
冷凍(解凍後直ちに使用)投薬形態を作る場合、ピペラシリン遊離酸を、相当量の脱イオン水と混合し、重炭酸ナトリウムまたは他の適切な薬剤で中和して、溶液濃度を好ましくは約8〜約90mg/mlの範囲、より好ましくは約25〜約85mg/mlの範囲、特に好ましくは約30〜約80mg/mlの範囲、または、その中の範囲の任意の組み合わせもしくは小範囲を組み合わせた範囲とすることが好ましい。
【0041】
凍結乾燥投薬形態(哺乳動物に投与する前に、溶解および希釈が必要な乾燥粉末)を作る場合は、ピペラシリン遊離酸を、相当量の脱イオン水と混合し、重炭酸ナトリウムまたは他の適切な薬剤で中和して、溶液濃度を約150〜約500mg/mlの範囲、より好ましくは約200〜約400mg/mlの範囲、特に好ましくは約220〜約350mg/mlの範囲、または、その中の範囲の任意の組み合わせもしくは小範囲を組み合わせた範囲とすることが好ましい。溶質濃度が低いと良好に処理できるものの、製造時間や付随するコストが増大するという不利な面がある。
【0042】
凍結乾燥投薬形態を投与のために復元して希釈するときの、溶液中のピペラシリンの濃度は、好ましくは約8〜約90mg/mlの範囲、より好ましくは約25〜約85mg/mlの範囲、特に好ましくは約30〜約80mg/mlの範囲、または、その中の範囲の任意の組み合わせもしくは小範囲を組み合わせた範囲である。
【0043】
本発明の組成物におけるタゾバクタムの好ましい形態は、タゾバクタムナトリウムである。タゾバクタム遊離酸は、本発明の組成物を製造する際に使用するタゾバクタムの原料として好ましい。遊離酸は本発明の医薬組成物を製造する過程でナトリウム塩に変換される。ペニシリンの核の誘導体であるタゾバクタムナトリウムは、ペニシラン酸スルホンである。その化学名は、ナトリウム(2S,3S,5R)−3−メチル−7−オキソ−3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−4−チア−1−アザビシクロ−(3,2,0)ヘプタン−2−カルボキシレート−4,4−ジオキサイドである。タゾバクタムナトリウムの化学式はC1011NaOSであり、分子量は322.3である。冷凍(解凍後直ちに使用)投薬形態を作る場合、タゾバクタム遊離酸を、ピペラシリン溶液に加えて、タゾバクタムナトリウムの濃度を、好ましくは約0.1〜約25mg/mlの範囲、より好ましくは約1.0〜約22mg/mlの範囲、特に好ましくは約3〜約20mg/mlの範囲、または、その中の任意の範囲もしくは小範囲を組み合わせた範囲としてもよい。
【0044】
凍結乾燥投薬形態(哺乳動物に投与する前に、復元希釈することが必要な乾燥粉末)を作る場合は、タゾバクタム遊離酸は、ピペラシリン溶液に加えて、タゾバクタムナトリウムの濃度を、好ましくは約15〜約125mg/mlの範囲、より好ましくは約2〜約100mg/mlの範囲、特に好ましくは約27〜約90mg/mlの範囲、または、その中の任意の範囲もしくは小範囲を組み合わせた範囲としてもよい。
【0045】
凍結乾燥投薬形態を投与のために復元して希釈するときの、溶液中のタゾバクタムの濃度は、好ましくは約0.1〜約25mg/mlの範囲、より好ましくは約1.0〜約22mg/mlの範囲、特に好ましくは約3〜約20mg/mlの範囲、または、その中の任意の範囲もしくは小範囲を組み合わせた範囲である。
【0046】
溶液中のピペラシリンナトリウム、タゾバクタムナトリウム、緩衝剤としてのクエン酸塩およびアミノカルボン酸キレート剤の全体の濃度は、投薬形態が患者がすぐに使用できるものであるとき、約9〜約125mg/mlの範囲であることが好ましい。全濃度は、より好ましくは約14〜約115mg/mlの範囲、特に好ましくは約20〜約105mg/mlの範囲、または、その中の任意の範囲もしくは小範囲を組み合わせた範囲である。これらの量によって、ピペラシリンまたはピペラシリン/タゾバクタムの有効量を、約50〜約250mlの通常の投薬量中に分配させることが可能になる。適切なpHの範囲は、約6.0〜約7.5である。得られたピペラシリンまたはピペラシリン/タゾバクタム溶液は、その後、好ましくは約6.1〜約6.9、より好ましくは約6.3〜約6.7の範囲のpHに調整される。本発明の好ましい形態では、溶液のpHは約6.5である。塩酸または他の適切な酸がpHを下げるために使用され、また、重炭酸ナトリウムまたは他の適切な塩基がpHを上げるために使用される。
【0047】
冷凍し解凍した医薬組成物および復元した凍結乾燥医薬組成物のpHを好ましい範囲に維持するために、溶液はクエン酸塩または他の適切な緩衝剤で緩衝させることができる。クエン酸塩は、薬物の重大な劣化を引き起こすことなく溶液のpHを維持することができるため、好ましい緩衝剤である。リン酸塩などの緩衝剤を使用すると、冷凍状態ではpHを維持できない(「エフェクト・オブ・フリージング・オン・ザ・ピーエイチ・アンド・コンポジション・オブ・ソディウム・アンド・ポタシウム・フォスフェイト・ソルーションズ:ザ・レシプロカル・システム・KHPO――NaHPO――HO(Effect Of Freezing On The pH And Composition Of Sodium And Potassium Phosphate Solutions:The reciprocal system KHPO――NaHPO――HO)」、エル・ファン・デン・ベルグ(L.Van den Berg)およびディー・ローズ(D.Rose)、アーカイブズ・オブ・バイオケミストリー・アンド・バイオフィジックス(Arch.Biochem.Biophys)、第81巻、319頁(1959年)を参照)。緩衝剤の添加は、pHをコントロールして安定性を高めるために必要である。配合物の緩衝に使用される適切な量のクエン酸ナトリウムが、重大な触媒または劣化を薬剤に及ぼしたり、あるいは、注入の際に患者に痛みを与えたりすることなく、pHをコントロールして最大の安定を付与できることが好ましい。
【0048】
クエン酸ナトリウム二水和物は、本発明で使用される緩衝剤として好ましい形態である。クエン酸ナトリウム二水和物の量は、好ましくは約0.25〜約5mg/mlの範囲、より好ましくは約0.6〜約5mg/mlの範囲、特に好ましくは約1.0〜約4.0mg/mlの範囲、または、その中の任意の範囲もしくは小範囲を組み合わせた範囲である。範囲は、投与のために復元し希釈された、または解凍されたものに対する値である。
【0049】
本明細書で使用されているクエン酸塩は、クエン酸またはその塩であり、好ましくはクエン酸ナトリウムである。クエン酸ナトリウムは、クエン酸三ナトリウム無水物、クエン酸三ナトリウム二水和物、およびクエン酸三ナトリウム五水和物として入手可能である。クエン酸ナトリウム二水和物は、クエン酸三ナトリウム二水和物としても知られており、好ましいものである。好ましい形態は、クエン酸三ナトリウム二水和物である。
【0050】
生理学的に容認される希釈剤を、凍結乾燥物のケーキ特性を向上させるために、場合により加えてもよい。容認される希釈剤としては、糖、無機塩およびアミノ酸が挙げられるが、これらに限定されるものではない。容認される糖の代表的な例としては、デキストロース、マンニトール、ラクトース、およびサッカロースなどが挙げられる。塩の代表的な例としては、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウムおよび塩化カルシウムなどが挙げられる。容認されるアミノ酸の代表的な例としては、アルギニン、チロシン、およびロイシンなどが挙げられる。
【0051】
医薬組成物の解凍溶液または復元した凍結乾燥医薬組成物に、好ましくはデキストロースを添加して、溶液を生理学的等浸透圧(約300mOsmol/kg)とすることが、場合により望ましい。本発明においてはデキストロースの水和物または無水物を使用することができる。デキストロース水和物の濃度は、好ましくは約5〜約30mg/mlの範囲、より好ましくは約6〜約22mg/mlの範囲、または、その中の任意の範囲を組み合わせた範囲もしくは小範囲を組み合わせた範囲である。アミノカルボン酸キレート剤をさらに含むピペラシリンまたはピペラシリン/タゾバクタムの予備混合液は、完全に配合し混合した後、適切な投薬容器に入れられる。適切な容器としては、バクスター(Baxter)から「ギャラクシー」(GALAXY(登録商標))という商品名で販売されているものが挙げられる。容器は、その後、冷凍庫で−20℃以下で保管される。
【0052】
本発明の代表的な医薬組成物は、次の範囲:
約8mg/ml〜約500mg/ml、より好ましくは約12mg/ml〜約300mg/mlの範囲のピペラシリン、
約0.1mg/ml〜約125mg/ml、より好ましくは約1.5mg/ml〜約75mg/mlの範囲のタゾバクタム、
約0.25mg/ml〜約25mg/ml、より好ましくは約0.6mg/ml〜約15mg/mlの範囲のクエン酸塩、
約0.002mg/ml〜約10mg/ml、より好ましくは約0.003mg/ml〜約1mg/mlの範囲のアミノカルボン酸キレート剤
を含むものである。
【0053】
本発明の医薬組成物には、所望により、デキストロースを、約5mg/ml〜約100mg/mlの範囲で加えてもよい。
本発明の医薬組成物には、所望により、アミノグリコシドを、約0.1mg/ml〜約75mg/mlの範囲で加えてもよい。本発明の医薬組成物の限定しない一例は、凍結組成物の場合に好ましく、(a)ピペラシリンまたはその医薬上許容される塩を、ピペラシリンの遊離酸として計算約4.0g量、(b)タゾバクタムまたはその医薬上許容される塩を、タゾバクタムの遊離酸として計算約0.5g量、(c)EDTAまたは医薬上許容されるEDTAの塩を約1mg、および(d)注射用水を約100ml含有する。この組成物は、所望により、さらに、緩衝剤としてクエン酸を約0.2g、デキストロースを約2.0g、アミカシンを約500mg、およびトブラマイシンを160mg含有してもよい。この組成物は、好ましくは、(a)約4gのピペラシリン遊離酸に等価なピペラシリンナトリウム、(b)約0.5gのタゾバクタム遊離酸に等価なタゾバクタムナトリウム、および(c)実質的に1mgのEDTAのナトリウム塩を含み、かつ、約0.2gのクエン酸ナトリウムを緩衝剤として含んでもよい。
【0054】
所望により、アミノカルボン酸キレート剤を、冷凍前または解凍後に加えてもよい。さらに、アミノグリコシドを、場合により、特に病院で使用する際には、冷凍前または解凍後に加えてもよい。
【0055】
使用前に、冷凍容器は一般に行われている方法で解凍しなければならない。配合物は、冷凍庫から取り出した後、室温で1日間有効である。あるいは、容器を約5℃(±3℃)で14日間程度、冷蔵してもよい。
【0056】
特に患者への投与のために、凍結乾燥し復元した配合物および冷凍し解凍した配合物にともに、所望により添加されてもよいアミノグリコシドとしては、約0.1〜約75mg/ml、好ましくは約0.1〜約15mg/ml、より好ましくは約1〜約10mg/mlの範囲で添加されるアミカシンおよびトブラマイシンが挙げられる。
【0057】
本配合物を説明する例を表1に示すが、これらに制限されるものではない。ここに含まれるガイドのための原理と教示するところに照らせば、多くの他の例を容易に考え出すことができる。例えば、溶液のpHを変えることができ、場合によりデキストロースを添加してもよく、濃度をわずかに変えたとしても配合物の等浸透圧を維持することができ、クエン酸塩の緩衝剤濃度を変えても、患者への注入に際して痛みを伴わないような十分な緩衝性能を保持することができる。本発明の医薬組成物の種々の成分の添加順を変えてもよいことは、当業者にとっては明らかである。さらに、ここに示す例は、本発明を説明するためのものであって、いかなる意味においても本発明の実施の態様を限定するものではない。
【0058】
「凍結乾燥組成物」という用語は、本発明の方法で調製された固体凍結乾燥組成物をいい、必須成分として(1)ピペラシリン、(2)タゾバクタムを含み、さらに(3)クエン酸塩を含み、そしてさらに(4)アミノカルボン酸キレート剤を含み、さらに、pHの調節と、場合によりアミノグリコシドの添加を含む。
【0059】
凍結乾燥組成物中に場合により添加されるアミカシンなどのアミノグリコシドは、好ましくは約1〜100mg/ml、より好ましくは約5〜約75mg/mlの範囲で含まれる。
【0060】
当業者に知られているように、凍結乾燥とは、場合により真空を適用して、冷凍した後に製品から水を昇華させる乾燥処理のことである。凍結乾燥あるいはフリーズドライの詳細は、レミントンズ・ファーマシューティカル・サイエンシズ(Remington’s Pharmaceutical Sciences)、第84章、1565ページ、第18版、A・R・ゲンナロ(A.R.Gennaro)編、1990年、マック・パブリッシング・カンパニー(Mack Publishing Company)に記載されている。
【0061】
また、使用できる凍結乾燥以外の技術も当業者に知られている。本組成物を製造する技術としては、成分を個々にまたは完全なブレンド物として無菌粉末充填する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。充填の前に粉末を調製する技術としては、噴霧乾燥、トレー乾燥、バルク凍結乾燥、粉砕および/または篩い分け並びに沈殿などのサイジング処理が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0062】
本発明の凍結乾燥組成物の製造方法
本発明の凍結乾燥組成物とは、「ゾシン(登録商標)」を含む溶液を凍結乾燥することによって調製された製剤をいう。適切なpHで、ピペラシリンおよびタゾバクタムを含み、さらにクエン酸塩を含み、そしてさらにアミノカルボン酸キレート剤と、場合によりアミノグリコシドを含む、全ての成分を含有する溶液を冷凍し、場合により、ケーキ特性を改善するために熱処理した後、水を昇華させるために高真空で乾燥させる。そのような凍結乾燥製剤としては、上記したような静脈内投与のための凍結乾燥製剤が挙げられる。凍結乾燥製剤は、トレー凍結乾燥法やバイアル凍結乾燥法などの従来から知られる方法で製造することができる。バイアル凍結乾燥法は、後述する本発明の複数投薬単位を調製するのに有利である。粉末の形態は、噴霧乾燥や、個々の成分または組み合わせた成分の適切な塩の乾燥粉末をブレンドするなどの他の技術によって直接調製してもよい。
【0063】
本発明の方法によって本発明の医薬組成物の溶液を得るには、クエン酸二水和物を適当な量の溶媒に溶解し、混合し、攪拌する。ピペラシリン酸およびタゾバクタム酸を加え、攪拌を継続する。この溶液を、十分な量の重炭酸ナトリウムで中和し、pHを約6.5とし、この水溶液にEDTA(特にエデト酸二ナトリウム)を加え、その後、場合によりアミノグリコシドを加える。溶媒としては、水、純水、注射用水、5%デキストロース水溶液または等浸透圧塩化ナトリウム溶液などの水性溶媒が好ましい。
【0064】
必要に応じて、凍結乾燥前の処理溶液に濾過処理を行ってもよい。濾過処理としては、例えば注射用製剤の場合、凍結乾燥の前に微生物または他の汚染物質を処理溶液から除くために行う凍結乾燥の前の、処理溶液の無菌濾過および/または限外濾過が挙げられる。
【0065】
必要に応じて、凍結乾燥前の処理溶液に分配処理を行ってもよい。分配処理としては、例えばバイアル凍結乾燥の場合、バイアル製品が所望の量のピペラシリンナトリウム/タゾバクタムナトリウムを含むように、ピペラシリンナトリウム/タゾバクタムナトリウム、クエン酸塩、アミノカルボン酸キレート剤、および場合によりアミノグリコシドの濃度を考慮しながら、適当量の処理溶液を凍結乾燥前にバイアルに分配する処理が挙げられる。
【0066】
凍結乾燥処理は次のように実施される。
凍結乾燥組成物は、制御された凍結乾燥法により調製することが好ましい。処理溶液をまず冷凍し、次いで、昇華を促進するため低圧環境(真空ともいう)に置き、その後、製品の乾燥速度を最適化するためにゆっくりと加熱する。
【0067】
凍結乾燥組成物の代表的な調製方法は、連続して行う次の工程:
(a)クエン酸ナトリウム二水和物、EDTA、または他のアミノカルボン酸キレート剤、ピペラシリン酸、タゾバクタム酸、および場合によりアミノグリコシドを含む凍結乾燥組成物成分を水性溶媒に溶解し、その後、pHを約6.5に調節する工程、
(b)工程(a)の処理溶液を−35℃より低い温度に冷却する工程、
(c)凍結乾燥機を約300μmHg(40パスカル)以下の圧力まで排気する工程、
(d)凍結乾燥機内の約+5℃に設定された棚の上で製品を加熱する工程、
(e)水性溶媒から水を除去し、固体凍結乾燥製品を得るのに十分な時間、減圧下で、これらの条件を維持する工程、
(f)約+45℃で乾燥する工程
を含む。
【0068】
工程(a)は、水性溶媒に溶解させて行うことが好ましい。さらに、工程(b)は、約4時間行い、(e)は約35時間行うことが好ましく、工程(f)は約(300ミリトール)(40パスカル)より低い圧力で行い、棚の温度が45℃に達した後、これらの条件を10時間維持する。
【0069】
凍結乾燥処理により、初期に存在していた水の大部分は除去されるが、最終製品の凍結乾燥組成物にはいくらかの遊離水が含まれる。通常、水の含有量は0%〜2%重量パーセントの範囲である。より典型的には、水の含有量は0%〜1%の範囲である。
【0070】
本発明の投薬濃縮物形態および単位投薬形態
本発明の医薬組成物の投薬濃縮物形態は、本発明の凍結乾燥医薬組成物を、7日といった標準的な治療間隔の間使用されるような量、保持した密封容器である。投薬濃縮物は、12時間〜1週間、好ましくは12時間〜24時間の間、哺乳動物を治療するのに十分な量の凍結乾燥組成物を容器(例えば、ガラスまたはプラスチック製のボトル、バイアル、アンプルなど)に入れることによって作られる。容器は、また、(i)水性溶媒の添加を許容するに十分な大きさの空スペースとともに、(ii)攪拌と添加された水性溶媒中に凍結乾燥組成物を完全に溶解させるために必要なスペースをさらに有することが好ましい。容器には、皮下注射器をシールに貫通させて水性溶媒を加えることができ、また、その後同じ手段で濃縮液を抜き出すことができるような、貫通可能な蓋材、例えばゴムシールが装着されていてもよい。
【0071】
投薬濃縮物形態の一例は、本発明の凍結乾燥医薬組成物を約25,000〜約40,500ミリグラム含有する、容量が約250〜約1000ミリリットルのガラスバイアルである。
【0072】
個別使用形態の限定されない一つの具体例は、約4000mgのピペラシリンナトリウム、約200mgのクエン酸二水和物、約500mgのタゾバクタムナトリウム、および約1mgのEDTA(特にナトリウム塩として)を含有する凍結乾燥医薬組成物が入ったゴムシール付の50mLガラスボトルである。固体組成物上の空スペースは、注射用無菌水などの溶媒または希釈液を加えるための広い空間と全成分を撹拌するための空間を併せて有する。
【0073】
使用可能な形態の限定されないさらなる具体例は、約40.5gのピペラシリンナトリウム、約1.8gのクエン酸二水和物、約4.5gのタゾバクタムナトリウム、および約9mgのEDTA(特にナトリウム塩として)を含有する凍結乾燥医薬組成物が入った約100mlのゴムシール付ガラスボトルである。固体組成物上の空スペースは、溶媒または希釈剤を添加するための広い空間を有する。
【0074】
使用可能な形態の限定されないさらなる具体例は、約2000mgのピペラシリンナトリウム、約100mgのクエン酸二水和物、約250mgのタゾバクタムナトリウム、および約0.5mgのEDTA(特にナトリウム塩として)を含有する凍結乾燥医薬組成物が入ったゴムシール付の近似サイズのガラスボトルである。固体組成物上の空スペースは、注射用無菌水などの溶媒または希釈剤を加えるための広い空間と、全成分を撹拌するための空間を併せて有する。
【0075】
水性溶媒を投薬濃縮物形態に加えると、次節で述べるように、希釈のために一部または全内容物を取り出すことによって、単位投薬量の液体医薬品配合物の生成に好適に使用できる濃縮液が得られる。
【0076】
本発明の単位投薬量
投薬濃縮物容器中で生成された凍結乾燥組成物の濃縮溶液は、適切な水性溶媒を含有する静注(静脈内)用容器に加えられる。有用な溶媒は、前に記載したように注射用の標準溶液である(例えば、5%デキストロース水または無菌の水など)。代表的な単位投薬静注用バッグは、入口および出口手段を有し、また、標準(例えば、50ml、100ml、および150ml)の容量を有する、従来から用いられているガラスまたはプラスチック製の容器である。本発明の凍結乾燥医薬配合物の濃縮液は、「ゾシン(登録商標)」の濃度が1ml当たり約8〜約90mg、好ましくは1ml当たり約20〜約80mgとなるような量を、単位投薬静注用バッグに加える。
【0077】
本発明の目的と範囲から逸脱することなく、医薬上許容される他の添加剤を本発明の凍結乾燥製剤に加えることができる。
【0078】
(実験方法)
方法
表1に示す組成のサンプルを調製する。
適切に冷凍バッグをまず解凍または溶解したときの「ゾシン(登録商標)」4.5g:
典型的な冷凍バッグは、解凍後に、次の成分:
ピペラシリンナトリウム約40mg/ml、
タゾバクタムナトリウム約5mg/ml、
デキストロース水和物,
USP約20mg/ml
クエン酸ナトリウム二水和物約2mg/ml
を含んでいる。
・冷凍バッグを研究室の実験台上で解凍する。
・EDTAを含有するサンプルでは、1.0mg/mlのエデト酸二ナトリウム二水和物水溶液1mlを5%デキストロース注射溶液USPに加える。液体を約1分間穏やかに反転させて混合し、その後、2分間静置した後、復元する。
・冷凍バッグ以外の「ゾシン(登録商標)」含有溶液は、デキストロース5%(水)20ml部で凍結乾燥ケーキを溶解し、得られた溶液を0.2μmのシリンジフィルタを通して静注用バッグに移し、その後、デキストロース5%(水)の第2の20ml部でバイアルを洗浄して調製する。洗浄液も回収し、0.2μmのシリンジフィルタを通して静注用バッグに加える。バッグ内の液体を約30秒間穏やかに反転させて混合する。
・識別名と復元した時刻を記載したラベルをバッグに貼付する。
・アミノグリコシドを添加する場合には、直ちに添加する。バッグ内の液体を約30秒間穏やかに反転させて混合する。
・21ゲージの針を装着した60cc注射器でサンプルを50ml採取する。
・清浄で粒子の付着していないバイアルを注射用水で洗浄し、その後、約45mlのサンプルを充填する。HIAC試験を直ちに行う。
・適当なサイズの試料バイアルに、HPLC試験用に3mlのサンプルを調製する。HPLC試験を、サンプル調整後、1時間以内に開始する(表1)。
「ゾシン(登録商標)」混合物サンプルの残り(約50ml)を、研究室の閉じたキャビネット内に室温で保存し、24時間後に再度試験する(表1)。
【0079】
HIAC−3000を使用して光遮蔽試験を行う。分析は、USP788に基づく試験法に従って行う。(表1参照)データは1ml当たりの粒子数基準で報告する。粒子の結果は3回の読みのうちの2回目と3回目の平均値に基づくこととした。最初の試験から24時間後に、同じサンプルを再度サンプリングして分析した。HIACデータの概要を表1に示す。
【0080】
効力の分析は高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して行う。ピペラシリンに対する強度法(strength method)はUSP−26(2003)1483〜1485頁で得ることができる。HPLC分析は、作成された各サンプルについて最初と24時間後に行った。HPLCデータの概要を表1に示す。
【0081】
材料:
1.「ゾシン(登録商標)」4.5g凍結乾燥バイアル、実験ロット、プエルトリコ、カロライナのレダール・ピペラシリンのテクニカル・サービシズ(Technical Services,Lederle Piperacillin,Carolina,PR)より提供
2.「ゾシン ウィズ シトレート」(Zosyn(登録商標) with Citrate)、4.5g凍結乾燥バイアル、実験ロット、プエルトリコ、カロライナのレダール・ピペラシリンのテクニカル・サービシズ(Technical Services,Lederle Piperacillin,Carolina,PR)より提供
3.「ゾシン フローズン IV バッグズ」(Zosyn(登録商標) Frozen IV bags)(クエン酸塩含有)、バクスター(Baxter)
4.「アミカシン スルフェート インジェクション、USP」(Amikacin Sulfate Injection,USP)、500mg/2ml(ベッドフォード・ラボラトリーズ(Bedford Laboratories))(1バッグ当たり合計500mg使用)
5.「トブラマイシン スルフェート インジェクション、USP」(Tobramycin Sulfate Injection,USP)、80mg/2ml(アポセコン(Apothecon))(1バッグ当たり合計160mg使用)
6.「5% デキストロース インジェクション、USP」(5% Dextrose Injection,USP) (ビー・ブラウン(B.Braun))
【0082】
典型的な凍結乾燥バイアルは、
ピペラシリンナトリウム約4000mg、および
タゾバクタムナトリウム約500mg
を含む。
【0083】
下記の表1は異なるセクション(サブテーブルIA、サブテーブルIBなど)に分割されている。同じサブテーブルに示されている結果は、同一バッチの「ゾシン(登録商標)」含有溶液を使用して、同じ日に行った実験であることを示している。
【0084】
【表1】

【0085】
200リットル(約11,800単位)の典型的な調製物
処方:
【表2】

【0086】
バルク溶液の代表的な調製方法に含まれる工程:
溶液Aの調製
a)適切なステンレス鋼製処理容器に15リットルの注射用水USPを加える。
b)適当なサイズのインペラー型撹拌機で撹拌しながら、次の成分:
クエン酸ナトリウム二水和物、および
EDTA二ナトリウムUSP
を加え、
透明な溶液が得られるまで撹拌を継続する(溶液A)。
【0087】
溶液Bの調製
a)適切なステンレス鋼製処理容器(200リットルを収容し混合できる適切なサイズの)に注射用水を140リットル加え、適切なサイズのインペラー型撹拌機で撹拌しながら、次の成分:
ピペラシリン一水和物、
タゾバクタム、および
溶液A
を加え、
b)重炭酸ナトリウム、USPでpHを6.5に調節し、
c)場合により、アミノグリコシドを加え、
d)注射用水USPを追加して容量を200リットルに調整して、バルク溶液を得る。
凍結乾燥方法:
a)バルク溶液を、場合により、0.2μmのフィルターを通す、
b)適切な各凍結乾燥バイアルに約16.9ml充填する、
c)各バイアルに、適切な凍結乾燥用の栓を取り付け、約半分ほど挿入して、水蒸気の排出を促進する、
d)バイアルを予め5℃に冷却した凍結乾燥棚に載置する、
e)バイアルを−35℃より低い温度に冷凍し、4時間保持する、
f)300μmHg(マイクロメーター水銀柱)(40パスカル)を超えない圧力にまで凍結乾燥機を排気する、
g)棚の温度を5℃まで徐々に昇温させる、
h)5度の棚温度を約30時間維持する、
i)棚温度を18時間かけて45℃まで昇温させる、
j)45℃の棚温度を10時間維持する、
k)棚温度を30℃まで下げ、1時間維持する、
l)チャンバーの圧力を戻し、バイアルに栓をする。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
非経口投与による細菌性感染症の治療または制御に有用な医薬組成物であって、有効量の(a)ピペラシリンまたはその医薬上許容される塩、(b)タゾバクタムまたはその医薬上許容される塩およびアミノカルボン酸キレート剤またはその医薬上許容される塩を含む、医薬組成物。
【請求項2】
pHを6.0〜7.5の範囲に維持するために適合される緩衝剤をさらに含む請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
緩衝剤がpHを実質的に6.5に維持するために適合されている請求項2記載の医薬組成物。
【請求項4】
緩衝剤がクエン酸塩である請求項2記載の医薬組成物。
【請求項5】
ピペラシリンナトリウム、タゾバクタムナトリウムおよびアミノカルボン酸キレート剤のナトリウム塩を含有する請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
緩衝剤としてクエン酸ナトリウムをさらに含む請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
アミノカルボン酸キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、O,O’−ビス(2−アミノエチル)エチレングリコール−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N’−四酢酸(CyDTA)およびその医薬上許容される塩からなる群より選択される少なくとも1つの化合物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
アミノカルボン酸キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその医薬上許容される塩から選択される請求項7記載の医薬組成物。
【請求項9】
アミノグリコシドをさらに含む請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
アミノグリコシドが、アミカシンおよびトブラマイシンから選択される請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
非経口投与の前に相溶性を有する復元用希釈液を添加することによって復元することのできる粉末の形態である請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
非経口投与の前に、解凍され、かつ、必要に応じて相溶性希釈液で希釈される凍結組成物の形態である請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
直ちに非経口投与できる形態である請求項1〜10のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
溶液の形態である請求項1〜13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
溶液におけるピペラシリン濃度が、約8mg/ml〜約500mg/mlの範囲である請求項14記載の医薬組成物。
【請求項16】
溶液におけるクエン酸塩緩衝剤濃度が、0.25mg/ml〜25mg/mlの範囲である請求項14または15記載の医薬組成物。
【請求項17】
溶液におけるタゾバクタム濃度が、0.1mg/ml〜125mg/mlの範囲である請求項14〜16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
組成物を生理学的に等浸透圧性とするために有効な量のデキストロースをさらに含む請求項1〜17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
溶液中にデキストロースを約5mg/ml〜約100mg/mlの範囲でさらに含む請求項14〜17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
溶液中にアミカシンを0.1mg/ml〜75mg/mlの範囲で含む請求項14〜19のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
トブラマイシンを0.1mg/ml〜75mg/mlの範囲で含有する請求項14〜20のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
アミノカルボン酸キレート剤またはその医薬上許容される塩が、約0.002mg/ml〜約10mg/mlの範囲である請求項14〜21のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
アミノカルボン酸キレート剤またはその医薬上許容される塩が、約0.003mg/ml〜約1mg/mlの範囲である請求項22記載の医薬組成物。
【請求項24】
密封容器に入れられた投薬濃縮物であって、該容器が医薬組成物の濃縮溶液を形成するのに十分な容量の水性溶媒を導入するための十分な空間を有する、請求項1または2記載の医薬組成物。
【請求項25】
細菌性感染症の治療のために静脈内投与するための単位投薬静注用バッグまたは静注用ボトルとして液状で含有されている請求項1または2記載の医薬組成物。
【請求項26】
(a)ピペラシリン遊離酸換算で実質的に4.0gとなる量のピペラシリンまたはその医薬上許容される塩、(b)タゾバクタム遊離酸換算で実質的に0.5gとなる量のタゾバクタムまたはその医薬上許容される塩、(c)実質的に1mgのEDTAまたは医薬上許容されるEDTAの塩、および(d)実質的に100mlの注射用水を含有する請求項1記載の医薬組成物。
【請求項27】
(a)4gのピペラシリン遊離酸に等価なピペラシリンナトリウム、(b)0.5gのタゾバクタム遊離酸に等価なタゾバクタムナトリウム、(c)実質的に1mgのEDTAのナトリウム塩、および(d)実質的に100mlの注射用水を含有する請求項26記載の医薬組成物。
【請求項28】
緩衝剤として実質的に0.2gのクエン酸ナトリウムをさらに含む請求項26または27記載の医薬組成物。
【請求項29】
実質的に2.0gのデキストロースをさらに含む請求項26〜28のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
実質的に500mgのアミカシンをさらに含む請求項26〜29のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
実質的に160mgのトブラマイシンをさらに含む請求項26〜30のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
非経口投与の前に、相溶性を有する復元用希釈液を添加することで復元することができ、請求項26〜31のいずれか1項に記載の組成物を形成する、粉末の形態を有する医薬組成物。
【請求項33】
非経口投与の前に、解凍され、かつ、必要に応じて相溶性希釈液で希釈される凍結組成物の形態を有する請求項26〜31のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項34】
非経口投与による細菌性感染症の治療または制御に有用な医薬組成物の製造方法であって、医薬組成物が非経口投与の前に相溶性を有する復元用希釈液を添加することによって復元することができる粉末の形態、または、非経口投与の前に、解凍され、かつ、必要に応じて相溶性希釈液で希釈される凍結組成物の形態を有しており、水性分散媒中に有効な量の(a)ピペラシリンまたはその医薬上許容される塩、(b)タゾバクタムまたはその医薬上許容される塩およびアミノカルボン酸キレート剤またはその医薬上許容される塩を含有する溶液を凍結または凍結乾燥することを含む製造方法。
【請求項35】
哺乳動物の細菌性感染症を治療または制御する方法であって、請求項13に記載の医薬組成物を治療に有効な量、該哺乳動物に非経口投与することを含む方法。
【請求項36】
哺乳動物の細菌性感染症を治療または制御する方法であって、請求項13に記載の医薬組成物およびアミノグリコシドを治療に有効な量、該哺乳動物に非経口で共投与することを含む方法。
【請求項37】
アミノグリコシドが、アミカシンおよびトブラマイシンから選択される請求項36記載の方法。

【公表番号】特表2006−523695(P2006−523695A)
【公表日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509780(P2006−509780)
【出願日】平成16年4月7日(2004.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/010698
【国際公開番号】WO2004/091666
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(591000791)ワイス・ホールディングズ・コーポレイション (43)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth Holdings Corporation
【Fターム(参考)】