説明

注文歯列矯正装置形成方法および装置

【課題】歯列矯正装置(25)を自動的に設計・製作するシステム(10)の自動化を改善して、実際的で信頼できる効率的なシステム及び方法を提供する。
【解決手段】口のモデル(20)から、患者(12)の口を走査して患者の歯の形状及び患者の口中のそれらの位置の三次元デジタル化モデル(26)を作り、コンピュータ(30)が、歯の処理後位置と方位を計算して歯の三次元像を作り、矯正歯科医(14)が、医師の診療室(11)と歯列矯正装置設計・製作施設(13)間の対話型コンピュータリンクにより、コンピュータが計算した歯の処理後位置と方位を修正し、コンピュータが矯正歯科医の承認を受けるために自動的に歯列矯正装置を設計し、高い精密さで歯の処理後位置と方位を計算し直す。歯列矯正装置のブラケット(81)と、ブラケットを患者の歯の上に自動的に正確に位置決めするジグ(87)が設計・製作される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯列を揃える歯列矯正装置の設計、製作および使用に関し、特に、個別の患者の解剖学的構造に基づいた注文歯列矯正装置の自動化された設計、製作および使用並びにそれを使った患者の治療に関する。
【背景技術】
【0002】
患者の歯列矯正治療には、患者の口の中で患者の歯を互いに最適に機能しかつ対向して協調する滑らかな弓形を画定する相対配置および方位を占める位置へ整復、すなわち揃え直すという基本的な目的がある。この目的を達成するための一般的な技術は、患者の口の上に歯列矯正ブラケットを位置決めして、歯が矯正された位置にある時にブラケット内のアーチ・ワイヤ・スロットが揃えられ、ワイヤがまっすぐになろうとする時に歯を矯正位置へ向けて押し進める弾性アーチワイヤをスロット内に配置することである。理想的な状況では、このように使用される完全に位置決めされ完全に設計された装置は、理論上、矯正歯科医による「ワイヤ曲げ」の形の介入なしで、歯を所期の矯正位置へ動かす。標準の統計学的に平均的な歯の解剖学的構造に適用された大概の装置では、理想が実現されるのは、たとえあったとしても、稀である。
【0003】
後述する関連特許は、コンピュータの支援により設計製作された注文歯列矯正装置の設計、製作および使用について記載している。このような自動化された装置の設計および製作システムでは、患者の歯の解剖学的構造の形状データの収集、収集されたデータを処理して矯正歯科医が指示した処置に従った装置を作り出すこと、注文歯列矯正装置の精密かつ経済的な製作および装置の効率的で正確な配置が重要である。
【0004】
したがって、実際的で信頼できる効率的な注文歯列矯正装置自動化設計および製作システム並びに注文装置を提供し、それにより患者を治療する方法が矯正歯科において非常に必要とされている。
【0005】
(発明の開示)
本発明の主要な目的は、実際的で信頼できる効率的な注文歯列矯正装置設計および製作システムを提供し、かつ注文歯列矯正装置を設計し、それにより患者を治療する方法を提供することである。本発明のより詳細な目的は、歯列矯正装置、特に注文歯列矯正装置の設計および製作の自動化を改善することである。
【0006】
本発明のもう1つの目的は、機能および判断を矯正歯科医、装置メーカおよび特別にプログラムされたコンピュータ間で効率的かつ有効に分散することを含む注文歯列矯正装置の設計および製作を提供することである。本発明のもう1つの目的は、注文歯列矯正装置の設計および製作に伴うタスクを個別の開業医の運営規模その他の事項に従って矯正歯科医および装置製作施設間に最も効率的に割り当てて、処置の精度および矯正歯科医の時間の使用効率を高め、かつ当て推量およびエラー源を解消しながら、矯正歯科医が最終弓形および処置過程を最適に制御できるようにすることである。
【0007】
本発明のもう1つの目的は、患者の最適処置を達成し患者の歯の配置をより正確に決定してより精密に達成し、特に、歯列矯正装置の性能および歯科矯正治療の結果が装置の設計および治療計画により綿密に適合できるように開業医を助けることにより歯列矯正の実施を改善することである。
【0008】
本発明のもう1つの目的は、歯列矯正装置の設計、製作および使用並びに歯列矯正処置における患者の歯の動きのより完全な三次元制御を提供することである。
【0009】
本発明の原理に従って、注文歯列矯正装置を設計および製作するシステムおよび方法が提供される。このシステムおよび方法では、矯正歯科医がその診療室、すなわちクリニックにおいて患者の口から歯の三次元解剖学的構造情報の記録を提供して、装置設計施設、すなわちラボへ送る。デジタルモデルから、注文歯列矯正装置が予めプログラムされた規準および矯正歯科医からの指示に従ってコンピュータでラボラトリにより設計される。注文歯列矯正装置は、コンピュータ発生設計から作られる。
【0010】
記録は、矯正歯科医により作られた患者の口の印象、すなわち型から作られ、処置前位置に歯があり、通常患者の上下顎の鋳型レプリカの形の身体モデルの形とすることができる。身体モデルがラボへ送られる場合には、ラボは、レーザその他の光学スキャナあるいは他種のスキャナ、好ましくは非接触スキャナによりモデルを走査する。走査により、患者の歯および顎の形状および患者の口中の歯の位置を含む患者の口の三次元デジタルモデルが作り出される。あるいは、モデルの走査を矯正歯科医がその診療室で実施したり、患者の口の完全な走査から直接デジタル情報を引出して、デジタル走査情報を診察室から離れたラボへ送ることができる。
【0011】
好ましくは、走査は、レーザ・スキャナにより、最初は加工品サポート上のモデルの位置をつきとめ走査像の関心ある部分を識別し、かつ、さまざまな歯、境界およびデジタル化される他の解剖学的構造の特徴を識別するための基礎を提供する低解像度モードで実施される。次に、高解像度モードにおいて、低解像度モードで識別された特徴が走査されて各歯の形状の高解像度、三次元像ファイルを作り出す。ラボのオペレータが走査されたデータのランドマークおよび他の特性および特徴の識別を監視する。ランドマークは、後述する他のランドマークの他に、歯の全ての尖頭および切端、歯の中央溝および辺縁隆起および歯の表面並びに舌側の歯肉点を含んでいる。
【0012】
歯の仕上げ、すなわち処置後位置の決定は、装置設計施設におけるコンピュータと通信することにより矯正歯科医と対話的に実施される。コンピュータは、最初に歯の示唆された処置後配列を計算し、それは矯正歯科医が修正することができ矯正歯科医により歯の最終処置位置が承認されるまでに計算し直されている。それにより、矯正歯科医は、トルク、チップ又は回転角、近心−遠心、唇側−舌側もしくは咬合−歯肉の6自由度で任意の歯を動かすことができる。したがって、矯正歯科医は、例えば抜歯したり、あるいはせずに、また過剰矯正をしたり、あるいはせずに弓形を調べ、歯を三次元ソリッド物体としてコンピュータ画面上で処置後結果を観察することができる。
【0013】
歯の最終位置が決定された後で、承認された歯の仕上げ位置、すなわち歯の処置後配列に従ってコンピュータにより注文装置が設計される。歯の配列と同様に、装置の設計は、矯正歯科医により対話的に調節、テストおよび承認される。装置設計が承認されると、コンピュータ制御装置により設計に従って装置が作られる。
【0014】
歯の形状の高解像度、三次元データが歯仕上げ位置の計算および注文歯列矯正装置の設計に使用されて、歯を計算された仕上げ位置へ動かし装置を患者の歯の表面へ嵌めこむ。このデータは、歯列矯正ブラケットのベースの形状を設計するのに使用して、ブラケットが接合される点において歯の表面に精密に一致させることができる。三次元データは、歯の表面に精密に一致するジグの形状を設計して、歯の上の計算された理想的な接合位置へブラケットを配置するなど、歯の上に装置を一意的に位置決めする時に特に有益である。このようなジグは、1つ以上の歯の上に歯列矯正装置または患者の歯の歯列矯正処置を助けるために付加される他の構造を配置するように機能する歯表面の陰画像を有する任意の構造を含んでいる。このようなジグは、半注文または標準ブラケットを患者の歯上の理想的位置に位置決めしたり、歯または患者の歯上の他の位置へ接合する任意他の構造の位置を定めるだけでなく、完全な注文設計ブラケットその他の装置を位置決めするのに有益である。
【0015】
歯の仕上げ位置の計算により歯冠長軸の位置が三次元で定められ、軸のx-y-z位置だけでなく軸のトルク、チップおよび回転角並びに軸を含む平面が精密に決定される。
【0016】
注文装置の製作は、一般的に弓状の装置を作って、コンピュータと矯正歯科医間の対話過程により確立され計算された弓形上の計算された仕上げ、すなわち処置後位置へ歯を動かすことを含んでいる。好ましくは、装置の種類は、患者の複数の歯の各々に接合された一組の歯列矯正ブラケット、通常はバンドもしくは接合により患者の歯の最遠端に固定される一組の頬管およびブラケット内のスロット内に括られた一組のアーチワイヤを含むまっすぐなワイヤ歯列矯正ブレースシステムである。他の形状の歯列矯正装置だけでなく、リテーナ、ポジショナその他の弧状、すなわち一般的に弓状の装置をここに記載されたシステムにより同様に設計することができる。
【0017】
アーチワイヤの製作は、コンピュータ制御装置を操作して注文設計装置の1つ以上のアーチワイヤを整形することにより達成される。アーチワイヤは、計算されたアーチワイヤ形状に従って制御されるワイヤ曲げ機械を使用して、スチールおよび類似の成形可能金属のワイヤに対して有用な連続ワイヤストックからワイヤを送り出して曲げることにより形成することができる。また、ワイヤが配置され、アニールされ、または熱処理されるプレートまたは型上もしくは内に計算されたアーチワイヤ曲線をミリング、切削その他により面付けすることによりワイヤを形成することもでき、それはチタンやチタン含有合金等の高弾性金属のアーチワイヤを製作するのに特に有用である。他種の歯列矯正装置もしくはブラケット、リテーナ、ポジショナあるいは位置決めジグ等の装置アクセサリをこの過程により製作することができる。
【0018】
患者を治療するのに必要なセットの歯列矯正ブラケットは、各々がブラケットベースに溶接され、ブラケット本体内にスロットを切削して形成することができ、セットの全ブラケットが1枚の金属ブラケットベース材料により形成される。ベースは、患者の歯の表面に一致するように曲げて注文形成することができ、あるいは統計的に平均的な歯の湾曲に曲げることができる。ベースが注文湾曲であるか標準湾曲であるかによって、患者に対する理想的装置に注文されるイン−アウト深さ、回転、チップおよびトルクでブラケット内にスロットを切削することができる。1枚の金属は、スロット切削手順中にセットの全ブラケットを予め定められた位置内に保持するワークホルダの役目をする。
【0019】
あるいは他の歯列矯正装置および装置部品だけでなく歯列矯正ブラケットは、その計算されたジオメトリに従った装置の断面に従った形で、金属を層状に堆積させて形成することができる。そのように堆積される材料は、さまざまに堆積されて断面形状を画定する異なる材料から構成することができ、露光、加熱あるいは薬品等により選択的に活性化、硬化される1種以上の材料とすることができ、選択度は、注文装置設計過程で作り出された計算された装置形状データに従って実施される。層堆積過程を使用するブラケットの形成において、歯冠の表面に一致して噛み合うように整形された表面を有する装置をそれから形成することができる1つ以上の中間物体を形成することができる。このような中間物体は、型もしくは型を作るパターンの形とすることができる。
【0020】
例えば、さまざまなワックスを、例えば、ジェット印刷過程により堆積して三次元ワックスパターンを作り出す一山の層としてブラケット形状を作り上げることができ、次に、それを使用して埋没材鋳造過程により注文ブラケットを作り出す型を形成することができる。究極的にブラケットが作られる材料も、例えば、異なる組成とすることができる金属とバインダの混合物を堆積するドットプリント過程により堆積して作られる装置の形を画定することができる。あるいは、均質な材料を堆積させ、レーザエネルギもしくは他の高解像度選択過程を使用して選択的に硬化させることができる。このような過程により装置または装置部品を画定する部分を取り巻く材料を除去するのに使用される熱または溶媒に耐える材料の多層物体を作り出し、例えば、ブラケットあるいは装置または装置部品を形成する型に対するパターンとなる物体を残すことができる。
【0021】
1つ以上のブラケットあるいは他の装置または装置部品を位置決めするジグは、例えば、その上に1つ以上の装置が接合するために配置される患者の1つの歯の歯冠の咬合表面に精密に一致する形状のキャビティを作り出す可能ないくつかの過程のいずれかにより形成される。接合される装置は、ジグと協働して、ジグが歯の咬合表面上の一意的位置および方位に嵌め込まれる時に、各装置が歯の表面上の1つだけの位置に配置されるようにジグに取り付けられるように構成される。好ましくは、ここに記載されたシステムおよび方法に従って一組のブラケットおよびブラケット位置決めジグが提供される時に、ブラケットおよびジグは、装置製作施設において予め定められた相対位置および方位で互いに予め取り付けられ、ジグは、矯正歯科医がそれに対して装置が設計される患者の歯にブラケットを接合した後で取り外せばよいようにされる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例に従った注文歯列矯正装置設計および製作システムの一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムにより実施される本発明の過程の一実施例のフロー図である。
【図3】図1のシステムの三次元グラフィック像形成スキャナの斜視図である。
【図3A】患者の下歯列弓のモデルの低解像度走査像の3つのビューを示す図3のスキャナのコンピュータにより作り出されるディスプレイの表現である。
【図3B】患者の下歯列弓のモデルからの図3のスキャナにより走査された斜視表現高解像度データのコンピュータディスプレイである。
【図4】初期配列画面をディスプレイする図1のシステムの装置施設コンピュータのディスプレイを示す図である。
【図4A】図4の配列画面の一部の線図である。
【図4B】もう1つの配列画面をディスプレイする図4と同様な図1のシステムの装置施設コンピュータのディスプレイを示す図である。
【図4C】歯冠長軸面内の歯を示す図4Bの画面の選択されたディスプレイウィンドウを示す図である。
【図5】処置前の相対位置において高解像度三次元ソリッド像内における患者の歯の斜視ビューをディスプレイする装置施設コンピュータのディスプレイである。
【図5A】図5Aの相対処置前位置における患者の歯を示すさまざまなビューウィンドウをディスプレイする装置施設コンピュータのもう1つの配列画面ディスプレイである。
【図5B】計算され提案された相対処置後位置において高解像度三次元ソリッド像内における患者の歯の斜視ビューをディスプレイする図5と同様な装置施設コンピュータのディスプレイである。
【図5C】図5Bの相対処置後位置における患者の歯を示すさまざまなビューウィンドウをディスプレイする図5Aと同様な装置施設コンピュータのディスプレイである。
【図5D】単純化されたベクトル表現が重ね合わされたソリッド三次元像内に示された図5Bおよび図5Cの処置後位置における患者の下顎歯の斜視ビューをディスプレイする装置施設コンピュータのディスプレイである。
【図5E】注文設計装置がある相対処置後位置において高解像度三次元ソリッド像内における患者の歯のさまざまなビューをディスプレイする図5Aと同様な装置施設コンピュータのディスプレイである。
【図5F】図5Eの装置の注文設計ブラケットが配置された歯断面を示し、かつ単純化されたベクトル像と注文設計装置がある処置後位置における患者の下顎歯のソリッド三次元像のハイブリッド斜視ビューを示す拡大された選択画面ウィンドウを有する装置施設コンピュータのディスプレイである。
【図5G】単純化されたベクトル像および注文設計装置がある処置後位置における患者の下顎歯のソリッド三次元像の図5Fのそれに替わるハイブリッド斜視ビューを示し選択された画面ウィンドウを示す装置施設コンピュータのディスプレイである。
【図6】ブラケットが配置される歯に関連して例示された注文設計ブラケットおよび対応する注文設計ブラケット配置ジグの分解斜視図である。
【図6A】図1のシステムの一実施例に従って形成された一組の注文ジグの斜視図である。
【図6B】図6Aの注文ジグのミリングを示す斜視図である。
【図7】図1のシステムの一実施例に従った注文アーチワイヤ形成システムの順次斜視図である。
【図8A】図1のシステムの一実施例に従った注文ブラケット形成システムの連続図である。
【図8B】図1のシステムの一実施例に従った注文ブラケット形成システムの連続図である。
【図8C】図1のシステムの一実施例に従った注文ブラケット形成システムの連続図である。
【図8D】図1のシステムの一実施例に従った注文ブラケット形成システムの連続図である。
【図9A】図1のシステムの一実施例に従った注文ブラケット形成システムの斜視図である。
【図9B】図1のシステムの一実施例に従った注文ブラケット形成システムの斜視図である。
【図9C】図1のシステムの一実施例に従った注文ブラケット形成システムの斜視図である。
【0023】
(図面の詳細な説明)
本発明の原理に従った注文歯列矯正装置製作システム10の一実施例が図1に線図で例示されている。システム10が動作する過程が図2に例示されている。システム10は、矯正歯科医の診察室11および歯列矯正装置設計および製作施設、すなわちラボ13を含む複数の場所、好ましくは2つの場所、間に分散することができる。システム10の動作のアクションおよび判断は、(1)診察室11で開業する矯正歯科医14、(2)大概はラボラトリ13に配置されるが、いくつかは診察室11に配置されることがあるデータ収集および処理装置30,33および装置製作装置38、および(3)施設13に在住するオペレータ28を含む3つのパス間に分散される。これら3つのパスは、図2の3列で表わされ、矯正歯科医により実施されるステップは、左側に例示され、コンピュータその他の装置により実施されるステップは、中央に例示され、施設13のオペレータにより実施されるステップは、右側に例示されている。破線は、パス間の情報交換を含む対話を表わす。
診察室11において、診察室11の矯正歯科医14により患者12の矯正歯科治療が行われ、診断15がなされて、いくつかのデータ記録16の1つの形へ変形される。記録16は、患者の状態を決定し、適切な処置を指示し、患者12の処置を実施する歯列矯正装置の種類を指定するのに必要な症例情報の一部として発生される。症例情報データ記録16は、患者12を識別する情報、患者12の口18からの歯および関連形状の解剖学的構造データおよび、好ましくは処置および処置に使用される装置の種類を選択し、設計するのに有用な患者の歯の解剖学的構造特性に関連する人種および遺伝情報等の他の背景情報19を含んでいる。
【0024】
矯正歯科医14による患者12の検査には、従来の矯正歯科医14の技能、知識および専門的技術を適用することが含まれ、患者12の顎構造だけでなく患者の口中の歯の形状および初期不正咬合位置の詳細な解剖学的構造記録が生成される。この詳細な解剖学的構造記録は、患者の口18の身体的三次元モデル20の形状とすることができる。このようなモデル20は、典型的には矯正歯科医に既知の典型的な手順に従って、例えば、患者の口18のアルギン酸塩等の材料で矯正歯科医14により作られ、モデル印象内に形成された鋳造物である。モデル20は、通常、プラスタで作られ、患者の下顎、すなわち下顎骨22の下顎骨鋳造物、すなわちモデル21および患者の上顎、すなわち上顎骨24の上顎骨モデル23を含んでおり、各々がそれぞれ下および上顎内の相対的処置後位置における患者の歯の形状を再現している。
【0025】
矯正歯科医14は、患者12を治療する歯列矯正装置のあるパラメータだけでなく、このような装置の一般的な種類も決定する。システム10内で、装置は、矯正歯科医14が患者の歯の上に取り付ける一般的に弧状、すなわち弓型形状の注文歯列矯正装置25である。装置25の製造を開始するために、矯正歯科医14は、患者に適用する処置計画を説明し、処置により達成される結果を明記する処方27を含む、他のデータ記録16と共に身体的モデル20を装置設計および製作施設13へ送信する。施設13へ身体的モデル20を送信する代替策として、身体的モデル20を使用せずに患者の口18から直接または身体的モデル20からデジタルモデル26を矯正歯科医の診察室11において発生し、デジタルモデル26を装置製作施設13へ送信できるようにすることができる。
【0026】
処方27は、処置に含まれる技術の明記および利用される歯列矯正装置の指定を含むことができる。歴史的に、このような処方27は、精密な数学的配列や処置により生じる歯の動きを含むほど詳細ではないが、求められる歯の配列を表わすある数値表現を含む処置の目標を含むことができる。
【0027】
施設13には1人以上の熟練したオペレータ28が配置される。オペレータ28は、デジタル化されたモデル26のデータおよび処置計画および装置設計判断のデータ、すなわちパラメータを含むデータのコンピュータ30への入力を監視する。このデータは、入力コンピュータ30aまたは注文装置25の設計専用とされたもう1つのコンピュータ30bへ入力することができる。また、オペレータ28は、コンピュータ30bや装置25を製作するもう1つのマシン・コンピュータ、すなわちマシン・コントローラ30c等のコンピュータ30により制御される装置製作装置38の操作に入力を付加したり制御したりすることができる。入力、設計および製作が装置施設13において実施される場合には、コンピュータ30a,30bおよび30cは、同じコンピュータ30あるいは互いに連結されているかデータを交換する独立したコンピュータまたはコントローラとすることができる。
【0028】
身体的モデル20自体が施設13へ送信される場合には、オペレータ28は、走査装置33を操作して患者の口中の処置前位置における患者の歯の三次元デジタルモデルの形のデジタル情報26を発生する。あるいは、矯正歯科医14からのデジタルモデル26がオペレータ28により受信される。身体的モデル20から作り出され、あるいは矯正歯科医14から直接、受信されたデジタルモデル26は、コンピュータ30aへ入力される。入力コンピュータ30aは、例えば、三次元レーザスキャナ33による身体的モデル20の走査を制御することによりデジタル情報26の発生を管理して3−Dデジタルモデル26を作り出すのに特に有用である。入力コンピュータ30aは、オペレータ28からのインタラクションを利用して歯の表面上の領域の走査および入力しているコンピュータ30に接続されたディスプレイの画面35上のスキャナ33により作り出されるグラフィックイメージからの特に有用な歯列矯正パラメータの選択においてスキャナ33を効率的に案内する。スキャナ33は、身体的モデル20の三次元表面から3−Dデータを取得してコンピュータ30aに入力し、それは装置設計コンピュータ30bが解析するマシン読取可能な形式のデジタル化された解剖学的構造情報、すなわちデジタルモデル26を作り出す。オペレータ28は、3−Dデータを単純化するのに使用される情報を入力して患者の歯および歯の解剖学的構造をケースの配置や処置計画の対象である咬合の設計において有用なランドマークその他の規準で定義する。これらのランドマークその他の規準をあまりまたは全くオペレータのインタラクションに依らずに決定するアルゴリズムも使用することができる。
【0029】
スキャナ33は、1つ以上のビデオカメラ、機械的プローブ、レーザその他のスキャナ、超音波スキャナ、モアレ像スキャナもしくは単独あるいは他のこのような部品と組み合わせて、患者の歯の表面の三次元モデルおよび患者の顎の形状を画定する口組織を作り出す他の形式の像形成もしくは測定ハードウェアを含むことができる。レーザスキャナ33が例示されているが、他種のスキャナ、好ましくは非接触スキャナを使用することができ、技術の進歩と共に、符号化されたパルス白色光を使用するデジタル光スキャナ等のこのような多種のスキャナが利用可能となってきている。
【0030】
3−Dデジタルモデル26のデータが矯正歯科医14からの他のデータと共に処理され、オペレータ28および/または矯正歯科医14により対話型選択が行われて患者の歯の仕上げ、すなわち処置位置を決定する。好ましくは、歯の最終処置位置の初期決定は、特定の歯形状および顎形状データを含む3−Dデジタルモデル、矯正歯科医14からの処方情報27、矯正歯科医14からの他の情報16並びにコンピュータ30bが処理データを解釈し単純化するのを支援するオペレータ28によりなされる選択から行われる。設計コンピュータ30b内で行われる歯の処置位置計算は、関連特許および特許出願その他に記載されているようなアルゴリズムを含むプログラムを使用する。コンピュータ30bは、それによりオペレータ28が装置設計だけでなく歯仕上げ位置の計算を監視し、オプションを選択し、修正する対話型方法を利用することもできる。
【0031】
仕上げ位置の初期決定により、プログラムされたアルゴリズムおよび歯表面の正確な三次元形状を考慮して、処方された処置の精密な予測が作り出される。その結果、三次元コンピュータ像および数値データの形の処置デジタルモデルが再検討、訂正もしくは矯正歯科医14による承認のために提供される理想的な歯科、すなわち臨床上の弓形その他の中間もしくは最終歯配列が生じる。このようなデジタルモデルは、歯の弧状、すなわち一般的に弓形の配列を明確にするのにある等式、すなわち公式が使用される数学的弓形モデルの形であってもなくてもよい。歯列弓のデジタルモデルは、人間が評価するための一般的に弓形の配列に歯を表現、すなわちディスプレイすることができるデジタルデータの形とすることができる。好ましくは、データは、コンピュータ解析可能な形である。提示された処置結果の像が装置設計施設13における設計コンピュータ30bと矯正歯科医14の診察室11における対話型コンピュータ端末32間に接続された通信網その他のデータリンク31を介して矯正歯科医14へデジタルで伝達される。リンク31は、コンピュータ32および30b内のソフトウェアと共に、それに応答して設計コンピュータ30bが歯の最終処置位置を計算し直してさらに観察、訂正または矯正歯科医14による承認のためのディスプレイデータを発生する処置のコースだけでなく、それを介して矯正歯科医が計算された処置位置の初期決定を操作することができる対話型システムを提供する。
【0032】
歯の処置位置が矯正歯科医14により承認されると、コンピュータ30bは、オペレータ28の監視下で自動的に装置を設計する。デジタル装置設計が作り出されると、三次元設計ディスプレイおよび数値設計データを含む設計情報は、矯正歯科医14による対話型調節および最終承認のためにリンク31を介して端末32へ与えられる。
【0033】
装置設計が矯正歯科医18により承認されている時は、患者14の解析および履歴および処方された処置の関連情報が全て書き込まれるアーカイブ・ファイル34を解析および設計コンピュータ30bが作り出す。患者に対する計算された情報が患者データファイル36に格納される。計算から、製作コンピュータ30cがデジタル制御製作装置38を作動させて装置25を作り出すためのマシン読取可能符号42を作り出す。命令ドキュメント、すなわちファイル37も、コンピュータ30bまたはコンピュータ30cにより、患者14を注文装置25により処置している矯正歯科医14を支援する情報から作り出すことができる。
【0034】
現在、最も一般的に使用される種類の注文歯列矯正装置を製作するのに、製作装置38は、好ましくは装置25に対する注文ブラケットを作り出す装置ブラケット形成機械39を含んでいる。自動化された機械により作られた型からブラケットを鋳造、すなわち成形し、予備成形されたブランク内に計算された角度でスロットを切削するか、あるいは他の特徴を加工するか、あるいは他の自動化されたブラケット製作方法により自動化されたブラケット製作を実施することができる。さまざまなブラケット材料について最善であるように、ブラケットスロットまたはベースにより歯に回転力を与える設計オプションが与えられる場合には、機械39は、予備成形されたブラケットベースの表面を整形することができる。装置38は、装置25に対する注文形状アーチワイヤを作り出す装置アーチワイヤ曲げ機械または他種のワイヤ形成機械40も含むことができる。最も好ましい実施例では、装置38は、取り付けた時に装置25が歯の表面上に配置されるのを保証することにより装置の取り付けを支援するための部品を形成する機械を含んでいる。アーチワイヤおよびブラケット型装置では、それは歯の上の正しい位置以外に装置が配置されるのを防止するための三次元歯固定リセスを切削または形成するブラケット配置ジグを作る機械41を含んでいる。
【0035】
従来のブラケットおよびアーチワイヤ装置を例示して説明してきたが、ここに記載された概念は、他の形式の歯列矯正装置にも応用することができる。従来の装置では、個別のブラケットが装置と患者の歯との間の接続を作り、アーチワイヤがブラケットを介して歯を相互接続して歯間に処置力を加えるが、本発明のある面に従って弾性弓形要素が歯と境界をなしかつ歯間に力を加えるシングルピース装置を使用することができる。同様に、配置ジグ上に設けて装置を患者の歯の上に配置することができる三次元表面をブラケット自体の上または一般的に弓形のシングルピース装置の上等の装置自体の部品上に配置して装置が自己位置決め、すなわち自己配置するようにすることができる。歯の上への装置の初期および継続位置決めを容易にするために、このようなジグは、装置に取り付けたままとしてもしなくてもよく、また患者の歯の上に残したままとしてもしなくてもよい。
【0036】
適切な3−Dスキャナ33が図3に例示され、レーザ・スキャナ・アセンブリ43を含んでいる。レーザスキャナ43は、2つの電気的にステアリングすることができるレーザ源センサアセンブリ44および45を有し、各々がそれぞれレーザ源、すなわち送信機44a,45aおよびレーザセンサ、すなわち受信機44b,45bを有する。レーザアセンブリ44は、レーザ45に対する制御マップとして使える低解像度像を発生するのに使用される高速低解像度スキャナであり、レーザ45は、歯仕上げ位置計算および装置設計および製作に使用する三次元モデル26を形成するためのデータを発生する高解像度スキャナである。レーザアセンブリ44の低解像度レーザは、例えば、日本のキーエンス社製モデルLK031のレーザ走査ユニットとすることができ、高解像度レーザ45は、例えば、日本のキーエンス社製モデルLK081のレーザ走査ユニットとすることができる。低解像度レーザ44は、好ましくは、三次元の各々の直線mm当たり、およそ2データ点の密度で点の3つの直交座標測定値を作り出すように設定され、高解像度レーザ45は、好ましくは、三次元の各々の直線mm当たり、およそ10データ点の密度で点の3つの直交座標測定値を作り出すように設定される。
【0037】
入力コンピュータ30aは、レーザユニット43に接続され、その動作パラメータを制御し、発生される3−Dデータを解釈、フォーマット化および格納する。また、コンピュータ30aは、レーザ44および45をステアリングし、身体的モデル20の各上下半部21,23の向きを決める。走査に対して、モデル20の半部は、ホルダ、すなわちサポート46内に個別に搭載され、インナーヨーク47に搭載されて入力コンピュータ30aに制御されるサーボモータ48の制御下でインナーヨーク47の上で、その軸上で回転するようにされる。同様に、インナーヨーク47は、アウターヨーク49にピボット搭載されてホルダ46の回転軸に垂直な軸上でピボットし、ホルダ46上に搭載されるモデル20の半部とほぼ交差するように配置される。それによりモデルは、レーザスキャナ43に対して任意所望角度の方位に定められ、モデルの全表面積のレーザによりモデルの直接視線ビューが得られるようにすることができる。アウターヨーク49は、やはり入力コンピュータ30aにより制御されるサーボモータ50により制御される。
【0038】
アウターヨーク49は、共に入力コンピュータ30aにより制御されるサーボモータ53,54により、それぞれ、テーブル52上を2つの軸上で水平方向に移動することができるキャリッジ51に搭載される。レーザアセンブリ43も、テーブル52上に搭載される。可動キャリッジ51により、走査されるモデル半部上のレーザの最適集束および最適入射角のために、レーザ43からある距離にあるホルダ46内にモデル20の半部を精密に配置することができる。ヨーク47および49およびキャリッジ51は、好ましくは、重金属鋳造により作られテーブル52は、好ましくは、固体基礎上に支持された重い花崗岩ブロックにより作られて、高解像度レーザ45の精密な走査に影響を及ぼすことがある振動がレーザスキャナ43とホルダ46間に伝達されないようにされる。
【0039】
スキャナ33が操作される時は、オペレータ28がコンピュータ30aのセットアップ画面を介してスキャナパラメータをセッアップして下顎モデル半部21の低解像度走査を開始する。低解像度走査に対して、モデル21は、ホルダ46上に配置されインナーヨーク47は、モータ50のコンピュータ制御操作により、低解像度レーザ44がモデル21のトップビューを走査して図3Aの左ウィンドウ55aに例示するようにコンピュータ30aのモニタ上にディスプレイされるような方位とされる。次に、コンピュータは、モータ48のコンピュータ制御操作によりインナーヨーク47上のホルダ46内のモデル21を回転させることにより、歯の唇および舌側の低解像度ビューを発生するようにヨーク47の方位を変える。それにより、それぞれ、ウィンドウ55b,55cにより表わされる低解像度パノラマ舌方向ビューが作り出される。ビュー55a,55b,55cは、スキャナ33の三次元空間内のモデル21のさまざまな歯の位置を確定する方法をオペレータ28に提供する目的で発生された二次元ディスプレイであれば有効である。
【0040】
実施される操作、すなわち観察されるデータに関連するコンピュータ30のディスプレイ画面の頂部にコントロールが提供される。これらのコントロールには、さまざまなビューおよびさまざまな計算を始動させ、または装置機能を開始させるコマンドボタン55gを選択するコントロール55fだけでなく、さまざまな選択がセットアップの進行中にイネーブルされる時に拡張または変化する、例えば、メニュー55eなどのメニューが含まれる。
【0041】
入力コンピュータ30aの端末において、オペレータ28は、ポインティング・デバイスを使用してコンピュータ画面上のポイントを選択し下顎のそれぞれの内外境界56aおよび56bおよび個別の歯を分離する線56cをトップビュー55aから画定して、各歯を独立した三次元物体として表現できるようにすることができる。線56cは、オペレータ28がさらにポイントを選択して、その上に、それぞれ、唇および舌方向歯−歯肉線56dおよび56eを画定することができる立面ビュー55b,55c上に自動的にディスプレイすることができる。ビュー画面55a−55cから境界56a−56eが画定されると、高解像度レーザ45により高解像度走査を開始することができる。高解像度走査は、境界線56a−56cを使用してレーザ45を精密に照準してデータ発生量を最小限に抑える。レーザ45は、モデル21の異なる重複領域の50以上までのセグメント化された高解像度像を発生し、その合成画面ディスプレイが図3Bに例示されている。データポイントは、各々が3つの直交x,y,z座標により画定される。独立した像の各々が独立したデータファイルに格納される。独立した像データファイルが発生されると、像は、そのために利用できる従来のソフトウェアを使用して互いに織り込まれて患者の歯がある患者の下顎の単一三次元高解像度デジタル下顎モデルを作り出す。最初に、これは処置前不正咬合位置の歯について可能である。後述するように、歯仕上げ位置または他の処置位置が計算されると、このような任意の位置における歯を示す合成像をディスプレイすることができる。図3Bは、理想的位置における歯の合成像である。さまざまな三次元像処理プログラムおよび利用可能なレーザ走査装置が設けられたデータ変換ファイルを含む標準ソフトウェアを利用して標準データフォーマットの像ファイルを作り出すことができる。上顎歯モデル23も同様に作り出される。
【0042】
三次元高低解像度データファイルが作り出されており、かつ入力コンピュータ30aにより歯を互いに配置する基準に関して各歯形状モデルをその不正咬合処置前位置に配置し方位を定めるベクトルデータだけでなく、患者の各歯の独立した三次元形状データが格納される時に、ファイルは、計算により患者の咬合を設計するか、あるいは仕上げ位置を決定し、次に注文装置を設計して処置計画により指示された位置へ歯を動かす処理をさらに行う準備が完了している。独立した解析および設計コンピュータ30bとすることができるコンピュータ30へデータファイルがロードされ、オペレータ28の対話型案内の元で矯正歯科医14を対話型に巻き込んで、提案されたある処置後位置における患者の歯の三次元デジタルモデルを作り出すようにプログラムされる。そうすることにより、最初に提案された処置位置がコンピュータ30bにより計算され、矯正歯科医14による検査のために提示される。一度修正され承認されたこの電子的モデルは、モデル内に表現された位置へ歯を動かす注文歯列矯正装置の設計に対するベースとして利用することができる。
【0043】
解析および設計コンピュータ30bにおいて、データをフィルタリング、すなわち処理して歯の最終位置を計算し装置を設計するのに使用される三次元像から幾何学的特徴を抽出する。抽出された情報は、歯の単純化されたデジタルモデルを定義し、好ましくは、トルク、チップおよび回転角等の歯の位置を矯正歯科医が注文に応じて規定、すなわち記述するのに使用されるパラメータも含み、ある基準点、面または弓形からのX,Y,Z変位も含むことができる。典型的に、三次元高解像度デジタルモデルは、3−Dビットマップまたはラスタ像の形であり、単純化されたモデルは、ビットマップまたはラスタ像のベクトル像ファイル、オーバレイまたはレイヤの形である。
【0044】
単純化されたデータ像の発生は、歯処置位置を計算する適切なデータがコンピュータ内で利用できる時に画面頂部のメイン・メニュー・バー上に現れる、例えば“配列生成”と呼ばれる、メニューオプションを選択することにより解析および設計コンピュータ30bのオペレータ28により開始される。「配列」は、処置計画の対象である歯の仕上げ、目標、すなわち処置後位置を指すのに使用される用語である。「配列生成」オプションを選択すると、画面60がディスプレイされ、その例を図4に示す。画面60は、メインメニュー61、メインメニュー61上の各アイテムに関連するオプション・ボタン・セット62、下顎もしくは上顎弓の一方の咬合平面ビューをディスプレイする弓形ウィンドウ63、ウィンドウ63内の個別の各歯の咬合または唇側ビュー内にアイコンをディスプレイする歯アイコンバー64およびウィンドウ63内に示す弓の選択された1つの歯の拡大ビューをディスプレイする選択された歯ウィンドウ65へ分割される。配列生成モードにおいて、コンピュータ30bは、患者の下顎の形状が決定され、患者の歯の幾何学的特徴が三次元デジタルモデルから抽出される一連の手順を進める。この手順は、判断を行うコンピュータ30bにより自動的に実施するか、あるいはオペレータ28および判断に寄与するコンピュータ30bのプログラムと対話しながら実施することができる。判り易くするために、この手順は、対話型、すなわち半自動モードで説明されるが、説明される判断過程は、記述されたステップをプログラムされたアルゴリズムでコーディングすることにより自動的に行うことができる。
【0045】
配列モードは、下顎弓の歯の配列により開始する。配列モードがその手順を進めると、オペレータが現在、利用可能な全手順の中から完了した手順により作り出されたデータから発生することができるデータディスプレイを選択するか、あるいは観察するために戻すことができるように、メイン・メニュー・バー61上のアイテム数が増加または変化する。それにより適切なシーケンスでデータのエントリが容易となる。下顎配列の初期手順は、下顎歯の歯根を含む患者の下顎骨内の溝の中心線を表わす一般的に弓形の数学関数の形の下顎弓の画定である。この関数は、患者の下顎歯が患者の下顎骨の格子状部分内に含まれ揃えられるという提案された歯仕上げ位置計算の第1の条件を満たすように与えられる。この関数は、患者の下顎骨格弓形の数学的表現と考えることができる。
【0046】
下顎骨格弓形を定義する関数を発生するために、下顎溝MTを画定する下顎骨構造を覆う組織の輪郭が見える図4Aに示すように、高解像度デジタルモデルからの患者の下顎弓のウィンドウ63内に咬合ビュー66がディスプレイされる。デジタル・ビット・マップ像66にコンピュータ発生位置決めグリッドGがオーバレイされる。コンピュータ30bは、このポイントで休止してオペレータ28がグリッドGの位置を調節できるようにすることができる。グリッド線は、下顎溝の境界と交差する。これらの境界BBおよびBLは、オペレータ28がグリッドと境界の交差点をポインティング・デバイスでクリックすることにより手動で、あるいは最初にソフトウェアで次にオペレータ28がソフトウェア選択を確認もしくは修正できるようすることにより、パターン認識ソフトウェアにより選択することができる。選択は、顎の両側の患者の皮質骨のそれぞれの唇および舌側限界の三次元カルテシアン座標LaX,Y,ZおよびLiX,Y,Zを定義し、そのデータは、二次元ディスプレイ上で選択される各ポイントの三次元モデルから引き出された第3のZディメンジョンを含んでいる。下顎溝境界とグリッドの交差点が定義されると、コンピュータ30bは、LaおよびLiの個別の各唇−舌対間の中点座標MPX,Y,Zを計算する。各唇−舌対LaおよびLi間の骨幅距離DLLも計算される。その中の1つは、顎の中点における指定された原点MP0,0,0である中点MPX,Y,Zは、下顎骨の格子状部中心のサイズおよび形状を示す弓上にある。この下顎溝から方程式MTEが引き出され、そこから対称式SMTを引き出すことができる。
【0047】
次に、最初は、下顎歯に対し、次に上顎骨に対して付加手順が実施される。それにはコンピュータ内で像を独立に動かせるように弓形像から各歯の境界を細分し、同じ弓上の隣接する歯との接触点から歯の幅を選択し、切端エッジ、咬頭、溝および隆起を含むランドマーク、すなわち歯隆起を選択し、および歯冠長軸を画定することが含まれ、全て三次元である。これらの手順は、全てパターン認識プログラミング技術を使用して実施することができる。各手順の精度は、コンピュータ選択されたパラメータおよびランドマークの手動確認または修正をオペレータ28ができるようにすれば高められる。
【0048】
歯は、メニュータブ61a(図4)を選択することにより、自動的にまたはオペレータ選択により識別される。歯識別手順は、三次元データの特定部分が特定の歯の形状を表わすというオペレータまたはコンピュータが行った決定をコンピュータに告げ、あるいはコンピュータに対して確認する。歯識別は、コンピュータ30bにより自動的におよび/またはオペレータ28により手動で進行することができる。例えば、選択は、個別の歯の名称がボックス62a内に逐次ディスプレイされるウィンドウ63内の像の面積のオペレータ28により、あるいは図4Bに示すようにボックス62a内にディスプレイされた歯名称に対応するウィンドウ65内に逐次ディスプレイされる像を確認するオペレータにより、あるいは各歯に対する決定を行うコンピュータ30b内のプログラムによる選択により行うことができる。手動選択を行うか自動化された選択を観察するかによって、オペレータ28は、ボタン62aまたは62cをクリックすることにより個別の歯の咬合ビューまたは顔面ビューをディスプレイするウィンドウ64または65を選択することができる。
【0049】
次に、各下顎歯の近心−遠心端間距離、すなわち近心−遠心幅MDWがメニュータブ61bの選択により画定される。この幅は、歯がその処置位置、すなわち仕上げ位置において歯列弓内で互いに接触して配列される時に、歯と隣接する歯との接触点間の距離である。さらに、歯列弓上の歯の近心−遠心幅は、歯列弓の全長を構成する。幅は、一度決定されると互いに加えられて歯列弓の全長および全ての歯が患者の元の寸法で保持される場合に必要なスペースの量を決定する。近心−遠心幅は、三次元データから歯を認識かつ解釈し、かつ歯と隣接歯との間の近心および遠心接触点を解釈するアルゴリズムを使用してソフトウェアにより自動的にウィンドウ65内にディスプレイされる時に歯の咬合ビュー上の歯交差点を手動で選択するオペレータ28により、あるいはコンピュータによりなされる選択を確認するオペレータにより決定することができる。簡単にするために、図4AではMDWは、下顎歯に関して例示されており、ウィンドウ65内のディスプレイに対して選択された歯のトップビューにより上顎歯に対して図4Bに示すように、これらの幅の決定は、下顎および上顎歯に対して画面を使用して実施される。
【0050】
特に、上下歯に対して、MDWは、図4Bに示す拡大された咬合像65からオペレータにより対話型に取り上げることができる。下顎歯に対して選択されたMDWメニュータブ61bにより、歯アイコンバー64内の拡大された個別の歯像ウィンドウ65に対する咬合像しか得られない。オペレータは、歯に対する、それぞれの近心および遠心接触点MX,Y,ZX,Y,Zを取り上げ、それは図において左上の第1の臼歯である。点は、オペレータがウィンドウ65内にディスプレイされたX,T面内のポイントをポインティング・デバイスによりクリックすることにより選択され、その後、歯の高解像度データファイル像からZ座標が決定される。コンピュータ30bは、これらのポイント間の距離を計算し、接触点MX,YX,Yの座標から、この幅のX,Y成分を歯に対するMDWとして格納する。この幅は、歯の形状の三次元データに関連して、その位置へ関連づけられるようにベクトル形式の線としてデータにおいて定義される。
【0051】
配列モードにおいて、オペレータ28は、歯の理想的、すなわち仕上げ位置計算に対する開始点を形成するランドマークとして利用できる各歯の隆起を見つけ出すポイントを視覚的に選択する。歯位置計算において、コンピュータ30bは、直接選択を使用するか、あるいはランドマークの手動選択の精度が重要とはならないように歯表面の実際の三次元データを考慮することができる。ランドマークポイントおよび他の全ての選択の手動探索の代わりに、隣接する歯だけでなく各歯の三次元歯形状データのコンピュータによる解析によりポイント探索を自動的に行うことができる。自動選択は、オペレータ28による承認または変更に対して提供することができる。それは摩損または破損した歯の場合に特に有用である。自動選択は、オペレータにより手動でなされるものとして、ここに記載されたものと同じ物体を有する選択されたポイントを探索しようとする。このようにして選択された隆起ランドマークは、各前歯、後方歯上の各咬頭および後方歯上の各辺縁隆起および中央溝および上下両方の歯に対する切端中心点を含む。手動選択される場合には、これらの選択は、図4Bに示すような個別の歯像ウィンドウ65内にディスプレイされた歯の咬合ビューからなされ、図4のウィンドウ65に示すようなフロントビューあるいは図4Cに示すような近心遠心ビュー内で調節することができる。
【0052】
また、オペレータ28は、各歯の歯冠長軸CLAを画定するポイントを選択し、図4Cに示すように、まず第1に近心遠心ビュー内で最も容易に行うことができる。歯に対する歯冠長軸の画定は、歯を通る長軸面LAPを画定するポイントを選択するオペレータ28により手動で達成することができる。この選択は、例えば、顔面ビュー上の2つのポイントを選択して歯の顔面側に近接する長軸面内の線の方位を画定し、かつ歯の咬合ビュー上の2つのポイントを選択して歯の咬合面に近接する長軸面内の線の方位を画定することにより実施される。通常、このようなポイントは、切端中心点または近心頬咬頭および中央歯歯肉交差点等の主要な隆起である。
【0053】
好ましくは、LAP面を画定するポイントの選択は、最初に、例えば図4B内の個別の歯像ウィンドウ65内に示すように、歯の平面、すなわち咬合ビューから唇および舌側ポイントを選択することにより行われる。次に、このようなLAP面が画定されると、図4Cに示すようなLAP面の近心−遠心ビューがディスプレイされる。このビューから、歯の舌および顔面側の歯肉交差点を選択することができ、その中点は、計算されると、歯冠長軸上の歯肉中心点GCPを画定する。CLAは、含まれる歯の種類に応じて、歯の予め定められた1つの隆起を通るこのポイントを通るように計算される。全ての選択がなされていると、歯のデジタルモデルは、2種のファイルを含み、一方は、処置前位置内に配列された各歯の高解像度三次元デジタル歯形状データを含み、他方は、歯の単純化されたベクトルデータ表現を含み、各々が中に歯冠長軸CLAが配置された長軸LAPにより形成され、歯の近心遠心幅ベクトルMDWおよび歯のさまざまな歯ランドマークは、面およびCLAを基準として配置される。各歯のトルクおよびチップ角は、咬合面、すなわちMTEの面に対するCLAの方位を基準として計算することができ、回転角は、MTEの正接に対するCLA周囲のMDWの方位から計算することができる。
【0054】
矯正歯科医を支援するために、図5に示すように、処置前位置における各歯を示す斜視ビューが発生される。このビューは、処置前位置内に互いに配列された上下歯歯列弓の各歯のラスタ像ファイルからの高解像度、三次元データから作り出された三次元ソリッド形状70を示す。好ましくは、各歯は、異なる色で例示される。三次元情報は、いくつかの方法でディスプレイすることができ、1つは、画面に垂直なディメンジョンを表わす輝度変動の使用によるものであり、あるいはシャド・シェーディングによるか、その両方による。例えば、色分離およびユーザに対するゴグルを使用して立体技術を三次元ビューを作り出すようにすることもできる。ホログラフィを三次元ディスプレイに使用することもできる。例示した画面ディスプレイでは、歯のソリッド像の上に長軸面LAP、歯冠長軸CLAおよび下顎溝の方程式MTEを含むグリッドGを示す単純化されたベクトル像ファイルからのデータが重ね合わされる。ユーザは、各歯のトルク、チップおよび回転角の値を載せたテーブル76と共に、独立したビューウィンドウ71−75内の各弓の咬合ビューだけでなく左右およびフロントビューをディスプレイする図5Aの画面と図5のビューとの間でトグルすることができる。
【0055】
配列モードは、歯処置位置決定または配列計算で終了する。このフェーズにおいて、示唆された歯仕上げ位置が計算され、装置の設計の前に調節して承認を受けるために矯正歯科医へ伝えられ、次に、診療室11の矯正歯科医14と装置製作施設13の設計コンピュータ30b間の対話型通信に従って計算し直される。図5Aに例示する画面上で、オペレータまたは矯正歯科医は、配列生成ボタン77を選択して歯仕上げ、すなわち処置後位置を計算することができ、全て図5と同様な図5Bに示す斜視ビューと共にディスプレイすることができ、あるいは図5Aと同様な図5Cに示す独立した立面、すなわち咬合ビューとしてディスプレイすることができ、計算された処置後角の値は、テーブル76内に数値的にディスプレイされる。
【0056】
歯仕上げ位置は、後に示す関連特許および特許出願、例えば、ここに記載された三次元能力が付加された米国特許第5,431,562号に記載された方法で計算することができる。計算には歯の処置位置の決定における咬合を含む骨格、上顎および下顎規準を考慮することができる。計算において、下顎骨の格子状部に収めて揃えなければならない下顎歯は、その歯冠長軸が最初に下顎溝方程式MTE上に置かれるように水平方向に平行移動される。下顎歯の頬咬頭および切端は、切歯歯肉方向に揃えられて実質的に平坦な下顎咬合面を作り出し、頬咬頭が頬舌方向に上顎歯の中央溝に揃えられる滑らかな弓形に配列される。上顎後方歯の辺縁隆起は、下顎歯の頬咬頭に対する中心ストップとして弓形上に配列される。上顎後方歯の中央溝は、下顎歯の中心ストップの頬舌位置を画定する。計算は、全て三次元で行われる。
【0057】
最終処置位置の計算には、3つの方位角だけでなく三次元座標内の歯の位置の計算が含まれる。計算された角は、トルク角、すなわち傾斜、チップ角、すなわち屈曲、および回転角である。トルク角は、顔面−舌/垂直面内の垂直線に対する歯の角度であり、垂直方向は、本質的に咬合面に垂直な方向である。チップ角は、近心−遠心/垂直面内の垂直線に対する角度である。回転角は、垂直軸周りに顔面−舌線を有する画定された面LAPの角度である。後方歯の初期回転角計算は、近心頬咬頭から歯の辺縁隆起への線が近心−遠心方向、すなわち、弓形方程式に平行となるような歯の向きとする。チップ角の計算は、三次元表面に最もよく適合する調節および歯を各弓および支持骨内に互いに適合させながら咬合する時の咬合歯のランドマークだけでなく、矯正歯科医に承諾された規準および任意の処方を考慮する。
【0058】
計算された仕上げ位置の観察において、ユーザは、高解像度3Dデータおよび単純化されたベクトルデータの両方を示す図5Dに示すような、単一弓の歯の斜視ディスプレイを調べることができる。歯の3Dソリッド像および単純化されたベクトル表現は、別々にまたは一緒に調べることができる。ベクトルデータファイル内には、例えば、下歯の切端78および頬咬頭79が例示されている図5Eに示すさまざまなランドマークをディスプレイすることもでき、これらのランドマークは、例えば、関連特許に詳細に記載されている最良適合頬咬頭方程式BFBCE等の下弓に対する最良適合方程式上の下歯を揃えるための歯上の基準点として利用することができる。
【0059】
コンピュータ30bにより示唆される計算された仕上げ位置を観察して、矯正歯科医14は、電話機やワイヤレスリンクその他のネットワークを介して装置設計施設13のコンピュータ30bに接続される矯正歯科医の診療室11のコンピュータ上で6の自由度で任意の歯の位置を調節することができる。通常、矯正歯科医は、最初に歯のトルク、チップおよび回転角の調節を考える。角度調節は、調節する角度および歯をテーブル76(図5C)で選択し、次に調節される角度に対する新しい値へスライドコントロール76a、すなわちタイプを調節して行われる。値が変わると、ディスプレイは、値の変化を反映するように変化する。また、矯正歯科医は、x,y,z座標または歯肉−咬合、顔面−舌および近心−遠心座標内の任意の歯を調節することができる。干渉問題を生じる全体歯の平行移動ではなく、矯正歯科医は、特定のランドマークを調節することができる。矯正歯科医により調節がなされている時に変化を調べたい場合には、矯正歯科医は、配列計算ボタン77を選択して装置設計施設のコンピュータ30bに、矯正歯科医が行った変更に基づいて、全ての歯の処置位置を計算し直させる。そうすることにより、矯正歯科医は、与えられたチェックボックス77a内で配列計算において変更することができるパラメータを選択したりしなかったりすることができる。このようにして、矯正歯科医は、計算から選択された歯の除去を選択することにより抜歯を調べたり、矯正歯科医が要望する過剰矯正を調べたりすることができる。配列再計算は、矯正歯科医の選択に従って進行して、コンピュータ30bに格納された予め定められた規準に従った安定した位置に歯を位置決めする。
【0060】
コンピュータ30bと矯正歯科医との間の反復に続いて歯の仕上げ位置が最終的に計算されていると、矯正歯科医は、処置位置の達成を装置設計施設13へ伝え、装置を設計するようオペレータがコンピュータ30bに指令するか、あるいはコンピュータが自動的に応答することができる。従来の直線ワイヤ歯列矯正装置技術に従った装置の設計では、装置は、相互接続するアーチワイヤを支持する患者の歯へ接合されるブラケットにより構成されるものである。直線ワイヤ装置設計は、全てが特定の患者に対して矯正歯科医により承認された処置計画に対して注文されるアーチワイヤの設計、ブラケットの設計およびブラケット配置ジグの設計により進行する。アーチワイヤの設計は、米国特許第5,454,717号明細書および第5,447,432号明細書等のここに組み入れられている特許に従って実施することができる。したがって、本開示の一部として、ここに組み入れられている米国特許第5,474,448号明細書で検討されているようなアーチワイヤ設計概念も特に適切である。下顎弓に対して図5Eに示すように、アーチワイヤ設計では、アーチワイヤ80は、各歯に対して最適低プロフィール位置に配置される。下顎第1両尖に対して図5Fに示すように、アーチワイヤ80は、歯が処置後、すなわち仕上げ位置にある時に歯を通るアーチワイヤ面AWP内にあるように設計される。アーチワイヤ80が設計されていると、ブラケット81は、アーチワイヤ80と患者の歯との間に接続を形成するようにコンピュータ30bにより自動的に設計され、注文アーチワイヤ80の形状は、ブラケット81内のアーチワイヤ溝82を画定し、歯に対する3−D高解像度データファイルからの三次元データがブラケット搭載ベース83の輪郭を画定する。その上に属する歯に対するブラケットの適切な識別を容易にするために、好ましくは、これらのブラケット搭載ベースは、本開示の一部としてここに組み入れられている米国特許第5,993,206号明細書に記載されている概念に従った形状とされ、そのベースは、顔面側から見た歯冠の輪郭の縮小である。
【0061】
図5Eの画面は、顔面ビュー画面ウィンドウ84および咬合ビューウィンドウ85内に示された、下顎歯の三次元ソリッド像上の自動的に設計された装置を例示している。この画面により、ユーザは、個別の歯ウィンドウ86内にディスプレイする個別の歯を選択することができ、また図5Fに示すような歯の断面ビューをディスプレイすることができる。アーチワイヤ80およびブラケット81により形成された装置が図5Gに斜視ビューで歯のベクトル像の上に例示されており、ユーザが選択してディスプレイすることができる。歯の位置決めと同様に、装置の設計は、ユーザが調節することができ、装置設計施設13におけるオペレータ28もしくは診療室11におけるコンピュータの矯正歯科医14とすることができる。特に、矯正歯科医は、ブラケットのトルク、チップおよび回転角を歯のこれらのパラメータがちょうど歯仕上げ位置に到着した時に調節して、歯に対するアーチワイヤ溝の関係を変えるようにすることができる。歯表面上のブラケット位置も矯正歯科医が調節することができる。同様に、アーチワイヤは、整形し直すことができる。これらの変更が矯正歯科医によりなされている時は、装置設計を計算し直すことができる。さらに、歯処置、すなわち仕上げ位置を計算し直してディスプレイし、このような装置で処置した時に装置設計の変更が歯の再配置を生じるような影響がある場合にはそれを示す。
【0062】
アーチワイヤ80およびブラケット81が設計され歯上のブラケットの位置が決定されると、ジグ87がコンピュータ30bにより自動的に設計される。ブラケット設計および位置決め情報または歯の形状の高解像度三次元データから、ジグ87は、1つの歯92の歯冠の咬合面上の一意的位置に一意的方位で適合するように設計され、矯正歯科医がブラケット81を接着剤で歯に接合する間、その歯に対する対応する注文ブラケット81が歯92上の計算された配置位置に精密に支持されるようにされる。図6は、その上にブラケット81が配置される1つの歯92と交差するような寸法で位置決めされたソリッド三次元物体としてのジグ87を例示している。ブラケットは、処置前位置でも処置後位置でも、また処置中の歯の移動中にも隣接する歯との干渉を回避するような形状で配置されている。
【0063】
特に、ジグ87本体は、その一側面に患者の1つだけの歯92の咬合面91に対して精密に適合するキャビティ88を有するように設計される。キャビティ88の表面は、その上にジグ87が適合する歯の咬合面91の高解像度三次元データにより定義される形状を有する。ジグ87は、ブラケット81に取り外し可能に接続するように構成されたブラケット係合要素89を有し、ブラケット81は、アーチ・ワイヤ・サポート94内に要素89を受け止める穴90を有する。要素89は、ジグからのブラケットの間隔に適合するショルダを有する円柱の形状である。矯正歯科医へ出荷するために組み立てられる時に、要素89は、ワックスまたは接着剤により軽くブラケットへ接合される。ジグ87が歯冠上にはめ込まれる時に、ブラケット81は、唯一のやり方で歯の上に位置決めされ方向が定められる。これは、ジグおよびブラケットアセンブリが歯上に配置される時にブラケット81、特に、そのアーチ・ワイヤ・スロット82がキャビティ88の表面に対して特定の設計位置および方位であるためである。キャビティ88が歯の咬合面に正確に一致してジグ87が歯冠上にそのように位置決めされると、ブラケット81のベース83は、自動化された注文装置設計に従って歯上の予め定められた位置に支持される。歯上のこの位置に接着剤により接合されると、ブラケット81のアーチ・ワイヤ・スロット82は、歯92の咬合面91に対して、その設計位置および方位に配置される。
【0064】
注文歯列矯正装置の設計は、自動製作装置を制御してアーチワイヤおよびブラケットおよび患者の歯上の設計位置にブラケットを取り付けるジグ、その他の装置を作り出すようにすることができるデータファイル36を作り出す。ステンレス鋼で作られているような大方のアーチワイヤは、端から端までのワイヤ長の関数である湾曲としてワイヤを表現する信号により制御されるワイヤ曲げ機械で作ることができる。このようなワイヤベンダは、例えば、米国特許第5,447,432号明細書に記載されている。高弾性で容易または正確に曲げ加工することができないチタン合金等の材料で形成されたワイヤが所望されることがある。このようなワイヤは、図7に例示されているような種類のワイヤ形成システムで形成することができる。
【0065】
図7のシステム110は、ミル111を使用し、およそ0.25mm(0.01インチ)厚の金属、セラミック、加工可能な剛性フォームその他の温度抵抗材料のシート112を通してアーチワイヤ面AWP内に現れるアーチワイヤの形状であるカット113を形成する。アーチワイヤ形状のカット113は、シート112を2つの部分112a,112bへ分離し、セラミックブロック115内に形成されるスロット114の両端内へ挿入される。ブロック115は、一緒にピン止めされて間にスロット114を画定する2つの部分115a,115bにより形成される。アーチワイヤ材料116のブランク長がブロック115の半部115a,115b間のスロット114内へ挿入される。次に、シート112の2つの部分112a,112bがスロット114内へ挿入され、一緒にワイヤ116の両側へ導かれて、前記した注文アーチワイヤ80のカット113の形状である溝内のシート半部112a,112b間にワイヤブランク116をクランプする。次に、ブロック115は、ワイヤブランク116がアニールされて恒久的にカット113の形状をとるようになるまで加熱される。次に、ブロック115およびシート半部112a,112bは、分離され、注文アーチワイヤ80の形状に形成されたワイヤ116が取り出される。
【0066】
注文ブラケットの自動的形成は、いくつかのシステムにより達成され、その1つが米国特許第5,454,717号明細書に記載されており、そこでは個別のブラケットブランクがミルのワークピース・ホルダ上の別々の取付具内に搭載され、スロットがブラケットのアーチ・ワイヤ・サポート内に注文位置および方位でカットされ、次に歯の標準湾曲に予め形成される接合ベースへ溶接される。標準化された湾曲を有するベースを使用するもう1つのブラケット製作システム120が図8A−8Dに例示されている。このシステム120は、複数のリセス121を有するダイ・アセンブリ123を使用し、各リセスが典型的に歯冠の顔面側(すなわち、舌方向装置の場合は、舌方向)上の歯列矯正ブラケットが取り付けられるポイントにおける患者の各歯の標準、すなわち統計的平均湾曲に一致する湾曲を有する。そこからブラケット接合ベース83aを形成することができる種類および厚さの可変形金属材料の単一シート122がダイ・アセンブリ123内に配置され、シート122は、その一部が一組の各ブラケットに1つずつの複数のキャビティ、すなわちリセス121の各々に一致するように変形される。シート122を変形させる力は、好ましくはオイル等の液体を使用する流体静圧により直接シート122に加えることができる。
【0067】
シート122が変形されたら、ワイヤメッシュ層124がブラケット接合ベース83aの通常凹側を含む側へ溶接される。各ベース83aの反対の通常凸側は、歯列矯正ブラケットのブランク・アーチ・ワイヤ・サポート94aに溶接される。次に、各アーチ・ワイヤ・サポート94aが溶接されているシート122がスロット切削ミル125上に搭載され、全てのブラケットの全てのアーチ・ワイヤ・サポート83aを切削する。次に、各ベースは、好ましくはコンピュータ制御されるレーザカッタその他のカッタを使用して切削される。
【0068】
注文ブラケットを自動的に形成するもう1つのシステム130が図9A−9Cに例示されている。このシステム130では、例えば、立体リソグラフィ過程により材料をジェットプリントしてブラケットを積層することにより注文ブラケット83bが層状に形成される。材料のプリントは、ブラケットを形成する材料を直接、堆積させてブラケットを形成するか、あるいはワックスその他のパターン材料を堆積させてから、埋没材鋳造法等により、ブラケットを鋳造することができるパターンを形成して行うことができる。システム130のこのような1つのバージョンでは、プリントヘッド131が二種のワックスをジェットプリントするように構成されており、一方は、融解もしくは溶解され、各層の形成されるブラケットの外部に堆積され、他方のワックスは、形成されるブラケットの内部に堆積され残される。このような方法でプリントされる物体133は、ブラケット外部のワックスを除去して、形成されるブラケットの形状のパターン状となっているブラケット内部のワックスだけを残すように加熱されるか、あるいは化学的に処理される。パターンとなるワックスは、例えば、他のワックスよりも融点の高いものか、あるいは他のワックスを溶解する溶剤に溶解しない種類とすることができる。ワックスは、均一層として堆積され、パターンを形成するワックスは、ブラケットの断面、すなわちスライスの形状に堆積され、他方のワックスは、層の除去される他方の領域を占める。したがって、層は、均一厚の2つのワックスとして堆積され、パターン断面は、一方のワックスにより画定され、パターン周囲の領域は、他方により画定される。したがって、パターン周囲のワックスは、選択的に融解もしくは溶解されて成形される装置の形状のワックスパターンだけを残すことができる。
【0069】
このようなシステムでは、物体は、前記した設計方法に従って作られ、ステム134により相互接続され、ブラケットを製作する従来の埋没材鋳造法で使用するワックスパターンを形成することができ、処置後に残る種類のワックスから形成されたパターン135から作られた型内に形成された一組の注文ブラケット83bを含むことができる。このような方法では、残りのワックスから作られたワックスパターンがプラスタその他の媒体内にセットされ、残りのワックスは、焼成もしくは蒸発される。次に、注文ブラケット83bを形成するモールドキャビティ内に金属が注入される。この方法で作られたブラケット83bは、注文配置アーチワイヤだけでなく、その高解像度三次元データから歯の湾曲に精密に整合するように形成された注文湾曲ベースも有することができる。層状にプリントすることにより、層は、プリントされるワックスのドットの解像度と同じ近似厚とすることができ、層の面内に存在する層に垂直な方向に同じ解像度を提供する。
【0070】
プリント技術を使用して、好ましくは一層ずつ、ブラケットを作り出すことにより完全な三次元特性を有するブラケットその他の装置および装置部品を作り出すことができる。この方法は、容易に加工できないプラスチックやセラミック等の材料で作られたブラケットに特に有用であり、次に、この過程により作られた型内で成形することができる。このようなブラケットでは、ベースは、歯上のブラケットに対する理想的な配置位置における歯の表面の三次元湾曲に精密に一致するように整形することができる。ブラケットのトルクは、スロットの角度を制御することによりアーチ・ワイヤ・スロット内へ組み入れられるのではなく、ブラケットのベースに組み入れることができる。
【0071】
ブラケットは、システム130に従って、ワックス等のパターンが作られる材料をプリントするのではなく、金属、プラスチックもしくはセラミック等のブラケットが作られる材料をプリントして作ることができる。この直接立体リソグラフィック・プリンティングによりパターン周囲に装置用注文型を鋳造し、次に装置形成材料を型に注入して装置を形成する必要性がなくなる。例えば、金属やセラミック等の材料をバインダが混合された粉体の形で供給することができる製作方法が既知であるか、あるいは開発されてきている。このような材料は、装置の断面形状で層として堆積され、形状周囲の領域は、バインダ状材料だけで形成される。堆積は、プリントによることができる。埋没材鋳造法に対してプリントされたパターンと同様に、バインダは、加熱もしくは溶剤により除去して歯列矯正装置の三次元形状に材料から形成されたブラケットその他の装置もしくは装置部品を残すことができる。材料の型を作る替わりに、三次元装置を作り出すための全ての層が塗布された後で、バインダが除去されて比較的脆い金属、セラミックその他の材料である材料がその融点のすぐ下まで加熱され、所望の凝集および密度を達成するまで焼結される。このような焼結により通常、収縮が生じ、それは予測された収縮を補償するスケールでプリントされる装置断面の形状を拡大することにより償わなければならない。
【0072】
装置を層状に作り出す他の技術も使用することができ、各層は、製作コンピュータ30cにより注文装置設計の形状に一致するように制御される。例えば、材料は、均一な層として堆積することができ、装置の断面は、例えば接合され、コンピュータ制御レーザを使用して、例えば、注文装置設計の形状に焼結される。全ての層が塗布された後で、そのように接合されない材料は、除去されて三次元装置を残す。レーザその他のエネルギ源が半導体の製作においてホトレジストのパターニングに使用されるのと同じ方法で材料を写真露光し、選択的に除去してブラケット形状物体を作り出すように材料を定着する。
【0073】
ブラケットには、ジグの替わりに別々のジグまたはブラケット上の別々の表面を使用して患者の歯上の位置決めを容易にする表面を構成することができる。例えば、図6に示すブラケットでは、ジグ87の円柱状要素89を取り外し可能に接続するための垂直穴90がアーチ・ワイヤ・サポート内に形成される。このようなブラケットを位置決めするためのジグの製作は、ジグ83内に歯冠咬合面91の精密な形状を再現するいくつかの製作技術のいずれかにより実施することができ、ジグは、注文装置が接合される患者の歯冠上の唯一の位置および方位に嵌め込まれるようにされる。このようなジグを作る適切な方法は、そのためのサイズおよび構成とされた精密コンピュータ制御ミルを使用して剛性フォーム材料からジグ87のキャビティ88を加工することである。このような1つの材料は、ワシントン州タコマのGeneral Plastics Mfg. Co.社製LAST-A-FOAM型FR3720である。好ましくは、特定の患者を処置するのに必要な一組の全てのジグは、図6Aに示すように、フォーム材料の単一の一体ブロック98から形成される。したがって、このブロックは、加工に対するジグの保持を容易にする。各ジグ周囲にミルによりチャネル99を切削して、フォームのブロックからその上面をスライスするだけで個別のジグを分離できるようにすることができる。図6Bに示すように、高解像度3−Dデータファイルからの三次元データに従って歯冠表面キャビティ88がジグ87内に切削される。データの形状を画定するのに使用される部分は、患者の歯上のブラケット配置位置が計算される装置設計過程で決定される。
【0074】
前記したことには、本発明の好ましい実施例が含まれる。当業者ならば、ここに記載された発明概念の原理を逸脱することなく、本発明のシステムおよび方法並びにその詳細に追加したり修正したりできる。
【0075】
本出願は、1999年11月1日に出願された米国特許出願第09/431,466号に関連し、これは1997年10月30日に出願された米国特許出願第08/960,908号の継続出願(現在、米国特許第6,015,289)であり、これは、1995年6月2日に出願された米国特許出願第08/456,666の継続出願(現在、米国特許第5,683,243)であり、これは、1992年11月9日にそれぞれ出願された下記の米国特許出願の分割出願である。
現在、米国特許第5,431,562号である特許出願第07/973,973号(Method of Forming Custom Orthodontic Appliance)
現在、米国特許第5,454,717号である特許出願第07/973,965号(Custom Orthodontic Brackets and Bracket forming Method and Apparatus)
現在、米国特許第5,447,432号である特許出願第07/973,947号(Custom Orthodontic Archwire forming Method and Apparatus)
現在、米国特許第5,368,478号である特許出願第07/973,844号(Method and Apparatus for Forming Jigs for Custom Placement of Orthodontic Appliances on Teeth and Jigs Formed Therewith)
また、本願は、米国特許再第35,169号、第5,139,419号、第5,395,238号および第5,518,397号にも関連している。
【0076】
前記関連特許および出願は、全て本出願の譲受人へ譲り受けられており、本開示の一部としてここに組み入れられている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の歯を整復する注文歯列矯正装置を提供する方法であって、前記方法は、
歯列矯正開業医とのコンピュータ・インターフェイス装置を提供するステップと、
自動化された歯列矯正装置製作装置を提供するステップと、
患者の歯の形状および/または患者の口中のそれらの位置の三次元情報を含む患者の口からの三次元情報の記録を作り出すステップと、
三次元情報のデータをデジタル・コンピュータに入力してコンピュータにより、三次元情報から示唆された位置および方位を引出すステップと、
矯正歯科開業医が調べるために示唆された歯位置および方位における歯の像をディスプレイするステップと、
示唆された歯位置および方位における選択された変更を示す変更データを矯正歯科開業医がコンピュータへ入力する能力を提供するステップと、
変更データが入力されたら、それに応答して訂正された歯位置および方位をコンピュータにより計算し直すステップと、
変更データが入力されたら、矯正歯科開業医が調べるために訂正された歯位置および方位における歯の像を第1の場所においてディスプレイし直すステップと、
訂正された歯位置および方位を受諾する矯正歯科開業医からのコマンドを入力するステップと、
受諾された歯位置および方位データおよび三次元情報のデータを処理して患者に対する注文歯列矯正装置を設計するステップと、
設計された注文歯列矯正装置のデジタル化されたデータに応答して、患者の歯をその上に取付けた時に訂正された歯位置および方位へ向かって押し進めるように構成されるように設計された歯列矯正装置を製作するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
患者の歯を整復する注文歯列矯正装置を提供する方法であって、
患者が診断または治療のために矯正歯科開業医を訪ねる歯列矯正装置製作施設から離れた1つ以上の場所を含む第1の場所において矯正歯科開業医とのコンピュータ・インターフェイス装置を提供するステップと、
歯列矯正装置製作施設を含む1つ以上の場所を含む第2の場所において自動化された歯列矯正装置製作装置を提供するステップと、
第1の場所において、患者の歯の形状および/または患者の口中のそれらの位置の三次元情報を含む患者の口からの三次元情報の記録を作り出すステップと、
三次元情報のデータをデジタル・コンピュータに入力してコンピュータの助けを借りて、三次元情報から示唆された位置および方位を引出すステップと、
第1の場所において、好ましい歯の位置および方位を示すデータを矯正歯科開業医がコンピュータへ入力する能力を提供するステップと、
歯の位置および方位並びに三次元情報のデータを処理して患者に対する注文歯列矯正装置を設計するステップと、
第2の場所において、設計された注文歯列矯正装置のデジタル化されたデータに応答して、患者の歯をその上に取り付けられた時に、訂正された歯の位置および方位へ向かって押し進めるように構成されるように設計された歯列矯正装置を製作するステップと、
を含む方法。
【請求項3】
患者の歯を整復する注文歯列矯正装置を提供する方法であって、
患者が診断または治療のために矯正歯科開業医を訪ねる歯列矯正装置製作施設から離れた1つ以上の場所を含む第1の場所において矯正歯科開業医とのコンピュータ・インターフェイス装置を提供するステップと、
歯列矯正装置製作施設を含む1つ以上の場所を含む第2の場所において自動化された歯列矯正装置製作装置を提供するステップと、
第1の場所において、患者の歯の形状および/または患者の口中のそれらの位置の三次元情報を含む患者の口からの三次元情報の記録を作り出すステップと、
三次元情報のデータをデジタルコンピュータに入力してコンピュータにより、三次元情報から示唆された位置および方位を引出すステップと、
第1の場所において、矯正歯科開業医が調べるための示唆された歯の位置および方位の像をディスプレイするステップと、
第1の場所において、示唆された歯の位置および方位の選択された変更を示す変更データを矯正歯科開業医がコンピュータへ入力する能力を提供するステップと、
変更データが入力されたら、それに応答して訂正された歯の位置および方位をコンピュータにより計算し直すステップと、
変更データが入力されたら、矯正歯科開業医が調べるために訂正された歯の位置および方位における歯の像を第1の場所においてディスプレイし直すステップと、
第1の場所において、訂正された歯の位置および方位を受諾する矯正歯科開業医からのコマンドを入力するステップと、
受諾された歯の位置および方位並びに三次元情報のデータを処理して患者に対する注文歯列矯正装置を設計するステップと、
第2の場所において、設計された注文歯列矯正装置のデジタル化されたデータに応答して、患者の歯をその上に取り付けられた時に、訂正された歯の位置および方位へ向かって押し進めるように構成されるように設計された歯列矯正装置を製作するステップと、
を含む方法。
【請求項4】
請求項3記載の方法であって、
第1の場所におけるコンピュータ・インターフェイス装置と第2の場所におけるデジタル・コンピュータとの間にデジタル通信リンクを提供するステップと、
第1の場所から第2の場所へ三次元情報の記録を転送するステップと、
三次元情報のデータを第2の場所におけるデジタルコンピュータへ入力し、それにより示唆された歯の位置および方位を引出すステップと、
示唆された歯の位置および方位のデジタルデータを第2の場所から第1の場所へデジタル通信リンクを介して通信するステップと、
デジタル変更データを第1の場所から第2の場所へデジタル通信リンクを介して通信するステップと、
変更データに応答して訂正された歯の位置および方位を第2の場所におけるデジタルコンピュータにより計算し直すステップと、
訂正された歯の位置および方位のデジタルデータを第2の場所から第1の場所へデジタル通信リンクを介して通信するステップと、
訂正された歯の位置および方位を受諾する入力されたコマンドを第1の場所から第2の場所へデジタル通信リンクを介して通信するステップと、
受諾された訂正された歯の位置および方位並びに三次元情報のデータを処理して第2の場所におけるデジタル・コンピュータにより実施される注文歯列矯正装置の設計を行うステップと、
を含む方法。
【請求項5】
請求項4記載の方法であって、さらに、
注文歯列矯正装置の設計データを第2の場所から第1の場所へデジタル通信リンクを介して通信するステップと、
送信されたデータに応答して第1の場所において設計された注文歯列矯正装置の像をディスプレイするステップと、
装置修正データを第1の場所から第2の場所へ送信して第2の場所におけるデジタル・コンピュータへ入力するステップと、
送信された装置修正データに応答して第2の場所におけるデジタル・コンピュータにより装置を設計し直すステップと、
注文歯列矯正装置の再設計データを第2の場所から第1の場所へデジタル通信リンクを介して送信するステップと、
歯列矯正装置の再設計を受諾する入力されたコマンドを第1の場所から第2の場所へデジタル通信リンクを介して送信するステップと、
を含む方法。
【請求項6】
請求項3記載の方法であって、
第1の場所において、矯正歯科開業医が調べるために設計された注文歯列矯正装置および装置により作り出された歯の位置および方位における患者の歯の像をディスプレイするステップと、
第1の場所において、提案された歯列矯正装置内の選択された修正を示す矯正歯科開業医からの装置修正データをコンピュータへ入力するステップと、
装置修正データに応答してコンピュータにより注文歯列矯正装置を設計し直すステップと、
第1の場所において、矯正歯科開業医が調べるために再設計された歯列矯正装置および再設計装置により作り出された歯の位置および方位における患者の歯の像をディスプレイし直すステップと、
第1の場所において、歯列矯正装置の再設計を受諾する矯正歯科開業医からのコマンドを入力するステップと、
再設計を受諾する入力されたコマンドに応答して第1の場所から第2の場所へデータを送信するステップと、
を含む方法。
【請求項7】
請求項1から3のいずれかに記載の方法であって、さらに、
製作ステップは、患者の歯の形状に一致する表面をその上に有する位置決めジグ形成するステップを含む方法。
【請求項8】
請求項1から3のいずれかに記載の方法であって、さらに、
製作ステップは、患者の1つ以上の歯の形状に一致する表面をその上に有する位置決めジグの形成するステップを含み、前記方法は、さらに、
1つ以上の歯の形状に一致する前記表面を有する患者にジグを配置するステップと、
ジグを有する1つ以上の歯の上に構造を位置決めするステップと、
そのように位置決めされた構造を歯に接合するステップと、
を含む方法。
【請求項9】
患者の歯を患者の口中の好ましい位置へ整復する歯列矯正装置を提供し取り付ける方法であって、前記方法は、
患者の歯の形状および/または患者の口中のそれらの位置のモデル三次元情報を引き出し、患者の口のモデルを治療場所において作り出すステップと、
治療場所から製作場所へモデルを送信するステップと、
製作場所において、三次元情報をデジタル・コンピュータへ入力し、入力された三次元情報から患者の複数の歯の三次元デジタル表現を作り出すステップと、
製作場所において三次元表現から、一対の弓形内の複数の歯の各々の三次元形状および/または相互咬合におけるそれらの互いの位置および方位を画定する示唆された相対歯仕上げ位置および方位をコンピュータにより引出すステップと、
製作場所から治療場所のコンピュータ端末へ引き出され示唆された歯仕上げ位置のデジタルデータを送信し示唆された相対歯仕上げの位置および方位における歯の像をディスプレイするステップと、
治療場所のコンピュータ端末上で相対歯仕上げの位置および方位の選択されたデータを変更し、変更された相対歯仕上げ位置のデータを製作場所へ送信するステップと、
製作場所において、変更および選択されたデータから生じる訂正された相対歯仕上げの位置および方位をコンピュータにより計算し直し、さらに、製作場所から治療場所のコンピュータ端末へ再計算され訂正された相対歯仕上げ位置のデジタルデータを送信し訂正された相対歯仕上げの位置および方位における歯の像をディスプレイするステップと、
患者の歯の形状および訂正された相対歯仕上げの位置および方位の三次元情報を含む制御信号に応答して、患者の歯の形状に一致する少なくともいくつかの表面を有する歯列矯正装置を製作場所において製作するステップであって、前記装置は、前記表面を患者の歯の対応する表面と一致して接触するように配置して患者の歯の上に取り付けた時に患者の歯を訂正された相対歯処置位置へ向けて押し進めるステップと、
治療場所において、前記表面を患者の歯の対応する表面と一致して接触するように配置して患者の歯の上に装置を取り付け、装置により患者の歯を訂正された相対歯処置位置へ向けて押し進めるステップと、
を含む方法。
【請求項10】
請求項9記載の方法であって、
モデルは、治療場所において患者の歯のモデルから鋳造される三次元身体的モデルであり、
入力は、製作場所において身体的モデルを走査し、患者の歯の高解像度三次元データファイルを作り出して行われる方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、
走査は、レーザによりモデルを走査し、患者の歯の表面の三次元デジタルデータを作り出すステップを含む方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法であって、走査は、
モデルを走査して低解像度デジタル像を作り出すステップと、
低解像度デジタル像データの低解像度像の部分に一致するデータを選択して歯仕上げ位置および装置設計の決定において考慮するステップと、
選択されたデータに従ってモデルを走査して他の歯または装置と接触する患者の歯の表面の少なくとも一部の高解像度三次元像を作り出すステップと、
を含む方法。
【請求項13】
請求項1から3または請求項9のいずれかに記載の方法であって、
歯仕上げ位置引出しおよび計算ステップは、各歯を三次元の方位で配置された歯冠長軸により少なくとも部分的に表現するステップを含む方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法であって、さらに、
歯仕上げ位置引出しおよび計算ステップは、歯の歯冠長軸の位置および方位に対する咬頭、辺縁隆起、溝の位置および歯幅を三次元で計算するステップを含む方法。
【請求項15】
請求項1から3または請求項9のいずれかに記載の方法であって、
歯仕上げ位置引出しおよび計算ステップは、各歯のトルク角、チップ角、回転角および患者の他の歯に対する位置を画定するステップを含む方法。
【請求項16】
請求項1から3または請求項9のいずれかに記載の方法であって、
歯仕上げ位置引出しおよび計算ステップは、各歯を6の自由度で画定するステップを含む方法。
【請求項17】
請求項1および2または請求項9のいずれかに記載の方法であって、
データ変更ステップは、矯正歯科医が治療場所のコンピュータ端末で歯のトルク角、チップ角、回転角または患者の他の歯に対する位置を変更することにより歯のコンピュータ像を調節するステップを含む方法。
【請求項18】
請求項1から3または請求項9のいずれかに記載の方法であって、
製作ステップは、その表面上の計算された配置位置に歯を接続するブラケットを含み、かつ患者の歯の形状に一致する表面をその上に有し、ブラケットに接続してブラケットをこれらの表面に対して配置し方位を定める取外し可能なジグを含む装置を製作するステップを含み、ジグがブラケットに接続され、その表面が歯上に適合されて歯の表面と一致する時に歯の表面に接合される計算された配置位置においてブラケットが支持される方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法であって、
歯列矯正装置製作は、各ブラケットを対応する1つのジグに取り外し可能に接続するステップを含み、
前記方法は、ブラケットおよびジグが取り外し可能に接続された装置を治療場所へ供給するステップを含む方法。
【請求項20】
請求項1から3または請求項9のいずれかに記載の方法であって、
歯列矯正装置製作ステップは、歯列矯正装置またはその部品のサイズおよび形状の三次元物体またはそれから装置や部品を作ることができるネガ型が堆積された材料により画定されるまで計算された装置設計に従って、一層ずつ材料を堆積するステップを含む方法。
【請求項21】
請求項20記載の方法であって、
材料は、各層において化学的、熱的または機械的に除去可能な材料の第1の部分と、第1の部分を除去した後で残って注文歯列矯正装置またはその部品の形状のソリッド物体を形成する第2の部分とから選択的に形成される方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法であって、
ソリッド物体は、前記形状を有するパターンであり、製作ステップは、さらにパターンを使用して型を形成し、その中に歯列矯正装置またはその部品を鋳造するステップを含む方法。
【請求項23】
請求項22記載の方法であって、
材料は、前記第1の部分および前記第2の部分を形成する二種類のワックスであり、それを堆積して選択的に層を形成するステップは、層を選択的にジェットプリントして物体の断面を画定するステップを含み、前記第2の部分は、パターンを形成し、前記第1の部分により形成された除去可能な媒体により囲まれている方法。
【請求項24】
請求項9記載の方法であって、
歯列矯正装置製作ステップは、一組の複数のブラケットに対するベースをベース材料の一体シートから形成するステップを含み、各ベースは、そこに取り付けられたアーチワイヤ・サポート・ブランクを有し、さらにシートを支持し、それに対して切削工具を移動させることにより各アーチ・ワイヤ・サポート内にアーチ・ワイヤ・スロットを切削するステップを含む方法。
【請求項25】
請求項9記載の方法であって、
歯列矯正装置製作ステップは、アーチワイヤの注文形状の曲線を型内に切削し、ワイヤ長を切削した曲線内に配置し、型により保持されている間にワイャを熱処理してワイヤに切削した曲線の形状を付与するステップを含む方法。
【請求項26】
注文歯列矯正装置を製作する方法であって、
患者の複数の歯の歯冠形状を画定する三次元デジタルデータを作り出すステップと、
ジェットプリント法により三次元デジタルデータに応答して、患者の歯の歯冠の少なくとも一部に噛み合い一致するように構成される少なくとも1つの三次元表面を有する注文歯列矯正装置を直接または間接的に形成するステップと、
を含む方法。
【請求項27】
請求項26記載の方法であって、立体リソグラフィにより注文歯列矯正装置を形成するステップは、
三次元デジタルデータに応答する立体リソグラフィにより、患者の歯の少なくとも1つの歯冠の少なくとも一部の形状により画定される少なくとも1つの表面を形成する中間物体を形成するステップと、
中間物体を使用して成形過程を実施して患者の歯の歯冠の少なくとも一部に噛み合い一致するように構成される少なくとも1つの三次元表面を有する注文歯列矯正装置を形成するステップと、
を含む方法。
【請求項28】
請求項27記載の方法であって、
中間物体を形成するステップは、各々が患者の歯の1つの異なる歯冠の少なくとも一部の形状により画定される複数の表面を有する中間物体を形成するステップを含み、
成形過程を実施するステップは、各々が患者の複数の歯の中の異なる1つの歯の歯冠の少なくとも一部に噛み合い一致するように構成される複数の三次元表面を有する装置を形成するステップを含む方法。
【請求項29】
請求項28記載の方法であって、
中間物体を形成するステップは、歯列矯正装置の複数のブラケットのパターンを形成しパターンを使用しその型を作るステップを含み、
成形過程を実施するステップは、各々が患者の1つの歯の歯冠の少なくとも一部に噛み合い一致するように構成された三次元表面をその上に有し、複数の歯列矯正ブラケットを型内に埋没材鋳造するステップを含む方法。
【請求項30】
請求項26記載の方法であって、立体リソグラフィにより注文歯列矯正装置を形成するステップは、それからブラケットが作られる材料を患者の歯の歯冠の少なくとも一部に噛み合い一致するように構成される少なくとも1つの三次元表面を有する歯列矯正ブラケットの形状に立体リソグラフィにより堆積して直接、歯列矯正装置ブラケットを作り出すステップを含む方法。
【請求項31】
請求項26から30のいずれかの方法により作られる歯列矯正装置により患者の歯をまっすぐにする方法であって、
前記表面を患者の歯の歯冠の前記部分に噛み合い一致させて患者の歯に注文歯列矯正装置を取り付けるステップと、
噛み合い一致する表面を通って歯に加えられる力により歯を患者の口中で動かすステップと、
を含む方法。
【請求項32】
歯列矯正装置を直接または間接的に製作する方法であって、
歯列矯正装置の三次元表面を画定するデジタルデータを作り出すステップと、
デジタルデータに従って各々が三次元表面のデータにより画定されるエッジを有するソリッド物体の二次元断面を構成する複数の層に材料を一層ずつ堆積するステップであって、前記層は、三次元に積み重ねられてデータにより画定される三次元表面を有するソリッド物体を形成するステップと、
を含む方法。
【請求項33】
請求項32記載の方法であって、さらに、
三次元表面を有するソリッド物体は、物体の三次元表面により画定される表面を有する歯列矯正装置である方法。
【請求項34】
請求項32記載の方法であって、さらに、
三次元表面を有するソリッド物体を使用して物体の三次元表面により画定される表面を有する歯列矯正装置を間接的に整形するステップを含む方法。
【請求項35】
請求項34記載の方法であって、
ソリッド物体は、前記形状を有するパターンであり、製作ステップは、さらにパターンを使用して型を形成し、その中に歯列矯正装置またはその部品を鋳造するステップを含む方法。
【請求項36】
請求項32記載の方法であって、
材料は、各層において化学的、熱的または機械的に除去可能な材料の第1の部分と、第1の部分を除去した後で残って注文歯列矯正装置またはその部品の形状のソリッド物体を形成する第2の部分とから選択的に形成される方法。
【請求項37】
請求項35記載の方法であって、
材料は、前記第1の部分および前記第2の部分を形成する二種類のワックスであり、それを堆積して選択的に層を形成するステップは、層を選択的にジェットプリントして物体の断面を画定するステップを含み、前記第2の部分は、パターンを形成し、前記第1の部分により形成された除去可能な媒体により囲まれている方法。
【請求項38】
歯列矯正装置の製作方法であって、
注文歯列矯正装置の三次元デジタルデータを定義するステップと、
各々が歯冠の少なくとも一部の三次元形状にほぼ対応する湾曲を有し、一組の複数のブラケットに対するベースをベース材料の一体シート上に設けるステップと、
一体シート上の各ベースにアーチ・ワイヤ・サポート・ブランクを取り付けるステップと、
シートを支持し、それに対して切削工具を移動させることにより各アーチ・ワイヤ・サポート内にアーチワイヤ溝を切削するステップと、
を含む方法。
【請求項39】
請求項38記載の方法であって、さらに、
各ベースをシートから分離するステップを含む方法。
【請求項40】
歯列矯正装置の製作方法であって、
注文歯列矯正装置の三次元デジタルデータを定義するステップと、
データに応答して整形要素内に歯の解剖学的構造、すなわち歯列矯正装置形状を形成するステップと、
整形要素により歯列矯正装置または装置付属品の形状を形成するステップと、
を含む方法。
【請求項41】
請求項40記載の方法であって、
形状を形成するステップは、アーチワイヤの形状の曲線を整形要素内に形成するステップを含み、
装置または装置付属品の形状を形成するステップは、切削した曲線内にワイヤ長を配置し、型により保持されている間にワイヤをアニールしてワイヤに切削した曲線の形状を付与するステップと、
を含む方法。
【請求項42】
注文歯列矯正装置製作システムであって、前記システムは、
歯列矯正装置設計施設における歯列矯正装置製作機械と、
歯列矯正装置設計施設から遠いコンピュータ・インターフェイス手段と、
患者の歯の形状および/または患者の口中のそれらの位置の三次元情報を含む患者の口からの三次元情報の記録を作り出す手段と、
三次元情報のデータをデジタルコンピュータに入力する手段と、
三次元情報から示唆された位置および方位を引出す手段とを含み、
インターフェイス手段は、示唆された位置および方位における歯の像をディスプレイする手段を含み、さらに、
受諾および訂正された歯の位置および方位並びに三次元情報のデータを処理して患者に対する注文歯列矯正装置を設計する手段を含み、
機械は、設計された注文歯列矯正装置のデジタル化されたデータに応答して動作し、その上に取り付けられた時に患者の歯を訂正された歯の位置および方位へ向かって押し進めるように構成されるように設計された歯列矯正装置を製作するシステム。
【請求項43】
請求項42記載のシステムであって、さらに、
示唆された歯の位置および方位内の選択された変更を示す変更データを入力する手段と、
変更データに応答して訂正された歯の位置および方位を計算し直す手段とを含み、
インターフェイス手段は、矯正歯科開業医が調べるために訂正された歯の位置および方位における歯の像をディスプレイし直す手段と、訂正された歯の位置および方位を受諾する矯正歯科開業医からのコマンドを入力する手段とを含むシステム。
【請求項44】
請求項42または請求項43記載のシステムであって、さらに、
コンピュータ・インターフェイス装置と歯列矯正装置製作施設におけるデジタルコンピュータとの間のデジタル通信リンクを含み、
三次元情報のデータをデジタルコンピュータへ入力する手段は、歯列矯正装置製作施設に配置されており、さらに示唆された歯の位置および方位のデジタルデータを歯列矯正装置製作施設からインターフェイスへデジタル通信リンクを介して通信する手段を含むシステム。
【請求項45】
請求項42または43記載のシステムであって、患者の口からの三次元情報の記録を作り出す手段は、
患者の歯の形状の低解像度デジタル像を作り出す低解像度光スキャナと、
低解像度デジタル像からの選択に応答して患者の歯の表面の少なくとも一部分の三次元像を作り出す高解像度光スキャナと、
を含むシステム。
【請求項46】
請求項42または43記載のシステムであって、
インターフェイスは、個別の歯に対するトルク角、チップ角または回転角の変更データを入力するコントロールを矯正歯科開業医へ与える手段を含み、
変更データに応答して訂正された歯の位置および方位を計算し直す手段は、入力角度データに応答して訂正された歯の位置および方位を計算し直すように動作するシステム。
【請求項47】
請求項1から41のいずれかに記載の方法を実施し、プログラムされたコンピュータを有する手段を含む歯列矯正装置製作システム。
【請求項48】
請求項1から41のいずれかに記載の方法の実施を容易にし、プログラムされたコンピュータを有する手段を含む歯列矯正装置製作システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図6B】
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【公開番号】特開2011−81844(P2011−81844A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6227(P2011−6227)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【分割の表示】特願2001−548004(P2001−548004)の分割
【原出願日】平成12年12月29日(2000.12.29)
【出願人】(599025972)オルムコ コーポレイション (35)
【Fターム(参考)】