説明

注液管の漏洩検知方法及び漏洩検知システム

【課題】注液口と液体貯蔵タンクとをつなぐ注液管の漏洩検知を早期かつ正確に行うことができる注液管の漏洩検知方法及びそのシステムを提供する。
【解決手段】荷卸し前の液体貯蔵タンク1の在庫量と、荷卸し量と、液体の荷卸し開始から荷卸し完了後の所定時間経過時点までの間に液体貯蔵タンクから払い出された液体の払出し量とから計算上の在庫量を求め、この計算上の在庫量と実測の在庫量との差分を求め、この差分を、荷卸し前の液体貯蔵タンクの在庫量の区分と、荷卸し量の区分とによりグループ分けして蓄積し、前記差分の蓄積数が一定数に達したグループについては、差分の標準偏差を求め、新たに蓄積される差分が、標準偏差が求められているグループに属する場合、その新たに蓄積された差分が、該当グループの差分の標準偏差をσ、平均値をμとしたとき、μ±kσ(k:任意の係数)の範囲を超えているときに、注液管に漏洩があると判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注液口と液体貯蔵タンクとをつなぐ注液管の漏洩検知方法及びそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、注液口と液体貯蔵タンクとをつなぐ注液管の漏洩検査としては、一般的に、検査範囲を密閉状態にし、窒素ガスにより一定加圧をして、その変動幅により漏洩有無を判定するガス加圧法によるバッチ検査が定期的に行われている(特許文献1)。
【0003】
しかし、定期点検の形で行われる上記のバッチ検査によれば、精度の高い漏洩検知を行うことができるものの、通常、定期点検は1年に1回もしくは3年に1回程度の間隔でしか実施されないため、その間に漏洩が発生した場合、これを早期に検知することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−120414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、注液口と液体貯蔵タンクとをつなぐ注液管の漏洩検知を早期かつ正確に行うことができる注液管の漏洩検知方法及びそのシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の漏洩検知方法は、注液口と液体貯蔵タンクとをつなぐ注液管の漏洩検知方法であって、注液口からの液体の荷卸し前の液体貯蔵タンクの在庫量と、注液口からの液体の荷卸し量と、液体の荷卸し開始から荷卸し完了後の所定時間経過時点までの間に液体貯蔵タンクから払い出された液体の払出し量とから、荷卸し完了後の所定時間経過時点における計算上の在庫量を求め、この計算上の在庫量と荷卸し完了後の所定時間経過時点における実測の在庫量との差分を求め、この差分を、荷卸し前の液体貯蔵タンクの在庫量の区分と、荷卸し量の区分とによりグループ分けして蓄積し、前記差分の蓄積数が一定数に達したグループについては、差分の標準偏差を求め、新たに蓄積される差分が、標準偏差が求められているグループに属する場合、その新たに蓄積された差分が、該当グループの差分の標準偏差をσ、平均値をμとしたとき、μ±kσ(k:任意の係数)の範囲を超えているときに、注液管に漏洩があると判定することを特徴とする。
【0007】
本発明の漏洩検知システムは、注液口と液体貯蔵タンクとをつなぐ注液管の漏洩検知システムであって、液体貯蔵タンクの液面レベルを検出する液面レベルセンサと、液面レベルセンサで検出した液面レベルから液体貯蔵タンクの在庫量を演算する在庫量演算部と、液体貯蔵タンクから払い出された液体の払出し量を計測する計量機と、前記在庫量演算部から受信する液体貯蔵タンクの在庫量、前記計量機から受信する液体の払出し量、及び注液口からの液体の荷卸し量に基づき、注液管の漏洩有無を判定する漏洩判定部とを備え、前記漏洩判定部が、注液口からの液体の荷卸し前の液体貯蔵タンクの在庫量と、注液口からの液体の荷卸し量と、液体の荷卸し開始から荷卸し完了後の所定時間経過時点までの間に液体貯蔵タンクから払い出された液体の払出し量とから、荷卸し完了後の所定時間経過時点における計算上の在庫量を求め、この計算上の在庫量と荷卸し完了後の所定時間経過時点における実測の在庫量との差分を求め、この差分を、荷卸し前の液体貯蔵タンクの在庫量の区分と、荷卸し量の区分とによりグループ分けして蓄積し、前記差分の蓄積数が一定数に達したグループについては、差分の標準偏差を求め、新たに蓄積される差分が、標準偏差が求められているグループに属する場合、その新たに蓄積された差分が、該当グループの差分の標準偏差をσ、平均値をμとしたとき、μ±kσ(k:任意の係数)の範囲を超えているときに、注液管に漏洩があると判定することを特徴とする。
【0008】
また、本発明においては、前記新たに蓄積される差分が、μ±kσ(k:任意の係数)の範囲内にある場合、その新たに蓄積される差分のデータを含めて前記平均値μ及び標準偏差σを再計算し、その後は、前記再計算された平均値μ及び標準偏差σを用いて漏洩の有無を判定する。
【0009】
本発明における漏洩検知の基本は、注液口からの液体の荷卸し前の液体貯蔵タンクの在庫量(以下、単に「荷卸し前の在庫量」という。)と、注液口からの液体の荷卸し量(以下、単に「荷卸し量」という。)と、液体の荷卸し開始から荷卸し完了後の所定時間経過時点までの間に液体貯蔵タンクから払い出された液体の払出し量(以下、単に「払出し量」という。)とから演算される荷卸し完了後の所定時間経過時点における計算上の在庫量(以下、単に「計算上の在庫量」という)と、荷卸し完了後の所定時間経過時点における実測の在庫量(以下、単に「実測の在庫量」という。)との差分を求めることにある。具体的には、差分は以下のように表される。
差分=計算上の在庫量−実測の在庫量
ここで、計算上の在庫量=荷卸し前の在庫量+荷卸し量−払出し量
【0010】
そして、この差分が所定値を超えれば、注液管に漏洩があると判定する。
【0011】
しかし、単に差分を求めるだけでは、以下に説明するとおり、漏洩検知を正確に行うことはできない。
【0012】
まず、上記の差分を求めるには、液体貯蔵タンクの在庫量を把握する必要がある。液体貯蔵タンクの在庫量は、液面レベルセンサで検出した液体貯蔵タンクの液面レベルから、液体貯蔵タンクの形状に基づき演算される。例えば、液体貯蔵タンクの形状が、ガソリンを貯蔵する地下タンクにおいて一般的な円筒横置き型であれば、液面レベルと、タンクの直径及び長さとによって在庫量を演算する。
【0013】
この演算は、液体貯蔵タンクの断面形状が設計時の真円であることを前提として行われる。しかし、実際の液体貯蔵タンクの断面形状は、自重や外部の圧力などにより変形し、真円ではない。したがって、液面レベルの高さ毎に、上記演算により求めた在庫量と真の在庫量との間に、それぞれ異なる誤差が生じる。この誤差を含んだまま上記の差分を求めたとしても、漏洩検知を正確に行うことはできない。
【0014】
そこで本発明では、液面レベルの高さ毎にそれぞれ異なる誤差の影響を小さくするために、荷卸し前の液面レベル(在庫量)と、荷卸し量によって決まる荷卸し後の液面レベル(在庫量)の区分が同じであるものをグループ化して、そのグループ毎に差分を蓄積して統計処理を行い、漏洩有無を判定するようにした。
【0015】
すなわち、本発明では、上記の差分を、荷卸し前の在庫量の区分と、荷卸し量の区分とによりグループ分けして蓄積する。差分の蓄積数が一定数に達したグループについては、差分の標準偏差を求める。そして、新たに蓄積される差分が、標準偏差が求められているグループに属する場合、その新たに蓄積された差分が、該当グループの差分の標準偏差をσ、平均値をμとしたとき、μ±kσ(k:任意の係数)の範囲を超えているときに、注液管に漏洩があると判定する。
【0016】
このように、本発明では、差分を荷卸し前の在庫量の区分と、荷卸し量の区分とによりグループ分けして蓄積し、そのグループ毎に漏洩有無の判定を行うことで、在庫量の演算時に生じる上述の誤差の影響を小さくすることができ、正確に漏洩有無を判定することができる。
【0017】
また、実際の荷卸しの運用上、よく行われる在庫量と荷卸し量の組み合わせについては、標準偏差を求めるための基礎となる差分のデータを短時間で取得でき、漏洩判定を早期に開始することができるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、注液口と液体貯蔵タンクとをつなぐ注液管の漏洩検知を早期かつ正確に行うことができる。すなわち、液体貯蔵タンクに荷卸しする毎に注液管の漏洩有無の点検を行うことが可能となり、注液管の漏洩を早期にしかも正確に発見することができるので、大きな事故になる前に適切な対応をとることができ、汚染土壌の掘り起しや撤去による膨大な経済的損失や環境汚染などの災害を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の漏洩検知システムを適用した給油所の全体構成を示す。
【図2】図1の漏洩検知システムによる、注液管の漏洩検知の手順を示す。
【図3】差分を蓄積するデータベースのグループ分けの例を示す。
【図4】漏洩判定の手順を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に示す実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、本発明の漏洩検知システムを適用した給油所の全体構成を示す。
【0022】
給油所には、油を貯蔵するタンク1が地下に埋設されている。タンク1の形状は、一般的な円筒横置き型である。タンク1には、注油口2から注油管3を経由して油が荷卸しされる。その荷卸し量は、荷卸し量入力手段4により、後述する各種の演算を行う演算手段5に入力される。また、タンク1からは、計量機7を介して油が払い出される。油の払出し量は計量機7で計測され、その払出し量のデータはPOS8に伝送されるとともに、通信ケーブル9を介して演算手段5にも伝送される。
【0023】
タンク1には、液面レベルセンサ6が設置されている。液面レベルセンサ6で検出されたタンク1の液面レベルのデータは演算手段5の在庫量演算部5aに入力される。在庫量演算部5aは、液面レベルとタンク1の形状に基づき、タンク1の在庫量を演算する。
【0024】
本実施例の漏洩検知システムにおいては、演算手段5の漏洩判定部5bが、在庫量演算部5aから受信するタンク1の在庫量、計量機7から受信する払出し量、及び荷卸し量入力手段4から受信する荷卸し量に基づき、注液管3の漏洩有無を判定する。
【0025】
図2は、本実施例の漏洩検知システムによる、注液管の漏洩検知の手順を示す。
【0026】
まず、注液管の漏洩検知を行うためのデータを取得するデータ取得処理を開始する。
【0027】
タンク1の在庫量は液面レベルセンサ6で監視されている。本実施例では1分間隔で在庫量を記憶するようにしており、常に最新の5個の在庫量データが在庫量演算部5aに記憶される。
【0028】
注油口2から荷卸しがあったことは、在庫量の急激な増加によって確認できる。荷卸しが確認されると、漏洩判定部5bは在庫量演算部5aから荷卸し2分前の在庫量データを「荷卸し前の在庫量」として取得する。これと同時に、漏洩判定部5bは、計量機7から受信する払出し量の積算を開始する。
【0029】
荷卸しの完了は、在庫量の急激な増加が止まったことにより確認できる。荷卸し完了が確認されると、漏洩判定部5bは、荷卸しによるタンク1の液面レベルの変動が沈静化するまで、所定時間(T)(実施例では30分間)の経過を待つ。所定時間(T)が経過したら、漏洩判定部5bは、在庫量演算部5aから最新の在庫量データを「実測の在庫量」として取得し、これと同時に計量機7から受信する払出し量の積算を停止し、その払出し量の積算データを「払出し量」として記憶する。
【0030】
また、この時点で、漏洩判定部5bは、「計算上の在庫量」を演算し、この「計算上の在庫量」と上記の「実測の在庫量」との差分(「計算上の在庫量」−「実測の在庫量」)を演算する。ここで、「計算上の在庫量」は、上記の「荷卸し前の在庫量」と、荷卸し量入力手段4から受信する「荷卸し量」と、上記の「払出し量」とから、下記の式により演算される。
計算上の在庫量=荷卸し前の在庫量+荷卸し量−払出し量
【0031】
次に、漏洩判定部5bは、上記で演算した差分を、当該差分の演算に用いた「荷卸し前の在庫量」の区分と、「荷卸し量」の区分とによりグループ分けしてデータベース5cに蓄積する。
【0032】
図3は、データベース5cのグループ分けの例を示す。この例は、タンク1の容量が10kLの場合であり、データベース5cの行は「荷卸し前の在庫量」の区分、列は「荷卸し量」の区分を示す。例えば、「荷卸し前の在庫量」が5.5kL、「荷卸し量」が2kLの場合、上記で演算された差分は、図3に示したデータベース5cにおいて○印を付したグループに蓄積される。
【0033】
図2に戻って、漏洩判定部5bは、上記の差分の蓄積数が一定数(実施例ではn=10以上)に達したグループについて、差分の標準偏差σを求める。そして、新たに蓄積される差分が、標準偏差σが求められているグループに属する場合、すなわち、該当グループの差分の蓄積数が新たな差分の蓄積により一定数を超えているようになる場合(実施例ではn≧11)、その新たに蓄積された差分のデータと該当グループの差分の標準偏差σ及び平均値μとに基づき、漏洩判定部5bが漏洩判定を行う。なお、平均値μは標準偏差σを計算する過程で求められる。差分の蓄積数が一定数に満たないグループについては、一定数に達するまで差分の蓄積を行い、その差分の蓄積数が一定数に達したら、上述のとおり、差分の標準偏差σを求め、漏洩判定の段階に移行する。
【0034】
図4は、漏洩判定の具体的な手順を示す。この漏洩判定では、新たに蓄積された差分が、該当グループの差分の標準偏差をσ、平均値をμとしたとき、μ±kσの範囲を超えているときに、注液管に漏洩があると判定し、μ±kσの範囲内であれば漏洩なしと判定する。ここで、kは任意の係数であるが、現実的にはkは1〜3の範囲内とすることが好ましい。また、新たに蓄積された差分が、μ±kσの範囲内にある場合、その新たに蓄積される差分のデータを含めて平均値μ及び標準偏差σを再計算し、その後は、前記再計算された平均値μ及び標準偏差σを用いて漏洩の有無を判定する。一方、新たに蓄積された差分が、μ±kσの範囲を超えていたら、その差分のデータは破棄し、従前の平均値μ及び標準偏差σを維持する。
【0035】
このように、本発明では、差分を「荷卸し前の在庫量」の区分と、「荷卸し量」の区分とによりグループ分けして蓄積し、そのグループ毎に漏洩有無の判定を行うことで、在庫量の演算時に生じる誤差の影響を小さくすることができ、正確に漏洩有無を判定することができる。また、実際の荷卸しの運用上、よく行われる在庫量と荷卸し量の組み合わせについては、標準偏差を求めるための基礎となる差分のデータを短時間で取得でき、漏洩判定を早期に開始することができるようになる。
【0036】
なお、以上の実施例では、「荷卸し量」は荷卸し量入力手段4により入力するようにしたが、その具体的な入力は、汎用的にはテンキー入力とすることができる。また、荷卸し量は、一般的には1kL、2kL,4kL等の切りのよい量となっているので、荷卸し量入力手段4として、1kL、2kL,4kL等の荷卸し量を入力するボタンを設け、そのボタンを押すことにより荷卸し量を入力することもできる。さらには、荷卸しを行うタンクローリー車に搭載されている管理用コンピュータと図1の演算手段5とを通信で接続し、前記管理用コンピュータにより荷卸し量を入力することもできる。またさらには、上述のとおり、荷卸し量は、一般的には1kL、2kL,4kL等の切りのよい量となっているので、荷卸し前後の在庫量の差から、荷卸し量を推定して演算手段5に入力するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0037】
1 タンク(液体貯蔵タンク)
2 注油口(注液口)
3 注油管(注液管)
4 荷卸し量入力手段
5 演算手段
5a 在庫量演算部
5b 漏洩判定部
5c データベース
6 液面レベルセンサ
7 計量機
8 POS
9 通信ケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
注液口と液体貯蔵タンクとをつなぐ注液管の漏洩検知方法であって、
注液口からの液体の荷卸し前の液体貯蔵タンクの在庫量と、注液口からの液体の荷卸し量と、液体の荷卸し開始から荷卸し完了後の所定時間経過時点までの間に液体貯蔵タンクから払い出された液体の払出し量とから、荷卸し完了後の所定時間経過時点における計算上の在庫量を求め、この計算上の在庫量と荷卸し完了後の所定時間経過時点における実測の在庫量との差分を求め、
この差分を、荷卸し前の液体貯蔵タンクの在庫量の区分と、荷卸し量の区分とによりグループ分けして蓄積し、
前記差分の蓄積数が一定数に達したグループについては、差分の標準偏差を求め、
新たに蓄積される差分が、標準偏差が求められているグループに属する場合、その新たに蓄積された差分が、該当グループの差分の標準偏差をσ、平均値をμとしたとき、μ±kσ(k:任意の係数)の範囲を超えているときに、注液管に漏洩があると判定する注液管の漏洩検知方法。
【請求項2】
前記新たに蓄積される差分が、μ±kσ(k:任意の係数)の範囲内にある場合、その新たに蓄積される差分のデータを含めて前記平均値μ及び標準偏差σを再計算し、その後は、前記再計算された平均値μ及び標準偏差σを用いて漏洩の有無を判定する請求項1に記載の注液管の漏洩検知方法。
【請求項3】
注液口と液体貯蔵タンクとをつなぐ注液管の漏洩検知システムであって、
液体貯蔵タンクの液面レベルを検出する液面レベルセンサと、
液面レベルセンサで検出した液面レベルから液体貯蔵タンクの在庫量を演算する在庫量演算部と、
液体貯蔵タンクから払い出された液体の払出し量を計測する計量機と、
前記在庫量演算部から受信する液体貯蔵タンクの在庫量、前記計量機から受信する液体の払出し量、及び注液口からの液体の荷卸し量に基づき、注液管の漏洩有無を判定する漏洩判定部とを備え、
前記漏洩判定部が、
注液口からの液体の荷卸し前の液体貯蔵タンクの在庫量と、注液口からの液体の荷卸し量と、液体の荷卸し開始から荷卸し完了後の所定時間経過時点までの間に液体貯蔵タンクから払い出された液体の払出し量とから、荷卸し完了後の所定時間経過時点における計算上の在庫量を求め、この計算上の在庫量と荷卸し完了後の所定時間経過時点における実測の在庫量との差分を求め、
この差分を、荷卸し前の液体貯蔵タンクの在庫量の区分と、荷卸し量の区分とによりグループ分けして蓄積し、
前記差分の蓄積数が一定数に達したグループについては、差分の標準偏差を求め、
新たに蓄積される差分が、標準偏差が求められているグループに属する場合、その新たに蓄積された差分が、該当グループの差分の標準偏差をσ、平均値をμとしたとき、μ±kσ(k:任意の係数)の範囲を超えているときに、注液管に漏洩があると判定する注液管の漏洩検知システム。
【請求項4】
前記漏洩判定部は、前記新たに蓄積される差分が、μ±kσ(k:任意の係数)の範囲内にある場合、その新たに蓄積される差分のデータを含めて前記平均値μ及び標準偏差σを再計算し、その後は、前記再計算された平均値μ及び標準偏差σを用いて漏洩の有無を判定する請求項3に記載の注液管の漏洩検知システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate