説明

洗浄装置およびシャワーヘッド

【課題】簡単な構成により、身体を洗浄するときにおけるマッサージ効果をより高めることが可能な洗浄装置およびシャワーヘッドを実現すること。
【解決手段】洗浄装置120は、主通路210と、絞り部213と、吸気孔220と、生成手段230とを備える。主通路210は、本体の内部に形成され、第一の流体が通過する。絞り部213は、主通路210の途中に形成され、主通路210の内径より小さい内径の副通路を有し副通路の内部を通過する第一の流体の流速および圧力を高める。吸気孔220は、本体の外部から副通路に向かって穿設され、第一の流体が副通路の内部を通過することにより生じた負圧によって副通路の内部へ外気を吸入する。生成手段230は、副通路の内部に設けられ、副通路の内部を通過する第一の流体の圧力によって吸気孔220から吸入された外気からマイクロバブルを生成し副通路の内部を通過する第一の流体にマイクロバブルを混入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、流体に気泡を混入させたうえでこの流体を吐出する洗浄装置およびその洗浄装置を備えたシャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、気泡が混入された水を用いて身体を洗浄することによって、身体を清潔にするとともに、皮膚を痛めることなく皮膚に心地よい刺激を与えることができ、これにより皮膚の血行が促進されるなどのマッサージ効果を得ることができる洗浄装置が知られている。特に、このような装置を用いて頭部を洗浄することによって、頭皮の血行を促進することができ、これにより頭髪の育毛効果を高めることができるとされているものもある。
【0003】
このような洗浄装置をシャワー装置に適用したものとして、たとえば、空気導入孔および噴射管が設けられたジョイントを用いて、シャワーヘッドとシャワーホースとを接続する構成を採用し、噴射管から水が噴出されるときに生じる負圧を利用して、空気導入孔から導入した空気を水に混入させることができるシャワー装置が知られている(たとえば特許文献1参照。)。
【0004】
また、たとえば、シャワーヘッドの内部に形成された液体用通路とエア用通路との間にレバー操作による開閉可能なバルブを配置する構成を用いたことによって、このバルブを開いたうえで、液体用の通路を水が通過するときに生じる負圧を利用して、エア用の通路から導入した空気を水に混入させることができるシャワー装置が知られている(たとえば特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開平10−43641号公報
【特許文献2】実開平7−34947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来技術のシャワー装置においては、シャワーホースとの接続部分に噴射管を設けているため、この接続部分における耐久性が低く、噴射管が折れるなどの危険性が高いという問題があった。そのうえ、水に混入される気泡の径が比較的大きく(たとえば2mm〜3mm)、その数も少ないため、高いマッサージ効果を得ることができないという問題があった。
【0007】
また、上記特許文献2に記載された従来技術のシャワー装置においては、液体用通路とエア用通路との間にシリンダ機構を利用したバルブを設けているため、構造が複雑となり、シャワー装置の製造、組み立ておよびメンテナンスに要するコストが増加するという問題があった。そのうえ、水に混入される気泡の径が比較的大きく(たとえば1mm〜2mm)、その数も少ないため、同じく高いマッサージ効果を得ることができないという問題があった。
【0008】
この発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成によって、身体を洗浄するときにおけるマッサージ効果をより高めることが可能な洗浄装置およびシャワーヘッドを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる洗浄装置は、本体の内部に形成され、第一の流体が通過するための主通路と、前記主通路の途中に形成され、前記主通路の内径より小さい内径の副通路を有し、前記副通路の内部を通過する第一の流体の流速および圧力を高める絞り部と、前記本体の外部から前記副通路に向かって穿設され、前記第一の流体が前記副通路の内部を通過することにより生じた負圧によって前記副通路の内部へ外気を吸入するための吸気孔と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる洗浄装置は、上記に記載の発明において、前記副通路の内部に設けられ、前記副通路の内部を通過する前記第一の流体の圧力によって、前記吸気孔から吸入された外気からマイクロバブルを生成し、前記副通路の内部を通過する前記第一の流体に前記マイクロバブルを混入するための生成手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる洗浄装置は、上記に記載の発明において、前記本体の外部から前記副通路に向かって穿設され、前記第一の流体が前記副通路の内部を通過することにより生じた負圧によって前記副通路の内部へ第二の流体を吸入するための吸入孔をさらに備えたことを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる洗浄装置は、上記に記載の発明において、前記吸入孔の途中に設けられ、前記吸入孔の開度を変化させ、前記絞り部の内部へ吸入される第二の流体の吸入量を調整するための調整手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる洗浄装置は、上記に記載の発明において、前記調整手段は、前記吸入孔を閉塞可能な状態で設けられ、前記吸入孔の軸と平行する回動軸を有し、それぞれ異なる内径を有する複数の調整孔が前記回動軸を中心とした円周上に配置形成された回動自在な円盤状の調整弁を備え、前記吸入孔の軸上に、前記調整弁に配置形成された調整孔のいずれか一つの中心が位置するように前記調整弁を回動させることによって、前記吸入孔の開度を変化させ、前記絞り部の内部へ吸入される第二の流体の吸入量を調整することを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる洗浄装置は、上記に記載の発明において、前記第一の流体は水であり、前記第二の流体は洗浄液であることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかるシャワーヘッドは、上記に記載の洗浄装置を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、本体の内部に形成された主通路の内部において、生成手段を配置するだけといった簡単な構成によって、気泡の径が小さく、大量の気泡を水に対して混入させることができる。これにより、身体を洗浄するときにおけるマッサージ効果をより高めることができるだけでなく、製造、組み立ておよびメンテナンスに要するコストを削減することが可能な洗浄装置およびシャワーヘッドを実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる洗浄装置およびシャワーヘッドの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0018】
(実施の形態1)
(シャワーヘッドの構成)
まず、実施の形態1にかかるシャワーヘッド100の構成について説明する。図1は、この発明の実施の形態1にかかるシャワーヘッド100を示す側面図である。図1において、たとえば浴室などに備えられ、身体を洗浄するときなどに把持されて利用されるシャワーヘッド100は、たとえば、主要部が円筒形状によって形成されたヘッド部110と、このヘッド部110と連続する洗浄装置120とによって構成されている。このシャワーヘッド100は、たとえば、洗浄装置120側においてホース130と接続されており、このホース130を通じて第一の流体としての水道水などの供給を受ける。
【0019】
ヘッド部110は、たとえば、洗浄装置120と一体形成され、ヘッド部110および洗浄装置120の内部には、ホース130から供給された水道水が吐出孔111に向かって通過するように、たとえば円筒形状における内管部分に相当するような主通路210(図2を用いて後述する)が形成されている。ヘッド部110には、主通路210の内部を通過する水道水を、シャワー状(細かな線状)の水道水に変化させた状態で吐出するための多数の吐出孔111が形成されている(図1においては、便宜上、向かって最も下側の吐出孔にのみ符号を付ける。)。
【0020】
洗浄装置120は、ホース130から供給された水道水が主通路210を通過するときに外気を吸入し、この外気からマイクロバブルを多数生成する。そして洗浄装置120は、多数生成したマイクロバブルを主通路210を通過する水道水に対して混入する。
【0021】
(洗浄装置120の構成)
つぎに、実施の形態1にかかる洗浄装置120の構成の詳細について説明する。図2および図3は実施の形態1にかかる洗浄装置120を示す断面図である。図2に示すように洗浄装置120は、メインボディ200と、主通路210と、吸気孔220と、生成手段230とを備えて構成されている。
【0022】
洗浄装置120における主通路210は、ホース130から供給された水道水がヘッド部110方向(図中矢印Aで示す方向)に向かってメインボディ200の内部を通過するように、メインボディ200の内部に形成された通路である。また主通路210における、ホース130からの水道水の供給を受ける側には、内径W1を有する開口部211が形成されている。また主通路210における、ヘッド部110によって水道水が吐出される側には、内径W2を有する開口部212が形成されている。
【0023】
さらに、主通路210の途中(ほぼ中間位置)においては、主通路210の内部を通過する水道水の流速および圧力を高める絞り部213が形成されている。この絞り部213は、最も内径が大きい部分において開口部212の内径W2と同一の内径を有し、最も内径が小さい部分において開口部212の内径W2よりも小さい内径W3を有する。
【0024】
また、絞り部213は、開口部211方向における上記内径W2を有する部分から、上記内径W3を有する部分に向かって内径が徐々に小さく変化するようにテーパ状に形成されている。さらに絞り部213は、上記内径W3を有する部分から、開口部212方向における上記内径W2を有する部分へ向かって内径が徐々に大きく変化するようにテーパ状に形成されている。なお絞り部213は、主通路210の内部を通過する水道水の流速および圧力を高めることが可能な形状であれば上述したテーパ状に形成されていなくともよい。
【0025】
吸気孔220は、ホース130から供給された水道水が絞り部213の内部を通過することにより生じた負圧によって絞り部213の内部へ外気を吸入するため、メインボディ200の外部から絞り部213の内部に向かって穿設されている。また吸気孔220には、ホース130からの水道水の供給が停止されたときに生じるメインボディ200の外部と絞り部213の内部との圧力差によって、絞り部213の内部に溜まった水道水が吸気孔220を通じてメインボディ200の外部へ流出することを防止するための逆流防止弁(逆止弁)221が設けられている。
【0026】
生成手段230は、吸気孔220から吸入された外気が通過するための外気通路232が内部に形成された円筒状のブリードパイプ231によって構成される。このブリードパイプ231は絞り部213の内部において、絞り部213の軸の位置とブリードパイプ231の軸233の位置とが一致する(すなわち、同軸となる)ように、なおかつ絞り部213の内部を通過する水道水の流量および流速に与える影響が最小限ものとなるように、図3に示すような固定部材300によって、A−A方向およびB−B方向から固定されて配置される。
【0027】
また、ブリードパイプ231には、ブリードパイプ231の外周面から軸233と直交する方向に向かってブリードパイプ231の内周面へ貫通するように穿設されたブリード孔234が、ブリードパイプ231の円周方向および軸233方向に亘って複数形成されている。ここで、効率的かつ確実にマイクロバブルを生成するためには、ブリード孔234の内径は、たとえば0.5mm〜1.0mmの範囲内であることが好ましい。
【0028】
(シャワーヘッド100の作用)
つぎに上述した構成によるシャワーヘッド100の作用について説明する。図4は、実施の形態1にかかるシャワーヘッド100の作用を示す説明図である。
【0029】
図4において、まず、ホース130(図1参照)から供給された水道水400が開口部211から主通路210の内部に導入され(1)、この水道水400が絞り部213の内部を通過すると(2)、水道水400の流速および圧力が高まるとともに、メインボディ200の外部と絞り部213の内部との圧力差(絞り部213における負圧)が生じる。
【0030】
そして、絞り部213に生じた負圧によって、吸気孔220より外気401が吸入され、この外気401がブリードパイプ231の内部に形成された外気通路232の内部へ導入される(3)。さらに、絞り部213に生じた負圧によって、ブリードパイプ231に形成された多数のブリード孔234において、外気通路232の内部に導入された外気401からマイクロバブル402が生成され、このマイクロバブル402が、絞り部213の内部を通過する水道水400に混入される(4)。
【0031】
ここで、洗浄装置120は、多数のブリード孔234が形成されたブリードパイプ231を用いたことによって、非常に径が小さく(たとえば0.01mm〜0.10mm)、大量のマイクロバブル402を生成することができる。また、洗浄装置120は、絞り部213により水道水400の流速を高める構成を用いたことによって、効率的かつ確実に非常に径が小さく、大量のマイクロバブル402を生成することができる。
【0032】
そして、流速および圧力が高められたうえでマイクロバブル402が混入された水道水400は、開口部212を通じてヘッド部110(図1参照)へ送り込まれる(5)。さらにヘッド部110へ送り込まれた水道水400は、ヘッド部110に形成された多数の吐出孔111によって、液状からシャワー状へ状態を変化させたうえで、吐出孔111から吐出される。
【0033】
以上説明したように、本実施の形態1におけるシャワーヘッド100によれば、メインボディ200の内部に形成された主通路210の途中において絞り部213を形成し、この絞り部213の内部へ外気を吸入するための吸気孔220をメインボディ200に設け、さらに絞り部213の内部に多数のブリード孔234が形成されたブリードパイプ231を配置するだけといった簡単な構成を用いた。
【0034】
そして、本実施の形態1におけるシャワーヘッド100によれば、上述した構成により、水道水400の流速および圧力を高めたうえで、非常に径が小さく、大量のマイクロバブル402を効率的かつ確実に生成して、この大量のマイクロバブル402が混入された水道水400を吐出孔111から吐出することができる。そして、たとえばユーザは、流速および圧力が高められたうえで、大量のマイクロバブル402が混入された水道水400を用いて身体を洗浄することによって、効率的かつ容易に、身体を清潔にすることができるだけでなく、皮膚を痛めることなく、身体に心地よい刺激を得ることができる。
【0035】
このように、本実施の形態1におけるシャワーヘッド100によれば、身体を洗浄するときにおけるマッサージ効果をより高めることができるだけでなく、簡単な構成を用いたことによって、このシャワーヘッド100の製造、組み立ておよびメンテナンスに要するコストを削減することができる。
【0036】
(実施の形態2)
(シャワーヘッドの構成)
つぎに、実施の形態2にかかるシャワーヘッド100Aの構成について説明する。図5は、この発明の実施の形態2にかかるシャワーヘッド100Aを示す側面図である。図5に示すシャワーヘッド100Aは、実施の形態1(図1)に示したシャワーヘッド100の構成に加えて、シャンプーやボディシャンプーなどの第二の流体としての洗浄液を洗浄装置120Aの内部へ供給するための洗浄液供給手段500をさらに備えている点が、実施の形態1(図1)に示したシャワーヘッド100の構成と異なる。
【0037】
洗浄液供給手段500は、洗浄装置120Aの内部へ供給される洗浄液の液量を調整する調整手段510と、シャンプーやボディシャンプーなどの洗浄液が注入された液体タンクなどと調整手段510とを接続する接続パイプ520とを備えて構成されている。
【0038】
(洗浄装置120Aおよび調整手段510の構成)
つぎに、実施の形態2にかかる洗浄装置120Aおよび調整手段510の構成の詳細について説明する。図6に示すように洗浄装置120Aは、実施の形態1(図2)に示した洗浄装置120の構成に加えて、吸入孔600をさらに備えている点が、実施の形態1(図2)に示した洗浄装置120の構成と異なる。なお、以降において、既に実施の形態1において説明した部分と重複する箇所には同一の符号を附して説明を省略する。
【0039】
吸入孔600は、ホース130から供給された水道水が絞り部213の内部を通過することにより生じた負圧によって絞り部213の内部へ洗浄液を吸入するため、メインボディ200の外部から絞り部213の内部に向かって穿設されている。
【0040】
また、図6に示すように調整手段510は、サブボディ601と、調整弁610とを備えて構成されている。サブボディ601は、接続パイプ520が接続される接続部602を備える。またサブボディ601には、接続パイプ520を介して供給された洗浄液が、メインボディ200に穿設された吸入孔600に向かってサブボディ601の内部を通過するように洗浄液通路602が形成されている。
【0041】
調整弁610は、洗浄液通路602および吸入孔600を通じて絞り部213の内部へ供給される洗浄液の液量を調整する。この調整弁610は、メインボディ200とサブボディ601との間において吸入孔600を閉塞することができる状態で配置される。また、調整弁610は、調整弁610の中心位置が回動軸となるようにボルト613およびベアリング614によって回動自在に軸支される。また、図7は、調整弁610を示す平面図であり、図7に示すように調整弁610には、それぞれ異なる内径を有する複数の調整孔611が前記ボルト613を中心とした同一円周上に配置形成されている。
【0042】
(シャワーヘッド100Aの作用)
つぎに上述した構成によるシャワーヘッド100Aの作用について説明する。図8は、実施の形態2にかかるシャワーヘッド100Aの作用を示す説明図である。
【0043】
図8において、まず、ホース130(図5参照)から供給された水道水400が開口部211から主通路210の内部に導入され(1)、この水道水400が絞り部213の内部を通過すると(2)、水道水400の流速および圧力が高まるとともに、メインボディ200の外部と絞り部213の内部との圧力差(絞り部213における負圧)が生じる。
【0044】
そして、絞り部213に生じた負圧によって、吸気孔220より外気401が吸入され、この外気401がブリードパイプ231の内部に形成された外気通路232の内部へ導入される(3)。さらに、絞り部213に生じた負圧によって、ブリードパイプ231に形成された多数のブリード孔234において、外気通路232の内部に導入された外気401からマイクロバブル402が生成され、このマイクロバブル402が、絞り部213の内部を通過する水道水400に混入される(4)。
【0045】
さらに、絞り部213に生じた負圧によって、洗浄液800が注入された液体タンクなどから、接続パイプ520(図5参照)、洗浄液通路602および吸入孔600を介して洗浄液800が絞り部213の内部へ吸入され(5)、この洗浄液800が、絞り部213の内部を通過する水道水400に混入される(6)。
【0046】
ここで、絞り部213の内部へ吸入される洗浄液800の量は、調整弁610に形成されたそれぞれ異なる内径を有する複数の調整孔611のうち、洗浄液通路602と吸入孔600とを連絡する調整孔611の径の大きさに応じて決定される。このため、たとえばユーザは、調整弁610を回動させて、調整弁610に形成された複数の調整孔611の中から、所望する吸入量に応じた調整孔611を用いて洗浄液通路602と吸入孔600とを連絡させることによって、容易に絞り部213の内部へ吸入される洗浄液800の吸入量を調整することができる。
【0047】
また、たとえばすすぎ洗浄をおこないたい場合には、調整弁610を回動させて、洗浄液通路602と吸入孔600との連絡を遮断することによって、絞り部213の内部へ洗浄液800が吸入されないようにすることもできる。また、たとえば調整弁610に形成される調整孔611の数を増やし、洗浄液800の吸入量の微調整をおこなうことができるようにしてもよい。
【0048】
そして、流速および圧力が高められたうえでマイクロバブル402および洗浄液800が混入された水道水400は、開口部212を通じてヘッド部110(図5参照)へ送り込まれる(7)。そしてヘッド部110へ送り込まれた水道水400は、ヘッド部110に形成された多数の吐出孔111によって、液状からシャワー状へ状態を変化させたうえで、吐出孔111から吐出される。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態2におけるシャワーヘッド100Aによれば、実施の形態1に示したシャワーヘッド100の構成に加えて、簡単な構成によりシャンプーやボディシャンプーなどの洗浄液を洗浄装置120Aの内部へ供給することができる洗浄液供給手段500をさらに備えただけといった簡単な構成を用いた。
【0050】
そして、本実施の形態2におけるシャワーヘッド100Aによれば、上述した構成により、水道水400の流速および圧力を高めたうえで、非常に径が小さく、大量のマイクロバブル402を効率的かつ確実に生成して、この大量のマイクロバブル402および洗浄液800が混入された水道水400を吐出孔111から吐出することができる。そして、たとえばユーザは、流速および圧力が高められたうえで、大量のマイクロバブル402および洗浄液800が混入された水道水400を用いて身体を洗浄することによって、効率的かつ容易に、身体を清潔にすることができるだけでなく、皮膚を痛めることなく、身体に心地よい刺激を得ることができる。
【0051】
このように、本実施の形態2におけるシャワーヘッド100Aによれば、身体を洗浄するときにおけるマッサージ効果をより高めることができるだけでなく、簡単な構成を用いたことによって、このシャワーヘッド100Aの製造、組み立ておよびメンテナンスに要するコストを削減することができる。
【0052】
なお、本実施の形態1および本実施の形態2におけるシャワーヘッド100およびシャワーヘッド100Aを用いた身体の洗浄においては、マッサージ効果だけでなく、高い洗浄効果を得ることもできる。このため、身体の洗浄だけでなく、たとえば食器や自動車などを洗浄するときにおいて、シャワーヘッド100およびシャワーヘッド100Aを用いることによって、洗浄作業の効率を高め、洗浄作業の短時間化を図ることができる。また、洗浄作業が短時間化されることによって、水道水の使用量を抑えることができ、これにより洗浄作業に要する水道代などのコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるシャワーヘッドを示す側面図である。
【図2】実施の形態1にかかる洗浄装置を示す断面図である。
【図3】実施の形態1にかかる洗浄装置を示す断面図である。
【図4】実施の形態1にかかるシャワーヘッドの作用を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態2にかかるシャワーヘッドを示す側面図である。
【図6】実施の形態2にかかる洗浄装置および調整手段を示す断面図である。
【図7】調整弁を示す平面図である。
【図8】実施の形態2にかかるシャワーヘッドの作用を示す説明図である。
【符号の説明】
【0054】
100 シャワーヘッド
100A シャワーヘッド
110 ヘッド部
111 吐出孔
120 洗浄装置
120A 洗浄装置
130 ホース
210 主通路
211 開口部
212 開口部
213 絞り部
220 吸気孔
221 逆流防止弁
230 生成手段
231 ブリードパイプ
232 外気通路
233 軸
234 ブリード孔
400 水道水
401 外気
402 マイクロバブル
500 洗浄液供給手段
600 吸入孔
601 サブボディ
610 調整弁
611 調整孔
800 洗浄液


【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の内部に形成され、第一の流体が通過するための主通路と、
前記主通路の途中に形成され、前記主通路の内径より小さい内径の副通路を有し、前記副通路の内部を通過する第一の流体の流速および圧力を高める絞り部と、
前記本体の外部から前記副通路に向かって穿設され、前記第一の流体が前記副通路の内部を通過することにより生じた負圧によって前記副通路の内部へ外気を吸入するための吸気孔と、
を備えたことを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記副通路の内部に設けられ、前記副通路の内部を通過する前記第一の流体の圧力によって、前記吸気孔から吸入された外気からマイクロバブルを生成し、前記副通路の内部を通過する前記第一の流体に前記マイクロバブルを混入するための生成手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
前記本体の外部から前記副通路に向かって穿設され、前記第一の流体が前記副通路の内部を通過することにより生じた負圧によって前記副通路の内部へ第二の流体を吸入するための吸入孔をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記吸入孔の途中に設けられ、前記吸入孔の開度を変化させ、前記絞り部の内部へ吸入される第二の流体の吸入量を調整するための調整手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記調整手段は、前記吸入孔を閉塞可能な状態で設けられ、前記吸入孔の軸と平行する回動軸を有し、それぞれ異なる内径を有する複数の調整孔が前記回動軸を中心とした円周上に配置形成された回動自在な円盤状の調整弁を備え、
前記吸入孔の軸上に、前記調整弁に配置形成された調整孔のいずれか一つの中心が位置するように前記調整弁を回動させることによって、前記吸入孔の開度を変化させ、前記絞り部の内部へ吸入される第二の流体の吸入量を調整することを特徴とする請求項4に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記第一の流体は水であり、前記第二の流体は洗浄液であることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載の洗浄装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つに記載の洗浄装置を備えたことを特徴とするシャワーヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−260563(P2007−260563A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−89099(P2006−89099)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000177612)株式会社ミクニ (332)
【Fターム(参考)】