説明

洗浄装置

【課題】確実な洗浄効果で洗浄時間を短縮、安定させ、撹拌洗浄で発生する泡を抑制し、次工程への取り出しの自動化、節水を図る。
【解決手段】被洗浄物を水の中で撹拌させて洗浄を行う洗浄装置であって、水平な回転軸7を中心とする半円筒面で小さな排水穴17があけられた底面とする断面がU字形状の洗浄槽1には、投入口2、シャッター15で開閉できる排出口15と取出口3が設けられている。
回転軸には撹拌板8が、螺旋状に配列させて取り付けられている、洗浄水位の保持に堰の形態のオーバーフロー13と、洗浄完了後の取り出し時の被洗浄物の排出を補助する放水管12を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大量に収穫された農産物のラッキョウを商品としてのラッキョウ漬に加工する作業工程で、機械化が可能な工程の中の洗浄装置に関すものである。
【背景技術】
【0002】
機械化が困難で未だなされていない、不要な根と茎を人の手で切除されたラッキョウをラッキョウ漬に加工する間で、機械化が可能な前工程の砂、土などの異物の洗浄、不要な表皮部分の剥がし工程、大きさの選別工程までが機械化されている。
【0003】
不要な表皮の剥がし、大きさの選別の工程は、比較的簡単な装置で完成されているが、最初の工程である洗浄は、確実に行われていないと異物の混入の問題となる。
【0004】
大量のラッキョウを一度に洗浄するため、洗浄槽の容量は大きく、さまざまな形態の洗浄槽に給水しながら撹拌するやり方で行われている。大きな洗浄槽で強引に撹拌するとラッキョウを傷付けることになる、大量の水と水流を使用すれば比較的容易となるが、節水への考慮も必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ラッキョウは、栽培に適したパウダー状の微細な砂からなる畑に栽培されている、人の手による、根と茎の切り口から沁みでる粘り気のある成分は、砂や土を付着させる、加工場に運搬されてくるまでの時間の経過による乾燥で、より頑固にこびり着くことになる。
【0006】
砂などの異物を確実に洗い流すには大量の水を消費することになるが、節水への配慮から洗浄効率を良くして洗浄時間の短縮を必要とする。
【0007】
また、この沁みでた成分は、洗浄中に大量の泡を発生させる、洗浄槽を被う泡は洗浄の状況、状態の視認の邪魔になり、取り除くのに手間がかかっている。
【0008】
一連の機械化工程に組み込むため、洗浄前のラッキョウの投入口と洗浄が終わったラッキョウを次工程へ搬送のため、取出口を別にする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の洗浄装置の洗浄槽は、水平な回転軸を中心とする半円筒面からなる底面部分に多数の小さな穴があけられた、断面がU字形状の軸方向に長く、一端に投入口と他端に排出口、取出口を有する洗浄槽とした。
【0010】
洗浄装置の性能は撹拌方法によつて左右される、本発明の撹拌は回転軸に取り付けられた羽根状の板により行われる、この撹拌板は水流が投入口から排出口への軸方向と円周方向へ分散するように適度に傾斜させて軸に取り付けられている。
【0011】
また、この傾斜させた撹拌板は、ラッキョウが槽内で偏ることなく、まんべんに循環できる間隔で螺旋状に配列して取り付けている。
【0012】
洗浄水の適正水位の保持は、槽の全域を堰から溢れる構造のオーバーフローとする。
【0013】
洗浄が完了したラッキョウは、機械化の次工程へに送り出す必要があるため、排出口に動力駆動の開閉シャッター、強制排出の補助手段として放水管を具備した。
【発明の効果】
【0014】
洗浄槽は、投入口と取出口を別として機械化工程への接続を容易とし、断面がU字形状の槽は上部を被洗浄物のラッキョウの前後方向の循環移動にも支障がないし、洗い流された砂などの異物は半円筒状の底面の穴から流れ出て、槽内に蓄積しない。
【0015】
発生した泡は、堰の形態のオーバーフローによって常時流されるので槽の表面を被うことはない。
【0016】
洗浄が確実で、洗浄時間も安定できるので取り出し作業の自動化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の概要を示す断面図である。
【図2】本発明の排出口、取出口部分を示す図
【図3】本発明の洗浄槽の断面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
水平な回転軸を中心とする半円筒面の底面からなり、断面がU字形状で軸方向に長い洗浄槽の回転軸に撹拌板を適当な枚数で螺旋状に配列させて取り付ける。
【0019】
この洗浄槽に水を供給しながら、被洗浄物を撹拌させ、洗い流された砂などの異物を、底面にあけられた多数の小さな穴と、槽表層の全域から溢れ流れる堰によるオーバーフローから排水させながら洗浄を行う洗浄装置とした。
【実施例】
【0020】
図1で示すように、洗浄槽1の槽端には、それぞれ被洗浄物の投入口2、取出口3と給水管11、放水管12が設けられている、取出口側の排出口14は、シャツター15と動作用のエアシリンダー16で開閉できる。
【0021】
図1、3で示すように、槽の底面となる半円筒面の中心に位置する、水平な回転軸7は、槽端それぞれの軸受9の間で槽を縦貫している。
【0022】
モーター10で駆動される回転軸には、撹拌板8が水流を投入口から排出口への軸方向と円周方向へ分散するようにプロペラのように適度に傾斜させて取り付けられている、この撹拌板は、さらに被洗浄物が槽内で偏ることがなく、まんべんなく循環できる間隔で螺旋状に配列されている。
【0023】
実施例では1列の撹拌板を1枚としたが、被洗浄物の種類、内容、洗浄槽の容量のよっては枚数、列数を変更してもよい。
【0024】
半円筒の底面には、排水穴17が多数あけられている、この穴は洗い流された異物が、槽内に滞留せず水と一緒に効率よく排水できるよう、節水を考慮して最小限の大きさと開口率、パターンであけられている、また、この洗浄装置では、洗浄水の水位を保つオーバーフロー13を槽の表層の全域から溢れる堰として、軽い異物、撹拌によって発生する泡を槽の表層の全域から流し出すやり方とした、槽の底面の穴とオーバーフローからの排水は、排水受槽4へ集め、排水口5から排水させる。
【0024】
洗浄が完了とすると、排出口のシャッター13を開け、放水管12から排出を補助させる水を流し、回転軸7を回転させながら取出口3から次工程へ送り出すことになる、また、実施例ではシャッターの開閉はエアシリンダーとした。
【0025】
槽の上カバー6は、内部の状況、状態を目視しできるような窓を設けてもよいし、簡単な開閉式としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明の洗浄装置は、スケールアップして、ラッキョウより大きな里芋、その他の根菜類、果実の農薬の洗浄、工業製品の洗浄に転用の可能性がある。
【符号の説明】
【0027】
1 洗浄槽 2 投入口
3 取出口 4 排水受槽
5 排水口 6 上カバー
7 回転軸 8 撹拌板
9 軸受 10 モーター
11 給水管 12 放水管
13 オーバーフロー 14 排出口
15 シャッター 16 エアシリンダー
17 排水穴(多数)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラッキョウなどの、被洗浄物を撹拌しながら洗浄する洗浄装置において、水平な回転軸を中心とする半円筒面からなる底面部分に多数の小さな穴があけられた、断面がU字形状の軸方向に長い洗浄槽に、一端に被洗浄物の投入口と他端に開閉できる排出口と取出口と、撹拌の手段として回転軸には撹拌板が、水流が投入口から取出口側への軸方向と円周方向へ分散するように適度に傾斜させた状態で、被洗浄物が槽内で偏ることなくまんべんに循環できる間隔で螺旋状に配列されて取り付けられていることを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
洗浄槽の洗浄水を適正水位に保つオバーフローを槽の全域に溢れ堰として構成した、請求項1の洗浄装置。
【請求項3】
槽の内部に回転軸方向から開閉できる排出口に向けて放水できる手段として水道配管を具備した請求項1の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−34466(P2013−34466A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180945(P2011−180945)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(511205253)石原システム有限会社 (1)
【Fターム(参考)】