説明

活性な有機化合物のための可溶化剤としてのフェネチルアリールエステルを含む組成物

活性な又は機能を有する有機化合物は、溶媒、共溶媒または添加剤として、例えば、2−フェニルエチルアルコールのアリールカルボン酸エステルなどのフェニルエチルエステル中に可溶化し、その組成物を形成する。代表的な活性な又は機能を有する有機化合物には、アボベンゾン又はベンゾフェノン-3などのUVA/UVB吸収化合物を含んでいる日焼け止めなど、自己医療(パーソナルケア)製品が含まれる。そのような組成物は、臨界波長とUVA/UVB吸収度比が増加する動作特性も示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は可溶化を必要とする、活性なまたは機能を有する有機化合物を含む組成物に関するものであり、より詳しくは、溶媒、共溶媒または添加剤としてアリールフェニルエチルエステルを加えることにより、効果的に可溶化する組成物に関するものである。
【0002】
従来技術の説明
多くの商品は、例えば自己医療(パーソナルケア)薬品、例えば日焼け止め、医薬組成物、農業用及び工業用組成物は、溶液、乳剤または分散の状態で可溶化することを必要とする活性なまたは機能を有する物質を水性または非水性の状態で含んでいる。例えば、活性なUVA/UVB吸収成分として、アボベンゾン(Escalol(登録商標)517)及び/又はベンゾフェノン−3(Escalol(登録商標)567)等の芳香族化合物を含む日焼け止め組成物は、それを乳剤に保つため、つまり結晶化を防ぐために可溶化剤を必要とする。この種の可溶化剤、例えば安息香酸エチルや炭素数12−15のアルキルベンゾアートが知られている。しかしながら、前者は強い刺激薬で、後者はアボベンゾンに対してのみの弱い溶媒である。
【0003】
2−フェニルエチルベンゾアートの以前の合成には、有害な溶媒及び/又は高価な又は有害な化学量的試薬が使用されていた。例えば、2-フェニルエチルアルコールと安息香酸は、N, N, N', N'−テトラメチル尿素、塩化オキサリルとピリジン(Fujisawa氏等:著、Chem. Lett. 1982,1891-1894)からin situで調製された、N,N, N', N'−テトラメチルクロロホルムアミジニウムクロリド試薬の化学量論的な補助により、アセトニトリル溶媒中で縮合されてきた。(塩化オキサリルは、有毒な液体であり、有毒ガスである一酸化炭素を生成する。)同様に、それらは、3−メチルベンゾチアゾール−2−セロン/アゾジカルボン酸ジエチル/N,N‐ジメチルアニリン試薬(Mitsunobu氏等:著、Chem. Lett. 1984,855-858)の化学量論的な補助により、テトラヒドロフラン溶媒中で縮合されてきた。そして、また、トリフェニルホスフィン/S−ベンジル−S−フェニル−N−p−トシルスルフィルイミン試薬(Aida氏等:著、Chem. Lett. 1975,29-32)の化学量論的な補助により縮合されてきた。(セレン及びリンの副産物は有毒廃棄物問題を生む。)それらはまたin situで、トルエンと硫酸から調製される(Zardecki氏等、Polish Patent, PL 55230, 1968/05/15発行)トルエンスルホン酸触媒と共に、トルエン中において縮合されてきた。2−フェニルエチルベンゾアートは、触媒としてのバナジウム塩と共に(Chen氏、U. S. Patent 6,541, 659, 2003/04/01発行)、又はビスマストリス(トリフルオロメタンスルホン酸塩)触媒(Orita氏等:著、Angew. Chem. Int. Ed. abstract 2000, vol. 39, 2877-2879)と共に、2−フェニルエチルアルコールと安息香酸無水物からジクロロメタン溶媒中で調製されてきた。それはまた、N,N‐ジメチルホルムアミド溶媒中で、等モルの1,1, 3, 3−テトラメチルグアニジンと共に、2−フェニルエチルアルコールと安息香酸から調製されてきた(Kim氏等:著、Bull. Korean Chem. Soc. 1984, vol. 5,205
-206)。
【0004】
発明の簡単な説明
したがって、本発明の目的は、2−フェニルエチルアルコールのアリールカルボン酸エステル(例えば、2−フェニルエチルベンゾアート、2−フェニルエチルトルエート、または、ジ−2−フェニルエチルフタラート)等の安全かつ効果的な有機溶剤によって可溶化される、活性な又は機能を有する有機化合物を含む組成物を提供することである。
【0005】
他の目的は、可溶化される、固形であって、活性な又は機能を有する有機化合物を含む、自己医療(パーソナルケア)薬品、例えば、日焼け止め、化粧品組成物、医薬組成物、農業用または工業用組成物を提供することである。
【0006】
本発明の特定の目的は、活性なUVA及び/又はUVB化合物を含んでいる日焼け止め組成物を提供することであり、それはフェニルエチルエステルに可溶であり、且つ臨界波長やUVA/UVBの吸光度比の増加という優れた性能特性を示す。
【0007】
本願明細書における更なる目的は、本発明の可溶化剤で、少なくとも20%、好ましくは30%(w/w)、またはそれ以上の活性物を可溶化することである。
【0008】
本発明の特定の目的は、色素が薄く臭気も低く、且つ環境影響が低い(溶媒不要、化学量論的試薬不要、危険な副産物皆無など、参照:『green chemistry』)産物を経済的に与える可溶化剤の合成方法を提供することである。
【0009】
これらと他の目的、および本発明の特徴は以下の記載で明らかになるであろう。
【0010】
本願明細書において、2−フェニルエチルアルコールのアリールカルボン酸のエステルであるフェニルエチルエステル中で可溶化される、活性な又は機能を有する有機化合物の組成物が記載されている。
【0011】
本発明の好ましい形態においては、フェニルエチルエステルが2−フェニルエチルベンゾアート、トルエートまたはフタラートであり、活性な又は機能を有する有機化合物は固体の有機化合物、例えば、自己医療(パーソナルケア)薬品、化粧品、日焼け止め、医薬化合物、農業用または工業用化合物;最も好ましくは、活性な日焼け止め成分、例えば、UVA及び/又はUVBの化学化合物、例えばアボベンゾン及び/又はベゾフェノン−3を含んでいる日焼け止め組成物であり、その日焼け止め組成物は臨界波長及びUVA/UVBの吸光度比の増加を示す。
【0012】
好ましくは、本発明の可溶化剤で、活性物は、少なくとも20%、最も好ましくは30%(w/w)又はそれ以上可溶化する。
【0013】
本発明の他の特徴は、2−フェニルエチルベンゾアート、トルエートまたはフタラートの生産のための製造方法を提供することであり、その工程はスズ触媒と共に2−フェニルエチルアルコールとカルボン酸の混合物を加熱し、及び産物を回収することから成る。
【0014】
A.可溶化剤の製造工程
本発明の可溶化剤を製造工程を、以下の実施例で説明する。したがって、2−フェニルエチルベンゾアート可溶化剤は、2−フェニルエチルアルコール(2−フェニルエタノール)および安息香酸を、例えば、シュウ酸スズ(Fascat2001(登録商標)、Atofina Chemicals社)等のルイス酸触媒の存在下で、約180℃以上、好ましくは約210℃以上、あるいはメタンスルホン酸等のブレンステッド(強)酸触媒の存在下で好ましくは約150℃で反応させることにより調製された。トリイソデシル亜リン酸エステル(TDP)や次亜リン酸(HPA)等の添加剤は、製品の色を改善することができるが、反応速度を減少させることがある。精製は過剰量の2−フェニルエチルアルコールの蒸留、または炭酸ナトリウム水溶液による過剰な安息香酸の抽出、及び活性炭による処理を必要とする。2−フェニルエチルオルトトルエートと2−フェニルエチルパラトルエートの類似体は、安息香酸の代わりに、それぞれオルトメチル安息香酸またはパラメチル安息香酸を使って、同様の方法で作られた。無水フタル酸と2−フェニルエチルアルコールからジ2−フェニルエチルフタラートの調製で示すように、無水物は便利な出発原料であり、そして、エステルもまた、安息香酸メチルと2−フェニルエチルアルコールからの2−フェニルエチルベンゾアートの調製で示すように使用することができる。
【0015】
B.発明組成物
活性なUVAとUVB化合物、例えば、アボベンゾンやベンゾフェノン−3を含む日焼け止め組成物等の製剤(formulation)は、2−フェニルエチルベンゾアート、トルエート、またはフタラートに効果的に可溶化され、それらの吸収スペクトルのUVA成分は本組成物のUVB部分と比較して高くなった。本発明の組成物において使用される(且つ2−フェニルエチルベンゾアート等の中に可溶化される)他の紫外線フィルター活性物質には、パラアミノ安息香酸(PABA)、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート、ホモサラート、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、テレフタリデンジカンファースルホン酸、ベンジリデンカンファースルホン酸、オクトクリレン、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、エチルヘキシルメトキシシンナメート、ポリエチレングリコール-25(PEG-25)パラアミノ安息香酸、イソアミルパラメトキシシンナメート、エチルヘキシルトリアゾン、ドロムトリゾール(Drometrizole)トリシロキサン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、4−メチルベンジリデンカンファー、3-ベンジリデンカンファー、エチルヘキシルサリチラート、エチルヘキシルジメチルパラアミノ安息香酸、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、メチレンビス−ベンズトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、二ナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホナート、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、ポリシリコーン-15が含まれる。このような組成物は、前記の紫外線フィルター活性物質(アボベンゾン及びベンゾフェノン−3を含む)を1つ、またはそれ以上含んでいてもよい。
【0016】
例えば自己医療(パーソナルケア)薬品、化粧品化合物、医薬化合物、農業用及び工業用化合物などの他の活性物質は、2−フェニルエチルベンゾアートまたはそのエステル類によって効果的に可溶化され、それには抗菌剤や除草剤(例えば、徐藻剤(algaecidal)化合物などの活性物を含むが、乳剤から結晶化したり沈殿したりすることなく、そして、大量の溶媒の使用を必要とせずに、特に活性物質を乳剤の形に保つように可溶化する。この種の医薬組成物の例には、フロセミド、ロバスタチン、クラリスロマイシン、ジクロフェナク、ファモチジン、カルバマゼピン(Carbamaxepine)、ジピリダモール、クロルチアジド(Chlorthiazide)、スピロノラクトン、ジランチン、イミプラミン、メルフロキン(Melfloquine)、サイクロスポリン、グリブリド、ニモジピンのうち1つまたはそれ以上が含まれる。本発明の組成物は、活性物質または機能を有する有機化合物の組み合わせ、例えば、医薬(1つまたはそれ以上)及び紫外線フィルター活性物質(同様にその1つ又はそれ以上)などを含んでいてもよい。
【0017】
C.発明実施例
実施例1
2-フェニルエチルベンゾアートの作製(0.1%のスズ触媒)
温度計、自動攪拌機、窒素挿入管、リービッヒ冷却器/回収用フラスコを取り付けた2リットルの四首丸底フラスコに、671.7g(5.5mol、1.00当量)の安息香酸、806.3g(6.60mol、1.20 当量)の2−フェニルエチルアルコールと、1.25g(0.1%(w/w))のFascat2001(登録商標)を入れた。その系を安息香酸が溶けるまで、ゆっくり撹拌しながら(50rpm以下)徐々に加熱した。空気を機械式真空ポンプ(50〜100トール)を使用して、真空引きと窒素充填を3回のサイクルで行って取り除いた。攪拌速度を約200rpmに増やし、窒素散布は0.2のscfhにセットし、反応混合物を180℃まで加熱した。1時間の保持後、190℃まで温度を上げ1時間、そして、200℃にして1時間加熱した。温度を210℃に上げ、窒素散布を0.5scfhに増加させた。1時間の保持後、温度を更に220℃に上げ、1時間加熱した。蒸留物の総量は159.2gであり、そこから94.4gの水(理論上99.1g)を上層から分離した。反応混合物を室温まで冷却し、分析のためにサンプルを採集した。酸価は1.10mgKOH/g(反応率99.7%)で、APHA色相は115であった。過剰な2−フェニルエチルアルコール(ガス液体クロマトグラフィーによると5.5%)を減圧蒸留で取り除いた。このように、180〜190℃で20トール(0.5scfhで窒素除去)で1時間後、残留した2−フェニルエチルアルコールは、ガス液体クロマトグラフィーによると0.05%以下であり、APHA色相は222であった。活性炭(37.3g、3%(w/w))を加え、混合物を75〜80℃減圧下(50〜70トール)で1時間加熱した。室温に冷却後、セライト(登録商標)による濾過で2−フェニルエチルベンゾアートが1100g(90%)得られた。APHA色相は20であり、酸価は0.14mgKOH/gであり、鹸化価は246mgKOH/g(理論上248)であり、残留スズは10ppm以下であった。
【0018】
実施例2
2-フェニルエチルベンゾアートの作製(0.2%のスズ触媒)
反応の段取りは、Fascat2001(登録商標)を2.5g(2%、(w/w))使用した事を除いて、実施例1と同様であった。反応は非常に早く、180℃、190℃、200℃、210℃で1時間保持した後、完了した。過剰な2−フェニルエチルアルコール(ガス液体クロマトグラフィーによると5.4%)の蒸留後、上記のように活性炭で処理し、2−フェニルエチルベンゾアートの収量は1150g(92%)であった。残留2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると0.05%以下で、APHA色相は20であり、酸価は0.58mgKOH/gであり、鹸化価は245mgKOH/gであり、残留錫は150ppmであった。
【0019】
実施例3
2-フェニルエチルベンゾアートの作製(TDPと0.1%の錫触媒)
反応は実施例1で説明したように行い、180℃〜220℃で5時間加熱後、酸価は3.2mgKOH/gであり、APHA色相は44であり、そして、過剰な2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると3.5%であった。トリイソデシル亜リン酸エステル(TDP)を1.25g加え、過剰な2−フェニルエチルアルコールを通常通りに蒸留した。APHA色相は42であった。活性炭で通常通りに処理し、2−フェニルエチルベンゾアートを1140g(92%)得た。残留2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると0.05%以下であり、APHA色相は13であり、酸価は0.30mgKOH/gであり、鹸化価は244mgKOH/gであり、残留スズは10ppm以下であり、そして、残留リンは10ppm以下であった。
【0020】
実施例4
2-フェニルエチルベンゾアートの作製(TDPと0.2%の錫触媒)
反応は実施例2で説明したように行い、180℃〜210℃で4時間加熱後、反応混合物を室温まで冷却し、そこでは酸価は3.80(反応率98.4%)であり、APHA色相は33であり、過剰な2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると4.7%であった。トリイソデシル亜リン酸エステル(TDP)を1.24g(0.1%(w/w))加え、過剰な2−フェニルエチルアルコールを通常通りに減圧蒸留で取り除いたが、この間に白色固体が形成された。25℃まで冷却しても明らかに何の変化もなく、そこでは残留2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると0.05%以下であり、APHA色相は35であった。活性炭で通常通りに処理し、2−フェニルエチルベンゾアートを1130g(91%)得た。APHA色相は14であり、酸価は0.57mgKOH/gであり、鹸化価は244mgKOH/gであり、残留スズは60ppmであり、残留リンは10ppm以下であった。
【0021】
減圧蒸留の直前の代わりに、出発原料と共に同一量のTDPを入れると、反応はより顕著に遅くなり、従って、更に220℃で1時間の加熱を加えた。APHA色相は26であり、過剰な2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると4.7%であった。通常通りの減圧蒸留の後、残留2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると0.05%以下であり、APHA色相は36であった。活性炭で通常通りに処理し、2−フェニルエチルベンゾアートが1090g(88%)得られた。APHA色相は13であり、酸価は0.14mgKOH/gであり、鹸化価は243mgKOH/gであり、残留スズは10ppm以下であり、残留リンは10ppm以下であった。
【0022】
実施例5
2−フェニルエチルベンゾアートの作製(HPAと0.2%の錫触媒)
最初の過剰な2−フェニルエチルアルコールが20%ではなく10%であることを除いて、実施例2で説明したように反応を行い、反応水と共蒸留された有機物層をそれぞれ保持した後にバッチへ戻したが、最後の1つはそうしなかった。180〜210℃で4時間加熱した後、反応混合物を室温まで冷却し、そこでは酸価は5.50(反応率97.8%)であり、APHA色相は114であり、過剰な2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると4.8%であった。50%(w/w)次亜リン酸水溶液(HPA、H3P02に基づくと0.40%(w/w))9.94gずつ加えた。過剰な2−フェニルエチルアルコールを通常通り減圧蒸留で取り除いた。APHA色相は39であり、残留2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると0.19%であった。活性炭で通常通りに処理し、2−フェニルエチルベンゾアートが1100g(88%)得られた。APHA色相は36であり、酸価は2.10mgKOH/gであり、鹸化価は244mgKOH/gであり、残留スズは270ppmであり、残留リンは1300ppmであった。
【0023】
減圧蒸留の直前の代わりに、出発原料と共に次亜リン酸(HPA)(次亜リン酸に基づくと0.2%(w/w))の半分を入れると、反応はより顕著に遅くなり、更に220℃、230℃、240℃で1時間の保持を加えた。酸価は11.5mgKOH/g(反応率96.0%)であった。過剰な2−フェニルエチルアルコール(ガス液体クロマトグラフィーによると4.1%)は、通常通り減圧蒸留によって取り除かれた。残留2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると0.05%以下であり、APHA色相は45であり、酸価は1.50mgKOH/gであった。活性炭で通常通りに処理し、2−フェニルエチル・ベンゾアートを1030g(83%)得た。APHA色相は27であり、酸価は1.24mgKOH/gであり、鹸化価は244mgKOH/gであり、残留スズは10ppm以下であり、残留リンは335ppmであった。
【0024】
実施例6
2−フェニルエチルベンゾアートの作製(他の錫触媒)
Fascat2001(登録商標)(シュウ酸スズ)の代わりにFascat4201(登録商標)(ジブチルスズオキシド)1.25gを使用したことを除き、実施例1で説明したように反応を行い、190℃〜210℃で7時間加熱した後、酸価は0.88mgKOH/g(反応率99.7%)であり、APHA色相は102であり、過剰な2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると3.6%であった。通常通りに減圧蒸留した後、残留2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると0.05%以下であり、APHA色相は177であった。活性炭で通常通りに処理し、2−フェニルエチルベンゾアートを1030g(83%)得た。APHA色相は89であり、酸価は0.22mgKOH/gであり、鹸化価は245mgKOH/gであり、残留スズは10ppmであった。
【0025】
Fascat2001(登録商標)の代わりにFascat4100(登録商標)の1.25gが使用されたことを除き、実施例1で説明したように反応を繰り返し、190℃〜210℃で4時間加熱した後、酸価は5.70mgKOH/g(反応率97.7%)であり、APHA色相は111であり、過剰な2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると4.8%であった。通常通りに減圧蒸留した後、残留2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると0.16%であり、APHA色相は186であった。活性炭で通常通りに処理し、2−フェニルエチルベンゾアートを1010g(81%)得た。APHA色相は67であり、酸価は0.70mgKOH/gであり、鹸化価は244mgKOH/gであり、残留スズは10ppmであった。
【0026】
実施例7
2−フェニルエチルベンゾアートの作製(スズ触媒によるエステル置換)
安息香酸の代わりに安息香酸メチル(748.8g、5.50mol)を使用し、2−フェニルエチルアルコール671.9g(5.50mol)を使用したことを除き、実施例2で説明したように反応を準備した。190℃で4時間加熱した後、蒸留物230gを収集し、ガス液体クロマトグラフィーによると反応混合物は51%の産物であった。メタノールをBuchi回転蒸発装置で蒸留物から分離し、残留物を反応フラスコに戻した。バッチを200℃で2時間、210℃で2時間加熱し、そこで蒸留物170gを収集し、ガス液体クロマトグラフィーによると反応混合物は80%の産物であった。すでに述べたようにメタノールを蒸留物から分離し、残留物を反応フラスコに戻した。バッチを210℃で2時間、220℃で2時間加熱し、そこで蒸留物40gが集められ、ガス液体クロマトグラフィーによると反応混合物は94%の産物であった。過剰な2−フェニルエチルアルコール(ガス液体クロマトグラフィーによると3.5%)および安息香酸メチル(ガス液体クロマトグラフィーによると2.7%)を通常通り減圧蒸留によって取り除き、産物を通常通り活性炭で処理し、2−フェニルエチル・ベンゾアートの1000g(81%)を得た。残留2−フェニルエチルアルコールは0.30であり、APHA色相は40であり、酸価は0.13mgKOH/gであり、鹸化価は245mg KOH/gであった、残留スズは10ppm以下であった。
【0027】
実施例8
2−フェニルエチルベンゾアートの作製(強酸触媒)
温度計、自動攪拌機、窒素挿入管、リービッヒ冷却器/回収用フラスコを取り付けた2リットルの四首丸底フラスコに、671.7g(5.5mol、1.00当量)の安息香酸、806.3g(6.60mol、1.20当量)の2−フェニルエチルアルコール、5.30(0.43%(w/w)のメタンスルホン酸(MSA)1.0mol%)、1.25g(0.1%(w/w))のトリイソデシル亜リン酸エステル(TDP)を入れた。その系を安息香酸が溶けるまで、ゆっくり撹拌しながら(50rpm以下)徐々に加熱した。空気を機械式真空ポンプ(50〜100トール)を使用して、真空引きと窒素充填を3回のサイクル行なって取り除いた。撹拌速度を約200rpmに増やし、窒素散布を0.2scfhにセットし、反応混合物を140℃に加熱した。1時間の保持した後、温度を150℃に上げ、1時間保持した。温度を160℃に上げ、窒素散布を0.5scfhに増やした。1時間保持した後、反応混合物を室温まで冷却し、分析のためにサンプルを採取した。酸価は8.1mgKOH/g(安息香酸の反応率97.3%、MSAで修正)であり、APHA色相は66であり、過剰な2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると7.9%であった。25℃の反応混合物に、10%(w/w)の炭酸ナトリウム水溶液を213g加えた。バッチを50℃に加熱し、15分間撹拌した。撹拌を止め、バッチを30分間放置した。底部の水層をピペットでフラスコから取り除き、2−フェニルエチルアルコールを、0.5scfhの窒素除去をしながら180〜190℃(20トール)で1時間減圧蒸留で取り除いた。反応混合物を約70℃に冷却し、分析のためにサンプルを採取した。残留2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると0.17%であり、酸価は0.10mgKOH/gであり、APHA色相は95であった。通常通り活性炭で処理及び濾過し(実施例1参照)、2-フェニルエチルベンゾアートを1100g(88%)得た。APHA色相は72であり、酸価は0.11mgKOH/gであり、鹸化価は242mgKOH/gであり、残留硫黄は10ppm以下であり、残留リンは10ppm以下であった。
【0028】
実施例9
2−フェニルエチルベンゾアートの作製(HPAと強酸触媒)
反応の設定は、メタンスルホン酸(MSA)を5.3g(1mol%)の代わりに10.6g(2mol%)使用し、TDPの代わりに50%(w/w)の次亜リン酸水溶液(HPA、H3PO2に基づいて0.58%(w/w))を14.5g加えたことを除いて、実施例8と同じであった。前記実施例のように140℃、150℃、160℃で1時間保持した後、反応を完全にするため170℃と180℃で更に1時間の保持が加えられた。酸価は24.9mgKOH/g(安息香酸の反応率98.6%、MSAとHPAで修正された)であった。50℃の15%の炭酸ナトリウム水溶液250gで洗い、それから90℃の水250gで洗うことによって、酸を取り除いた。バッチを75〜80℃(50〜70トール、0.5scfhの窒素除去)で1時間乾燥し、2−フェニルエチルベンゾアートを1210g(97%)得た。ガス液体クロマトグラフィーによると残留2−フェニルエチルアルコールは0.10%であり、APHA色相は15であり、酸価は0.51mgKOH/gであり、鹸化価は243mgKOH/gであり、残留硫黄は500ppmであり、残留リンは200ppmであった。産物は「焼けたゴム」の匂いを有するが、それは通常通りの活性炭での処理によって取り除かれ、2−フェニルエチルベンゾアート1100g(88%)を得た。残留2−フェニルエチルアルコールはガス液体クロマトグラフィーによると0.08%であり、APHA色相は11であり、酸価は0.36mgKOH/gであり、鹸化価は244mgKOH/gであり、残留硫黄は500ppmであり、残留リンは200ppmであった。
【0029】
実施例10
2−フェニルエチルトルエート
オルトおよびパラメチル安息香酸の両者を、実施例2に記載されている手順で安息香酸の代わりに使用した。前者では2−フェニルエチルオルトトルエートが1128g(85%)得られ、後者では2−フェニルエチルパラトルエートが1129g(86%)得られた。前者(後者)のAPHA色相は203(421)であり、酸価は0.05以下(0.15)mgKOH/gであり、鹸化価は225(228)mgKOH/g(理論上233)であり、残留スズは10(10以下)ppmであった。
【0030】
実施例11
ジ−2−フェニルエチルフタラート
温度計、自動攪拌機、窒素挿入管、リービッヒ冷却器/回収用フラスコを取り付けた2リットルの四首丸底フラスコに、481.4g(3.25mol、当量1.00)の無水フタル酸、814.0g(6.66mol、当量2.05)の2−フェニルエチルアルコール、2.55g(0.2%(w/w))のFascat2001(登録商標)を入れた。空気を機械式真空ポンプ(50〜100トール)を使用して、真空引きと窒素充填を3回のサイクル行なって取り除いた。窒素散布を0.2scfhにセットし、その系を安息香酸が溶けるまで、ゆっくりと撹拌しながら(50rpm以下)徐々に加熱した。自発反応が始まり、反応混合物が約100℃に達するまで更に加熱する必要はなく、そこで、ガス液体クロマトグラフィーにより、無水物が2−フェニルエチルアルコールの最初の当量と完全に反応したことが示された。反応混合物が180℃に達するまで外部からの加熱を再開し、実施例1に記載されたように反応を完了した。活性炭での通常処理の後、活性I(activity I)の塩基性アルミナ200gで、そして活性I(activity I)のシリカゲル200gで濾過し、ジ−2−フェニルエチルフタラートを808g(66%)を得た。APHA色相は168であり、酸価は0.52mgKOH/gであり、鹸化価は301mgKOH/g(理論上300)であり、残留スズは195ppmであった。
【0031】
実施例12
多様な溶媒における固形の日焼け止めの溶解度
所定の重量比((w/w))の溶液を、一定の溶媒とEscalole(登録商標)517またはEscalole(登録商標)567を使用して50℃で調製した。溶液は一定の温度の室に25℃で1週間放置した。平衡化を早めるために小さい種結晶を25℃で加えた。溶解限度は固体量の計測によって決定され、そして、更に詳しくはガス液体クロマトグラフィー測定法(実施例15参照)によって決定される。
【0032】
【表1】

【0033】
上記のように、本発明の可溶化剤は、少なくとも20%、好ましくは30%、もしくはそれ以上(W/W)の活性化合物の可溶化に効果的である。
【0034】
対照の安息香酸エチルは非常に有効な溶媒であるが、一方、皮膚や目に極めて有害であり、それゆえ自己医療(パーソナルケア)の用途には受容されない。炭素数12−15のベンゾアートの溶媒は自己医療(パーソナルケア)の用途には安全だが、これらの日焼け止め化合物に対しては非常に劣った溶媒である。本発明の2−フェニルエチルエステルは、対照的に、自己医療(パーソナルケア)の用途には安全であり、且つ優れた可溶化力を有する。
【0035】
実施例13
Escalope(登録商標)517のUVA吸収促進
Escalope(登録商標)517の10mg分を溶媒1リットルに溶解し、溶液中の紫外線スペクトルをCary 1 E 紫外可視分光光度計を使って計測した。
【0036】
【表2】

【0037】
これらの結果により、組成物中に炭素数12-15のベンゾアートの代わりに2−フェニルエチルベンゾアートを使用した活性な日焼け止めに対して、より大きなUVA保護を得られることが示された。
【0038】
実施例14
老化防止クリーム製剤(formulation)
典型的な製法:A相の準備のためにビーカーを水、ブチレングリコール、二ナトリウムエチレンジアミン四酢酸で満たす。混ざり始めたら、Stabileze(登録商標)QMをゆっくりと篩い入れる。混ぜながら80℃まで加熱する。この温度を維持し、45分間混ぜる。別のビーカーでB相のために材料を化合させる。混ぜながら75℃まで加熱する。バッチが透明になるまでゆっくりとA相にC相を加え、次に前記混合物にB相を加える。混ぜながらバッチを45℃まで冷却する。バッチにD相を加えてよく混ぜ、次にE相を加えてよく混ぜる。水の損失に対して充分量の水。
【0039】
【表3】

【0040】
これらの製剤を、5回の凍結融解サイクル後、それから、45℃で1ヶ月の貯蔵後に、オプトメトリックスSPF290分析機を使って臨界波長について調査、つまりUVA保護の計測を行った。臨界波長が長くなればなるほど、UVA保護はより大きくなる。
【0041】
〔表4〕
臨界波長データ
製剤 凍結融解後の臨界波長(nm) 貯蔵後の臨界波長(nm)
1 376.15 375.10
2 374.75 373.30
3 374.35 374.15
4 373.95 373.80
5 373.75 372.55
【0042】
凍結融解及び1ヶ月間の貯蔵状態についの両者で見られるように、2−フェニルエチルベンゾアートを含む製剤は、Finsolv(登録商標)TN、Eldew(登録商標)SL-205、Finsolv(登録商標)TPP、およびElefac(登録商標)l-305を含む他の製剤より優れていた。
【0043】
実施例15
トリクロサンの溶解度
5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)フェノール(トリクロサン)は静菌特性を有し、化粧品と洗剤の調製物において消毒剤や防腐剤として使用されている。ガス液体クロマトグラフィーにより計測したところ、2−フェニルエチルベンゾアートに69%(w/w)まで可溶である。このように、50%(w/w)および60%(w/w)の混合物は25℃で均質な溶液であったが、70℃にした70%(w/w)の溶液は、25℃で添加して3日間放置した時、少量の固体が析出した。
【0044】
トリクロサン8.002gと2-フェニルエチルベンゾアート2.009gから調製された80%(w/w)の溶液は25℃で有意な量の固体を析出した。上澄み試料23.3mgをクロロホルム1.00mlに溶解し、1.00μLを自動注入器を介してガス液体クロマトグラフィー計測器に注入した。2−フェニルエチルベンゾアートとトリクロサンのピーク領域はそれぞれ9381と12953であった。混合物を均質になるまで70℃で加熱し、試料18.2mgを溶解し、同様の方法で注入した。2−フェニルエチルベンゾアートのピークは4456のユニットの領域を有して3.6μgを示し、そしてトリクロサンのピークは11240の領域を有して14.6μgを示した。(注:注入された量は、3.6μg+14.6μg=18.2μg)従って、ガス液体クロマトグラフィー状況の下で応答係数はそれぞれ、1240ユニット/μgおよび770ユニット/μgであった。そして、上澄み中のそれぞれの成分の量は9381/1240=7.6μgと、12953/770=16.8μgであり、これは69%(w/w)トリクロサンに一致する。
【0045】
実施例16
Nuocide(登録商標)1051(ISP)の溶解度
N−シクロプロピル−N−(1,1−ジメチルエチル)−6−(メチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジアミン(Nuocide (登録商標)1051)は、ボート用の劣化防止塗料を調製する際に使用する工業用殺藻剤である。2−フェニルエチルベンゾアートに7%(w/w)まで溶け、2-フェニルエチルベンゾアート/N−メチルピロリジノン(1:1(w/w))に28%まで溶ける。
【0046】
実施例17
プロジアミンの溶解度
5−ジプロピルアミノ−α,α,α−トリフルオロ−4,6−ジニトロ−O−トルイジン(プロジアンミン)は広域スペクトルの発芽前(pre-emergence)の農業用除草剤である。それは2−フェニルエチルベンゾアート中に5%(w/w)まで溶け、2−フェニルエチルベンゾアート/N−メチルピロリジノン(1:1(w/w))中に24%(w/w)まで溶ける。
【0047】
本発明を、それの一定の実施例との特定の関連性により説明してきたが、変更や改造を行うことは当業者の範囲内であると考えられる。従って、請求項だけに拘束されることを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2−フェニルエチルアルコールのアリールカルボン酸エステルである、フェニルエチルエステル中に可溶化される活性な又は機能を有する有機化合物の組成物。
【請求項2】
前記フェニルエチルエステルが2−フェニルエチルベンゾアート、2−フェニルエチルトルエートまたはジ−2−フェニルエチルフタラートである請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記活性化合物が固体の有機化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記活性な又は機能を有する化合物が自己医療(パーソナルケア)薬品、化粧品化合物、医薬化合物、農業用または工業用化合物である請求項1記載の組成物。
【請求項5】
日焼け止め組成物である請求項4記載の組成物。
【請求項6】
前記日焼け止め組成物が臨界波長及びUVA/UVB吸光度比の増加を示す、UVA及び/又はUVB化学化合物を含む請求項5記載の日焼け止め組成物。
【請求項7】
前記活性化合物が少なくとも20%(w/w)の量で可溶化される請求項5記載の日焼け止め組成物。
【請求項8】
前記活性物質がアボベンゾン又はベンゾフェノン-3である請求項5記載の日焼け止め組成物。
【請求項9】
前記活性物質がアボベンゾンまたはベンゾフェノン-3である請求項7記載の日焼け止め組成物。
【請求項10】
前記活性化物質が、アボベンゾン、ベソフェノン-3、パラアミノ安息香酸(PABA)、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート、ホモサラート、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、テレフタリデンジカンファースルホン酸、ベンジリデンカンファースルホン酸、オクトクリレン、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、エチルヘキシルメトキシシンナメート、ポリエチレングリコール-25(PEG-25)パラアミノ安息香酸、イソアミルパラメトキシシンナメート、エチルヘキシルトリアゾン、ドロムトリゾール(Drometrizole)トリシロキサン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、4−メチルベンジリデンカンファー、3-ベンジリデンカンファー、エチルヘキシルサリチラート、エチルヘキシルジメチルパラアミノ安息香酸、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、メチレンビス−ベンズトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、二ナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホナート、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、ポリシリコーン-15、及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項5記載の日焼け止め組成物。
【請求項11】
前記活性物質が、アボベンゾン、ベソフェノン-3、パラアミノ安息香酸(PABA)、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート、ホモサラート、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、テレフタリデンジカンファースルホン酸、ベンジリデンカンファースルホン酸、オクトクリレン、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、エチルヘキシルメトキシシンナメート、ポリエチレングリコール-25(PEG-25)パラアミノ安息香酸、イソアミルパラメトキシシンナメート、エチルヘキシルトリアゾン、ドロムトリゾール(Drometrizole)トリシロキサン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、4−メチルベンジリデンカンファー、3-ベンジリデンカンファー、エチルヘキシルサリチラート、エチルヘキシルジメチルパラアミノ安息香酸、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、メチレンビス−ベンズトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、二ナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホナート、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、ポリシリコーン-15からなる群から選択される請求項7記載の日焼け止め組成物。
【請求項12】
前記活性な又は機能を有する有機化合物が、フロセミド、ロバスタチン、クラリスロマイシン、ジクロフェナク、ファモチジン、カルバマゼピン(Carbamaxepine)、ジピリダモール、クロルチアジド(Chlorthiazide)、スピロノラクトン、ジランチン、イミプラミン、メルフロキン(Melfloquine)、サイクロスポリン、グリブリド、ニモジピン及びこれらの混合物からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
【請求項13】
前記活性なまたは機能を有する有機化合物が、化粧品化合物、医薬化合物、農業化合物、工業化合物からなる群から選択される請求項1記載の組成物。
【請求項14】
紫外線フィルター、化粧品化合物及び医薬化合物からなる群から選択される少なくとも2つの活性な又は機能を有する有機化合物を含む請求項1記載の組成物。
【請求項15】
紫外線フィルター化合物及び医薬化合物を含む請求項1記載の組成物。
【請求項16】
アボベンゾン、ベソフェノン-3、パラアミノ安息香酸(PABA)、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート、ホモサラート、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、テレフタリデンジカンファースルホン酸、ベンジリデンカンファースルホン酸、オクトクリレン、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、エチルヘキシルメトキシシンナメート、ポリエチレングリコール-25(PEG-25)パラアミノ安息香酸、イソアミルパラメトキシシンナメート、エチルヘキシルトリアゾン、ドロムトリゾール(Drometrizole)トリシロキサン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、4−メチルベンジリデンカンファー、3-ベンジリデンカンファー、エチルヘキシルサリチラート、エチルヘキシルジメチルパラアミノ安息香酸、ベンゾフェノン-4、ベンゾフェノン-5、メチレンビス−ベンズトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、二ナトリウムフェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホナート、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェノールトリアジン、ポリシリコーン-15、及びこれらの混合物からなる群から選択された紫外線フィルター化合物、及び、フロセミド、ロバスタチン、クラリスロマイシン、ジクロフェナク、ファモチジン、カルバマゼピン(Carbamaxepine)、ジピリダモール、クロルチアジド(Chlorthiazide)、スピロノラクトン、ジランチン、イミプラミン、メルフロキン(Melfloquine)、サイクロスポリン、グリブリド、ニモジピン、及びこれらの混合物からなる群から選択された医薬化合物を含む請求項15記載の組成物。
【請求項17】
2−フェニルエチルアルコールと、アリールカルボン酸、アリールカルボン酸エステル又はアリールカルボン酸無水物を酸触媒と共に加熱すること、及び産物を回収することからなる、2−フェニルエチルベンゾアート、トルエートまたはフタラートの製造方法。
【請求項18】
前記アリールカルボン酸が安息香酸、オルト若しくはパラ−メチル安息香酸若しくはフタル酸、又はそれらのエステル若しくは無水物である請求項17記載の製造方法。
【請求項19】
前記酸触媒がシュウ酸スズ又は有機スズ酸化物である請求項17記載の製造方法。
【請求項20】
2−フェニルエチルアルコールのアリールカルボン酸エステルであるフェニルエステル中で可溶化される、活性な又は機能を有する有機化合物を含む製剤。
【請求項21】
自己医療(パーソナルケア)製剤、化粧品製剤、医薬製剤、農業用または工業用製剤である請求項20記載の製剤。
【請求項22】
効果的に前記化合物を送達する請求項1記載の製剤。
【請求項23】
日焼け止め又は日焼け止めを含む製剤である請求項20記載の製剤。

【公表番号】特表2007−518689(P2007−518689A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−520165(P2006−520165)
【出願日】平成16年6月2日(2004.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/017500
【国際公開番号】WO2005/009341
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(596121138)アイエスピー インヴェストメンツ インコーポレイテッド (24)
【氏名又は名称原語表記】ISP INVESTMENTS INC.
【Fターム(参考)】