説明

活性酸素検出装置および活性酸素検出方法

【課題】光触媒反応等によって生成した活性酸素を、大気中をはじめ様々な反応環境場において検出する活性酸素検出装置および活性酸素検出方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一分子の活性酸素と少なくとも1つの蛍光プローブとの反応によって生成する生成物に対し、前記生成物を励起する励起光(7)を照射する照射部(10)と、前記生成物に励起光(7)を照射することによって発生する蛍光(14)を検出する検出部(11)とを備える活性酸素検出装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性酸素と蛍光プローブとの反応により得られる生成物の蛍光観察により活性酸素を検出する活性酸素検出装置および活性酸素検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一重項酸素(1O2)やヒドロキシルラジカル(・OH)等の活性酸素は、二酸化チタン(TiO2)に代表される光触媒反応において生成する重要な反応活性種である。また、活性酸素は皮膚等への紫外光照射によって発生し、光老化の原因となっていると考えられている。これまで、液中で生成した活性酸素を検出する方法は、選択的に反応する蛍光プローブ(特許文献1等参照)の開発や1O2からの発光を直接検出する手法の開発により確立されつつある。
【特許文献1】特開2000−321262号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、固体触媒表面等から大気中へ拡散した活性酸素を高感度に検出する方法は未だ開発されていない。その主な理由としては、大気中の活性酸素濃度が非常に希薄であることや、大気中で種々の活性酸素と選択的に反応する蛍光プローブが開発されていないこと等が挙げられる。
【0004】
本発明は、光触媒反応等によって生成した活性酸素を、大気中をはじめ様々な反応環境場において検出する活性酸素検出装置および活性酸素検出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の活性酸素検出装置は、少なくとも一分子の活性酸素を検出する活性酸素検出装置であって、前記少なくとも一分子の活性酸素と少なくとも1つの蛍光プローブとの反応によって生成する生成物に対し、前記生成物を励起する励起光を照射する照射部と、前記生成物に前記励起光を照射することによって発生する蛍光を検出する検出部とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の活性酸素検出方法は、少なくとも一分子の活性酸素を検出する活性酸素検出方法であって、前記少なくとも一分子の活性酸素と少なくとも1つの蛍光プローブとの反応によって生成する生成物に対し、前記生成物を励起する励起光を照射する照射ステップと、前記生成物に前記励起光を照射することによって発生する蛍光を検出する検出ステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の活性酸素検出装置および活性酸素検出方法によれば、例えば所定の距離以上に伝播しない励起光を生成物に照射するため、低強度の背景光で蛍光を観察できる。よって、活性酸素の濃度が希薄な反応環境場においても高感度で活性酸素を検出することができる。そのため、大気中をはじめ様々な反応環境場に適用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の活性酸素検出装置は、少なくとも一分子の活性酸素を検出する活性酸素検出装置であって、前記少なくとも一分子の活性酸素と少なくとも1つの蛍光プローブとの反応によって生成する生成物に対し、前記生成物を励起する励起光を照射する照射部と、前記生成物に前記励起光を照射することによって発生する蛍光を検出する検出部とを備える。
【0009】
例えば、本発明の活性酸素検出装置は、活性酸素と蛍光プローブとの反応により得られる生成物の蛍光観察により、活性酸素を検出する検出装置であって、上記生成物に対し、照射部により所定の距離以上に伝播しない励起光を照射することにより、上記生成物から発せられる蛍光を検出部により観察して活性酸素をその場で検出する。よって、活性酸素の濃度が希薄な反応環境場においても高感度で活性酸素を検出することができる。そのため、大気中をはじめ様々な反応環境場に適用することができる。
【0010】
上記照射部としては、例えばレーザ照射装置等が使用できる。なお、「所定の距離以上に伝播しない励起光」を照射する照射装置は、所定の距離以上に伝播しない励起光を直接発する照射装置であってもよいし、後述するように基板等に光を照射することによって、所定の距離以上に伝播しない励起光を発生させる照射装置であってもよい。
【0011】
上記検出部としては、例えば、蛍光顕微鏡と高感度CCDカメラ等から構成される蛍光観察装置等が使用できる。特に、全反射蛍光顕微鏡(TIRFM)を用いることにより、極低強度の背景光で蛍光観察できるため、検出感度を向上させることができる。また、上記蛍光観察装置が分光器を備えることにより、単一分子レベルでの蛍光スペクトルの測定も可能となる。観察する発光特性としては、蛍光強度の変化、スペクトルシフト等が挙げられる。更に、上記蛍光観察装置が蛍光の輝点の個数を計測する計測部を備えることにより、活性酸素の個数を検出することができる。なお、上記高感度CCDカメラとしては、例えば浜松ホトニクス社製C3077-70等が使用できる。また、上記全反射蛍光顕微鏡としては、例えばオリンパス社製IX71等が使用できる。また、上記分光器としては、例えばアクトンリサーチ社製SP-2356等が使用できる。
【0012】
上記励起光は、所定の距離以上に伝播しない光であって上記生成物を励起させることができる光が好ましい。ここで、上記「所定の距離」は、上記生成物の蛍光観察を行う上で障害とならない程度であればよく、例えば、上記励起光の波長以下の距離であればよい。通常の場合、数百nm以下の距離であれば、蛍光観察を行う上で励起光の影響は殆どない。
【0013】
上記励起光の具体例としては、エバネッセント光、プラズモン、共焦点レーザ光等が例示できる。特に、エバネッセント光は、定在波として、励起された上記生成物の極近傍に留まるため、極低強度の背景光で蛍光観察できる。
【0014】
本発明における活性酸素とは、活性酸素を放出する物質も含む。本発明によれば、例えば、スーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロキシルラジカル、ハイドロペルオキシラジカル、過酸化水素、一重項酸素、一酸化窒素、二酸化窒素、オゾン、過酸化脂質等の活性酸素種を検出できる。本発明における活性酸素は、これらの活性酸素種を含む。活性酸素の生成過程については、ポルフィリンやフラーレン等の励起三重項増感剤から三重項酸素へのエネルギー移動反応や光触媒反応等が挙げられる。
【0015】
本発明で用いる蛍光プローブは特定の活性酸素に対し高い反応活性を有している必要がある。上記蛍光プローブとしては、多環芳香族化合物、キサンテン系色素、シアニン系色素等の蛍光プローブ種が例示できる。中でも多環芳香族化合物は、一重項酸素と選択的に環状付加反応を起こし、その発光特性が大きく変化することが知られている。多環芳香族化合物としては、アントラセン類、ペンタセン類、テリレン類等が挙げられる。特に、テリレンジイミド誘導体は、一重項酸素との反応生成物が605nm近傍に非常に強い蛍光を示すことから、容易に一重項酸素の検出を行うことができる。
【0016】
本発明では、複数種の蛍光プローブを用いてもよい。同時に複数種の活性酸素を検出することができるからである。また、異なる蛍光プローブ間のエネルギー移動や電子移動を利用した活性酸素の間接的検出等も実現できる。
【0017】
本発明では、上記生成物から発せられる蛍光を単一分子レベルで観察してもよい。活性酸素の空間分布が得られるからである。単一分子レベルで観察する方法の具体例としては、蛍光プローブをガラス基板等の基板の一主面に配置した後、上記生成物から発せられる蛍光を上記検出部により観察する方法や、無機化合物や有機化合物からなる単一のチューブ状、籠状又は層状構造体の内部又は外部において生成した活性酸素を蛍光プローブと反応させて、この反応生成物から発せられる蛍光を上記検出部により観察する方法等が例示できる。なお、本発明は、活性酸素を単一分子レベルで検出する場合以外に、活性酸素の集合体を検出する場合にも使用できる。
【0018】
本発明において、蛍光プローブを基板の一主面に配置する場合は、上記基板の上記一主面とは反対側の主面から上記励起光の発生源となる光(レーザ光等)を照射することが好ましい。上記発生源となる光の一部が上記基板を通過して上記一主面上にエバネッセント光として定在するため、極低強度の背景光で蛍光観察できるからである。なお、上記基板の厚みは、例えば0.12〜0.17mm程度であればよい。
【0019】
蛍光プローブを基板の一主面に配置する方法は特に限定されないが、例えば蛍光プローブを上記基板の上記一主面に塗布する方法が例示できる。この場合、蛍光プローブからなる膜の厚みが、例えば10〜50nm程度となるように塗布すると、上記生成物の単一分子レベルでの蛍光観察が容易となるため好ましい。なお、上記一主面上に他の材料(例えば樹脂等)を介して蛍光プローブを塗布してもよい。
【0020】
蛍光プローブを基板の一主面に配置する方法として、蛍光プローブを上記基板の上記一主面に化学的に修飾してもよい。例えば、上記基板としてアミノ基やチオール基を表面修飾したカバーガラス等のガラス基板を用いる場合は、サクシニミジルエステル基やマレイミド基等の置換基を導入した蛍光プローブを用い、この蛍光プローブをアセトニトリル等の溶媒に溶解させた後、この溶液(温度:20〜25℃)に上記ガラス基板の一主面を接触させることにより上記一主面に蛍光プローブを化学的に修飾することができる。この場合、蛍光プローブが単分子膜状に基板上に配置されるため、上記生成物の単一分子レベルでの蛍光観察がより容易となる。なお、この場合は、蛍光プローブの上記基板からの解離や反応環境場中での拡散運動等から間接的に活性酸素を検出することも可能である。
【0021】
本発明において活性酸素が生成又は拡散する反応環境場としては、固体媒体、液体媒体、気体媒体、高分子、超分子、生体関連組織等の媒体中、又は、上記媒体の表面や、相違する上記媒体間の界面等が挙げられる。例えば、本発明の検出装置は、固体触媒表面から大気中に拡散した気体の活性酸素を検出する。
【0022】
上記固体媒体としては、無機化合物や有機化合物からなるナノ材料やマイクロ材料(例えば、ナノ粒子、ナノチューブ、ナノファイバー、マイクロ結晶等)、あるいはガラス等が挙げられる。上記液体媒体としては、各種有機溶媒、水、イオン性液体、ミセル溶液等の流動性を有する液体が挙げられる。上記気体媒体としては、酸素が存在する雰囲気であれば、特に限定されない。上記高分子としては、各種樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ナフィオン等)が挙げられる。上記超分子としては、デンドリマー、DNA、RNA等が挙げられる。上記生体関連組織としては、細胞、脂質二重膜、皮膚等が挙げられる。
【0023】
次に、本発明の活性酸素検出方法について説明する。なお、本発明の活性酸素検出方法は、上述した本発明の活性酸素検出装置を用いた活性酸素検出方法である。よって、上記と重複する内容については省略する。
【0024】
本発明の活性酸素検出方法は、少なくとも一分子の活性酸素と少なくとも1つの蛍光プローブとの反応によって生成する生成物に対し、前記生成物を励起する励起光を照射する照射ステップと、前記生成物に前記励起光を照射することによって発生する蛍光を検出する検出ステップとを含むことを特徴とする活性酸素検出方法である。例えば、本発明の活性酸素検出方法は、活性酸素と蛍光プローブとの反応により得られる生成物の蛍光観察により、活性酸素を検出する検出方法であって、上記生成物に対し、所定の距離以上に伝播しない励起光を照射することにより、上記生成物から発せられる蛍光を観察して活性酸素をその場で検出する。
【実施例】
【0025】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではない。また、参照する図面においては、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の符号で示し、重複する説明を省略する場合がある。
【0026】
(実施例1)
実施例1は、TiO2の光触媒反応において生成した一重項酸素(1O2)を、テリレンジイミド誘導体(TDI)を用いて単一分子レベルで検出する方法の一例である。参照する図1A〜Dは、実施例1の検出方法における1O2の検出機構を説明するための説明図であり、図2は、実施例1の検出方法を実現する検出装置の模式図である。
【0027】
反応前のTDI(図1A参照)はレーザ(ここでは波長532nm)の照射により、およそ670nmに弱い蛍光を示す。一方、TDIに1O2が環状付加したTDI endoperoxideは、熱的又は光化学的にジエポキシド体(TDI diepoxide)となる(図1B参照)。最終生成物であるTDI diepoxideは、605nm近傍に非常に強い蛍光を示すことから、容易に単一分子レベルでの検出を行うことができる。即ち、TDIと1O2との反応の前後で、全反射蛍光顕微鏡と高感度CCDカメラにより蛍光観察すると、図1Cの状態から図1Dの状態へと輝点が増加する。この輝点の1つ1つがTDI diepoxideの単一分子からの蛍光を示すため、単一分子レベルでの検出を行うことができる。なお、上記反応は、多環芳香族化合物と一重項酸素において観測される固有の反応である。以下、実施例1の検出方法(検出装置)の詳細について、図2を参照しながら説明する。
【0028】
まず、厚みが0.12〜0.17mmのカバーガラス1を洗浄液(アズワン社製クリーンエース)に浸漬し、その表面を3時間超音波洗浄した。このカバーガラス1の表面に、ポリメチルメタクリレート(PMMA)のトルエン溶液をスピンコートし、厚みが約14nmで面積が18×18mm2のPMMA薄膜2を製膜した。次に、TDIのクロロホルム溶液(3nM)をPMMA薄膜2上に40μLスピンコートし、観察試料(以下、サンプル薄膜とする。)を作製した。なお、上記サンプル薄膜において、TDIがPMMA薄膜2の表面に形成された凹凸の凹部内に配置されるため、PMMA薄膜2の表面の凸部がヒドロキシルラジカル(後述する光触媒反応で生成する)を捕捉することにより、TDIとヒドロキシルラジカルとの反応を抑制できる。
【0029】
次に、TiO2ナノ粒子のエタノール分散溶液をスライドガラス3上にスピンコートし、TiO2薄膜4を製膜した。このTiO2薄膜4へ紫外光5を照射することにより光触媒反応を誘起し、1O2を生成させた。生成した1O2はTiO2薄膜4から大気中へ拡散することにより、一定の間隙D(12.5〜2000μm)を設けたサンプル薄膜まで到達し、TDIと環状付加反応した。これと同時に、カバーガラス1のPMMA薄膜2とは反対側の主面に対し、50〜60度の入射角でレーザ照射装置10から連続波長レーザ6(波長532nm、強度50mW)を照射してエバネッセント光7を発生させ、このエバネッセント光7によって反応生成物であるTDI diepoxideを励起させて、その蛍光を蛍光観察装置11によって単一分子レベルで観察することにより1O2を検出することができた。ここでは、蛍光観察装置11として、蛍光顕微鏡12と高感度CCDカメラ13を含む蛍光観察装置を使用した。
【0030】
なお、間隙Dを樹脂等で作製したスペーサーによって調節することにより、1O2の最高到達距離を決定することができる。また、スライドガラス3に空孔3aを設けることにより、任意の酸素濃度ガスをTiO2薄膜4とサンプル薄膜との間に導入することができる。
【0031】
(実施例2)
実施例1と同様の条件でサンプル薄膜を作製し、このサンプル薄膜のPMMA薄膜2(図2参照)上に1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを塗布した後、実施例1と同様の条件で蛍光観察した。その結果、TDI diepoxideの生成が大幅に抑制されることを確認した。これは、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンが1O2を捕捉したことによるものと考えられる。また、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンを塗布する代わりに、反応系内にアルゴンガスを導入することによっても、TDI diepoxideの生成が大幅に抑制されることを確認した。これは、アルゴンガスが酸素を反応系外へ追い出して、1O2の発生を抑制したことによるものと考えられる。
【0032】
(実施例3)
実施例3は、フラーレンナノ粒子(C60NP)の光励起によって生成した1O2を、TDIを用いて単一分子レベルで検出する方法の一例である。参照する図3は、実施例3の検出方法を実現する検出装置の模式図である。
【0033】
まず、厚みが0.12〜0.17mmのカバーガラス1を洗浄液(アズワン社製クリーンエース)に浸漬し、その表面を3時間超音波洗浄した。このカバーガラス1の表面に、TDI及びC60NPを含むクロロホルム溶液(TDIの濃度:3nM、C60NPの濃度:0.01gmL-1)を40μLスピンコートし、観察試料(以下、サンプル薄膜とする。)を作製した。そして、カバーガラス1の上記クロロホルム溶液がスピンコートされた主面とは反対側の主面に対し、50〜60度の入射角でレーザ照射装置10から連続波長レーザ6(波長532nm、強度50mW)を照射してエバネッセント光7を発生させ、このエバネッセント光7によってTDI及びC60NPを同時に励起させた。これにより、C60NPの励起三重項状態から大気中の三重項酸素へエネルギーが移動して1O2が生成し、生成した1O2がTDIと反応した。そして、反応生成物であるTDI diepoxideをエバネッセント光7により励起させて、その蛍光を蛍光観察装置11によって単一分子レベルで観察することにより1O2を検出することができた。なお、C60NPの代わりにカーボンナノチューブを用いても同様に1O2を検出することができた。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、様々な反応系における極低濃度の活性酸素の検出に有用である。したがって、光触媒はもちろん化粧品等の性能評価や製品開発に直結する発明である。また、本発明は大気中のみならず、種々の固体媒体、液体媒体、気体媒体、高分子、超分子、生体関連組織等の内部、表面及びそれらの界面等、あらゆる反応環境場において実施可能であり、多くの学術分野及び産業界への応用展開が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】A〜Dは、本発明の実施例1の検出方法における1O2の検出機構を説明するための説明図である。
【図2】本発明の実施例1の検出方法を実現する検出装置の模式図である。
【図3】本発明の実施例3の検出方法を実現する検出装置の模式図である。
【符号の説明】
【0036】
1 カバーガラス
2 PMMA薄膜
3 スライドガラス
3a 空孔
4 TiO2薄膜
5 紫外光
6 連続波長レーザ
7 エバネッセント光
10 レーザ照射装置
11 蛍光観察装置
12 蛍光顕微鏡
13 高感度CCDカメラ
14 蛍光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一分子の活性酸素を検出する活性酸素検出装置であって、
前記少なくとも一分子の活性酸素と少なくとも1つの蛍光プローブとの反応によって生成する生成物に対し、前記生成物を励起する励起光を照射する照射部と、
前記生成物に前記励起光を照射することによって発生する蛍光を検出する検出部とを備えることを特徴とする活性酸素検出装置。
【請求項2】
前記励起光は、所定の距離以上に伝播しない光である請求項1に記載の活性酸素検出装置。
【請求項3】
前記励起光は、エバネッセント光、プラズモン及び共焦点レーザ光のうちの1つである請求項1又は2に記載の活性酸素検出装置。
【請求項4】
前記少なくとも一分子の活性酸素は、気体である請求項1に記載の活性酸素検出装置。
【請求項5】
前記検出部は、前記蛍光を単一分子レベルで検出する請求項1に記載の活性酸素検出装置。
【請求項6】
前記蛍光プローブは、多環芳香族化合物である請求項1に記載の活性酸素検出装置。
【請求項7】
前記多環芳香族化合物は、テリレンジイミド誘導体である請求項6に記載の活性酸素検出装置。
【請求項8】
前記検出部は、前記蛍光の輝点の個数を計測する計測部を備える請求項1に記載の活性酸素検出装置。
【請求項9】
前記少なくとも一分子の活性酸素は、少なくとも1種の活性酸素種で構成されており、
前記少なくとも1種の活性酸素種は、スーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロキシルラジカル、ハイドロペルオキシラジカル、過酸化水素、一重項酸素、一酸化窒素、二酸化窒素、オゾン及び過酸化脂質からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の活性酸素検出装置。
【請求項10】
前記活性酸素検出装置は、基板を更に備え、
前記少なくとも1つの蛍光プローブは、前記基板の一主面に配置されている請求項1に記載の活性酸素検出装置。
【請求項11】
前記活性酸素検出装置は、基板を更に備え、
前記少なくとも1つの蛍光プローブは、前記基板の一主面に配置されており、
前記照射部は、前記基板の前記一主面とは反対側の主面から前記励起光を照射する請求項1に記載の活性酸素検出装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの蛍光プローブは、少なくとも1種の蛍光プローブ種で構成されている請求項1に記載の活性酸素検出装置。
【請求項13】
前記検出部は、全反射蛍光顕微鏡を備える請求項1に記載の活性酸素検出装置。
【請求項14】
少なくとも一分子の活性酸素を検出する活性酸素検出方法であって、
前記少なくとも一分子の活性酸素と少なくとも1つの蛍光プローブとの反応によって生成する生成物に対し、前記生成物を励起する励起光を照射する照射ステップと、
前記生成物に前記励起光を照射することによって発生する蛍光を検出する検出ステップとを含むことを特徴とする活性酸素検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−128905(P2008−128905A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−316047(P2006−316047)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(801000061)財団法人大阪産業振興機構 (168)
【出願人】(504176911)国立大学法人大阪大学 (1,536)
【Fターム(参考)】