説明

流体の混合を円滑にするための装置および方法

流体の混合を円滑にするための装置であって、流体を薬剤と混合するため混合室と流体的に連通する第1の流体チャネルを備え、混合室が薬剤を混合室内に分注するための分注装置を備える装置が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体の混合を円滑にするための装置および方法に関する。より具体的には、本発明は、流体をアロマセラピー、水治療法、およびシャワー浴で使用するための薬剤と混合する段階を円滑にする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人々は、臭覚によって感知または検知されるべき薬剤の使用を含めて、健全、健康を促進するさまざまなアプローチ、および病気への治療的なアプローチをとる。また、人々は、水を利用して、例えば水治療法を用いて、身体健康の促進を補助し、または風邪または他のそのような病気の症状の解消を補助する。
【0003】
例えば、アロマセラピーは、エッセンシャルオイルとして加工された植物のエキスを使用して、例えば、人体内のバランスをとる、免疫系を増強する、病気を予防または最低限度に抑える、神経を鎮める、集中力持続時間を延ばす、などの治療的有用性をもたらすものである。
【0004】
しかし、アロマセラピーは、臭覚だけに依存しているわけではない。アロマセラピーで使用されるエッセンシャルオイルは、それぞれの治療効果をもたらすエステル、フェノールなどの成分からなる。各エッセンシャルオイルは、身体と相互作用する、成分の独自の組み合わせを有する。成分同士の相互作用は、身体に対して薬効をもたらす。例えば、薬効の1つは、エッセンシャルオイルがマッサージで使用される場合の血液循環の改善および疲労筋肉の弛緩である。
【0005】
アロマセラピーに使用される一般的な技術は、以下のとおりである。
・ エッセンシャルオイルを所望の(複数の)身体部位にすり込む段階。
・ 温/冷圧定布:適切な量のエッセンシャルオイルを圧定布に加え、好ましい温度に維持した状態で圧定布を(複数の)所望の身体部位に貼り付ける段階。圧定布は、例えば、エッセンシャルオイルと混ぜた、温水または冷水に浸した布とすることができ、これをくるぶしまたはひざなどの身体の患部に当てがう。圧定布の他の例は、湿布薬である。
・ 洗面器またはボウルに張った温水を使用してオイルを揮発させることによってエッセンシャルオイルを吸入する段階。
・ アロマバーナーを使用してオイルを揮発させることによってエッセンシャルオイルを吸入する段階。
・ 水にエッセンシャルオイルを数滴加えた風呂に入る段階。
・ 吸収材料にエッセンシャルオイルを数滴加えた吸収材料から直接吸入する段階。
【0006】
アロマセラピーは、温泉療法で使用することができ、そこでは、人々がリラクセーションのためにアロマオイルを混ぜた浴槽に浸かって、ストレスを和らげ、アロマセラピーの治療特性を活かす。全身泥パック、減量プログラムなどの、温泉での他の治療法も、アロマセラピーの利用に依存する。
【0007】
温泉での1回のセッションに、約1〜2時間、またはそれ以上の時間がかかる場合がある。このセッションの後に、使用者は、通常、きれいな水のシャワーを浴びて、エッセンシャルオイルまたはアロマオイルを混ぜた浴槽に浸かっていて付いた残留物をすすぎ落とす。忙しい生活を送っている消費者は、温泉セッションを時間がかかるものと考える可能性がある。また、定期的な温泉療法を求めるには、費用がかかる。
【0008】
家庭では、消費者が風呂でエッセンシャルオイルを使用したい場合、浴槽が必要になる。浴槽のない家庭では、消費者は温泉に行かなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、アロマセラピー、薬物療法、習慣的入浴のための従来の温泉に代わる手段、または時間があまりかからず、より経済的で、それにも関わらず温泉と同じ治療特性および有益な特性をもたらすようなものを提供することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、流体の混合を円滑にするための装置が実現され、この装置は流体を薬剤と混合させるため混合室と流体的に連通する第1の流体チャネルを備え、混合室は、薬剤を混合室内に分注するための分注装置を備える。
【0011】
「流体」は、無限にひずみを起こすことなく一様等方圧力のみが支持されうる物質の状態、例えば、酸素などを含むガスまたは水などを含む液体を含むことが意図されている。
【0012】
「薬剤」は、臭覚によって感知されうるガス、液体、または固体を含むことが意図されている。薬剤が流体である場合、薬剤は、エッセンシャルオイル、ハイドロレート、フレグランスオイル、浸出油、香水、およびヒドロゾルからなる群から選択された流体とすることができる。
【0013】
「ハイドロレート」は、植物の蒸気蒸留が完了した後に使い残される最終的な水副産物を含むことが意図されている。ハイドロレートは最初に静止状態から出たときに、多くの場合その後しばらくの間、さまざまな植物性物質と水に溶解されているエッセンシャルオイルの量と性質とにより少し乳状になっている。
【0014】
「ヒドロゾル」は、アロマ治療目的のために植物性物質の蒸気蒸留もしくはハイドロ蒸留を行ったときに生じる凝縮水副産物を含むことが意図されている。通常は、蒸留は、植物性物質中に含まれるエッセンシャルオイルを得るために実行されるが、ときどき、蒸留は、結果として生じる植物水を特に生成するために実行される。
【0015】
「混合」は、流体とともに1つまたは複数の薬剤を放出する段階、流体とともに1つまたは複数の薬剤を伝達する段階、流体と1つまたは複数の薬剤とを混ぜる段階、または流体と1つまたは複数の薬剤とをブレンドする段階を含むことが意図されている。薬剤が固形の場合、流体と固形薬剤との混合は、流体と塩、ハーブ、または他の固形物との混合を意味する。例えば、塩が流体中に溶解(混合)される場合、混合された流体は、塩の「エキス」を有する。例えば、流体中に混合されているハーブまたは花などの固形薬剤が流体中に溶けない場合、混合された流体は、ハーブまたは花の「エキス」を有する。
【0016】
「混合室」は、任意の空間、チャネルの一部、区画、キャビティ、チャネル、または混合を許すようなものを含むことが意図されている。
【0017】
「分注装置」は、薬剤を混合室内に導入する機能を含むことが意図されている。
【0018】
薬剤が、異なる粘度または密度を有する流体である場合、または薬剤が、水などの流体中に溶けない場合、混合とは、例えば温泉の浴槽では薬剤が水に溶解せず、エッセンシャルオイルの液滴が浴槽内で混合されることを意味する。エッセンシャルオイル液滴は、水に浮かび、水によって使用者へと運ばれるので、水はエッセンシャルオイルの液滴を有し、これによりシャワーは通常の水のシャワーと異なることになる。有利には、使用者は、水中に存在するエッセンシャルオイル液滴からの結果として香り入りのシャワーを楽しむ。
【0019】
好ましくは、装置は、第2の流体チャネルおよび第1または第2の流体チャネルへの流体の流れを選択するための流体チャネルセレクタをさらに備える。
【0020】
有利には、装置の使用者は、混合流、つまり、薬剤と混合された流体、または非混合流、つまり、薬剤と混合されない流体を有するオプションを持つ。
【0021】
好ましくは、流体チャネルセレクタは、第1の位置から第2の位置への流体入口の周りの弁であり、第1の位置では、流体を第1の流体チャネルに流すことができ、第2の位置では、流体を第2の流体チャネルに流すことができる。
【0022】
好ましくは、第1の流体チャネルは、流体チャネルセレクタと混合室との中間にある。
【0023】
好ましくは、分注装置は、分注装置によって分注される薬剤を収納するための吸収部材を備え、吸収部材は混合室内の流体と接触している。
【0024】
好ましくは、吸収部材は、スポンジ、布地、木綿、紙、および吸収性ポリマーからなる群から選択される材料から作られる。
【0025】
好ましくは、分注装置内の薬剤は、電子的手段によって混合室内に分注される。分注装置は、薬剤を分注するために突入または押し込み運動を行う機械的デバイスを備えることができる。
【0026】
好ましくは、電子的手段は、タイマーおよび薬剤を所定の間隔で分注するためタイマーに電気的に接続されるプレス装置を備える。
【0027】
好ましくは、混合室は、複数の分注装置を備え、各分注装置は異なる薬剤を分注する。
【0028】
好ましくは、薬剤は、エッセンシャルオイル、ハイドロレート、フレグランスオイル、浸出油、香水、ヒドロゾル、液体、ビタミン、健康栄養補助食品、牛乳、ビール、シャンパンからなる群から選択される。
【0029】
好ましくは、第1の流体チャネルは、第1の流体チャネル内の薬剤もしくは薬剤と混合された流体が第2の流体チャネルに入るのを防ぐための弁をさらに備える。
【0030】
好ましくは、装置の出口は、シャワーヘッドに解放可能なように取り付けられ、流体はその装置から出て、シャワーヘッドに入る。シャワーヘッドから出る流体は、意図されているとおりに使用者に向けられる。
【0031】
好ましくは、装置は、混合室で混合されるか、または混合室内に導入される流体を加熱する加熱素子をさらに備える。
【0032】
あるいは、装置は、給湯装置内に組み込まれ、装置内で混合されるか、または装置内に導入される流体は、給湯装置によって加熱することができる。
【0033】
好ましくは、装置の出口は、シャワーヘッドに解放可能なように取り付けられる。
【0034】
好ましくは、装置の出口は、ホースによってシャワーヘッドに解放可能なように取り付けられる。
【0035】
好ましくは、第1の流体チャネルは、流体と混合するために薬剤を収納するハウジングを備える。
【0036】
好ましくは、薬剤は、ハーブ、花、エプソム塩、シャワーソルト、入浴剤、pHレベル化合物、活性炭、ビタミンからなる群から選択される。
【0037】
好ましくは、薬剤は、流体がハウジング内を流れるときにハウジング内に保持される。
【0038】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による装置を使用するシャワーを構成するための方法が提供される。
【0039】
有利には、本発明では、家庭の設備内にアロマティックシャワーを備え、これで、1日を活気づけてストレスまたは不安感を和らげ、および/または人の免疫系のバランスをとる。
【0040】
有利には、本発明を使用することで、使用者は、自分の気分や希望に合わせて流体と混合するための薬剤を選択することによって自分独自の個人的アロマセラピーを経験することができる。
【0041】
本発明が完全に理解できるように、またすぐに実用上の効果をもたらすことができるように、次に、非限定的な実例を用いて、本発明の好ましい実施形態のみを説明するものとするが、この説明は付属の例示的な図面を参照する。図面の説明を以下に示す。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】従来のシャワーユニットとともに使用する場合の本発明の一実施形態のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を示す上面図である。
【図3】本発明の実施形態を示す側面図である。
【図4】本発明の実施形態の分注装置を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態を示す上面図である。
【図6】混合流モードにおける本発明の一実施形態を示す図である。
【図7】非混合流モードにおける本発明の一実施形態を示す図である。
【図8】実施形態を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、シャワーヘッド4を有する従来のシャワーユニット2内で使用する際の第1の実施形態による装置10を示している。第1のホース6は、装置10をシャワーユニット2の蛇口8に接続する。装置10は、第2のホース9を介してシャワーヘッド4に接続される。装置10は、カバー7を備えることができる。カバー7は、例えば、会社ロゴなどの装飾的特徴の印刷または動作指示用の照明デバイスの設置または同様の活動などの販売、広告、または化粧のために使用される。
【0044】
図2および3を参照すると、装置10は、流体16を薬剤18と混合するために混合室14と流体的に連通する第1の流体チャネル12を備える。混合室14は、任意の空間、チャネルの一部、区画、キャビティ、チャネル、または混合を許すようなものとしてよい。この例では、流体18は、シャワー用の水である。しかし、流体18は、空気または純酸素などのガスであってもよい。混合室14は、薬剤18を混合室14内に分注するための分注装置20を備える。装置10は、分注装置20を混合室14内に脱着可能なように挿入することができる溝を有するものとしてよい。薬剤18は、エッセンシャルオイル、ハイドロレート、フレグランスオイル、浸出油、香水、およびヒドロゾルからなる群から選択された任意の流体とすることができる。
【0045】
図3は、第1の流体チャネル12および混合室14を通る水の流れを例示している。
【0046】
装置10を使用する利点は、シャワーを浴びることが単に身体をきれいにする以上のことであるという点にある。使用者は、自分の気分や希望に合わせて流体と混合するための薬剤を選択することによって自分独自の個人的アロマセラピーを経験することができる。
【0047】
例えば、1日の始まりに弾みをつけるために、使用者はシャワーもしくは入浴に時間を費やしたくない。そこで、使用者は、頭脳に刺激を与え、頭の回転を速くし、集中力を高めるクールとリフレッシュの特性を持つペパーミントなどのエッセンシャルオイルを入れた分注装置20を選択することができる。同様に、働きづめの1日の終わりに、使用者は、ストレスと闘うために沈静とリラックスの特性を持つラベンダーなどのエッセンシャルオイルを入れた分注装置20を選択することによって緊張をほぐすことを選択することができる。
【0048】
図4は、分注装置20を詳細に示している。分注装置20は、薬剤18を収納するための容器22、プランジャ24、および出口26を備え、薬剤18は、この分注装置20から分注される。プランジャ24は、容器22の長手方向軸25に沿って移動可能である。吸収部材30が出口26のところに備えられ、吸収部材30は、混合室14内で流体16と流体的に連通するか、または接触している。吸収部材30は、スポンジ、布地、木綿、紙、および吸収性ポリマーからなる群から選択される材料で形成されうる。
【0049】
薬剤18を分注するために、プランジャ24を圧すと、薬剤18が吸収部材30を介して混合室14内に分注される。薬剤18は、拡散によって吸収部材30を介して混合室14内の流体16に導入される。出口直径27は、分注がしやすいようにしかるべく指定されるが、プランジャ24が圧されていないときに分注装置20からの薬剤28の漏れを防止することができる。
【0050】
代替的実施形態では、分注装置は、使用者によって、つまり、電子的手段または例えばプランジャを圧すことによる機械的手段によって開始されたときのみ混合室内に薬剤を分注する。有利には、装置から出る水は、使用者の選択の際に薬剤と混合してもよいし、混合しなくてもよい。
【0051】
プランジャ24が圧される回数および/または出口直径27は、分注する薬剤18の量を決める。あるいは、分注装置20内の薬剤18は、装置10に電気的に接続されている電子的手段によって混合室14内に分注することができる。電子的手段は、電子タイマーおよび薬剤18を所定の間隔で混合室14内に分注するため電子タイマーに電気的に接続されるプレス装置を備えることができる。プレス装置は、機械的レバーまたは機械的プランジャとしてよい。
【0052】
あるいは、2つまたはそれ以上の薬剤18をシャワーに混ぜたい使用者に対応するために、混合室14は、複数の分注装置20(図示せず)を備えることができ、複数の分注装置20のそれぞれが異なる薬剤を分注する。分注装置20は、エッセンシャルオイル、ハイドロレート、フレグランスオイル、浸出油、香水(無害のタイプ)、ヒドロゾル、または同様のものなどの薬剤18を収納することができる。好ましくは、エッセンシャルオイル、浸出油、ハイドロレート、およびヒドロゾルのみが、薬剤として使用される治療的有用性を備える。
【0053】
図5、6、7、および8は、第2の実施形態による装置40を示している。
【0054】
図5は、装置40の上面図である。装置40は、流体16を薬剤18と混合するために混合室44と流体的に連通する第1の流体チャネル42を有する。混合室44は、複数の分注装置45を備え、これら複数の分注装置45のそれぞれは、分注装置が、個別にもしくは同時に、作動されるか、または圧されたときに異なる薬剤を分注する。第1の実施形態における混合室14と同様に、この混合室44もただ1つの分注装置45を有することができる。
【0055】
各分注装置45は、薬剤18を混合室44内に分注する。第1の実施形態における分注装置20と同様に、分注装置45は、薬剤18を収納するための容器47、プランジャ49、および出口51を備え、薬剤18は、分注装置45から分注される。吸収部材52が出口51のところに備えられ、吸収部材52は、混合室44内で流体16と流体的に連通している。
【0056】
装置10と装置40との違いは、装置40が第2の流体チャネル46および第1の流体チャネル42または第2の流体チャネル46への流体の流れを使用者が選択することを可能にする流体チャネルセレクタ48をさらに備える点である。流体チャネルセレクタ48は、第1の位置103から第2の位置104への流体入口55の周りに弁54を備え、これにより流体入口55から第1の流体チャネル42または第2の流体チャネル46への流体16の流れを選択する。
【0057】
弁54は、手動で、または電気的に操作することができる。例えば、弁54が手動で操作される場合、流体チャネルセレクタ48は、第1の位置103と第2の位置104との間で弁54を動かすため弁54に取り付けられているハンドル56を備えることができる。弁54が、電気的に操作される場合、流体チャネルセクタ48は、制御ボタンに電気的に接続されている電子制御システムを備えることができる。使用者は、制御ボタンをアクティブにすることによって混合された水と混合されていない水のうちのいずれか一方を選択することができる。弁54は、流体入口55から第1の流体チャネル42または第2の流体チャネル46への流体16の流れを選択する機能を持つ、切替弁、ボール弁、バタフライ弁、またはプラグ弁もしくは当技術分野で知られているそのような弁としてよい。弁54は、使用者が混合されていない流体のみを望んでいる場合に混合された流体が出るのも防ぐ。
【0058】
宗教上の儀式もしくはしきたり、または伝統療法では、使用者は、ハーブ、花、エプソム塩、シャワーソルト、入浴剤、活性炭、ビタミンからなる群から選択される薬剤53を加えることを望んでいる場合がある。したがって、第1の流体チャネル42は、流体16を薬剤53と混合するための薬剤53を収納するハウジング43も備えることができる。
【0059】
混合室44内で混合されるか、または混合室44内に導入される水を加熱するため、加熱素子を装置40に組み込むことができる。あるいは、装置40を給湯装置内に組み込むことができ、混合室44内で混合されるか、または混合室44内に導入される流体16を、給湯装置によって加熱することができる。流体16、例えば、熱湯が、例えば、ハーブなどの薬剤53を収納するハウジング43を通ると、この熱湯はハーブと混合される。ハーブをハウジング43内を流れる水に浸すことによって、ハーブの香りが流水中に拡散し、香り付きシャワー効果を発する。ハーブは、ハウジング43内に保持されており、容器47を装置40から取り外し、ハーブを処分し、その後薬剤53を詰め替えることができる。ハウジング43は、容器47と容器開口部を囲むカバー49を備える。カバー49は、ハウジング43内にねじ込むか、または差し込むことができる。あるいは、一実施形態として、カバー49を容器47または容器47を含む形態にスナップ嵌めすることができる。
【0060】
第1の流体チャネル42は、流体チャネルセレクタ48と混合室44との中間にあるものとしてよい。第1の流体チャネル42は、第1の流体チャネル42内の薬剤もしくは薬剤と混合された流体が第2の流体チャネル46に入るのを防ぐための弁58を流体出口57のところにさらに備えることができる。弁58は、空気を詰めたボールとバネからなるものとしてよい。あるいは、空気を詰めたボールの代わりに、弁58は、例えば、逆円錐型のストッパーなどのストッパーを備えることができる。あるいは、弁58は、フリップ弁としてよい。あるいは、弁58は、流体流の向きを決めて弁58に通す円盤を備えることができる。
【0061】
図6および7は、それぞれ混合流体モード101および非混合流体モード102における装置40内での水の流れを示している。図6では、使用者が混合流体モード101を選択した場合、弁54が開き、これにより流体16、例えば、水が混合室44への第1の流体チャネル42内に流れ込むことが許され、チャネル46への直接的な水の流れが妨げられる。混合室44内では、薬剤18が中に吸収されている吸収部材52が、混合室44内の水16と接触している。混合室44内の流水16の作用により、薬剤18を水16と混合させることができる。流れている混合水がその力で弁58を押し通し、流体出口57を通過して流れ、シャワーヘッド4から出て、混合流が使用者に供給される。これにより、温泉での経験に似たシャワー効果が生み出され、芳香で使用者をリラックスさせるか、または使用者に刺激を与える。このシャワー効果は、使用者をリラックスさせ、免疫系に刺激を与えるのにも役立ち、使用者は、選択された薬剤18または53に応じて温泉またはアロマセラピーの他の望ましい有益な特性を経験することができる。
【0062】
混合流体101内でシャワーを浴びた後、使用者は、非混合シャワーで使用者の身体に付着している残留エッセンシャルオイルをすすぎ落とすことを決定することができる。装置40の利点の1つは、使用者が、非混合シャワーを浴びるのに別のシャワーデバイスを使用しなくて済む点である。図7では、使用者が、水だけなどの、非混合流体でシャワーすることを選択する場合、使用者はそれに応じて非混合流体モード102を選択する。弁54が開いて、流体16、つまり水が第2の流体チャネル46内に流れ込むのを許し、水がチャネル42に流れ込むのを防ぐ。第1の流体チャネル42内を流れる水の力なしで、弁58が出口57への流体流を閉じ、第1の流体チャネル42内の薬剤18もしくは薬剤18と混合された流体が第2の流体チャネル46に入るのを防ぐ。
【0063】
図8は、装置がカバー41で覆われているときの装置40の斜視図である。
【0064】
図9は、従来のシャワーユニット2内で使用する際の第3の実施形態による装置80を示している。使用者のニーズおよび用途に応じて、装置80は、装置10もしくは装置40に類似している。それに加えて、装置80は、シャワーヘッド4上でラッチするように適合されたプラグ83を備える。プラグ83は、シャワーヘッド4上に取り付けるため周囲に留め金などのラッチ機構を備えることができる。他のラッチ機構としては、例えば、スクリューノブ、スクリュー型ラッチ、グリップ型ラッチ、または同様のものとすることができる。プラグ83は、例えば、シリコーン、ゴム、合成ポリマー、または同様のものなどの柔軟な防水材料のものとしてよい。
【0065】
装置80の利点は、追加のホースが不要である点である。これにより、公共トイレやシャワーユニット排出口がきつく嵌っているか、または埋め込まれている環境において移動性が高まり、どこでも使用することができる。装置80は、台所の蛇口に施すこともでき、装置80は、洗浄用の液体洗剤を収納するための分注装置20、45に類似する分注装置81を備える。
【0066】
装置80の入口をホースの一端に取り付けることができる。代替的実施形態では、シャワーヘッド4をホースの他方の端部に取り付けることができる。
【0067】
本発明は、例えば以下のような用途に使用することもできる。
i. シャワーを浴びている間にエッセンシャルオイルまたはヒドロゾルが混合されるアロマセラピー。個別のエッセンシャルオイルが、免疫系の増強およびバランス、リラクセーション、ストレス解消、不眠症解消、抗菌、抗ウイルス、抗ウイルス剤、および虫除けなどの有益な特性をもたらす。エッセンシャルオイルを採取するためにそのエキスが蒸留される、植物の一部である、ヒドロゾル。これは、水をベースとしておりなめらかで、過敏症の、またはアレルギー病歴のある使用者に優しい。
ii. 宗教上の儀式またはしきたりについては、使用者は、宗教上の目的のために一般に使用される化合物、例えば、花を水と混合してシャワーに使用することができる。
iii. 海塩またはエプソム塩浴が水と混合される塩浴。
iv. リフレッシュまたは治療特性を目的とするハーブまたはフローラルシャワー。
v. リラクセーションのための水治療法。
vi. シャンプー、シャワーローションなど。
【0068】
すべての実施形態において、装置10、40、80は、シャワーユニット2の代わりにガスユニット、ガスタンク、または酸素タンク内で使用するように接続することができる、この場合、流体16は、ガス、または純酸素としてよい。
【0069】
すべての実施形態において、装置10、40、80は、例えば、瞬間湯沸器などの給湯装置内に組み込むことができる。あるいは、混合室14、44内で混合されるか、または混合室14、44内に導入される流体または水を加熱するために、加熱素子を装置10、40、80に組み込むことができる。次いで、加熱された水が混合室14、44内で混合されうる。
【0070】
本発明の前記説明の好ましい実施形態において説明されているが、当業者であれば、本発明から逸脱することなく設計または構造の詳細に多くの変更もしくは修正を加えることができることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0071】
2 シャワーユニット
4 シャワーヘッド
6 第1のホース
7 カバー
8 蛇口
9 第2のホース
10 装置
12 第1の流体チャネル
14 混合室
16 流体
18 薬剤
20 分注装置
22 容器
24 プランジャ
25 長手方向軸
26 出口
27 出口直径
30 吸収部材
40 装置
42 第1の流体チャネル
43 ハウジング
44 混合室
45 分注装置
46 第2の流体チャネル
47 容器
48 流体チャネルセレクタ
49 プランジャ
51 出口
52 吸収部材
53 薬剤
54 弁
55 流体入口
57 流体出口
58 弁
80 装置
81 分注装置
83 プラグ
101 混合流体モード
102 非混合流体モード
103 第1の位置
104 第2の位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の混合を円滑にするための装置であって、前記流体を薬剤と混合するため混合室と流体的に連通する第1の流体チャネルを備え、前記混合室が前記薬剤を前記混合室内に分注するための分注装置を備える装置。
【請求項2】
第2の流体チャネルおよび前記第1または第2の流体チャネルへの流体の流れを選択するための流体チャネルセレクタをさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記混合室で混合されるか、または前記混合室内に導入される前記流体を加熱する加熱素子をさらに備える請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記流体チャネルセレクタは、第1の位置から第2の位置への流体入口の周りの弁であり、前記第1の位置では、流体を前記第1の流体チャネルに流すことができ、前記第2の位置では、流体を前記第2の流体チャネルに流すことができる請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の流体チャネルは、前記流体チャネルセレクタと前記混合室との中間にある請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記分注装置は、前記分注装置によって分注される前記薬剤を収納するための吸収部材を備え、前記吸収部材は前記混合室内の前記流体と接触している請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記吸収部材は、スポンジ、布地、木綿、紙、および吸収性ポリマーからなる群から選択される材料から作られる請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記分注装置内の前記薬剤は、電子的手段によって前記混合室内に分注される請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記電子的手段は、タイマーおよび前記薬剤を所定の間隔で分注するため前記タイマーに電気的に接続されるプレス装置を備える請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記混合室は、複数の分注装置を備え、各分注装置は異なる薬剤を分注する請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記薬剤は、エッセンシャルオイル、ハイドロレート、フレグランスオイル、浸出油、香水、およびヒドロゾルからなる群から選択される請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の流体チャネルは、前記第1の流体チャネル内の前記薬剤もしくは前記薬剤と混合された流体が前記第2の流体チャネルに入るのを防ぐための弁をさらに備える請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
シャワーヘッドに解放可能なように取り付けられ、流体は前記シャワーヘッドから前記装置に入る請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
装置の出口は、シャワーヘッドに解放可能なように取り付けられる請求項1から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
装置の前記出口は、ホースによってシャワーヘッドに解放可能なように取り付けられる請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の流体チャネルは、前記流体と混合するための薬剤を収納するハウジングを備える請求項1から15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記薬剤は、ハーブ、花、エプソム塩、シャワーソルト、入浴剤、活性炭、ビタミンからなる群から選択される請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記薬剤は、前記流体が前記ハウジング内を流れるときに前記ハウジング内に保持される請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の流体チャネルおよび前記混合室は、一体形成される請求項1から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記装置内で混合されるか、または前記装置内に導入される前記流体を加熱するために給湯装置内に組み込まれる請求項1または2のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
請求項1から20のいずれか一項に記載の装置を使用してシャワーを供給するための方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−518662(P2011−518662A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−503945(P2011−503945)
【出願日】平成21年4月7日(2009.4.7)
【国際出願番号】PCT/SG2009/000130
【国際公開番号】WO2009/126114
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(510270225)
【Fターム(参考)】