説明

流体充填構造、流体充填装置、導入装置、及び逆止弁

【課題】この発明は、貯蔵容器2に残留する流体の除去、及び貯蔵容器2への流体の充填を容易に行うことができる流体充填構造1、流体充填装置200、流体導入部130、及び逆止弁140を提供することを目的とする。
【解決手段】流体を貯蔵容器2に導入する被接続部131を有する流体導入部130と、流体を充填する流体充填装置200で構成する流体充填構造1であって、被接続部131に流体の導入方向へ閉弁する逆止弁140を装着し、逆止弁140を流体充填装置200と嵌合する内溝部144eを有する弁体141、螺旋スプリング142、及びこれらを収容する弁箱143で構成し、流体充填装置200に被接続部131に接続する本体ケース210、及び開弁方向へスライド移動するスライド体240を備え、本体ケース210を略筒状に形成し、スライド体240を一端に内溝部144eと嵌合する嵌合部とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば代替フロンやLPガスなどの流体を貯蔵するガスボンベ等の貯蔵容器において、貯蔵容器に流体を充填するような流体充填構造、流体充填装置、導入装置、及び逆止弁に関する。
【背景技術】
【0002】
代替フロンやLPガスなどの流体を貯蔵する貯蔵容器は、使用後、流体を再充填することで再利用を可能としている。このため、貯蔵容器は、充填する流体を貯蔵容器に導入するための逆止弁を備えたバルブ装置を装着する場合がある。
【0003】
このような逆止弁を有するバルブ装置を装着した貯蔵容器に対して、逆止弁を開弁して貯蔵容器に流体を充填する流体充填装置が提案されている。
例えば、特許文献1に記載のLPガス充填装置では、LPガスボンベのLPガス充填弁に接続した第1迅速継手の内部に逆止弁を内装している。そして、第1迅速継手にLPガス充填装置の第2迅速継手を接続し、LPガス充填装置の操作レバーを操作して流体の充填を開始すると、充填圧により第1迅速継手の逆止弁が開弁してLPガスボンベにLPガスを充填できるとされている。
【0004】
ところで、流体充填装置で貯蔵容器に流体を充填する前に、逆止弁を開弁して貯蔵容器に残留する流体を放出するとともに、真空引きにより残留する流体を完全に抜き取る場合がある。
【0005】
例えば、貯蔵容器の保管環境などにより、濃度などの品質が変化するおそれのある流体を充填する場合、あるいは異なる種類の流体を充填する場合、充填後の貯蔵容器における流体の品質を保つために、予め残留する流体を完全に抜き取ることが必要となる。
【0006】
しかし、特許文献1に記載のLPガス充填装置では、第1迅速継手の逆止弁を充填圧で開弁する構造であることから、真空引きを行うと逆止弁が閉弁して残留する流体を抜き取ることができないという問題がある。このため、第1迅速継手の逆止弁を取り外して、貯蔵容器に残留する流体の放出、及び真空引きを行わなければならず、流体の充填を容易に行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−320795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、上述の問題に鑑み、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を容易に行うことができる流体充填構造、流体充填装置、導入装置、及び逆止弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、流体を貯蔵する貯蔵容器に装着して、前記流体を前記貯蔵容器に導入する導入口を有する導入装置と、前記導入口に接続して前記流体を前記貯蔵容器に充填する流体充填装置とで構成する流体充填構造、また、その流体充填装置、導入装置、あるいは逆止弁であって、前記導入口に、前記流体の導入方向への付勢力により閉弁する逆止弁を装着し、該逆止弁を、前記導入口に接続した前記流体充填装置と嵌合する被嵌合部を有する弁体と、前記流体の導入方向へ向けて前記弁体を付勢する弁体付勢部材と、前記弁体と前記弁体付勢部材とを収容する弁箱とで構成し、前記流体充填装置に、前記導入口に接続する本体ケースと、前記弁体の開弁方向へスライド移動可能に前記本体ケースに収容したスライド体とを備え、前記本体ケースを、一端に前記導入口と接続可能に形成した接続部と、他端に前記スライド体を挿通する挿通孔を形成した端部を有する略筒状に形成し、前記スライド体を、前記本体ケースの前記挿通孔、及び前記接続部から両端がそれぞれ突出する略柱状に構成するとともに、一端にスライド移動を規制する規制部材と、他端に前記被嵌合部と嵌合する嵌合部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
この発明により、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を容易に行うことができる流体充填構造、また、その流体充填装置、導入装置、あるいは逆止弁を構成することができる。
なお、上記流体の排出は、貯蔵容器に残留する流体の放出、及び真空引きなどによる貯蔵容器に残留する流体の抜き取り、あるいはどちらか一方とすることができる。
【0011】
具体的には、弁体の被嵌合部、及びスライド体の嵌合部によって、弁体と嵌合したスライド体を弁体の開弁方向へスライド移動することで、弁体付勢部材の付勢力に抗って弁体を開弁することができる。これにより、逆止弁を取り外すことなく、流体充填装置、導入装置、及び貯蔵容器の内部を連通することができ、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を行うことができる。
【0012】
さらに、スライド体と弁体とが嵌合しているため、圧力ばらつきで弁体が暴れることを抑制することができる。これにより、流体充填構造、また、その流体充填装置、導入装置、あるいは逆止弁は、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填をスムーズに効率的に行うことができる。加えて、弁体が暴れることを抑制するため、弁体が摩耗して密封性能が低下することを防止できる。
【0013】
そして、貯蔵容器に残留する流体を排出したのち、流体充填装置に充填する流体を導入することで、貯蔵容器に流体の充填を行うことができる。すなわち、導入装置に流体充填装置を一旦接続すると、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を一連の動作で行うことができる。
【0014】
このため、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填のたびに、逆止弁を脱着する手間を省くことができ、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を効率的に行うことができる。さらに、貯蔵容器に流体を充填する際、スライド体と弁体とが嵌合しているため、流体の充填圧により、弁体が閉弁することを防止できる。
【0015】
加えて、スライド体と弁体とが嵌合しているため、弁体が開弁していると、流体充填装置を導入口から取り外すことができない。すなわち、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填作業中に、流体充填装置が導入口から脱落することを防止できる。
【0016】
従って、流体充填構造、また、その流体充填装置、導入装置、あるいは逆止弁は、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を容易に行うことができる。
【0017】
この発明の態様として、前記スライド体を、前記本体ケースの前記接続部、及び前記挿通孔から両端が突出する略柱状に形成した第1スライド体と、前記接続部側端部を第1スライド体の前記接続部側端部と略同等の位置に配置して、前記第1スライド体をスライド移動可能に収容する略筒状に形成した第2スライド体とで構成し、前記嵌合部を、前記弁体の前記被嵌合部に嵌合する嵌合部材と、前記第2スライド体において、前記嵌合部材を径方向外側に向けて突出可能に抱持する抱持部と、前記第1スライド体において、前記嵌合部材を前記抱持部に収容可能な深さを有して、開弁方向に略弓状の溝形状に形成した弓状溝部とで構成し、前記第2スライド体の内部に、前記嵌合部材が前記抱持部から径方向外側に突出する前記第1スライド体のスライド位置において、前記第1スライド体と開弁方向に当接する内部当接部を形成することができる。
【0018】
この発明により、スライド体を弁体の開弁方向へスライド移動することで、スライド体と弁体とを嵌合するとともに、弁体を開弁することができる。
具体的には、第1スライド体が弁体の開弁方向にスライド移動すると、第2スライド体の抱持部で抱持された嵌合部材は、開弁方向に移動する弓状溝部の形状に沿って径方向外側へ突出するように移動する。
【0019】
そして、嵌合部材が弓状溝部から完全に脱出すると、第2スライド体の抱持部から嵌合部材の一部が露出し、弁体の被嵌合部に嵌合する。これにより、スライド体と弁体とが嵌合することができる。
【0020】
また、上述の状態においては、第2スライド体の内部当接部と第1スライド体が開弁方向に当接するため、第1スライド体を弁体の開弁方向にさらにスライド移動すると、第1スライド体は、第2スライド体と一体となって弁体の開弁方向に移動することができる。これにより、スライド体と嵌合した弁体を弁体付勢部材の付勢力に抗って開弁することができる。
【0021】
すなわち、導入装置の導入口に接続した流体充填装置のスライド体を、弁体の開弁方向へスライド移動することで、スライド体と弁体とを嵌合するとともに、弁体を開弁することができる。換言すれば、スライド体と弁体とが嵌合する嵌合動作と、弁体を開弁する開弁動作とを、スライド体の開弁方向へのスライド移動だけで行うことができる。
【0022】
従って、流体充填構造、また、その流体充填装置は、弁体の開弁をより容易に行うことができるとともに、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を容易に行うことができる。
【0023】
また、この発明の態様として、前記第2スライド体に、前記第1スライド体を前記接続部側へ向けて付勢する第1付勢部材を備え、前記本体ケースに、前記第2スライド体を前記接続部側へ向けて付勢する第2付勢部材を備えることができる。
【0024】
この発明により、弁体を確実に閉弁するとともに、スライド体と弁体との嵌合を確実に解放することができる。
具体的には、弁体が開弁した状態において、スライド体を開弁方向へスライド移動させる拘束を解放することで、第2付勢部材により、第2スライド体を接続部側へ押し戻すことができる。さらに、内部当接部と当接している第1スライド体も一体となって接続部側へ押し戻すことができる。また、第1付勢部材により、第1スライド体を接続部側へ押し戻すことができる。これにより、スライド体を接続部側へ押し戻すことができるため、逆止弁の弁体を確実に閉弁することができるとともに、嵌合部材を第2スライド体の抱持部に確実に収容して、スライド体と弁体との嵌合を確実に解放することができる。
【0025】
従って、流体充填構造、また、その流体充填装置は、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を容易に行うことができるとともに、弁体を確実に閉弁してスライド体と弁体との嵌合を確実に解放することができる。
【0026】
また、この発明の態様として、前記本体ケースの前記端部に、前記逆止弁の前記弁体が開弁する前記スライド体のスライド位置において、前記規制部材を保持する開弁位置保持部を備えることができる。
【0027】
この発明により、スライド体と嵌合した弁体の開弁状態を維持することができる。これにより、充填圧などの外力が作用しても、弁体が閉弁することを防止できる。このため、貯蔵容器への流体の充填を安定して、効率よく行うことができる。
【0028】
従って、流体充填構造、また、その流体充填装置は、弁体の開弁状態を確実に維持することで、より効率よく貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を容易に行うことができる。
【0029】
また、この発明の態様として、前記被嵌合部を、内部に前記嵌合部の挿入を許容する挿入空間を有する筒状部と、該筒状部の内周面に径方向外側に向けて略凹状に形成した内溝部とで構成することができる。
【0030】
この発明により、スライド体と弁体とをより確実に嵌合することができる。さらに、筒状部の内周面に内溝部を形成したため、スライド体が回転してもスライド体と弁体との嵌合が解放されることがない。これにより、スライド体と弁体との嵌合が容易に解放されることを防止できる。
【0031】
従って、流体充填構造、また、その導入装置、あるいは逆止弁は、スライド体と弁体とをより確実に嵌合して、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を確実に行うことができる。
【0032】
また、この発明の態様として、前記導入装置を、前記貯蔵容器に貯蔵された前記流体の出し入れを規制する開閉弁、及び回転軸を回転させて前記開閉弁を開閉操作する回転ハンドルを備えたバルブ装置と一体で構成することができる。
【0033】
この発明により、貯蔵容器に装着する部品の小型化を図ることができる。
具体的には、貯蔵容器に装着する部品点数を削減して、貯蔵容器の流体の排出、及び貯蔵容器への導入を行うことができる。例えば、導入装置における貯蔵容器に流体を導入する導入路と、バルブ装置における貯蔵容器の流体を導出する導出路とを共用することで、部品点数を削減して小型化を図ることができる。
【0034】
従って、流体充填構造、また、その導入装置は、貯蔵容器に装着する部品の小型化を図るとともに、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を容易に行うことができる。
【0035】
また、この発明の態様として、前記接続部と前記導入口との接続状態を保持する固定部材を備えることができる。
上記固定部材は、ナット、あるいはトグルクランプなどとすることができる。
【0036】
この発明により、充填圧などの外力によって導入口に接続した本体ケースが脱落することをより確実に防止できる。すなわち、作業者が手で保持するよりも安全に貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を行うことができる。
従って、流体充填構造は、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填をより安全に、かつ容易に行うことができる。
【0037】
なお、別の実施態様として、上記流体充填装置における前記本体ケースの前記端部に、前記スライド体の前記接続部側端部が前記本体ケースに収納される前記スライド体のスライド位置において、前記規制部材を保持する収納位置保持部を備えることができる。
【0038】
この発明により、逆止弁を備えていない導入装置に流体充填装置を接続することができる。
具体的には、逆止弁を備えていない導入装置において、導入口の奥行きが短いことがある。この場合、本体ケースの接続部端部から突出したスライド体が導入口に干渉して、本体ケースの接続部と導入装置とが接続できないおそれがある。
【0039】
そこで、収納位置保持部により、スライド体の接続部側端部が本体ケースに収容された位置で保持されるため、逆止弁を備えていない導入装置と流体充填装置とを確実に接続することができる。さらに、導入装置における逆止弁の有無によって、流体充填装置を使い分けることを不要にすることができる。
従って、流体充填装置は、導入装置における逆止弁の有無に関わらず、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0040】
この発明により、貯蔵容器に残留する流体の排出、及び貯蔵容器への流体の充填を容易に行える流体充填構造、流体充填装置、導入装置、及び逆止弁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】流体充填構造の構成を示す構成図。
【図2】図1中のA−A矢視断面図。
【図3】逆止弁の断面形状を示す断面図。
【図4】逆止弁の構成要素を示す分解斜視図。
【図5】流体充填装置の接続部側からの外観を示す外観斜視図。
【図6】流体充填装置のロックキャップ側からの外観を示す外観斜視図。
【図7】流体充填装置の断面形状を示す断面図。
【図8】流体導入部と流体充填装置を接続した状態を説明する説明図。
【図9】スライド体を逆止弁の弁体とが勘合した状態を説明する説明図。
【図10】逆止弁を開弁した状態を説明する説明図。
【図11】流体充填装置とバルブ装置の断面形状を示す断面図。
【図12】流体導入部と流体充填装置を接続した状態を説明する説明図。
【図13】固定部材の外観を示す平面図。
【図14】流体充填装置とバルブ装置とを固定部材で固定した状態を説明する説明図。
【発明を実施するための形態】
【0042】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まずは、流体充填構造1について図1及至7とともに説明する。
なお、図1は流体充填構造1の構成図を示し、図2は図1中のA−A矢視断面図を示し、図3は逆止弁140の断面図を示し、図4は逆止弁140の構成要素の分解斜視図を示し、図5は流体充填装置200の接続部211側からの外観斜視図を示し、図6は流体充填装置200のロックキャップ230側からの外観斜視図を示し、図7は流体充填装置200の断面図を示している。
また、図1において貯蔵容器2を二点鎖線で示している。
【0043】
流体充填構造1は、図1、及び図2に示すように、代替フロンガスを貯蔵する貯蔵容器2に装着して、流体の出し入れを規制するダイヤフラム式のバルブ装置100と、バルブ装置100に接続して貯蔵容器2に流体を充填する流体充填装置200とで構成している。
【0044】
具体的には、バルブ装置100は、図1、及び図2に示すように、貯蔵容器2に装着して代替フロンガスの出し入れを規制するバルブ本体部110と、流体充填装置200と接続して代替フロンガスを貯蔵容器2に導入する流体導入部130とで一体に構成している。
【0045】
バルブ本体部110は、下端を貯蔵容器2と接続可能に縦長に形成したバルブケース111と、代替フロンガスの出し入れを操作する回転ハンドル120とで構成している。
バルブケース111は、貯蔵容器2と連通して代替フロンガスが導通する導通路112、及び導通路112上方を拡径して形成した拡径空間部113で縦長に貫通する内部中空に形成している。
拡径空間部113には、導通路112の上端を開閉して代替フロンガスの出し入れを規制する開閉弁114、及び開閉弁114を開弁方向に付勢する開閉弁スプリング115を収容している。
【0046】
回転ハンドル120は、拡径空間部113において回転軸Lを中心に回転するスピンドル121、及びスピンドル121の上端に螺合したハンドル本体122で構成している。また、回転ハンドル120は、バルブケース111の拡径空間部113にパッキンナット123を介して回転可能に装着している。さらに、スピンドル121の下端と開閉弁114との間には、パッキンナット123とバルブケース111とで挟持されるダイヤフラム124を内装している。
【0047】
流体導入部130は、流体充填装置200を接続する内部中空の被接続部131、被接続部131の内部と拡径空間部113とを連通する流体導入路132、及び被接続部131の内部に収容するとともに、代替フロンガスを貯蔵容器2に導入するための逆止弁140で構成している。
【0048】
被接続部131は、バルブケース111の上方において側方に向けて開口を有するとともに、逆止弁140を収容可能な略筒状に形成している。なお、被接続部131の内周面は、逆止弁140と螺合するネジ部(図示省略)を形成している。
流体導入路132は、被接続部131の内周径よりも小径に形成している。
【0049】
逆止弁140は、図3、及び図4に示すように、流体導入路132を閉塞する弁体141、弁体141を閉弁方向Hに付勢する螺旋スプリング142、及び弁体141と螺旋スプリング142を収容する弁箱143で構成している。
【0050】
弁体141は、流体導入路132を閉塞するパッキン145、及びパッキン145を装着する弁体本体144とで構成している。
パッキン145は、合成ゴム素材を所定の厚みを有する略環状に形成している。
【0051】
弁体本体144は、流体導入路132と略同径の円板状に形成した小径底部144a、小径底部144aの略中央から略円柱状に延設した円柱部144b、円柱部144bの先端に流体導通路112より大径の円板状に形成した大径底部144c、及び大径底部144cから略円筒状に延設した円筒部144dをこの順で一体構成している。そして、小径底部144aと大径底部144cとで挟み込むように円柱部144bにパッキン145を外嵌している。
【0052】
また、円筒部144dは、内部に後述するスライド体240の挿入を許容する挿入空間Sを有する円筒状であり、内周面において径方向外側に向けて略凹溝状に形成した内溝部144eを内周面に沿って有している。さらに、外周面においては、径方向外側へ向けて外周を略扇状に拡径するように突出するとともに、軸方向に所定の長さを有する形状に形成した外周突部144fを三方向に形成している。
螺旋スプリング142は、線形の弾性部材を弁体141側が小径となる螺旋状に巻いて形成したコイルスプリングである。
【0053】
弁箱143は、被接続部131の内周径(図2参照)と略同等の外径を有する環状の平板に形成した環状底部143a、環状底部143aの外周縁から弁体141を収容可能な内周径を有して流体導入路132に向けて略円筒状に延設した弁箱円筒部143b、及び環状底部143aの内周縁を流体導入路132に向けて延設するとともに、周方向に開口を挟んで延設した4つの内周延設部143cを一体構成している。なお、弁箱円筒部143bにおける外周面の流体導入路132側の近傍には、被接続部131のネジ部と螺合する弁箱ネジ部143dを形成している。
【0054】
このような弁箱143に対して、螺旋スプリング142を大径側が環状底部143aと当接するように収容するとともに、弁体141を螺旋スプリング142の付勢力に抗って収容して、弁箱143の流体導入路132側を径方向内側に向けてかしめて組み付けることで逆止弁140を構成している。
【0055】
次に、流体充填装置200は、図5及至図7に示すように、主に本体ケース210と、キャップナット220と、ロックキャップ230と、本体ケース210に収容したスライド体240、及び充填ノズル250とで構成している。
【0056】
本体ケース210は、被接続部131側を略円筒状に形成した接続部211、接続部211から外形が略六角柱状で内部中空の略筒状に延設した本体中央部212、及び本体中央部212から略円筒状に延設するとともに、後述するスライド体240を挿通許容する端部213aを有する後端円筒部213をこの順で一体構成している。
【0057】
本体中央部212の上面には、接続部211側において径方向に貫通して形成したネジ孔部212a、後端円筒部213側において径方向に貫通して形成するとともに、代替フロンガスの抜き取り、及び代替フロンガスを充填する機器と接続したホース(図示省略)を接続する外部接続口212bを有している。
【0058】
後端円筒部213の外周面は、キャップナット220と螺合するネジ部(図示省略)を形成している。また、後端円筒部213の端部213aには、スライド体240と本体ケース210との隙間を密閉するOリング214、及び軸方向へのOリング214の移動を抑制するとともに、スライド体240を挿通許容する押え金215を装着している。
【0059】
キャップナット220は、後端円筒部213の端部213aと軸方向で当接する平面を有するとともに、押え金215を軸方向に挿通する開口を有する略環状に形成した環状端部221、及び環状端部221の外周縁から後端円筒部213の外周径と略同等の内周径を有して、本体中央部212へ向けて略円筒状に延設したキャップ円筒部222をこの順で一体構成している。
【0060】
また、キャップナット220の環状端部221の外周面には、後述するロックキャップ230を固定するネジ202と螺合するキャップネジ孔部221aを形成している。さらに、キャップ円筒部222の内周面は、後端円筒部213のネジ部と螺合するネジ部(図示省略)を形成している。なお、キャップナット220は、本体ケース210に対して、後端円筒部213の端部213a側から螺合するとともに、後端円筒部213のネジ部に螺合したロックナット203で本体中央部212側から締め合わせて固定している。
【0061】
ロックキャップ230は、キャップナット220を内包可能な内周径を有する略円筒状のロックキャップ本体部231、及びロックキャップ本体部231より小径の外径を有する略円筒状に形成した保持部232をこの順で一体構成している。また、ロックキャップ本体部231には、径方向に貫通してキャップナット220のキャップネジ孔部221aに螺合するネジ202を挿通許容する開口を有している。
【0062】
保持部232は、径方向で対向するとともに、軸方向に切り欠いて形成した2つの軸方向開口部232aを有するとともに、軸方向開口部232aにおける軸方向略中央において、2つの軸方向開口部232aから同一周方向に略90度切り欠くように形成した2つ径方向開口部232bを有している。また、保持部232の先端には、軸方向開口部232aの開口方向に対して直行するとともに、軸方向に略凹状に形成した端部溝部232cを有している。
【0063】
充填ノズル250は、本体ケース210の本体中央部212の内周径と略同等の外周径を有するとともに、接続部211側に有底の略円筒状に形成している。
また、充填ノズル250の外周面には、周方向に沿って略凹溝状に形成した規制溝部251、及び規制溝部251よりも後端円筒部213側において、本体ケース210の内周面と充填ノズル250の外周面との間を密閉するOリング252を装着している。
【0064】
さらに、充填ノズル250の底面には、略中央にスライド体240を挿通許容するスライド体貫通孔253、スライド体貫通孔253よりも径方向外側の円周上に等間隔に形成するとともに、軸方向に貫通する8つのノズル孔254を形成している。加えて、充填ノズル250の底面には、ノズル孔254よりも径方向外側の円周上において、被接続部131と当接するOリング255を装着している。
【0065】
なお、充填ノズル250は、本体ケース210内部において、充填ノズル250を接続部211の方向に付勢するノズル用スプリング256の付勢力に抗って収容するとともに、本体ケース210のネジ孔部212aと規制溝部251とが軸方向において同位置となる位置に収容し、ネジ孔部212aから先端が突出するネジ201を螺合して組み付けている。
【0066】
スライド体240は、本体ケース210の両端部から突出する形状に構成した第1スライド体241、第1スライド体241の接続部211側を内包する形状に構成した第2スライド体245、第2スライド体245に内包した第1スプリング249、及び第1スライド体241の後端円筒部213側の端部に連結した規制部材260で構成している。さらに、スライド体240の接続部211側の端部近傍には、第1スライド体241と第2スライド体245とで3つのロックボール246を抱持している。
【0067】
第1スライド体241は、一端が接続部211から突出するロック棒242、及びロック棒242と連結して他端が後端円筒部213から突出する引棒243で構成している。
ロック棒242は、軸方向に長い略円柱状に形成するとともに、接続部211側端部近傍において軸方向に断面略弓状の溝形状に形成したロックボール溝242aを有している。なお、引棒243側の端部近傍には、引棒243と螺合するネジ部(図示省略)を形成している。
【0068】
引棒243は、本体ケース210の後端円筒部213のOリング214に挿通可能な直径で、軸方向に長い略円柱状に形成している。なお、引棒243のロック棒242側の端部には、端部を拡径するとともに、ロック棒242と螺合するネジ孔部(図示省略)を有する引棒拡径部243aを形成し、引棒243の他端には規制部材260を固定するロックナット205と螺合するネジ部(図示省略)を形成している。
【0069】
第2スライド体245は、ロック棒242を内包するロック棒内包体247、及び引棒243を内包する引棒内包体248で構成している。
ロック棒内包体247は、充填ノズル250のスライド体貫通孔253と略同等の外径、及びロック棒242と略同等の内径を有する略円筒状に形成するとともに、引棒内包体248側の端部近傍の外周面に引棒内包体248と螺合するネジ部(図示省略)を形成している。また、ロック棒内包体247の接続部211側の近傍において、周方向に等間隔に形成するとともに、径方向に向けてロックボール246を抱持可能に開口した3つのロックボール孔247aを有している。
【0070】
引棒内包体248は、引棒243を挿通可能な端部を有する略円筒状に形成している。また、ロック棒内包体247側の端部には、内部において引棒拡径部243aと軸方向で当接可能に拡径するとともに、内周面にロック棒内包体247と螺合するネジ部(図示省略)を形成した内包体拡径部248aを有している。
第1スプリング249は、線状の弾性部材を引棒243の引棒拡径部243aと軸方向に当接する直径で巻いて形成したコイルスプリングである。
【0071】
規制部材260は、引棒243のネジ部に挿入可能に形成した基部261、及び基部261から径方向に延びる略円柱状の規制部材本体262で構成している。また、規制部材260は、規制部材本体262がロックキャップ230の軸方向開口部232aを挿通するように配置するとともに、引棒243に螺合した2つのロックナット205で基部261を挟持するようにして引棒243に連結固定している。
ロックボール246は、ロックボール溝242a上にある状態において、ロックボール孔247aから露出しない直径の略球形に形成している。
【0072】
このように、ロック棒242と引棒243とを螺合するとともに、ロックナット204で連結固定して第1スライド体241を構成し、第1スライド体241を内包した引棒内包体248とロック棒内包体247とで第2スライド体245を構成し、第1スライド体241、第2スライド体245、及び第1スライド体241の後端円筒部213側の端部に連結固定した規制部材260とでスライド体240を構成している。また、ロック棒242のロックボール溝242a、ロックボール246、及びロック棒内包体247のロックボール孔247aとで、弁体141の内溝部144eに嵌合する嵌合部を構成している。
【0073】
さらに、スライド体240は、本体ケース210の内部において、第2スライド体245と軸方向で当接して、スライド体240を接続部211の方向へ付勢する第2スプリング216とともに収容している。
この第2スプリング216は、線状の弾性部材を引棒内包体248の内包体拡径部248aと軸方向に当接する直径で巻いて形成したコイルスプリングである。
【0074】
以上のような構成の流体充填構造1において、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2に代替フロンガスを充填する方法について図8及至図10を用いて説明する。
【0075】
なお、図8は流体導入部130と流体充填装置200を接続した状態を説明する説明図を示し、図9はスライド体240を逆止弁140の弁体141とが勘合した状態を説明する説明図を示し、図10は逆止弁140を開弁した状態を説明する説明図を示している。
【0076】
まず、図8に示すように、バルブ装置100の流体導入部130の被接続部131に、流体充填装置200の接続部211を挿入するとともに、流体導入部130の内部において閉弁している弁体141の挿入空間Sに対して、スライド体240を挿入して、流体導入部130に流体充填装置200を接続する。
【0077】
流体導入部130に流体充填装置200を接続すると、充填ノズル250のOリング255が流体導入部130の被接続部131と当接して、流体導入部130と流体充填装置200との内部において密閉空間を構成する。この際、ノズル用スプリング256が充填ノズル250を流体導入部130の方向へ付勢することで、より気密性を向上している。
【0078】
そして、ロックキャップ230の軸方向開口部232aに沿って弁体141の開弁方向Kに規制部材260をスライド移動すると、図9に示すように、規制部材260と連結した第1スライド体241が、第1スプリング249の付勢力に抗って開弁方向Kにスライド移動する。この際、第2スライド体245は第2スプリング216の付勢力により、開弁方向Kには移動しない。
【0079】
また、第1スライド体241が開弁方向Kにスライド移動することで、ロックボール溝242aとロックボール孔247aとが軸方向に離間するため、ロックボール246がロックボール溝242aから脱出して径方向外側へ押し上げられるように移動する。
【0080】
さらに、規制部材260を操作してスライド体240を開弁方向Kにスライド移動すると、図10に示すように、ロックボール246は、第1スライド体241のロック棒242の外周面上に乗り上げるとともに、ロックボール孔247aから一部が露出する。このロックボール孔247aから露出した部分が弁体141の内溝部144eに嵌合する。
【0081】
引き続き、規制部材260を操作してスライド体240を開弁方向Kにスライド移動すると、第2スライド体245の内包体拡径部248aと第1スライド体241の引棒拡径部243aとが軸方向に当接し、第2スライド体245は、第2スプリング216の付勢力に抗って第1スライド体241とともに開弁方向Kにスライド移動する。
【0082】
この際、ロックボール孔247aから露出したロックボール246が弁体141の内溝部144eと嵌合しているため、弁体141は、スライド体240とともに開弁方向Kにスライド移動する。すなわち、スライド体240の開弁方向Kへのスライド移動に伴い逆止弁140の弁体141が開弁する。
【0083】
その後、弁体141が完全に開弁するまで規制部材260を操作してスライド体240をスライド移動すると、図10に示すように、規制部材260の規制部材本体262は、ロックキャップ230の径方向開口部232bへ回転可能な位置に移動する。
【0084】
そして、規制部材本体262を径方向開口部232bに沿って90度回転させて、規制部材260と連結したスライド体240の開弁方向Kへのスライド移動を規制する。この際、第1スプリング249、及び第2スプリング216の付勢力によって、規制部材260の規制部材本体262が、径方向開口部232bに閉弁方向Hで当接することで生じる摩擦力により、規制部材260が逆回転することを抑止する。
【0085】
逆止弁140の弁体141を開弁したのち、回転ハンドル120を回転操作して開閉弁114を開弁すると、貯蔵容器2、バルブ本体部110、流体導入部130、及び流体充填装置200とが連通する。
【0086】
具体的には、貯蔵容器2の内部、バルブ本体部110の導通路112、拡径空間部113、流体導入部130の流体導入路132、逆止弁140の弁箱143と開弁した弁体141とで構成する空間、流体充填装置200の充填ノズル250におけるノズル孔254、本体ケース210の内部、及び外部接続口212bが連通し、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスが放出される。
【0087】
このような状態において、流体充填装置200に接続した機器を操作して、真空引きによる貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの抜き取り作業を行う。また、残留する代替フロンガスの抜き取りを完了後、流体充填装置200に接続した機器を操作して貯蔵容器2に代替フロンガスを充填する作業を行う。
なお、代替フロンガスの充填状態においては、ノズル用スプリング256によって流体導入部130の方向へ付勢された充填ノズル250に対して、代替フロンガスの充填圧力による流体導入部130の方向への押圧力が作用する。そのため、流体導入部130の被接続部131に対する充填ノズル250のOリング255の当接圧力が増大し、流体導入部130と流体充填装置200との内部に構成される密閉空間の気密性をさらに向上することができる。
【0088】
貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び充填を完了したのち、バルブ本体部110の回転ハンドル120を操作して開閉弁114を閉弁する。そして、規制部材260を径方向開口部232bに沿って、軸方向開口部232aの方向へ90度回転させると、第2スプリング216の付勢力により、第2スライド体245が閉弁方向Hにスライド移動する。この際、引棒内包体248と第1スライド体241とが軸方向で当接しているため、第1スライド体241は、第2スライド体245とともに閉弁方向Hにスライド移動する。
【0089】
また、第1スプリング249の付勢力により、第1スライド体241が閉弁方向Hへスライド移動するため、ロックボール246がロックボール溝242aに収容されて、スライド体240と弁体141との嵌合を解放する。このようにして、逆止弁140の弁体141を閉弁するとともに、スライド体240と弁体141との嵌合を解放し、流体導入部130から流体充填装置200を取り外す。
【0090】
以上のような動作を実現することができる流体充填構造1、また、その流体充填装置200、流体導入部130、あるいは逆止弁140は、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び代替フロンガスの充填を容易に行うことができる。
【0091】
具体的には、弁体141の内溝部144e、及びスライド体240の嵌合部によって、弁体141と嵌合したスライド体240を弁体141の開弁方向Kへスライド移動することで、螺旋スプリング142の付勢力に抗って弁体141を開弁することができる。これにより、逆止弁140を取り外すことなく、流体充填装置200、バルブ装置100、及び貯蔵容器2の内部を連通することができ、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び代替フロンガスの充填を行うことができる。
【0092】
さらに、スライド体240と弁体141とが嵌合しているため、圧力ばらつきで弁体141が暴れることを抑制することができる。これにより、流体充填構造1、また、その流体充填装置200、流体導入部130、あるいは逆止弁140は、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填をスムーズに効率的に行うことができる。加えて、弁体141が暴れることを抑制するため、弁体本体144、及びパッキン145が摩耗して密封性能が低下することを防止できる。
【0093】
そして、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスを排出したのち、流体充填装置200に充填する代替フロンガスを導入することで、貯蔵容器2に代替フロンガスの充填を行うことができる。すなわち、流体導入部130に流体充填装置200を一旦接続すると、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填を一連の動作で行うことができる。
【0094】
このため、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填のたびに、逆止弁140を脱着する手間を省くことができ、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填を効率的に行うことができる。さらに、貯蔵容器2に代替フロンガスを充填する際、スライド体240と弁体141とが嵌合しているため、代替フロンガスの充填圧により、弁体141が閉弁することを防止できる。
【0095】
加えて、スライド体240と弁体141とが嵌合しているため、弁体141が開弁していると、流体充填装置200を被接続部131から取り外すことができない。すなわち、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填作業中に、流体充填装置200が被接続部131から脱落することを防止できる。
【0096】
従って、流体充填構造1、また、その流体充填装置200、流体導入部130、あるいは逆止弁140は、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填を容易に行うことができる。
【0097】
また、第1スライド体241のロックボール溝242a、第2スライド体245のロックボール孔247a、及びロックボール246で嵌合部を構成するとともに、第2スライド体245の引棒内包体248に内包体拡径部248aを形成したことにより、スライド体240を開弁方向Kにスライド移動することで、スライド体240と弁体141とを嵌合するとともに、弁体141を開弁することができる。
【0098】
具体的には、第1スライド体241が弁体141の開弁方向Kにスライド移動すると、第2スライド体245のロックボール孔247aで抱持されたロックボール246は、開弁方向Kに移動するロックボール溝242aの形状に沿って径方向外側へ突出するように移動する。
【0099】
そして、ロックボール246がロックボール溝242aから完全に脱出すると、第2スライド体245のロックボール孔247aからロックボール246の一部が露出し、弁体141の内溝部144eに嵌合する。これにより、スライド体240と弁体141とが嵌合することができる。
【0100】
また、上述の状態においては、第2スライド体245の内包体拡径部248aと第1スライド体241が開弁方向Kに当接するため、第1スライド体241を弁体141の開弁方向Kにさらにスライド移動すると、第1スライド体241は、第2スライド体245と一体となって弁体141の開弁方向Kに移動することができる。これにより、スライド体240と嵌合した弁体141を螺旋スプリング142の付勢力に抗って開弁することができる。
【0101】
すなわち、流体導入部130の被接続部131に接続した流体充填装置200のスライド体240を、弁体141の開弁方向Kへスライド移動することで、スライド体240と弁体141とを嵌合するとともに、弁体141を開弁することができる。換言すれば、スライド体240と弁体141とが嵌合する嵌合動作と、弁体141を開弁する開弁動作とを、スライド体240の開弁方向Kへのスライド移動だけで行うことができる。
【0102】
従って、流体充填構造1、また、その流体充填装置200は、弁体141の開弁をより容易に行うことができるとともに、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填を容易に行うことができる。
【0103】
また、第2スライド体245に第1スライド体241を接続部211側へ向けて付勢する第1スプリング249を備え、本体ケース210に第2スライド体245を接続部211側へ向けて付勢する第2スプリング216を備えたことにより、弁体141を確実に閉弁するとともに、スライド体240と弁体141との嵌合を確実に解放することができる。
【0104】
具体的には、弁体141が開弁した状態において、規制部材本体262が軸方向開口部232a上にある規制部材260を解放すると、第2スプリング216により、第2スライド体245を接続部211側へ押し戻すことができる。さらに、内部当接部と当接している第1スライド体241も一体となって接続部211側へ押し戻すことができる。また、第1スプリング249により、第1スライド体241を接続部211側へ押し戻すことができる。これにより、スライド体240を接続部211側へ押し戻すことができるため、逆止弁140の弁体141を確実に閉弁することができるとともに、ロックボール246を第2スライド体245のロックボール孔247aに確実に収容して、スライド体240と弁体141との嵌合を確実に解放することができる。
【0105】
従って、流体充填構造1、また、その流体充填装置200は、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填を容易に行うことができるとともに、弁体141を確実に閉弁してスライド体240と弁体141との嵌合を確実に解放することができる。
【0106】
また、本体ケース210の後端円筒部213に、径方向開口部232bを有するロックキャップ230を備えたことにより、スライド体240と嵌合した弁体141の開弁状態を維持することができる。これにより、充填圧などの外力が作用しても、弁体141が閉弁することを防止できる。このため、貯蔵容器2への代替フロンガスの充填を安定して、効率よく行うことができる。
【0107】
従って、流体充填構造1、また、その流体充填装置200は、弁体141の開弁状態を確実に維持することで、より効率よく貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填を容易に行うことができる。
【0108】
また、弁体141の内周面に形成した内溝部144eにより、スライド体240と弁体141とをより確実に嵌合することができる。さらに、弁体141の内周面に内溝部144eを形成したため、スライド体240が回転してもスライド体240と弁体141との嵌合が解放されることがない。これにより、スライド体240と弁体141との嵌合が容易に解放されることを防止できる。
【0109】
従って、流体充填構造1、また、その流体導入部130、あるいは逆止弁140は、スライド体240と弁体141とをより確実に嵌合して、貯蔵容器2内に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填を確実に行うことができる。
【0110】
また、流体導入部130とバルブ本体部110とを一体で構成することにより、貯蔵容器2に装着する部品の小型化を図ることができる。
具体的には、貯蔵容器2に装着する部品点数を削減して、代替フロンガスの導出、及び導入を行うことができる。すなわち、貯蔵容器2へ代替フロンガスの導入、及び貯蔵容器2の代替フロンガスの放出に導通路112を共用することで、部品点数を削減して小型化を図ることができる。
【0111】
従って、流体充填構造1、また、その流体導入部130は、貯蔵容器2に装着する部品の小型化を図るとともに、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填を容易に行うことができる。
【0112】
続いて、流体導入部130に逆止弁140を有さないバルブ装置100の場合における流体充填構造1について、図11、及び図12を用いて説明する。
なお、図11は流体充填装置200とバルブ装置100の断面図を示し、図12は流体導入部130と流体充填装置200を接続した状態を説明する説明図を示している。
【0113】
バルブ装置100の流体導入部130は、図11に示すように、スライド体240の外径よりも小径に形成された流体導入路132と、軸方向に浅い略円筒状に形成した被接続部131とで構成している。
【0114】
このような流体導入部130に対して流体充填装置200を接続する際、図12に示すように、規制部材260をロックキャップ230の端部までスライド移動するとともに、90度回転して規制部材本体262を端部溝部232cに嵌め合わせる。この嵌め合わせと、第1スプリング249、及び第2スプリング216の付勢力により、規制部材本体262がロックキャップ230の端部溝部232cに閉弁方向Hで確実に当接するため、スライド体240のスライド移動、及び回転を規制する。この時、スライド体240の接続部211側の端部は、軸方向において充填ノズル250と接続部211端部との間に位置する。
【0115】
上述した状態において、流体充填装置200を流体導入部130に接続して、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填を行う。
【0116】
以上のような動作を実現することができる流体充填装置200は、流体導入部130における逆止弁140の有無に関わらず、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填を容易に行うことができる。
【0117】
具体的には、本体ケース210の後端円筒部213に、端部溝部232cを有するロックキャップ230を備えたことにより、逆止弁140を備えていない流体導入部130に流体充填装置200を接続することができる。
より詳しくは、逆止弁140を備えていない流体導入部130における被接続部131の奥行きが短いため、本体ケース210の接続部211端部から突出したスライド体240が流体導入路132に干渉して、本体ケース210の接続部211と流体導入部130とが接続できない。
【0118】
そこで、端部溝部232cを有するロックキャップ230により、スライド体240の接続部211側の端部が本体ケース210に収容された位置で保持されるため、逆止弁140を備えていない流体導入部130と流体充填装置200とを確実に接続することができる。
【0119】
さらに、流体導入部130における逆止弁140の有無によって、流体充填装置200を使い分けることを不要にすることができる。
従って、流体充填装置200は、流体導入部130における逆止弁140の有無に関わらず、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填を容易に行うことができる。
【0120】
次に、流体充填装置200とバルブ装置100との接続状態を保持する固定部材300について、図13、及び図14を用いて説明する。
なお、図13は固定部材300の平面図を示し、図14は流体充填装置200とバルブ装置100とを固定部材300で固定した状態を説明する説明図を示している。
【0121】
固定部材300は、図13に示すように、流体充填装置200に固定する充填装置固定部301と、固定部材を手で保持する手持ち部302と、手持ち部302に固定するとともに、バルブ装置100に当接するホルダ305を先端に有するトグルクランプ304とで構成している。
充填装置固定部301は、流体充填装置200の径方向に向けて形成するとともに、本体ケース210における後端円筒部213に装着している。
【0122】
手持ち部302は、略矩形の平板で形成するとともに、略矩形の開口を有する形状に形成している。そして、手持ち部302は、流体充填装置200の軸方向と略平行になるようにして充填装置固定部301の端部に接合して固定している。なお、手持ち部302には、固定部材300を吊り下げるとともに、安全のための落下防止装置としてワイヤーを取付許容するアイボルト303を装着している。
【0123】
トグルクランプ304は、充填装置固定部301と長手方向に対向する手持ち部302の端部において、バルブ装置100の側面に向けて回転可能に固定するとともに、バルブ装置100の側面に向けて回転することで固定可能に構成している。また、トグルクランプ304の先端には、バルブ装置100の側面に密着可能な形状に形成したホルダ305を装着している。
【0124】
このような構成の固定部材300を用いて、バルブ装置100と流体充填装置200とを固定する方法を説明する。
具体的には、上述したように流体充填装置200をバルブ装置100の流体導入部130に接続したのち、トグルクランプ304をバルブ装置100に向けて回転する。
【0125】
トグルクランプ304を回転すると、図14に示すように、ホルダ305がバルブ装置100の側面と当接するとともに、トグル機構により、トグルクランプ304は、流体充填装置200とホルダ305とを引き寄せるようにして、流体充填装置200とバルブ装置100との接続状態を保持する。
【0126】
このようにしてバルブ装置100と流体充填装置200との接続状態を固定部材300で保持したのち、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填を行う。
【0127】
以上のような動作を実現することができる流体充填構造1は、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填をより容易に行うことができる。
【0128】
具体的には、固定部材300を備えたことにより、充填圧などの外力によって被接続部131に接続した本体ケース210が脱落することをより確実に防止できる。すなわち、作業者が手で保持するよりも安全に貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器への代替フロンガスの充填を行うことができる。
従って、流体充填構造1は、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスの排出、及び貯蔵容器2への代替フロンガスの充填をより安全に、かつ容易に行うことができる。
【0129】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の流体は、実施形態の代替フロンガスに対応し、
以下同様に、
導入口は、被接続部131に対応し、
導入装置は、流体導入部130に対応し、
被嵌合部は、内溝部144eに対応し、
弁体付勢部材は、螺旋スプリング142に対応し、
嵌合部は、ロックボール246、ロックボール溝242a、及びロックボール孔247aに対応し、
嵌合部材は、ロックボール246に対応し、
抱持部は、ロックボール孔247aに対応し、
弓状溝部は、ロックボール溝242aに対応し、
内部当接部は、内包体拡径部248aに対応し、
第1付勢部材は、第1スプリング249に対応し、
第2付勢部材は、第2スプリング216に対応し、
開弁位置保持部は、径方向開口部232bに対応し、
バルブ装置は、バルブ本体部110に対応し、
収納位置保持部は、端部溝部232cに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0130】
具体的には、上述の実施例では、代替フロンガスを用いて説明したが、これに限定せず、LPガスなどの他の流体であってもよい。
また、貯蔵容器に充填する流体は、貯蔵容器2に貯蔵された代替フロンガスなどの流体と異なる流体であってもよい。
また、バルブ装置100をダイヤフラム式としたが、これに限定せず、バタフライ式やボール式など他の形式のバルブ装置であってもよい。
【0131】
また、バルブ本体部110と流体導入部130を一体で構成したが、別々に構成して貯蔵容器2に装着してもよい。例えば、貯蔵容器2に貯蔵する流体が比重の重い流体の場合、流体導入部130を貯蔵容器2の底部に設けてもよい。これにより、貯蔵容器2に滞留する流体をより効率よく抜き取ることができる。
【0132】
また、貯蔵容器2に残留する代替フロンガスなどの流体の放出、真空引きによる抜き取り、及び貯蔵容器への流体の充填までの一連の作業を、流体充填構造1を用いて説明したが、これに限定せず、流体充填構造1を用いて貯蔵容器2に残留する流体の放出、及び貯蔵容器2への流体の充填を行ってもよい。あるいは、貯蔵容器2に残留する流体の放出、抜き取り、及び貯蔵容器2への流体の充填する作業を、流体充填構造1を用いてそれぞれ独立して行ってもよい。
【0133】
また、トグルクランプ304を備えた固定部材300としたが、これに限定せず、流体充填装置200の接続部211の外周面にネジ部を形成し、流体導入部130の被接続部131に接続部211と螺合するナットを備え、流体充填装置200と流体導入部130との接続状態を、ナットを螺合することで保持してもよい。
【0134】
また、本体ケース210を略六角柱状の内部中空に形成したが、略円筒状に形成してもよい。
また、弁体本体144の外周突部144fを三方方向に形成したが、これに限定せず、四方向など適宜に設定してもよい。
また、充填ノズル250のノズル孔254を8つ形成し、ロックボール246を3つとし、ロックボール孔247aを3つ形成したが、これに限定せず、任意の数としてもよい。
【符号の説明】
【0135】
1…流体充填構造
2…貯蔵容器
110…バルブ本体部
114…開閉弁
120…回転ハンドル
130…流体導入部
131…被接続部
140…逆止弁
141…弁体
142…螺旋スプリング
143…弁箱
144e…内溝部
200…流体充填装置
210…本体ケース
211…接続部
213a…端部
216…第2スプリング
232b…径方向開口部
232c…端部溝部
240…スライド体
241…第1スライド体
242a…ロックボール溝
245…第2スライド体
246…ロックボール
247a…ロックボール孔
248a…内包体拡径部
249…第1スプリング
260…規制部材
300…固定部材
K…開弁方向
S…挿入空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を貯蔵する貯蔵容器に装着して、前記流体を前記貯蔵容器に導入する導入口を有する導入装置と、
前記導入口に接続して前記流体を前記貯蔵容器に充填する流体充填装置とで構成する流体充填構造であって、
前記導入口に、
前記流体の導入方向への付勢力により閉弁する逆止弁を装着し、
該逆止弁を、
前記導入口に接続した前記流体充填装置と嵌合する被嵌合部を有する弁体と、前記流体の導入方向へ向けて前記弁体を付勢する弁体付勢部材と、前記弁体と前記弁体付勢部材とを収容する弁箱とで構成し、
前記流体充填装置に、
前記導入口に接続する本体ケースと、前記弁体の開弁方向へスライド移動可能に前記本体ケースに収容したスライド体とを備え、
前記本体ケースを、
一端に前記導入口と接続可能に形成した接続部と、他端に前記スライド体を挿通する挿通孔を形成した端部を有する略筒状に形成し、
前記スライド体を、
前記本体ケースの前記挿通孔、及び前記接続部から両端がそれぞれ突出する略柱状に構成するとともに、一端にスライド移動を規制する規制部材と、他端に前記被嵌合部と嵌合する嵌合部とを備えたことを特徴とする
流体充填構造。
【請求項2】
前記スライド体を、
前記本体ケースの前記接続部、及び前記挿通孔から両端が突出する略柱状に形成した第1スライド体と、
前記接続部側端部を第1スライド体の前記接続部側端部と略同等の位置に配置して、前記第1スライド体をスライド移動可能に収容する略筒状に形成した第2スライド体とで構成し、
前記嵌合部を、
前記弁体の前記被嵌合部に嵌合する嵌合部材と、
前記第2スライド体において、前記嵌合部材を径方向外側に向けて突出可能に抱持する抱持部と、
前記第1スライド体において、前記嵌合部材を前記抱持部に収容可能な深さを有して、開弁方向に略弓状の溝形状に形成した弓状溝部とで構成し、
前記第2スライド体の内部に、
前記嵌合部材が前記抱持部から径方向外側に突出する前記第1スライド体のスライド位置において、前記第1スライド体と開弁方向に当接する内部当接部を形成した
請求項1に記載の流体充填構造。
【請求項3】
前記第2スライド体に、
前記第1スライド体を前記接続部側へ向けて付勢する第1付勢部材を備え、
前記本体ケースに、
前記第2スライド体を前記接続部側へ向けて付勢する第2付勢部材を備えた
請求項2に記載の流体充填構造。
【請求項4】
前記本体ケースの前記端部に、
前記逆止弁の前記弁体が開弁する前記スライド体のスライド位置において、前記規制部材を保持する開弁位置保持部を備えた
請求項1から3のいずれか1つに記載の流体充填構造。
【請求項5】
前記被嵌合部を、
内部に前記嵌合部の挿入を許容する挿入空間を有する筒状部と、
該筒状部の内周面に径方向外側に向けて略凹状に形成した内溝部とで構成した
請求項1から4のいずれか1つに記載の流体充填構造。
【請求項6】
前記導入装置を、
前記貯蔵容器に貯蔵された前記流体の出し入れを規制する開閉弁、及び回転軸を回転させて前記開閉弁を開閉操作する回転ハンドルを備えたバルブ装置と一体で構成した
請求項1から5のいずれか1つに記載の流体充填構造。
【請求項7】
前記接続部と前記導入口との接続状態を保持する固定部材を備えた
請求項1から6のいずれか1つに記載の流体充填構造。
【請求項8】
流体を貯蔵する貯蔵容器に装着して、前記流体を前記貯蔵容器に導入する導入口を有する導入装置に接続するとともに、前記導入口に装着した逆止弁を開弁して前記流体を前記貯蔵容器に充填する流体充填装置であって、
前記導入口に接続する本体ケースと、
前記流体の導入方向への付勢力により閉弁する弁体を有する前記逆止弁における開弁方向へスライド移動可能に前記本体ケースに収容したスライド体とを備え、
前記本体ケースを、
一端に前記導入口と接続可能に形成した接続部と、他端に前記スライド体を挿通する挿通孔を形成した端部を有する略筒状に形成し、
前記スライド体を、
前記本体ケースの前記挿通孔、及び前記接続部から両端がそれぞれ突出する略柱状に構成するとともに、一端にスライド移動を規制する規制部材と、他端に前記弁体と嵌合する嵌合部とを備えた
流体充填装置。
【請求項9】
前記スライド体を、
前記本体ケースの前記接続部、及び前記挿通孔から両端が突出する略柱状に形成した第1スライド体と、
前記接続部側端部を第1スライド体の前記接続部側端部と略同等の位置に配置して、前記第1スライド体をスライド移動可能に収容する略筒状に形成した第2スライド体とで構成し、
前記嵌合部を、
前記逆止弁の前記弁体に嵌合する嵌合部材と、
前記第2スライド体において、前記嵌合部材を径方向外側に向けて突出可能に抱持する抱持部と、
前記第1スライド体において、前記嵌合部材を前記抱持部に収容可能な深さを有して、開弁方向に略弓状の溝形状に形成した弓状溝部とで構成し、
前記第2スライド体の内部に、
前記嵌合部材が前記抱持部から径方向外側に突出する前記第1スライド体のスライド位置において、前記第1スライド体と開弁方向に当接する内部当接部を形成した
請求項8に記載の流体充填装置。
【請求項10】
前記第2スライド体に、
前記第1スライド体を前記接続部側へ向けて付勢する第1付勢部材を備え、
前記本体ケースに、
前記第2スライド体を前記接続部側へ向けて付勢する第2付勢部材を備えた
請求項9に記載の流体充填装置。
【請求項11】
前記本体ケースの前記端部に、
前記逆止弁の前記弁体が開弁する前記スライド体のスライド位置において、前記規制部材を保持する開弁位置保持部を備えた
請求項8から10のいずれか1つに記載の流体充填装置。
【請求項12】
前記本体ケースの前記端部に、
前記スライド体の前記接続部側端部が前記本体ケースに収納される前記スライド体のスライド位置において、前記規制部材を保持する収納位置保持部を備えた
請求項8から11のいずれか1つに記載の流体充填装置。
【請求項13】
流体を貯蔵する貯蔵容器に装着するとともに、前記貯蔵容器に前記流体を充填する流体充填装置を接続許容して、前記貯蔵容器に充填する前記流体を導入する導入口を有する導入装置であって、
前記導入口に、
前記流体の導入方向への付勢力により閉弁する逆止弁を装着し、
該逆止弁を、
前記流体の導入方向に閉弁する弁体と、前記流体の導入方向へ向けて前記弁体を付勢する弁体付勢部材と、前記弁体と前記弁体付勢部材とを収容する弁箱とで構成し、
前記弁体に、
開弁方向にスライド移動可能に構成したスライド体を有し、前記導入口に接続した前記流体充填装置の前記スライド体と嵌合する被嵌合部を備えた
導入装置。
【請求項14】
前記被嵌合部を、
内部に前記嵌合部の挿入を許容する挿入空間を有する筒状部と、
該筒状部の内周面に径方向外側に向けて略凹状に形成した内溝部とで構成した
請求項13に記載の導入装置。
【請求項15】
前記貯蔵容器に貯蔵された前記流体の出し入れを規制する開閉弁、及び回転軸を回転させて前記開閉弁を開閉操作する回転ハンドルを備えたバルブ装置と一体で構成した
請求項13または14に記載の導入装置。
【請求項16】
流体を貯蔵する貯蔵容器に装着して、前記貯蔵容器に充填する前記流体を導入する導入装置の導入口に装着されるとともに、前記貯蔵容器に前記流体を充填する流体充填装置により開弁される逆止弁であって、
前記流体の導入方向に閉弁する弁体と、
前記流体の導入方向へ向けて前記弁体を付勢する弁体付勢部材と、
前記弁体と前記弁体付勢部材とを収容する弁箱とで構成し、
前記弁体に、
開弁方向へスライド移動可能に構成したスライド体を有し、前記導入口に接続した前記流体充填装置の前記スライド体と嵌合する被嵌合部を備えた
逆止弁。
【請求項17】
前記被嵌合部を、
内部に前記嵌合部の挿入を許容する挿入空間を有する筒状部と、
該筒状部の内周面に径方向外側に向けて略凹状に形成した内溝部とで構成した
請求項16に記載の逆止弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−87867(P2013−87867A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229041(P2011−229041)
【出願日】平成23年10月18日(2011.10.18)
【出願人】(591038602)株式会社ネリキ (54)
【Fターム(参考)】