流体入口装置、使用法、およびリトロフィットの方法
液体とガスの混合物を容器内に導入するのに適した流体入口装置1であって、該流体入口装置は、通常の作動中液体膜が上に存在する面を有し、この面に沿ったガス流の主方向を有する誘導部材を備え、該誘導部材20が、上流位置から誘導部材20に対して下流位置まで延在する液体捕捉チャネル40を備え、上流位置と下流位置の間の誘導部材に沿った垂直線が、ガス流の主方向からそれる流体入口装置と、液体とガスの混合物をガスと液体を接触させる容器内に導入するための流体入口装置の使用法、および流体入口装置をリトロフィットする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体とガスの混合物を容器内に導入するのに適した流体入口装置、このような装置の使用法、および流体入口装置をリトロフィットする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油およびガス産業、化学および石油化学製品産業の上流または下流過程における多くの施設において、液体とガスの混合物を処理容器内に導入することが要求される。容器は、例えば石油および/または水から成る天然ガス流などの気流を液体とガス流に分離するように設計された分離容器であり得る。容器はまた、ガスおよび液体が、熱または成分を交換するために対向流式に接触するガス/液体接触容器であり得る。このようなガス/液体接触容器の実施例は、分留または蒸留コラムであり、特定の実施例は真空蒸留コラムである。
【0003】
明細書および特許請求の範囲中の用語「ガス」は、ガスおよび蒸気を示すのに使用される。
【0004】
ガスと液体の混合物をコラムまたは容器内に導入するために、いわゆる入口装置が使用される。複雑度および性能が異なる様々なタイプの入口装置がある。いくつかの入口装置は、入口ノズルを介してコラム内に流れる混合物の流路内に配置されるスプラッシュ板を備える、または基本的にそれで構成される。スプラッシュ板は、流入する流れの勢いを止め、流体を水平方向に誘導し、偏向させて、コラム内に流入する混合物の一部の分配を実現する。
【0005】
他の入口装置は、詳細には湾曲した誘導羽根に対する遠心力を利用して、液体とガスの実質的な(事前)分離が実現するように設計される。
【0006】
英国特許明細書番号第1 119 699号は、蒸留コラムに液体とガスの混合物を導入するための特定の流体入口装置を開示する。
【0007】
知られた流体入口装置は、液体とガスの混合物を受けるために入口端部を有する入口流れチャネル、および入口流れチャネルに沿って1つずつ後ろに配置された複数の湾曲した誘導羽根を備え、各羽根は、入口流れチャネルの入口端部に向かって延在する遮断部、および外側に向けられた偏向部を備える。各羽根の遮断部および偏向部は、羽根が混合供給流の一部を遮断および偏向し、慣性力および遠心力によって液体と蒸気の分離を行うことができるように配置される。
【0008】
通常の作動中、ガスと液体の混合物は、入口装置の入口端部に流体連通するコラムの入口ノズルに供給される。羽根は、混合物を外に向けて偏向するように湾曲している。流れの方向が変わることにより、混合物の(事前)分離が起こり、液体は羽根の凹面に押しやられ、これにより凹面上に液体の豊富な膜の流れを形成し、2つの羽根の間の出口チャネルの残りの部分にガスの豊富な流れを形成する。流れは出口チャネルを出た後、液体の豊富な流れは、重力の影響によりコラム内を下方に流れ、ガスの豊富な流れは、コラム内を上方に流れる。知られた装置の特定の実施形態において、羽根に沿った主要な流れの方向に対して垂直な羽根の付随縁部(trailing rim)に、液体捕捉チャネルが配置される。このチャネルは、羽根の側部によって、すなわち主要な流れの方向に対して垂直方向に分離された液体を全て排出するように機能する。
【0009】
別の湾曲した誘導羽根を備える入口装置は、例えばいわゆる蒸気ホーンであり、例えばこれは、GITVサイクロン入口として、Sulzer Chemtechによる、番号22.51.06.40−III.06−50のパンフレット「Internals for packed columns」の18ページに示される。蒸気ホーン内で、流体混合物は、コラム内に接線方向に導入され、湾曲した入口流れチャネルがコラムの内周に沿って延在する。湾曲したチャネルに沿って湾曲した誘導羽根が、混合物の一部を事前分離し、コラムの中央に向けて偏向する。
【0010】
Sulzerのパンフレットの同様の18ページはまた、GDPスプラッシュ板入口装置およびGIV羽根入口装置を示す。
【0011】
湾曲した誘導羽根を備えたさらに別の入口装置は、公開番号WO03/070348号の国際特許出願より知られている。
【0012】
流れ入口装置の重要なパラメータは、ガス内に残っている全体の液体の同伴(entrainment)であり、すなわち残った液体を含むガスが、コラムまたは容器内に通常は上方に流れることである。スプラッシュ板などの誘導部材、または詳細には湾曲した誘導羽根を含む入口装置では、液体を含むより小さい部分またはより大きい部分が、誘導部材上に沈殿され、誘導部材の面の上をコラム内に流れる。しかしながら、すでに分離された液体の一部が再同伴し、この再同伴は一般には、ガスと液体の流れが入口装置を出る領域内で起こる。
【0013】
再同伴は下流の装置により大きな液体負荷を与えるため、蒸留および分離用途を含めて、再同伴は一般的な問題である。羽根の凹側ですでに分離され容器の底部に向かう理想的な経路を見つけなければならない液体が、ガスによってさらに上方に運ばれるため、再同伴は、入口装置全体の分離効率を低下させる。一般に再同伴は、例えば沖合いでの設備など、例えば費用および占有領域を考慮して容器のサイズを縮小した結果など、高速で増加すると予想される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
現在の入口装置を使用するよりも、より同伴の起こりにくい作動が可能であることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明により、液体とガスの混合物を容器内に導入するのに適した流体入口装置が提供され、該流体入口装置は、通常の作動中液体膜が上に存在する面、およびこの面に沿ったガス流の主方向を有する誘導部材を備え、該誘導部材は、上流位置から誘導部材に対して下流位置に向かって延在する液体捕捉チャネルを備え、上流位置と下流位置の間の誘導部材に沿った垂直線は、ガス流の主方向からそれる。
【0016】
出願人は、すでに分離された液体のガス内への再同伴の有意な機構は、湾曲した羽根の偏向部の付随端部(trailing end)など、知られた入口装置の縁部で生じると考えている。
【0017】
この再同伴は、縁部を横切るガスの流れによって引き起こされ、液体膜が誘導部材上に存在するおよび/または液体はこの縁部から羽根を出る。
【0018】
英国特許第1 119 699号より知られる入口装置においてガスの大半は、主要なガスの流れが概ね水平方向であるとき、垂直方向である羽根の端縁部を横切って流れる。例えば英国特許第1 119 699号および国際特許出願公開第WO2005/018780号など従来技術においては、垂直付随縁部に沿った垂直方向の液体捕捉チャネルを配置することによって、同伴の低下を試みてきた。しかしながら出願人は、このような垂直の構造体をガス流の主方向に対して垂直方向に配向することによって、ガス流の障害となることから、構造体自体の存在が再同伴の原因となることに気づいた。また出願人は、垂直捕捉チャネル内の液体に対する上向きの力が存在し、これは、チャネルの上端部が閉鎖されていても液体を垂直チャネルの上部から外に押し出させ、再同伴させることがあることに気づいた。
【0019】
ドイツ特許出願番号第DE10 2004 018 341 A1号は、液体捕捉ポケットが羽根の上部水平縁部に沿って配置された、概ね水平の羽根式入口装置を開示する。液体捕捉ポケットは、ガス流の主方向と同一線上に延在する。これに対して、本発明の液体捕捉チャネルは、ガス流の主方向と同一線上に延在しない。
【0020】
出願人はさらに、液体捕捉チャネルは、再同伴を防ぐための好適な手段であると考えている。液体は捕捉縁部によって捕捉され、少なくとも一部が羽根の側部に向けて誘導され、その結果、少なくともガスの一部は、縁部の上を直交して流れることはなく、液体をそこから運び出すことができる。液体捕捉チャネルという表現は、羽根の上の液体流を、ガス流の主方向からチャネル様の構造体によって画定される方向にそらすための任意の手段を含める。
【0021】
特定のクラスの実施形態において、入口装置は羽根式入口装置である。このような流体入口装置は、液体とガスの混合物を受けるための入口を有し、誘導部材は、入口端部に向かって延在する遮断部と、湾曲した羽根の全体的に凸側および全体的に凹側を画定する偏向部とを備え、凹側が通常の作動中液体が上に存在する面を呈示する、湾曲した誘導羽根である。
【0022】
特定の実施形態において、流体入口装置は、その上流端部に入口端部を備え、湾曲した入口流れチャネルに沿って1つずつ後ろに配置された複数の湾曲した誘導羽根を備え、羽根のうちの少なくとも1つが液体捕捉チャネルを備える湾曲した入口流れチャネルを有する。
【0023】
流体入口装置は、その上流端部に入口端部を備え、入口流れチャネルに沿って1つずつ後ろに配置された複数の湾曲した誘導羽根を備え、2つの連続する羽根の偏向部が入口装置の出口チャネルを形成し、羽根のうちの少なくとも1つが液体捕捉チャネルを備える入口流れチャネルを有することも可能である。
【0024】
別の実施形態において、流体入口装置は、偏向部が複数の異なる方向に延在し、羽根のうちの少なくとも1つが液体捕捉チャネル内を備える複数の湾曲した誘導羽根を備える。
【0025】
実施形態の別のクラスにおいて、誘導部材はスプラッシュ板である。
【0026】
好適には垂直線は、最大でも75度以下、好ましくは65度以下の角度でガス流の主方向からそれる。75度を超える大きな角度では、ガス流の障害、および/または上方向に捕捉チャネルから押し出される液体による再同伴の機会が高くなりすぎる。好適には角度は、少なくとも10度以上、好ましくは20度以上、より好ましくは35度以上など30度以上である。
【0027】
好適には少なくとも捕捉チャネルの上流位置は、ほぼ誘導部材の縁部にあり、詳細には羽根の縁部にある。上流端部は、誘導部材の幾分外側に延在することができる。
【0028】
好ましくは、液体捕捉チャネルは、誘導部材の縁部の少なくとも一部に沿って延在する。
【0029】
特定の実施形態において、通常の作動中のガス流の主方向は水平方向であり、誘導部材、詳細には羽根の偏向部は、上方縁部と下方縁部の間に延在し、上流位置は下方縁部から第1の距離にあり、下流位置は下方縁部からより短い第2の距離にある。
【0030】
特定の実施形態において、流体入口装置は、箱型の構造体を画定する壁を有し、液体捕捉チャネルは、箱型構造体の外に延在する羽根の一部の上に配置され、捕捉チャネルはその上流位置で壁の1つに対して密封式に配置される。
【0031】
好適には、誘導部材、詳細には羽根の偏向部の幅は、下流方向で減少する。
【0032】
特定の実施形態において、複数の液体捕捉チャネルが誘導部材上に配置される。
【0033】
別の特定の実施形態において、ガス流の主方向から異なる方向にそれる2つの液体捕捉チャネルが配置される。この実施形態は、流体入口装置内の羽根が、その出口チャネルを下方に開放して配置され、その結果、例えば2つの液体捕捉チャネルによって、液体を羽根の中央線に向かって誘導することができるような特定の使用法であり得る。
【0034】
誘導部材は典型的には、通常の作動中その上に液体膜が形成される側部と、反対側の裏側を有する板である。一タイプの実施形態において、液体捕捉チャネルは、裏側で、詳細には湾曲した羽根の凸側の背部の第1チャネル縁部から、液体膜が上に形成される表面の面内、詳細には羽根の偏向部の第2チャネル縁部まで、またはこの面を超えて、詳細には羽根の凹側に向かって延在する。
【0035】
裏側、詳細には湾曲した羽根の凸面の背部のチャネル縁部は、裏側に装着され、詳細には密封式に装着または接続されてよい。
【0036】
裏側の背部の長手方向チャネル縁部が、裏側にスリットを形成することも可能である。このような実施形態において、縁部が誘導部材の上方縁部である場合、捕捉された液体はさらに運ばれて、チャネルに沿って排出されるが、ガスは、スリットを通って下方に逃げることができる。縁部が下方縁部である場合、スリットは、液体捕捉チャネルが液体で満たされる場合に備えて、余剰分の出口を設けることができる。
【0037】
別のタイプの実施形態において、液体捕捉チャネルは、誘導部材の縁部に接続される、または一体式に形成される。
【0038】
また好適には、液体捕捉チャネルは、誘導部材の付随端部の下流端部まで、または付随端部を超えて延在する下流端部を有する。液体捕捉チャネルが誘導部材を超えて延在することによって、液体をガス速度がより遅い領域内に誘導することができる。液体捕捉チャネルの下流部はまた、液体を放出する方向を容器内へ変えるために配置することができる。例えば流体入口装置内の主な流れ方向が水平方向であるとき、好適ではあるが急激ではなく、下流部を下方に向けることができる。
【0039】
チャネルは、詳細には、例えばL、VまたはU字型を逆さにした角度を付けられた形状で形成することができる。別の可能性は、チャネルは、長手方向部分がその長さに沿って切断された管である管状部分の形状を有する。
【0040】
本発明による流体入口装置は、ガスと液体を接触させる容器内、詳細には蒸留コラム、より詳細には高真空蒸留コラム内、または分離容器内への流体入口装置として使用することができる。
【0041】
本発明はさらに、液体とガスの混合物を容器内に導入するのに好適な流体入口装置をリトロフィットする方法を提供し、流体入口装置は、通常の作動中液体膜が上に存在する面と、この面に沿ったガス流の主方向とを有する誘導部材を備え、該方法は、上流位置から誘導部材に対して下流位置に向かって延在する液体捕捉チャネルを誘導部材に設けるステップを含み、上流位置と下流位置の間の羽根に沿った垂直線は、ガス流の主方向からそれる。
【0042】
好適には、これは、羽根の端部ごとに羽根に接続することによって行われ、液体捕捉チャネルの少なくとも一部は、羽根の端部上に配置される。
【0043】
好適には、リトロフィット後の流体入口装置は、本発明による流体入口装置である。
【0044】
添付の図面を参照してより詳細に本発明を記載する。
【0045】
同様の参照番号、場合によっては追加の符号a、b、c、d、eが異なる図面中で使用される場合、これらは同一のまたは同様の対象物を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
詳細な説明の第1の部分において、英国特許番号1 119 699号より知られる羽根型入口装置の改良に関連して本発明を詳細に考察する。第2の部分で、他の入口装置に関連して本発明をより詳細に考察する。
【0047】
垂直コラム5の中に設置され、事前分離された液体/ガス混合物を導入し、比較的均一にコラムの処理区域6内の断面にわたって分配するように機能する流体入口装置1を概略的に示す図1を参照する。
【0048】
流体入口装置1は、コラム5の入口ノズル12と流体連通する入口端部10を有する細長い入口流れチャネル8を備え、この中に液体とガスの混合物を収容することができる。示される実施形態の入口流れチャネルは、上方壁板14と下方壁板15の間に垂直コラム5の中に水平方向に延在する。湾曲した誘導羽根20の形態の誘導部材が、入口流れチャネル8に沿って、両方の側面2列に1つずつ後ろに配置され、その結果、2つの側面が一連の羽根を備える箱型の配置が実現する。各羽根は、入口流れチャネルの入口端部10に向かって延在する遮断部22と、上部縁部30と下部縁部31の間を付随縁部32まで延在する付随端部27を有する外側に(流体入口装置から外へ容器内部に)向かう偏向部25とを備える。付随端部は概ね、流体分離の大半が行われる下流部であり、壁14、15によって画定された箱型構造体から外に延在する部分であることも多い。
【0049】
偏向部25は、各羽根の凹凸側を画定する。図1の凹側は概ね、流体入口装置の入口端部に面する側である。2つの連続する羽根20の偏向部25は、入口装置の出口チャネル35を形成する。出口チャネルは、羽根に沿ったガス流37の主方向を画定し、これは示されるように、入口装置内の水平面内にある。羽根の先導端部(leading end)および付随端部は平坦であるが、それらはそれぞれ、または両方とも湾曲していてもよい。
【0050】
本明細書で使用される表現「ガス流の主方向」は、流体入口装置が大型の開口空間内に配置されるとき、流出するガスと液体の経路が、周辺装置によって影響を受けないように、通常の作動中に液体膜が上に存在する誘導部材の面に沿った、作動中にガス流が有する方向を意味する。この面は典型的には、湾曲した誘導羽根の凹側である。作動中、垂直コラム内の羽根の出口部分におけるガス流の方向は、コラム内の圧力分布、および付近のコラム壁の存在によってすでに影響を受けている可能性があり、多くの場合、ガスは水平方向には出て行かず、コラム内での羽根の正確な配置および作動パラメータに左右される上方速度成分を備えていることが明らかである。
【0051】
また矢印37は概ね、特定の羽根に関する下流方向を示す。
【0052】
本発明による液体捕捉チャネルの実施例は、図1で全体的に参照番号40で示され、図2から図8を参照してより詳細に考察される。
【0053】
特定の用途によって、他の内部部品(図示せず)をコラム5の中に配置することができる。分離コラムの場合、ワイヤメッシュ、羽根パックおよび/または遠心液体分離装置のような1つまたは複数の融合装置を、例えば欧州特許番号第EP 0 195 464 B1号より知られる構成で設置することができる。
【0054】
高真空コラム内に流体入口装置を設置する場合、ウォッシュベッドの下にそれを設置することができる。
【0055】
流体入口装置1の通常の作動中、ガスと液体の混合物は、入口ノズル12を通って、入口端部10を介してほぼ水平に延在するチャネル8の中へ供給される。各羽根20は、供給流れの一部を遮断し、それを横方向に外側に偏向する。両側の第1の羽根、すなわち、入口端部10に最も近い羽根は、流れの一部を遮断し偏向するように、混合供給流れの中に配置され、供給流れの残りの部分は入口チャネル8に沿って続く。この残りの部分は、連続的に後続の羽根に接触し、それぞれの羽根が、供給流れの一部を遮断し偏向し、各後続の羽根の先導縁部(leading edge)は、前の先導縁部からずらされ、その結果流れは徐々に小さくなり、最終的に最後の羽根に捕捉され、これによって偏向される。
【0056】
羽根が湾曲した形状を有することから、慣性力および遠心力によって、液体粒子が羽根の表面にぶつかり、同時に液体と蒸気の分離が起こる。液体は、羽根の凹面上に多量の液体流を集める。
【0057】
図1に示す左右対称に作動する実施形態において、ガスの主な流れの方向は概ね水平面内である。
【0058】
羽根の凹側の斜視図で、本発明による羽根20の実施形態を示す図2を参照する。
【0059】
羽根20は、直線の遮断部22と、湾曲部および直線の付随端部27を備える偏向部25とを有する。曲率半径は一般に入口ノズルのサイズによって選択される。上流端部と付随端部の間の角度は典型的には、70度から110度であり、好ましくは、実質的には90度など、80度から100度の間である。液体捕捉チャネル40は、その上方縁部30で羽根20の上流位置42から、付随縁部32で下流位置44aまで延在する。上流および下流位置は、ガス流の主方向37に沿って分離される。チャネルはまた、点線で示されるように、付随縁部を超えて44cで示されるように下方縁部31の下に配置されることもある下流位置44bまで延在することができる。付随縁部を超えて延在する端部はまた、一部湾曲されるおよび/または羽根の付随端部の面から外へ液体を誘導することができる。流体入口装置からさらに横方向に離れると、局所的なガスの速度が低下し、その結果その地点での再同伴の機会はさらに最小となる。羽根の付随縁部32を超えて延在する部分は、その端部に出口を有する完全に密閉された管で好適に形成されるが、当然のことながら、その下方側部でのように一部開放されたままであってもよい。下方湾曲部など付随縁部を超えて延在する部分の湾曲は、コラムの壁に近接して終端する羽根で、コラムの壁に対して液体流が高速で衝突することによる再同伴の機構を抑えるのに有利であり得る。
【0060】
液体捕捉チャネルの上の羽根の角部47は好ましくは切り取られ、したがって点線で描かれており、この場合、液体捕捉チャネルは羽根の上方縁部に沿って延びる。また羽根の偏向部の幅は、下流方向で減少する。しかしながら、角部47は、所定の場所のままであってもよい。
【0061】
上流位置42は下方縁部31から第1の距離にあり、距離は方向37に対して垂直に測定される。下流位置は、44a、b、cのどの場合においても下方縁部からの距離がより短く、位置44cの場合にマイナスの距離も、より小さいことが明らかである。
【0062】
いずれの場合においても、上流位置42と下流位置44a、b、cの間の羽根に沿った垂直線は、下方縁部31に概ね平行であるガス流の主方向からそれる。
【0063】
流れの主方向37と、図2に示される直線の液体捕捉チャネル40に平行である垂直線の間の角度は、好適には10度以上であり、好ましくは20度以上、例えば45度とか、30度以上である。角度は好適には75度を超えず、好ましくは60度以下など65度以下である。
【0064】
図3は、捕捉チャネル40が湾曲した実施形態を示す。垂直線46が示されている。好ましくは、湾曲捕捉チャネルの接線48と主流れ方向37によって形成される最大角はまた、好適には10度以上、好ましくは20度以上、例えば45度とか、30度以上である。角度は、好適には80度を超えず、好ましくは75度以下、より好ましくは60度以下などの65度以下である。
【0065】
図3の実施形態の別の態様は、捕捉チャネルの下流位置44が下方縁部31の上にあり、その結果、図1および2で32で示される有限の端縁部がない。この態様は、当然のことながら、図2のものなど他の実施形態に適用することもできる。
【0066】
図4は、本発明による羽根50の別の実施形態を示す。羽根が比較的高い場合、急峻すぎない角度で、羽根の上に本発明による捕捉縁部を配置するのに十分な空間がない場合がある。この場合、例えば2、3、4以上の複数の捕捉縁部を配置することができる。図4の実施例において、上流位置55、56、57から下流位置61、62、63に延在する3つの捕捉縁部51、52、53が示される。最も高所の捕捉縁部の上流位置は、羽根50の上方縁部30にある。捕捉チャネルは、ガス流の主方向37内で重なり合い、その結果縁部52の上流位置56が、縁部51の下流位置61より高くなり、縁部55の上流位置57が縁部52の下流位置62より高くなる。捕捉縁部の影の中にある羽根の概ね三角形の部分は、示されるように切り取ってもよいが、存在していてもよい。下流位置を超える点線は、すでに図1を参照して考察したように、捕捉チャネルが延在し得ることを示し、例えばその結果、コラムの壁までの距離に余裕があれば、これらは全て同一の垂直の高さに液体を放出する。チャネルおよび/または羽根の端部を超えることもある端部は、必ずしも示されるように平行に延びる必要ななく、少なくとも部分的に湾曲されることができる。
【0067】
流体入口装置は、例えばいわゆる二重(または複式)はしご構造で湾曲した羽根の2つ以上の重ねられた列を備える場合がある。これは典型的には、羽根がコラム内に設置するためにマンホールを通過するのに大きすぎる場合に行われる。このようなスタックの中の異なるはしごの羽根は、本発明による捕捉チャネルを備え、図4と同様の構造体が得られる。
【0068】
次に、流体入口装置の頂部壁板75の下に設置された3つの湾曲した羽根71、72、73を概略的に示す図5を参照する。羽根71、72の捕捉縁部81、82の上流端部77、78は、頂部板75の縁部に配置される。好ましくは頂部板と捕捉チャネルの間に羽根からの液体の通路は存在しない。好適には、上流端部77、78は、密封式に接続される、または頂部板に装着される。詳細には、例えば羽根を内側向けて少し多めに切り取り、上流端部を頂部板に嵌合させ、そこに溶接することができるように配置することによって、上流端を頂部板の下に(頂部板に対する水平方向の延長部の下を含めた)配置することができる。
【0069】
羽根73では、捕捉縁部はまた、羽根の上方縁部が頂部板75の外に延在する位置から延在する。捕捉チャネルの第1部分85は、捕捉チャネルが下方に湾曲するまで、羽根73の上方長手方向縁部に沿って概ね水平方向に延びる。第1部分85はまた別個の導管であってよく、または省略されてもよい。
【0070】
点線88を超える羽根83の端部87は、羽根と一体式には形成されないが、上流部89に接続された羽根73の延長部であってよい。このような端部は、例えば既存の流体入口装置をリトロフィットする過程において、その性能を適合させる/リトロフィットするために装着することができる。接続は、任意の好適な方法、例えば溶接によって行われてよい。また、所望により、上方長手方向縁部85を設置することができる。あるいはリトロフィットは、好適には角を切断した後、既存の羽根の上に捕捉縁部を配置することによって行うこともできる。
【0071】
次に、上流方向を望むそれぞれの付随端部を通る、羽根20aおよび20cの2つの実施形態の断面を示す図6を参照する。図1を参照して採用された参照番号がそれに応じて使用される。図6は、本発明による液体捕捉チャネルの種々の実施形態のいくつかの態様を示す。
【0072】
液体捕捉チャネル40aは、羽根の凸側106aに装着された第1の長手方向チャネル縁部104aから、凹側109aに向かって上方縁部30aの上に配置された第2の長手方向チャネル縁部108aまで、すなわち湾曲した羽根の付随端部27によって画定される面を超えて延在する管状部分によって形成される。
【0073】
ガス流の主方向に沿って流れる液体は、チャネル内で捕捉され、液体捕捉チャネル40aの下流端部に向けて誘導され、こうして再同伴が抑制される。
【0074】
液体捕捉チャネル40cは、管状部分の代わりに角度を付けられた形状によって形成される。羽根の背後の長手方向チャネル縁部44cは、凸面46cには接続されず、その結果スリット110cが形成される。この実施形態の液体捕捉チャネルはまた、液体を捕捉するが、ガスは、スリット110cを通って下方に逃げることができる。
【0075】
上方縁部に示される液体捕捉チャネルの変形態は、コラム内の別の配向を有する縁部に同様に適用することができることを理解されたい。本発明によりガス流の主方向に対して傾斜する捕捉チャネルの他に、少なくとも一部がガス流の主方向にほぼ平行な上方縁部または下方縁部に沿って長手方向に延びる捕捉チャネルなど他の捕捉チャネルを配置することもできる。
【0076】
いずれの図面にも示さないが、液体捕捉チャネルは、羽根の下流端部の前に、その下流端部を有することも可能である。これは例えば、羽根の偏向部の付随端部が、容器内の先まで延在し、そこでのガスの速度が羽根の付随縁部の上流ですでに十分に遅い場合に、十分であり得る。
【0077】
次に図3のものと同様の断面図で、液体捕捉チャネルのいくつかの別の実施形態を概略的に示す図7を参照する。
【0078】
液体捕捉チャネル111は、ほぼ40aと同様の管状部分によって形成されるが、チャネルは、羽根の付随縁部によって画定される面までは延在するが、その凹側に向かって羽根の長手方向縁部を超えない。
【0079】
一方液体捕捉チャネル113は、比較的小さい入口スリット114のみが得られるように、羽根の凹側に向かってさらに先まで延在する。
【0080】
液体捕捉チャネル115は管状部分で形成されるが、スリット110cと同様の機能のスリット116が形成されるように、少なくとも全体の長さにわたっては羽根の凸面に接続されない。
【0081】
液体捕捉チャネル117および119は、角度の付けられた形状で形成され、羽根の凸側に密封式に装着される。
【0082】
液体捕捉チャネル121は、半円の管部分が接続されたL字型で形成される。
【0083】
また液体捕捉チャネル(管状、角度の付けられた形状、またはその他)が羽根の凸面に接続される場合、所望により、凸側の裏側のチャネルの下方部内に別個のガス出口開口を配置することができることを理解されたい。
【0084】
液体捕捉チャネル123、125、127、129、131および133は、全て羽根に一体式に形成され、これは、効率および費用効率の高い製造を可能にすることができる。
【0085】
好ましくは、各羽根の遮断部は、入口端部を通る流れの主方向の方向と角度を形成する。好適にはこの角度は10度以下である。
【0086】
どのタイプの液体捕捉チャネルが選択されるかは、実際の状況の特定の態様による。
【0087】
一般に、その出口端部で測定される羽根同士の間の相互距離は、好ましくは特定の範囲内に維持される。この距離は、好ましくは5cm以上で60cm以下、例えばおよそ10cmまたはおよそ40cmである。
【0088】
羽根の最大の高さ(または幅)は、容器の入口ノズルのサイズによって選択され、典型的には10から80cmの範囲内である。より大型の入口ノズルの場合、上記に考察したように、二重または複式の羽根はしごを重ねることができる。
【0089】
液体捕捉チャネルの選択されるサイズは、主として搬送される液体の量に左右され、詳細には、羽根の入口の高さによる。本発明によるチャネルでは、多くの場合、羽根上で分離された液体の大半は、外へ搬送される必要があり、チャネルは、そのために寸法を決められる必要がある。管状部分の直径、あるいは角度を付けられた形状の幅または高さなどチャネルの典型的な寸法は、3から50mm、好適には5から30mmであり、詳細には5から20mmの範囲である。上記に考察したように、縁部にチャネルを配置することは、チャネルの一部を羽根の凸側に容易に配置することができ、チャネルはほとんどガスの流れを妨げず、その結果、最も速いガス速度が支配する凹側に向かうその延長部を最小限にすることができるという利点を有する。
【0090】
液体捕捉チャネルは、好ましくは羽根のそれぞれの長手方向縁部に沿った長手方向スリットの形態の液体用の入口開口を有し、この入口開口は、好適には1から20mm、好ましくは1から12mm、より好ましくは2から10mmの幅を有する。
【0091】
図1に概略的に示される実施形態は、羽根式の流体入口装置の典型的な配置である。しかしながら、図1に記載するタイプの流体入口装置以外に、本発明による流体捕捉チャネルを英国特許第1 119 699号の図1から図3を参照して考察される実施形態など他のタイプに適応することもできる。この実施形態において、羽根は、混合供給流を全て片側に偏向するように配置され、羽根の反対側の空間は、側壁に接続された壁によって閉ざされ、その結果、その片側が一連の羽根によって形成された箱型の構造が得られる。この場合一連の羽根は、液体相がいくつかの流れでトレイ上を下向きに流れる、またはコラムの底部に直接集まるように下向きの方向を有する。この英国特許明細書の図4および図5は、本発明の図1の一般的なタイプであるが、本発明による液体捕捉チャネルは存在しないことが認められる。
【0092】
次に、本発明による羽根の別の実施形態を示す図8を参照する。羽根90は特に、下方に吹き付ける流体入口装置に好適である。
【0093】
羽根90は、示される実施例ではほぼ一致する、2つの上流位置94、95から下流位置96、97まで延在する2つの捕捉チャネル92、93を備える。さらに、示されるように共通の液体誘導チャネル99を配置することもでき、先頭は示されるように直線、または好適な出口位置に向かって湾曲してもよい。図5を参照して考察したのと同様に、上流端部は好ましくは、入口チャネルを画定する壁/板(図示せず)に密封式に接続される、または装着される。
【0094】
次に本発明を他の入口装置に関連して考察する。
【0095】
次に、入口ノズル405付近の壁の一部のみが示されている垂直コラム402の中の従来のスプラッシュ板入口装置401を示す図9を参照する。
【0096】
スプラッシュ板入口装置は、入口端部412(ノズル405の出口)の前方に設置された誘導部材であるスプラッシュ板410を備える。スプラッシュ板は、頂部板414および底部板415を介してコラム壁に装着される。
【0097】
通常の作動中、ガスと液体混合物の流れは、入口ノズル405の中を流れる。ガスは横方向に偏向され、2つの横方向の流れに分離され、スプラッシュ板410の両側でガス流の主方向417a、417bに沿って流れる。液滴はスプラッシュ板に衝突し、スプラッシュ板がその凸側が入口端部412に面してわずかに湾曲する場合でも、典型的にはその上に液体膜を形成する。液滴とスプラッシュ板の受取面の間の相互作用は、液体のタイプに左右されるが、コラム内の圧力にも左右される。例えば高真空コラムでは、液滴は高圧時よりも飛散がかなり少なく、容易に液体膜を形成することが知られている。
【0098】
液体は、スプラッシュ板の上を垂直縁部421、422に向かって横方向に流れる。表面に沿ったガスの流れが、垂直縁部で液体を再同伴する。液体はまた、頂部板414および底部板415の内面上に流れ、縁部423、424、425で再同伴が起こる。
【0099】
図10は、本発明による捕捉チャネル432を備えたスプラッシュ板入口装置430を示す。誘導部材、すなわちスプラッシュ板434は、実質的に三角形の端部436を備え、その傾斜した縁部438が、捕捉チャネル432を備える。捕捉チャネル432は、上流位置から、スプラッシュ板の上部角440でガス流の主方向417aに対して下流位置441まで延在する。縁部438に沿った垂直線は、ガス流の主方向417aからそれる。
【0100】
図2から図7を参照して考察した捕捉縁部の特徴は、この実施形態にも同様に適用することができる。羽根を参照した場合、これは誘導部材、詳細にはスプラッシュ板に対する参照として読み取るべきである。
【0101】
スプラッシュ板上に形成された液体膜は、縁部438に向かって下流に流れ、捕捉チャネル内に進入し、下流端部まで誘導され、441から排出される。
【0102】
翼部436は、溶接するなどして本来のスプラッシュ板の縁部421に接続することができる、またはそれと一体式に形成することができる。
【0103】
スプラッシュ板434の他方の横方向の側部、すなわち縁部422に、好適には本発明による捕捉縁部を備える翼部が配置される。これは図10には示されていない。
【0104】
任意で上方板414および/または下方板415の縁部はまた、捕捉チャネルを備えてもよい。いくつかのオプションが、443、444、445で示される。チャネル443は、チャネル432と流体連通する延長部であってよい。この場合、コラム壁でチャネル443の端部448は、好適には440より上流位置にあり、その結果液体は、下流端部441に向かって流れる。このために、壁に向かう上方板の角は、示されるように切り取られ、図9でのような縁部423の位置が、比較のために示される。
【0105】
チャネル444および445が、上方板および下方板の三角形の端部424および425の上に設置される別のオプションを示す。これらのチャネルは、液体をコラム402の壁に向けて排出する。端部は一体式に形成される、またはリトロフィットされてもよい。
【0106】
捕捉チャネルの上流端部は好適には密封される。
【0107】
一般には「蒸気ホーン」と称される、別のタイプの流体入口装置の斜視図を概略的に示す図11を参照する。この入口装置501を使用して、液体混合物は、ノズル508を介して、接線方向に垂直コラム505内に導入される。ノズル508の入口端部510から、湾曲した入口流れチャネル515が下流方向に延在し、これは、コラム505の内周にほぼ一致する。複数の湾曲した誘導羽根(誘導部材)520が、湾曲した入口流れチャネルに沿って1つずつ後ろに配置される。羽根はそれぞれ、湾曲した入口流れチャネルの上流方向に入口端部510に向かって延在する遮断部522を備える。各羽根はさらに、外側(容器の中央に向かって流体入口装置から外に)に向けられた偏向部525を備える。
【0108】
偏向部525は、各羽根の凸側および凹側を画定する。通常の作動中、流体がそこに向けて偏向され、流れる液体膜がその上に形成される凹側は、一般にコラムの中央に向いている。羽根の先導端部および付随端部は平坦であるが、それらはそれぞれ、または両方とも湾曲されてもよい。羽根の凹側に沿ったガス流の主方向は、図11に示すような構造では水平方向の面内にある。
【0109】
本発明によると、少なくとも1つ、しかしながら好適には複数または全ての羽根520が、液体捕捉チャネルを備える。図11において、これは、液体捕捉チャネル540を備える羽根520の1つのみで示される。
【0110】
羽根520は、図1を参照して考察した羽根20とほぼ同様であり、図2から図7を参照して考察した捕捉チャネルを備えた羽根の変形態および任意の機能は、図11の実施形態に同様に適用可能である。
【0111】
流体入口装置501の通常の作動中、ガスと液体の混合物が、入口ノズル508を通り、入口端部510を介して外周上に延在する湾曲されたチャネル515内に供給される。各羽根520は、供給流の一部を遮断し、それをコラム501の中央に向けてチャネルの外に横方向に偏向する。第1の羽根、すなわち入口端部519に最も近いものは、供給流の一部を遮断し偏向するように混合供給流内に配置され、供給流の残りの部分は、入口チャネル515に沿って流れ続ける。この残りの部分は、後続の羽根と連続的に接触し、各羽根が供給流の一部を遮断し偏向し、各後続の羽根の先導縁部は、流れが次第に小さくなり、チャネルが最後の羽根まで狭まるように配置される。
【0112】
羽根が湾曲した形状を有するため、慣性力および遠心力により、液体粒子が羽根の表面にぶつかり、同時に液体と蒸気の分離が行われる。液体は、羽根の凹面上に多量の液体流を集める。
【0113】
羽根の下流端部で、液体はチャネル540に捕捉され、液体捕捉チャネルの下流端部545に向けて誘導され、コラム内に下向きの方向で放出される。この方法において、上記で考察したのとほぼ同様の方法でガスの直交流による再同伴が抑制される。
【0114】
蒸気ホーンはまた、下方への吹き付けであってよく、この場合、羽根は、水平方向の面からの流れを下方に偏向するように配置される。この場合捕捉チャネルは、好適には、液体がコラムの壁に向けて誘導されるように配置されるが、図8に示すものなど他の構成も可能である。
【0115】
さらに他の流体装置の誘導部材も、本発明による液体捕捉チャネルを備えることができる。明確には、事前分離および液体流の誘導のために湾曲した羽根を含むいずれの流体入口装置も、上記で考察した実施形態と同様の捕捉縁部を備えることができる。湾曲した羽根は、例えば異なる面内でさえも、複数の異なる方向に入口流を分割させ偏向させるなど異なる構成で配置することができる。
【0116】
また捕捉チャネルは、国際特許出願公開番号第WO3/070348号による原理で知られる入口装置に有利に設けることができる。この流体入口装置は、同軸上に配置された外周上の一連の羽根を備え、各外周上の羽根は、実質的に軸方向に向けられた先導縁部を有する遮断部と、実質的に半径方向に外側に延在する付随縁部を有する偏向部との間に湾曲して延在し、入口装置の中央軸は、容器またはコラム内の処理区域の上方に延在する軸に平行に延在する、またはこれと同軸上に延在する。図12は、トランペット様の羽根601の側面図(a)および底面図(b)を示す。羽根の外面は、通常の作動中液体膜が上に形成される(凹)側である。ガス流の主方向は、図12aの垂直面内を上方に流れ、周辺の羽根の表面と一致する。外面上に設置された液体捕捉チャネル605が示されており、これは羽根601の周囲で部分的にらせんを描き、したがってガス流の主方向からそれる。捕捉チャネル605は、全ての液体が捕捉されるように部分的に重なる。捕捉チャネルの下流端部608は、液体が羽根を囲む開放空間内に上方に放出されるように、直線で、開放されてよいが、液体が羽根の内部の内面に向かって排出されるように、例えば頂部縁部610の上で屈曲して配置されてもよい。その場合(図面には示さず)、液体は、羽根の底部から引き出すことができる。
【0117】
液体捕捉チャネルは、好適には羽根と同様の金属からなど、任意の好適な材料から作成することができ、溶接、ボルト留め、曲げなど知られた技術を使用して羽根に接続する、またはこれと一体式にすることができる。
【0118】
本発明によってガスと共に上方に運ばれる同伴される液体の量を減らすことにより、上記の内部要素の分離任務が最小となる。
【0119】
本発明の流体入口装置は、高真空蒸留コラム内に有利に使用することができる。典型的にはこのようなコラム内では、供給混合物は、30から50重量パーセントの液体を有する。100m/sを超える入口速度で液体の同伴は大きくなり、その結果流体入口装置に進入しガスと共に上方に運ばれる液体全体の相対的割合が、10%を超えることがわかっている。入口速度が速いと同伴がさらに高まる。高い同伴数値は、典型的には流体入口装置の上に設置されるウォッシュベッドの問題を提示する。本発明は著しく同伴を減少させる。
【0120】
本発明の流体入口装置はまた、分離容器内で有利に使用することができる。入口装置の全体の分離効率が高まると、コアレッサ、メッシュパッド、羽根パック、または遠心液体分離装置(スワールデッキ、サイクロン、マルチサイクロン)などコラム内での他の分離内部要素の任務が容易になる。これにより、このような他の内部要素の設計基準を緩和することができ、および/または処理量の増加を可能にする、および/またはより小型のおよび/またはより費用の安い分離装置を設置することができる。
【0121】
容器は、垂直コラムであってよいが、他のタイプの容器であってもよい。
【実施例】
【0122】
概ね図1による流体入口装置は、本発明による液体捕捉チャネルをリトロフィットする前後にテストされた。流体入口装置は、全体的に図1に示すように、7つの羽根がそれぞれ重ねられた2列で14の羽根が両側に配置された全部で28の羽根を使用する複式はしご構成で、直径1mのコラム内に水平に設置された。各羽根は、0.144mの高さで、コラム入口への供給パイプは、0.28mの直径を有していた。
【0123】
流体入口装置は、液体捕捉チャネルに設置する前にテストされた。水/空気の混合物が供給パイプに供給され、その中で水は、典型的には高真空ユニットへの伝送ライン内に存在するようなサイズの液滴として空気中に分散された。テストは、0.3の水と空気の質量比を使用して、30から60m/sの空気入口速度の範囲で行われた。
【0124】
ガス内の同伴量は、羽根入口装置上に装着された羽根パックを使用して測定された。羽根パック内に捕捉された水は、排出され、その量が測定された。同伴は、ガスの容量につき、羽根パックによって回収された液体の重量として規定することができる。
【0125】
次に流体入口装置は、0.144mの均一の高さおよび長さを有する87(図5)のような三角形の羽根端部を装備し、その結果、水平方向のガス流の主方向と45度の縁部が得られた。この縁部に沿って、したがってガス流の主方向と45度の角度を有する捕捉チャネル83が配置された。チャネル部83の長さは、0.22mであった。チャネルはさらに、図5の参照番号85に示すように、元の羽根の水平方向の上方縁部に沿って、流体入口装置の頂部壁板まで延在した。
【0126】
捕捉チャネルは、図7に示すように形状121を有した。頂部における半円の管の直径は、10mmであった。羽根の上部縁部とチャネルの縁部の間の羽根の凹側のスリットのサイズは、3mmであった。
【0127】
テストは、本発明によって、そうでなければ同一の条件を使用して捕捉チャネルが設置された後行われ、空気入口速度の範囲にわたって、同伴が2分の1から3分の1またはそれ以上減少したことを示した。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】垂直コラム内の流体入口装置の第1の実施形態の概略図である。
【図2】本発明による羽根の実施形態の概略図である。
【図3】本発明による羽根の実施形態の概略図である。
【図4】本発明による羽根の実施形態の概略図である。
【図5】本発明によるいくつかの羽根の概略図である。
【図6】本発明による2つの付随部分を通る概略断面図である。
【図7】本発明による別の羽根の付随部分を通る概略断面図である。
【図8】本発明による羽根の別の実施形態の概略図である。
【図9】スプラッシュ板入口装置の概略図である。
【図10】本発明の別の実施形態によるスプラッシュ板入口装置の概略図である。
【図11】蒸気ホーン入口装置の形態の本発明の別の実施形態の概略図である。
【図12a】トランペット様の羽根を備える本発明のさらに別の実施形態の概略側面図である。
【図12b】トランペット様の羽根を備える本発明のさらに別の実施形態の概略底面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体とガスの混合物を容器内に導入するのに適した流体入口装置、このような装置の使用法、および流体入口装置をリトロフィットする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石油およびガス産業、化学および石油化学製品産業の上流または下流過程における多くの施設において、液体とガスの混合物を処理容器内に導入することが要求される。容器は、例えば石油および/または水から成る天然ガス流などの気流を液体とガス流に分離するように設計された分離容器であり得る。容器はまた、ガスおよび液体が、熱または成分を交換するために対向流式に接触するガス/液体接触容器であり得る。このようなガス/液体接触容器の実施例は、分留または蒸留コラムであり、特定の実施例は真空蒸留コラムである。
【0003】
明細書および特許請求の範囲中の用語「ガス」は、ガスおよび蒸気を示すのに使用される。
【0004】
ガスと液体の混合物をコラムまたは容器内に導入するために、いわゆる入口装置が使用される。複雑度および性能が異なる様々なタイプの入口装置がある。いくつかの入口装置は、入口ノズルを介してコラム内に流れる混合物の流路内に配置されるスプラッシュ板を備える、または基本的にそれで構成される。スプラッシュ板は、流入する流れの勢いを止め、流体を水平方向に誘導し、偏向させて、コラム内に流入する混合物の一部の分配を実現する。
【0005】
他の入口装置は、詳細には湾曲した誘導羽根に対する遠心力を利用して、液体とガスの実質的な(事前)分離が実現するように設計される。
【0006】
英国特許明細書番号第1 119 699号は、蒸留コラムに液体とガスの混合物を導入するための特定の流体入口装置を開示する。
【0007】
知られた流体入口装置は、液体とガスの混合物を受けるために入口端部を有する入口流れチャネル、および入口流れチャネルに沿って1つずつ後ろに配置された複数の湾曲した誘導羽根を備え、各羽根は、入口流れチャネルの入口端部に向かって延在する遮断部、および外側に向けられた偏向部を備える。各羽根の遮断部および偏向部は、羽根が混合供給流の一部を遮断および偏向し、慣性力および遠心力によって液体と蒸気の分離を行うことができるように配置される。
【0008】
通常の作動中、ガスと液体の混合物は、入口装置の入口端部に流体連通するコラムの入口ノズルに供給される。羽根は、混合物を外に向けて偏向するように湾曲している。流れの方向が変わることにより、混合物の(事前)分離が起こり、液体は羽根の凹面に押しやられ、これにより凹面上に液体の豊富な膜の流れを形成し、2つの羽根の間の出口チャネルの残りの部分にガスの豊富な流れを形成する。流れは出口チャネルを出た後、液体の豊富な流れは、重力の影響によりコラム内を下方に流れ、ガスの豊富な流れは、コラム内を上方に流れる。知られた装置の特定の実施形態において、羽根に沿った主要な流れの方向に対して垂直な羽根の付随縁部(trailing rim)に、液体捕捉チャネルが配置される。このチャネルは、羽根の側部によって、すなわち主要な流れの方向に対して垂直方向に分離された液体を全て排出するように機能する。
【0009】
別の湾曲した誘導羽根を備える入口装置は、例えばいわゆる蒸気ホーンであり、例えばこれは、GITVサイクロン入口として、Sulzer Chemtechによる、番号22.51.06.40−III.06−50のパンフレット「Internals for packed columns」の18ページに示される。蒸気ホーン内で、流体混合物は、コラム内に接線方向に導入され、湾曲した入口流れチャネルがコラムの内周に沿って延在する。湾曲したチャネルに沿って湾曲した誘導羽根が、混合物の一部を事前分離し、コラムの中央に向けて偏向する。
【0010】
Sulzerのパンフレットの同様の18ページはまた、GDPスプラッシュ板入口装置およびGIV羽根入口装置を示す。
【0011】
湾曲した誘導羽根を備えたさらに別の入口装置は、公開番号WO03/070348号の国際特許出願より知られている。
【0012】
流れ入口装置の重要なパラメータは、ガス内に残っている全体の液体の同伴(entrainment)であり、すなわち残った液体を含むガスが、コラムまたは容器内に通常は上方に流れることである。スプラッシュ板などの誘導部材、または詳細には湾曲した誘導羽根を含む入口装置では、液体を含むより小さい部分またはより大きい部分が、誘導部材上に沈殿され、誘導部材の面の上をコラム内に流れる。しかしながら、すでに分離された液体の一部が再同伴し、この再同伴は一般には、ガスと液体の流れが入口装置を出る領域内で起こる。
【0013】
再同伴は下流の装置により大きな液体負荷を与えるため、蒸留および分離用途を含めて、再同伴は一般的な問題である。羽根の凹側ですでに分離され容器の底部に向かう理想的な経路を見つけなければならない液体が、ガスによってさらに上方に運ばれるため、再同伴は、入口装置全体の分離効率を低下させる。一般に再同伴は、例えば沖合いでの設備など、例えば費用および占有領域を考慮して容器のサイズを縮小した結果など、高速で増加すると予想される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
現在の入口装置を使用するよりも、より同伴の起こりにくい作動が可能であることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明により、液体とガスの混合物を容器内に導入するのに適した流体入口装置が提供され、該流体入口装置は、通常の作動中液体膜が上に存在する面、およびこの面に沿ったガス流の主方向を有する誘導部材を備え、該誘導部材は、上流位置から誘導部材に対して下流位置に向かって延在する液体捕捉チャネルを備え、上流位置と下流位置の間の誘導部材に沿った垂直線は、ガス流の主方向からそれる。
【0016】
出願人は、すでに分離された液体のガス内への再同伴の有意な機構は、湾曲した羽根の偏向部の付随端部(trailing end)など、知られた入口装置の縁部で生じると考えている。
【0017】
この再同伴は、縁部を横切るガスの流れによって引き起こされ、液体膜が誘導部材上に存在するおよび/または液体はこの縁部から羽根を出る。
【0018】
英国特許第1 119 699号より知られる入口装置においてガスの大半は、主要なガスの流れが概ね水平方向であるとき、垂直方向である羽根の端縁部を横切って流れる。例えば英国特許第1 119 699号および国際特許出願公開第WO2005/018780号など従来技術においては、垂直付随縁部に沿った垂直方向の液体捕捉チャネルを配置することによって、同伴の低下を試みてきた。しかしながら出願人は、このような垂直の構造体をガス流の主方向に対して垂直方向に配向することによって、ガス流の障害となることから、構造体自体の存在が再同伴の原因となることに気づいた。また出願人は、垂直捕捉チャネル内の液体に対する上向きの力が存在し、これは、チャネルの上端部が閉鎖されていても液体を垂直チャネルの上部から外に押し出させ、再同伴させることがあることに気づいた。
【0019】
ドイツ特許出願番号第DE10 2004 018 341 A1号は、液体捕捉ポケットが羽根の上部水平縁部に沿って配置された、概ね水平の羽根式入口装置を開示する。液体捕捉ポケットは、ガス流の主方向と同一線上に延在する。これに対して、本発明の液体捕捉チャネルは、ガス流の主方向と同一線上に延在しない。
【0020】
出願人はさらに、液体捕捉チャネルは、再同伴を防ぐための好適な手段であると考えている。液体は捕捉縁部によって捕捉され、少なくとも一部が羽根の側部に向けて誘導され、その結果、少なくともガスの一部は、縁部の上を直交して流れることはなく、液体をそこから運び出すことができる。液体捕捉チャネルという表現は、羽根の上の液体流を、ガス流の主方向からチャネル様の構造体によって画定される方向にそらすための任意の手段を含める。
【0021】
特定のクラスの実施形態において、入口装置は羽根式入口装置である。このような流体入口装置は、液体とガスの混合物を受けるための入口を有し、誘導部材は、入口端部に向かって延在する遮断部と、湾曲した羽根の全体的に凸側および全体的に凹側を画定する偏向部とを備え、凹側が通常の作動中液体が上に存在する面を呈示する、湾曲した誘導羽根である。
【0022】
特定の実施形態において、流体入口装置は、その上流端部に入口端部を備え、湾曲した入口流れチャネルに沿って1つずつ後ろに配置された複数の湾曲した誘導羽根を備え、羽根のうちの少なくとも1つが液体捕捉チャネルを備える湾曲した入口流れチャネルを有する。
【0023】
流体入口装置は、その上流端部に入口端部を備え、入口流れチャネルに沿って1つずつ後ろに配置された複数の湾曲した誘導羽根を備え、2つの連続する羽根の偏向部が入口装置の出口チャネルを形成し、羽根のうちの少なくとも1つが液体捕捉チャネルを備える入口流れチャネルを有することも可能である。
【0024】
別の実施形態において、流体入口装置は、偏向部が複数の異なる方向に延在し、羽根のうちの少なくとも1つが液体捕捉チャネル内を備える複数の湾曲した誘導羽根を備える。
【0025】
実施形態の別のクラスにおいて、誘導部材はスプラッシュ板である。
【0026】
好適には垂直線は、最大でも75度以下、好ましくは65度以下の角度でガス流の主方向からそれる。75度を超える大きな角度では、ガス流の障害、および/または上方向に捕捉チャネルから押し出される液体による再同伴の機会が高くなりすぎる。好適には角度は、少なくとも10度以上、好ましくは20度以上、より好ましくは35度以上など30度以上である。
【0027】
好適には少なくとも捕捉チャネルの上流位置は、ほぼ誘導部材の縁部にあり、詳細には羽根の縁部にある。上流端部は、誘導部材の幾分外側に延在することができる。
【0028】
好ましくは、液体捕捉チャネルは、誘導部材の縁部の少なくとも一部に沿って延在する。
【0029】
特定の実施形態において、通常の作動中のガス流の主方向は水平方向であり、誘導部材、詳細には羽根の偏向部は、上方縁部と下方縁部の間に延在し、上流位置は下方縁部から第1の距離にあり、下流位置は下方縁部からより短い第2の距離にある。
【0030】
特定の実施形態において、流体入口装置は、箱型の構造体を画定する壁を有し、液体捕捉チャネルは、箱型構造体の外に延在する羽根の一部の上に配置され、捕捉チャネルはその上流位置で壁の1つに対して密封式に配置される。
【0031】
好適には、誘導部材、詳細には羽根の偏向部の幅は、下流方向で減少する。
【0032】
特定の実施形態において、複数の液体捕捉チャネルが誘導部材上に配置される。
【0033】
別の特定の実施形態において、ガス流の主方向から異なる方向にそれる2つの液体捕捉チャネルが配置される。この実施形態は、流体入口装置内の羽根が、その出口チャネルを下方に開放して配置され、その結果、例えば2つの液体捕捉チャネルによって、液体を羽根の中央線に向かって誘導することができるような特定の使用法であり得る。
【0034】
誘導部材は典型的には、通常の作動中その上に液体膜が形成される側部と、反対側の裏側を有する板である。一タイプの実施形態において、液体捕捉チャネルは、裏側で、詳細には湾曲した羽根の凸側の背部の第1チャネル縁部から、液体膜が上に形成される表面の面内、詳細には羽根の偏向部の第2チャネル縁部まで、またはこの面を超えて、詳細には羽根の凹側に向かって延在する。
【0035】
裏側、詳細には湾曲した羽根の凸面の背部のチャネル縁部は、裏側に装着され、詳細には密封式に装着または接続されてよい。
【0036】
裏側の背部の長手方向チャネル縁部が、裏側にスリットを形成することも可能である。このような実施形態において、縁部が誘導部材の上方縁部である場合、捕捉された液体はさらに運ばれて、チャネルに沿って排出されるが、ガスは、スリットを通って下方に逃げることができる。縁部が下方縁部である場合、スリットは、液体捕捉チャネルが液体で満たされる場合に備えて、余剰分の出口を設けることができる。
【0037】
別のタイプの実施形態において、液体捕捉チャネルは、誘導部材の縁部に接続される、または一体式に形成される。
【0038】
また好適には、液体捕捉チャネルは、誘導部材の付随端部の下流端部まで、または付随端部を超えて延在する下流端部を有する。液体捕捉チャネルが誘導部材を超えて延在することによって、液体をガス速度がより遅い領域内に誘導することができる。液体捕捉チャネルの下流部はまた、液体を放出する方向を容器内へ変えるために配置することができる。例えば流体入口装置内の主な流れ方向が水平方向であるとき、好適ではあるが急激ではなく、下流部を下方に向けることができる。
【0039】
チャネルは、詳細には、例えばL、VまたはU字型を逆さにした角度を付けられた形状で形成することができる。別の可能性は、チャネルは、長手方向部分がその長さに沿って切断された管である管状部分の形状を有する。
【0040】
本発明による流体入口装置は、ガスと液体を接触させる容器内、詳細には蒸留コラム、より詳細には高真空蒸留コラム内、または分離容器内への流体入口装置として使用することができる。
【0041】
本発明はさらに、液体とガスの混合物を容器内に導入するのに好適な流体入口装置をリトロフィットする方法を提供し、流体入口装置は、通常の作動中液体膜が上に存在する面と、この面に沿ったガス流の主方向とを有する誘導部材を備え、該方法は、上流位置から誘導部材に対して下流位置に向かって延在する液体捕捉チャネルを誘導部材に設けるステップを含み、上流位置と下流位置の間の羽根に沿った垂直線は、ガス流の主方向からそれる。
【0042】
好適には、これは、羽根の端部ごとに羽根に接続することによって行われ、液体捕捉チャネルの少なくとも一部は、羽根の端部上に配置される。
【0043】
好適には、リトロフィット後の流体入口装置は、本発明による流体入口装置である。
【0044】
添付の図面を参照してより詳細に本発明を記載する。
【0045】
同様の参照番号、場合によっては追加の符号a、b、c、d、eが異なる図面中で使用される場合、これらは同一のまたは同様の対象物を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
詳細な説明の第1の部分において、英国特許番号1 119 699号より知られる羽根型入口装置の改良に関連して本発明を詳細に考察する。第2の部分で、他の入口装置に関連して本発明をより詳細に考察する。
【0047】
垂直コラム5の中に設置され、事前分離された液体/ガス混合物を導入し、比較的均一にコラムの処理区域6内の断面にわたって分配するように機能する流体入口装置1を概略的に示す図1を参照する。
【0048】
流体入口装置1は、コラム5の入口ノズル12と流体連通する入口端部10を有する細長い入口流れチャネル8を備え、この中に液体とガスの混合物を収容することができる。示される実施形態の入口流れチャネルは、上方壁板14と下方壁板15の間に垂直コラム5の中に水平方向に延在する。湾曲した誘導羽根20の形態の誘導部材が、入口流れチャネル8に沿って、両方の側面2列に1つずつ後ろに配置され、その結果、2つの側面が一連の羽根を備える箱型の配置が実現する。各羽根は、入口流れチャネルの入口端部10に向かって延在する遮断部22と、上部縁部30と下部縁部31の間を付随縁部32まで延在する付随端部27を有する外側に(流体入口装置から外へ容器内部に)向かう偏向部25とを備える。付随端部は概ね、流体分離の大半が行われる下流部であり、壁14、15によって画定された箱型構造体から外に延在する部分であることも多い。
【0049】
偏向部25は、各羽根の凹凸側を画定する。図1の凹側は概ね、流体入口装置の入口端部に面する側である。2つの連続する羽根20の偏向部25は、入口装置の出口チャネル35を形成する。出口チャネルは、羽根に沿ったガス流37の主方向を画定し、これは示されるように、入口装置内の水平面内にある。羽根の先導端部(leading end)および付随端部は平坦であるが、それらはそれぞれ、または両方とも湾曲していてもよい。
【0050】
本明細書で使用される表現「ガス流の主方向」は、流体入口装置が大型の開口空間内に配置されるとき、流出するガスと液体の経路が、周辺装置によって影響を受けないように、通常の作動中に液体膜が上に存在する誘導部材の面に沿った、作動中にガス流が有する方向を意味する。この面は典型的には、湾曲した誘導羽根の凹側である。作動中、垂直コラム内の羽根の出口部分におけるガス流の方向は、コラム内の圧力分布、および付近のコラム壁の存在によってすでに影響を受けている可能性があり、多くの場合、ガスは水平方向には出て行かず、コラム内での羽根の正確な配置および作動パラメータに左右される上方速度成分を備えていることが明らかである。
【0051】
また矢印37は概ね、特定の羽根に関する下流方向を示す。
【0052】
本発明による液体捕捉チャネルの実施例は、図1で全体的に参照番号40で示され、図2から図8を参照してより詳細に考察される。
【0053】
特定の用途によって、他の内部部品(図示せず)をコラム5の中に配置することができる。分離コラムの場合、ワイヤメッシュ、羽根パックおよび/または遠心液体分離装置のような1つまたは複数の融合装置を、例えば欧州特許番号第EP 0 195 464 B1号より知られる構成で設置することができる。
【0054】
高真空コラム内に流体入口装置を設置する場合、ウォッシュベッドの下にそれを設置することができる。
【0055】
流体入口装置1の通常の作動中、ガスと液体の混合物は、入口ノズル12を通って、入口端部10を介してほぼ水平に延在するチャネル8の中へ供給される。各羽根20は、供給流れの一部を遮断し、それを横方向に外側に偏向する。両側の第1の羽根、すなわち、入口端部10に最も近い羽根は、流れの一部を遮断し偏向するように、混合供給流れの中に配置され、供給流れの残りの部分は入口チャネル8に沿って続く。この残りの部分は、連続的に後続の羽根に接触し、それぞれの羽根が、供給流れの一部を遮断し偏向し、各後続の羽根の先導縁部(leading edge)は、前の先導縁部からずらされ、その結果流れは徐々に小さくなり、最終的に最後の羽根に捕捉され、これによって偏向される。
【0056】
羽根が湾曲した形状を有することから、慣性力および遠心力によって、液体粒子が羽根の表面にぶつかり、同時に液体と蒸気の分離が起こる。液体は、羽根の凹面上に多量の液体流を集める。
【0057】
図1に示す左右対称に作動する実施形態において、ガスの主な流れの方向は概ね水平面内である。
【0058】
羽根の凹側の斜視図で、本発明による羽根20の実施形態を示す図2を参照する。
【0059】
羽根20は、直線の遮断部22と、湾曲部および直線の付随端部27を備える偏向部25とを有する。曲率半径は一般に入口ノズルのサイズによって選択される。上流端部と付随端部の間の角度は典型的には、70度から110度であり、好ましくは、実質的には90度など、80度から100度の間である。液体捕捉チャネル40は、その上方縁部30で羽根20の上流位置42から、付随縁部32で下流位置44aまで延在する。上流および下流位置は、ガス流の主方向37に沿って分離される。チャネルはまた、点線で示されるように、付随縁部を超えて44cで示されるように下方縁部31の下に配置されることもある下流位置44bまで延在することができる。付随縁部を超えて延在する端部はまた、一部湾曲されるおよび/または羽根の付随端部の面から外へ液体を誘導することができる。流体入口装置からさらに横方向に離れると、局所的なガスの速度が低下し、その結果その地点での再同伴の機会はさらに最小となる。羽根の付随縁部32を超えて延在する部分は、その端部に出口を有する完全に密閉された管で好適に形成されるが、当然のことながら、その下方側部でのように一部開放されたままであってもよい。下方湾曲部など付随縁部を超えて延在する部分の湾曲は、コラムの壁に近接して終端する羽根で、コラムの壁に対して液体流が高速で衝突することによる再同伴の機構を抑えるのに有利であり得る。
【0060】
液体捕捉チャネルの上の羽根の角部47は好ましくは切り取られ、したがって点線で描かれており、この場合、液体捕捉チャネルは羽根の上方縁部に沿って延びる。また羽根の偏向部の幅は、下流方向で減少する。しかしながら、角部47は、所定の場所のままであってもよい。
【0061】
上流位置42は下方縁部31から第1の距離にあり、距離は方向37に対して垂直に測定される。下流位置は、44a、b、cのどの場合においても下方縁部からの距離がより短く、位置44cの場合にマイナスの距離も、より小さいことが明らかである。
【0062】
いずれの場合においても、上流位置42と下流位置44a、b、cの間の羽根に沿った垂直線は、下方縁部31に概ね平行であるガス流の主方向からそれる。
【0063】
流れの主方向37と、図2に示される直線の液体捕捉チャネル40に平行である垂直線の間の角度は、好適には10度以上であり、好ましくは20度以上、例えば45度とか、30度以上である。角度は好適には75度を超えず、好ましくは60度以下など65度以下である。
【0064】
図3は、捕捉チャネル40が湾曲した実施形態を示す。垂直線46が示されている。好ましくは、湾曲捕捉チャネルの接線48と主流れ方向37によって形成される最大角はまた、好適には10度以上、好ましくは20度以上、例えば45度とか、30度以上である。角度は、好適には80度を超えず、好ましくは75度以下、より好ましくは60度以下などの65度以下である。
【0065】
図3の実施形態の別の態様は、捕捉チャネルの下流位置44が下方縁部31の上にあり、その結果、図1および2で32で示される有限の端縁部がない。この態様は、当然のことながら、図2のものなど他の実施形態に適用することもできる。
【0066】
図4は、本発明による羽根50の別の実施形態を示す。羽根が比較的高い場合、急峻すぎない角度で、羽根の上に本発明による捕捉縁部を配置するのに十分な空間がない場合がある。この場合、例えば2、3、4以上の複数の捕捉縁部を配置することができる。図4の実施例において、上流位置55、56、57から下流位置61、62、63に延在する3つの捕捉縁部51、52、53が示される。最も高所の捕捉縁部の上流位置は、羽根50の上方縁部30にある。捕捉チャネルは、ガス流の主方向37内で重なり合い、その結果縁部52の上流位置56が、縁部51の下流位置61より高くなり、縁部55の上流位置57が縁部52の下流位置62より高くなる。捕捉縁部の影の中にある羽根の概ね三角形の部分は、示されるように切り取ってもよいが、存在していてもよい。下流位置を超える点線は、すでに図1を参照して考察したように、捕捉チャネルが延在し得ることを示し、例えばその結果、コラムの壁までの距離に余裕があれば、これらは全て同一の垂直の高さに液体を放出する。チャネルおよび/または羽根の端部を超えることもある端部は、必ずしも示されるように平行に延びる必要ななく、少なくとも部分的に湾曲されることができる。
【0067】
流体入口装置は、例えばいわゆる二重(または複式)はしご構造で湾曲した羽根の2つ以上の重ねられた列を備える場合がある。これは典型的には、羽根がコラム内に設置するためにマンホールを通過するのに大きすぎる場合に行われる。このようなスタックの中の異なるはしごの羽根は、本発明による捕捉チャネルを備え、図4と同様の構造体が得られる。
【0068】
次に、流体入口装置の頂部壁板75の下に設置された3つの湾曲した羽根71、72、73を概略的に示す図5を参照する。羽根71、72の捕捉縁部81、82の上流端部77、78は、頂部板75の縁部に配置される。好ましくは頂部板と捕捉チャネルの間に羽根からの液体の通路は存在しない。好適には、上流端部77、78は、密封式に接続される、または頂部板に装着される。詳細には、例えば羽根を内側向けて少し多めに切り取り、上流端部を頂部板に嵌合させ、そこに溶接することができるように配置することによって、上流端を頂部板の下に(頂部板に対する水平方向の延長部の下を含めた)配置することができる。
【0069】
羽根73では、捕捉縁部はまた、羽根の上方縁部が頂部板75の外に延在する位置から延在する。捕捉チャネルの第1部分85は、捕捉チャネルが下方に湾曲するまで、羽根73の上方長手方向縁部に沿って概ね水平方向に延びる。第1部分85はまた別個の導管であってよく、または省略されてもよい。
【0070】
点線88を超える羽根83の端部87は、羽根と一体式には形成されないが、上流部89に接続された羽根73の延長部であってよい。このような端部は、例えば既存の流体入口装置をリトロフィットする過程において、その性能を適合させる/リトロフィットするために装着することができる。接続は、任意の好適な方法、例えば溶接によって行われてよい。また、所望により、上方長手方向縁部85を設置することができる。あるいはリトロフィットは、好適には角を切断した後、既存の羽根の上に捕捉縁部を配置することによって行うこともできる。
【0071】
次に、上流方向を望むそれぞれの付随端部を通る、羽根20aおよび20cの2つの実施形態の断面を示す図6を参照する。図1を参照して採用された参照番号がそれに応じて使用される。図6は、本発明による液体捕捉チャネルの種々の実施形態のいくつかの態様を示す。
【0072】
液体捕捉チャネル40aは、羽根の凸側106aに装着された第1の長手方向チャネル縁部104aから、凹側109aに向かって上方縁部30aの上に配置された第2の長手方向チャネル縁部108aまで、すなわち湾曲した羽根の付随端部27によって画定される面を超えて延在する管状部分によって形成される。
【0073】
ガス流の主方向に沿って流れる液体は、チャネル内で捕捉され、液体捕捉チャネル40aの下流端部に向けて誘導され、こうして再同伴が抑制される。
【0074】
液体捕捉チャネル40cは、管状部分の代わりに角度を付けられた形状によって形成される。羽根の背後の長手方向チャネル縁部44cは、凸面46cには接続されず、その結果スリット110cが形成される。この実施形態の液体捕捉チャネルはまた、液体を捕捉するが、ガスは、スリット110cを通って下方に逃げることができる。
【0075】
上方縁部に示される液体捕捉チャネルの変形態は、コラム内の別の配向を有する縁部に同様に適用することができることを理解されたい。本発明によりガス流の主方向に対して傾斜する捕捉チャネルの他に、少なくとも一部がガス流の主方向にほぼ平行な上方縁部または下方縁部に沿って長手方向に延びる捕捉チャネルなど他の捕捉チャネルを配置することもできる。
【0076】
いずれの図面にも示さないが、液体捕捉チャネルは、羽根の下流端部の前に、その下流端部を有することも可能である。これは例えば、羽根の偏向部の付随端部が、容器内の先まで延在し、そこでのガスの速度が羽根の付随縁部の上流ですでに十分に遅い場合に、十分であり得る。
【0077】
次に図3のものと同様の断面図で、液体捕捉チャネルのいくつかの別の実施形態を概略的に示す図7を参照する。
【0078】
液体捕捉チャネル111は、ほぼ40aと同様の管状部分によって形成されるが、チャネルは、羽根の付随縁部によって画定される面までは延在するが、その凹側に向かって羽根の長手方向縁部を超えない。
【0079】
一方液体捕捉チャネル113は、比較的小さい入口スリット114のみが得られるように、羽根の凹側に向かってさらに先まで延在する。
【0080】
液体捕捉チャネル115は管状部分で形成されるが、スリット110cと同様の機能のスリット116が形成されるように、少なくとも全体の長さにわたっては羽根の凸面に接続されない。
【0081】
液体捕捉チャネル117および119は、角度の付けられた形状で形成され、羽根の凸側に密封式に装着される。
【0082】
液体捕捉チャネル121は、半円の管部分が接続されたL字型で形成される。
【0083】
また液体捕捉チャネル(管状、角度の付けられた形状、またはその他)が羽根の凸面に接続される場合、所望により、凸側の裏側のチャネルの下方部内に別個のガス出口開口を配置することができることを理解されたい。
【0084】
液体捕捉チャネル123、125、127、129、131および133は、全て羽根に一体式に形成され、これは、効率および費用効率の高い製造を可能にすることができる。
【0085】
好ましくは、各羽根の遮断部は、入口端部を通る流れの主方向の方向と角度を形成する。好適にはこの角度は10度以下である。
【0086】
どのタイプの液体捕捉チャネルが選択されるかは、実際の状況の特定の態様による。
【0087】
一般に、その出口端部で測定される羽根同士の間の相互距離は、好ましくは特定の範囲内に維持される。この距離は、好ましくは5cm以上で60cm以下、例えばおよそ10cmまたはおよそ40cmである。
【0088】
羽根の最大の高さ(または幅)は、容器の入口ノズルのサイズによって選択され、典型的には10から80cmの範囲内である。より大型の入口ノズルの場合、上記に考察したように、二重または複式の羽根はしごを重ねることができる。
【0089】
液体捕捉チャネルの選択されるサイズは、主として搬送される液体の量に左右され、詳細には、羽根の入口の高さによる。本発明によるチャネルでは、多くの場合、羽根上で分離された液体の大半は、外へ搬送される必要があり、チャネルは、そのために寸法を決められる必要がある。管状部分の直径、あるいは角度を付けられた形状の幅または高さなどチャネルの典型的な寸法は、3から50mm、好適には5から30mmであり、詳細には5から20mmの範囲である。上記に考察したように、縁部にチャネルを配置することは、チャネルの一部を羽根の凸側に容易に配置することができ、チャネルはほとんどガスの流れを妨げず、その結果、最も速いガス速度が支配する凹側に向かうその延長部を最小限にすることができるという利点を有する。
【0090】
液体捕捉チャネルは、好ましくは羽根のそれぞれの長手方向縁部に沿った長手方向スリットの形態の液体用の入口開口を有し、この入口開口は、好適には1から20mm、好ましくは1から12mm、より好ましくは2から10mmの幅を有する。
【0091】
図1に概略的に示される実施形態は、羽根式の流体入口装置の典型的な配置である。しかしながら、図1に記載するタイプの流体入口装置以外に、本発明による流体捕捉チャネルを英国特許第1 119 699号の図1から図3を参照して考察される実施形態など他のタイプに適応することもできる。この実施形態において、羽根は、混合供給流を全て片側に偏向するように配置され、羽根の反対側の空間は、側壁に接続された壁によって閉ざされ、その結果、その片側が一連の羽根によって形成された箱型の構造が得られる。この場合一連の羽根は、液体相がいくつかの流れでトレイ上を下向きに流れる、またはコラムの底部に直接集まるように下向きの方向を有する。この英国特許明細書の図4および図5は、本発明の図1の一般的なタイプであるが、本発明による液体捕捉チャネルは存在しないことが認められる。
【0092】
次に、本発明による羽根の別の実施形態を示す図8を参照する。羽根90は特に、下方に吹き付ける流体入口装置に好適である。
【0093】
羽根90は、示される実施例ではほぼ一致する、2つの上流位置94、95から下流位置96、97まで延在する2つの捕捉チャネル92、93を備える。さらに、示されるように共通の液体誘導チャネル99を配置することもでき、先頭は示されるように直線、または好適な出口位置に向かって湾曲してもよい。図5を参照して考察したのと同様に、上流端部は好ましくは、入口チャネルを画定する壁/板(図示せず)に密封式に接続される、または装着される。
【0094】
次に本発明を他の入口装置に関連して考察する。
【0095】
次に、入口ノズル405付近の壁の一部のみが示されている垂直コラム402の中の従来のスプラッシュ板入口装置401を示す図9を参照する。
【0096】
スプラッシュ板入口装置は、入口端部412(ノズル405の出口)の前方に設置された誘導部材であるスプラッシュ板410を備える。スプラッシュ板は、頂部板414および底部板415を介してコラム壁に装着される。
【0097】
通常の作動中、ガスと液体混合物の流れは、入口ノズル405の中を流れる。ガスは横方向に偏向され、2つの横方向の流れに分離され、スプラッシュ板410の両側でガス流の主方向417a、417bに沿って流れる。液滴はスプラッシュ板に衝突し、スプラッシュ板がその凸側が入口端部412に面してわずかに湾曲する場合でも、典型的にはその上に液体膜を形成する。液滴とスプラッシュ板の受取面の間の相互作用は、液体のタイプに左右されるが、コラム内の圧力にも左右される。例えば高真空コラムでは、液滴は高圧時よりも飛散がかなり少なく、容易に液体膜を形成することが知られている。
【0098】
液体は、スプラッシュ板の上を垂直縁部421、422に向かって横方向に流れる。表面に沿ったガスの流れが、垂直縁部で液体を再同伴する。液体はまた、頂部板414および底部板415の内面上に流れ、縁部423、424、425で再同伴が起こる。
【0099】
図10は、本発明による捕捉チャネル432を備えたスプラッシュ板入口装置430を示す。誘導部材、すなわちスプラッシュ板434は、実質的に三角形の端部436を備え、その傾斜した縁部438が、捕捉チャネル432を備える。捕捉チャネル432は、上流位置から、スプラッシュ板の上部角440でガス流の主方向417aに対して下流位置441まで延在する。縁部438に沿った垂直線は、ガス流の主方向417aからそれる。
【0100】
図2から図7を参照して考察した捕捉縁部の特徴は、この実施形態にも同様に適用することができる。羽根を参照した場合、これは誘導部材、詳細にはスプラッシュ板に対する参照として読み取るべきである。
【0101】
スプラッシュ板上に形成された液体膜は、縁部438に向かって下流に流れ、捕捉チャネル内に進入し、下流端部まで誘導され、441から排出される。
【0102】
翼部436は、溶接するなどして本来のスプラッシュ板の縁部421に接続することができる、またはそれと一体式に形成することができる。
【0103】
スプラッシュ板434の他方の横方向の側部、すなわち縁部422に、好適には本発明による捕捉縁部を備える翼部が配置される。これは図10には示されていない。
【0104】
任意で上方板414および/または下方板415の縁部はまた、捕捉チャネルを備えてもよい。いくつかのオプションが、443、444、445で示される。チャネル443は、チャネル432と流体連通する延長部であってよい。この場合、コラム壁でチャネル443の端部448は、好適には440より上流位置にあり、その結果液体は、下流端部441に向かって流れる。このために、壁に向かう上方板の角は、示されるように切り取られ、図9でのような縁部423の位置が、比較のために示される。
【0105】
チャネル444および445が、上方板および下方板の三角形の端部424および425の上に設置される別のオプションを示す。これらのチャネルは、液体をコラム402の壁に向けて排出する。端部は一体式に形成される、またはリトロフィットされてもよい。
【0106】
捕捉チャネルの上流端部は好適には密封される。
【0107】
一般には「蒸気ホーン」と称される、別のタイプの流体入口装置の斜視図を概略的に示す図11を参照する。この入口装置501を使用して、液体混合物は、ノズル508を介して、接線方向に垂直コラム505内に導入される。ノズル508の入口端部510から、湾曲した入口流れチャネル515が下流方向に延在し、これは、コラム505の内周にほぼ一致する。複数の湾曲した誘導羽根(誘導部材)520が、湾曲した入口流れチャネルに沿って1つずつ後ろに配置される。羽根はそれぞれ、湾曲した入口流れチャネルの上流方向に入口端部510に向かって延在する遮断部522を備える。各羽根はさらに、外側(容器の中央に向かって流体入口装置から外に)に向けられた偏向部525を備える。
【0108】
偏向部525は、各羽根の凸側および凹側を画定する。通常の作動中、流体がそこに向けて偏向され、流れる液体膜がその上に形成される凹側は、一般にコラムの中央に向いている。羽根の先導端部および付随端部は平坦であるが、それらはそれぞれ、または両方とも湾曲されてもよい。羽根の凹側に沿ったガス流の主方向は、図11に示すような構造では水平方向の面内にある。
【0109】
本発明によると、少なくとも1つ、しかしながら好適には複数または全ての羽根520が、液体捕捉チャネルを備える。図11において、これは、液体捕捉チャネル540を備える羽根520の1つのみで示される。
【0110】
羽根520は、図1を参照して考察した羽根20とほぼ同様であり、図2から図7を参照して考察した捕捉チャネルを備えた羽根の変形態および任意の機能は、図11の実施形態に同様に適用可能である。
【0111】
流体入口装置501の通常の作動中、ガスと液体の混合物が、入口ノズル508を通り、入口端部510を介して外周上に延在する湾曲されたチャネル515内に供給される。各羽根520は、供給流の一部を遮断し、それをコラム501の中央に向けてチャネルの外に横方向に偏向する。第1の羽根、すなわち入口端部519に最も近いものは、供給流の一部を遮断し偏向するように混合供給流内に配置され、供給流の残りの部分は、入口チャネル515に沿って流れ続ける。この残りの部分は、後続の羽根と連続的に接触し、各羽根が供給流の一部を遮断し偏向し、各後続の羽根の先導縁部は、流れが次第に小さくなり、チャネルが最後の羽根まで狭まるように配置される。
【0112】
羽根が湾曲した形状を有するため、慣性力および遠心力により、液体粒子が羽根の表面にぶつかり、同時に液体と蒸気の分離が行われる。液体は、羽根の凹面上に多量の液体流を集める。
【0113】
羽根の下流端部で、液体はチャネル540に捕捉され、液体捕捉チャネルの下流端部545に向けて誘導され、コラム内に下向きの方向で放出される。この方法において、上記で考察したのとほぼ同様の方法でガスの直交流による再同伴が抑制される。
【0114】
蒸気ホーンはまた、下方への吹き付けであってよく、この場合、羽根は、水平方向の面からの流れを下方に偏向するように配置される。この場合捕捉チャネルは、好適には、液体がコラムの壁に向けて誘導されるように配置されるが、図8に示すものなど他の構成も可能である。
【0115】
さらに他の流体装置の誘導部材も、本発明による液体捕捉チャネルを備えることができる。明確には、事前分離および液体流の誘導のために湾曲した羽根を含むいずれの流体入口装置も、上記で考察した実施形態と同様の捕捉縁部を備えることができる。湾曲した羽根は、例えば異なる面内でさえも、複数の異なる方向に入口流を分割させ偏向させるなど異なる構成で配置することができる。
【0116】
また捕捉チャネルは、国際特許出願公開番号第WO3/070348号による原理で知られる入口装置に有利に設けることができる。この流体入口装置は、同軸上に配置された外周上の一連の羽根を備え、各外周上の羽根は、実質的に軸方向に向けられた先導縁部を有する遮断部と、実質的に半径方向に外側に延在する付随縁部を有する偏向部との間に湾曲して延在し、入口装置の中央軸は、容器またはコラム内の処理区域の上方に延在する軸に平行に延在する、またはこれと同軸上に延在する。図12は、トランペット様の羽根601の側面図(a)および底面図(b)を示す。羽根の外面は、通常の作動中液体膜が上に形成される(凹)側である。ガス流の主方向は、図12aの垂直面内を上方に流れ、周辺の羽根の表面と一致する。外面上に設置された液体捕捉チャネル605が示されており、これは羽根601の周囲で部分的にらせんを描き、したがってガス流の主方向からそれる。捕捉チャネル605は、全ての液体が捕捉されるように部分的に重なる。捕捉チャネルの下流端部608は、液体が羽根を囲む開放空間内に上方に放出されるように、直線で、開放されてよいが、液体が羽根の内部の内面に向かって排出されるように、例えば頂部縁部610の上で屈曲して配置されてもよい。その場合(図面には示さず)、液体は、羽根の底部から引き出すことができる。
【0117】
液体捕捉チャネルは、好適には羽根と同様の金属からなど、任意の好適な材料から作成することができ、溶接、ボルト留め、曲げなど知られた技術を使用して羽根に接続する、またはこれと一体式にすることができる。
【0118】
本発明によってガスと共に上方に運ばれる同伴される液体の量を減らすことにより、上記の内部要素の分離任務が最小となる。
【0119】
本発明の流体入口装置は、高真空蒸留コラム内に有利に使用することができる。典型的にはこのようなコラム内では、供給混合物は、30から50重量パーセントの液体を有する。100m/sを超える入口速度で液体の同伴は大きくなり、その結果流体入口装置に進入しガスと共に上方に運ばれる液体全体の相対的割合が、10%を超えることがわかっている。入口速度が速いと同伴がさらに高まる。高い同伴数値は、典型的には流体入口装置の上に設置されるウォッシュベッドの問題を提示する。本発明は著しく同伴を減少させる。
【0120】
本発明の流体入口装置はまた、分離容器内で有利に使用することができる。入口装置の全体の分離効率が高まると、コアレッサ、メッシュパッド、羽根パック、または遠心液体分離装置(スワールデッキ、サイクロン、マルチサイクロン)などコラム内での他の分離内部要素の任務が容易になる。これにより、このような他の内部要素の設計基準を緩和することができ、および/または処理量の増加を可能にする、および/またはより小型のおよび/またはより費用の安い分離装置を設置することができる。
【0121】
容器は、垂直コラムであってよいが、他のタイプの容器であってもよい。
【実施例】
【0122】
概ね図1による流体入口装置は、本発明による液体捕捉チャネルをリトロフィットする前後にテストされた。流体入口装置は、全体的に図1に示すように、7つの羽根がそれぞれ重ねられた2列で14の羽根が両側に配置された全部で28の羽根を使用する複式はしご構成で、直径1mのコラム内に水平に設置された。各羽根は、0.144mの高さで、コラム入口への供給パイプは、0.28mの直径を有していた。
【0123】
流体入口装置は、液体捕捉チャネルに設置する前にテストされた。水/空気の混合物が供給パイプに供給され、その中で水は、典型的には高真空ユニットへの伝送ライン内に存在するようなサイズの液滴として空気中に分散された。テストは、0.3の水と空気の質量比を使用して、30から60m/sの空気入口速度の範囲で行われた。
【0124】
ガス内の同伴量は、羽根入口装置上に装着された羽根パックを使用して測定された。羽根パック内に捕捉された水は、排出され、その量が測定された。同伴は、ガスの容量につき、羽根パックによって回収された液体の重量として規定することができる。
【0125】
次に流体入口装置は、0.144mの均一の高さおよび長さを有する87(図5)のような三角形の羽根端部を装備し、その結果、水平方向のガス流の主方向と45度の縁部が得られた。この縁部に沿って、したがってガス流の主方向と45度の角度を有する捕捉チャネル83が配置された。チャネル部83の長さは、0.22mであった。チャネルはさらに、図5の参照番号85に示すように、元の羽根の水平方向の上方縁部に沿って、流体入口装置の頂部壁板まで延在した。
【0126】
捕捉チャネルは、図7に示すように形状121を有した。頂部における半円の管の直径は、10mmであった。羽根の上部縁部とチャネルの縁部の間の羽根の凹側のスリットのサイズは、3mmであった。
【0127】
テストは、本発明によって、そうでなければ同一の条件を使用して捕捉チャネルが設置された後行われ、空気入口速度の範囲にわたって、同伴が2分の1から3分の1またはそれ以上減少したことを示した。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】垂直コラム内の流体入口装置の第1の実施形態の概略図である。
【図2】本発明による羽根の実施形態の概略図である。
【図3】本発明による羽根の実施形態の概略図である。
【図4】本発明による羽根の実施形態の概略図である。
【図5】本発明によるいくつかの羽根の概略図である。
【図6】本発明による2つの付随部分を通る概略断面図である。
【図7】本発明による別の羽根の付随部分を通る概略断面図である。
【図8】本発明による羽根の別の実施形態の概略図である。
【図9】スプラッシュ板入口装置の概略図である。
【図10】本発明の別の実施形態によるスプラッシュ板入口装置の概略図である。
【図11】蒸気ホーン入口装置の形態の本発明の別の実施形態の概略図である。
【図12a】トランペット様の羽根を備える本発明のさらに別の実施形態の概略側面図である。
【図12b】トランペット様の羽根を備える本発明のさらに別の実施形態の概略底面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に液体とガスの混合物を導入するのに適した流体入口装置であって、
通常の作動中液体膜が上に存在する面と、面に沿ったガス流の主方向とを有する誘導部材を備え、
誘導部材が、上流位置から誘導部材に対して下流位置まで延在する液体捕捉チャネルを備え、上流位置と下流位置の間の誘導部材に沿った垂直線が、ガス流の主方向からそれる、流体入口装置。
【請求項2】
液体とガスの混合物を受けるための入口端部を有し、誘導部材が、入口端部に向かって延在する遮断部と、湾曲した羽根の全体的に凸側および全体的に凹側を画定する偏向部とを備え、凹側が通常の作動中液体が上に存在する面を呈示する、湾曲した誘導羽根である、請求項1に記載の流体入口装置。
【請求項3】
その上流端部に入口端部を備える湾曲した入口流れチャネルと、
湾曲した入口流れチャネルに沿って1つずつ後ろに配置された複数の湾曲した誘導羽根とを有し、
羽根のうちの少なくとも1つが液体捕捉チャネルを備える、請求項2に記載の流体入口装置。
【請求項4】
その上流端部に入口端部を備える入口流れチャネルと、
入口流れチャネルに沿って1つずつ後ろに配置された複数の湾曲した誘導羽根とを有し、2つの連続する羽根の偏向部が入口装置の出口チャネルを形成し、
羽根のうちの少なくとも1つが液体捕捉チャネルを備える、請求項2に記載の流体入口装置。
【請求項5】
偏向部が複数の異なる方向に延在する複数の湾曲した誘導羽根を備え、羽根のうちの少なくとも1つが液体捕捉チャネルを備える、請求項2に記載の流体入口装置。
【請求項6】
誘導部材がスプラッシュ板である、請求項1に記載の流体入口装置。
【請求項7】
垂直線が、ガス流の主方向から少なくとも10度以上、好ましくは20度以上であり、最大でも75度以下、好ましくは65度以下の角度でそれる、請求項1から6のいずれか一項に記載の流体入口装置。
【請求項8】
通常の作動中のガス流の主方向が水平方向であり、誘導部材が上方縁部と下方縁部の間に延在し、上流位置が下方縁部から第1の距離にあり、下流位置が下方縁部から、より短い第2の距離にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の流体入口装置。
【請求項9】
液体とガスの混合物をガスと液体を接触させる容器内、詳細には蒸留コラム、より詳細には高真空蒸留コラム、または分離容器内に導入するための、請求項1から8のいずれか一項に記載の流体入口装置の、使用法。
【請求項10】
液体とガスの混合物を容器内に導入するのに好適な流体入口装置をリトロフィットする方法であって、
流体入口装置が、通常の作動中液体膜が上に存在する面と、面に沿ったガス流の主方向とを有する誘導部材を備え、
方法が、上流位置から誘導部材に対して下流位置に向かって延在する液体捕捉チャネルを誘導部材に設けるステップを含み、上流位置と下流位置の間の羽根に沿った垂直線が、ガス流の主方向からそれる、方法。
【請求項11】
羽根のうちの少なくとも1つに液体捕捉チャネルを設けるステップが、羽根の端部ごとに羽根に接続するステップを含み、液体捕捉チャネルの少なくとも一部が羽根の端部上に配置される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
リトロフィット後の流体入口装置が、請求項1から9のいずれか一項に記載の流体入口装置である、請求項10または11に記載の方法。
【請求項1】
容器内に液体とガスの混合物を導入するのに適した流体入口装置であって、
通常の作動中液体膜が上に存在する面と、面に沿ったガス流の主方向とを有する誘導部材を備え、
誘導部材が、上流位置から誘導部材に対して下流位置まで延在する液体捕捉チャネルを備え、上流位置と下流位置の間の誘導部材に沿った垂直線が、ガス流の主方向からそれる、流体入口装置。
【請求項2】
液体とガスの混合物を受けるための入口端部を有し、誘導部材が、入口端部に向かって延在する遮断部と、湾曲した羽根の全体的に凸側および全体的に凹側を画定する偏向部とを備え、凹側が通常の作動中液体が上に存在する面を呈示する、湾曲した誘導羽根である、請求項1に記載の流体入口装置。
【請求項3】
その上流端部に入口端部を備える湾曲した入口流れチャネルと、
湾曲した入口流れチャネルに沿って1つずつ後ろに配置された複数の湾曲した誘導羽根とを有し、
羽根のうちの少なくとも1つが液体捕捉チャネルを備える、請求項2に記載の流体入口装置。
【請求項4】
その上流端部に入口端部を備える入口流れチャネルと、
入口流れチャネルに沿って1つずつ後ろに配置された複数の湾曲した誘導羽根とを有し、2つの連続する羽根の偏向部が入口装置の出口チャネルを形成し、
羽根のうちの少なくとも1つが液体捕捉チャネルを備える、請求項2に記載の流体入口装置。
【請求項5】
偏向部が複数の異なる方向に延在する複数の湾曲した誘導羽根を備え、羽根のうちの少なくとも1つが液体捕捉チャネルを備える、請求項2に記載の流体入口装置。
【請求項6】
誘導部材がスプラッシュ板である、請求項1に記載の流体入口装置。
【請求項7】
垂直線が、ガス流の主方向から少なくとも10度以上、好ましくは20度以上であり、最大でも75度以下、好ましくは65度以下の角度でそれる、請求項1から6のいずれか一項に記載の流体入口装置。
【請求項8】
通常の作動中のガス流の主方向が水平方向であり、誘導部材が上方縁部と下方縁部の間に延在し、上流位置が下方縁部から第1の距離にあり、下流位置が下方縁部から、より短い第2の距離にある、請求項1から7のいずれか一項に記載の流体入口装置。
【請求項9】
液体とガスの混合物をガスと液体を接触させる容器内、詳細には蒸留コラム、より詳細には高真空蒸留コラム、または分離容器内に導入するための、請求項1から8のいずれか一項に記載の流体入口装置の、使用法。
【請求項10】
液体とガスの混合物を容器内に導入するのに好適な流体入口装置をリトロフィットする方法であって、
流体入口装置が、通常の作動中液体膜が上に存在する面と、面に沿ったガス流の主方向とを有する誘導部材を備え、
方法が、上流位置から誘導部材に対して下流位置に向かって延在する液体捕捉チャネルを誘導部材に設けるステップを含み、上流位置と下流位置の間の羽根に沿った垂直線が、ガス流の主方向からそれる、方法。
【請求項11】
羽根のうちの少なくとも1つに液体捕捉チャネルを設けるステップが、羽根の端部ごとに羽根に接続するステップを含み、液体捕捉チャネルの少なくとも一部が羽根の端部上に配置される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
リトロフィット後の流体入口装置が、請求項1から9のいずれか一項に記載の流体入口装置である、請求項10または11に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12a】
【図12b】
【公表番号】特表2009−519823(P2009−519823A)
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546325(P2008−546325)
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068728
【国際公開番号】WO2007/071514
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(590002105)シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー (301)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月21日(2006.11.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068728
【国際公開番号】WO2007/071514
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(590002105)シエル・インターナシヨナル・リサーチ・マートスハツペイ・ベー・ヴエー (301)
【Fターム(参考)】
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