説明

流体処理セットおよびこれを整理収納装置

生体液を光で処理するための装置、システム及び方法を開示する。一体的に接続された容器(202、206、210、214)及びチューブ(203、205、208、211、219)並びに該容器及びチューブのうちの少なくとも幾つかを受け入れるためのホルダ(260)若しくは整理収納装置(500)を含む使い捨て流体処理セット(200)を開示する。本発明は、全体として、血液及び血液成分のような生体液を加工並びに処理するための装置、システム及び方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、1999年6月3日に提出された米国特許出願第09/325、599号の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、全体として、血液及び血液成分のような生体液を加工並びに処理するための装置、システム及び方法に関する。より詳細には、本発明は、そのような生体液中に存在する可能性のある病原体を不活性化する目的で、光によって活性化される光化学物質を含む、生体液の光活性処理に用いられる使い捨て流体処理セットに関する。更により詳細には、本発明は、本処理セットをエンドユーザが使用しやすくなるように、本使い捨て流体処理セットの部品を一まとめにして整理収納する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
血液及び血液成分のような生体液を光で処理する装置、方法並びにシステムは、周知である。例えば、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第4、952、812号は、血小板濃縮液中の不要な白血球を紫外線照射により処理し、患者の免疫反応を誘発する白血球の機能を制限する装置を開示している。血小板濃縮液の容器を処理するために、該容器は、スライド可能な引出しの上に配置され、該スライド可能な引き出しが、容器の両側から照射するための対向するランプのアレイ間にあるハウジング内に導入される。照射中、引出し(又は引出しの一部)が揺動枢動し、血小板濃縮液を攪拌することができる。
【0004】
これも引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5、557、098号は、生体液中に存在する可能性のある病原体を不活性化するために光で生体液を処理するシステム及び装置を開示している。スライド可能な引出しは、対向する発光ダイオードのアレイ間に生体液の容器を配置するために使用されている。光照射野外に配置された、容器上の突出フラップが自動的に穿孔され、光処理の様々な段階を示す。
【0005】
これも引用により本明細書に組み込まれる米国特許第6、245、570号は、2つの対向する光のアレイ間で血液製剤の容器を処理する装置及び方法を開示している。この容器は、紫外光に曝露されると変色する感光性テープを含んでおり、それにより処理工程が完了するときを示す。
【0006】
生体液を処理するための更に別の装置及び方法が、米国特許第5、709、991号、米国特許第6、190、609号及び米国特許第6、433、343号に開示されており、それらの全てが引用により本明細書に組み込まれる。
【0007】
先行技術の装置、システム及び方法は、全体として満足に機能してきているが、例えば、信頼性を向上させ、柔軟性及び効率を高め、使いやすさ並びに保守性を向上させ、且つ追跡機能、記録管理機能などを増強する新しい改善された装置、システム及び方法を開発する努力が続けられている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
先行技術の装置、システム及び方法は、全体として満足に機能してきているが、例えば、信頼性及び正確性を向上させ、柔軟性並びに効率を高め、使いやすさ及び保守性を向上させ、且つ追跡機能、記録管理機能などを増強する、改善された装置、システム並びに方法が必要である。
【0009】
一態様では、本発明は、可撓性のプラスチックチューブによって一体的に接続された少なくとも2つの可撓性容器を含む、一まとめにされた流体処理セットを対象とする。一まとめにされたセットは、少なくとも1つの実質的に丸みを帯びた表面を含み、該表面の上に、容器のうちの少なくとも1つが折りかぶせられる。
【0010】
別の態様では、本発明は、第1の部分及び第2の部分を含む使い捨て流体処理セットを対象とする。第1の部分は、少なくとも1つの容器を含む。第2の部分も、少なくとも1つの容器を含む。2つの部分は、プラスチックチューブによって一体的に接続されている。本セットは、第2の部分を受け入れるための整理収納装置を含む。この整理収納装置は、可撓性の材料で作られた折りたたまれたシートであり、対向するシート部分は、互いに固定されている。
【0011】
別の態様では、本発明は、第1の容器を含む使い捨て処理セットを対象とし、該第1の容器は、注液口及び排液口、並びに該容器内に処理剤を含む。本セットは、1つの端部が注液口と連通して開通可能な流路を形成するチューブを含む。本セットは、第2の容器及びチューブを含み、該チューブは、その1つの端部が第1の容器と連通し、別の端部が第2の容器と連通して第1と第2の容器の間に開通可能な流路を形成する。
【0012】
別の態様では、本発明は、処理中に生体液を収容しておくための容器を含む第1の部分、処理後に生体液を受け入れるための容器を含む第2の部分、及び各容器を接続してそれらの間に開通可能な流路を形成するチューブを含む、生体液を処理するための使い捨て処理セットを対象とする。本処理セットは、第2の部分を第1の部分から分離して一時的に保持するためのホルダを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(詳細な説明)
例示を目的として、本発明の種々の態様を主にそれらの好ましい実施形態に関連して説明する。しかしながら、本発明の様々な態様を実施した装置、システム及び方法は本明細書に説明する特定の詳細に限定されないことを理解されたい。
【0014】
生体液を処理する照射装置を全体として図1〜図14に示し、本明細書において全体として光ボックス10という。光ボックス10は、様々な目的に対して種々の物質を処理するために使用することができる。
【0015】
光ボックス10は、生体液の処理において特に有益である。本明細書において使用する生体液とは、限定するものではないが、血液及び血液製剤を含む身体内に見出されるか又は身体内に導入することのできるなんらかの流体を指す。本明細書において使用する「血液製剤」とは、全血又は赤血球、白血球、血小板、血漿などの全血の成分若しくは全血から分離されたこのような成分のうちの1つ又はそれ以上の組み合わせを指す。
【0016】
光ボックス10の1つの特定の非限定的使途は、光に曝露されたときに活性化するための光化学物質と組み合わせられた血液製剤の処理にある。このような光化学物質は、例えば、ウイルス、細菌、白血球及び他の夾雑物(本明細書では集合的に「病原体」という)の不活性化に使用される。病原体不活性化用途においては、活性化された作用因子が、血液製剤中に存在する可能性のある病原体を不活性化する。
【0017】
一般に、処理対象の生体液は、可撓性でプラスチック製の滅菌可能な半透明の生体適合性を有する容器に入れて光ボックス10内の流体処理チャンバ内に導入される。本発明の諸態様によれば、容器は、光ボックス10によって施される処理の前と後の両方において生体液を処理するのに有益な他の容器及びプラスチックチューブに一体的に接続することができる。使い捨て処理セット及びその構成要素の例を図15〜図38に示す。光ボックス、使い捨て処理セット及びそれらを使用する方法を以下により詳細に説明する。
【0018】
(a.光ボックス)
図1に示すように、光ボックス10は、天板14、底面パネル16、前面パネル及び背面パネル17、並びに側板18によって形成されるハウジング12を含む。ハウジング12は、底面パネル16に取り付けられた脚13によって支持される(図4)。好ましい実施形態では、脚13は、ゴム又は他のエラストマー系のマウントである。側板18は、光ボックス10を把握して運ぶための取っ手22を含むことができる。側板18に開けることが可能な又は除去可能な扉24があることにより、光ボックス10の内部、より具体的には、以下により詳細に説明する光ボックス10の電子部品にアクセスすることが可能となる。扉24は、締め具25を回すことによって開けるか又は除去することができる。
【0019】
利便性及び効率のために、光ボックス10は、かなり小型であるのが好ましい。一非限定的例では、光ボックス10は、幅が約100cm〜約120cm、奥行きが約20cm〜約100cm、高さが約30cm〜約40cmの間とすることができる。小型の機器であれは、例えば、1つの処理センターにより多くの機器を配置することが可能となり、且つ/又は2台若しくはそれ以上の機器を互いに重ね合わせることを可能にすることができ(図13に示すように)、その結果、水平面積又は水平空間(即ち、ベンチスペース、棚スペース若しくはそれらに類似するもの)当たりの生体液処理能力を高めることができる。
【0020】
光ボックス10は、制御モジュール26及び流体処理モジュール28を含むことができる。以下により詳細に説明するように、制御モジュール26は、生体液処理用の命令要素及び制御要素を含み、且つ/又は格納することができる。流体処理モジュール28は、流体処理を行う要素及び構成部品を格納している。
【0021】
制御モジュール26及び流体処理モジュール28は、同一のハウジング内に収納することができるが、図2に示す好ましい実施形態では、それらは容易に分離可能なモジュールである。制御モジュール26及び流体処理モジュール28は、光ボックス10が使用されている際には電気的及び物理的に接続されているが、図2に示すように分離することができる。一実施形態では、制御モジュール26及び流体処理モジュール28は、これらのモジュールの嵌合部分を共に保持する絞りピン30(図4)によって部分的に共に保持される。制御モジュール26及び流体処理モジュール28は、図4に示す絞りピン30を除去し、締め具31を回すことにより分離することができる。締め具31には、側板18の除去式扉24(図1に示す)によってアクセスすることができる。もちろん、制御モジュール26及び流体処理モジュール28の対向するパネル上のクリップとスロットを噛み合わせる方式を含む、制御モジュールと流体処理モジュールを接続し且つ容易に分離する他の手段を用いてもよい。
【0022】
2つの容易に分離可能なモジュール26及び28内に光ボックス10を備えることにより、制御モジュール26及び流体処理モジュール28により容易にアクセスすることが可能となり、全体として、光ボックス10の保守容易性が向上する。例えば、制御モジュール26のみに対して工場での修理が必要である場合、そのモジュールは、光ボックス10全体を除去して輸送する必要なく除去することができる。
【0023】
図1及び図2に示すように、制御モジュール26の外側は、光ボックス10の最前部に配置された制御パネル32を含む。制御パネル32は、限定するものではないが、処理工程に関してオペレータにグラフ式情報、文字情報及びアルファベットや数値による情報を提供するための液晶ディスプレイのような表示画面37を含む。制御モジュール26の制御パネル32内にはキーパッド39も含まれており、工程全体にわたるオペレータによる制御及び/又はオペレータによるデータ入力を可能にしている。データ入力の追加手段は、バーコードリーダ41によって提供されており、該バーコードリーダ41は、使用中以外は、スロット43内に置かれる。バーコードリーダ41のコイル状ケーブル用に、溝45を設けることができる。制御パネルは、光ボックス10用のオン/オフスイッチ35も含むことができる。
【0024】
制御モジュール26の内部構成要素を全体として図4に示す。制御モジュール26は一般に、中央演算処理装置27及びランダムアクセスメモリ(RAM)並びにシステムプログラム格納用のEPROM及びバックアップデータ格納用の不揮発性メモリなどの記憶装置を含む、光ボックス10操作用のプログラム可能なマイクロプロセッサを含むことになる。制御モジュール26は、AC入力電圧をDC制御システム電圧に変換し且つ漏れ電流を医療機器に対する許容限界内に維持するための絶縁変圧器29を更に含むことができる。制御モジュール26内の他の構成要素には、電源167、入出力ボード33及び電力注入モジュール34、外部光度感知装置と共に使用するためのフィルター付き通路34b並びにフィルター付き出力通路34aを含めることができる。
【0025】
制御モジュール26は、パラレルポート及び/又はシリアルポート34Cを通じてプリンタ500(図14)などの外部構成要素に、若しくは幾つかの光ボックス並びに/或いは他の医療装置に接続された中央計算機502(図14)に接続するように適合させることができる。中央計算機は、幾つかの機器からデータを受け取ることができ、処理センタのオペレータが幾つかの手順に関する情報を取り出すことを可能にする。当業者にはわかるように、制御モジュール26は、図14に示す増設プリント回路基板のような他の構成要素をも含むことができる。
【0026】
ここで流体処理モジュール28に移ると、図1〜図3に示すように、流体処理モジュール28は、前部扉36を含んでおり、以下により詳細に説明するように、該前部扉36を開けると、生体液の流体処理チャンバ内への導入及び除去が可能となる。流体処理モジュール28の前面パネル17も開けることができ、流体処理モジュールの内部へのより完全なアクセスを可能にしている。図3に示すように、パネル17は、回すと前面パネル17を開けるか又は除去することのできる締め具17aを含むことができる。
【0027】
図4及び図5に、少なくとも天板14と前面パネル17が除去された流体処理モジュール28の内部を全体的に示す。図5に最もよく見られるように、流体処理モジュール28は、流体処理チャンバ40及び光源(以下により詳細に説明する)を収容するための光チャンバ42並びに44を部分的に形成する内部フレーム構造38を含む。フレーム構造38は一般に、図13に全体として示す1つ又はそれ以上の追加の光ボックスを光ボックス10が支持することを可能とすることになるなんらかの堅牢な材料で構築することができる。好ましい材料は、アルミニウム及び、特に、T−6へ硬化したアルミニウム6061である。
【0028】
図5に戻ると、光チャンバ42及び44は、生体液を両側から照射するために、流体処理チャンバ40の上方及び下方に配置される。もちろん、光ボックス10は流体処理チャンバの直近に配置された単一の光チャンバ又は「最上及び最下」位置以外の流体処理チャンバの周りに配置された2つ又はそれ以上の光チャンバを含むことができることがわかるであろう。
【0029】
図3から図5に示すように、流体処理チャンバ40は、流体担持引出し50を受け入れるように適合されている。光チャンバ42及び44は、光引出し60並びに70を受け入れるように適合されている。流体処理モジュール28は、任意選択的に、例えば図5に示す容器マーカ組立体74を更に含むことができる。マーカ組立体74は、以下により詳細に論じるように、処理の前及び/又は後に容器に印を付けるための1つ又はそれ以上のマーカ76a〜76dを携えることができる。
【0030】
図13に示す流体担持引出し50のより具体的な説明に移ると、流体担持引出し50が、流体処理チャンバ40内への生体液の導入を可能にしている。流体担持引出し50は、流体処理チャンバ40の内外へ、手動で若しくは自動的に移動可能とすることができる。流体担持引出し50の手動移動が必要である場合、引出し40は、取っ手80を含むことができる。一実施形態では、流体担持引出し50の動きは、図8、図9及び図13において最もよくわかるように、フレーム構造38のレール86内に配置された、引出し50の片側又は両側上のスライド82によって促進される。代替的に、流体担持引出し50は、流体処理チャンバ40の内外への引出し50の動きを可能にするローラ又は他の装置を含んでもよい。
【0031】
生体液の容器の積み卸しを容易にするために、流体担持引出し50は、完全に引き出されたときに引出しが下方に傾斜することを可能にするピボットマウントを含むのが好ましい。引出し50を下方に傾斜させる機能は、図13に示すように、2又はそれ以上の光ボックスが互いに積み重ねられる場合に上側の光ボックスに流体の容器を搭載するのに特に好都合となることができる。一実施形態では、流体担持引出し50は、流体担持引出し50が完全に開けられ且つハウジング12の外側にある際に、引出し50の先端が下方に例えば20°〜45°の角度、好ましくは30°の角度傾斜することができるように、フレーム構造38にヒンジで取り付けることができる。
【0032】
流体担持引出しの傾斜を可能にするために、光ボックス10は、バネで負荷した傾斜ノブ83を含むことができ、該傾斜ノブ83は、引かれると流体担持引出し50を開放し、それが上述したように傾斜するのを可能にする。より具体的に説明すると、図8Aに示すように、傾斜ノブ83は、スライド82(図9)に取り付けられたロッド82aに接続される。ロッド82aの端部は、ピボット部材83aに連結され、ピボット部材83aは、引出し50に取り付けられたリング83bに接続される。ロッド82aは、バネ82c及びバネ止め82dを更に含む。ロッド82aの端部がピボット部材83aに連結されると、リング83bの動きが防止される(図8Aに示すように)。しかしながら、ノブ83が引かれると、(図8Bに示すように)ロッド82aはピボット部材83aから外れ、リングがピボット部材83aに対して回転することが可能となり、それにより、図13に示すように、引出し50が下方に傾斜することができるようになる。
【0033】
図8〜図9に示されるように、流体担持引出し50全体が開けられており、図7に示す容器担持トレイ90を配置することを可能にする中央キャビティ88を含んでいる。容器担持トレイ90は、流体担持引出し50と一体にしてもよいが、容器の搭載及び/又はトレイの洗浄をより容易にするには、除去可能な非一体型トレイ90が好ましいかもしれない。
【0034】
生体液の処理中は、流体担持引出し50内の流体を連続的に若しくは定期的に攪拌して生体液を混合し、実質的に全ての生体液が光及び/又は光化学物質に十分に且つ均等に曝露されることを保証するのが望ましいであろう。従って、流体担持引出し50は、生体液を攪拌する手段に取り付けることができる。
【0035】
図9及び図10に示すように、流体担持引出し50は、例えば、トレイ90を横方向に振動させる攪拌用組立体を含むことができる。攪拌用組立体は、光チャンバ内で前方から後方へ延びる一対の固定された下レール95bを含むことができる。上レール95aは、枢着された連結アーム93a及び93bによって下レールに取り付けられている。連結アームによって、上レール95aの横方向運動が可能となる。振動を与えるために、電気モータ92が下レール95bに取り付けられている。モータ92は、カム97aを回転させる。カム97aは、ローラ97に取り付けられたL字形のクランク又はブラケットであることができる。ローラ97は、上レール95aから下垂している平行な壁97bの間に捕捉される。クランク97aによってローラ97がモータ92の軸の周りを回される際に、ローラが壁97bの間で前後及び上下にスライドし、上レール95aの横方向運動を付与する。
【0036】
光ボックス10は、好ましくは流体処理チャンバ50の上方及び下方に配置された1つ又はそれ以上の光源を含むことができる。ランプ交換などの保守容易性のために、光源には容易にアクセス可能であるのが好ましい。本明細書において使用する「容易にアクセス可能である」とは、例えばねじ回し又は他の道具を使用せずに迅速且つ容易に光源にアクセスすることができることを意味する。例えば、一実施形態では、光源は、ハウジング12及び/又は流体処理モジュール28から部分的若しくは完全に除去可能であるのが望ましいであろう。光源には、前面パネル、側板、天板又は底面パネルのうちのいずれか1つを通じてアクセス可能である。一実施形態では、光源は、光引出し60及び70内に収容される。図5に示すように、前面パネル17及び/又は前扉36が除去されるか若しくは開けられると、光引出しは、流体処理モジュール28の内外に移動可能となる(又は完全に除去可能にさえなる)ことができる。光引出し60及び70は、引出し60及び70の底面に取り付けられたスライド99(図6)を含むことができる。図5に示すように、スライド99は、ブラケット96の上に載ってその上を移動し、フレーム構造38の取り付け台98をスライドさせる。光引出し60及び70は、挿入中並びに除去中に把持するための取っ手84も含むことができる。
【0037】
図6に示すように、光引出し60及び/又は70は、隔壁102によって分離された2つ又はそれ以上のチャンバ101並びに103に分割することができる。隔壁102は、1つの光チャンバからの光が他の光チャンバ内へ広がるのを最小限に留める。これにより、各ランプ又はランプアレイから照射される光及び生体液との接触が実質的に一定であることが保証される。更に、光チャンバ101及び103内のランプアレイの各々を、制御モジュール26によって単独に監視し且つ制御することができる。従って、1つのランプのアレイが消灯されているときに、他のランプのアレイを点灯された状態に維持することができる。以下により詳細に説明するように、これは、異なるレベルの処理を必要とする2つ又はそれ以上の容器に入った生体液を処理中である場合に特に役に立つことができる。
【0038】
光引出し60又は70の光チャンバ101及び103の各々は、全体として、4つの側壁105a〜105d及び底壁107によって形成される。壁105a〜105d及び107は、生体液に送達される光の量を最大化するように、反射性材料で製造するか又はそれを塗布することができる。光源が紫外線A(UVA)領域の光を提供する1つの特定の実施形態では、壁105a〜105d及び107は、UVA光を十分に反射するように、高反射性アルミニウムで製造することができる。そのような材料は、1500 G−2の名称で販売されており、ドイツのEnnepetal所在のALANODから入手可能である。
【0039】
本発明に使用するのに適した光源は、特定の生体液を処理ための特定の波長及び強度の光を提供することのできるあらゆる光源を含むことができる。例えば、白色光、赤色光、赤外光、紫外光A及び/又は紫外光Bを提供することのできる光源を使用することができる。光引出し60及び70は、1つのランプ又は複数のランプのアレイ100を含むことができる。一実施形態では、光源は、UVA(紫外線A)領域の波長の光を提供することのできる標準型の蛍光灯又は電球を含むことができる。そのようなランプは、BL352の製品コードで日本のSanko Denkiから入手することができる。光引出し60及び70は、任意選択的に、ランプ100、より具体的にはランプのフィラメントの位置又はその近傍のランプ100の端部を冷却するための送風機を更に含むことができる。
【0040】
図6に示すように、ランプ100の端部は、ソケットパネル106に収納されたソケット104に挿入される。ソケットパネルはまた、プリント基板としても機能することができる。ソケットパネル106をヒンジで動き且つ開けることができるようにして、ランプ100への容易なアクセス、ランプ100の容易な挿入及び除去、並びに全体として、光引出し60及び70のより容易な保守性を可能にすることができる。
【0041】
図5に示すように、流体処理チャンバ40の一部分、更に詳しく述べれば、流体担持引出し50の一部分は、ガラス板110によって光引出し60及び70から隔てられる。図5に示すように、上のガラス板110はフレーム構造38上に載っており、全体として、クランプ112及び114によって所定の位置に保持されている。流体担持引出し50の一部分を下の光引出し70から隔てる下のガラス板110も含むことができる。ガラス板110は、生体液の処理に使用される波長の光に対して実質的に透過性である。ガラス板110は、不要な光をフィルタで除去することもできるのが好ましい。代替的に、別個のフィルタを用意し、光源と流体処理チャンバ40との間に配置してもよい。UVA光による生体液の処理が望まれる1つの特定の実施形態では、ガラス板110は、320nm〜400nmの範囲以内の紫外線に対しては実質的に透過性であるが、約320nmより短い波長の光に対しては透過性ではないことができる。そのようなガラス板は、ニューヨーク所在のSchott Glass of YonkersによってB−270の製品名で市販されている。
【0042】
上に記載したように、流体処理モジュール28は、任意選択的にマーカ組立体74を更に含むことができる。マーカ組立体74は、流体処理チャンバ内の容器に印を付けるための1つ又はそれ以上のマーカ76a〜76dを含むことができる。1つ又はそれ以上のマーカ76を、様々な処理の段階で容器に印を付けるために備えることができる。マーカ76a〜dは、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5、557、098号に記載されているような容器フラップのような容器の一部分に孔を開けるための穿孔装置であることができる。代替的に、またより好ましくは、マーカは、容器の指定部分にインクで刻印するための刻印装置であることができる。そのようなマーカは、オーストリア所在のTrodat WelsによってPrinty 4911の製品名で市販されている。
【0043】
図11に示すように、マーカ組立体74は、光処理の様々な段階中に複数の容器に印を付けるための複数のマーカ76a〜dを含むことができる。マーカ76a〜dは、スライド114を含むブラケット78に取り付けることができる。スライド114は、光ボックス10の内部フレーム構造38に取り付けられたトラック116に懸架されており、且つその内で移動可能である。従って、図5に示すように、インク補充、マーカ76の交換又は全体的な保守に対し、組立体74全体を流体処理モジュール28から取り外すことができる。
【0044】
図12に示すように、個々のマーカユニットの各々が、ギア122を通じてマーカ76を上下に動かすマーカ駆動モータ120、ギア124、送りネジ128、送りナット126、ブラケット130、及びバネ132を含む。ギア122及び124の運動によって送りネジ128の運動が開始され、送りナット126、ブラケット130、従ってまたマーカ76の下方及び/又は上方への運動が生じる。
【0045】
流体処理モジュール28は、流体処理チャンバ40及び流体容器に空気流を送り込み、その結果として流体処理チャンバ40の温度を制御する送風機134を含む(図5)。送風機134は、送風機134の下方に位置する底壁16の開口部を通じて外気を受け取る。流体処理チャンバ50に空気を送ることに加え、送風機134からの空気は、例えば図2及び図4に見られるような流体処理モジュール28の開口部136並びに制御モジュール26の打ち抜き穴又は開口部136aをも通過することができる。
【0046】
図5及び図13に示す流体処理モジュール28、より具体的には流体担持引出し50に話を戻すと、流体担持引出し50は、1つ又はそれ以上の生体液の容器を保持するためのトレイ90を含むことができる。図7に示すトレイ90は、流体担持引出し50のキャビティ88内に配置することができる(図8)。一実施形態では、トレイ90は、鋳造プラスチック材料で作ることができる。生体液が2つの側から処理される場合には、鋳造プラスチック材料は、ランプ100によって供給される光に対して十分に透過性であるべきである。トレイ90に適した材料には、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などのアクリルポリマー又はメチルペンテンコポリマーなどのポリオレフィン族のメンバーが含まれる。このような材料は、ACRYLITE(登録商標)OP4の製品名で販売しているニュージャージー州ロッカウェイ所在のCYRO Industriesを含む多くの入手源又はTPXの名称でニューヨーク州ホワイトプレーンズ所在のMitsui Plasticsから入手可能である。
【0047】
1つ又はそれ以上の容器が処理対象となる場合、トレイ90は、隔壁184で隔てられた第1の部分180及び第2の部分182に分割することができる。図7に示すように、トレイ90は、固定タブ186を含み、該タブ186の上に生体液容器206のスリット又は他の開口部を配置してトレイ90内の容器の動きを制限し、且つ容器が光源によって提供される光の場内に実質的に位置することを保証することができる。トレイ90の容積は、攪拌中であっても、容器漏れの場合に液体が溢れ出して光ボックス10の電気的及び機械的構成要素と接触することになる危険性を最小限に抑えるために、容器内に含まれた生体液の少なくとも全量を保持するのに十分でなければならない。
【0048】
生物学的容器が一体型流体処理セットの一部である場合には、トレイ90を区画に分割し、一方は処理を受けている容器用、他方は使い捨て処理セットの残部又は残部の一部用に、別個の区画を設けることができる。例えば図7に示すように、第1の部分180及び第2の部分182は各々、不連続な壁192によって隔てられた第1の区画188並びに第2の区画190を含む。第1の区画188は、生体液の容器206を保持することができ、第2の区画は、流体処理セットの残部構成要素を保持することができる。壁192のスロットが、容器206を使い捨て処理セットの残部と接続するチューブを収容する。スロットは、トレイ90内での容器206の動きを制限するのを支援することもできる。トレイ90若しくはトレイの第2の区画190は、容器を第2の区画内の所定の位置に保持し、且つ/又はトレイ90内での当該容器の動きを制限するための容器用の固定タブ又は固定くぎ193を更に含むことができる。代替的に、図26および29に示すように、くぎ193を引出し50上に配置してもよい。
【0049】
使い捨て処理セットを有するトレイ90が流体処理チャンバ50内に導入される際に、第1の区画188内の容器206は、光源によって提供される光の場内に実質的に配置される。使い捨て処理セットの残部及び/又は第2の区画190内の容器は、場光の外側にあり、以下に説明するトレイカバー380によって所定の位置に保持されるのが好ましい。マーカ組立体74が備えられる実施形態では、第2の区画190内の容器は、図4及び図5に示すように、マーカ組立体74と実質的に整合される。従って、処理の状況を、マーカ76a〜dによって、第2の区画190内の処理セットの他の容器上に表示することができる。
【0050】
光ボックスがマーカ組立体を含まない実施形態では、引出し50は、図26および図29に示すカバー380を含むことができる。カバー380は、第2の区画190内の容器を所定の位置に保持する。図26および図29に示すように、カバー380は、引出し50にヒンジで取り付けることができ、照射工程の前に区画190の上に倒すことができる。
【0051】
図26および図29に示すように、カバー380は、カバー380を隔壁184に固定するための掛け金382を含むことができる。カバー380はまた、バッグ配置センサおよび移動センサ(以下に説明する)と整合された複数の開口部384をも含むことができ、2002年10月11日に出願されたAttorney Docket No.F8−5459 CIPの「Apparatus,Systems and Methods for Processing and Treating a Biological Fluid With Light」と題された米国特許出願(その全体が、本明細書中において参考として援用される)に記載される。カバー380は、光源からの光に対して透過性でない任意の適した材料で製造することができる。カバー380は、アルミニウムで製造されるのが好ましい。
【0052】
光ボックス10は、前処理及び処理工程中の様々な状況を検出するセンサを含むことができる。センサは、制御モジュール26内に格納された光ボックス10のマイクロプロセッサに信号を中継する。例えば図14に示すように、センサ(例えば404、430)は、マイクロプロセッサ160によって理解可能な形式に変換するセンサ入出力ボード33を通じて信号を送る。コンピュータは、可聴警報若しくは表示画面37上へのメッセージによってオペレータに警報を発する。オペレータは、警報又はメッセージに応答して、キーパッド39を通じて措置をとることができる。或いは、必要であれば、特定の警戒状況に応じて、制御システムが処理終了などの措置を自動的にとるようにあらかじめプログラミングしておくこともできる。
【0053】
例えば、光ボックス10は、ランプ100によって流体処理チャンバ50に提供された光の強度を測定するための内部光度センサ404を含むことができる。ランプ100によって提供された光度が所望の処理に対して不十分である場合、上述したように、センサ404が、入出力ボード170(図14)を通じてマイクロプロセッサ160に信号を送る。
【0054】
一実施形態では、光度センサ404は、光引出し60及び70の光チャンバ101並びに103内に配置することができる(図6)。一実施形態では、光引出し60及び/又は70は、引出し60及び/又は70の裏面上に光度センサの部分組立体402を含む。図6aに示すように、部分組立体402は、その上に取り付けられた2つ又はそれ以上のセンサ404を含み、引出し60及び/又は70の底壁107内に設置されたセンサ窓406内に配置される。センサ窓406により、ランプ100からの光が通過してセンサ404に接触することが可能となる。センサ404は、不要な光を除去するための1つ又はそれ以上のフィルタを含むか又はそれを併せて用いることができる。より具体的に説明すると、光ボックス10を用いて光化学物質を活性化する場合、センサ404と関連して用いられるフィルタは、特定の光化学物質が最も効果的に活性化される波長域(即ち、「作用曲線」)と実質的に合致する波長域内において最大感度を有するのが望ましいであろう。これにより、センサ404が光活性化の効果を検出することが可能となる。センサ404は、例えば、部品番号TSL230BでTexas Advanced Optoelectronics Solutionsから入手可能である。フィルタは、ペンシルベニア州ドリエー所在のSchott Technical Glassなどの様々な提供源から入手可能である。
【0055】
流体担持引出しのセンサ144は、流体処理チャンバ40内での流体担持引出しの位置を監視するために含むことができる。流体担持引出し位置決めセンサ144は、引出し50が完全に閉まった位置にあることを保証し、従って、生体液の容器がランプ100によって提供される光の場内に実質的に位置することを保証する。引出しが完全に閉まった位置にない場合、センサ144がマイクロプロセッサに信号を送り、オペレータに警告して処理が進行するのを防止する。
【0056】
光ボックス10は、任意選択的に、流体処理チャンバ40内の温度を直接若しくは間接的に監視及び測定する温度センサ145を更に含むことができる。温度センサは、流体処理チャンバ40内に配置してもよく、或いは図4及び図5に示すように、外部環境の周囲温度を測定するために光ボックス10の外側に配置してもよい。例えば、周囲温度センサ145を、光ボックス10の表面上のいずれかの位置に配置することができる。図1及び図2に示すように、一実施形態では、周囲温度センサ145は、制御モジュール26の位置又はその近傍に配置される。周囲温度センサ145は、送風機134によって流体処理チャンバに送られている空気の温度を示す。温度が所定の温度範囲から外れた場合、周囲温度センサは、上に全体として説明したマイクロプロセッサに信号を送り、該マイクロプロセッサが、温度がその限界点に近づきつつあるか又はそれを超えたことをオペレータに警告する。それに応じて、オペレータ及び/又は機器が、その後の措置をとることができる。
【0057】
攪拌用組立体によって提供される攪拌を監視するためのセンサを含む付加的センサを備えることができる。一実施形態では、センサ430は、図11Aに示すように、マーカ部分組立体74に取り付けることができ、上述した攪拌用組立体の運動を測定する。一実施形態では、センサ430は、限定するものではないが、攪拌用組立体の選択された反射性部分に接触する発光ダイオード(LED)又はレーザなどの赤外線源を含むことができる。センサ430が反射を検出しない場合、若しくは所定の周波数で反射を検出しない場合、センサ430は、それに応じてマイクロプロセッサに信号を送る。上に述べたように、代替的運動センサシステムが、2002年10月11日に提出された代理人整理番号F8−5459CIPを有し先に引用により組み込まれた米国特許出願に記載されている。
【0058】
光ボックス10はまた、処理中に光ボックスの前扉が閉まっているかどうかを検出するためのセンサ440をも含むことができる。扉センサは、扉36と図3に示すマグネットプレート441との間の接触を検出するマグネットスイッチとすることができる。また、扉36が閉められる際に、プランジャスイッチ36a(図4)が押される。扉36が開いている場合、プランジャスイッチ36aが、電源遮断装置として機能する。扉が開いている場合、システムは、処理の進行を許可しないことになる。
【0059】
光ボックス10はまた、容器がマーカ76によるマーキングに対して適所にあるか否かを判定するためのセンサ450をも含むことができる。図11Aに示すように、センサ450は、マーカ76に取り付けることができ、且つ一般的に流体担持トレイ90の下方に配置される発光ダイオード(LED)(図示せず)と整合された受光器を含むことができる。容器材料の不透明度、トレイ90の第2の区画190内に配置された容器のラベル又区画190内の容器を共に保持するために用いられるホルダ若しくは整理収納具により、受光器450が容器の存在を示すLED信号を受信するのを防止する。逆に、センサ450が信号を受信した場合、これは、容器が全く存在しないことを示している。マーカー組立体を備える実施形態において、信号が受信される場合、マーカーは、活性化しない。更に、各マーカ76a〜dは、マーカの運動が発生したか否かを検出してマーカを作り上げている部品の機械的な故障又は損傷を防止するためのマイクロスイッチ(図14に470で示す)を含むことができる。
【0060】
光ボックス10がマーカー部分組立体74を含まない一実施形態では、LEDは、カバー380の開口部384と整合されて、区画190の上方に配置される。LEDからの光は、カバー380の開口部384を通過する。センサ450は、LEDと整合されている。上述したように、センサがLEDから信号を受信した場合、これは、容器が全く存在しないことを示しており、機器は、オペレータに警告するか又はその後の処理を終了することになる。
【0061】
更に、携帯型で取り付け可能な光度感知、確認及び較正用の装置又は放射計460を備え、光ボックス10によって提供された光度を確認し且つ光ボックス10を較正することができる。放射計460は、生体液に送達されたエネルギー投与量を測定するために流体処理チャンバ40内に配置するように適合させることができる。より具体的には、放射計460は、流体容器担持トレイ90内に配置するように適合させることができる。一実施形態では、放射計460は、トレイ90の第1の区画188などのトレイ90の一区画内に配置するように適合させることができる。
【0062】
図14Aに示すように、放射計460は、上面467及び底面468を有する支持体465を含むことができる。支持体465は一般に、プリント基板である。1つ又はそれ以上のセンサ469が、支持体465に電気的及び物理的に接続される。
【0063】
光源は常に均等に光を放射することはできないことが知られている。例えば、ランプの材齢により、ランプの1つの部分から放射される光の強度は、該ランプの別の部分から放射される強度と同一であることはできない。従って、図14Aに示すような好ましい実施形態では、放射計460は、1本又はそれ以上のランプの様々な点から光を受け取るために上面及び/又は底面全体にわたって間隔を置いて配置された複数のセンサを含むことができる。また、センサ469は、支持体465の片側に配置してもよいが、上面467及び底面468の両方に配置されるのが好ましい。センサ469の上面及び底面への配置は、光ボックス10の実施形態のうちの1つにおけるように、2つの対向する光源によって提供される光を測定するために放射計460が用いられる場合には特に好ましい。
【0064】
光ボックス10及び例えばポート461(図5)への電気的接続のために、電気コード(図示せず)が放射計460に取り付けられる。これにより、放射計460が光ボックス10のコンピュータを基盤とする制御システムへデータを伝送することが可能となり、該システムが、オペレータに情報を提供し且つ/又は伝送されたデータに基づいて自動的に措置をとる。放射計460はまた、光ボックス10のトレイ90内のタブ186の上に配置するためのスリット472をも含むことができる。
【0065】
センサ469は一般に、選択された波長の光を検出することのできるフォトダイオードとすることができる。センサ469はまた、実質的に上述した不要な光を除去するフィルタを含むか又はそれらと共に用いることもできる。
【0066】
光ボックス10に関連して用いる場合、放射計460の寸法は、光ボックス10と共に用いられる流体を充填した容器の寸法と実質的に等しいのが好ましい。従って、放射計460の光感知領域は、そのような充填された容器に実質的に等しい高さ、幅及び厚さを有するのが好ましい。流体を充填した容器に実質的に等しい寸法を有する放射計は、流体に送達されているエネルギー及び処理の効果に関する信頼性を有する近似値を提供する。
【0067】
上に記載したように、放射計460は、例えばオペレータによる光度確認及び全体として光ボックス10、より具体的には内部光センサ404の較正のために用いることができる。光度確認のために放射計460を用いる方法によれば、オペレータは、トレイ90の第1の区画188内に放射計460を配置することができる。コードは、光ボックス10(図8)内の歪み緩和タブ474に圧入することができる。流体担持引出し50が流体処理チャンバ40内に挿入され、扉36が閉められる。ランプ100が点灯され、送達された光がセンサ469によって測定される。具体的に説明すると、センサ469によって測定された光がシステムのマイクロプロセッサによって処理され、流体処理チャンバ40に提供されているエネルギーの読み取り値が提供される。オペレータは、ランプ100の出力を監視し、読み取り値をあらかじめ設定された許容可能なエネルギー投与量の範囲と比較することにより、ランプ出力のいかなる低下も突き止めることができる。更に、センサ469によって提供された読み取り値は、センサ404によって提供された読み取り値とも比較され、センサ404の感知能力のいかなる低下も検出される。
【0068】
従って、例えばもし放射計460によって測定されたエネルギー投与量がセンサ404によって検出されたエネルギー投与量に実質的に等しいが、あらかじめ設定された投与量の範囲外にある場合、これにより、ランプ100の出力が低下していること、及びランプ100を交換する必要があるかもしれないことを示すことができる。一方、放射計460によって測定されたエネルギー投与量が機器の所定のあらかじめ設定された投与量に実質的に等しいが、両方ともセンサ404によって測定されたエネルギー投与量と異なる場合、これにより、センサ404の感知能力が低下していることを示すことができる。最後に、センサ404によって測定された投与量が所定のあらかじめ設定された投与量に実質的に等しいが、放射計460によって測定されたエネルギー投与量と異なる場合、これにより、放射計460の感知能力が低下していることを示すことができる。放射計は、光ボックス10を較正するのにも用いることができる。放射計460自体は、標準(例えば、米国標準技術局即ちNISTによる標準)に対して較正することができる。
【0069】
もちろん、放射計460が他の用途に役立ち本発明の装置又は方法での使用に限定されないことがわかるであろう。実際に、放射計460は、拡大された表面積全体にわたって光が測定されることになる場合にはいつでも用いることができる。
【0070】
一実施形態では、攪拌器組立体、光源、送風機、及びマーカー部分組立体を含む流体処理モジュール28の構成要素は、図14に示す電源によって動力を供給される。(図14において、文字「n」は、センサ、ランプ、安定器等のような電気部品又は機械部品の数を表す。)例えば、ランプ100に動力を供給するための電源(安定器)166は、中継ボード及び絶縁変圧器29によって制御及び供給される。攪拌器モータ92は、中継ボード及び絶縁変圧器29を通じて電力を供給される。増設電源168は、送風機134、光引出し用送風機109、及びマーカ76a〜d並びにドアロック480用の駆動モータ120に対して電力を供給する。これらの部品に動力を供給する電源は、約24ボルトDCとすることができるのが好ましい。電源167は、例えばコンピュータボード160に対して、+5、+12、−12ボルトDCを供給することができる。
【0071】
最後に、光ボックス10は、光ボックスの動作を制御するためのプログラム可能なコンピュータソフトウェアを基盤とする制御システムを含む。本制御システムは、図19〜図23に全体として図式的に示されており、以下に記載する使い捨て処理セットの説明に続く生体液を処理及び処理する方法の説明と関連して更に詳細に説明される。
【0072】
電気的相互接続、感知システム、機械的部品、及び生体液を処理する方法を含む、光ボックス10の特徴の変更形態及び代替的形態は、先に引用により組み込まれた、2002年10月11日に提出された代理人整理番号F8−5459CIPを有する「Apparatus,Systems and Methods for Processing and Treating a Biological Fluid With Light」と題する米国特許出願にも記載されている。
【0073】
(b.使い捨て処理セット)
光ボックス10と共に有益な使い捨て処理セットを、全体として図15〜図17及び図35に示す。一般に、本使い捨て処理セットは、プラスチックチューブによって一体的に接続された2つ又はそれ以上のプラスチック容器を含むことになる。容器のうちの少なくとも1つは、光処理中に生体液を保持するのに適していなければならない。他の容器は、処理後の生体液の保存に適していなければならない。以下により詳細に説明するように、使い捨て処理セットは、生体液の容器と結合することができ、流体を使い捨て処理セットの容器に移すことができる。
【0074】
使い捨て流体処理セット200の一実施形態を図15に示す。処理セット200は、容器202、容器206、容器210及び容器214を含む。各容器は、以下に全体を示して説明するチューブ部分と一体的に相互接続することができる。容器202、206、210及び214の大きさ及び内部容積は、処理する生体液に応じて変えることができる。1つの非限定的例では、容器202は、約5ml〜約30mlの流体、容器206及び210は約1000mlの流体、容器214は約1000ml〜約1500mlの間の流体を保持可能とすることができる。もちろん、他の所望の大きさ及び容積を使用することができ、それらは、本発明の範囲内にある。
【0075】
使い捨て処理セットが病原体不活性化処理に、又はその一部分に使用される場合、容器202は、例えば、生体液と混合された光化学物質のような処理剤を含むことができる。このような光化学物質の例には、米国特許第5、709、991号に記載されているソラレン化合物、及び、限定するものではないがメチレンブルーなどのフェノチアジン色素のファミリーに由来する化合物が含まれる。適切な薬剤の別の例は、リボフラビンである。容器202は、このような光化学物質を保持するのに適した任意の材料で製造することができる。このような材料の1つは、エチレンポリプロピレン、ポリアミド、及びポリスチレンの末端ブロックを有するエチレンとブチレンのブロック共重合体のブレンドであってもよい。このような材料で製造された容器は、PL2411の名称でBaxter Healthcare Corporationから入手可能である。容器202は、それから延びており封止された端部204を有するチューブ部分203を含む。容器202から延びる第2のチューブ205は、容器206に一体的に接続される。別の実施形態では、光化学物質を容器206内に収容するか又は事前に配置することができ、それにより光化学物質を保持するための別個の容器202の必要性を排除している。更に別の実施形態では、光化学物質は、使い捨て処理セットへの結合に先立って生体液と結合することができる。例えば、光化学物質は、ドナーから収集した生体液を保持するのに使用される容器201に入れることができる(図17)。
【0076】
容器206は、光処理中に生体液を保持するのに適した容器であるのが好ましい。従って、容器206は、選択された波長の光に対して透過性で且つ蒸気消毒、ガンマ線放射、電子ビーム放射を含む既知の形態の殺菌法によって滅菌可能な、透明で耐久性のある熱可塑性材料で製造されることが望ましい。例えば、処理対象の血液製剤が血小板又は血漿を含んでおり且つ処理がUVA領域の光によることになる場合、容器は、UVA光に対して実質的に透過性で且つ滅菌後も安定した状態を保つ材料で製造される。そのような材料は、ポリ塩化ビニルを含むことができるが、汎用ポリマー、エラストマー等を含む、熱可塑性のポリマーとコポリマーのブレンドであるのがより好ましいであろう。そのような材料の1つは、エチレン及びブチレンの中央ブロック並びにポリスチレンの末端ブロックを含む上述したブロック共重合体を含む。上述した種類のブロック共重合体は、KRATONの名称でthe Shell Chemical Companyから入手可能である。ブロック共重合体は、超低密度ポリエチレン(ULDPE)及びエチレン酢酸ビニル(EVA)などの他のポリマーとブレンドすることができる。ブレンドした材料で製造された容器は、PL−2410の名称で、イリノイ州ディアフィールド所在のBaxter Healthcare Corporationから入手可能である。KRATON、EVA、及びポリプロピレンを含んだ材料を含む他の熱可塑性材料も、容器206に適するであろう。そのような材料で製造された容器も、PL−732の名称でBaxter Healthcare Corporationから入手可能である。容器206に適した更に別の材料は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素重合体、そのようなフッ素重合体を含むPFA又はコポリマーを含む。
【0077】
容器206は、上述したように、トレイ90の固定タブ186の上に配置することができるスリット207を更に含む。容器206は、容器210に一体的に接続することのできるチューブ部分208を含む。
【0078】
生体液の病原体不活性化においては、容器210は、例えば、光活性化工程の余剰光化学物質又は副産物を除去するための吸収材料211を含むことができる。吸収材料は、好ましくは容器210の内部チャンバ内の容器壁又はその一部に添付された半透性の袋に入れることができるかまたは図35に示すように、単純に容器210内に配置される。容器210の内部チャンバは、容器206からの生体液を保持するのに十分な容積を有する。このような容器及び吸収材料の1つの例は、その全体が引用により組み込まれる、米国特許第6,364,864号により詳細に開示されている。上述のPL−2410型容器及びPL−732型容器に使用されているもののような材料は、容器210に用いるのに適している。
【0079】
容器210はまた、時間に敏感なテープ209をも含むことができる。テープ209は、時間の経過と共に変色し、それによって生体液が十分な時間吸収材料に接触したかどうかをオペレータに通知する。容器210は、チューブ部分211によって、生体液の保存に適することのできる別の容器214に一体的に接続することができる。図15に示すように、チューブ部分211の容器210の内部と連通する部分は、もし存在した場合、吸着剤の遊離粒子を捕捉するためのフィルタ211aのような捕捉装置を含むことができる。
【0080】
図35に示すように、捕捉装置は、容器214と容器210の排液口との間の、チューブ211の流路(「インライン」)内に配置することができるのがより好ましい。一実施形態では、図35に示す捕捉装置211aは、遊離粒子を捕捉するためのフィルタ要素を中に含んだハウジングであることができる。図35の捕捉装置211aは、入り口215及び出口217を有する可撓性プラスチックの袋とすることができる。入り口215は、袋の一方の側に配置することができ、容器210と連通するチューブ211と連通する。出口217は、袋の他方の側に配置することができ、容器214と連通するチューブ(図35に参照数字219で示す)の部分と連通する。
【0081】
内部チャンバ219(図37に示す)は、あらゆる遊離粒子を捕捉又は除去することのできるフィルタ要素221を含む。好ましい実施形態では、フィルタ要素は、チャンバ219内に配置された選択された材料で作られたフラットシートである。フラットシートフィルタ要素は、袋の壁223と225の間に挟まれることができるのが更により好ましい。図37に示すように、フラットシートフィルタ要素の外側周縁部は、封止ライン237に沿って、外壁223及び235にそれらと共に封止されている。
【0082】
壁223又は235のうちの少なくとも1つの内側表面には起伏をつけることができる。起伏のある内側表面は、フィルタ要素221が袋の壁の内側表面にはりつく可能性を減少させる。一実施形態では、図37に見られるように、壁223及び225のうちの1つ又は両方の内側表面が、内部チャンバ219内に突出する複数のリブ223を含む。
【0083】
捕捉装置211aが図35〜図37に示す種類の袋である場合、壁223及び225は、任意の適した、好ましくは生体適合性を有し且つ医療品の滅菌に使用される滅菌形態によって滅菌することのできるプラスチック材料で製造することができる。1つの好ましい材料は、可塑化ポリ塩化ビニルである。フィルタ要素221は、同様に生体適合性を有し、滅菌可能で且つ壁223、225の材料に封止することのできるポリマーであることができ、ポリエステルメッシュのような織ったメッシュ材料であるのが好ましい。
【0084】
容器214は、生体液に関する情報を提供するバーコード222又は他の示標を担持することのできるラベル216を含むか又は受け入れることを可能にすることができる。例えば、バーコード222により、ドナー、製剤、生体液のロット番号、使用期限等を識別することができる。容器214は、流体処理(以下により詳細に説明する)の状態又は進行状況に関する情報を提供するために用いられる付加的なバーコード若しくは示標224を含むことができる。容器214はまた、トレイ90上の対応するくぎ(193)の上に配置するためのスリット226及び/又は開口部228をも含むことができる。上述したもののような材料が、容器214に用いるのに適している。当業者には理解されるように、容器214は、1つ以上のサンプリング用袋214a及び後の輸液中の流体へのアクセスを可能にするためのアクセスポート214bをも含むことができる。
【0085】
代替的実施形態では、使い捨て処理セットは、容器210の吸収材料を収容し且つ生体液を保存し、それにより上述した容器210及び214の機能を組み合わせるための単一の容器を含むことができる。
【0086】
本明細書に説明する使い捨て処理セット200は、図15に示すチューブ部分に配置された屈折可能な部材230(a〜c)を更に含むことができる。さらなる屈折可能な部材230dは図34および35に示されるように、容器202の入り口ポート420にまたはその近くに提供され得る。屈折可能な部材230は適時に折られ、処理セット200の容器間に流体連通が確立される。このような屈折可能なコネクタの例は、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第4、294、297号に詳細に説明されている。使い捨て処理セット200のチューブ部分は、トレイ90内での使い捨て処理セットの適切な配置を示し(以下により詳細に説明するように)且つ/又はチューブを分断し封止すべき場所の示標として機能する、チューブ上に配置されたインジケータ234a及び234bを更に含むことができる。一実施形態では、インジケータ234は、チューブ部分の周りに配置されたプラスチック製の輪とすることができる。もちろん、他のチューブ指示手段を用いてもよい。
【0087】
流体処理セットの別の実施形態を図16に示す。図16では、使い捨て処理セット240は、光化学物質を担持する容器242、光処理中に生体液を保持する容器244、光活性化工程の余剰光化学物質及び/又は副産物を除去するための吸収材料を含む容器246、並びに生体液の保存に適した容器248をも含む。容器248は、バーコード又は他の示標を有するラベルを受け入れるように適合されており、且つ、例えば実質的に上述したような追加バーコードを含む付加的示標251を含むことができる。
【0088】
先に説明した実施形態の容器210とは対照的に、容器246は、貫流装置であり、吸収材料212を含むが、有意な時間生体液を保持するためのチャンバを全く含まない。このような貫流装置は、引用により本明細書に組み込まれる国際公開番号WO 96/40857に記載されている。使い捨て処理セット240は、空気だめ256及び空気吸込み258を更に含むことができる。空気だめ256は、空気を供給して容器244から生体液を放出するのに役立ち、空気吸込み258は、処理後保存容器248から放出された余剰空気を受け取る。空気だめ256及び空気吸込み258は、上述した材料を含む任意の適した生体適合性を有する材料で製造することができる。同様に、使い捨て処理セット240の容器も、全体として上述した材料で製造することができる。容器256は、空気に対して実質的に不透過性であるのが好ましい。
【0089】
図15の実施形態におけるように、図16に示す使い捨て処理セット240の容器は、チューブ部分243、245及び247によって一体的に相互接続することができる。チューブ部分は、容器間の流体連通を開始するための屈折可能な部材249(a〜c)を更に含むことができる。
【0090】
使い捨て処理セット200(又は240)は通常、使用者が梱包を解いて使用するのが容易な形で、封止したパッケージに入れて使用者に提供される。例えば、パッケージを開けた際に、流体処理において最初に使用することになる容器がパッケージの最上部近傍に置かれているのが好ましい。例えば、図15に示す処理セット200の場合、容器202がパッケージの最上部近傍に置かれ、次に容器206、その次に容器210及び214を含む使い捨て処理セットの残部が置かれることになろう。更に、使い捨て処理セットが容器202(又は図16の実施形態では242)を含む場合、少なくとも当該容器は、別個の追加の光不透過性上包を含み、内容物(即ち光化学物質)が光に曝露されて光化学物質の早発活性化を招く可能性を防止すべきである。上包は、オゾンに対しても防御機能を提供することができる。一実施形態では、上包は、例えば図34に更に詳細に示すように、容器202の外壁と一体化することができる。
【0091】
図34に示すように、容器202は、プラスチック材料で作られた4枚のシートを接合することによって製造することができる。内側のシート416及び418は、限定するものではないがPL−2411などの上述した材料で製造することができる。外側のシート412及び414は、上述した光不透過性上包となる材料で製造される。光不透過性上包のシート412及び414用に好ましい材料は、例えば、ポリプロピレンである。より具体的には、シート412及び414用に好ましい材料は、該材料に遮光特性を付与する染料で着色又は印刷が施されたポリプロピレンである。従って、一実施形態では、シート412及び414は、選択された着色用染料と組み合わされたポリプロピレンで製造することができる。別の実施形態では、シート412及び414は、選択された染料で印刷が施されたポリプロピレンの透明なシートで製造することができる。
【0092】
1つの特定の非限定的実施形態では、シート412及び414は、例えば、シートのうちの1つに印刷された染料を有するポリプロピレンの2枚のシートを一体にしたシート又は積層シートであることができる。例えば、積層シートのうちの1枚のシートは配向ポリプロピレンとし、一方で積層シートのうちの他の(例えば内側の)シートはキャストポリプロピレンとすることができる。ポリアゾ型の色素又は任意の他の適した色素を、積層シートのうちの1枚のシート(配向ポリプロピレンシートなどの)上に印刷することができる。上述の種類の積層シートは、日本国東京都所在のHosokawa Yoko Co.から入手可能である。
【0093】
シート412又は414の全厚(積層の有無にかかわらず)は、十分な遮光性及びオゾンに対する防御性を付与するのに必要な任意の厚さとすることができる。一実施形態では、厚さは、約35ミクロン〜約65ミクロンの間とすることができ、約50ミクロンとするのがより好ましい。
【0094】
容器202は、封止ライン419で外側(412、414)及び内側(416、418)の4枚のシートを一体的に共に封止することによって構築することができる。開口部は、注液チューブ及び排液チューブ420並びに422の挿入用に設けられている。チューブ420及び422の挿入後、開いた領域が封止され(例えばRFヒートシールにより)、完全に封止された4層容器が提供される。排液チューブ422には屈折可能なコネクタ部材230aが先に備えられていることがわかるであろう。作用物質の導入後、追加の屈折可能なコネクタ部材230dを、注液チューブ420に結合又は他の方法で取り付けるのが好ましい。
【0095】
図33に示すように、光から更に防御するために、容器202の上に第2の光不透過性上包を備えることができる。第2の光不透過性上包は、図34の容器の上に、また容器202から延びる注液チューブ420及び排液チューブ422それぞれの少なくとも一部分の上に、スリーブ426として設けることができる。これにより、チューブ内に滞留する全ての光化学物質が同様に、光に対する曝露によって早発活性化されないことが保証される。
【0096】
スリーブ426は、少なくとも2つの側にあらかじめ封止することができる。一体的に封止された上包を有する容器202は、スリーブ426の開放端を通じて挿入される。次いで、屈折可能部材を排液口に、処理剤の導入後、注液口に接続することができる。スリーブ426の残りの開放端は、スリーブ426内に容器202を保持するために少なくとも部分的に封止することができる。
【0097】
スリーブ426に用いられる材料は、シート412及び414に関連して上述したものと同じ材料であることができる。また、上述の二重上包配列の使用は好ましいが必要条件ではないことを理解されたい。換言すれば、容器202は、一体的に封止されたシート412及び414を含んでもよく、スリーブ426のようなスリーブ内に単に挿入してもよい。
【0098】
好ましい実施形態では、容器210及び214は、ホルダ又は整理収納装置内に収納するか若しくはホルダ又は整理収納装置によって共に保持することができる。一実施形態では、ホルダは、容器210及び214を共に保持するクランプなどの任意の装置とすることができる。ホルダは、使い捨て処理セットと一体であってもよく、別個に設けてもよい。
【0099】
図17〜図18に示すホルダ260は、レセプタクル又は他の貝殻様の保持装置であるのがより好ましい。一実施形態では、ホルダ260は、容器210及び214を容器206から分離する底壁262を含むことができる。好ましい実施形態では、ホルダ260は、図17〜図18に示すように、側壁262及び264、後壁268を有することができ、且つ実質的に開いた前方部を含む。更に、底壁262は、使い捨て処理セット200の各容器を接続するチューブを収容するスロット263を含むことができる。ホルダ260はまた、使い捨て処理セットの開梱に先立って容器202のチューブ部分を保持するための付加的な側部開口部265(例えば図17に示す)をも含むことができる。ホルダ260は、限定するものではないが、プラスチック又はボール紙などの任意の適した材料で製造することができる。ホルダ260は、滅菌可能で且つ耐衝撃性を有することのできる鋳造可能なプラスチック材料で製造されるのが好ましい。
【0100】
ホルダ260の代替的実施形態を図18A〜図18Dに示す。図18A〜図18Cに示すように、ホルダは、2つのフレーム部分又は部分フレーム部分600及び602を含むことができる。図18B及び図18Cに示すように、フレーム部分600並びに602は、結合することができ、ヒンジ604を含んでいる。代替的に、フレーム部材600及び602は、図18Dに示すように、完全に分離可能としてもよい。フレーム部分600及び602は、図に示すような結合スロット605及びピン又はラグ606などのフレーム部分を共に固定する手段を含む。図18A〜図18Dに示すホルダ260は、中央開口部608を含み、ホルダ260内に配置された容器のラベルを外部環境に曝すことができ、以下に説明するように、例えば、バーコードリーダによるスキャン及び/又はマーカ76によるマーキングを可能にする。
【0101】
一実施形態では、容器210に貼付されるラベル及び容器自体上の他の示標が図17に示すようにホルダ260の開いた部分を通じて外部環境に曝されるように、容器210は、ホルダ260の前方部に配置される。例示を目的として、図17〜図18では、ラベルを容器214に貼付した状態で示す。一実施形態では、容器214は、使用時にラベルを含んでいない可能性があり、生体液の容器から容器214へラベルを移すことができる。代替的に、容器214がラベルを含むことができ、付加的なラベルを生体液の容器から移すこともできる。いずれにせよ、容器214は、容器214の背後に配置された容器210(これも折りたたまれる)とあわせて半分(又は三重)に折りたたむことができる。更に、折りたたんだ容器214は、容器を折りたたんだ状態に維持して容器の取扱性を向上させるために、その端部を軽くスポット溶接することができる。溶接は、容器214を折りたたんだ位置に維持するのに十分な強度を有するが溶接した端部を分離するのに使用者が過度の力を加える必要があるほど強くてはならない。容器210のスポット溶接された端部は、使用者が無理な力を加えずに引くと離れなければならない。
【0102】
図24〜図32に、図15、図16及び図35に示し数字200並びに240で参照されるもののような使い捨て処理セットの容器及びチューブを整理して収納するための追加の好ましい代替的形態を示す。例えば図17〜図18に示す種類のホルダの代わりに、好ましい実施形態では、整理収納装置は、その上に容器が配置されるか又は折りかぶせられる内部支持体とすることができる。本支持体は、容器を本支持体に当てて緩やかに保持する上に重なるバンドと共に用いることができる。整理収納装置は、光ボックスの引出し50の開閉又はカバー380の閉鎖を妨げない方法で、照射が施されない容器(例えば容器210及び214)を、トレイ90の区画190内に共に保つ。整理収納装置はまた、使い捨て処理セットを一まとめにし、それを、エンドユーザによる取り扱いが容易な方法で提示する。
【0103】
図24に、整理収納装置の一実施形態を示す。図24に示す整理収納装置500は、図15、図35に示す使い捨て処理セット200又は類似のセットと共に用いるのに特に好ましい。一実施形態では、整理収納装置500は、堅牢であるが可撓性の材料で作られたシート502であることができる。シート502として用いるのに適した材料の例には、ポリエステル及び特定のポリオレフィン類のような熱可塑性プラスチックが含まれる。1つの好ましい材料は、グリコール変性ポリエステルテレフタレート即ちPETGである。シート502は押し出し成形してダイカットすることができ、或いはまた、射出成形することができるのがより好ましい。
【0104】
図24に示すように、シート502は、全体として長方形とすることができ、くぎ504及びスロット506(以下により詳細に説明するように、くぎ504を受け入れるための)を含むことができる。くぎ504及びスロット506は、シート502の外側周縁部近傍に配置され、シート502を折りたたんだときにくぎ504がスロット506内に整合するように配置されるのが好ましい。一段高くなったノブ又はボタン508は、くぎ504と506の間に配置される。ボタン508は、中心線512から同等の距離だけ間隔を置いて配置され、また、シート502を折りたたんだときに中心線512の一方の側のボタン508が中心線512の他方の側の対応するボタンと整合するように配置される。
【0105】
図24(及び図38)に示すように、整理収納装置500は、線512に沿ってシート502を折りたたむことにより、使い捨て処理セット200の各容器に対する支持体となる。図30にも示すように、一実施形態では、くぎ504は、スロット506に圧入される。ボタン508は、互いに当接し、折りたたんだ整理収納装置500に概ねU字形の輪郭をもたらす。その上に容器210、214、及び206が折りかぶせられる丸みを帯びた表面(U字形によってもたらされる)を有することにより、容器に折り目が形成される可能性が減少する。図24に示すように、支持体500の中心線512近傍の切欠517は、支持体500がより容易にたわむことができるように設けられている。
【0106】
ひとたび整理収納装置500がU字形に構成されると、図25及び図38に示すように、容器210及び214が、整理収納装置500の周りに巻きつけられる。容器210及び214は、バンド520(図25に示すような)によって、又はクリップなどの他の手段によって、整理収納装置500に当てて保持することができる。バンド520は、Tyvek(登録商標)又は任意の他の軽量の材料で製造することができる。
【0107】
図38に示すように、照射用容器206も、最初の梱包及び出荷の目的で、一まとめにされた容器の上に折りかぶせることができる。(最初は処理セットが容器202も含むことができることがわかるであろう。)処理セットを使用する準備が整うと、容器206をほどき、生体液を該容器内に導入することができる。(次いで、容器202は通常、セットから取り外されることになる。)前述したように、容器206(中に生体液を有する)は次いで、引出しのトレイ90の区画188内に配置することができる。整理収納装置500と共に残っている容器210及び214は、図26に全体的に示すように、光処理引出しの区画190内に配置される。
【0108】
上述し且つ図38に示すように、屈曲部における整理収納装置500の丸みを帯びた表面により、容器に折り目がつくのが回避される。特に容器206及び210に折り目がつくと、血液成分が捕捉されてしまうかもしれない領域が生成される可能性がある。容器の折り目のついた領域内に捕捉された血液成分は、光活性化処理又は容器210の吸収装置に適切に曝されないかもしれない。
【0109】
図26に示すように、今や整理収納装置500、使い捨て処理セット200の一部及びバンド520を含むパッケージが、区画190の内側に配置される。容器210又は214のうちの1つの穴又はスリットは、光ボックスの引出し50内のくぎ193の上に配置される。区画90内におけるわずかに不透明な容器の存在は、前述したように、区画190の上方に配置されたLEDと整合されたセンサによって検出される。
【0110】
整理収納装置の別の代替的実施形態を、図27〜図29、図31〜図32に示す。図27〜図32に示す整理収納装置700は、容器244用の支持体及び図16に示すものに類似した使い捨て処理セットの容器248並びに容器246を保持するためのエンベロープの両方となるが、例えば、任意選択的な空気だめ又は空気吸込みを有しない。整理収納装置700は、最初はフラットシート702として提供され、その上に使い捨て処理セット240の部品が取り付けられる。シート702が折り重ねられ、且つ折り重ねられた部分が共に固定されて一まとめにされた容器及びチューブが提供されるのが好ましい。図27に示すように、整理収納装置700は、シート702内にスリットを含み、該スリットが、セット240の様々な部品用のポケットとなる。例えば、図31に示すように、スリット704及び706は、容器212のハウジング(インライン化合物吸収装置)を保持するためのポケットとなる。スロット706は、容器248の縁部を固定するための領域となる。切欠708は、セット240のチューブの一部分を受け入れるための受け具となる。インライン吸収装置、即ち容器246の口及び他の接続部位のような部品の突出した部分を収容するために、付加的な切欠709及び711を設けてもよい。整理収納装置700の大きい中央の切欠710は、それを通してその中に容器248を挿入することができる開口部となる。開口部717は、処理セットのチューブ部分用に設けられている。図31〜図32に、使い捨て処理セット2の種々の部品が取り付けられた、折りたたむ前の整理収納装置の前面部及び背面部を示す。もちろん、スリット、開口部及び切欠、従って、使い捨て処理セット2の部品は、当業者にはわかる他の方法で配列することができる。
【0111】
部品が整理収納装置700に取り付けられた後、シート702が折りたたまれる。シート702は、間隔を置いて配置されたミシン目713を含むことができ、シート702がより容易にたわみ、たわんたシートに上述した所望のU字形輪郭を付与することを可能にし、それにより容器に折り目がつくのを回避する。いったん折りたたまれると、タブ714がスロット716に挿入される。最初の梱包及び出荷のために折りたたんだ整理収納装置702の上にかぶせた照射用容器(例えば244)のスリットを受け入れるために、タブ719がシート702の外側に設けられている。
【0112】
セットを光活性化処理に使用する準備が整えば、上述したように、容器244は整理収納装置702から除去され、生体液が容器244内に導入される(例えば、容器202を通して)。次いで、生体液を中に有する容器が、引出しのトレイ90の区画188の内側に配置される。次いで、内部に処理セットの部品を有するパッケージが、光引出し50の区画90の内側に配置される。整理収納装置700は、付加的な大きいタブ724を含む。タブ724を折りたたむことを可能にするために、タブ724は、線726に沿ってすじ付けされるか又はミシン目が入れられている。図29に示すように、パッケージが区画90内にあるときは、タブ724は、後ろ側に折りたたまれており、穴728及び730は、光引出し50内のくぎ193の上に配置されている。タブ724は、光ボックス10のバッグ指示センサからの光が通常通過することになるであろうカバー380の開口部384の上に位置する。
【0113】
整理収納装置700、より具体的にはシート702は、堅牢であるが可撓性の材料で製造されるのが好ましい。整理収納装置700に好ましい材料はポリエチレンであるが、前述した方法でダイカットして取り扱うことができ且つ使い捨て処理セットを滅菌するために用いられる滅菌形態(例えば、eビーム又はガンマ線放射)によって滅菌可能な任意の材料を用いてもよい。光ボックス内のバッグ指示センサからの光を減弱させ、そのようにして容器の存在を確認するために、整理収納装置700が実質的に不透明(即ち、光を通さない)であるのも好ましい。
【0114】
(c.流体を処理及び処理する方法)
ここで、使い捨て処理セット200(又は240)を用いて流体を処理し、且つ例えば光ボックス10内で光によって生体液を処理する方法を説明することにする。以下の説明は、後続の生体液中の病原体の不活性化に対して生体液を処理する状況においてなされるが、以下に説明するステップの多くは病原体不活性化を含まない他の流体処理法及び流体処理法においても実行することができることを理解されたい。以下の説明を、図15の使い捨て処理セットを一例として挙げて行うが、本説明は図16及び図35のセットのような他の処理セットにも応用することができることが理解されるであろう。
【0115】
処理セット200を用いて血液のような生体液を処理する本方法によれば、収集された血液又は生体液の容器が提供される。収集の方法については本出願の範囲を越えるところであるが、血液製剤を収集する代表的な方法には、自動及び手動の遠心処理、血液製剤の分離並びに収集、血液製剤の膜分離等が含まれる。遠心血液処理システムの一例は、Baxter Healthcare Corporationによって販売されているAMICUS(登録商標)Separatorである。
【0116】
収集方法に関係なく、収集した血液製剤の容器は一般に、ドナー、血液製剤番号及びロット番号を識別する情報を含むラベルを担持することになる。最も一般的には、このような情報は、光ボックス10のバーコードリーダ41のようなバーコードリーダによるスキャン及び読み取りが可能な、ラベル上に付した1つ又はそれ以上のバーコードの形式で表される。このようなラベルは、除去可能で且つ使い捨て処理セット200の容器214へ移すことが可能である。
【0117】
一般に、収集容器は、それから延びるチューブ部分を含むことになる。従って、全体として図17に示すように、収集容器201からのチューブ及び使い捨て処理セット200からのチューブ部分203は、滅菌状態で接合並びに結合が行われる。チューブ部分の滅菌結合装置用に有益な装置は、日本国所在のテルモ株式会社から入手可能であり、テルモSCDの名称で販売されている。この装置は、滅菌状態で2つの対向するチューブ部分を熱融着させる。熱融着による熱により、チューブ部分内に侵入若しくは存在する可能性のある外部環境からのあらゆる細菌が殺され、それにより処理セット全体の無菌状態が保たれる。もちろん、無菌状態を維持しながら2つのチューブ部分を結合するどのような方法及び装置も用いることができる。
【0118】
いったんチューブ部分が結合されると、屈折可能な部材230aが折られ、収集容器201から容器206への流路が開通される(図15)。或いは、図33及び図35を参照し、容器202が注液口410及び412の両方に屈折可能部材を含むのが好ましい場合、両方の屈折可能な部材を折って収集容器201から容器206への流れを可能にしなければならないことになる。容器202からの光化学物質も、容器206に流入することが可能となる。容器206への流体移送後、チューブ部分は分断して封止することができ、使い捨て処理セットの容器202及び収集容器201を含んでいた部分は廃棄される。インジケータ234aは、チューブを分断すべき箇所に関する基準点となる。生体液が混合及び処理される可能性が最も高い容器206内に生体液の大部分が保持されるように、インジケータは、可能な限り容器206に近接して配置されるのが好ましい。
【0119】
トレイ90内への使い捨て処理セットの配置の前又は後に、オペレータは、バーコードリーダ41でラベル及び他の容器示標をスキャンすることができる。主要な容器ラベル216上のバーコード222又は容器自体が、処理対象の生体液に関する情報を機器に提供する。データに基づいて、光処理機器又はオペレータが投光量を定め、次いで処理の持続時間を計算する。
【0120】
使い捨て処理セット200の容器206は一般に、トレイ90の第1の区画内に配置される。容器206のスリット207は、第1の区画188内の固定タブ186の上に配置され、容器が取り付けられた整理収納装置500(又は700)は、引出しのトレイ90の第2の区画190内に配置される。容器216のスリット及び/又は開口部は、第2の区画190内の固定タブ又はくぎ193の上に同様に配置される。容器206を容器210(及び/又は214)と接続するチューブは、壁192のスロット内に圧入することができる。チューブは、上述した攪拌器組立体によって提供される横方向振動の方向と平行に配置されるのが好ましい。これにより、チューブ部分208内の流体も全て混合されるのが更に保証される。インジケータ234bは、チューブの分断の基準点としての機能を果たすのみならず、実質的に容器及びその中の生体液全体が光の場内にあることを保証することにより、容器配置の基準点としての機能をも果たす。インジケータは、スロットの幅よりも大きい直径を有する。
【0121】
いったん各容器がトレイ90のそれらのそれぞれの区画内に配置されると、流体担持引出し50が閉められる。上に記載したように、扉36が閉められるときにプランジャスイッチ36a(図4)が押される。扉36が開いている場合、プランジャスイッチ36aは、電源遮断装置として機能する。扉が開いている場合、本システムは、処理が進行するのを許可しないことになる。
【0122】
光ボックス10は、光ボックス10の動作を制御するための、プログラム可能なコンピュータソフトウェアを基盤とする制御システムを含んでいる。本制御システムを、図19〜図23に全体として図式的に示す。図19〜図23に示すように、本システムは、光ボックスの動作における起動段階、容器搭載段階、容器処理段階及び容器取り出し段階などの光ボックス10の種々の局面並びに処理動作を試験、監視及び制御する。本制御システムは、画面37上に表示される英数字又はグラフによるユーザインターフェースを通じて、オペレータが措置をとることを許可するか若しくはオペレータに処理状況を通知する。制御パネルを通じてオペレータにより、又は制御システム自体によって自動的に、様々な機能を開始することができる。
【0123】
例えば図19に示すように、オペレータが機器の電源を入れた(ステップ300)後、制御システムは、ソフトウェアをロードするステップ301、ソフトウェアを初期化するステップ302、及びグラフィカルユーザインターフェース画面及びメニューを表示するステップ304を含む一連のステップを開始することになる。次いで、オペレータは、処理機能306又は一般的なユーザ機能308を含む一連の利用可能な機能から選択を行うことができる。或いは、オペレータは、システムを終了する選択をすることもできる312。診断機能チェック310を、一般に保守技術者によって選択し実行することもできる。
【0124】
処理機能306が選択された場合、制御システムは、プログラムされたソフトウェアを通じて、処理が適切であるかどうか、より詳細には、図20Aに示すように光ボックス10が処理に対して準備が整っているかどうかを自動的に判断することになる。従って、例えば、システムが光源の故障、又はセンサのうちの1つ若しくは他の機器の故障を検出した場合、処理が許可されないことになり、状況が是正されるまで進行しないことになろう。しかしながら、処理が許可されれば、システムは、オペレータに、オペレータ独自の識別子を入力するように促し314、次いで、容器(即ち生体液)情報の入力を要求する316ことになる。容器情報は、手動で、又は例えば図15に示す容器214上のバーコード222をスキャンすることにより入力することができる。処理が適切である場合、システムは、全体を図20Bに示す次の機能又は段階に進む。
【0125】
図20Bに示すように、制御システムは、オペレータが選択するための追加選択項目を表示する。例えば、ステップ320に示すように、オペレータは、容器の処理、第2の容器の処理要求又は動作全体の取り消しに進むことができる。「バッグ2」の項目が選択された場合、オペレータは再度、容器情報を入力するように要求され322、システムは、全体を上に述べたステップを反復することになる。単一の容器に対して処理が実行されることになる場合、オペレータは、全体を図20Bに示し且つ以下により詳細に説明する処理機能324を選択する。
【0126】
トレイ90内に容器が配置された後、処理を開始するために、システムは、図21のステップ328に示すように、光源100、攪拌器モータ92及び送風機を起動する。機器は、オペレータによる確認のために、処理対象の流体及び処理工程に関する情報を全体的に表示することができる。例えば、一実施形態では、機器は、330に示すように、容器に印加されることになるエネルギーの所定の目標投与量、選択された処理時間及び処理中に生体液に投与されつつある投与率の現行値を表示することができる。処理は、オペレータによって終了されるか、又は警戒状態に応答して機器によって自動的に終了されない限り続行することになる。
【0127】
一実施形態では、容器には、処理の開始時点及び処理が完了した後に、マーカ76によって印を付けることができる。マーカ76によって記された印は、バーコードを消去するか又は他の方法でマスキングし、バーコードを判読不可能にする。従って、2つのマスキングされたバーコード224を有する容器は、処理が無事に完了したことを示す。一方、バーコード224のうちの1つのみがマスキングされている場合、これは、処理が無事に完了しなかったこと及び容器を廃棄しなければならない可能性があることを示す役割を果たす。マーカ76によるバーコード224のマスキングは、処理済み容器が再度処理されることにならないことをも保証する。
【0128】
処理中、システムは、エネルギー計算332を行う。これは、光度センサの読み取り値にあらかじめ選択された較正係数を乗じ、同一のチャンバ及び平面内のセンサ全体の読み取り値を平均し、同一のチャンバ内の各平面に関して受け取った読み取り値を加算することによって計算される。制御システムは更に、処理状況を確認する334。処理が完了した場合、システムは、336に示すように、自動的にランプ100の電源を切ることになる。
【0129】
システムは自動的に、ステップ337に示すように、ランプ寿命に関する情報を更新し、容器記録を更新する338ことができる。制御システムは、終了されるまで、攪拌器モータ92に動力を供給し続けることができる。結果は、中央計算機502(図14)に送信することができる。処理後、システムは、容器342を降ろすようにオペレータに促すことになり、図20Bの325に示すように、所望であれば別の処理を実行するようにユーザに促すことができる。本工程は、上に全体的に述べたように反復することができる。
【0130】
処理時間及びエネルギー投与量は、処理対象の生体液に応じて変わることになる。例えば、処理時間は、少なくとも1分であるかもしれないが、1分より短い可能性もある。光ボックス10を生体液の病原体不活性化に対して用いる場合、処理は一般的に、1分〜30分の間のいずれかにある時間とすることができる。例えば、血小板の病原体不活性化に対しては、処理時間は一般的に1分〜10分の間にあるが、より一般的には、約3分〜約4分である。血漿の病原体不活性化に対しても、処理時間は約3分〜約4分とすることができるのが好ましい。
【0131】
単位面積当たりのエネルギー、又はエネルギー束は、単位面積当たりの、或いは放射フラックスの場合には標的における、電力と曝露時間との積である。従って、標的(例えば、一実施形態では生体液)に送達される単位面積当たりのエネルギーの量は、曝露時間及び放射照度――標的に入射する単位面積当たりの放射力と共に変化することになる。一実施形態では、送達される総放射エネルギー束は、約300nm〜約700nmの間の波長帯にわたって測定して約1J/cm2〜約100J/cm2の間にあることができる。しかしながら、光化学物質を活性化するあらゆる有効な波長を使用することができる。通常、光ボックス10は、300nm〜700nmの領域外の光周波数を含む、処理チャンバ40内の標的を照射処理するための種々の照射周波数に対して装備改良が可能である。光源が全体として紫外領域の光を提供する別の実施形態では、生体液に送達される総放射エネルギー束は、約320nm〜約400nmの間の波長帯にわたって測定して1ジュール/cm〜20ジュール/cmの間にあるのが好ましいであろう。1つの特定の実施形態では、血小板又は血漿に送達される総放射エネルギー束は、約320nm〜約400nmの間の波長帯にわたって測定して約1J/cm2〜約5J/cm2の間にあることができ、より一般的には、約3J/cm〜約4J/cmであることができる。エネルギーは、流体処理チャンバ40内で過剰な熱が生成されるのを回避する点で、所定の範囲を逸脱してはならないのが好ましい。例えば、血小板及び血漿の光処理に対しては、チャンバ40内の温度は通常、37°Cを越えてはならない。上述した種類の外部温度センサが使用される場合、周囲温度は18°C〜30°Cの間にあるべきである。
【0132】
処理中、トレイ90は、あらかじめ設定された周波数で攪拌されるのが好ましい。もちろん、周波数は、生体液又はその成分を害するほど大きくてはならない。一般的に、トレイ90は、約400サイクル/分〜約100サイクル/分の間で攪拌することができ、血小板に対しては、約40サイクル/分〜約80サイクル/分の間であるのがより好ましい。サイクルは、引出し80の1回の完全な前後方向振動として定義される。更に、攪拌は、所望の目標光量で血小板の処理が完了した後、即ち光ボックス10内の照射が終了された後最長30分間持続するのが望ましいであろう。
【0133】
ひとたび処理が無事に完了すると、容器206からの流体は、屈折可能な部材230bを折って容器206と210との間の流路を開通することにより、容器210に移すことができる(図15)。ひとたび容器210内に移れば、生体液は、選択された時間吸収材料に接触することが可能となる。上述したように、一実施形態では、容器210は、時間の経過と共に変色する時間に敏感なラベル209をも含むことができる。この方法で、オペレータは、容器が吸収材料と適切な時間接触したかどうかを知ることになる。吸収材料は、生体液中に含まれていたかもしれない全ての残留光化学物質又は光化学過程のあらゆる副産物を除去するように選択される。吸収材料は、ポリスチレンビーズ又は活性炭若しくは他の吸収性材料を含むことができる。そのような材料は、引用により本明細書に組み込まれる国際公開第WO96/40857号に更に詳細に記載されている。
【0134】
代替的に、図16に示す使い捨て処理セット240では、生体液は、容器内に有意な時間滞留することが全くなく、単に容器246を通過するのみであることができる。除去工程及び使用される材料の詳細は、上に特定した国際公開第WO96/40857号に記載されている。
【0135】
もしあるとすれば、容器210(又は246)内における生体液の滞留時間は、約30秒間と約7日間との間のいずれかにある時間となろう。更に、容器210の吸収材料との生体液の接触中は、容器210を揺動させるか又は他の方法で攪拌し、吸収材料との最大接触を保証することが望ましいであろう。
【0136】
どの使い捨てセットを使用するにせよ、もしあるとすれば、所要の滞留時間の後に、生体液は、受容体への輸液に先立って、屈折可能な部材230Cを折ることによって、生体液を保存することのできる容器214(又は図16においては248)へ移すことができる。保存容器214(若しくは248)に貼付されたラベル216(又は249)はここで、ドナー及び流体に関する識別情報を担持する。マーカ組立体を利用する実施形態では、マスキングされたバーコード224(又は251)は、生体液の処理が成功したこと及び追加処理は全く必要ないことを示す。上に全体的に説明したように、容器は、使い捨て処理セットの残部から分断して封止することができる。
【0137】
上に全体的に説明した処理機能に加えて、制御システムは、保守記録を印刷する機能338を含むことができる保守機能336、ランプ使用時間をリセットする機能340、バッグマーカのカウントをリセットする機能342などの他の機能を実行するようにオペレータに促すことができる。オペレータは、オペレータが日付、時刻、言語を設定する344、346、348ことを可能にするシステム設定機能343を選択することもできる。最後に、制御システムは、図22に全体的に示すような、容器の記録を送信又は印刷するか若しくは容器の記録を上書きする機能350、352、354などの特定の容器管理機能をオペレータが実行することを許可することができる。
【0138】
或いは、全体を図23に示す診断機能を選択することもできる。図23に全体的に示すように、診断機能を選択することにより、機器がシステム試験356、装置試験358を実行することが可能となるか、又はシステム識別設定、温度パラメータ、攪拌器パラメータ、ランプパラメータ、放射計パラメータ、ランプ係数及び光を選択する(又は変更する)設定メニュー360がオペレータに提供される。
【0139】
特許請求の範囲に定義された本発明の範囲に従った本明細書に記載した実施形態及び方法の種々の変更形態が可能であることがわかるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】図1は、本発明を実施した、光によって生体液を処理する装置の斜視図である。
【図2】図2は、分離された装置のモジュール式構成要素を示す図1の装置の斜視図である。
【図3】図3は、正面のアクセスドアを開けた図1の装置の斜視図である。
【図4】図4は、前面パネル、天板及び側板を除去した図1の装置の斜視図である。
【図5】図5は、図1の装置の部分分解図である。
【図6】図6は、ソケットパネルを開けた光引出しの斜視図である。
【図6A】図6Aは、図6の光引出しの分解図である。
【図7】図7は、流体容器担持トレイの斜視図である。
【図8】図8は、トレイを除去した流体担持引出しの斜視図である。
【図8A】図8Aは、引出し傾斜用ノブ及び流体担持引出しの組立体の部分側面図である。
【図8B】図8Bは、引出し傾斜用ノブ及び流体担持引出しの組立体に修正を加えた部分側面図である。
【図9】図9は、下側から見た、流体容器担持トレイのない流体担持引出しの別の斜視図である。
【図10】図10は、トレイの横方向の振動を示す、流体担持トレイを除去した流体担持引出しの正面図である。
【図11】図11は、容器マーカ組立体の斜視図である。
【図11A】図11Aは、下側から見た、容器マーカ組立体の別の斜視図である。
【図12】図12は、容器マーカ組立体の個々のマーキング装置の拡大斜視図である。
【図13】図13は、本発明を実施した、積み重ねた装置の斜視図である。
【図14】図14は、本発明の装置用の制御システムの一実施形態のブロック図である。
【図14A】図14Aは、図1の装置と共に用いることができる光感知装置の斜視図である。
【図15】図15は、本発明を実施した使い捨て流体処理セットの平面図である。
【図16】図16は、本発明を実施した別の使い捨て流体処理セットの平面図である。
【図17】図17は、収集した生体液の容器と結合する位置にある、本発明を実施した使い捨て流体処理セットの平面図である。
【図18】図18は、ホルダ内に配置された少なくとも1つの容器を含む本発明を実施した使い捨て流体処理セットの一部分の斜視図である。
【図18A】図18Aは、容器が中に配置された閉鎖した状態のホルダの代替的実施形態の斜視図である。
【図18B】図18Bは、開けた状態であるが容器を有しない図18Aのホルダの斜視図である。
【図18C】図18Cは、開けた状態のホルダの別の代替的実施形態の斜視図である。
【図18D】図18Dは、フレーム部分を分離したホルダの別の代替的実施形態の斜視図である。
【図19】図19は、本発明用の制御システムの起動段階を示すフローチャートである。
【図20A】図20Aは、本発明用の制御システムの前処理段階を示すフローチャートである。
【図20B】図20Bは、図20Aのフローチャートの続きである。
【図21】図21は、本発明用の制御システムの処理段階を示すフローチャートである。
【図22】図22は、本発明用の制御システムのオペレータ主導の機器設定機能を示すフローチャートである。
【図23】図23は、本発明用の制御システムの診断機能を示すフローチャートである。
【図24】図24は、本発明を実施した使い捨て流体処理セットの整理収納装置の平面図である。
【図25】図25は、図24の整理収納装置と組み合わせた使い捨て処理セットの少なくとも一部分の平面図である。
【図26】図26は、光ボックスのスライド可能な引出し内に配置された図25の使い捨て処理セット及び整理収納装置の斜視図である。
【図27】図27は、本発明を実施した代替的使い捨て流体処理セットの整理収納装置の平面図である。
【図28】図28は、図27の整理収納装置と組み合わせた使い捨て処理セットの少なくとも一部分の平面図である。
【図29】図29は、光ボックスのスライド可能な引出し内に配置された図27の使い捨て処理セット及び整理収納装置の斜視図である。
【図30】図30は、折りたたまれた図24の整理収納装置の斜視図である。
【図31】図31は、使い捨て処理セットの各部品が取り付けられた図27の整理収納装置の平面図である。
【図32】図32は、図31に示す整理収納装置及び処理の反対側の平面図である。
【図33】図33は、保護カバーのところどころを切り取って示す光化学物質を保持するための容器の一実施形態の斜視図である。
【図34】図34は、光化学物質を保持するための容器の斜視図である。
【図35】図35は、本発明を実施した使い捨て処理セットの代替的実施形態の平面図である。
【図36】図36は、図35の捕捉装置の側断面図である。
【図37】図37は、図35の使い捨て流体処理セットに用いられる捕捉装置の平面図である。
【図38】図38は、図24の整理収納装置と組み合わせた使い捨て流体処理セットの少なくとも一部分の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一まとめにされた流体処理セットであって、
可撓性プラスチックチューブによって一体的に接続された少なくとも2つの可撓性容器を含む流体処理セットと、
該容器のうちの少なくとも1つが上に折りかぶせられる少なくとも1つの実質的に丸みを帯びた表面を有する支持体と、
を備える一まとめにされた流体処理セット。
【請求項2】
前記支持体は、可撓性の材料で作られた折りたたまれたシートを備える、請求項1に記載の一まとめにされた流体処理セット。
【請求項3】
前記シートは、少なくとも一対の互いに当接する直立したノブを備える、請求項2に記載の一まとめにされた流体処理セット。
【請求項4】
前記シートの1つの端部に少なくとも1つのくぎを更に備えており、該シートの反対側の端部の対応するスロットに挿入される、請求項2に記載の一まとめにされた流体処理セット。
【請求項5】
前記シートは、少なくとも一対の互いにロックし合うタブ及びスロットを備える、請求項2に記載の一まとめにされた流体処理セット。
【請求項6】
前記支持体は、該支持体の上に折りかぶせられた容器のスリットを受け入れるためのタブを備える、請求項1に記載の一まとめにされた流体処理セット。
【請求項7】
前記容器を前記支持体に当てて保持するためのバンドを更に備える、請求項1に記載の一まとめにされた流体処理セット。
【請求項8】
使い捨て流体処理セットであって、
少なくとも1つの容器を備える第1の部分;
少なくとも1つの容器を備える第2の部分;
ここで、該第1と第2の部分は、プラスチックチューブによって一体的に接続されている;
該第2の部分を受け入れるための整理収納装置であって、該整理収納装置は、可撓性の材料で作られた折りたたまれたシートを備え、対向するシート部分が互いに固定されている、整理収納装置
を備える、使い捨て流体処理セット。
【請求項9】
前記第2の部分の前記容器は、前記シートの上に折りかぶせられる、請求項8に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項10】
前記シートは、前記第2の部分の前記容器の縁部を保持するための切欠を備える、請求項8に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項11】
前記対向するシート部分は、互いにロックし合うタブ及びスロットによって共に固定される、請求項8に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項12】
前記シートは、実質的に不透明な材料で製造されている、請求項8に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項13】
前記第2の部分の前記容器は、実質的に前記折りたたまれたシートの中にある、請求項8に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項14】
前記シートは、前記使い捨て処理セットのチューブを受け入れるための1つそれ以上の開口部を備える、請求項8に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項15】
前記シートは、前記第2の部分の前記容器を受け入れるための切欠を含む中央部を備える、請求項8に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項16】
前記中央部がミシン目を有する、請求項15に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項17】
前記整理収納装置は、照射装置の容器保持区画への取り付け用のタブを含む、請求項8に記載の使い捨て処理セット。
【請求項18】
使い捨て流体処理セットであって、
注液口及び排液口を含み、且つ該容器内に処理剤を含む、第1の容器;
一方の端部が前記注液口と連通して開通可能な流路を形成するチューブ;
第2の容器;
一方の端部が前記第1の容器の排液口と連通し且つ他方の端部が前記第2の容器と連通して該第1と第2の容器の間に開通可能な流路を形成するチューブ、
を備える、使い捨て流体処理セット。
【請求項19】
前記容器は、前記処理剤を保持するのに適した材料で製造されている、請求項18に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項20】
前記第1の容器は、該容器の上に光不透過性の上包を備える、請求項18に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項21】
前記容器は、前記材料で作られた2枚の共に封止されたシートで製造されている、請求項20に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項22】
前記上包は、前記共に封止されたシートに封止されている、請求項21に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項23】
前記上包は、光不透過性の材料で作られた2枚のシートを備え、該光不透過性の材料で作られた1枚のシートは、前記共に封止されたシートのうちの1枚に封止され、且つ該光不透過性シートのうちの前記他方は、前記共に封止されたシートのうちの前記他方に封止されている、請求項22に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項24】
前記材料は、エチレン、プロピレン、ポリアミド及びポリスチレンの末端ブロックを有するエチレンとブチレンのブロック共重合体のブレンドを含む、請求項19に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項25】
前記光不透過性上包は、少なくとも着色されたポリプロピレンで製造されている、請求項20に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項26】
少なくとも前記容器の上に第2の光不透過性上包を更に備える、請求項20に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項27】
前記第2の光不透過性上包は、前記第1の容器を封入するスリーブを備える、請求項26に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項28】
前記スリーブは、前記注液口及び排液口の少なくとも一部分を覆う、請求項27に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項29】
前記第1の容器と連通する前記チューブ内に1つの障壁を備え、且つ前記第1と第2の容器の間に前記流路を形成する前記チューブ内に1つの障壁を備える、請求項18に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項30】
前記障壁は、屈折可能な部材を備える、請求項29に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項31】
第3の容器;
前記第3の容器内の吸収材料;
前記第2と第3の容器の間に開通可能な流路を形成するチューブ;
前記チューブ内の障壁
を備える、請求項29に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項32】
前記障壁は、屈折可能な部材を備える、請求項31に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項33】
第4の容器;
前記第3と第4の容器の間に開通可能な流路を形成するチューブ
を備える、請求項31に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項34】
前記第3と第4の容器の間に前記開通可能な流路を形成する前記チューブは、粒子捕捉装置と流れ連通する、請求33に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項35】
前記粒子捕捉装置は、フィルタを備える、請求項34に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項36】
前記フィルタは、メッシュ材料を備える、請求項35に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項37】
前記捕捉装置は、前記第3と第4の容器の間に前記開通可能な流路を形成する前記チューブと流れ連通する袋を備える、請求項34に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項38】
前記袋は、該袋の一方の側に入り口を、該袋の反対側に出口を含む、請求項37に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項39】
前記捕捉装置は、前記袋の壁の間に封止されたメッシュ材料で作られたシートを備える、請求項38に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項40】
前記壁のうちの少なくとも1つの内側表面は、1つ又はそれ以上の内方に延びるリブを備える、請求項39に記載の使い捨て流体処理セット。
【請求項41】
生体液を処理するための使い捨て流体処理セットであって、
処理中に生体液を収容しておくための容器を備える第1の部分と、
処理後に前記生体液を受け入れるための容器を備える第2の部分と、
前記容器を接続して該容器間に開通可能な流路を形成するチューブと、
処理ステップ中前記第2の部分を前記第1の部分から分離して一時的に保持するためのホルダと、
を備える使い捨て流体処理セット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公表番号】特表2006−502764(P2006−502764A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−543002(P2004−543002)
【出願日】平成15年9月24日(2003.9.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/030074
【国際公開番号】WO2004/032782
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(591013229)バクスター・インターナショナル・インコーポレイテッド (448)
【氏名又は名称原語表記】BAXTER INTERNATIONAL INCORP0RATED
【出願人】(500031766)シーラス コーポレイション (4)
【Fターム(参考)】