説明

流体処理装置

【課題】フィルタなどで流路を狭めることなく、水や石油などの流体と触媒を効率よく接触させて処理を行うことが可能な流体処理装置を提供する。
【解決手段】表面に酸化チタンを担持させたブラックライトを円筒形の処理容器の中心に載置し、処理容器の壁面内側とブラックライトとの間に、処理の対象となる流体が流れる流路を形成する。また、処理容器の下方に、流体が流れ込む流入口を形成すると共に、処理容器の上方に、流体が流れ出す流出口を形成し、流入口から流体を一定の流速以上で流れ込ますことにより、ブラックライトの表面に渦を形成して流体の処理を行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体処理装置に関し、特に、水などの流体を触媒を用いて効率よく処理することが可能な流体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
水中に含まれる汚染物質の分解・除去や温泉の殺菌など、水を処理する方法の一つとして、光触媒を用いた方法が広く知られており、例えば、酸化チタンなどの光触媒に紫外線ランプやブラックライトなどの光源から光を照射して、光触媒としての触媒活性を利用した水処理装置などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、水中での光触媒の反応効率は低いとする研究もある。これは、光触媒反応は表面反応であり、水に溶け込んだ物質の拡散係数は10-5cm2/s程度と低いことなどに起因するものと考えられ、例えば、粒状の酸化チタン(光触媒)を水処理が施される水(被処理水)の流路に充填する方法(例えば、特許文献2参照)や、表面に光触媒を担持したフィルタを流路に設置する方法など、処理の対象となる目標物質(被処理水中の汚染物質など)と光触媒とが接する面積を増加させ、接触効率を向上させることにより、効率的に水処理を行う方法が提案されている。
【特許文献1】特開2004-113932号公報
【特許文献2】特開2004-154742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、粒状や繊維状など、任意の形状の光触媒を被処理水の流路に充填する方法や、光触媒を担持したフィルタを流路に設置する方法では、流路が狭められるため、被処理水の流速を上げることが困難である。このため、さらに水処理の効率を上げるためには、流路の口径を拡大するなど、光触媒を用いて水処理を行う光触媒モジュールを大型化しなければならず、小型の水処理装置に適用することは困難であった。
【0005】
また、触媒を用いた処理は、水処理に限られるものではなく、例えば、石油の精製や改質など、石油化学などの分野においても利用されている。そして、石油など、処理を施す流体と触媒との接触効率の向上が水処理と同様に求められるが、石油の粘性は水よりも高く、流路が狭められた場合、石油の流速を上げることは、水以上に困難であった。
【0006】
そこで本発明では、フィルタなどで流路を狭めることなく、水や石油などの流体と触媒を効率よく接触させて処理を行うことが可能な流体処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における流体処理装置は、表面に触媒を備えた流路形成体と、前記流路形成体を内部に載置した処理容器と、前記処理容器の壁面内側と前記流路形成体との間に形成された流路と、前記処理容器の外部から前記流路に流体を流入させる流入口と、前記流路から前記処理容器の外部に流体を流出させる流出路とを具備し、前記流出口は、前記流入口の上方に設けられ、前記流入口から流入した流体は、前記流路形成体の周囲を螺旋状に流れて前記流出口から流出することを特徴とする。
【0008】
また、壁面内側に触媒を担持した処理容器と、前記処理容器の内部に載置された流路形成体と、前記処理容器の壁面内側と前記流路形成体との間に形成された流路と、前記処理容器の外部から前記流路に流体を流入させる流入口と、前記流路から前記処理容器の外部に流体を流出させる流出路とを具備し、前記流出口は、前記流入口の上方に設けられ、前記流入口から流入した流体は、前記流路形成体の周囲を螺旋状に流れて前記流出口から流出することを特徴とする。
【0009】
また、前記流路形成体は、柱状であり、前記処理容器は、円筒形であり、前記流路形成体と前記処理容器は、同心円上に配置されていることを特徴とする。
【0010】
また、前記触媒の触媒活性を高める補助装置が前記流路形成体の内側に設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、前記触媒の触媒活性を高める補助装置が前記処理容器の壁面外側に設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、前記触媒は、光触媒であり、前記補助装置は、前記光触媒に光触媒活性を発揮させることが可能な波長の光を備えた光源であることを特徴とする。
【0013】
また、前記光触媒は、酸化チタンであり、前記光源は、ブラックライトであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、触媒を用いた流体の処理を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す本発明を実施するための形態は、本発明の具体的態様の一例であり、当該形態に限定されるものではない。
【0016】
図1は、本発明に係る流体処理装置の一例を示す概略構成図である。同図に示すように、本発明に係る流体処理装置は、表面に酸化チタン11を担持させたブラックライト10と、耐熱ガラスからなる円筒形の処理容器(内径42mm、外径48mm、長さ460mm)20を備え、ブラックライト10を処理容器20と同心円を成すように当該処理容器20の内側に配置することによって、ブラックライト10と処理容器20との間に、幅約5mmの流路30を形成している。
【0017】
また、処理容器20の下方には、流体が流路30に流入する流入口21が設けられ、処理容器20の上方には、流体が流路30から流出する流出口22が設けられている。ここで、流入口21は、流路30に流入した流体がブラックライト10表面の曲面に沿うように接線的に設置されており、流入口21に流入させる流体の速度を制御するポンプなどの流速制御装置(図示しない)が設けられている。
【0018】
なお、流速制御装置としては、流入口から流入する流体の速度を所望の速度に加速することが可能であれば、例えば、ポンプなどの任意の装置を利用することが可能であり、流入口21から流入する流体の速度が既に所望の速度を有する場合は、流速制御装置を用いることなく、流体を流入口21から流入させてもよい。
【0019】
ここで、ブラックライト10表面に酸化チタンを固定する方法の一例について説明する。
【0020】
まず、H22(33vol%)5mL、水8mL、NH3OH溶液(28vol%)3.5mLと、酸化チタン(P-25、degssa製)2gを混合して、スラリーを調製し、ブラックライト蛍光灯(FL20-BLB、外径32mm、長さ580mm、東芝製)の表面にスプレーして均一に塗布した後、40℃で2時間、乾燥機中で乾燥させることによって十分に固着化させた。
【0021】
この方法では、H22を含むNH3OH溶液に酸化チタン(P-25)を添加してスラリーを調整するため、P-25の一部が溶解し、スラリーが完全に乾いた際に、溶解させた部分がブラックライト表面およびP-25粒子とのバインダーとしての効果を発現させるため、過度の接着剤を使用することなく、ブラックライトに光触媒を固着化させることが可能であり、光エネルギーを最大効率で利用することができる。
【0022】
光触媒を塗布した部分の有効長は、400mm、総面積は、321.5cm2であり、ブラックライト表面に塗布された光触媒重量は約100mgであった。
【0023】
上記構成を用いて、本発明にかかる流体処理装置は、まず、ブラックライト10を点灯させ、流速制御装置で流速を制御しながら、流入口21から流体を流入させる。そして、流体の液面が流出口22に達した流体が当該流出口22から流出する。
【0024】
ここで、流路30における流体の流れについて説明する。まず、流入口21から流入した流体は、流路に流れ込んだ流体の量に応じて徐々に液面を押し上げる流れを形成する。そして、流入口21から流入する流体の速度が上昇するにつれて、液面が単に上昇する流れから、ブラックライトを中心とした螺旋状の流れに変化する。
【0025】
なお、流速制御装置としては、例えば、ポンプなど、流体の速度をDean渦が形成される速度に加速することが可能な任意の装置を利用することが可能であり、流入口21から流入する流体の速度が既にDean渦を形成するに十分な速度を有する場合は、流速制御装置を用いることなく、流体を流入口21から流入させてもよい。
【0026】
このように本発明に係る流体処理装置では、ブラックライトを中心とした螺旋状の水流を形成することにより、流体の処理を効率よく行う。これは、ブラックライトを中心とした螺旋状の水流を形成することにより、ブラックライトの表面において、螺旋状の水流(Dean渦)が形成され、流体に含まれる分解対象物質などと触媒との接触の可能性が増加するためであると思慮され、流路を狭めたりすること無く、流体の処理を効率よく行うことができる。
【0027】
なお、本実施例では、光触媒である酸化チタンを触媒として用いているが、触媒は、光触媒や酸化チタンに限られるものではなく、流体の処理に適した任意の触媒を用いることができる。
【0028】
また、酸化チタンの光触媒活性を効率良く発現させるため、ブラックライトを光源として設けているが、光源は、光触媒の光触媒活性を発現させるために適した波長の光を発生させる任意の光源を用いることが可能であり、特に光源を設置することなく、自然光を光源として利用してもよい。
【0029】
さらに、触媒が熱触媒である場合は、光源に代えて電熱線などの熱源を設けるなど、触媒に応じて、当該触媒の触媒活性を高めることが可能な任意の補助装置を光源に代えて設けてもよい。
【0030】
加えて、処理容器は、ガラスに限られるものではなく、金属やセラミックなど、任意の材料を用いることが可能であるが、触媒活性の発現に適した波長の光を透過させることが可能な場合は、実施例2における処理装置のように、処理容器の外側に光源を設置することも可能である。
【0031】
また、本実施例では、処理容器内に設置したブラックライトの表面に酸化チタンを固定しているが、例えば、処理容器の内側など、流路内で流体と接する位置であれば、任意の箇所に触媒を設置することが可能である。なお、光触媒は、光源との距離が近いほど高い触媒活性を示すことから、ブラックライト表面に固定することが望ましい。
【0032】
さらに、本実施例では、ブラックライトと処理容器との間に流路を形成しているが、例えば、円筒形の二つの管を同心円上に載置し、内側の管と外側の管との間に流路を形成するなど、任意の方法で流路を形成することが可能である。
【実施例1】
【0033】
本実施例では、高濃度の擬似汚染水である3ppmのメチレンブルー(関東化学製)水溶液1Lを、図1を用いて説明した流体処理装置で処理し、UV−Vis分光光度計(Uvmini-1240、島津製)を用いて脱色効果を検討した。分解実験時の流速と分解速度定数との関係、及び任意の流量における水流の様子を図3に示す。
【0034】
ここで、点(a)乃至(e)の各地点の写真(画像)は、オレンジ色の蛍光剤で着色して細かく裁断した紙製のウエス(指標)を流路に設置し、各点の流速で水(流体)を流し込むことによって流体の流れを可視化し、一定時間シャッターを開放して写真撮影した画像をモノクロに変換したものである。
【0035】
図3に示すように、本実施例では、流速が増大するにつれて反応速度定数が増加し、2.0L/min(点(b))を超えると反応速度定数が急激に増加することが確認された。
【0036】
点(a)における写真に示すように、流速0.1L/minでは、流入口近辺でブラックライトを周回する水流を形成するものの、流体処理装置の上方に行くにつれて指標の動きが小さくなっている。これは、流入時の流速が遅すぎるため、水(流体)の抵抗によって、流体処理装置上方まで螺旋状の流れを維持することができずに失速し、層流を形成するためであると考えられる。
【0037】
一方、流速が2L/min(点(b))を超えると、点(b)乃至(e)における各写真に示すように、ブラックライトの円周に沿った螺旋状の流れが流体処理装置の上方にまで形成されており、反応速度定数の急激な変化は、このような流体の流れの変化によるものであると考察される。すなわち、螺旋状の流れを形成するまで水流の流速を上げることで、より効果的な分解速度定数が得られることを見いだした。
【0038】
ここで、流速が2L/minの時のレイノルズ数(Re)を次式に基づいて算出すると、平均流速(U)が0.057[m/sec]、特性長さ(L)が0.46[m]、動粘性係数(v)が1.0038×10-6[m2/ssec](流体が20℃の純水の場合)であることから、2.6×104となる。
【0039】
【数1】

【0040】
従って、流れのパターンは、流速が低速から2L/minにまで上昇するにつれて、層流からRe=2.6×104の螺旋状の流れに変化していることがわかる。
【0041】
螺旋状の流れでは、流速の上昇に伴って、流路曲面で遠心力が増加することから流速が上がるにつれて、ディーン(Dean)渦が形成されとなり、溶存中のMR分子と光触媒の間との接触の確率が高くなるといった、螺旋状の水流の効果が発現しているものと思慮される。
【0042】
すなわち、流速が2.0L/minを超えた時、3ppmのメチレンブルー水溶液の分解速度定数が劇的な増加を示したのは、螺旋状の水流の遠心力によってディーン渦が形成され、MR分子と光触媒との間に高い接触の可能性がもたらされたからであると考察される。
【0043】
なお、図3において、流速が6L/minを超えた最後の2点(点(d)、(e))は、傾斜が徐々に緩やかになっているが、これは分解に必要な接触時間の減少によるものと考察される。
【実施例2】
【0044】
本実施例では、高濃度の擬似汚染水である3ppmのメチレンブルー(関東化学製)水溶液を、実施例1で用いた流体処理装置で処理し、UV−Vis分光光度計(Uvmini-1240、島津製)を用いて脱色効果を検討した。流速2.2 L/min又は6.1 L/minで1.0Lのメチレンブルー水溶液を循環させ、処理総量が200Lになった時の分解率を図4に示す。なお、流速がどちらの場合も、ブラックライト表面に螺旋状の流れが形成されていた。
【0045】
図4に示すように、流速が2.2L/minの時の分解率が64.8%であり、流速が6.1L/minの時の分解率が78.0%の分解率であり、螺旋状の流れが形成される状態であっても、流速が上昇すると、分解対象物質と光触媒との接触の可能性が増加することが示唆された。これは、流速が増加するにつれて、螺旋状の水流の間隔が狭まることによる効果と考えられる。
【実施例3】
【0046】
流体、特に水処理では、汚染物質の濃度が減少するにつれて、分解の対象となる汚染物質と触媒とが接する可能性が減少することから、水処理が困難となる。
【0047】
そこで本実施例では、50ppbの4,4'-(1-メチルエチリデン)-ビスフェノール(関東化学製)水溶液(BPA)を低濃度の擬似汚染水として用い、実施例1で用いた本発明に係る流体処理装置と、光触媒フィルタを用いた従来型の流体処理装置でそれぞれ処理を行った。
【0048】
ここで、本実施例で用いた光触媒フィルタを備えた流体処理装置の構成を図2を用いて説明する。
【0049】
図2は、触媒をフィルタに固定した従来型の流体処理装置の一例を示す概略構成図である。同図に示すように流体処理装置は、処理容器101と、光触媒フィルタ102と、光源103とを備えて構成されている。
【0050】
処理容器101は、流体が流入する流入口104と、流体が流出する流出口105を備えたガラス製の容器であり、流入口104側の面が耐熱製のガラス板(パイレックスTM)106(3mm厚)で覆われている。なお、処理容器は、ガラス製に限られるものではなく、鉄やアルミニウム、ステンレスなどの金属や、プラスチックなど、任意の素材からなる容器を用いること可能であり、この際、流体の処理を阻害するイオン等が溶出しない素材を用いることが好ましい。
【0051】
光触媒フィルタ102は、市販の3次元光触媒フィルタ(Solaclea、50mm×400mm×13mm、ノリタケカンパニーリミテド製)であり、処理容器101の流入口104と流出口105の間の流路107内に、面積が最も広い面(表面)をガラス板106側に向けて固定されている。ガラス板106及び処理容器102の底面108との5mmの隙間を設定した。
【0052】
ブラックライト103は、ガラス板106の外側、光触媒フィルタ101表面からの距離が20mmの位置に設置されている。
【0053】
そして、本実施例における流体処理装置では、まず、ブラックライト103を点灯させると、当該ブラックライト103から照射された光がガラス板103を通過して光触媒フィルタ102に照射される。次に、流入口104から流体を流入させると、流体は、光触媒フィルタ102を通過し、流出口105から流出する。
【0054】
なお、実施例1で用いた本発明における流体処理装置は、流体の流れに乱れが生じた螺旋状の流れを用いて、目標となる物質と触媒との接触効率を上げることを目指しているのに対して、触媒フィルタを用いた従来型の流体処理装置は、3次元的に構造化した触媒フィルタを用いて、接触効率を上げることを目指すものである。
【0055】
各流体処理装置で処理されたBPA水溶液を、抽出ディスク(Empore SDB-XD、3M製)を備えた抽出方法及びガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)(QP-5050、島津製作所製)を用いて分析し、濃度変化を測定することで分解の効果を検討した。5.0LのBPA水溶液を流速8.0L/minで2時間循環させて処理を行い、経過時間と濃度の関係から算出した分解速度定数を図5に示す。
【0056】
50ppb以下という濃度の水処理においても、本発明に係る流体処理装置を用いて効果的に処理を行うことができることが確認された。
【0057】
また、螺旋状の水流を用いながらUV光を効果的に利用することが可能であり、コンパクトな本発明における流体処理装置が、3次元光触媒フィルタを利用した従来型の流体処理装置とほぼ同等の性能を有することが確認された。
【実施例4】
【0058】
本実施例では、微生物を用いてし尿を処理する循環型トイレから採取した再生水(RW)1Lを6.1L/minの流速で実施例1で用いた流体処理装置内を循環させて処理を行い、処理前の再生水が琥珀色であることから、UV−Vis分光光度計(Uvmini-1240、島津製)を用いて脱色効果を検討した。測定結果を図6に示す。
【0059】
図6に示すように、再生水の吸収は、短波長側に強く現れ、処理時間が進むにつれて吸収が弱くなった。また、目視においても、実験当初、琥珀色であったが、2時間処理した後には、透明になった。
【0060】
このことから本発明における流体処理装置は、微生物によってし尿が処理された再生水の処理においても有用であることが確認された。
【0061】
また、本発明における流体処理装置を用いて再生水の処理を行うことにより、化学薬品を使用せずに再生水を浄化することが可能であることから、ユーザにも有益で環境にもやさしく、水源を確保できない場所や使用後の水を放流できない場所で多く利用される循環型トイレなどで特に有効に活用することができると思慮される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本実施例に係る流体処理装置の構成の一例を示す概略構成図である。
【図2】光触媒フィルタを用いた従来型の流体処理装置の一例を示す図である。
【図3】分解実験時の流速と分解速度定数との関係を示す図である。
【図4】流速と分解率の関係を示す図である。
【図5】図1と図2を用いて説明した各流体処理装置における分解速度定数を示す図である。
【図6】処理時間ごとの各波長の吸光度を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
10…ブラックライト
11…酸化チタン
20…処理容器
21…流入口
22…流出口
30…流路
101…処理容器
102…光触媒フィルタ
103…光源
104…流入口
105…流出口
106…ガラス板
107…流路
108…底面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に触媒を備えた流路形成体と、
前記流路形成体を内部に載置した処理容器と、
前記処理容器の壁面内側と前記流路形成体との間に形成された流路と、
前記処理容器の外部から前記流路に流体を流入させる流入口と、
前記流路から前記処理容器の外部に流体を流出させる流出路と
を具備し、
前記流出口は、前記流入口の上方に設けられ、
前記流入口から流入した流体は、前記流路形成体の周囲を螺旋状に流れて前記流出口から流出する
ことを特徴とする流体処理装置。
【請求項2】
壁面内側に触媒を担持した処理容器と、
前記処理容器の内部に載置された流路形成体と、
前記処理容器の壁面内側と前記流路形成体との間に形成された流路と、
前記処理容器の外部から前記流路に流体を流入させる流入口と、
前記流路から前記処理容器の外部に流体を流出させる流出路と
を具備し、
前記流出口は、前記流入口の上方に設けられ、
前記流入口から流入した流体は、前記流路形成体の周囲を螺旋状に流れて前記流出口から流出する
ことを特徴とする流体処理装置。
【請求項3】
前記流路形成体は、柱状であり、
前記処理容器は、円筒形であり、
前記流路形成体と前記処理容器は、同心円上に配置されている
ことを特徴とする請求項1又は2記載の流体処理装置。
【請求項4】
前記触媒の触媒活性を高める補助装置が前記流路形成体の内側に設けられていることを特徴とする請求項3記載の流体処理装置。
【請求項5】
前記触媒の触媒活性を高める補助装置が前記処理容器の壁面外側に設けられていることを特徴とする請求項3記載の流体処理装置。
【請求項6】
前記触媒は、光触媒であり、
前記補助装置は、前記光触媒に光触媒活性を発揮させることが可能な波長の光を備えた光源である
ことを特徴とする請求項4又は5記載の流体処理装置。
【請求項7】
前記光触媒は、酸化チタンであり、
前記光源は、ブラックライトである
ことを特徴とする請求項6記載の流体処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−22829(P2009−22829A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185912(P2007−185912)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000125347)学校法人近畿大学 (389)
【出願人】(302062377)日本メンテナスエンジニヤリング株式会社 (4)
【Fターム(参考)】